(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光電センサの検知光が、前記ドアにおける戸尻側の端部又は前記周辺構造物における前記ドア側の端部のいずれか一方から前記ドアにおける戸尻側の端部又は前記周辺構造物における前記ドア側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように、当該光電センサを設けた、
請求項5に記載の自動ドアの開閉制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る自動ドアの開閉制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉するドアの開閉制御を行う自動ドアの開閉制御システムに関するものである。
【0021】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁等)において入り口を設置するために形成された開口部である。また、「自動ドア」とは、ドアを自動的に開閉移動させるものである。また、「ドア」は、建物の開口部の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味する。また、ドアの開閉方向は任意であり、例えば左右方向等を含む概念である。また、ドアの取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関ドア」、あるいは建物内部に設置される「室内ドア」等を含む。また、ドアの開閉構造は任意であり、例えば、引分式の戸、片引式の戸、二重引分式の戸、二重片引式の戸として構成することができる。また、「ドアの開閉制御」とは、ドアを開閉移動させるための制御を意味する。また、「ドアの開閉状態」とは、例えば、ドアによって開口部を全閉した「全閉状態」と、ドアによって開口部を全開した「全開状態」と、全閉状態とも全開状態とも異なる「非全開閉状態」とを含む概念である。また、「非全開閉状態」とは、例えば、開閉移動を停止しているドアによって、開口部の一部を開いて、当該開口部の他の一部を閉じている状態である「半開状態」と、ドアの開放方向に向けてドアが開放移動している状態である「開放移動状態」と、ドアの閉鎖方向に向けてドアが閉鎖移動している状態である「閉鎖移動状態」とを含む概念である。以下、実施の形態1では、自動ドアのドアが、集合住宅の如き建物の玄関に設けられた左右開閉式且つ引分式の戸である場合について説明し、実施の形態2では、建物の玄関に設けられた左右開閉式且つ二重引分式の戸である場合について説明する。
【0022】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0023】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る自動ドアの開閉制御システムについて説明する。この実施の形態1は、自動ドアのドアが引分式の戸である形態である。
【0024】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る自動ドアの開閉制御システムが適用される自動ドアの構成について説明する。以下の説明では、
図1のX方向を自動ドアの左右方向(−X方向を自動ドアの左方向、+X方向を自動ドアの右方向)、
図2のY方向を自動ドアの前後方向(+Y方向を自動ドアの前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向を自動ドアの後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向を自動ドアの上下方向(+Z方向を自動ドアの上方向、−Z方向を自動ドアの下方向)と称する。
【0025】
図1から
図3に示すように、この自動ドア1は、概略的に、枠部10、嵌殺戸21、22、ドア41、42、開閉駆動部50、及び開閉制御装置60を備えて構成されている。この自動ドア1は、上述のように建物の玄関に設けられる自動ドアであって、
図1に示すように、建物の躯体2に形成された開口部3には枠部10が設けられており、枠部10の後述する左縦枠11及び後述する右縦枠12にそれぞれ設けられた嵌殺戸21、22における建物の屋内側にはドア41、42が設けられている。このため、ドア41、42は、開口部3を、当該開口部3の開口面内ではなく当該開口部3の開口面よりも建物の屋内側において開閉することになるが、このような開閉であっても、開口部3を介した後述する第1物体の出入りを制限するための開閉を行う点において同様であるため、「開口部3を開閉する」ものとして説明する。なお、自動ドア1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0026】
(構成−枠部)
枠部10は、嵌殺戸21、22及びドア41、42の剛性を主として担うものである。この枠部10は、複数の枠材を相互に組み合わせることによって構成されている。具体的には、複数の枠材は、左縦枠11、右縦枠12、及び無目30から構成されている。そして、これら左縦枠11、右縦枠12、及び無目30は、それぞれ開口部3の周縁における建物の躯体2に対して公知の方法で直接的に固定されている。
【0027】
ここで、無目30は、自動ドア1の各部を収納するためのものである。この無目30は、左右方向に略沿って長尺な中空体であり、建物の躯体2に取り付けられている。また、この無目30の内部には、開閉駆動部50、後述する開閉制御装置60の開閉状態検知部66、及び後述する開閉制御装置60の制御ユニット70が収納されている(ただしこれに限られず、例えば、これに加えて、開閉制御装置60の操作部61及び出力部67が収納されてもよい)。なお、この無目30は、任意の方法で製造することができ、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成することができる。また、この無目30と建物の床面の各々には、ガイドレール(図示省略)が設けられている。ガイドレールは、ドア41、42を開口部3の開閉方向(実施の形態1においては、左右方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレールは、左右方向に直交する断面の形状が略凸状(又は略U字状)となるように形成された長尺体であり、無目30の下面又は建物の床面において、当該ガイドレールの長手方向が左右方向に略沿うように配置され、無目30又は建物の床面に対して固定具等によって固定されている(なお、後述する第1ガイドレールの構成、及び後述する第2ガイドレールの構成についても同様とする)。
【0028】
(構成−嵌殺戸)
嵌殺戸21、22は、開閉移動しない固定された戸であり、開口部の左右両側に設けられている。これら嵌殺戸21、22は、例えば、公知の自動ドア用の嵌殺戸等を用いて構成されており、具体的には、
図1に示すように、ガラス部材23と、ガラス部材23の周囲の少なくとも一部を覆う框部24と、ガラス部材23の左右方向の内側に設けられた方立13、14とを備えて構成されている。また、これら嵌殺戸21、22の固定方法については任意であるが、例えば、ガラス部材23又は框部24を、無目、枠部10の左縦枠11(又は右縦枠12)、建物の床面、及び、方立13(又は方立14)に対して固定具等によって固定する。
【0029】
(構成−ドア)
ドア41、42は、開閉駆動部50によって開閉方向(左右方向)に略沿って移動させることで、全開状態、全閉状態、あるいは非全開閉状態とするものである。これらドア41、42は、例えば公知の自動ドア用のドアであって、引分式のドア等を用いて構成されており、具体的には、
図1に示すように、ガラス部材43と、ガラス部材43の周囲の少なくとも一部を覆う框部44とを備えて構成されている。また、ドア41の固定方法については任意であるが、例えば、まず、框部44の上側部分に図示しない被ガイド部材(例えば、ガイドローラ等)を取り付け、この被ガイド部材を無目30側に設けられた略凸状のガイドレール上に摺動可能に設けることで、ドア41を当該ガイドレールに対して吊らせる。次に、上記框部44の下側部分に図示しない被ガイド部材(例えば、スライダ等)を取り付け、この被ガイド部材を建物の床面側に設けられたガイドレールのU字状の開放端部を介して当該ガイドレールの内部に挿入することで、無目30側及び建物の床面側に設けられたガイドレールに嵌め込む(なお、ドア42の固定方法についても同様とする)。これにより、ドア41、42を、左右方向においてはガイドレールの内部をスライド移動させることができ、かつ、前後方向においてはガイドレールの外部に脱落しないように規制することができる。なお、これらドア41、42を特に区別する必要のないときは、単に「ドア40」と総称する。
【0030】
また、これらドア41、42の各々には、施錠装置(図示省略)が設けられている。施錠装置は、ドア41、42を施錠するための装置である。この施錠装置は、デッドボルト(図示省略)を備えて構成されており、具体的には、ユーザがドア41、42の前方から鍵操作を行うことにより、デッドボルトをドア41、42の戸先側の側面の各々から出し入れすることができ、全閉状態において、このデッドボルトを建物の床面に設けられたデッドボルト受け(図示省略)に係止させることで、ドア41、42を施錠することができる。
【0031】
(構成−開閉駆動部)
開閉駆動部50は、電動でドア41、42を開閉移動させるための開閉駆動手段である。この開閉駆動部50は、例えば、公知の自動ドア用の開閉駆動部を用いて構成されており、具体的には、ドア41、42と連結された無端ベルトと、無端ベルトを回転させるために当該無端ベルトの内部に配置された駆動プーリ及び従動プーリと、駆動プーリを回転させるためのモータとを備えており(いずれも図示省略)、このモータによって駆動プーリを回転させることにより、ドア41、42を開閉移動させることができる。
【0032】
(構成−開閉制御装置)
開閉制御装置60は、ドア41、42の開閉制御を行う装置であり、
図1から
図3に示すように、操作部61、第1検知部62、第2検知部63、第3検知部64、第4検知部65、開閉状態検知部66、出力部67、及び制御ユニット70を備えている。
【0033】
(構成−開閉制御装置−操作部)
操作部61は、開閉制御装置60に対する操作入力を受け付けるものであり、
図1に示すように、建物の躯体2のうち、開口部3の周辺に位置する側壁に対して固定具によって固定されている。また、この操作部61は、開閉制御装置60又は開閉駆動部50の起動を指示したり、又は開閉駆動部50の起動状態の停止を指示するための電源スイッチ(図示省略)を備えている。
【0034】
(構成−開閉制御装置−第1検知部)
第1検知部62は、第1領域E1に第1物体が進入したか否かを検知する第1検知手段である。ここで、「第1領域E1」とは、
図1から
図3に示すように、開口部3に対する見込方向(前後方向)の近傍に位置する領域である。また、「近傍」とは、開口部3から離れた位置の範囲であって、当該位置の範囲に第1物体が存在した場合には、第1物体が開口部3を通過する確率が高くなると推定される位置の範囲であり、実施の形態1では、開口部3から見込方向(前後方向)に向けて所定距離(例えば、1m等)離れた位置までの位置の範囲を「近傍」として説明する。また、「第1物体」とは、開口部3を通過しようとするもの、又は開口部3を通過中のものを意味し、例えば人、動物、物等を含む概念である。この第1検知部62は、例えば量子型の赤外線センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1に示すように、無目30における建物の屋外側の側部のうち左右方向の中央部分、及び無目30における建物の屋内側の側部のうち左右方向の中央部分にそれぞれ設けられており、無目30に対して固定具等によって固定されている。
【0035】
また、この第1検知部62が量子型の赤外線センサである場合の検知動作については、例えば、第1検知部62から送信された赤外線が建物の床面によって反射され、当該反射された赤外線が第1検知部62によって受信された場合には、第1領域E1に第1物体が進入していない旨を示す第1検知情報を含む信号を出力する。一方、第1検知部62から送信された赤外線が第1物体によって反射され、当該反射された赤外線が第1検知部62によって受信された場合には、第1領域E1に第1物体が進入した旨を示す第1検知情報を含む信号を出力する。なお、第1領域E1に第1物体が進入した旨を示す第1検知情報を含む信号の出力については、第1物体によって反射された赤外線が第1検知部62によって受信されている状態が所定時間経過するまで継続されるものの、所定時間経過すると初期状態(すなわち、第1領域E1に第1物体が進入していない旨を示す第1検知情報を含む信号を出力している状態)に切り替わる(なお、第3検知部64の検知動作についても同様とする)。
【0036】
(構成−開閉制御装置−第2検知部)
第2検知部63は、第2領域E2に第2物体が進入したか否かを検知する第2検知手段である。ここで、「第2領域E2」とは、第1領域E1とは異なる領域である領域であって、少なくともドア40とドア40の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域である。この「第2領域E2」は、実施の形態1では、
図1、
図3に示すように、ドア40とドア40の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域のみを「第2領域E2」として説明するが、これに限られず、この領域に加えて、ドア40周辺における他の領域を含むものであってもよい。また、「周辺構造物」とは、ドア40の周辺に設けられる構造物である。この「周辺構造物」は、例えば、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12、建物の躯体2におけるドア40側の側壁等を含む概念であるが、実施の形態1においては、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12を「周辺構造物」として説明する。また、「第2物体」とは、開口部3の近傍で存在しているものであって、ドア40と衝突したり、又はドア40と周辺構造物との相互間に挟まれるおそれがあるものを意味し、例えば人、動物、物等を含む概念である(なお、後述する第3物体についても同様とする)。この第2検知部63は、例えば、ドア40の開閉方向(左右方向)に略沿って検知光を照射する反射型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、具体的には、検知光を送受光する送受光部63aと、送受光部63aから照射された検知光を反射する反射部63bとを備えている。
【0037】
ここで、第2検知部63の設置位置については任意であるが、実施の形態1では、第2検知部63の検知光が、ドア40における戸尻側の端部又は周辺構造物におけるドア40側の端部のいずれか一方からドア40における戸尻側の端部又は周辺構造物におけるドア40側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように設けられている。具体的には、
図1、
図3に示すように、送受光部63aは、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12(周辺構造物)におけるドア40側の端部にそれぞれ設けられており、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12に対して固定具等によって固定されている(又は、枠部10の左縦枠11内又は右縦枠12内に埋め込まれてもよい)。また、反射部63bは、ドア41、42における戸尻側の端部のうち、送受光部63aと対応する部分にそれぞれ設けられており、ドア41、42に対して固定具等によって固定されている。ただし、このような設置以外にも、第2検知部63の検知光が、無目30の下端部又は建物の床面のいずれか一方から無目30の下端部又は建物の床面のいずれか他方に至るように照射されるように、第2検知部63が設けられてもよい。しかしながら、前者の設置位置は、後者の設置位置に比べてドア40の開閉方向(左右方向)に略沿った第2領域E2の全領域をカバーでき、且つ、ドア40を第2物体として検知することを回避できるので、人等の比較的縦長状の物体を正確に検知し、且つ、ドアの開閉制御を簡易に行うという観点からすると、前者の設置位置のほうが後者の設置位置よりも有効であると考えられる。さらに、これら送受光部63a及び反射部63bは、人が通る可能性が高い高さ範囲(例えば、建物の床面よりも200mm上方の位置から700mm上方の位置に至る範囲等)に少なくとも1つ以上設置されており、例えば、
図1に示すように、各第2領域E2に対して2つの送受光部63aと、2つの送受光部63aから照射される検知光をそれぞれ反射可能な1つの反射部63bとが設置されている(なお、第4検知部65の送光部65a及び受光部65bの設置高さについても同様とする)。このような設置位置により、ドア40の開閉方向に直交する方向(上下方向)に沿って検知光が照射されるように第2検知部63を設けた場合に比べて、第2検知部63の設置数が少ない場合でも、ドア40の開閉方向(左右方向)に略沿った第2領域E2の全領域をカバーでき、且つ、ドア40における戸尻側の端部と周辺構造物との相互間にはドア40自身が介在することがないため、ドア40を第2物体として検知してしまうことを回避でき、第2物体のうち人等の比較的縦長状の物体が進入したか否かを正確に判定することができ、且つ、ドア41、42の開閉制御を簡易に行うことができる。また、送受光部63a及び反射部63bを上記高さ範囲以外の他の範囲に設けた場合に比べて、第2検知部63によって人が検知されやすくなることから、人の検知精度を高めることができる。また、送受光部63aをドア40における戸尻側の端部に設けると共に、反射部63bを枠部10の左縦枠11又は右縦枠12におけるドア40側の端部に設けた場合、又は透過型の光電センサをドア40における戸尻側の端部及び枠部10の左縦枠11又は右縦枠12に設けた場合に比べて、送受光部63aに接続される配線4の敷設が容易となる。
【0038】
また、この第2検知部63が反射型の光電センサである場合の検知動作については任意であるが、例えば、送受光部63aから照射された検知光が反射部63bによって反射され、当該反射された検知光が送受光部63aによって受光された場合には、送受光部63aは第2領域E2に第2物体が進入していない旨を示す第2検知情報を含む信号を出力する。一方、送受光部63aから照射された検知光が第2物体に遮られることにより、この検知光が反射部63bによって反射されず、検知光が送受光部63aによって受光されなかった場合には、送受光部63aは第2領域E2に第2物体が進入した旨を示す第2検知情報を含む信号を出力する。なお、第2領域E2に第2物体が進入した旨を示す第2検知情報を含む信号の出力については、第1検知部62の検知動作とは異なり、第2物体の安全性を確保できるように、送受光部63aによって検知光が受光されていない状態では送受光部63aによって検知光が受光されるまで継続される。
【0039】
(構成−開閉制御装置−第3検知部)
第3検知部64は、第3領域E3に第3物体が進入したか否かを検知する第3検知手段である。ここで、「第3領域E3」とは、
図1から
図3に示すように、第1領域E1及び第2領域E2とは異なる領域であって、第2領域E2に対する見込方向(前後方向)の近傍に位置する領域である。また、「近傍」とは、第2領域E2から離れた位置の範囲であって、当該位置の範囲に第3物体が存在した場合には、ドア40と衝突したり、又はドア40と周辺構造物との相互間に挟まれる確率が高くなると推定される位置の範囲であり、実施の形態1では、第2領域E2から見込方向(前後方向)に向けて所定距離(例えば、0.5m等)離れた位置までの位置の範囲を「近傍」として説明する。この第3検知部64は、例えば量子型の赤外線センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1に示すように、無目30における建物の屋内側の側部のうち嵌殺戸21、22の各々に対応する部分にそれぞれ設けられており、無目30に対して固定具等によって固定されている。
【0040】
(構成−開閉制御装置−第4検知部)
第4検知部65は、ドア41、42によって第4物体が挟まれることを回避するために、第4領域E4に第4物体が進入したか否かを検知する第4検知手段である。ここで、「第4領域E4」とは、
図1、
図3に示すように、開口部3(具体的には、方立13、14の相互間)に位置する領域である。また、「第4物体」とは、開口部3を通過中のものを意味し、例えば人、動物、物等を含む概念である。この第4検知手段は、開口部3を通過中の物体を検知する点において、第1検知手段と同様の機能を有するものである。また、この第4検知部65は、例えば、透過型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、具体的には、検知光を照射する送光部65aと、送光部65aから照射された検知光を受光する受光部65bとを備えている。
【0041】
ここで、第4検知部65の設置位置については任意であるが、実施の形態1では、第4検知部65の検知光が、方立13、14のいずれか一方から方立13、14のいずれか他方に至るように照射されるように設けられている。具体的には、
図1、
図3に示すように、送光部65aは、方立13における左右方向の内側の端部に設けられており、方立13に対して固定具等によって固定されている(又は、方立13内に埋め込まれてもよい)。また、受光部65bは、方立14における左右方向の内側の端部に設けられており、方立14に対して固定具等によって固定されている(又は、方立14内に埋め込まれてもよい)。
【0042】
また、この第4検知部65が透過型の光電センサである場合の検知動作については任意であるが、例えば、送光部65aから照射された検知光が受光部65bによって受光された場合には、受光部65bは第4領域E4に第4物体が進入していない旨を示す第4検知情報を含む信号を出力する。一方、送光部65aから照射された検知光が第4物体に遮られることにより、この検知光が受光部65bによって受光されなかった場合には、受光部65bは第4領域E4に第4物体が進入した旨を示す第4検知情報を含む信号を出力する。なお、第4領域E4に第4物体が進入した旨を示す第4検知情報を含む信号の出力については、第2検知部63の検知動作と同様に、第4物体の安全性を確保できるように、受光部65bによって検知光が受光されていない状態では受光部65bによって検知光が受光されるまで継続される。
【0043】
(構成−開閉制御装置−開閉状態検知部)
開閉状態検知部66は、ドア40の開閉状態を検知する開閉状態検知手段である。この開閉状態検知部66は、例えばロータリーエンコーダー等の公知の検知センサを用いて構成されており、開閉駆動部50のモータの近傍位置に設置されている。
【0044】
また、この開閉状態検知部66がロータリーエンコーダーである場合の検知動作については、例えば、モータの回転軸の回転に応じて出力されるパルス数を開閉状態検知部66のカウント手段(図示省略)にて原点位置(実施の形態1では、全閉状態時のドア41、42の位置)からカウントし、当該カウントされたカウント値を示す開閉状態検知情報を含む信号を出力する。
【0045】
(構成−開閉制御装置−出力部)
出力部67は、第2物体が第2領域E2に進入した旨を示す報知情報を出力する出力手段であると共に、後述する制御ユニット70の制御部74の制御に基づいて各種の情報を出力する出力手段である。この出力部67は、例えばスピーカー等の公知の音声出力手段を用いて構成されており、
図1に示すように、建物の躯体2のうち、開口部3の周辺に位置する側壁に対して固定具によって固定されている。また、この出力部67は、実施の形態1では、第2物体が第2領域E2に進入した旨を示す報知情報を出力することに加えて、第3物体が第3領域E3に進入した旨を示す報知情報を出力することができる。
【0046】
(構成−開閉制御装置−制御ユニット)
制御ユニット70は、開閉制御装置60を制御するためのユニットであり、
図4に示すように、入力部71、出力部72、電源部73、制御部74、及びデータ記録部75を備えて構成されている。
【0047】
(構成−開閉制御装置−制御ユニット−入力部)
入力部71は、信号の入力を第1検知部62、第2検知部63、第3検知部64、第4検知部65、又は開閉状態検知部66から受け付ける入力手段である。この入力部71は、例えば公知の入力端子等を用いて構成されており、配線4を介して第1検知部62、第2検知部63、第3検知部64、第4検知部65、及び開閉状態検知部66の各々と接続されている。
【0048】
(構成−開閉制御装置−制御ユニット−出力部)
出力部72は、信号を開閉駆動部50又は出力部67に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されており、配線4を介して開閉駆動部50及び出力部67の各々と接続されている。
【0049】
(構成−開閉制御装置−制御ユニット−電源部)
電源部73は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、配線4を介して開閉制御装置60の各部に供給すると共に、配線4を介して開閉駆動部50にも供給する電源手段である。
【0050】
(構成−開閉制御装置−制御ユニット−制御部)
制御部74は、開閉制御装置60の各部を制御する制御手段である。この制御部74は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0051】
また、この制御部74は、機能概念的に、第1判定部74a、第2判定部74b、第3判定部74c、開閉状態判定部74d、及び開閉制御部74eを備えている。このうち、第1判定部74aは、第1領域E1に第1物体が進入したか否かを判定する第1判定手段である。また、第2判定部74bは、第2領域E2に第2物体が進入したか否かを判定する第2判定手段である。また、第3判定部74cは、第3領域E3に第3物体が進入したか否かを判定する第3判定手段である。また、開閉状態判定部74dは、ドア40の開閉状態を判定する開閉状態判定手段である。また、開閉制御部74eは、第1判定部74a及び第2判定部74bの判定結果に基づいて、ドア41、42の開閉制御を行う開閉制御手段である。なお、上述した「第1検知部62」(又は「第4検知部65」)と「第1判定部74a」とは、特許請求の範囲における「第1判定手段」に対応し、上述した「第2検知部63」と「第2判定部74b」とは、特許請求の範囲における「第2判定手段」に対応し、上述した「開閉状態検知部66」と「開閉状態判定部74d」とは、特許請求の範囲における「開閉状態判定手段」に対応する。また、この制御部74によって実行される処理の詳細については後述する。
【0052】
(構成−開閉制御装置−制御ユニット−データ記録部)
データ記録部75は、開閉制御装置60の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0053】
また、このデータ記録部75は、制御情報テーブル75aを備えている。制御情報テーブル75aは、制御情報を格納する開閉制御情報格納手段である。ここで、「制御情報」とは、ドア41、42に関する制御内容を特定する情報である。
図5に示すように、この制御情報テーブル75aは、項目「制御番号」、項目「ドアの開閉状態」、項目「検知状態」、及び項目「ドアの開閉制御」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。また、項目「検知状態」は、さらに、各種検知部の検知状態に関する項目として、項目「第1検知部」、項目「第2検知部」、項目「第3検知部」等を含んで構成されている。ここで、項目「制御番号」に対応する情報は、後述する開閉制御情報を一意に識別するための識別情報である。また、項目「ドアの開閉状態」に対応する情報は、開閉状態情報である。ここで、「開閉状態情報」とは、ドア40の開閉状態(又は、後述する第1ドア81及び第2ドア82の開閉状態)を特定する情報である。また、項目「検知状態」に対応する情報は、各種検知部の検知状態を特定する検知状態情報である。なお、
図5では、検知状態情報のうち、検知状態である旨を「○」という記号で表示されていると共に、非検知状態である旨を「×」という記号で表示されている。このうち、項目「第1検知部」に対応する情報は、第1検知情報である。また、項目「第2検知部」に対応する情報は、第2検知情報である。また、項目「第3検知部」に対応する情報は、第3検知情報である。また、項目「ドアの開閉制御」に対応する情報は、開閉制御情報である。ここで、「開閉制御情報」とは、ドア41、42の開閉制御に関する制御内容を特定する情報である。また、「開閉制御情報」のうち、「開放制御」とは、ドア40の開放方向(左右方向の外側)に向けてドア41、42を開放移動させる制御である。また、「閉鎖制御」とは、ドア40の閉鎖方向(左右方向の内側)に向けてドア41、42を閉鎖移動させる制御である。また、「停止制御」とは、ドア41、42の開閉移動を停止させる制御である。また、「報知情報出力」とは、報知情報を音声で出力する制御である。
【0054】
(処理)
次に、このように構成された開閉制御装置60によって実行される開閉処理について説明する。以下の説明では、
図6に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。開閉処理は、ドア41、42の開閉制御を行うための処理である。この開閉処理においては、概略的には、ドア41、42を開閉移動させるために、開閉駆動部50を電動駆動させる処理が行われる。また、この開閉処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、開閉駆動部50及び開閉制御装置60の電源が操作部61の電源スイッチを介して投入されてから準備処理の終了後に起動されるものとして説明する。ここで、「準備処理」とは、開閉処理の処理前に実行される処理であり、例えば、ドア41、42を比較的遅い速度で開閉移動させることにより、制御部74が全閉状態時のドア41、42の位置(制御の起点位置)と、全開状態時のドア41、42の位置とを正しく判断できるようにするための学習処理等を含む概念である。また、この開閉処理の前提としては、具体的には、ドア40の開閉状態が全閉状態であるものとして説明する。
【0055】
開閉処理が起動されると、
図6に示すように、まず、SA1において制御部74は、開閉状態検知情報を取得する。具体的には、制御部74は、開閉状態検知部66から送信される信号の入力を入力部71によって受け付け、当該受け付けられた信号に含まれる開閉状態検知情報を抽出することにより取得する。
【0056】
SA2において開閉状態判定部74dは、SA1にて取得した開閉状態検知情報に基づいてドア40の開閉状態を判定し、当該判定した状態を現時点のドア40の開閉状態として特定する。このドア40の開閉状態の特定については任意であるが、実施の形態1においては、SA1にて取得した開閉状態検知情報に含まれるカウント値が、データ記録部75にあらかじめ格納された設定値であって、各種ドア40の開閉状態に対応する設定値のいずれかと一致するか否かを判定し、この判定結果に基づいてドア40の開閉状態を特定する。具体的には、上記カウント値が全閉状態時に「0」となり、全開状態時に「100」となり、再度の全閉状態時に「0」となるようにカウントされる場合において、上記カウント値が、全閉状態に対応する設定値(以下、「第1設定値」と称する。例えば、第1設定値=0。)と一致すると判定された場合には、ドア40の開閉状態を全閉状態として特定する。また、上記カウント値が、全開状態に対応する設定値(以下、「第2設定値」と称する。例えば、第2設定値=100。)と一致すると判定された場合には、ドア40の開閉状態を全開状態として特定する。また、上記カウント値が、第1設定値と第2設定値との間の値(例えば、1から99までの値)であり、且つ、当該カウント値の直前の値(ただし、ドア40の開閉状態が半開状態である場合には、半開状態になる直前の値。)よりも増大している値と一致すると判定された場合には、ドア40の開閉状態を開放移動状態として特定する。また、このカウント値が、第1設定値と第2設定値との間の値であり、且つ、当該カウント値の直前の値よりも減少している値と一致すると判定された場合には、ドア40の開閉状態を閉鎖移動状態として特定する。
【0057】
SA3において制御部74は、第1検知情報、第2検知情報、及び第3検知情報を取得する。具体的には、制御部74は、第1検知部62、第2検知部63、及び第3検知部64から送信される信号の入力を入力部71によって受け付け、当該受け付けられた信号に含まれる第1検知情報、第2検知情報、又は第3検知情報を抽出することにより取得する。
【0058】
SA4において第1判定部74a、第2判定部74b、及び第3判定部74cは、SA3にて取得された第1検知情報、第2検知情報、及び第3検知情報に基づいて各種物体が対応する領域に進入したか否かを判定し、これらの判定結果に基づいて第1検知部62、第2検知部63、及び第3検知部64の検知状態を特定する。ここで、第1検知部62、第2検知部63、及び第3検知部64の検知状態の特定については任意であるが、例えば、第1検知部62の検知状態の特定においては、まず、第1判定部74aが、SA3にて取得された第1検知情報が第1領域E1に第1物体が進入した旨を示す情報であるか否かを判定する。そして、第1領域E1に第1物体が進入した旨を示す情報であると判定された場合には、第1判定部74aは、第1領域E1に第1物体が進入したものとして、第1検知部62が検知状態であると特定し、第1領域E1に第1物体が進入した旨を示す情報でないと判定された場合には、第1領域E1に第1物体が進入していないものとして、第1検知部62が非検知状態であると特定する(なお、第2検知部63の検知状態の特定、及び第3検知部64の検知状態の特定についても同様とする)。
【0059】
SA5において制御部74は、SA2にて特定されたドア40の開閉状態、及びSA4にて特定された第1検知部62、第2検知部63、及び第3検知部64の検知状態に基づいて、開閉制御情報を特定する。具体的には、制御部74は、制御情報テーブル75aに格納されている開閉制御情報の中から、SA2にて特定されたドア40の開閉状態、及びSA4にて特定された第1検知部62、第2検知部63、及び第3検知部64の検知状態に対応する開閉制御情報を抽出し、当該抽出された情報を後述するSA6の処理に用いられる開閉制御情報として特定する。
【0060】
SA6において開閉制御部74eは、SA5にて特定された開閉制御情報に基づいて、ドア41、42の開閉制御を行う。具体的には、開閉制御部74eは、開閉駆動部50によってドア41、42を開閉移動させたり、ドア41、42の開閉移動を停止させたり、又は出力部67によって報知情報(例えば、「ドアが開きます。この場所に立ち止まらないで下さい。」等の定型メッセージ)を音声で出力させることにより、SA5にて特定された開閉制御情報に対応するドア41、42の開閉制御を行う。なお、この報知情報の出力方法については任意であるが、例えば、第2検知部63又は第3検知部64の検知状態が検知状態であり続ける限り、報知情報の出力を継続してもよく、あるいは、SA6の処理から所定時間経過後に報知情報の出力を停止してもよい。その後、制御部74は、SA1に移行し、以降同様に、SA1からSA6の処理を行う。
【0061】
例えば、ドア40の開閉状態が全閉状態において、第1物体が開口部3を通過するために、当該第1物体が第1領域E1に進入している場合において、第2物体及び第3物体のいずれも第2領域E2及び第3領域E3に進入していない場合には、以下に示す開閉処理(以下、「通常の開閉処理」と称する)が行われる。具体的には、まず、SA2にてドア40の開閉状態=全閉状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○(検知状態)、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=×(非検知状態)が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=開放制御(制御番号=A4に対応する開閉制御情報)が特定される場合には、SA6にてドア41、42を開放移動させる。次いで、ドア40の開閉状態が開放移動状態から全開状態に移行するまでの間において、SA2にてドア40の開閉状態=開放移動状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=開放制御(制御番号=C4に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の開放移動を継続させる。次に、ドア40の開閉状態が全開状態になることで、SA2にてドア40の開閉状態=全開状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御(制御番号=B4に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の開放移動を停止させる。その後、第1物体が第1領域E1から退出することで、SA2にてドア40の開閉状態=全開状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=×、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=閉鎖制御(制御番号=B1に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、第1物体が第1領域E1から退出してから所定時間経過後に、SA6にてドア41、42を閉鎖移動させる。そして、ドア40の開閉状態が全閉状態になることで、SA2にてドア40の開閉状態=全閉状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=×、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御(制御番号=A1に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の閉鎖移動を停止させる。このような処理により、第1物体が開口部3を通過することが可能となる。
【0062】
また、例えば、ドア40の開閉状態が全閉状態において、第1物体が開口部3を通過するために、当該第1物体が第1領域E1に進入している場合において、第2物体が第2領域E2に進入しているものの、第3物体が第3領域E3に進入していない場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、SA2にてドア40の開閉状態=全閉状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63の検知状態=○、第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御及び報知情報出力(制御番号=A7に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の開閉移動を停止させると共に、報知情報を音声で出力させる。すなわち、この場合には、SA4における第1判定部74aの判定結果に関わらず、ドア40の開閉状態を全閉状態に維持するように、ドア41、42を開閉制御する。次いで、第2物体が第2領域E2から退出することで、SA2にてドア40の開閉状態=全閉状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63の検知状態=×、第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=開放制御(制御番号=A4に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42を開放移動させる。その後、第2物体及び第3物体が第2領域E2及び第3領域E3に進入することなく、ドア40の開閉状態が全開状態に移行した後、全閉状態に移行する場合のドア41、42の開閉制御としては、上記通常の開閉処理のうち、ドア40の開閉状態が全開状態に移行した後、全閉状態に移行する場合のドア41、42の開閉制御と同様のドア41、42の開閉制御を行う。このような処理により、ドア40の開閉状態が全閉状態において、第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができる。また、第2判定部74bにて第2物体が第2領域E2に進入したと判定された場合には、報知情報を音声で出力させることができるので、第2物体、又は第2領域E2以外の他の領域にいる人に対して第2物体が第2領域E2に進入している旨を報知することができる。
【0063】
また、例えば、ドア40の開閉状態が開放移動状態において、第1物体が開口部3を通過するために、当該第1物体が第1領域E1に進入している場合において、第2物体が第2領域E2に進入しているものの、第3物体が第3領域E3に進入していない場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、SA2にてドア40の開閉状態=開放移動状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63の検知状態=○、第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御及び報知情報出力(制御番号=C7に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の開放移動を停止させると共に、報知情報を音声で出力させる。すなわち、この場合には、SA4における第1判定部74aの判定結果に関わらず、ドア41、42の開放移動を停止するように、ドア41、42を開閉制御する。次いで、第2物体が第2領域E2から退出することで、SA2にてドア40の開閉状態=開放移動状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63の検知状態=×、第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=開放制御(制御番号=C4に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42を開放移動させる。その後、第2物体及び第3物体が第2領域E2及び第3領域E3に進入することなく、ドア40の開閉状態が全開状態に移行した後、全閉状態に移行する場合のドア41、42の開閉制御としては、上記通常の開閉処理のうち、ドア40の開閉状態が全開状態に移行した後、全閉状態に移行する場合のドア41、42の開閉制御と同様のドア41、42の開閉制御を行う。このような処理により、ドア40の開閉状態が開放移動状態において、第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができる。
【0064】
また、例えば、ドア40の開閉状態が閉鎖移動状態において、第1物体が開口部3を通過するために、当該第1物体が第1領域E1に進入している場合において、第2物体が第2領域E2に進入しているものの、第3物体が第3領域E3に進入していない場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、SA2にてドア40の開閉状態=閉鎖移動状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63の検知状態=○、第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御及び報知情報出力(制御番号=D7に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の閉鎖移動を停止させると共に、報知情報を音声で出力させる。すなわち、この場合には、SA4にて第1判定部74aの検知状態=○が特定されているにも関わらず、ドア41、42の閉鎖移動を停止するように、ドア41、42を開閉制御する。次いで、第2物体が第2領域E2から退出することで、SA2にてドア40の開閉状態=閉鎖移動状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=○、第2検知部63の検知状態=×、第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=開放制御(制御番号=D4に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42を開放移動させる。その後、第2物体及び第3物体が第2領域E2及び第3領域E3に進入することなく、ドア40の開閉状態が全開状態に移行した後、全閉状態に移行する場合のドア41、42の開閉制御としては、上記通常の開閉処理のうち、ドア40の開閉状態が全開状態に移行した後、全閉状態に移行する場合のドア41、42の開閉制御と同様のドア41、42の開閉制御を行う。このような処理により、ドア40の開閉状態が閉鎖移動状態において、第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができる。
【0065】
また、例えば、ドア40の開閉状態が全開状態において、第1物体が第1領域E1に進入していないものの、第2物体及び第3物体が第2領域E2及び第3領域E3に進入している場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、SA2にてドア40の開閉状態=全開状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=×、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=○が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=閉鎖制御及び報知情報出力(制御番号=B5に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42を閉鎖移動させると共に、報知情報を音声で出力させる。その後、第1物体が第1領域E1に進入することなく、第2物体及び第3物体が第2領域E2及び第3領域E3から退出することで、SA2にてドア40の開閉状態=閉鎖移動状態が特定され、SA4にて第1検知部62の検知状態=×、第2検知部63及び第3検知部64の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=閉鎖制御(制御番号=D1に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の閉鎖移動を継続させるものの、報知情報の音声出力を停止させる(なお、第1物体が第1領域E1に進入することなく、第2物体が第2領域E2から退出した後、第3物体が第2領域E2から退出した場合についても、同様に制御される。すなわち、第2検知部63及び第3検知部64が同時に検知されなくなった場合(いわゆる「同時復帰」した場合)や、第2検知部63及び第3検知部64が順次検知されなくなった場合(いわゆる「段階復帰」した場合)についても同様に制御される)。そして、ドア40の開閉状態が全閉状態になることで、SA2にて第1検知部62及び第3検知部64の検知状態=×、第2検知部63の検知状態=×が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御(制御番号=A1に対応する開閉制御情報)が特定された場合には、SA6にてドア41、42の閉鎖移動を停止させる。このような処理により、第2判定部74bによって第2領域E2に第2物体が進入していると判定されている場合でも、第2物体の安全性が確保されている場合には、ドア41、42を閉鎖移動させることができ、例えば建物内の空調環境が維持しやすくなる。
【0066】
また、例えば、ドア40の開閉状態が全開状態において、第1物体及び第3物体が第1領域E1及び第3領域E3に進入することなく、第2物体が第2領域E2に留まり続けている場合には、SA4にて第1検知部62及び第3検知部64の検知状態=×、第2検知部63の検知状態=○が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御(制御番号=B3に対応する開閉制御情報)が特定されることにより、SA6にてドア41、42の開閉移動を停止させ、且つ、この制御をSA4にて第2検知部63の検知状態=×が特定されるまで継続させる。一方、ドア40の開閉状態が全開状態において、第1物体及び第2物体が第1領域E1及び第2領域E2に進入することなく、第3物体が第3領域E3に留まり続けている場合には、SA4にて第1検知部62及び第2検知部63の検知状態=×、第3検知部64の検知状態=○が特定されることにより、SA5にて開閉制御情報=停止制御(制御番号=A2に対応する開閉制御情報)が特定されることにより、SA6にてドア41、42の開閉移動を停止させる。しかしながら、所定時間経過すると第3検知部64の検知動作が上記初期状態に戻ると、SA4にて第3検知部64の検知状態=×が特定されることで、SA5にて開閉制御情報=閉鎖制御(制御番号=B1に対応する開閉制御情報)が特定されることにより、SA6にてドア41、42を閉鎖移動させることになる。これらの処理により、第2物体が第2領域E2に進入している場合には、ドア41、42の開閉移動を停止させることで、第2物体の安全性を確実に確保することができる。一方で、第3物体が第3領域E3に進入している場合には、第3物体が第2物体に比べて安全性が確保されていることから、ドア41、42を閉鎖移動させることで、例えば建物内の空調環境が維持しやすくなる。
【0067】
以上のような開閉処理により、第1判定部74a及び第3判定部74cの判定結果のみに基づいてドア41、42の開閉制御を行う場合に比べて、ドア41、42の戸尻側にいる第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができる。よって、ドア41、42の近傍に位置する物体の安全性を確保しやすくなり、且つ、自動ドア1の安全性を向上させることが可能となる。なお、この開閉処理において、例えば、入力部71によって第4検知部65の受光部65bから第4領域E4に第4物体が進入した旨を示す第4検知情報を含む信号の入力が受け付けられている場合には、SA4にて特定された第1検知部62、第2検知部63、及び第3検知部64の検知状態に関わらず、SA6にてドア41、42の閉鎖移動を停止させたり、又はドア41、42を開放移動させてもよい。このような処理により、第4物体が開口部3を安全に通過することが可能となる。
【0068】
(効果)
このように実施の形態1によれば、第1領域E1に第1物体が進入したか否かを判定する第1検知部62及び第1判定部74aと、第2領域E2に第2物体が進入したか否かを判定する第2検知部63及び第2判定部74bと、第1判定部74a及び第2判定部74bの判定結果に基づいて、ドア41、42の開閉制御を行う開閉制御部74eを備えているので、第1判定部74a及び第3判定部74cの判定結果のみに基づいてドア41、42の開閉制御を行う場合に比べて、ドア41、42の戸尻側にいる第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができる。よって、ドア41、42の近傍に位置する物体の安全性を確保しやすくなり、且つ、自動ドア1の安全性を向上させることが可能となる。
【0069】
また、開閉制御部74eは、開閉状態判定部74dによって、ドア40の開閉状態が全閉状態と判定されている場合において、第2判定部74bによって第2物体が第2領域E2に進入したと判定されている場合には、第1判定部74aの判定結果に関わらず、全閉状態を維持するように、当該ドア41、42を開閉制御するので、ドア40の開閉状態が全閉状態において、ドア41、42の戸尻側にいる第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、当該第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができ、ドア41、42の近傍に位置する物体の安全性を一層確保しやすくなる。
【0070】
また、開閉制御部74eは、開閉状態判定部74dによって、ドア40の開閉状態が開放移動状態と判定されている場合において、第2判定部74bによって第2物体が第2領域E2に進入したと判定されている場合には、第1判定部74aの判定結果に関わらず、当該ドア41、42の開放移動を停止するように、当該ドア41、42を開閉制御するので、ドア40の開閉状態が開放移動状態において、ドア41、42の戸尻側にいる第2物体とドア41、42とが衝突することを回避したり、第2物体がドア41、42と周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができ、ドア41、42の近傍に位置する物体の安全性を一層確保しやすくなる。
【0071】
また、開閉制御部74eは、第2判定部74bによって第2物体が第2領域E2に進入したと判定された場合には、第1判定部74aの判定結果に関わらず、報知情報を出力部67に出力させるので、第2物体又は第2領域E2以外の他の領域にいる人に対して第2物体が第2領域E2に進入している旨を報知することができ、ドア41、42の近傍に位置する物体の安全性をさらに一層確保しやすくなる。
【0072】
また、第2検知部63が、ドア40の開閉方向(左右方向)に略沿って検知光を照射する光電センサを備えるので、ドア40の開閉方向に直交する方向(上下方向)に沿って検知光を照射する光電センサを備えた場合に比べて、光電センサの設置数が少ない場合でも、ドア40の開閉方向(左右方向)に略沿った第2領域E2の全領域をカバーできることから、第2物体のうち人等の比較的縦長状の物体が進入したか否かを正確に判定することができる。よって、自動ドア1の開閉制御システムの設置コストを抑制しながら、第2物体の進入の有無を正確に判定することが可能となる。
【0073】
また、第2検知部63を構成する光電センサの検知光が、ドア41、42における戸尻側の端部又は周辺構造物におけるドア40側の端部のいずれか一方からドア41、42における戸尻側の端部又は周辺構造物におけるドア40側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように、当該光電センサを設けたので、ドア40とドア40の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に存在する第2物体の進入の有無を正確に検知することができ、且つ、ドア40における戸尻側の端部と周辺構造物との相互間にはドア40自身が介在することがないため、ドア40を第2物体として検知してしまうことを回避でき、第2物体の進入の有無を一層正確に判定することができ、且つ、ドア41、42の開閉制御を簡易に行うことができる。
【0074】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る自動ドアの開閉制御システムについて説明する。この実施の形態2は、自動ドアのドアが二重引分式の戸である形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0075】
(構成)
まず、実施の形態2に係る自動ドアの構成について説明する。実施の形態2に係る自動ドア101は、
図7、
図8に示すように、枠部10、無目30、第1ドア81a、81b、第2ドア82a、82b、開閉駆動部50、及び開閉制御装置60を備えて構成されている。ここで、「第1ドア81及び第2ドア82の開閉状態」のうち、「全閉状態」、「全開状態」、及び「半開状態」は、実施の形態1に係る「ドア40の開閉状態」と略同様に定義される。また、「開放移動状態」とは、実施の形態2では、第1ドア81a、81b又は第2ドア82a、82bの少なくともいずれか一方が開放移動している状態を意味する。また、「閉鎖移動状態」とは、実施の形態2では、第1ドア81a、81b又は第2ドア82a、82bの少なくともいずれか一方が閉鎖移動している状態を意味する。
【0076】
(構成−無目)
無目30と建物の床面の各々には、外側ガイドレール及び内側ガイドレールが設けられている(いずれも図示省略)。このうち、外側ガイドレールは、第1ドア81a又は第2ドア82aを開口部3の開閉方向(左右方向)に沿って移動するように案内するものであり、嵌殺戸21、22よりも建物の屋内側に設けられている。また、内側ガイドレールは、第1ドア81b又は第2ドア82bを開口部3の開閉方向(左右方向)に沿って移動するように案内するものであり、外側ガイドレールよりも建物の屋内側に設けられている。
【0077】
(構成−第1ドア、第2ドア、開閉駆動部)
第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bは、開閉駆動部50によって開閉方向(左右方向)に略沿って移動させることで、全開状態、全閉状態、あるいは非全開閉状態とするものである。これら第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bは、例えば公知の自動ドア用のドアであって、二重引分式のドア等を用いて構成されており、具体的には、
図7に示すように、第1ドア81a、81bの各々は、ガラス部材81cと、ガラス部材81cの周囲の少なくとも一部を覆う框部81dとを備えて構成されており、第2ドア82a、82bの各々は、ガラス部材82cと、ガラス部材82cの周囲の少なくとも一部を覆う框部82dとを備えて構成されている。また、第1ドア81a、81bの固定方法については任意であるが、実施の形態1に係るドア41の固定方法と略同一であり、例えば、第1ドア81aの上記框部81cの上側部分に取り付けられた被ガイド部材(図示省略)を、無目30側に設けられた略凸状の外側ガイドレール上に摺動可能に設けることで、第1ドア81aを当該外側ガイドレールに対して吊らせる。次いで、第1ドア81aの上記框部94の下側部分に取り付けられた被ガイド部材(図示省略)を、建物の床面側に設けられた外側ガイドレールのU字状の開放端部を介して当該外側ガイドレールの内部に挿入する。また、第1ドア81bの上記框部81cの上側部分に取り付けられた被ガイド部材(図示省略)を、無目30側に設けられた略凸状の外側ガイドレール上に摺動可能に設けることで、第1ドア81bを当該外側ガイドレールに対して吊らせる。次いで、第1ドア81bの上記框部94の下側部分に取り付けられた被ガイド部材(図示省略)を、建物の床面側に設けられた内側ガイドレールのU字状の開放端部を介して当該内側ガイドレールの内部に挿入する(なお、第2ドア82a、82bの固定方法についても同様とする)。なお、これら第1ドア81a、81b、第2ドア82a、82bを特に区別する必要のないときは、単に「第1ドア81」、「第2ドア82」と総称する。また、開閉駆動部50は、電動で第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bを開閉移動させるための開閉駆動手段である。
【0078】
(構成−開閉制御装置)
開閉制御装置60は、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの開閉制御を行う装置であり、
図7に示すように、操作部61、第1検知部62、第2検知部63、第3検知部64、第4検知部65、開閉状態検知部66、出力部67、及び制御ユニット70を備えている。このうち、第2検知部63は、第2領域E2に第2物体が進入したか否かを検知する第2検知手段である。ここで、「第2領域E2」とは、実施の形態2では、
図7、
図8に示すように、第1ドア81b(又は第2ドア82b)と第1ドア81b(又は第2ドア82b)の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域である。また、この第2検知部63の設置位置については任意であるが、実施の形態2では、第2検知部63の検知光が、第1ドア81b(又は第2ドア82b)における戸尻側の端部又は周辺構造物における第1ドア81b(又は第2ドア82b)側の端部のいずれか一方から第1ドア81b(又は第2ドア82b)における戸尻側の端部又は周辺構造物における第1ドア81b(又は第2ドア82b)側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように設けられている。具体的には、
図7、
図8に示すように、送受光部63aは、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12(周辺構造物)における第1ドア81b(又は第2ドア82b)側の端部にそれぞれ設けられており、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12に対して固定具等によって固定されている。また、反射部63bは、第1ドア81b(又は第2ドア82b)における戸尻側の端部のうち、送受光部63aと対応する部分に設けられており、第1ドア81b(又は第2ドア82b)に対して固定具等によって固定されている。このような設置位置により、第1ドア81a(又は第2ドア82a)の開閉方向(左右方向)に沿って検知光が照射されるように第2検知部63を設けた場合に比べて、第1ドア81a、81b又は第2ドア82a、82bに衝突するおそれのある第2物体を正確に検知することができ、第2物体が第2領域E2に進入した否かを一層正確に判定することが可能となる。
【0079】
(開閉処理)
次に、このように構成される開閉制御装置60によって実行される開閉処理について説明する。実施の形態2に係る開閉処理については、実施の形態2に係る開閉処理におけるSA1からSA5は、
図5に示す実施の形態1に係る開閉処理におけるSA1からSA5とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。ただし、実施の形態2に係る開閉処理におけるSA5の処理後、SA6において開閉制御部74eは、SA5にて特定された開閉制御情報に基づいて、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの開閉制御を行う。具体的には、開閉制御部74eは、開閉駆動部50によって第1ドア81a、81b若しくは第2ドア82a、82bを開閉移動させたり、第1ドア81a、81b若しくは第2ドア82a、82bの開閉移動を停止させたり、又は出力部67によって報知情報を音声で出力させることにより、SA5にて特定された開閉制御情報に対応する第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの開閉制御を行う。その後、制御部は、SA1に移行し、以降同様に、SA1からSA6の処理を行う。このような開閉処理により、第1判定部74a及び第3判定部74cの判定結果のみに基づいて第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの開閉制御を行う場合に比べて、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの戸尻側にいる第2物体とドアとが衝突することを回避したり、第2物体が第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bと周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができ、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの近傍に位置する物体の安全性を確保しやすくなる。
【0080】
(効果)
このように実施の形態2によれば、第1領域E1に第1物体が進入したか否かを判定する第1検知部62及び第1判定部74aと、第2領域E2に第2物体が進入したか否かを判定する第2検知部63及び第2判定部74bと、第1判定部74a及び第2判定部74bの判定結果に基づいて、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの開閉制御を行う開閉制御部74eを備えているので、第1判定部74a及び第3判定部74cの判定結果のみに基づいて第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの開閉制御を行う場合に比べて、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの戸尻側にいる第2物体とドアとが衝突することを回避したり、第2物体が第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bと周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができ、第1ドア81a、81b及び第2ドア82a、82bの近傍に位置する物体の安全性を確保しやすくなる。
【0081】
また、第2検知部63を構成する光電センサの検知光が、第1ドア81b(又は第2ドア82b)における戸尻側の端部又は周辺構造物における第1ドア81b(又は第2ドア82b)側の端部のいずれか一方から第1ドア81b(又は第2ドア82b)における戸尻側の端部又は周辺構造物における第1ドア81b(又は第2ドア82b)側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように、当該光電センサを設けたので、第2物体の進入の有無を正確に検知することができ、第2物体の進入の有無を一層正確に判定することが可能となる。
【0082】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0083】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る自動ドアの開閉制御システムの第1判定部74aによって第1領域E1に第1物体が進入したか否かを正確に判定しにくい場合でも、第2判定手段によって第2領域E2に第2物体が進入したか否かを正確に判定できることで、第2物体とドアとが衝突することを回避することができる場合には、本願の課題は解決している。
【0084】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、開閉制御装置60の制御ユニット70を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に開閉状態判定部74dを設けると共に、これら複数の装置の他の一部に開閉制御部74eを設けてもよい。
【0085】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0086】
(ドアについて)
上記実施の形態1、2では、ドアが引分式の戸、又は二重引分式の戸であると説明したが、これに限られず、例えば、片引き式の戸、又は二重片引き式の戸であってもよい。この場合において、ドア41、42が片引き式の戸である場合には、例えば、枠部10、無目30、ドア41(又はドア42)、開閉駆動部50、及び開閉制御装置60を備えて構成される。また、この開閉制御装置60の各種検知部における第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3、及び第4領域E4の設定については、実施の形態1に係る第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3、及び第4領域E4の設定と略同様に設定される。また、ドアが二重片引き式の戸である場合には、例えば、枠部10、無目30、第1ドア81(又は第2ドア82)開閉駆動部50、及び開閉制御装置60を備えて構成される。また、この開閉制御装置60の各種検知部における第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3、及び第4領域E4の設定については、実施の形態2に係る第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3、及び第4領域E4の設定と略同様に設定される。
【0087】
(第1検知部、第2検知部、第3検知部、第4検知部について)
上記実施の形態1、2では、第1検知部62は、量子型の赤外線センサであると説明したが、これに限られない。例えば、第1領域E1に第1物体が進入したか否かを検知できるもの(具体的には、熱型の赤外線センサ、超音波センサ、あるいは、建物の床面のうち、第1領域E1に対応する部分に設けられたマットスイッチ等)であってもよい(なお、第3検知部64についても同様とする)。
【0088】
また、上記実施の形態1、2では、第2検知部63は、反射型の光電センサであると説明したが、これに限られない。例えば、第2領域E2に第2物体が進入したか否かを検知できるもの(具体的には、透過型の光電センサ等)であってもよい(なお、第4検知部65についても同様とする)。
【0089】
また、上記実施の形態1では、第2検知部63は、ドア40の開閉方向(左右方向)に略沿って検知光を照射する光電センサであると説明したが、これに限られない。例えば、光電センサの検知光がドア40の開閉方向(左右方向)に沿うように、光電センサを設置することが困難である場合には、上下方向、左右方向に対して上斜め若しくは下斜め方向、又は上下方向に対して左斜め若しくは右斜め方向に略沿って検知光を照射する光電センサであってもよい(なお、実施の形態2に係る第2検知部63についても同様とする)。
【0090】
また、上記実施の形態1では、第3検知部64の検知領域が、第3領域E3であると説明したが、これに限られず、例えば、第2領域E2及び第3領域E3を含む領域であってもよい。この場合には、開閉処理のSA4において、ドア40が第2物体として第2領域E2に進入したと判定されることを回避するために、例えば、第2物体が第2領域E2に進入した場合には、第3検知部64が第3検知情報と、第2物体の移動の経過を特定する移動経過情報とを含む信号を出力する。そして、SA4において、第3判定部74cが、移動経過情報に基づいて第2物体の移動の経過がドア40の移動の経過(例えば、左右方向のみに移動する経過等)と一致するか否かを判定し、一致する場合には、第2物体がドア40であるとして、第2領域E2が第2物体に進入していないと判定してもよい。このように、第3検知部64によって第2領域E2への第2物体の進入を検知すると共に、第3検知部64によっても第2領域E2への第2物体の進入を検知することで、第2物体の進入の有無を正確に検知することが可能となる(なお、実施の形態2に係る第3検知部64の検知領域についても同様とする)。
【0091】
(第1領域について)
上記実施の形態1、2では、第1領域E1が、開口部3に対する見込方向(前後方向)の近傍に位置する領域であると説明したが、これに限られず、例えば、当該領域に加えて、第4領域E4を含む領域であってもよい。この場合には、例えば、開閉処理のSA4において、第1検知情報及び第4検知情報に基づいて第1物体が第1領域E1に進入したか否かを判定してもよい。
【0092】
(第2領域について)
上記実施の形態1では、第2領域E2が、ドア40とドア40の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域であると説明したが、これに限られず、例えば、ドア40と第2物体との衝突等を一層回避できるように、上記相互間と第3領域E3とを含む領域であってもよい(なお、実施の形態2に係る第2領域E2についても同様とする)。この場合には、第3検知部64を省略してもよい。また、第2検知部63が、量子型の赤外線センサを用いて構成されており、第3検知部64のように、上方から下方に向けて検出光が照射できるように、無目30に対して固定されている場合には、上述したように、開閉処理のSA4において、ドア40が第2物体として第2領域E2に進入したと判定されることを回避するための制御が行われる。
【0093】
また、第2領域E2を、少なくともドア40とドア40の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域とする場合において、「ドア40」や「周辺構造物」の構造は、上記実施の形態1とは異なる構造であってもよい。例えば、「ドア40」に関して、上記実施の形態1では、ドア40の構成要素の1つである框部44に反射部63bを設けているが、框部44以外のドア40の構成要素に反射部63bを設けてもよい。ここで、「ドア40の構成要素」とは、従来のドア40が備えるドア本来の機能を提供する構成要素のみならず、第2領域E2における物体を検知する機能を提供するために従来とは異なり新規に設けられた構成要素を含めてもよい。同様に、「周辺構造物」に関して、上記実施の形態1では、周辺構造物である左縦枠11又は右縦枠12に光電センサの送受光部63aを設けているが、左縦枠11又は右縦枠12以外の周辺構造物の構成要素に送受光部63aを設けてもよい。ここで、「周辺構造物の構成要素」とは、従来の周辺構造物が備える周辺構造物本来の機能を提供する構成要素のみならず、第2領域E2における物体を検知する機能を提供するために従来とは異なり新規に設けられた構成要素を含めてもよい。例えば、
図9に示すように、ドア40は、当該ドア40の構成要素の1つとして建物の屋内側に向けて張り出されるように設けられた取付部90を備えており、この取付部90に反射部63bを設けている。また、周辺構造物である左縦枠11又は右縦枠12は、周辺構造物の構成要素の1つとして、建物の屋内側に向けて張り出されるように設けられた取付部90を備えており、この取付部90に送受光部63aを設けている。このように、ドア40の取付部90と周辺構造物の取付部90との相互間に位置する領域も、「ドア40とドア40の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域」に該当する(取付部90に、送受光部63aや反射部63b以外の第2検知部を設ける場合も同様。また、実施の形態2に係る第2領域E2についても同様)。このように取付部90に送受光部63aや反射部63bを設ける場合には、框部44や左縦枠11又は右縦枠12を改造等する必要がなくなるので、既設の自動ドアにも第2検知部を容易に設けることが可能になる。
【0094】
また、上記実施の形態2では、第2領域E2が、第1ドア81b(又は第2ドア82b)と第1ドア81b(又は第2ドア82b)の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域であると説明したが、これに限られない。例えば、第1ドア81a(又は第2ドア82a)と第2物体との衝突等を一層回避できるように、第2領域E2が、第1ドア81a(又は第2ドア82a)と第1ドア81a(又は第2ドア82a)の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域であってもよい。あるいは、第2領域E2が、第1ドア81a(又は第2ドア82a)と第1ドア81a(又は第2ドア82a)の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間と、第1ドア81b(又は第2ドア82b)と第1ドア81b(又は第2ドア82b)の戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する領域であってもよい。これらの場合には、送受光部63aが、枠部10の左縦枠11又は右縦枠12(周辺構造物)における第1ドア81a(又は第2ドア82a)側の端部にそれぞれ設けられると共に、反射部63bは、第1ドア81a(又は第2ドア82a)における戸尻側の端部のうち、送受光部63aと対応する部分に設けられる。
【0095】
(出力部について)
上記実施の形態1、2では、出力部67が公知の音声出力手段を用いて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第2物体が第2領域E2に進入した旨を視覚的に報知可能となるように、出力部67がLEDランプ等の公知の表示手段を用いて構成されてもよい。あるいは、出力部67が公知の音声出力手段及び公知の表示手段の両方を用いて構成されてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態1、2では、開閉制御装置60が出力部67を備えていると説明したが、これに限られず、開閉制御装置60の製造コストを低減するために、出力部67を省略してもよい。
【0097】
(制御情報テーブルについて)
上記実施の形態1では、制御情報テーブル75aには、
図5に示す開閉制御情報が格納されていると説明したが、これに限られず、状況に応じて任意に変更されてもよい。例えば、ドア41、42を開放移動させながらも、第2物体とドア41、42とが衝突することを回避できるように、
図5に示す制御番号=A2、A3、A6、C6、又はD6の少なくともいずれか1つに対応する開閉制御情報=停止制御及び報知情報出力を、
図5に示す制御番号=A5に対応する開閉制御情報=開放制御の開放速度よりも遅い開放速度による開放制御及び報知情報出力に変更されてもよい。
【0098】
(開閉処理について)
上記実施の形態1では、SA6において、第1検知部62から第4検知部65のうち、複数の検知部が同時復帰した場合や段階復帰した場合についても同様にドア41、42の開閉制御が実行されると説明したが、これに限られず、例えば、状況に応じて異なるドア41、42の開閉制御が実行されてもよい。具体的には、ドア40の開閉状態が開放移動中に、第3物体が第E領域E3に進入していないものの、第1物体及び第2物体が第1領域E1及び第2領域E2に進入していることで、ドア40が開放移動を停止している場合において、第2物体が第2領域E2を退出した後に第1物体が第1領域E1を退出したことで、第1検知部62及び第2検知部63が段階復帰した場合には、SA5にて開閉制御情報=開放制御(制御番号=C1に対応する開閉制御情報)が特定されることにより、SA6にてドア41、42を開放移動させる。一方で、第1物体及び第2物体が第1領域E1及び第2領域E2から同時に退出したことで、第1検知部62及び第2検知部63が同時復帰した場合には、SA5にて特定された開閉制御情報の制御内容に関わらず、SA6にてドア41、42の開放移動の停止状態から閉鎖移動させる(なお、実施の形態2に係る開閉処理についても同様とする)。
【0099】
(付記)
付記1の自動ドアの開閉制御システムは、建物の開口部を開閉するドアの開閉制御を行う自動ドアの開閉制御システムであって、前記開口部又は前記開口部に対する見込方向の近傍に位置する第1領域に、第1物体が進入したか否かを判定する第1判定手段と、第1領域とは異なる領域である第2領域であって、少なくとも前記ドアと前記ドアの戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する第2領域に、第2物体が進入したか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段及び前記第2判定手段の判定結果に基づいて、前記ドアの開閉制御を行う開閉制御手段と、を備えている。
【0100】
付記2の自動ドアの開閉制御システムは、付記1に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記ドアの開閉状態を判定する開閉状態判定手段を備え、前記開閉制御手段は、前記開閉状態判定手段によって、前記ドアの開閉状態が当該ドアによって前記開口部を全閉した状態である全閉状態と判定されている場合において、前記第2判定手段によって前記第2物体が前記第2領域に進入したと判定されている場合には、前記第1判定手段の判定結果に関わらず、前記全閉状態を維持するように、当該ドアを開閉制御する。
【0101】
付記3の自動ドアの開閉制御システムは、付記1に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記ドアの開閉状態を判定する開閉状態判定手段を備え、前記開閉制御手段は、前記開閉状態判定手段によって、前記ドアの開閉状態が当該ドアの開放方向に向けて当該ドアが開放移動している状態である開放移動状態と判定されている場合において、前記第2判定手段によって前記第2物体が前記第2領域に進入したと判定されている場合には、前記第1判定手段の判定結果に関わらず、前記ドアの開放移動を停止し、又は、前記第1判定手段によって前記第1物体が前記第1領域に進入したと判定されると共に前記第2判定手段によって前記第2物体が前記第2領域に進入していないと判定された場合に前記ドアを開放移動させる際の当該ドアの速度よりも遅い速度で、当該ドアを開放移動させるように、前記ドアを開閉制御する。
【0102】
付記4の自動ドアの開閉制御システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記第2物体が前記第2領域に進入した旨を示す報知情報を出力する出力手段を備え、前記開閉制御手段は、前記第2判定手段によって前記第2物体が前記第2領域に進入したと判定された場合には、前記第1判定手段の判定結果に関わらず、前記報知情報を前記出力手段に出力させる。
【0103】
付記5の自動ドアの開閉制御システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記第2判定手段は、前記ドアの開閉方向に略沿って検知光を照射する光電センサを備える。
【0104】
付記6の自動ドアの開閉制御システムは、付記5に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記光電センサの検知光が、前記ドアにおける戸尻側の端部又は前記周辺構造物における前記ドア側の端部のいずれか一方から前記ドアにおける戸尻側の端部又は前記周辺構造物における前記ドア側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように、当該光電センサを設けた。
【0105】
(付記の効果)
付記1に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開口部又は開口部に対する見込方向の近傍に位置する第1領域に、第1物体が進入したか否かを判定する第1判定手段と、第1領域とは異なる領域である第2領域であって、少なくともドアとドアの戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に位置する第2領域に、第2物体が進入したか否かを判定する第2判定手段と、第1判定手段及び第2判定手段の判定結果に基づいて、ドアの開閉制御を行う開閉制御手段を備えているので、第1判定手段の判定結果、及び第2領域よりも離れた場所に位置する領域に物体が進入したか否かを判定する判定手段の判定結果のみに基づいてドアの開閉制御を行う場合に比べて、ドアの戸尻側にいる第2物体とドアとが衝突することを回避したり、第2物体がドアと周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができる。よって、ドアの近傍に位置する物体の安全性を確保しやすくなり、且つ、自動ドアの安全性を向上させることが可能となる。
【0106】
付記2に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段は、開閉状態判定手段によって、ドアの開閉状態が全閉状態と判定されている場合において、第2判定手段によって第2物体が第2領域に進入したと判定されている場合には、第1判定手段の判定結果に関わらず、全閉状態を維持するように、当該ドアを開閉制御するので、ドアの開閉状態が全閉状態において、ドアの戸尻側にいる第2物体とドアとが衝突することを回避したり、当該第2物体がドアと周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができ、ドアの近傍に位置する物体の安全性を一層確保しやすくなる。
【0107】
付記3に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段は、開閉状態判定手段によって、ドアの開閉状態が開放移動状態と判定されている場合において、第2判定手段によって第2物体が第2領域に進入したと判定されている場合には、第1判定手段の判定結果に関わらず、当該ドアの開放移動を停止し、又は、第1判定手段によって第1物体が第1領域に進入したと判定されると共に第2判定手段によって第2物体が第2領域に進入していないと判定された場合にドアを開放移動させる際の当該ドアの速度よりも遅い速度で、当該ドアを開放移動させるように、当該ドアを開閉制御するので、ドアの開閉状態が開放移動状態において、ドアの戸尻側にいる第2物体とドアとが衝突することを回避したり、第2物体がドアと周辺構造物との相互間に挟まれることを回避することができ、ドアの近傍に位置する物体の安全性を一層確保しやすくなる。
【0108】
付記4に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段は、第2判定手段によって第2物体が第2領域に進入したと判定された場合には、第1判定手段の判定結果に関わらず、報知情報を出力手段に出力させるので、第2物体又は第2領域以外の他の領域にいる人に対して第2物体が第2領域に進入している旨を報知することができ、ドアの近傍に位置する物体の安全性をさらに一層確保しやすくなる。
【0109】
付記5に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、第2判定手段が、ドアの開閉方向に略沿って検知光を照射する光電センサを備えるので、ドアの開閉方向に直交する方向に沿って検知光を照射する光電センサを備えた場合に比べて、光電センサの設置数が少ない場合でも、ドアの開閉方向に略沿った第2領域の全領域をカバーできることから、第2物体のうち人等の比較的縦長状の物体が進入したか否かを正確に判定することができる。よって、自動ドアの開閉制御システムの設置コストを抑制しながら、第2物体の進入の有無を正確に判定することが可能となる。
【0110】
付記6に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、光電センサの検知光が、ドアにおける戸尻側の端部又は周辺構造物におけるドア側の端部のいずれか一方からドアにおける戸尻側の端部又は周辺構造物におけるドア側の端部のいずれか他方に至るように照射されるように、当該光電センサを設けたので、ドアとドアの戸尻側に位置する周辺構造物との相互間に存在する第2物体の進入の有無を正確に検知することができ、且つ、ドアにおける戸尻側の端部と周辺構造物との相互間にはドア自身が介在することがないため、ドアを第2物体として検知してしまうことを回避でき、第2物体の進入の有無を一層正確に判定することができ、且つ、ドアの開閉制御を簡易に行うことができる。