【実施例】
【0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例のスノコ板1は、合成樹脂製とし、
図1,
図2に示すような左右方向に長さを有する平面視略長方形板状であって、前後方向と左右方向に開口部2が複数並設する形状に一体成形したものとしている。
【0025】
また、開口部2は、スノコ板1の前後方向に長さを有する平面視帯状の開口に形成し、この開口部2が、スノコ板1の前後方向の複数箇所(図面は二箇所)に所定間隔を置いた並設状態にして設けられると共に、スノコ板1の左右方向には、前後方向の並設数より多い複数箇所(少なくとも六箇所以上。図面では省略しているが十箇所以上が好ましい。)に所定間隔を置いた並設状態にして設けられる形状に、前記スノコ板1を一体成形している。
【0026】
また、この開口部2は、左右の対向開口縁の途中部に、対向内側へ向けて突出する突起8を設けて、この対向する突起8間は、左右開口幅が他の部位の左右開口幅より幅狭となる形状に形成している。
【0027】
また、このスノコ板1は、その底部に、接地面4(押入れやクローゼットなどの収納空間の床面等)に接地する略直方体状の接地部5を垂設状態に一体成形している。
【0028】
また、この接地部5は、スノコ板1底部の前端部と後端部と前後中間位置とに垂設すると共に、左右方向に間隔を置いた複数箇所(図面は四箇所)に並設状態に設けている。
【0029】
従って、この垂設する複数の接地部5により、スノコ板1は底部が接地面4に対して浮上した状態で接地し、この浮上空隙と前記複数の開口部2とによって通気性が良好に確保されると共に、この浮上間隙に、除湿剤や防虫剤などを配設することもできる構成としている。
【0030】
本実施例は、前記スノコ板1の左右両端部に、前記複数の開口部2から選択した開口部2に嵌脱自在に嵌め込み可能な連結用凸部3を設けている。そして、
図3,
図5に示すように、この左右両端部の連結用凸部3を夫々他のスノコ板1の前記開口部2に、この他のスノコ板1の上面側から嵌め込むことにより、スノコ板1の左右両端部に他のスノコ板1を夫々直交状態で連結して前記スノコ板1が底部と左右側部に設けられた三体のスノコ板1から成るU字形スノコ
Sを組成し得るように構成している(
図6参照)。
【0031】
具体的には、スノコ板1の左右両端部に、外方へ向けて略直方体状の前記連結用凸部3を一体成形により突設している。
【0032】
また、この連結用凸部3は、スノコ板1の左右両端部の各々に、前後方向に間隔を置いて四箇所突設し、このうち前側二箇所の連結用凸部3が、前後に並設する前記開口部2のうちの前側の開口部2の前記突起8を挟んだ前後位置に嵌め込まれ、後側二箇所の連結用凸部3が、前後に並設する開口部2のうちの後側の開口部2の前記突起8を挟んだ前後位置に嵌め込まれる構成としている(
図3参照)。
【0033】
即ち、片側四箇所の連結用凸部3が、他のスノコ板1の前後夫々の開口部2に嵌め込まれて連結用凸部3と開口部2とが確固に連結される構成としている。また、この嵌め込み時には、前側二箇所の連結用凸部3間と後側二箇所の連結用凸部3間に、前記突起8が嵌合状態で配設して、開口部2に対し連結用凸部3が前後方向に位置ズレしにくい連結状態となる構成としている。
【0034】
また、この連結用凸部3は、各々の端部分の上下幅寸法が、前記開口部2の左右開口幅寸法と同じ幅寸法かやや小さい幅寸法に設定して、この連結用凸部3を開口部2に嵌め込んだ際に、
側部スノコ板1Bを構成するスノコ板1の開口部2に対し
底部スノコ板1Aを構成するスノコ板1の連結用凸部3が上下方向に位置ズレしにくい連結状態となる構成としている。
【0035】
また更に、連結用凸部3の側面部に、開口部2の孔縁に接するリブなどを設けることによって、連結用凸部3が開口部2に対して位置ズレしにくくなる構成を採用しても良い。
【0036】
また、スノコ板1の左右両端部に他の二体のスノコ板1を連結して前記U字形スノコ
Sを組成する際、連結用凸部3を嵌め込む開口部2を複数の開口部2から選択することによってU字形スノコ
Sの
側部スノコ板1Bに対する
底部スノコ板1Aの高さを調整することが可能な構成としている。
【0037】
従って、様々な使用状況に対応して
底部スノコ板1Aを高さ調整できる。また更に、複数の開口部2が設けられていることにより、連結用凸部3が嵌め込まれていない開口部2を利用して横設スノコ板
1を増設することもでき、これにより
図6中に二点鎖線で示したように、収納空間内で中棚として機能する横設スノコ板
1が増設された形態のU字形スノコ
Sを組成したり、収納空間内の天壁面に沿設する横設スノコ板
1が増設された形態のU字形スノコ
Sを組成したりすることも可能な構成としている。
【0038】
また、本実施例では、前記スノコ板1の左右両端部3に、撓み弾性を有する弾性片6を設け、この弾性片6に、前記連結用凸部3をスノコ板1の上面側から前記開口部2に嵌め込んだ際に開口部2の開口縁に係脱自在に係止する係止爪7を設けている。
【0039】
具体的には、スノコ板1の左右両端部の、前側二箇所の連結用凸部3間と後側二箇所の連結用凸部3間とに、舌片状(薄板状)の前記弾性片6を水平外方に向けて突出一体成形し、この弾性片6の突出先端側の下面に、側面視で突出先端側ほど上下幅が先細る傾斜下面を有しこの傾斜下面の基端部に鉛直面が連設する側面視三角形状の突起を一体成形してこの三角突起を前記係止爪7としている(
図4参照)。
【0040】
また、ここで、前記開口部2について更に説明すると、その開口縁全周が下方へ延設する形状に成形している。
【0041】
そして、連結用凸部3をスノコ板1の上面側から開口部2に嵌め込むと、同時に弾性片6もその下面の係止爪7の傾斜下面が前記突起8の突出先端面部に接触しながら開口部2内へと侵入していき、係止爪7の傾斜下面が突起8の突出先端面に接することで弾性片6が徐々に上方へ撓み変形し、係止爪7基端部の鉛直面が開口部2の開口縁の延設端縁に至ると、撓んだ弾性片6が弾性復帰して鉛直面が延設端縁に係止し、この係止により連結用凸部3が開口部2より抜け止め状態となり(連結用凸部3の開口部2への嵌め込み連結状態が保持され)、この係止爪7の係止状態から、指で操作するなどして弾性片6を上方へ撓ませて係止爪7(の鉛直面)を開口部2(の開口縁の延設端縁)から係脱させると、連結用凸部3を開口部2から取り外し可能となる構成としている。
【0042】
尚、この係止爪7付の弾性片6は、前記連結用凸部3に設ける構成を採用しても良い。
【0043】
本実施例では、前記U字形スノコ
Sを組成した際に、その
底部スノコ板1Aの前記接地部5が接地面4に接地可能(実際は、
底部スノコ板1Aを
側部スノコ板1Bの最下段の開口部2に連結した際に
底部スノコ板1Aの接地部5が接地面4に接地可能)であると共に、その左右の
側部スノコ板1Bの下端側に配された前記連結用凸部3(の突出先端面)が接地面4に接地する接地部5として機能するように、この連結用凸部3の形状並びに突出度等を設定構成している(
図5,
図6参照)。即ち、少なくとも左右の
側部スノコ板1Bの接地部5(連結用凸部3)により、U字形スノコ
Sを接地面4(収納空間)に安定的に設置でき、
底部スノコ板1Aの接地部5も接地面4に接地可能となるU字形スノコ
Sを構成すれば、接地部5による接地面積が増加してより一層の安定接地が可能となる構成としている。
【0044】
また、本実施例では、前記スノコ板1の前端部に接続部9を設け、この接続部9を着脱自在に接続可能な被接続部10を前記スノコ板1の後端部に設けて、この接続部9を他のスノコ板1の被接続部10に接続することにより、スノコ板1の前端部を他のスノコ板1の後端部に連結し得るように構成している。
【0045】
具体的には、接続部9は、スノコ板1の前端部に上向きに凹む凹陥部9Aを一体成形している(
図1参照)。
【0046】
また、この凹陥部9Aは、スノコ板1の前端部の、前記接地部5を避けた左右二箇所に設けると共に、後述の突出部10Aへの被嵌係止が容易となるよう左右幅が下側ほど末広がる形状に形成している。
【0047】
被接続部10は、スノコ板1の後端部から外方(前方)へ短く突出する突出部10Aと、この突出部10Aの突出先端部に設けられ突出部10Aより左右幅が幅広な抜け止め板部10Bとから成る形状に一体成形した構成としている(
図2,
図8参照)。
【0048】
また、この被接続部10は、前記接続部9に位置を対応させて、スノコ板1の後端部の、前記接地部5を避けた左右二箇所に設けている。
【0049】
また、この被接続部10の突出部10Aは、左右幅寸法を前記凹陥部9A上部の最小左右幅寸法よりやや小さい幅寸法に設定して、この突出部10Aに凹陥部9Aを上方から被嵌係止可能な構成とすると共に、前記抜け止め板部10Bは、左右幅寸法を前記凹陥部9Aの左右幅寸法より大きい幅寸法に設定して、前記突出部10Aに凹陥部9Aを被嵌係止すると、抜け止め板部10Bによって接続部9が被接続部10から抜け止め状態となり(
図7に示すようにスノコ板1同士が前後方向に水平に接続され)、この接続状態でスノコ板1を他のスノコ板1に対し上動させて接続部9を被接続部10に対し嵌脱すると、スノコ板1同士の前後接続状態を解除できる構成としている。
【0050】
また、前記凹陥部9Aは、その開口周縁部の内側面をテーパ面状に形成する一方、このテーパ面に対応させて前記抜け止め板部10Bの突出部10A側の板面もテーパ面状に形成し、このテーパ面同士が互いに面接当接することによって前後に接続されるスノコ板1同士の左右方向への横ズレを防止した構成としている(
図8参照)。
【0051】
従って、このスノコ板1を前後方向に接続することによって押入れやクローゼットなどの収納空間の奥行寸法に応じたサイズ調整が可能となるように構成している。
【0052】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。