【実施例】
【0019】
図1は、本発明に係る杖と傘の一体保持具の全体斜視図であり、1は杖Sの下端Saを上方より挿入し通過させる、全体として輪状に形成された上部杖係着部であり、2は該上部杖係着部1と同様に形成され、該上部杖係着部1に挿入され通過した杖Sの下端Saを、同様に上方(上部杖係着部1側)から挿入し通過させる、全体として輪状に形成された下部杖係着部である。
【0020】
図2は、該上部杖係着部1及び下部杖係着部2に杖Sの下端Saが挿入通過されて、本発明の杖と傘の一体保持具が杖Sに係着保持されている状態を示した状態斜視図である。
図1において、3は窄められた傘Uの布生地部分を外側から巻回保持可能な傘係着部であり、該傘係着部3は、変形自在の布帛等やシート素材で形成され、全体として筒状に形成されている。
【0021】
前記上部杖係着部1と筒状の傘係着部3の上部4は、上部杖係着部1であって傘係着部3側の湾曲部1aと、傘係着部3の上部4であって上部杖係着部1側の湾曲部4aとを、表裏一体に形成することで連接された状態に成っている。同様に、前記下部杖係着部2であって筒状の傘係着部3の下部5は、下部杖係着部2であって傘係着部3側の湾曲部2aと傘係着部3の下部5であって下部杖係着部2側の湾曲部5aとを表裏一体に形成することで連接された状態に成っている。
【0022】
また、輪状に形成されている上部杖係着部1であって、傘係着部3の上部4と連接されている部分以外の上部ブリッジ部1bは、傘係着部3の上部4の最上部4bと連続していて、該上部ブリッジ部1bと傘係着部3の上部4の最上部4bは袋状に形成されている。傘係着部3は、本実施例では、
図1等に示されるように、連接されている上部杖係着部1と略反対側が分割された状態に形成されているが、分割されずに全体として筒状を形成していてもよい。本実施例では分割されている部分にスライドファスナーを設けていて(スライドファスナーの細かな図示は省略)、該分割部3aを開閉自在に形成し、
図1等では開かれた状態を示している。スライドファスナーが閉じれば傘係着部3は筒状となる。
【0023】
袋状に形成されている上部杖係着部1の上部ブリッジ部1bと傘係着部3の上部4の最上部4bの袋内には一本の紐6が挿通されていて、該紐6の両端は取りまとめられ、該端部から紐6に沿って摺動可能な上部掛止駒7が挿通されている。該上部掛止駒7はその位置を変えることにより、上部ブリッジ部1bと最上部4bとを同時に開閉できるように(窄めたり広げたりできるように)成っている。上部掛止駒7を上部杖係着部1側へ移動させれば、上部杖係着部1と傘係着部3の上部4が同時に窄められるように成っていて、上部ブリッジ部1bと最上部4bと紐6と上部掛止駒7とで上部緊締手段K1と成している。
【0024】
同様に輪状に形成されている下部杖係着部2であって、傘係着部3の下部5と連接されている部分以外の下部ブリッジ部2bは、傘係着部3の下部5の最下部5bと連続していて、該下部ブリッジ部2bと傘係着部3の下部5の最下部5bは袋状に形成されている。
【0025】
袋状に形成されている下部杖係着部2の下部ブリッジ部2bと傘係着部3の下部5の最下部5bの袋内には一本の紐8が挿通されていて、該紐8の両端は取りまとめられ、該端部から紐8に沿って摺動可能な下部掛止駒9が挿通されている。該下部掛止駒9はその位置を変えることにより、下部ブリッジ部2bと最下部5bを同時に開閉できるように(窄めたり広げたりできるように)成っている。下部掛止駒9を下部杖係着部2側へ移動させれば、下部杖係着部2と傘係着部3の下部5が同時に窄められるようになっていて、下部ブリッジ部2bと最下部5bと紐8と下部掛止駒9とで下部緊締手段K2と成している。
【0026】
本発明の杖と傘の一体保持具は、上記のように形成されているため、まず
図2に示すように杖Sを上部杖係着部1と下部杖係着部2に挿通させ、次に
図3に示すように傘Uを傘係着部3の傘係着部3の上部4の上方から挿入して傘係着部3の下部5を挿通させるようにすれば、窄められた傘Uの布生地部分を外側から傘係着部3が巻回する状態となり、次に上部緊締手段K1の上部掛止駒7を上部杖係着部1側に移動させて、上部杖係着部1及び傘係着部3の上部4を窄めれば、本発明の杖と傘の一体保持具の上部で杖Sと傘Uが一体に保持される。さらに下部緊締手段K2の下部掛止駒8を下部杖係着部2側に移動させて、下部杖係着部2及び傘係着部3の下部5を窄めれば、本発明の杖と傘の一体保持具の下部で杖Sと傘Uが一体に保持される。
【0027】
このように、本発明の杖と傘の一体保持具で杖Sと傘Uを一体に保持すれば、少なくとも2か所で杖Sと傘Uが本保持具で緊締されることになり、コンパクトにしっかりとまとめられることになる。
【0028】
図4は上記請求項1記載の杖と傘の一体保持具に、さらに、上部杖係着部1と下部杖係着部2との間であって、杖Sを巻回し緊締可能な杖緊締手段K3が傘係着部3に設けられた請求項2の杖と傘の一体保持具を示している。杖緊締手段K3は、面ファスナー10のフック部10aとループ部10bと、該面ファスナー10と略同一高さにある傘係着部3の杖が挿通される側部分、とから構成されこれらは全体として輪状と成っていて、フック部10a及びループ部10bはそれぞれ筒状の傘係着部3の略中央部に固着されている。杖Sは、その下端Saを上部杖係着部1及び下部杖係着部2に挿通させて
図2の状態にしたのち、面ファスナー10を強く締めること(前記全体として輪状に形成されている該輪を窄めること)でも本発明の杖と傘の一体保持具に保持されることになる。
【0029】
図5は、請求項1に記載の杖と傘の一体保持具の傘係着部3にさらに紐状の持ち手係着部11が設けられ、該持ち手係着部11によって本発明の杖と傘の一体保持具が杖Sの持ち手Sbに係着されている状態の請求項3に記載の杖と傘の一体保持具を示している。より具体的には、持ち手係着部11の端部には輪11aが設けられていて、該輪11aを杖Sの持ち手SbのT字部分に通すことで、本発明の杖と傘の一体保持具を杖Sに係着し、その部分より下方にずり落ちないように形成している。紐状とは紐に限定されることではなく、細長く変形自在であることの意義である。したがって鎖等であってもよい。
【0030】
なお、上記筒状の傘係着部3の内側は、窄められた傘Uの布生地部分が接するが、この内側部分を吸水性の布帛等で形成し、巻回する傘Uに付着している雨水を該吸水性の布帛により吸水するようにしてもよい。こうすることにより、雨水が付着した傘Uと杖Sを、本発明の杖と傘の一体保持具で一体に保持していても、床面に傘Uからの雨水が落下することが無くなり、杖Sの石突部が該雨水で滑る、ということが無い。また吸水された雨水は、上記傘係着部3の分割部3aのスライドファスナー(図示せず)を閉じた状態にすれば、そのまま傘係着部3の内側に保持され、該スライドファスナーを開いて分割部3aを開放させれば、吸水された雨水等を蒸発させて傘係着部3の内側を素早く乾かすことが出来る。