特許第6633860号(P6633860)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633860
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】スノコ板
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20200109BHJP
【FI】
   E04F19/08 102E
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-152172(P2015-152172)
(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-31648(P2017-31648A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】518057114
【氏名又は名称】グリーンパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210011
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 大悟
(72)【発明者】
【氏名】韮沢 昇
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−026580(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3034172(JP,U)
【文献】 特開平09−020389(JP,A)
【文献】 特開2010−203530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向と左右方向に開口部複数並設状態に設けられて、この開口部を利用して連結組立てする方形板状のスノコ板であって、前記スノコ板の左右両端部に、前記複数の開口部から選択した開口部に嵌脱自在に嵌め込み可能な連結用凸部設けられ、この左右両端部の連結用凸部を夫々、立ち姿勢として前記複数の開口部が上下に並設するようにした他のスノコ板の前記開口部に嵌め込むことにより、スノコ板の左右両端部に他のスノコ板を夫々直交状態で連結して前記スノコ板が底部と左右側部に設けられたU字形スノコを組立てできるように構成されていると共に、側部スノコ板の上下に並設する複数の開口部から底部スノコ板の連結用凸部を嵌め込む開口部を選択することにより、側部スノコ板に対する底部スノコ板の高さを変更し得るように構成され、このU字形スノコを組立てた際に接地面に接地する接地部スノコ板の底部に設けられているか、若しくはU字形スノコの底部スノコ板の高さを変更した際に側部スノコ板の前記連結用凸部が接地面に接地する接地部として機能するように構成されていることを特徴とするスノコ板。
【請求項2】
記連結用凸部は、前記スノコ板の前後方向に複数並設状態に設けられて、この前後複数の連結用凸部が、立ち姿勢として前記複数の開口部が上下に並設するようにした他のスノコ板の前後方向に並設する複数の前記開口部に嵌め込み可能構成されていることを特徴とする請求項1記載のスノコ板。
【請求項3】
前記スノコ板は合成樹脂製とされ、このスノコ板の左右両端部に前記連結用凸部一体成形され、このスノコ板の底部に前記接地部一体成形されているか若しくは前記連結用凸部前記接地部として機能する形状に一体成形されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のスノコ板。
【請求項4】
前記スノコ板の左右両端部若しくは前記連結用凸部に、撓み弾性を有する弾性片設けられ、この弾性片に、前記連結用凸部を前記開口部に嵌め込んだ際に開口部に係脱自在に係止する係止爪設けられて、この係止爪を開口部に係止することにより連結用凸部を開口部に連結保持可能に構成されていると共に、弾性片を撓ませて係止爪を開口部から係脱することにより連結用凸部を開口部から取り外し可能構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスノコ板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押入れやクローゼットなどの収納空間内に設置して使用するスノコ板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
押入れ内やクローゼットなどの収納空間内は湿気が発生し易く、カビが繁殖し易い環境にある。
【0003】
そこで、収納空間の床面(接地面)にスノコ板を敷設し、このスノコ板上に布団等を載置収納することによって収納空間内の通気性を確保しカビの発生を抑制しようとすることが従来から行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3034172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この種押入れ等の収納空間で使用するスノコ板の改良に係るもので、複数のスノコ板をU字形に組成可能で、これにより収納空間内の接地面に加えて側壁面にもスノコ板を沿わせて設置でき、またスノコ板による押入れの中棚も形成可能となる実用性に優れたスノコ板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
前後方向と左右方向に開口部2複数並設状態に設けられて、この開口部2を利用して連結組立てする方形板状のスノコ板1であって、前記スノコ板1の左右両端部に、前記複数の開口部2から選択した開口部2に嵌脱自在に嵌め込み可能な連結用凸部3設けられ、この左右両端部の連結用凸部3を夫々、立ち姿勢として前記複数の開口部2が上下に並設するようにした他のスノコ板1の前記開口部2に嵌め込むことにより、スノコ板1の左右両端部に他のスノコ板1を夫々直交状態で連結して前記スノコ板1が底部と左右側部に設けられたU字形スノコを組立てできるように構成されていると共に、側部スノコ板1Bの上下に並設する複数の開口部2から底部スノコ板1Aの連結用凸部3を嵌め込む開口部2を選択することにより、側部スノコ板1Bに対する底部スノコ板1Aの高さを変更し得るように構成され、このU字形スノコを組立てた際に接地面4に接地する接地部5スノコ板1の底部に設けられているか、若しくはU字形スノコSの底部スノコ板1Aの高さを変更した際に側部スノコ板1Bの前記連結用凸部3が接地面4に接地する接地部5として機能するように構成されていることを特徴とするスノコ板に係るものである。
【0008】
また、前記連結用凸部3は、前記スノコ板1の前後方向に複数並設状態に設けられて、この前後複数の連結用凸部3が、立ち姿勢として前記複数の開口部2が上下に並設するようにした他のスノコ板1の前後方向に並設する複数の前記開口部2に嵌め込み可能構成されていることを特徴とする請求項1記載のスノコ板に係るものである。
【0009】
また、前記スノコ板1は合成樹脂製とされ、このスノコ板1の左右両端部に前記連結用凸部3一体成形され、このスノコ板1の底部に前記接地部5一体成形されているか若しくは前記連結用凸部3前記接地部5として機能する形状に一体成形されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のスノコ板に係るものである。
【0010】
また、前記スノコ板1の左右両端部若しくは前記連結用凸部3に、撓み弾性を有する弾性片6設けられ、この弾性片6に、前記連結用凸部3を前記開口部2に嵌め込んだ際に開口部2に係脱自在に係止する係止爪設けられて、この係止爪7を開口部2に係止することにより連結用凸部3を開口部2に連結保持可能に構成されていると共に、弾性片6を撓ませて係止爪7を開口部2から係脱することにより連結用凸部3を開口部2から取り外し可能構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスノコ板に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のように構成したから、スノコ板の左右両端部に他のスノコ板を夫々直交状態に連結してスノコ板が底部と左右側部に設けられたU字形スノコを組成でき、従って、押入れやクローゼットなどの収納空間内の接地面と側壁面とに、U字形スノコの底部スノコ板と側部スノコ板を沿わせて設置できるので、接地面と側壁面に対して良好に通気性を確保できると共に、接地面と側壁面に生じた結露等に収納物が直接接触することを防止でき、また、組成したU字形スノコは、スノコ板の底部に設けた接地部が接地面に接地するか、若しくは連結用凸部が接地面に接地する接地部として機能するので、U字形スノコを接地面に安定的に設置でき、しかも本発明は、連結用凸部を嵌め込む開口部を複数の開口部から選択可能であるので、U字形スノコの側部スノコ板に対する底部スノコ板の高さを調整でき(様々な使用状況に対応して底部スノコ板を高さ調整でき)、その上、連結用凸部が嵌め込まれていない開口部を利用してスノコ板増設することもでき、収納空間内で中棚として機能するスノコ板を有する形態のU字形スノコを組成することも容易に可能であるなど、極めて実用性に優れたスノコ板となる。
【0012】
また、請求項2記載の発明においては、前後に並設する複数の連結用凸部を、他のスノコ板の前後に並設する複数の開口部に嵌め込みできるため、U字形スノコの底部スノコ板と側部スノコ板とが一層確固に連結されることになる極めて実用性に優れた構成のスノコ板となる。
【0013】
また、請求項3記載の発明においては、前記作用・効果を発揮するスノコ板を合成樹脂の一体成形により簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成のスノコ板となる。
【0014】
また、請求項4記載の発明においては、U字形スノコの底部スノコ板と側部スノコ板とを一層確固に連結できると共に、底部スノコ板と側部スノコ板の取り外し作業も容易に行われる極めて実用性に優れた構成のスノコ板となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例を示す一部を省略した斜視図である。
図2】本実施例を示す一部を省略した別角度からの斜視図である。
図3】本実施例のスノコ板を、他のスノコ板に直交連結しようとする状態を示す斜視図である。
図4】本実施例の連結用凸部、並びに係止爪を備えた弾性片を示す部分拡大斜視図である。
図5】本実施例の連結用凸部を開口部に嵌め込み、係止爪を開口部に係止した状態(スノコ板同士を直交連結した状態)を示す一部拡大正断面図である。
図6】本実施例のU字形スノコを示す正面図である。
図7】本実施例のスノコ板を前後方向に連結した状態を示す斜視図である。
図8】本実施例のスノコ板同士の前後連結構造を示す部分拡大底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
本発明のスノコ板1を、押入れやクローゼットなどの収納空間内の接地面4(床面)に敷設し、このスノコ板1の上に布団などの収納物を載置収納すると、スノコ板1の左右方向に複数並設状態に設けられている開口部2によって通気性が良好に確保される共に、収納空間の接地面4に結露等が生じても、水滴や汚れ等が収納物に直接触れることがない。
【0018】
また、本発明のスノコ板1は、左右両端部に設けた連結用凸部3を、夫々他のスノコ板1の前記複数の開口部2から選択した開口部2に嵌脱自在に嵌め込むことにより、スノコ板1の左右両端部に他のスノコ板1を夫々直交状態で連結して前記スノコ板1が底部と左右側部に設けられたU字形スノコを組成することができる。
【0019】
従って、このU字形スノコを収納空間の接地面4に接地すると、U字形スノコ底部スノコ板1Aが接地面4に沿うだけなく、収納空間の側壁面にも側部スノコ板1Bを沿わせて設置することが可能であるので、接地面4と側壁面に対して複数の開口部2により良好な通気性が確保されると共に、接地面4と側壁面に生じた結露等が収納物に直接触れることもない。
【0020】
また、この際、スノコ板1の底部に設けた接地部5が接地面4に接地するか、若しくは前記連結用凸部3が接地面4に接地する接地部5として機能して、U字形スノコは収納空間内に安定的に設置されることになる。
【0021】
また、前記U字形スノコを組成する際、連結用凸部3を嵌め込む開口部2を複数の開口部2から選択することによって、底部スノコ板1Aの高さを側部スノコ板1Bに対して調整できる。
【0022】
従って、様々な使用状況に対応して底部スノコ板1Aを高さ調整でき、更に、連結用凸部3が嵌め込まれていない開口部2を利用して横設スノコ板1を増設することもでき、これにより収納空間内で中棚として機能する横設スノコ板1が増設された形態のU字形スノコを組成したり、収納空間内の天壁面に沿設する横設スノコ板1が増設された形態のU字形スノコを組成したりすることも可能である。
【実施例】
【0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例のスノコ板1は、合成樹脂製とし、図1図2に示すような左右方向に長さを有する平面視略長方形板状であって、前後方向と左右方向に開口部2が複数並設する形状に一体成形したものとしている。
【0025】
また、開口部2は、スノコ板1の前後方向に長さを有する平面視帯状の開口に形成し、この開口部2が、スノコ板1の前後方向の複数箇所(図面は二箇所)に所定間隔を置いた並設状態にして設けられると共に、スノコ板1の左右方向には、前後方向の並設数より多い複数箇所(少なくとも六箇所以上。図面では省略しているが十箇所以上が好ましい。)に所定間隔を置いた並設状態にして設けられる形状に、前記スノコ板1を一体成形している。
【0026】
また、この開口部2は、左右の対向開口縁の途中部に、対向内側へ向けて突出する突起8を設けて、この対向する突起8間は、左右開口幅が他の部位の左右開口幅より幅狭となる形状に形成している。
【0027】
また、このスノコ板1は、その底部に、接地面4(押入れやクローゼットなどの収納空間の床面等)に接地する略直方体状の接地部5を垂設状態に一体成形している。
【0028】
また、この接地部5は、スノコ板1底部の前端部と後端部と前後中間位置とに垂設すると共に、左右方向に間隔を置いた複数箇所(図面は四箇所)に並設状態に設けている。
【0029】
従って、この垂設する複数の接地部5により、スノコ板1は底部が接地面4に対して浮上した状態で接地し、この浮上空隙と前記複数の開口部2とによって通気性が良好に確保されると共に、この浮上間隙に、除湿剤や防虫剤などを配設することもできる構成としている。
【0030】
本実施例は、前記スノコ板1の左右両端部に、前記複数の開口部2から選択した開口部2に嵌脱自在に嵌め込み可能な連結用凸部3を設けている。そして、図3図5に示すように、この左右両端部の連結用凸部3を夫々他のスノコ板1の前記開口部2に、この他のスノコ板1の上面側から嵌め込むことにより、スノコ板1の左右両端部に他のスノコ板1を夫々直交状態で連結して前記スノコ板1が底部と左右側部に設けられた三体のスノコ板1から成るU字形スノコを組成し得るように構成している(図6参照)。
【0031】
具体的には、スノコ板1の左右両端部に、外方へ向けて略直方体状の前記連結用凸部3を一体成形により突設している。
【0032】
また、この連結用凸部3は、スノコ板1の左右両端部の各々に、前後方向に間隔を置いて四箇所突設し、このうち前側二箇所の連結用凸部3が、前後に並設する前記開口部2のうちの前側の開口部2の前記突起8を挟んだ前後位置に嵌め込まれ、後側二箇所の連結用凸部3が、前後に並設する開口部2のうちの後側の開口部2の前記突起8を挟んだ前後位置に嵌め込まれる構成としている(図3参照)。
【0033】
即ち、片側四箇所の連結用凸部3が、他のスノコ板1の前後夫々の開口部2に嵌め込まれて連結用凸部3と開口部2とが確固に連結される構成としている。また、この嵌め込み時には、前側二箇所の連結用凸部3間と後側二箇所の連結用凸部3間に、前記突起8が嵌合状態で配設して、開口部2に対し連結用凸部3が前後方向に位置ズレしにくい連結状態となる構成としている。
【0034】
また、この連結用凸部3は、各々の端部分の上下幅寸法が、前記開口部2の左右開口幅寸法と同じ幅寸法かやや小さい幅寸法に設定して、この連結用凸部3を開口部2に嵌め込んだ際に、側部スノコ板1Bを構成するスノコ板1の開口部2に対し底部スノコ板1Aを構成するスノコ板1の連結用凸部3が上下方向に位置ズレしにくい連結状態となる構成としている。
【0035】
また更に、連結用凸部3の側面部に、開口部2の孔縁に接するリブなどを設けることによって、連結用凸部3が開口部2に対して位置ズレしにくくなる構成を採用しても良い。
【0036】
また、スノコ板1の左右両端部に他の二体のスノコ板1を連結して前記U字形スノコを組成する際、連結用凸部3を嵌め込む開口部2を複数の開口部2から選択することによってU字形スノコ側部スノコ板1Bに対する底部スノコ板1Aの高さを調整することが可能な構成としている。
【0037】
従って、様々な使用状況に対応して底部スノコ板1Aを高さ調整できる。また更に、複数の開口部2が設けられていることにより、連結用凸部3が嵌め込まれていない開口部2を利用して横設スノコ板1を増設することもでき、これにより図6中に二点鎖線で示したように、収納空間内で中棚として機能する横設スノコ板1が増設された形態のU字形スノコを組成したり、収納空間内の天壁面に沿設する横設スノコ板1が増設された形態のU字形スノコを組成したりすることも可能な構成としている。
【0038】
また、本実施例では、前記スノコ板1の左右両端部3に、撓み弾性を有する弾性片6を設け、この弾性片6に、前記連結用凸部3をスノコ板1の上面側から前記開口部2に嵌め込んだ際に開口部2の開口縁に係脱自在に係止する係止爪7を設けている。
【0039】
具体的には、スノコ板1の左右両端部の、前側二箇所の連結用凸部3間と後側二箇所の連結用凸部3間とに、舌片状(薄板状)の前記弾性片6を水平外方に向けて突出一体成形し、この弾性片6の突出先端側の下面に、側面視で突出先端側ほど上下幅が先細る傾斜下面を有しこの傾斜下面の基端部に鉛直面が連設する側面視三角形状の突起を一体成形してこの三角突起を前記係止爪7としている(図4参照)。
【0040】
また、ここで、前記開口部2について更に説明すると、その開口縁全周が下方へ延設する形状に成形している。
【0041】
そして、連結用凸部3をスノコ板1の上面側から開口部2に嵌め込むと、同時に弾性片6もその下面の係止爪7の傾斜下面が前記突起8の突出先端面部に接触しながら開口部2内へと侵入していき、係止爪7の傾斜下面が突起8の突出先端面に接することで弾性片6が徐々に上方へ撓み変形し、係止爪7基端部の鉛直面が開口部2の開口縁の延設端縁に至ると、撓んだ弾性片6が弾性復帰して鉛直面が延設端縁に係止し、この係止により連結用凸部3が開口部2より抜け止め状態となり(連結用凸部3の開口部2への嵌め込み連結状態が保持され)、この係止爪7の係止状態から、指で操作するなどして弾性片6を上方へ撓ませて係止爪7(の鉛直面)を開口部2(の開口縁の延設端縁)から係脱させると、連結用凸部3を開口部2から取り外し可能となる構成としている。
【0042】
尚、この係止爪7付の弾性片6は、前記連結用凸部3に設ける構成を採用しても良い。
【0043】
本実施例では、前記U字形スノコを組成した際に、その底部スノコ板1Aの前記接地部5が接地面4に接地可能(実際は、底部スノコ板1Aを側部スノコ板1Bの最下段の開口部2に連結した際に底部スノコ板1Aの接地部5が接地面4に接地可能)であると共に、その左右の側部スノコ板1Bの下端側に配された前記連結用凸部3(の突出先端面)が接地面4に接地する接地部5として機能するように、この連結用凸部3の形状並びに突出度等を設定構成している(図5図6参照)。即ち、少なくとも左右の側部スノコ板1Bの接地部5(連結用凸部3)により、U字形スノコを接地面4(収納空間)に安定的に設置でき、底部スノコ板1Aの接地部5も接地面4に接地可能となるU字形スノコを構成すれば、接地部5による接地面積が増加してより一層の安定接地が可能となる構成としている。
【0044】
また、本実施例では、前記スノコ板1の前端部に接続部9を設け、この接続部9を着脱自在に接続可能な被接続部10を前記スノコ板1の後端部に設けて、この接続部9を他のスノコ板1の被接続部10に接続することにより、スノコ板1の前端部を他のスノコ板1の後端部に連結し得るように構成している。
【0045】
具体的には、接続部9は、スノコ板1の前端部に上向きに凹む凹陥部9Aを一体成形している(図1参照)。
【0046】
また、この凹陥部9Aは、スノコ板1の前端部の、前記接地部5を避けた左右二箇所に設けると共に、後述の突出部10Aへの被嵌係止が容易となるよう左右幅が下側ほど末広がる形状に形成している。
【0047】
被接続部10は、スノコ板1の後端部から外方(前方)へ短く突出する突出部10Aと、この突出部10Aの突出先端部に設けられ突出部10Aより左右幅が幅広な抜け止め板部10Bとから成る形状に一体成形した構成としている(図2図8参照)。
【0048】
また、この被接続部10は、前記接続部9に位置を対応させて、スノコ板1の後端部の、前記接地部5を避けた左右二箇所に設けている。
【0049】
また、この被接続部10の突出部10Aは、左右幅寸法を前記凹陥部9A上部の最小左右幅寸法よりやや小さい幅寸法に設定して、この突出部10Aに凹陥部9Aを上方から被嵌係止可能な構成とすると共に、前記抜け止め板部10Bは、左右幅寸法を前記凹陥部9Aの左右幅寸法より大きい幅寸法に設定して、前記突出部10Aに凹陥部9Aを被嵌係止すると、抜け止め板部10Bによって接続部9が被接続部10から抜け止め状態となり(図7に示すようにスノコ板1同士が前後方向に水平に接続され)、この接続状態でスノコ板1を他のスノコ板1に対し上動させて接続部9を被接続部10に対し嵌脱すると、スノコ板1同士の前後接続状態を解除できる構成としている。
【0050】
また、前記凹陥部9Aは、その開口周縁部の内側面をテーパ面状に形成する一方、このテーパ面に対応させて前記抜け止め板部10Bの突出部10A側の板面もテーパ面状に形成し、このテーパ面同士が互いに面接当接することによって前後に接続されるスノコ板1同士の左右方向への横ズレを防止した構成としている(図8参照)。
【0051】
従って、このスノコ板1を前後方向に接続することによって押入れやクローゼットなどの収納空間の奥行寸法に応じたサイズ調整が可能となるように構成している。
【0052】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0053】
1 スノコ板
1A 底部スノコ板
1B 側部スノコ板
2 開口部
3 連結用凸部
4 接地面
5 接地部
6 弾性片
7 係止爪
U字形スノコ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8