(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633880
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】電気錠を備えたドア装置
(51)【国際特許分類】
E05B 13/00 20060101AFI20200109BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20200109BHJP
E06B 1/04 20060101ALI20200109BHJP
E06B 1/34 20060101ALI20200109BHJP
E06B 1/52 20060101ALI20200109BHJP
【FI】
E05B13/00 B
E05B49/00 J
E06B1/04 A
E06B1/34 Z
E06B1/52
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-191687(P2015-191687)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-66668(P2017-66668A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】若松 勇司
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−30275(JP,A)
【文献】
実開昭58−145985(JP,U)
【文献】
特開2003−247376(JP,A)
【文献】
特開2008−196115(JP,A)
【文献】
特開2014−55417(JP,A)
【文献】
特開2004−225526(JP,A)
【文献】
米国特許第6581333(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
E06B 1/04
E06B 1/34
E06B 1/52
E06B 3/00−3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸先側縦枠、戸尻側縦枠、上枠を有するドア枠と、
前記ドア枠に対して開閉可能に取り付けた扉体と、
前記扉体の戸先側端面に設けたストライクと、
前記戸先側縦枠内に設けた電気錠本体と、
を備えており、
前記電気錠本体は、
前記ストライクに対して電動で係脱するデッドボルトと、
戸先側縦枠の室外側面部に露出する鍵穴を備えたシリンダ錠と、
戸先側縦枠の室内側面部に露出する施解錠操作部と、
を備えており、
前記戸先側縦枠の室外側面部はドア枠の全高に亘って延びており、当該室外側面部には、幅方向中央の凹面である中央面と、中央面に対して扉体側に位置する第1側面と、中央面に対して扉体と反対側に位置する第2側面と、前記第1側面の立ち上がり面と、前記第2側面の立ち上がり面とにより凹状部が形成されており、前記シリンダ錠は前記凹状部に位置して前記中央面に露出しており、前記凹状部には、前記シリンダ錠を隠蔽できる幅寸法を備え、ドア枠の全高に延び、前記中央面を全高・全幅に亘って覆う化粧パネルが着脱可能あるいは回動可能に設けてある、
電気錠を備えたドア構造。
【請求項2】
前記戸尻側縦枠の室外側面部はドア枠の全高に亘って延びており、当該室外側面部の幅寸法は、前記戸先側縦枠の室外側面部の幅寸法とほぼ同じ寸法を有し、
前記戸尻側縦枠の室外側面部には、幅方向中央の凹面である中央面と、中央面に対して扉体側に位置する第1側面と、中央面に対して扉体と反対側に位置する第2側面と、前記第1側面の立ち上がり面と、前記第2側面の立ち上がり面とにより凹状部が形成されており、
前記戸尻側縦枠の前記中央面、前記第1側面、前記第2側面の高さ寸法・幅寸法は、それぞれ、前記戸先側縦枠の前記中央面、前記第1側面、前記第2側面の高さ寸法・幅寸法とほぼ同じであり、
前記戸尻側縦枠の前記凹状部には、前記戸先側縦枠の前記凹状部に設けた前記化粧パネルと同一の幅寸法・高さ寸法を備えた化粧パネルが設けてある、請求項1に記載のドア構造。
【請求項3】
前記戸先側縦枠の室外側面部に設けた化粧パネルは、高さ方向に複数に分割された複数の分割化粧パネルからなり、少なくとも電気錠本体のシリンダ錠を隠蔽する分割化粧パネルが着脱可能あるいは可動可能となっている、
請求項1、2いずれか1項に記載のドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠を備えたドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気錠を備えたドアとしては、扉体側に設けた電気錠本体からデットボルトが突出して躯体側のストライクに係合してロック状態となるもの、躯体側に設けた電気錠本体からデットボルトが突出して扉体側のストライクに係合してロック状態となるものが知られている。
【0003】
後者の態様において、防犯上、電気錠本体のシリンダ錠の鍵穴が外部に露出することがないような構成を採用することが望ましいが、特許文献1、2に開示された構成では、いずれも、いわゆる袖パネルを利用してシリンダ錠の鍵穴を隠蔽するようになっており、袖パネルを必要とすることから、設計上の制限が生じてしまう。
【0004】
また、通常の戸先側縦枠に電気錠本体を納めるとするならば、戸尻側縦枠に比べて戸先側縦枠の見付けが大きくなってしまい、意匠上好ましくない。
【特許文献1】特許第4613119号
【特許文献2】特開2009−30275号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、袖パネルの有無にかかわらずに、美観上・防犯上有利な電気錠を備えたドア装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
戸先側縦枠、戸尻側縦枠を有するドア枠と、
前記ドア枠に対して開閉可能に取り付けた扉体と、
前記扉体の戸先側端面に設けたストライクと、
前記戸先側縦枠内に設けた電気錠本体と、
を備えており、
前記電気錠本体は、
前記ストライクに対して電動で係脱するデッドボルトと、
戸先側縦枠の室外側面部に露出する鍵穴を備えたシリンダ錠と、
戸先側縦枠の室内側面部に露出する施解錠操作部と、
を備えており、
前記戸先側縦枠の室外側面部には、前記シリンダ錠を隠蔽できる幅寸法を備え、当該室外側面部の全高に延びる化粧パネルが着脱可能あるいは回動可能(開閉可能)に設けてある、
電気錠を備えたドア構造、である。
【0007】
1つの態様では、前記戸尻側縦枠の室外側面部の幅寸法は、前記戸先側縦枠の室外側面部の幅寸法とほぼ同じ寸法を有し、
前記戸尻側縦枠の室外側面部には、前記化粧パネルと同一の幅寸法・高さ寸法を備えた化粧パネルが設けてある。
なお、化粧パネルは1本物でも、高さ方向に分割されていてもよく、1つの態様では、前記戸先側縦枠の室外側面部に設けた化粧パネルは、高さ方向に複数に分割された複数の分割化粧パネルからなり、少なくとも電気錠本体のシリンダ錠を隠蔽する分割化粧パネルが着脱可能あるいは可動可能となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、戸先側縦枠の室外側面部には、全高に亘って化粧パネルを着脱可能あるいは回動可能に設けて電気錠のシリンダ錠を隠蔽するので、室外側からのシリンダ錠の取付位置の特定及びシリンダ錠の鍵孔へのアクセスを防止することができる。
【0009】
戸先側縦枠に電気錠のシリンダ錠を隠蔽する化粧パネルを設け、さらに、戸尻側縦枠にも同一の化粧パネルを設けて、戸先側、戸尻側で共通の意匠とすることにより、戸先側縦枠内に錠前(電気錠本体)が隠蔽されていることに気づきにくくすると共に、ドア枠の意匠性も高めることができる。
【0010】
したがって、袖パネルの有無にかかわらずに、美観上・防犯上有利な電気錠を備えたドア装置を提供することができる。
1つの態様では、戸先側縦枠に隣接して袖パネルが設けられるが、当該袖パネルは、電気錠本体の納まりとは無関係である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】ドア装置を室外側から見た正面図であり、戸先側縦枠の化粧パネルを取り外した状態を示す図である。
【
図5】ドア装置の横断面図であり、戸先側縦枠の化粧パネルを取り外した状態を示す図である。
【
図6】他の実施形態に係るドア装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は電気錠を備えたドア装置を室外側から見た図、
図2は同ドア装置を室内側から見た図、
図3は同ドア装置の横断面図である。ドア装置は、建物開口部を形成する枠体と、建物開口部を開閉するように枠体に設けられた扉体1、とからなる。枠体は、上枠2、下枠3、戸先側縦枠4、戸尻側縦枠5、からなる方形状の四周枠(ドア枠)であり、内側に建物開口部を形成しており、枠体の戸先側縦枠4、戸尻側縦枠5の外側(建物開口部から離隔する側)には躯体としての壁体Wが備わっている。
【0013】
扉体1は、室外側面部10、室内側面部11、戸先側端面12、戸尻側端面13、を備えている。扉体1の室外側面部10及び室内側面部11には、戸先側に近接して、扉体1の高さの略中央部位に位置して取手14が設けてある。扉体1の室内側面部11の上方にはドアクローザ15が設けてある。扉体1は、開き戸であり、戸尻側部位を、吊金具(丁番、ピボットヒンジ等)16を用いて戸尻側縦枠5に対して回動自在に装着することで建物開口部を開閉可能になっている。
【0014】
電気錠は、デッドボルト61を備えた電気錠本体6と、デッドボルト61を受け入れるストライク7と、からなり、電気錠本体6は、戸先側縦枠4の内部空間に設けてあり、ストライク7は、扉体1の戸先側端面12に設けてある。戸先側縦枠4は、室外側面部(室外側見付面)40、室内側面部(室内側見付面)41、開口部に面する内側の側面部(見込面)42と、開口部から遠い側に位置する外側の側面部43と、を備えており、内部は中空状となっている。
【0015】
戸先側縦枠4の内部には、電気錠本体(図示しない配線を含む)のみが設けてある。図示の態様では、戸先側縦枠4には、高さ方向に間隔を存して2つの電気錠本体6が設けてあり、扉体1の戸先側端面12には、高さ方向に間隔を存して2つのストライク7が設けてある。なお、図示の態様では、戸先側縦枠4の外側の側面43の外側には壁体Wが位置しているが、戸先側縦枠4の外側に位置して、当該戸先側縦枠4とは別個に独立して、電気錠のリーダ、インターフォンや新聞受け等を備えた袖パネルを設置してもよい。この態様においても、袖パネルは、電気錠の納まりとは関係しない。袖パネルが設置されない場合には、電気錠のリーダが戸先側縦枠4の室外側面部40に付く。
【0016】
電気錠本体6は、本体ケース60と、デッドボルト61と、シリンダ錠62と、施解錠操作部として例示するサムターン63と、を備えている。開口部全閉時において、電気錠本体6のデッドボルト61を扉体1側のストライク7に対して電気的に出没させて、デッドボルト61をストライク7に対して係脱させることで、施錠・解錠を行う。図示の例では、デッドボルト61は水平方向に往復動するものであるが、回動するデッドボルトでもよい。シリンダ錠62の鍵穴は、戸先側縦枠4の室外側面部40から露出しており、サムターン63は、戸先側縦枠4の室内側面部41から室内空間に露出している。停電時等には、シリンダ錠62の鍵穴からキー操作をすることで、室外側からデッドボルト61をストライク7に対して手動で係脱させることができる。
【0017】
図示の態様に係る戸先側縦枠4の形状について詳述する。室外側面部40は、幅方向中央の凹面である中央面400と、中央面400の右側(建物開口部に近い側)の第1側面401、中央面400の左側(建物開口部から遠い側)の第2側面402と、からなる。第1側面401、第2側面402の幅寸法は同じである。なお、第1側面401、第2側面402の幅寸法は異なっていてもよく、具体的には、第2側面402の幅が第1側面401の幅よりも大きくても小さくてもよい。中央面400と、第1側面401の立ち上がり面403、第2側面402の立ち上がり面404、から、戸先側縦枠4の室外側面部40に凹部が形成されている。
【0018】
建物開口部に近い側の側面部42は、室外側に位置する第1面部420と、開口部全閉時に、扉体1の戸先側端面12に対向する中央の第2面部421と、室内側に位置する第3面部422と、から段部状に形成されている。なお、第2面部421には、扉体1の取手14の動きに連動して出没するラッチ(図示せず)のストライクが設けられる。扉体1の戸先側端面12の室外側部位には突部120が突成されており、開口部全閉時に、突部120の先端は、第1面部420に近接している。建物開口部から遠い側の側面部43は、全高・全幅に亘って塞がれている必要はなく、側面部43の開口を通して、電気錠本体の配線(図示せず)をしてもよい。例えば、側面部43の外側に位置して、電気錠のリーダが設置される場合(例えば、袖パネルないしエントランスパネル上)に、リーダから電気錠本体へ配線して電気信号を供給するようにしてもよい。また、戸先側縦枠4の室内側面部41は平面であり、凹凸は無く、その幅寸法は、室外側面部40の幅寸法よりも大きい。
【0019】
図示の態様に係る戸尻側縦枠5の形状について詳述する。室外側面部50は、幅方向中央の凹面である中央面500と、中央面500の左側(建物開口部に近い側)の第1側面501、中央面500の右側(建物開口部から遠い側)の第2側面502と、からなる。第1側面501、第2側面502の幅寸法は同じである。戸先側縦枠4の室外側面部40と同様に、戸先側縦枠5の室外側面部50に凹部が形成されている。第1側面501の一部(図示の態様では半部)は、見込面52を越えて開口部側に突出している。戸尻側縦枠5の室外側面部50の幅寸法は、室内側面部51の幅寸法よりも大きい。なお、態様によっては、室外側面部50の幅寸法が、室内側面部51の幅寸法よりも小さい場合もあり得る。
【0020】
戸尻側縦枠5の室外側面部50、中央面500、第1側面501、第2側面502、の高さ寸法・幅寸法は、それぞれ、戸先側縦枠4の室外側面部40、中央面400、第1側面401、第2側面402、の高さ寸法・幅寸法と同じである。なお、上枠2の室外側面部の幅寸法、第1側面401の幅寸法、第1側面501の幅寸法を同幅にする場合が多いが、例えば、上枠2の室外側面部の幅寸法のみを異ならしめてもよい。
【0021】
戸先側縦枠4における電気錠本体6の納まりについて説明する。シリンダ錠62の長さ寸法は、戸先側縦枠4の見込寸法にほぼ対応しており、より詳しくは、室外側面部40の中央面400と室内側面部41間の距離に対応しており、中央面400の幅寸法は、電気錠本体のシリンダ錠62の前面部の直径よりも大きい寸法を有し、室外側面部40の凹部内に位置して、シリンダ錠62の鍵穴は中央面400に露出している。
【0022】
戸先側縦枠4の室外側面部40の凹部には、中央面400を、全高・全幅に亘って覆うように化粧パネル8が着脱可能に設けられる。化粧パネル8は、ドア枠の全高に亘って延びる高さ寸法を備えており、少なくとも、シリンダ錠62の前面部(鍵穴を備える)を覆うような幅寸法を備えている。化粧パネル8は、正面部80と、建物開口部に近い側の第1側面部81、建物開口部から遠い側の第2側面部82と、から断面視コ字形状を備えている。化粧パネル8の第1側面部81、第2側面部82の見込寸法は、凹部の深さ(第1側面401、第2側面402の立ち上がり寸法ないし見込寸法)よりも小さく、中央面400から露出するシリンダ錠62の前面部の厚さよりも大きい。化粧パネル8の正面部80の幅寸法は、中央面400の幅寸法よりも僅かに(第1側面部81、第2側面部82の板厚分)小さく、化粧パネル8が戸先側縦枠4の室外側面部40に取り付けられた状態で、第1側面部81、第2側面部82がそれぞれ、第1側面401、第2側面402の立ち上がり面403、404に近接している。化粧パネル8の正面部80は、全閉姿勢の扉体1の室外側面部10と面一か、あるいは、室外側面部10よりも室外側へ出っ張っている。
【0023】
図4に示すように、戸先側縦枠4の室外側面部40の中央面400には、高さ方向に間隔を存して複数のパネル取付部材17が設けてあり、パネル取付部材17の面部と、化粧パネル8の正面部80の裏面と、を磁石(図示せず)を介して着脱可能に連結する。化粧パネル8が磁性体の場合には、パネル取付部材17の面部に磁石を固定し、化粧パネル8が非磁性体の場合には、パネル取付部材17を磁性体から形成して、化粧パネル8に磁石を固定する。なお、化粧パネル8を着脱可能に戸先側縦枠4の室外側面部40の中央面400に設ける手段は、マグネット方式に限定されるものではなく、嵌合方式、係合方式、螺子止め(この場合は螺子頭を隠蔽することが望まし)等であってもよい。また、化粧パネルを丁番開閉式(隠し丁番が望ましい)としてもよい。図示の態様のように、化粧パネル8の左右に隙間が無い場合には、回動方式ではなく着脱方式が有利に採用される。
【0024】
本実施形態では、戸先側縦枠4の室外側面部40には、全高に亘って化粧パネル8を着脱可能に設けて電気錠6のシリンダ錠62を隠蔽するので、室外側からのシリンダ錠62の取付位置の特定及びシリンダ錠62の鍵孔へのアクセスを防止した。より具体的には、シリンダ錠62の鍵孔が室外側に露出しないことによりピッキングに対して有効であり、室外側からのシリンダ錠の取付位置の特定ができないことで、バール等のこじ開けに対して有効である。停電時等には室外側から手動で電気錠を施錠・解錠できるものでありながら、通常時はシリンダ錠62が室外側に露出することがないので、美観上、防犯上良好である。
【0025】
戸尻側縦枠5の室外側面部50の凹部には、中央面500を、全高・全幅に亘って覆うように化粧パネル9が設けられる。化粧パネル9は、化粧パネル8と同一の高さ寸法・幅寸法を備えている。化粧パネル9は、正面部90と、建物開口部から遠い側の第1側面部91、建物開口部に近い側の第2側面部92と、から断面視コ字形状を備えている。化粧パネル9は固定式であってもよく、あるいは、化粧パネル8と同様に着脱可能とすることでデザイン変更を可能としてもよい。
【0026】
図1において、斜線で示す領域が化粧パネル8、9である。
図1から明らかなように、本実施形態では、戸先側縦枠4の室外側面部40の幅寸法は、戸尻側縦枠5の室外側面部50の幅寸法と同じであり、戸尻側縦枠5の室外側面部50には、化粧パネル8と同一の幅寸法(見付寸法)・高さ寸法・見込寸法を備えた化粧パネル9が設けてあるので、ドア装置のドア枠は室外側から見た時に(正面視あるいは斜視において)、左右対称状のデザインとなり、意匠上良好である。ドア装置の戸先側、戸尻側で共通の意匠とすることにより、戸先側縦枠4内に電気錠本体6が隠蔽されていることに気づきにくくすると共に、ドア枠の意匠性も高めることができる。
【0027】
化粧パネル8は、高さ方向に複数に分割されていてもよい。例えば、化粧パネル8を高さ方向に3つに分割して、3つの分割化粧パネルが戸先側縦枠の室外側面部の全高に対応するものでもよい。この態様では、少なくとも、電気錠本体に対応する分割化粧パネルである中央の分割化粧パネルが着脱可能あるいは回動可能となっていればよい。化粧パネル8を複数の分割化粧パネルから構成する場合には、化粧パネル9も複数の分割化粧パネルから構成することが望ましい。
【0028】
図6は、他の実施形態に係るドア装置の横断面図であり、上述の実施形態と同一の要素については同一の参照番号が付してあり、同じ参照番号を付した要素の説明については、以下の記載を除き、既述の記載を援用することができる。化粧パネル8は、正面部80と、建物開口部に近い側の第1側面部81、建物開口部から遠い側の第2側面部82と、から断面視コ字形状を備えている。化粧パネル8の第1側面部81、第2側面部82の見込寸法は、凹部の深さ(第1側面401、第2側面402の立ち上がり寸法ないし見込寸法)よりも大きく、かつ、中央面400から露出するシリンダ錠62の前面部の厚さ(凹部の深さよりも大きい)よりも大きい。化粧パネル8の正面部80は、第1側面401、第2側面402に対して、室外側に突出している。
【0029】
化粧パネル9は、正面部90と、建物開口部から遠い側の第1側面部91、建物開口部に近い側の第2側面部92と、から断面視コ字形状を備えている。化粧パネル9の第1側面部91、第2側面部92の見込寸法は、凹部の深さ(第1側面501、第2側面502の立ち上がり寸法ないし見込寸法)よりも大きい。化粧パネル9の正面部90は、第1側面501、第2側面502に対して、室外側に突出している。
【0030】
本実施形態では、既述の実施形態と同様に、戸先側縦枠4の室外側面部40の幅寸法は、戸尻側縦枠5の室外側面部50の幅寸法と同じであり、戸尻側縦枠5の室外側面部50には、化粧パネル8と同一の幅寸法(見付寸法)・高さ寸法・見込寸法を備えた化粧パネル9が設けてあるので、ドア装置のドア枠は室外側から見た時に(正面視あるいは斜視において)、左右対称状のデザインとなり、意匠上良好である。ドア装置の戸先側、戸尻側で共通の意匠とすることにより、戸先側縦枠4内に電気錠本体6が隠蔽されていることに気づきにくくすると共に、ドア枠の意匠性も高めることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 扉体
12 戸先側端面
4 戸先側縦枠
40 戸先側縦枠の室外側面部
5 戸尻側縦枠
50 戸尻側縦枠の室外側面部
6 電気錠本体
61 デッドボルト
62 シリンダ錠
63 サムターン(施解錠操作部)
7 ストライク
8 化粧パネル
9 化粧パネル