(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633771
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】レーダーセンサを作動させる装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/35 20060101AFI20200109BHJP
G01S 7/285 20060101ALN20200109BHJP
【FI】
G01S7/35
!G01S7/285
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-546441(P2018-546441)
(86)(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公表番号】特表2019-507351(P2019-507351A)
(43)【公表日】2019年3月14日
(86)【国際出願番号】EP2017053371
(87)【国際公開番号】WO2017153135
(87)【国際公開日】20170914
【審査請求日】2018年9月3日
(31)【優先権主張番号】102016204005.7
(32)【優先日】2016年3月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】シュタインブッハ,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】モウトゥルバウアー,カリン
(72)【発明者】
【氏名】オット,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シュタインハウエル,マティアス
【審査官】
田中 純
(56)【参考文献】
【文献】
特表平05−505470(JP,A)
【文献】
再公表特許第2005/124388(JP,A1)
【文献】
特開2012−247302(JP,A)
【文献】
特開2011−237268(JP,A)
【文献】
特開2016−156751(JP,A)
【文献】
特開2002−257928(JP,A)
【文献】
特開昭53−004492(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−1030739(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 − G01S 7/42
G01S 13/00 − G01S 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダーセンサを作動させる方法において、次の各ステップを有しており、すなわち、送信信号が発信され、
複数の目標物体で反射された送信信号が受信ユニット(100)により受信され、
受信信号が評価され、
評価された受信信号に依存してハイパスフィルタ(40)の限界周波数(fG1...fGn)が制御される方法であって、
前記複数の目標物体に対応するチャネルから受信信号の最大値が判定され、前記最大値に基づき前記限界周波数(fG1...fGn)が制御される方法。
【請求項2】
評価された受信信号に応じて前記ハイパスフィルタ(40)の定義された数の限界周波数が調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハイパスフィルタ(40)の限界周波数は受信信号が強力であるほど高く調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
受信信号の最大値が最大値認識装置(70)により検出されて、受信信号とともに制御装置(80)へ供給される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記受信ユニット(100)のすべてのチャネルから最大値が判定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
レーダーセンサにおいて、
受信ユニット(100)と、
複数の目標物体に対応するチャネルからの受信信号の最大値を判定するための最大値認識装置(70)と、
受信信号の検出された最大値および受信信号を供給可能である制御装置(80)とを有し、前記制御装置(80)によって、判定された最大値および受信信号に依存してハイパスフィルタ(40)の限界周波数(fG1...fGn)を制御可能であるレーダーセンサ。
【請求項7】
前記制御装置(80)は前記受信ユニット(100)の内部に構成されることを特徴とする、請求項6に記載のレーダーセンサ。
【請求項8】
前記制御装置(80)は前記受信ユニット(100)の外部に構成されることを特徴とする、請求項6に記載のレーダーセンサ。
【請求項9】
電子制御装置(80)で進行するときに、またはコンピュータ読取り可能なデータ媒体に保存されたときに、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法を実施するためのプログラムコード手段を有しているコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダーセンサを作動させる方法に関する。さらに、本発明はレーダーセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
周辺区域検出のためのレーダーセンサは、受信器の利用可能なダイナミクス範囲に関して高い要求を課す。このダイナミクスは2つの構成要素によって生じる。第1の構成要素を形成するのは距離ダイナミクスである。目標物体との距離が遠くなるほど、受信レベルが低くなる。レーダー方程式が示すところでは、点目標のレベルは10倍ごとに約40dBだけ低下していく。第2の構成要素は、後方散乱断面積ないしレーダー断面積(英語radar cross section, RCS)によって形成される。たとえば歩行者はわずかな出力しか反射しないが、それに対して、たとえばトラックはそれよりも非常に高い出力を受信器で生成する。
【0003】
上述した各構成要素は相互に影響しないわけではない。目標物がもはや点目標としては観察されず、アンテナローブに比べて大きいとき、それはアンテナによってもはや完全にカバーすることができない。目標物との距離とカバレージとの間の依存性が生じ、それに伴って目標物の後方散乱断面積が生じる。
【0004】
レーダー受信器のアナログブロックは非常に高いダイナミクス範囲を有しているのに対して、システム全体のダイナミクス範囲はアナログ・デジタル・コンバータによって制約される。コンバータのビット幅およびこれに伴ってダイナミクス範囲を少しでも広げることはチップ面積の増大と損失出力の増加につながり、コストや放熱の理由から慎重に検討されるべきである。
【0005】
このような問題をダイナミクス圧縮によって解決することが知られている。ダイナミクス圧縮は、ハイパスフィルタのエッジを操作することによって実現することができる。点目標についての距離ダイナミクスは、理論上、たとえばハイパスエッジにおける目標周波数についての二次ハイパスフィルタによって完全に補償される。
【0006】
慎重な設計にもかかわらず、受信器が信号によって過励振されることが起こり得る。このようなケースは望ましくない。そのせいで、目標物として解釈され得る新たな周波数成分が発生する可能性があるからである。したがって、過励振が生じることになる変調を破棄しなければならない。有効なデータを再び得るために、従来の方式ではたとえば自動利得制御(英語automatic gain control, AGC)によって、過励振に対処しなければならない。信号が強すぎると受信増幅器の利得が少なくなり、このことは、すべての受信信号のレベルを同じように引き下げる。それによって過励振状況は取り除かれるものの、このことは、微弱な目標物を検知できなくなることにも通じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、レーダーセンサを作動させる改善された方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、第1の態様では、次の各ステップを有するレーダーセンサを作動させる方法によって解決される:
−送信信号が発信され、
−少なくとも1つの目標物体で反射された送信信号が受信ユニットにより受信され、
−受信信号が評価され、
−評価された受信信号に依存してハイパスフィルタの限界周波数が制御される。
【0009】
それにより、目標物の「強度」に依存して、受信特性の適合化が実行されることが可能になるという利点がある。特に、強力な目標物がレーダーセンサの近くにあるとき、遠く離れている(「微弱な」)目標物を依然として良好に認識可能である。このことは、実際の周辺区域シナリオを表す受信された信号に依存して、限界周波数が上方に向かってシフトすることによって可能となる。
【0010】
この課題は、第2の態様では、次のものを有するレーダーセンサによって解決される:
−受信ユニット、
−受信信号の最大値を判定するための最大値認識装置、
−受信信号の検出された最大値および受信信号を供給可能である制御装置。制御装置によって、判定された最大値および受信信号に依存してハイパスフィルタの限界周波数を制御可能である。
【0011】
本発明による方法の好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【0012】
本方法の1つの好ましい発展例は、評価された受信信号に応じて、ハイパスフィルタの定義された数の限界周波数が調整されることを意図する。このようにして、実際に検出された周辺区域シナリオに合わせた簡単な適合化を行うことができ、そのつどの受信状況に合わせた限界周波数の一種のダイナミックな適合化が実行される。
【0013】
本方法の別の好ましい発展例は、受信信号が強力であるほどハイパスフィルタの限界周波数が高く調整されることを特徴とする。それにより、強力な近接目標物が相応に減衰されることがサポートされる。それに対して、遠隔目標物は実質的に影響を受けずに検出可能なままに保たれる。
【0014】
本方法の別の好ましい発展例は、受信信号の最大値が最大値認識装置によって検出され、受信信号とともに制御装置に供給されることを意図する。それにより、広範なデータ材料が限界周波数の制御のために提供されることがサポートされ、それにより、最新の検出された周辺区域シナリオに合わせたハイパスフィルタの限界周波数の正確な適合化が提供される。
【0015】
本方法の別の好ましい発展例は、最大値が受信ユニットのすべてのチャネルから判定されることを意図する。このようにして、ワーストケースシナリオが具体化されるという利点があり、それにより、限界周波数の判定と制御にあたっての計算コストがサポートされるという利点があり、もっとも強力な受信チャネルが基準となる。それにより、限界周波数を判定するための計算コストを最小化できるという利点がある。さらに、このようにして受信ユニットのアナログ・デジタル・コンバータを飽和状態にならないよう効果的に守ることができる。
【0016】
次に、上記以外の構成要件や利点を含めて、複数の図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。その際には、記載または図示されているすべての構成要件が単独で、または任意の組み合わせで本発明の対象物を形成し、特許請求の範囲もしくはその引用において、これらの構成要件がどのようにまとめられているかには左右されず、また、発明の詳細な説明ないし図面の文章ないし図示でどのように表現されているかに左右されない。
【0017】
開示されている方法構成要件は、開示されている相応の装置構成要件からもこれに準じて明らかとなり、その逆も成り立つ。このことは特に、レーダーセンサを作動させる方法に関わる構成要件、技術的な利点、および実施形態が、それに準ずる仕方でレーダーセンサに関わる対応する実施形態、構成要件、および利点から明らかとなり、その逆も成り立つことを意味する。
【0018】
図面には次のものが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来式のレーダーセンサの受信ユニットを示す原理的なブロック回路図である。
【
図2】レーダーセンサの受信ユニットのハイパスフィルタの周波数特性曲線の従来式の推移である。
【
図3】レーダーセンサの受信ユニットのハイパスフィルタの周波数特性曲線の本発明に基づく推移である。
【
図4】本発明による方法の1つの実施形態を示す原理的なフローチャートである。
【
図5】本発明によるレーダーセンサの受信ユニットを示す原理的なブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の基本思想は、ハイパスフィルタの限界周波数を受信信号に合わせて適合化して、強力な近接目標物でも微弱な遠隔目標物でも良好に検知可能にすることにある。
【0021】
この目的のために、受信チェーンまたは送信出力の利得に代えて、ダイナミクス圧縮のために利用されるハイパスフィルタの限界周波数が制御される。ハイパスフィルタの限界周波数が有効周波数領域の内部に位置するように受信器が設計されているとき、限界周波数を上方に向かってシフトさせることで、近い目標物について受信レベルの低減を惹起することができ、それに対して、遠い目標物は実質的に影響を受けることがない。近接領域のレベルは小さな目標物についてさえ非常に高いが、遠隔領域の小さな目標物はしばしば雑音の中に消失してしまうので、提案されるこのような方法によって、レーダーセンサのパフォーマンスメリットを引き出すことができる。
【0022】
図1は、レーダーセンサの受信ユニット100のブロック回路図を原理的な仕方で示している。受信されたレーダー信号はアンテナ10によって検出されて、増幅器20により増幅され、引き続き、受信されたレーダー信号がミキサ30でベースバンドへとダウンミキシングされる。受信ユニット100のこの部分は高いダイナミクス要求をまだ比較的容易に満たすことができる。後続するA/Dコンバータ50についてダイナミクスを補償するために、ミキサ30とA/Dコンバータ50の間にハイパスフィルタ40がつながれている。受信ユニット100の出力データは、A/Dコンバータ50と配線されたデジタルインターフェース60によって出力され、データはデジタルインターフェース60から外部のマイクロコントローラ(図示せず)へ二次処理のために送られる。それと同時に最大値認識装置70により、目標物信号の最大値が受信ユニット100のすべてのn個のチャネルK1...Knにわたりシーケンス中に認識ないし制御ないし提供される。このように最大値認識装置70のためのデータは、簡単な仕方で判定可能な、デジタルインターフェース60のためのデータからの一種の抜粋である。近い目標物は、このようなそれ自体公知の原理に基づいて低い周波数にマッピングされ、遠い目標物は高い周波数にマッピングされる。
【0023】
図2は、レーダー目標物のダイナミクス差が取り扱われる、従来から適用されている原理を示す。ここではレーダーセンサによって検出されるべき目標物のシナリオが事前に定義され(たとえば歩行者、自動車、トラックなど)、定義されたシナリオに応じてハイパスフィルタ40の限界周波数が調整される。これに相当する従来式のフィルタ曲線ないし周波数特性曲線が、
図2に模式的に示されている。
【0024】
図2には、レーダーセンサの受信ユニットのハイパスフィルタの3つのフィルタ特性ないし周波数特性曲線A,B,Cを見ることができ、それぞれ最大の受信出力Pがベースバンド周波数fに対してプロットされている。これら3つのフィルタ特性A,B,Cは、第1の限界周波数f
G1までは実質的に平行に延びており、その後、定義された勾配で平行に延びるように降下していく。3つのフィルタ特性A,BおよびCはいずれも従来式の増幅制御が行われるケースに相当し、フィルタ特性B,Cはフィルタ特性Aに比べて下方に向かって平行にシフトしており、このことは、ベースバンド周波数fが高く、それに伴って距離が遠いときに、微弱なレーダー目標物(たとえば遠く離れた歩行者)のレベルが雑音の中で消失することにつながるという不都合がある。従来式のレーダーセンサは、このように遠隔目標物についていわば「ブラインド」がある。
【0025】
ハイパスフィルタ40の提案されるフィルタ特性が
図3に原理的に示されている。ハイパスフィルタ40の周波数特性曲線が、
図3では一例として3つの限界周波数f
G1,f
G2,f
G3を有するフィルタ特性として示されており、それにより、無段階の制御と比べたときの技術的なコストを少なく抑えることができる。ハイパスフィルタ40のフィルタ次数は、(目標物の距離の減少による)レベル上昇が、低い周波数のほうに向かってちょうど補償されるように設計されている。それによって特性曲線は限界周波数f
G1,f
G2,f
G3の下方で屈曲し、ゼロに向かって実質的に一定のレベルに保たれる。
【0026】
受信シナリオに応じて、このようにして限界周波数f
G1...f
G3がダイナミックに変更され、それにより、レーダーセンサの現在存在しているシナリオについて受信特性が最適化され、それにより、遠隔目標物でも近接目標物でも十分に認識可能となる。
【0027】
調整可能な限界周波数f
G1...f
G3は、いずれも受信器の有効周波数領域に位置している。
図3の特性曲線の降下していく分枝でベースバンド周波数を生成する遠く離れた物体については、限界周波数の制御によってダイナミクスが変化せず、減衰が行われることがない。近くの物体は特性曲線の水平の分枝でベースバンド周波数を生成し、すなわちハイパスフィルタ40によって減衰される。複数の物体があるときの高い後方散乱断面積により、ダイナミクスはフィルタ減衰にもかかわらず十分である。それに伴い、フィルタ特性曲線は近接領域で高い入力レベルについて微分動作を惹起する。
【0028】
図3の特性曲線については、一例として、通常動作についてのレベル計画が、限界周波数f
G1を有するコンフィギュレーションを意図することが想定されている。新たな変調シーケンスの開始前に、レーダーセンサのすべてのn個のチャネルK1...Knの最大値が、先行するシーケンスから最大値認識装置70により検出されて、評価される。この最大値が定義された閾値を上回っていて、f
G1までの周波数領域に強力な目標物が存在していると、限界周波数f
G2を有するコンフィギュレーションへと切換が行われる。A/Dコンバータ50の過励振につながることになる限界周波数f
G1を下回る目標物体のレベルが、このようにして引き下げられるのに対して、限界周波数f
G2を上回る物体のレベルは影響を受けないままに保たれ、すなわち不必要に減衰されることがない。このようにして、ハイパスフィルタ40の限界周波数f
G1...f
Gnをダイナミックに制御ないし調整することが可能になるという利点がある。
【0029】
限界周波数f
G1...f
Gnについての3つという数は、一例にすぎないとみなされるべきであり、たとえば、限界周波数の数をこれよりも増減させることが意図されていてもよく、この場合、2つという数が最低限度となる。
【0030】
図4は、本発明による方法の1つの実施形態の原理的なフローチャートを示している。
【0031】
ステップ200で送信信号の発信が行われ、ステップ210で、少なくとも1つの目標物体で反射された送信信号の受信が受信ユニットによって行われる。
【0032】
ステップ220で、受信信号の評価が行われる。
【0033】
ステップ230で、評価された受信信号に依存して、ハイパスフィルタ40の限界周波数f
G1...f
Gnの制御が行われる。
【0034】
図5は、本発明による受信ユニット100の1つの実施形態の原理的なブロック回路図を示している。受信ユニット100の各要素のうち
図1ですでに説明したものは、簡略化のため、再度説明することをしない。ここでは、デジタルインターフェース60と最大値認識装置70のデータが供給される制御装置80を追加的に見ることができる。供給されるデータに依存して、制御装置80がハイパスフィルタ40の限界周波数f
G1...f
Gnを上に説明した仕方で判定、制御する。その結果として、レーダーセンサの受信シナリオとハイパスフィルタ40の限界周波数との間で、制御式のフィードバック経路が提供される。このようにして、目標物についての距離ダイナミクスが実質的に除去されるので、受信ユニット100のA/Dコンバータ50が飽和状態にならないよう守られるという利点がある。
【0035】
別案として、図面には示していないが、制御装置80を受信ユニット100の外部に配置することも可能である。
【0036】
ハイパスフィルタ限界周波数を制御式に調整する方法は、たとえばマイクロコントローラ(図示せず)または制御装置80の上で進行するソフトウェアとして構成されるのが好ましい。
【0037】
要約すると、レーダーセンサの最新の周辺状況がハイパスフィルタの限界周波数のダイナミックな調整のために判定、評価される、レーダーセンサを作動させる方法が本発明によって提案される。このようにして、近接領域だけでなく遠隔領域でも、目標物の大きなダイナミクス差について高性能のレーダーセンサを具体化可能である。
当業者にとって、本発明の要部から外れることなく、本発明の上述した各構成要件を適切に改変し、相互に組み合わせることができることは自明である。
【符号の説明】
【0038】
40 ハイパスフィルタ
70 最大値認識装置
80 制御装置
100 受信ユニット