(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施形態の外用剤は、(A)トラネキサム酸又はその塩と、(B)脂肪酸及び脂肪酸塩と、を含有する。
【0013】
(A)トラネキサム酸又はその塩
トラネキサム酸は、trans−4−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸とも称される化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0014】
トラネキサム酸の塩としては、外用剤として、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。トラネキサム酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;亜鉛塩;鉄塩;アンモニウム塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。トラネキサム酸の塩としては、中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0015】
トラネキサム酸又はその塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
本実施形態の外用剤における(A)成分の含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、外用剤の全量を基準として、(A)成分の総含有量が、通常、0.01〜5重量%であり、0.1〜3重量%であることが好ましく、0.5〜2重量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲であると、本発明による効果に加え、トラネキサム酸又はその塩が有する美白、抗炎症、肌荒れ改善などの作用も得ることができる。
【0017】
(B)脂肪酸及び脂肪酸塩
脂肪酸としては、外用剤として、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。脂肪酸としては、例えば、天然の脂肪を加水分解して得られる脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。脂肪酸は、直鎖脂肪酸であってもよく、分岐脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸(ペンタデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、リグノセリン酸(テトラコサン酸)、セロチン酸(ヘキサコサン酸)、モンタン酸(オクタコサン酸)、メリシン酸(トリアコンタン酸)などの飽和脂肪酸、パルミトレイン酸(9−ヘキサデセン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、リノール酸(cis,cis−9,12−オクタデカジエン酸)、リノレン酸(オクタデカントリエン酸)、アラキドン酸(5,8,11−エイコサテトラエン酸)などの不飽和脂肪酸などが挙げられる。脂肪酸としては、本発明による効果をより一層顕著に奏することから、直鎖脂肪酸、飽和脂肪酸が好ましく、直鎖飽和脂肪酸がより好ましい。また、脂肪酸としては、本発明による効果をより一層顕著に奏することから、常温で固体の脂肪酸が好ましい。直鎖飽和脂肪酸としては、本発明による効果をより一層顕著に奏することから、炭素原子数10〜25の直鎖飽和脂肪酸が好ましく、炭素原子数10〜22の直鎖飽和脂肪酸がより好ましく、炭素原子数10〜20の直鎖飽和脂肪酸が更に好ましく、炭素原子数12〜18の直鎖飽和脂肪酸が更により好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸が更によりまた好ましく、パルミチン酸及びステアリン酸が特に好ましい。
【0018】
脂肪酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
脂肪酸塩としては、外用剤として、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。脂肪酸塩としては、例えば、上述した脂肪酸の塩が挙げられる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;亜鉛塩;鉄塩;アンモニウム塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。脂肪酸塩としては、中でも、本発明による効果をより一層顕著に奏することから、脂肪酸と、塩基性アミノ酸、アルカリ金属及びアミンから選ばれる1種以上との塩が好ましく、脂肪酸とアルギニン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及びトリエタノールアミンから選ばれる1種以上との塩がより好ましい。
【0020】
脂肪酸塩は、脂肪酸塩として外用剤に配合してもよく、また、脂肪酸とその中和剤を外用剤に配合し、外用剤中で脂肪酸塩を形成させてもよい。中和剤としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ金属、アンモニア、リジン、ヒスチジン、オルニチン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン等が挙げられる。
【0021】
脂肪酸塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
本実施形態の外用剤における(B)成分の含有量は、外用剤の全量を基準として、(B)成分の総含有量が、12〜25重量%である。(B)成分の含有量がこの範囲内にあることにより、優れた性状と使用感を両立することができる。(B)成分の含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、外用剤の全量を基準として、(B)成分の総含有量が、13〜23重量%であることが好ましく、14〜20重量%であることがより好ましい。なお、本明細書において、(B)成分の含有量とは、脂肪酸換算の含有量を意味する。すなわち、脂肪酸塩の含有量は、対応する脂肪酸(例えば、ステアリン酸のアルギニン塩の場合、対応する脂肪酸はステアリン酸である。)に換算して算出する。
【0023】
本実施形態の外用剤に含まれる脂肪酸の含有量は、例えば、外用剤を有機溶媒で抽出し、有機溶媒相に含まれる脂肪酸を常法に従い定量することで測定することができる。有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルムを用いることができ、ジエチルエーテルを用いることが好ましい。有機溶媒相に含まれる脂肪酸は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量することができる。
【0024】
本実施形態の外用剤に含まれる脂肪酸塩の含有量は、例えば、外用剤を水性溶媒で抽出し、水性溶媒相に含まれる脂肪酸イオンを常法に従い定量することで測定することができる。水性溶媒としては、例えば、精製水、蒸留水を用いることができる。水性溶媒相に含まれる脂肪酸イオンは、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により脂肪酸として定量することができる。
【0025】
本実施形態の外用剤における、脂肪酸及び脂肪酸塩の脂肪酸換算での総量に対する脂肪酸塩の脂肪酸換算での含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましく、5〜15重量部であることが更に好ましい。脂肪酸及び脂肪酸塩の脂肪酸換算での総量に対する脂肪酸塩の脂肪酸換算での含有量は、例えば、前述の方法により測定した脂肪酸の含有量、及び脂肪酸塩の含有量から算出することが好ましいが、例えば、外用剤に含まれる脂肪酸と、当該脂肪酸と塩を形成可能な成分(中和剤)との含有比率又は配合比率から簡易的に算出してもよい。
【0026】
脂肪酸塩は、脂肪酸と(C)塩基性アミノ酸との塩であることが好ましい。
【0027】
(C)塩基性アミノ酸
塩基性アミノ酸としては、外用剤として、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンなどが挙げられる。中でも、塩基性アミノ酸としては、アルギニンが好ましい。塩基性アミノ酸は、D体であっても、L体であってもよいが、好ましくはL体である。
【0028】
塩基性アミノ酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
本実施形態の外用剤が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、外用剤の全量を基準として、(C)成分が総量で、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがより好ましく、0.1〜2重量%であることが更に好ましい。なお、本明細書において、(C)成分の含有量とは、塩基性アミノ酸及びその塩の総含有量を、塩基性アミノ酸換算で表した含有量を意味する。
【0030】
本実施形態の外用剤が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は、(B)成分の総量を基準として、(C)成分が総量で、0.0001〜0.5重量部であることが好ましく、0.0005〜0.3重量部であることがより好ましく、0.001〜0.1重量部であることが更に好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、適切な量の脂肪酸を脂肪酸塩に中和することができるため、外用剤の性状と使用感がより向上する。
【0031】
(D)多価アルコール
多価アルコールとしては、外用剤として、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。多価アルコールとしては、例えば、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1500、高重合ポリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、多価アルコールとしては、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが好ましい。
【0032】
多価アルコールは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
本実施形態の外用剤が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、本発明による効果をより一層高める観点から、外用剤の全量を基準として、(D)成分が総量で、1〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましく、10〜30重量%であることが更に好ましい。
【0034】
本実施形態の外用剤が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、(B)成分の総量を基準として、(D)成分が総量で、0.5〜4重量部であることが好ましく、0.5〜3重量部であることがより好ましく、0.5〜2重量部であることが更に好ましい。(D)成分の含有量が上記範囲内であれば、適切な硬度が得られ、外用剤の性状と使用感がより向上する。
【0035】
本実施形態の外用剤は、医薬品、医薬部外品又は化粧品のいずれであってもよい。本実施形態の外用剤は、優れた性状及び使用感を有していることから、皮膚に適用される皮膚外用剤であることが好ましい。
【0036】
医薬品用、医薬部外品用又は化粧品用に用いられる本実施形態の外用剤の形態は、特に限定されず、当業者が適宜決定することができる。外用剤の形態としては、固形剤が好ましく、シャーベット状の固形剤がより好ましい。
【0037】
本明細書において、固形剤とは、後述する方法により測定された外用剤の硬度が30g以上のものを指す。外用剤の硬度は、30〜200gが好ましく、30〜150gがより好ましく、30〜100gが更に好ましい。硬度が上記範囲内であれば、より性状及び使用感のよい外用剤が得られる。
【0038】
本明細書において、シャーベット状とは、外用剤の表面に硬さがあり、力を加えると力を加えられた箇所の周辺部に割れが生じるものであり、ヘラ等ですくい取った場合には、その部分に穴が開いた状態になる。また、シャーベット状の外用剤に触れた際には、パリパリ、サクサク、シャリシャリとした触感があり、皮膚に塗布すると滑らかに塗り込むことができ、皮膚上で溶けていく感触が得られたり、冷感を感じることもある。
【0039】
医薬部外品又は化粧品用の外用剤の用途としては、例えば、美白用化粧料、ニキビ用化粧料、シワ用化粧料、クリーム、美容用化粧料、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、ボディークリームなどの基礎化粧料;メイク落としなどの洗浄用化粧料;ファンデーションなどのメイクアップ化粧料などが挙げられる。
【0040】
本実施形態の外用剤は上記成分のほか、医薬品、医薬部外品又は化粧品に通常使用される基剤又は担体を含有することができる。また、本実施形態の外用剤は、性状特性と使用感特性を損なわない程度に、必要に応じて添加剤を含有することができる。
【0041】
基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンなどの炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンなどのシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;コレステロール、フィトステロール、ヒドロキシステアリン酸フィトステリルなどのステロール類;ホホバ油、メドウフォーム油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、椿油、スクワラン、シアバター、コメ胚芽油などの植物油;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン、馬油などの動物油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアーガム、アセチル化ヒアルロン酸などの天然高分子誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体などの合成高分子;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、ジェランガム、ヒアルロン酸などの天然高分子;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどのエステル類;デキストリン、マルトデキストリンなどの多糖類;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;グリコールエーテル;コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、クエン酸などの有機酸;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体としては、中でも、高分子、高級アルコール、炭化水素、エステル類、シリコーン油、及び有機酸が好ましく、高分子、シリコーン油がより好ましい。
【0042】
本実施形態の外用剤の好ましい例として、基剤としてシリコーン油を含む固形剤が挙げられる。
【0043】
基剤又は担体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0044】
本実施形態の外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、又は化粧品に添加される公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、清涼化剤、着色剤、香料、パール光沢付与剤などを添加することができる。
【0045】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
【0046】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、及びテトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのシリコーン系界面活性剤;リン脂質、サーファクチン、及びサポニンなどの天然界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミドなどの脂肪酸アミドアミン;トリラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミンなどのアルキルアミン;ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びラウリルヒドロキシスルホベタインなどのベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。
【0047】
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤などが挙げられる。
【0048】
防腐剤又は保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオール、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0049】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、及びホウ酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、酢酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸、及びアミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムなど)、並びに有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、リジン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
【0050】
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
【0051】
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。
【0052】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、及びカリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、並びにメタリン酸などが挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0053】
清涼化剤としては、メントール、メントキシプロパンジオール、モノメンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、カンフル、オイゲノール、ミント油、ハッカ油などが挙げられる。
【0054】
着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
【0055】
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、パール光沢付与剤としては、ジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
【0056】
添加剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0057】
本実施形態の外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、美白成分、収斂成分、紫外線防御成分(紫外線吸収成分、紫外線散乱成分)などが挙げられる。
【0058】
保湿成分としては、例えば、セラミド、コレステロール、及びリン脂質などの脂質;アロエベラエキス、カミツレエキス、ハマメリスエキス、ユキノシタエキス、チャエキス、エーデルワイスエキス及びシソエキスなどの植物抽出エキス、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、及びコンドロイチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、及びキトサンなどの高分子化合物;グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びジグリセリントレハロースなどの多価アルコール;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、アスパラギン酸、テアニン、及びアルギニンなどのアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、及びピロリドンカルボン酸ナトリウムなどの天然保湿因子、ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、及び水素添加レシチンなどのリン脂質;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、及び尿素などのNMF由来成分;ポリグルタミン酸;MPCポリマー(例えば、LIPIDURE(登録商標)など)などのリン脂質極性基を有する高分子;ポリオキシプロピレンメチルグルコシド;トリメチルグリシン(ベタイン);ヒドロキシエチルウレア;アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体などが挙げられる。保湿剤としては、中でも、使用感を考慮すると、セラミド、コレステロール、リン脂質などの脂質;アロエベラエキス、ユキノシタエキス、エーデルワイヅエキスなどの植物抽出エキスが好ましい。
【0059】
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、ブドウ、オタネニンジン、及びコンフリーなど)に由来する成分、アラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、塩酸ピリドキシン、サリチル酸又はその誘導体、及びε−アミノカプロン酸、プロアントシアニジン、トコフェロール又はその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、ヘスペリジン、グルコシルヘスペリジン、エルゴチオネイン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸又はその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。
【0060】
抗菌又は殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、イオウ、レゾルシン、エタノール、塩化ベンゼトニウム、アダパレン、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオールなどのアルカンジオール、グリセリン脂肪酸エステル、アゼライン酸、塩酸アルキルジアミノグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、及びパラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
【0061】
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、β−トコフェリルレチノエートなどのビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノンなどのプロビタミンA類;δ−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、及びコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステルなどのビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、及びニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチルなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノンなどのビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩などのビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミンなどのビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミンなどのビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸などの葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテルなどのパントテン酸類;ビオチン、ビオチシンなどのビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;並びにγ−オリザノール、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、及びオロット酸などのビタミン様作用因子などが挙げられる。
【0062】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、並びにアシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチドなど)などが挙げられる。
【0063】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチンなどが挙げられる。
【0064】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ−アミノ酪酸、及びε−アミノプロン酸などのアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、及びパントテン酸類などのビタミン類;グリコール酸、及び乳酸などのα−ヒドロキシ酸類;タンニン;フラボノイド;サポニン;アラントイン;並びに感光素301号などが挙げられる。
【0065】
老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトンなどが挙げられる。
【0066】
血行促進作用成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、又はトウモロコシ)に由来する成分;グルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
【0067】
角質軟化成分としては、例えば、尿素、サリチル酸、グリコール酸、グルコン酸、フルーツ酸、フィチン酸、ラノリン、乳酸、乳酸塩、クエン酸及びイオウなどが挙げられる。
【0068】
美白成分としては、例えば、アルブチン;ハイドロキノン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;アスコルビン酸又はその誘導体;ビタミンE又はその誘導体;パントテン酸又はその誘導体;美白作用を有する植物成分(例えば、植物エキスや精油)などが挙げられる。
【0069】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、及び硫酸アルミニウムカリウムなどの金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、メントール、エタノールなどが挙げられる。
【0070】
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、及び2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピロン酸エチルヘキシル、エトルヘキシルトリアゾリン、パラアミノ安息香酸およびその誘導体、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、サチリル酸エチレングリコール、ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0071】
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸などの無機化合物;これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、又はマイカやタルクなどの無機粉体で被覆したもの;これらの無機化合物をポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン又はナイロンなどの樹脂粉体に複合化したもの;並びにこれらの無機化合物をシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩などで処理したものなどが挙げられる。
【0072】
洗浄成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩(N−ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、水酸化カリウム/N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、及びミリストイルグルタミン酸など)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アシル化イセチオン酸塩、及びアシル化タウレートなどのアニオン界面活性剤;アルキレンオキサイドが付加していてもよい、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキル基を有するモノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤;並びにカルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウムなど)、及びアミドベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0073】
その他の有効成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0074】
本実施形態の外用剤は、容器詰めされた外用剤であってもよい。容器形状としては、例えば、ジャータイプ、エアレスポンプなどを例示でき、最も好ましくはジャータイプである。また、容器材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、及びLLDPEなど)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミなど)などを例示できる。また、これらの材料の強度、柔軟性、及び耐候性、並びに容器に収容する成分の安定性などを考慮して、これらの材料を含む容器に各種コーティング処理を施したり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせて容器材料としたり、これらの材料からなる層を積層して容器材料とすることができる。また、当業者であれば、容器からの製剤の吐出量を調節し、又は容器への製剤の付着を軽減するために、容器のノズル及び製剤の吐出部の口径、及び材質を適宜選択することができる。
【0075】
本実施形態の外用剤の使用方法としては、使用対象の皮膚の状態、年齢、又は性別などによって異なるが、例えば以下の方法が挙げられる。1日数回(例えば、1〜5回、好ましくは1〜3回)、適量(例えば、0.05〜5g)を皮膚に塗布すればよい。また、トラネキサム酸の1日使用量が、例えば0.00001〜1g、好ましくは0.0001〜0.5g、より好ましくは0.0002〜0.1gとなるように外用剤を塗布すればよい。また、塗布期間は、例えば1ヶ月〜1年間、好ましくは3〜6ヶ月間とすればよい。
【0076】
本実施形態の外用剤は、トラネキサム酸の生理活性を期待して、肌のシミ、炎症などを有する人に好適に使用できる。本実施形態の外用剤は、その他、種々の皮膚疾患、又は皮膚トラブルを有する人に好適にも使用できる。また、皮膚トラブルの予防のため、本実施形態の外用剤は、正常な肌を有する人も好適な使用対象となる。
【0077】
本実施形態の外用剤は、洗い流しタイプのリーブオフタイプでも、塗布したままにするリーブオンタイプのどちらにも使用できる。本実施形態の外用剤は、薬剤効果を効率よく得るために、より好ましくは、リーブオンタイプである。
【0078】
本発明の一実施形態として、(A)トラネキサム酸又はその塩と、(B)脂肪酸及び脂肪酸塩と、を外用剤に含有させることを含む、該外用剤に優れた使用感(冷感、取り出し感、溶け感、白残りの少なさ)を付与する方法が提供される。なお、使用感の詳細については、後述する。当該方法において、外用剤の実施形態は、上述した通りである。
【実施例】
【0079】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0080】
[試験例:性状及び使用感の評価]
(1)試験サンプルの調製
実施例及び比較例で使用した試験サンプルは、各種試薬を表1及び表2に示す混合比で適宜加熱混合し、調製した。
【0081】
(2)試験方法
(硬度測定)
試験サンプルの硬度は、レオメーター(NRM−2010−J−CW、不動工業社製)を用いて測定した。測定は、25℃で行い、直径が3mmの円柱状のアダプターを用いて、試験サンプルの深さ1cmの硬度を測定値とした。単位はgである。
【0082】
性状(見た目)及び使用感(冷感、取り出し感、溶け感、白残り)については、5人の判定者が以下の基準に従い評価した。各評価項目について、5人の評価点を合計した。各評価項目の点数を合計し、30点以上の試験サンプルを合格とした。
【0083】
(見た目)
2点:表面に硬さ感があり、滑らかで平らである。
1点:硬さ感があるが、滑らかでない。
0点:固化していない、表面に結晶がある又は分離している。
【0084】
(冷感:塗布後に感じる冷感)
2点:冷感を感じる。
1点:弱い冷感を感じる。
0点:冷感を感じない。
【0085】
(取り出し感:ヘラですくった際に感じるシャーベットのような硬度、パリパリ感及びサクサク感の具合)
3点:取り出し感がとてもよい。
2点:取り出し感がよい。
1点:取り出し感が比較的よい。
0点:取り出し感が悪い。
【0086】
(溶け感:塗布した際の、試験サンプルの皮膚上への溶け及びなじみの具合)
3点:溶け感がとてもよい。
2点:溶け感がよい。
1点:溶け感が比較的よい。
0点:溶け感が悪い。
【0087】
(白残り:塗布後において、皮膚上で試験サンプルが白く浮き出る具合)
2点:白残りがない。
1点:わずかに白残りがある。
0点:白残りがある。
【0088】
(3)試験結果
試験結果を表1及び表2に示す。試験サンプルにトラネキサム酸を含有することで、性状及び使用感の評価スコアが改善された(比較例1、実施例1)。ステアリン酸及びその塩の含有量が10重量%以下の場合、試験サンプルの硬度が低く、また性状及び使用感が優れなかった。ステアリン酸及びその塩の含有量が30重量%以上の場合、試験サンプルの硬度が高く、また性状及び使用感が優れなかった。(比較例2〜4)。トラネキサム酸を含み、ステアリン酸及びその塩の含有量が12重量%以上25重量%以下の試験サンプルでは、優れた性状及び使用感が得られた(実施例1〜5)。(B)成分として、ステアリン酸を使用した場合(実施例6)、ステアリン酸とミリスチン酸又はラウリン酸を併用した場合(実施例7〜8)、パルミチン酸単独、又はパルミチン酸とミリスチン酸又はラウリン酸を併用した場合(実施例9〜13)のいずれの試験サンプルでも優れた性状及び使用感が得られた。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
処方例 以下の処方に従って、外用剤が調製される。なお、処方例の各数値は重量%を示す。
【0092】
処方例1
トラネキサム酸 2.0
ステアリン酸 20.0
ジプロピレングリコール 15.0
濃グリセリン 10.0
L−アルギニン 0.5
l−メントール 0.05
l−メンチルグリセリルエーテル 0.1
アロエベラエキス 0.1
ハマメリスエキス 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール) 適量
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%
【0093】
処方例2
トラネキサム酸 0.5
ステアリン酸 18.0
パルミチン酸 5.0
ジプロピレングリコール 12.0
プロピレングリコール 8.0
L−アルギニン 0.3
l−メントール 0.1
トリエタノールアミン 0.5
ユキノシタエキス 0.1
エーデルワイスエキス 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール) 適量
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%
【0094】
処方例3
トラネキサム酸 1.0
ステアリン酸 15.0
ミリスチン酸 8.0
ジプロピレングリコール 12.0
濃グリセリン 8.0
L−アルギニン 0.4
水酸化ナトリウム(5%水溶液) 2.0
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
0.8
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール) 適量
着香剤 適量
精製水 残量
合計 100重量%