(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の接地方法では、微小突起が載置面上に設けられているため、作業時に作業者や他の部材が突起に触れて傷ついてしまう。一方で、突起に丸みを持たせると絶縁膜を貫通できず、太陽電池モジュールやフレームと架台とを電気的に接続できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、作業時に作業者や他の部材を傷つけることなく、安全かつ確実に接地することができる太陽電池モジュール固定部材、太陽光発電システム、太陽電池モジュール固定構造、及び太陽電池モジュール固定方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の態様に係る導電性で形成された太陽電池モジュール固定部材は、屋根面に固定され、前記屋根面に対して交差する方向に延出する壁を備えた本体部と、前記本体部に設けられ、前記壁と対向する側に形成された開口部より太陽電池モジュールの端部が挿入されて該端部を挟持し、かつ、固定する挟持部と、前記挟持部の内側に設けられ、前記太陽電池モジュールの端部に刺突されることで前記太陽電池モジュールと前記本体部とを電気的に接続する突起部と、を有し
、前記壁は、前記挟持部の下方において屈曲されて前記屋根面に沿って前記挟持部の外側まで延出され、平面視で前記挟持部と重ならない位置で前記屋根面に固定されている。
【0008】
第2の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、第1の態様に係る太陽電池モジュール固定部材において、前記挟持部が、前記壁の両面にそれぞれ設けられている。
【0009】
第3の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、第2の態様に係る太陽電池モジュール固定部材において、前記太陽電池モジュールが、矩形平板状であり、かつ、前記挟持部が、前記太陽電池モジュールの下面を挟持する下壁部を含み、前記壁の一方の面の下部に設けられた第1の挟持部の前記下壁部の基端部と、前記壁の他方の面の上部に設けられた第2の挟持部の前記下壁部の基端部とが、前記太陽電池モジュールの一辺の長さに応じ、前記壁の延出方向に沿って離間して設けられている。
【0010】
第4の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、第1の態様又は 第2の態様に係る太陽電池モジュール固定部材において、前記挟持部が、前記太陽電池モジュールの上面を挟持する上壁部又は 前記太陽電池モジュールの下面を挟持する下壁部を含み、前記突起部が、当該上壁部又は 当該下壁部の内側に形成され、かつ、前記本体部の側に傾斜して設けられている。
【0011】
第5の態様に係る太陽光発電システムは、太陽電池モジュールと、第3の態様に係る太陽電池モジュール固定部材であって、前記太陽電池モジュールの一方の端部を前記第1の挟持部により挟持し、当該太陽電池モジュールと異なる太陽電池モジュールの他方の端部を前記第2の挟持部により挟持する太陽電池モジュール固定部材と、前記太陽電池モジュールより出力される電圧を制御するパワーコンディショナと、を有している。
【0012】
第6の態様に係る太陽電池モジュール固定構造は、第1乃至第4の態様のいずれか1態様に係る太陽電池モジュール固定部材を用いた太陽電池モジュール固定構造であって、導電性材料で形成され、かつ、先端部が前記屋根面から突出し基端部が天井小梁に立設された固定具を用いて、前記本体部を前記屋根面に固定することで、前記挟持部により挟持される前記太陽電池モジュールと前記天井小梁とを電気的に接続する。
【0013】
第7の態様に係る太陽電池モジュール固定方法は、第1乃至第4の態様のいずれか1態様に係る太陽電池モジュール固定部材を用いた太陽電池モジュール固定方法であって、前記本体部を前記屋根面に固定する第1の固定工程と、前記開口部に前記太陽電池モジュールの端部が挿入されて該端部を挟持し、かつ、固定すると共に、前記突起部を前記太陽電池モジュールの該端部に刺突することで、前記太陽電池モジュールと前記本体部とを電気的に接続する第2の固定工程と、を有している。
【0014】
第1の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、挟持部に形成された開口部より太陽電池モジュールを挿入する際に、挟持部内側に設けられた突起部が、太陽電池モジュールの端部を刺突し、太陽電池モジュールと本体部とを機械的及び電気的に接続する。これにより、太陽電池モジュールを開口部に挿入するだけで、太陽電池モジュールの固定及び接地ができ、開口部の内側に手を差し込む必要がない。
【0015】
第2の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、屋根面に固定される本体部の壁の両面に、挟持部がそれぞれ設けられる。そして、各挟持部に形成された開口部より太陽電池モジュールを挿入する際に、挟持部内側に設けられた突起部が、太陽電池モジュールの端部を刺突し、太陽電池モジュールと本体部とを電気的に接続する。これにより、屋根面と架台、架台と太陽電池モジュール、太陽電池モジュール相互が機械的及び電気的に接続される。
【0016】
第3の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、太陽電池モジュールは矩形平板状であり、かつ、壁の両面に設けられた挟持部は、太陽電池モジュールの一辺の長さに応じ離間して設けられている。これにより、太陽電池モジュールの設置傾斜角は、太陽電池モジュールの一辺の長さ及び第1の挟持部の下壁部の基端部と第2の挟持部の下壁部の基端部との距離、により一意に定まる。
【0017】
第4の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、挟持部に形成された開口部より太陽電池モジュールを挿入する際に、挟持部内側に設けられた突起部が、太陽電池モジュールの端部を刺突し、太陽電池モジュールと本体部とを電気的に接続する。突起部が本体部の側に傾斜しているため、例えば、突起部が下壁部に形成されている場合、まず太陽電池モジュールの端部が上壁部を伝って本体部に到達する。次いで下壁部を伝って脱落する過程において、下壁部の突起部付近で、下壁部の板厚が急激に大きくなり、太陽電池モジュールに対し、脱落方向と反対向きの反力が働く。
【0018】
第5の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、第1の挟持部により太陽電池モジュールの端部を挟持し、同一の壁の他方の面の上部に設けられた第2の挟持部により隣接する太陽電池モジュールの他方の端部を挟持することにより、太陽電池モジュール相互が連結された太陽光発電システムが構築される。
【0019】
第6の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、導電性材料で形成され、かつ、先端部が屋根面から突出し基端部が天井小梁に立設された固定具を用いて、本体部を屋根面に固定する。これにより、屋根面を支持する天井小梁と太陽電池モジュールとを機械的及び電気的に接続する。
【0020】
第7の態様に係る太陽電池モジュール固定部材によれば、挟持部に形成された開口部より太陽電池モジュールを挿入する際に、挟持部内側に設けられた突起部が、太陽電池モジュールの端部を刺突し、太陽電池モジュールと本体部とを機械的及び電気的に接続する。これにより、太陽電池モジュールを開口部に挿入するだけで、太陽電池モジュールの固定及び接地ができ、開口部の内側に手を差し込む必要がない。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、第1の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、突起部の先端が鋭利であっても、作業時に作業者や他の部材を傷つけることなく、安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【0022】
第2の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、陸屋根の幅方向、長さ方向に長尺である架台のような大型の部材ではなく、軽量かつ小型の本固定部材のみを用いて太陽電池モジュールを固定する。この結果、少ない部品点数及び 重量で、屋根面、架台及び 太陽電池モジュール相互を安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【0023】
第3の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、太陽電池モジュールの一辺の長さが固定化されている場合でも、第1の挟持部の下壁部の基端部と第2の挟持部の下壁部の基端部との距離を変更することで、太陽電池モジュールの設置傾斜角を任意に設定できる。従って、大量生産、製造コスト削減のため、一辺が所定の長さに固定化された太陽電池セル又は太陽電池モジュールを使用してシステムを構築する場合でも、同一の屋根面上に同一の固定部材を用いて、建造物の方位、屋根形状、屋根傾斜角等に応じた、自由度の高い太陽電池モジュール設置傾斜角の設定が可能となるという優れた効果を有する。
【0024】
第4の態様に係る太陽電池モジュール固定部材は、太陽電池モジュールが開口部外側に脱落することを防ぎ、安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【0025】
第5の態様に係る太陽光発電システムは、軽量かつ小型の本固定部材のみを用いて、屋根面、架台、隣接する太陽電池モジュールを機械的及び電気的に接続し、安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【0026】
第6の態様に係る太陽電池モジュール固定構造は、太陽電池モジュール固定部材と天井小梁とが、機械的及び電気的に接続される。天井小梁等の建材には建造物向け接地配線処理が通常施されるため、建材と本固定部材とを接続するだけで、太陽電池モジュール向け接地配線処理、例えば、太陽電池モジュール、固定部材、架台といった太陽光発電システムの構成部品に接地線を接続することなく、太陽電池モジュールを接地することができるという優れた効果を有する。
【0027】
第7の態様に係る太陽電池モジュール固定方法は、突起部の先端が鋭利であっても、作業時に作業者や他の部材を傷つけることなく、安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
以下、
図1乃至
図9を用いて、本発明に係る太陽電池モジュール固定部材の第1実施形態について説明する。
【0030】
(太陽光発電システムの全体構成)
まず、太陽光発電システムの全体構成について説明する。
図1は、太陽光発電システム10の概略図である。この図に示されるように、太陽光発電システム10は、太陽電池セル(pn接合ダイオード)の光起電力効果を利用して、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電方式であり、太陽電池モジュール12、太陽電池モジュール固定部材14、16、18(各太陽電池モジュール固定部材については後述する)、及びパワーコンディショナ20を主な構成要素とする。
【0031】
太陽光発電システム10においては、太陽電池セルを並べて配線した太陽電池モジュール12が、太陽光発電システム10の仕様に応じて、太陽電池モジュール固定部材14、16、18により、建物22の屋根面24に固定されている。屋根面24に固定された太陽電池モジュール12群は、太陽電池アレイ26を構成し、接続箱28に接続されている。接続箱28では、太陽電池モジュール12により発電された直流電力をパワーコンディショナ20に供給し、パワーコンディショナ20では、直流電力を交流電力に変換し(インバータ)、電力系統に連系するために必要な系統連系保護のための品質制御を行う。パワーコンディショナ20は、分電盤30に接続され、分電盤30では、発電された電力を屋内照明機器等の一般負荷32に分配すると共に、電力量計34を介して、商用電力系統36に連系され、発電された電力が電力会社へと送電される。
【0032】
図2は、
図1に示される太陽光発電システム10が適用された屋根上部の全体斜視図である。
【0033】
太陽電池モジュール12は、長辺方向及び短辺方向に複数枚並べて配置されており、太陽電池モジュール固定部材14、16、18により建物22の屋根面24に固定されている。太陽電池モジュール固定部材14は、建物22の屋根面24に対して交差する方向に延出する壁38の一方の面の下部に設けられた第1の挟持部40、及び他方の面の上部に設けられた第2の挟持部42を備えている。太陽電池モジュール固定部材16は、第1の挟持部40のみを備え、太陽電池モジュール固定部材18は、第2の挟持部42のみを備えている。太陽電池モジュール固定部材14、16、18には、第1のボルト貫通孔44が設けられ、該第1のボルト貫通孔44にスタッドボルト46を貫通させ、上方から第1のナット48を締結することにより、屋根面24に固定されている。
【0034】
最前列の太陽電池モジュール12は、前端部を太陽電池モジュール固定部材16の第1の挟持部40により、後端部を太陽電池モジュール固定部材14の第2の挟持部42によりそれぞれ挟持され、かつ、固定されている。中間に配置される太陽電池モジュール12は、前端部を太陽電池モジュール固定部材14の第1の挟持部40により、後端部を太陽電池モジュール固定部材14の第2の挟持部42によりそれぞれ挟持され、かつ、固定されている。最後列の太陽電池モジュール12は、前端部を太陽電池モジュール固定部材14の第1の挟持部40により、後端部を太陽電池モジュール固定部材18の第2の挟持部42によりそれぞれ挟持され、かつ、固定されている。
【0035】
太陽電池モジュール12の端部には、太陽電池モジュール12の短辺側の端部に沿って配置された一対の縦枠部50Aと、太陽電池モジュールの長辺側の端部に沿って配置された一対の横枠部50Bと、を備えた略矩形上のフレーム50が形成されている。フレーム50は、例えばアルマイト耐食処理されたアルミニウムの表面にアクリル塗装した材料で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0036】
太陽電池モジュール12には、例えばスーパーストレートタイプやサブストレートタイプがある。スーパーストレートタイプは、フレーム50により支持され、耐候性フィルム上に太陽電池セルを配置し、電極と共に太陽電池セルの表面(受光面)を耐衝撃性の強いカバーガラスで被覆し、充填剤により封止されている。サブストレートタイプは、ポリアミド等の電気絶縁性を有する樹脂性のフィルム基板上に太陽電池セルを配置し、電極と共に太陽電池セルの表面(受光面)を光透過性の保護フィルムで被覆し、太陽電池セルとフィルム基材及び太陽電池セルと保護フィルムとは接着剤で接着されている。
【0037】
いずれのタイプでも、太陽電池セルは、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、CIGS化合物半導体等の光発電素子で構成されている。本実施形態では、太陽電池モジュール12は矩形平板状であり、例えば、長さが800〜1600mmで、幅が700〜1100mmで、厚さが40〜60mmとされている。なお、太陽電池モジュール12の寸法はこれに限定されるものではない。
【0038】
また、図示を省略するが、太陽電池モジュール12の内部に設けられた電極には配線が接続されており、太陽電池モジュール12のフレーム50の内側に配線が引き出され、外部の電源と接続される配線処理が施されている。
【0039】
次に、
図3及び
図4を用いて、太陽光発電システム10が適用された屋根下部の構造について説明する。
図3は、
図1に示される太陽光発電システム10が適用された屋根下部の断面図である。また、
図4は、
図3に示される屋根下部及び太陽電池モジュール固定部材14、16、18の分解斜視図である。
【0040】
天井大梁(図示は省略)に対し平行に架け渡された天井小梁52上面には、両端を同一方向に屈曲させたブラケット74が予め溶接により固着されている。天井小梁52上には、開口部56が形成された野地板54が載置され、ブラケット74が該開口部56を貫通している。開口部56上には、開口部56を補強するためのシート状の目地補強材58が貼着され、目地補強材58上には断熱材60が積層されている。断熱材60上にはシート状の保護材62が積層され、保護材62上にはシート状の第1の防水材64が積層されている。第1の防水材64には開口部66が形成されており、第1の防水材64上には、開口部66に嵌合するように、第1のスペーサ68が圧着されている。第1のスペーサ68上には、第2の防水材70が貼着され、第2の防水材70上には、第2のスペーサ72が貼着されている。第2のスペーサ72上には、太陽電池モジュール固定部材14、16、18が載置され、第1のナット48により締結されている。
【0041】
ブラケット74は、上壁部74A、右側壁部74B、及び左側壁部74Cを備えた略コ字状を有し、導電性材料により形成されている。上壁部74Aには、第2のボルト貫通孔76が形成され、第2のボルト貫通孔76には、スタッドボルト46の基端部が上方から挿入され、挿入されたスタッドボルト46は、天井小梁52に離間して立設するよう、上壁部74Aの下方に位置する第2のナット78(ウエルドナット)により締結されている。右側壁部74B及び左側壁部74Cは、天井小梁52に対し略垂直方向に延出するよう、その基端部が天井小梁52の上面に、予め溶接により固着されている。溶接された右側壁部74B及び左側壁部74Cは、天井小梁52に離間して立設しているスタッドボルト46を、正面視にて左右より支持している。この結果、該スタッドボルト46と天井小梁52とを機械的及び電気的に接続すると共に、スタッドボルトにかかる荷重を左右方向に分散させることができる。
【0042】
ブラケット74を貫通させる野地板54の開口部56は略円形状に形成され、その径はブラケット74の長さ及び幅よりも大きく、第2の防水材70の径よりも小さい。開口部56上に貼着された目地補強材58は2枚重ね貼りされ、重着部分に第3のボルト貫通孔80が形成されている。目地補強材58上に積層される断熱材60には、スタッドボルト46の径よりも大きく、開口部56の径よりも小さい開口部82が設けられ、断熱材60上に積層される保護材62には、スタッドボルト46の軸心を通る切り込みが施されている。保護材62上に積層される第1の防水材64には、開口部56と略同径の開口部66が形成され、第1の防水材64に積層される第1のスペーサ68は、開口部66に嵌合するよう、開口部66と略同径、第1の防水材64と略同一の厚みに形成されている。第1のスペーサ68上に接合される第2の防水材70は、開口部56、66よりも径の大きい略円形状に形成され、周縁部は第1の防水材64に溶着されている。第2の防水材70上に接合される第2のスペーサ72は、開口部56、66、及び第1のスペーサ68と略同径に形成されている。この結果、上方より第2のスペーサ72を圧着する際、第1のスペーサ68、第1の防水材64とで空隙が生じにくい。そして、第2の防水材70により、第1のスペーサ68、第1の防水材64の開口部66を上方から被覆し、外周部を第1の防水材64に溶着させるため、防水性を向上させることができる。
【0043】
本実施形態のスタッドボルト46は、第1のスペーサ68、第2の防水材70、及び第2のスペーサ72が、工場においてアセンブリされ、現場において一体として施工されるものを使用しているが、これに限定されるものではない。一部の部材のみにより太陽電池モジュール固定部材14、16、18を固定する場合や、部材の全部が現場において組み立て施工される場合も含む。
【0044】
本実施形態の断熱材60は、例えばポリスチレンフォーム等の発泡性樹脂で形成されているが、これに限定されるものではない。また、変形しやすい材料を用いる場合には、例えば断熱材60の開口部82内において、ナットなど、スタッドボルト46よりも内径が大きく、該開口部82の径よりも外径が小さい円環状の部材を挿入し、第1のスペーサ68及び第2のスペーサ72が必要以上に陥入することを防止する構成としてもよい。
【0045】
本実施形態の第1の防水材64及び第2の防水材70は、ガラス繊維、ポリアミド、ポリエステル等の合成樹脂製の繊維を編み込んだ基布の表面に、撥油性、撥水性に優れたフッ素樹脂を被覆して形成されているが、これに限定されるものではない。
【0046】
(太陽電池モジュール固定部材の詳細構成)
次に、太陽光発電システムに適用される太陽電池モジュール固定部材の詳細構成について説明する。
図5に示されるように、太陽電池モジュール固定部材14は、上述したように、屋根面24に対して交差する方向に延出する壁38を備えた本体部86と、壁38の一方の面の下部に設けられた第1の挟持部40及び他方の面の上部に設けられた第2の挟持部42と、を備えている。
【0047】
本体部86は、基端部が屋根面24に沿って延出し、屈曲線84において、屋根面24に対して交差する方向に屈曲し、全体としては略L字状に形成されている。屈曲線84から先端部にかけての部分は矩形平板上に形成され、壁38を構成している。基端部から屈曲線84にかけて、第1のボルト貫通孔44が形成され、屋根面24に突出したスタッドボルト46の先端部を、第1のボルト貫通孔44に嵌め込む。そして、上方から第1のナット48により締結することで、本体部86を建物22の屋根面24に固定している。第1のボルト貫通孔44は、屈曲線84から第1の挟持部40の長さ以上に離れた距離に形成されている。この結果、第1のナット48を締結する工具を、本体部86の基端部と第1の挟持部40との間に差し込む必要がないため、工具の幅が限定されない。
【0048】
壁38の一方の面の下部には第1の挟持部40が一体に形成されており、太陽電池モジュール12の前端部を挟持し、かつ、固定している。他方の面の上部には第2の挟持部42が一体に形成されており、別の太陽電池モジュール12の後端部を挟持し、かつ、固定している。
【0049】
第1の挟持部40は、略コ字状に形成されており、上壁部40A、下壁部40B、及び側壁部40Cから構成されている。上壁部40Aは、太陽電池モジュール12の上面を挟持しており、先端部が挟持部内側に屈曲している。下壁部40Bは、太陽電池モジュール12の下面を挟持しており、先端部の上面が所定の位置で垂直方向上向きに突出し、板厚が急激に大きくなっている。その後、先端に向けて上面が下り傾斜している。側壁部40Cは、上壁部40Aの基端部から下壁部40Bの基端部まで、壁38の延出方向に沿って、平面視にて下方に屈曲している。
【0050】
第2の挟持部42も同様に略コ字状に形成されており、上壁部42A、下壁部42B、及び側壁部42Cから構成されている。上壁部42Aは、太陽電池モジュール12の上面を挟持しており、先端部が挟持部内側に屈曲している。下壁部42Bは、太陽電池モジュール12の下面を挟持しており、先端部の上面が所定の位置で垂直方向上向きに突出し、板厚が急激に大きくなっている。その後、先端に向けて上面が下り傾斜している。側壁部42Cは、上壁部42Aの基端部から下壁部42Bの基端部まで、壁38の延出方向に沿って、平面視にて下方に屈曲している。
【0051】
下壁部40B、42Bの上面には、略円錐状の第1の突起部92及び第2の突起部94が設けられている。第1の挟持部40の開口部88及び第2の挟持部42の開口部90より太陽電池モジュール12の端部が挿入されると、突起部92、94が太陽電池モジュール12の該端部に形成された絶縁膜を刺突する。これにより、太陽電池モジュール12と本体部86とが機械的及び電気的に接続される。
【0052】
本実施形態では、太陽電池モジュール固定部材14、16、18は、アルミニウム合金を押出加工することにより形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば鋼製熔融亜鉛めっき、ステンレス鋼を圧延加工、鋳造することにより形成してもよい。
【0053】
図6には、太陽電池モジュール最前列で使用される太陽電池モジュール固定部材16の全体斜視図が示されている。太陽電池モジュール固定部材16は、第2の挟持部42が設けられていない点、本体部86の基端部が第1の挟持部40が設けられた面の反対側に屈曲し延出している点、第1のボルト貫通孔44が屈曲線84から第1の挟持部40の長さより短い位置に形成してもよい点を除き、太陽電池モジュール固定部材14と同様である。なお、第1の挟持部40で太陽電池モジュール12の端部を挟持し、第2の挟持部42では何も挟持しないことにより、太陽電池モジュール固定部材16に代わり、前述した太陽電池モジュール固定部材14を太陽電池モジュール最前列で使用しても良い。
【0054】
図7には、太陽電池モジュール最後列で使用される太陽電池モジュール固定部材18の全体斜視図が示されている。太陽電池モジュール固定部材18は、第1の挟持部40が設けられていない点、第2のボルト貫通孔76が屈曲線84から第2の挟持部42の長さより短い位置に形成してもよい点を除き、太陽電池モジュール固定部材14と同様である。なお、第1の挟持部40では何も挟持せず、第2の挟持部42で太陽電池モジュール12の端部を挟持することにより、太陽電池モジュール固定部材18に代わり、前述した太陽電池モジュール固定部材14を太陽電池モジュール最後列で使用しても良い。
【0055】
(作用及び 効果)
次に、施工方法を説明し、施工方法を通し、本実施形態の太陽電池モジュール固定部材14、16、18の作用及び 効果について説明する。
【0056】
屋根面24から垂直方向上向きに突出したスタッドボルト46に、上方から太陽電池モジュール固定部材16に形成された第1のボルト貫通孔44を嵌め込み、第1のナット48を仮締めすることにより、太陽電池モジュール固定部材16を屋根面24に仮固定する(工程A)。次に、仮固定された太陽電池モジュール固定部材16の第1の挟持部40に、最前列の太陽電池モジュール12の前端部を挿入し、前端部を固定する(工程B)。次に、該太陽電池モジュール12の後端部を、太陽電池モジュール固定部材14の第2の挟持部42に挿入し、後端部を固定する(工程C)。次に、太陽電池モジュール固定部材14に形成された第1のボルト貫通孔44を、屋根面24から垂直方向上向きに突出したスタッドボルト46に嵌め込み、第1のナット48を仮締めすることにより、太陽電池モジュール固定部材14を屋根面24に仮固定する(工程D)。以上により、平面視にて最前列の太陽電池モジュール12が仮固定される。
【0057】
次に、太陽電池モジュール固定部材14の第1の挟持部40に二番目の列の太陽電池モジュール12の前端部を挿入し、前端部を固定する(工程E)。以後、工程C乃至工程Eを、設置する太陽電池モジュールの枚数に応じ繰り返す。そして、最後列の太陽電池モジュール12の後端部を太陽電池モジュール固定部材18の第2の挟持部42を嵌め込み、後端部を固定し(工程F)、太陽電池モジュール固定部材18に形成された第1のボルト貫通孔44を、屋根面24から垂直方向上向きに突出したスタッドボルト46に嵌め込み、第1のナット48を仮締めすることにより、太陽電池モジュール固定部材18を屋根面24に仮固定する(工程G)。以上により、最前列に続く太陽電池モジュール12が仮固定される。
【0058】
最後に、太陽電池モジュール12のたわみを調整し、全ての第1のナット48を本締めすることにより、太陽電池モジュール固定部材14、16、18を本固定する(工程H)。なお、工程A、D、G、Hは、請求項7の第1の固定工程に、工程B、C、E、Fは、請求項7の第2の固定工程に、それぞれ相当する。
【0059】
このように、開口部88、90より太陽電池モジュール12を挿入する際に、各挟持部内側に設けられた突起部92、94が、太陽電池モジュール12の端部を刺突し、太陽電池モジュール12と本体部86とを機械的及び電気的に接続する。太陽電池モジュール12を該開口部88、90に挿入するだけで、太陽電池モジュール12の固定及び接地ができ、各挟持部の内側に手を差し込む必要がない。この結果、突起部92、94の先端が鋭利であっても、作業時に作業者や他の部材を傷つけることなく、安全かつ確実に接地することができる。
【0060】
また、太陽電池モジュール固定部材14、16、18は、本体部86の壁38の両面に、第1の挟持部40及び第2の挟持部42がそれぞれ設けられている。各挟持部に形成された開口部88、90に太陽電池モジュール12を挿入する際に、各挟持部内側に設けられた突起部92、94が、太陽電池モジュール12の端部を刺突し、太陽電池モジュール12と本体部86とを電気的に接続する。これにより、屋根面24と架台、架台と太陽電池モジュール12、太陽電池モジュール12相互が機械的及び電気的に接続される。この結果、陸屋根の幅方向、長さ方向に長尺である架台のような大型の部材ではなく、軽量かつ小型の本固定部材のみを用いることにより、少ない部品点数及び 重量で、屋根面24、架台及び 太陽電池モジュール12相互を安全かつ確実に接地することができる。
【0061】
また、太陽電池モジュール12は矩形平板状であり、かつ、壁38の両面に設けられた各挟持部は、太陽電池モジュール12の一辺の長さに応じ離間して設けられ、各挟持部の開口部88、90に太陽電池モジュール12をそれぞれ挿入する。太陽電池モジュール12の設置傾斜角は、太陽電池モジュール12の一辺の長さ及び第1の挟持部40の下壁部40Bの基端部と第2の挟持部42の下壁部42Bの基端部との距離、により一意に定まる。
図8には、太陽電池モジュール固定部材14、16、及び18を太陽電池モジュール設置傾斜角を10度にて、
図9には、太陽電池モジュール設置傾斜角を30度にて固定した状態の断面図が、一例として示されている。
【0062】
太陽電池モジュール12の、太陽電池モジュール固定部材14、16、18により挟持されない辺が直線である場合、太陽電池モジュール設置傾斜角の正接(tanθ)は、該辺の長さで、第1の挟持部40の下壁部40Bの基端部と第2の挟持部42の下壁部42Bの基端部との距離を除すことにより定まる。従って、例えば、辺の長さが1092mmの場合、太陽電池モジュール設置傾斜角を10度に設定するには、tanθは0.176であることから、第1の挟持部40の下壁部40Bの基端部と第2の挟持部42の下壁部42Bの基端部との距離を約192mmとすればよく、30度に設定するには、距離を約630mmとすればよい。
【0063】
このように、太陽電池モジュール12の一辺の長さが固定化されている場合でも、第1の挟持部40の下壁部40Bの基端部と第2の挟持部42の下壁部42Bの基端部との距離を変更することで、太陽電池モジュール12の設置傾斜角を任意に設定できる。従って、大量生産、製造コスト削減のため、一辺が所定の長さに固定化された太陽電池セル又は太陽電池モジュール12を使用して太陽光発電システム10を構築する場合でも、同一の屋根面24上に同一の太陽電池モジュール固定部材14、16、18を用いて、建造物の方位、屋根形状、屋根傾斜角等に応じた、自由度の高い太陽電池モジュール設置傾斜角の設定が可能となり、太陽光発電システム10全体の構築コストを削減することができるという優れた効果を有する。
【0064】
また、第1の挟持部40により太陽電池モジュール12の端部を挟持し、同一の壁38の他方の面の上部に設けられた第2の挟持部42により隣接する太陽電池モジュール12の他方の端部を挟持することにより、太陽電池モジュール12相互が連結された太陽光発電システム10が構築される。この結果、軽量かつ小型の本固定部材のみを用いて、屋根面24、架台、隣接する太陽電池モジュール12を機械的及び電気的に接続し、安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【0065】
また、太陽電池モジュール固定部材14、16、18を使用した固定構造は、導電性材料で形成され、かつ、先端部が屋根面24から突出し基端部が天井小梁52に立設されるようにブラケット74により支持されたスタッドボルト46を、第1のナット48で締結することにより、本体部86を屋根面24に固定する。これにより、ブラケット74が予め溶着されている天井小梁52と太陽電池モジュール12とが機械的及び電気的に接続される。天井小梁等の建材には建造物向け接地配線処理が通常施されるため、建材と太陽電池モジュール固定部材14、16、18とを接続するだけで、太陽電池モジュール12向け接地配線処理、例えば、太陽電池モジュール12、太陽電池モジュール固定部材14、16、18、架台といった太陽光発電システム10の構成部品に接地線を接続することなく、太陽電池モジュール12を接地することができる。
【0066】
<第2実施形態>
以下、
図10を用いて、本発明に係る太陽電池モジュール固定部材の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一構成の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0067】
(太陽電池モジュール固定部材の構成)
図10(A)には、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16の要部拡大図が示されている。
図10(A)に示されるように、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16は、第1の挟持部40の上壁部40Aに突起部96が下向きに形成されている点に特徴がある。
【0068】
具体的に説明すると、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16は、本体部86と、第1の挟持部40と、突起部96とを備えている。本体部86は、屋根面24に固定され、屋根面24に対して交差する方向に延出する壁38を備えている。第1の挟持部40は、壁38の一方の面に設けられ、壁38と対向する側に形成された開口部88より太陽電池モジュール12の端部が挿入されて該端部を挟持し、かつ、固定する。突起部96は、第1の挟持部40の上壁部40Aの内側に下向きに設けられ、太陽電池モジュール12の端部に刺突されることで太陽電池モジュール12と本体部86とを電気的に接続する。
【0069】
図10(B)には、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16の要部拡大図が示されている。
図10(B)に示されるように、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16は、第1の挟持部40の側壁部40Cに突起部98が横向きに形成されている点に特徴がある。その他の点は、
図10(A)に示す例と同様である。
【0070】
上記構成によれば、第1の挟持部40に形成された開口部88より太陽電池モジュール12を挿入する際に、第1の挟持部40の上壁部40A、側壁部40Cの内側に設けられた突起部96、98が、太陽電池モジュール12の端部を刺突し、太陽電池モジュール12と本体部86とを電気的に接続する。太陽電池モジュール12を開口部88に挿入するだけで、太陽電池モジュール12の固定及び接地ができ、挟持部の内側に手を差し込む必要がない。この結果、突起部96、98の先端が鋭利であっても、作業時に作業者や他の部材を傷つけることなく、安全かつ確実に接地することができる。
【0071】
なお、本実施形態では太陽電池モジュール固定部材16の第1の挟持部40の上壁部40A、側壁部40Cの内側に突起部96、98が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、太陽電池モジュール固定部材14の第1の挟持部40の上壁部40Aや側壁部40C、第2の挟持部42の上壁部42Aや側壁部42C、太陽電池モジュール固定部材18の第2の挟持部42の上壁部42Aや側壁部42Cの内側に突起部が形成されてもよい。
【0072】
<第3実施形態>
以下、
図11を用いて、本発明に係る太陽電池モジュール固定部材の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成部材には、同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0073】
(太陽電池モジュール固定部材の構成)
図11には、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材の要部拡大図が示されている。
図11に示されるように、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16は、突起部100が、第1の挟持部40の下壁部40Bの内側に形成され、かつ、開口部88側の面が本体部86の側に傾斜して設けられている点に特徴がある。
【0074】
具体的に説明すると、本実施形態に係る太陽電池モジュール固定部材16は、本体部86と、第1の挟持部40と、突起部100とを備えている。本体部86は、屋根面24に固定され、屋根面24に対して交差する方向に延出する壁38を備えている。第1の挟持部40は、壁38の一方の面に設けられ、壁38と対向する側に形成された開口部88より太陽電池モジュール12の端部が挿入されて該端部を挟持し、かつ、固定する。突起部100は、第1の挟持部40の下壁部40Bの内側に設けられ、太陽電池モジュール12の端部に刺突されることで太陽電池モジュール12と本体部86とを電気的に接続する。
【0075】
突起部100は、断面形状が直角三角形で、本体部86側に位置する垂直面100Aと、開口部88側に位置し、本体部86側に傾斜している傾斜面100Bとを備えている。また、突起部100は、第1の挟持部40の下壁部40Bの全幅にわたって、壁38と平行して形成されている。
【0076】
上記構成によれば、突起部100は、開口部88側に位置する傾斜面が、本体部86の側に傾斜し、第1の挟持部40の下壁部40Bの全幅にわたって形成されているため、太陽電池モジュール12の端部の挿入方向に、深く刺突される。この結果、太陽電池モジュール12を取り付けた後、開口部88外側に脱落することを防ぎ、安全かつ確実に接地することができるという優れた効果を有する。
【0077】
なお、本実施形態では太陽電池モジュール固定部材16の第1の挟持部40の下壁部40Bに突起部100が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、本固定部材の上壁部40A、太陽電池モジュール固定部材14の第1の挟持部40の上壁部40Aや下壁部40B、第2の挟持部42の上壁部42Aや下壁部42B、太陽電池モジュール固定部材18の第2の挟持部42の上壁部42Aや下壁部42Bの内側に突起部が形成されてもよい。
【0078】
<本実施形態の補足説明>
なお、第1乃至第3実施形態では、陸屋根を一例として挙げて説明してきたが、本発明の適用対象 となる屋根には、陸屋根の他、勾配屋根も含まれる。
【0079】
また、第1乃至第3実施形態では、太陽電池モジュール12のフレーム50が挟持部により挟持されているが、これに限定されるものではなく、「太陽電池モジュールの端部」には、太陽電池モジュールの側壁も含まれる。従って、本発明には、太陽電池モジュールが導電性フレームに被覆されていない場合においては太陽電池モジュールの側壁を、太陽電池モジュールが導電性フレームに被覆されている場合においては該フレームを、突起部が刺突する場合が含まれる。
【0080】
また、第1乃至第3実施形態では、挟持部は略コ字状に形成され、壁38の一部が側壁部40C、42Cを構成しているが、これに限定されるものではない。「挟持部」には、例えば、断面U字状のように挟持片が1枚のもの、断面Y字状のように挟持片が2枚のものや、各挟持片の端部がボルトやナットにより連結されているものも含み、挟持片の形状、連結方法に制限されない。
【0081】
また、第1乃至第3実施形態では、太陽電池モジュール12は矩形平板状であるが、これに限定されるものではなく、例えば、屋根面の形状に合わせた三角形状、台形状も含み、太陽電池モジュールの形状に制限されない。
【0082】
また、第1乃至第3実施形態では、第1の挟持部40の下壁部40Bの基端部と第2の挟持部42の下壁部42Bの基端部が壁38の延出方向に沿って離間して設けられているが、これに限定されるものではない。下壁部が同一線上に形成され、例えば、勾配屋根の屋根面に沿って太陽電池モジュールが平行に設置される場合も含む。
【0083】
また、第1乃至第3実施形態では、太陽電池モジュール12が長辺方向及び短辺方向に複数枚並べて配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、長辺方向又は短辺方向に一列に配置されている場合や、太陽電池モジュールが1枚の場合も含む。
【0084】
また、第1乃至第3実施形態では、スタッドボルト46が天井小梁52から離間して立設され、天井小梁52に溶着されたブラケット74がスタッドボルト46を左右より支持しているが、これに限定されるものではない。スタッドボルトが天井小梁に当接され、左右より支持しない場合も含む。