(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シートが、ディスク型切断ブレードを、その回転軸がログ供給路と実質的に平行になるように、及び/又は、ディスク型切断ブレードを切断ヘッドに装着した時のディスク型切断ブレードの軸と平行になるように維持するよう配置され、かつ、構成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の切断装置。
【発明の概要】
【0012】
一つの特徴によれば、従来技術の問題点を一つ又はそれ以上解決し、又は、制限するために、
切断されるべきログの供給路を設け、
前記供給路に沿って、少なくとも一つのディスク型切断ブレードを備えた切断ヘッドを配置し、前記切断ヘッドが、ログを切断するために周期的な動きでディスク型切断ブレードを動かし、ロールを供給路に沿って前方へ動かせるようにし、
切断ヘッドに関連づけられるディスク型切断ブレード用の少なくとも一つのストアユニットを設け、
ウェブ材料のログを、ログの軸と変更な方向に、供給路に沿って順次動かし、
切断ヘッドに装着されたディスク型切断ブレードを用いてログを切断して、ログより軸方向の長さが短い小さなロールにログを切断し、
周期的にディスク型切断ブレードを研磨し、
ディスク型切断ブレードが、交換しなければならない程に摩耗した時、ログの前進運動を一時的に止め、摩耗したディスク型切断ブレードを切断ヘッドから取り出し、ストアユニットから新しいディスク型切断ブレードを取り出して、該新しいディスク型切断ブレードを切断ヘッドまで運び、それを切断ヘッドに装着し、
新しいディスク型切断ブレードが切断ヘッドに装着されると、供給路に沿ったログの前進運動を再開する
ことを特徴とするウェブ材料が巻かれたログを切断する方法が提供される。
【0013】
ディスク型切断ブレードはストアユニットから取り出され、切断ヘッドに導入され、そして、同じハンドリング部材を用いて切断ヘッドから取り出され得る。ハンドリング部材は、この目的のために、ディスク型切断ブレード用ストアユニットに関連付けされ得る。他の実施例では、ディスク型切断ブレードの交換の異なる動作を実行するために二つ又はそれ以上の異なるハンドリング部材が設けられ得る。例えば、第一ハンドリング部材は、ストアユニットからディスク型切断ブレードを取り出し、そして、それを切断ヘッドに導入し、第二ハンドリング部材は、摩耗したディスク型切断ブレードを切断ヘッドから取り出し得る。このハンドリング部材又は各ハンドリング部材は、一つ又は複数の構成要素、装置又は構成部品を備え、ブレードは、ある構成要素、装置又は構成部材から、他の構成要素等に移送される。
【0014】
幾つかの実施例では、前記方法は、摩耗したディスク型切断ブレードをストアユニットに置くステップを含み、従って、ストアユニット、ディスク型切断ブレードに対応する十分な数のシートを有し得る。また、摩耗したディスク型切断ブレードを異なる領域、例えば、新しいブレードを収容したストアユニットとは分離した別の摩耗したブレード用の第二ストアユニットに置くことも可能である。この場合でも、一つのハンドリング部材を設けることも、二つのハンドリング部材を設けることも可能である。
【0015】
上記した方法は、摩耗した切断ブレードが取り出された時、及び/又は新しい切断ブレードが導入された時に、切断ヘッドが固定されたままになるように実行され得る。本質的に、動作はブレードにのみ与えられ、切断ヘッドは固定されたままであるか、まてゃあ、ブレードの交換のために有用な動作は実行しない。
【0016】
解決手段は、以下に詳細に説明されることになる。そこでは、ディスク型切断ブレードが一つのハンドリング部材を用いて動かされ、前記ハンドリング部材がブレードを導入し、かつ、取り出す。さらに、一つのストレージユニットが設けられ、そこから新しいディスク型切断ブレードが取り出され、そこに摩耗したディスク型切断ブレードが置かれる。これにより、特に簡単で、安価でコンパクトな構造を簡単に管理することが可能になる。
【0017】
一つが新いブレード用で、他方が摩耗したブレード用の二つのストレージユニットを使用すること、及び/又は、一方が新しいブレードの挿入用で、他方がブレードの取り出し用の二つの別のハンドリング部材を使用するとは、装置をより複雑に、かつ、効果にするが、摩耗したブレードの交換に必要な時間を低減することに寄与し得る。
【0018】
別の特徴によれば、切断されるべきログの供給路及び前記供給路に沿って配置された切断ヘッドを備えた切断装置がウェブ材料のログを切断するために提供される。切断ヘッドは、ディスク型切断ブレード用の連結部材を備え、ディスク型切断ブレードにその回転軸を中心とした回転運動を与えるように設計され、かつ、ディスク型切断ブレードにログをロールに切断するための周期的な動きを与え、供給路に沿ってログを前進させることを可能にするように設計されている。また、この切断装置は、切断ヘッドに関連付けされたディスク型切断ブレード用のストアユニットを備えている。少なくとも一つのハンドリング部材が、また、摩耗したディスク型切断ブレードを切断ヘッドから取り除き、摩耗したディスク型切断ブレードをストアユニットから取り出した新しいディスク型切断ブレードに交換するために設けられる。
【0019】
上述したように別の実施例では、より多くのハンドリング部材が設けられ得、各々が、
・摩耗したディスク型切断ブレードを切断ヘッドから取り除くこと、
・摩耗したディスク型切断ブレードをストアユニットに移送すると、
・摩耗したディスク型切断ブレードをストアユニットに置くこと、
・新しいディスク型切断ブレードをストアユニットから取り出すこと、
・新しいディスク型切断ブレードを切断ヘッドへ移送すること、及び
・新しいディスク型切断ブレードを切断ヘッドに装着すること
の一つ又はそれ以上の動作を実行するように構成され、配置されている。
【0020】
幾つかの実施例では、切断装置は、ディスク型切断ブレード用の一つのストレージユニットだけを備え、その内部に新しいディスク型切断ブレードが収容され、また、そこに摩耗したディスク型切断ブレードが入れられる。他の実施例では、切断装置は、一つのストレージ領域及び/又は摩耗したディスク型切断ブレードを収容するための第二のストレージユニットを備え得る。
【0021】
本発明の特徴及び実施例は、以下に説明され、かつ、この明細書の一部を形成する添付した特許請求の範囲において限定される。上記の簡単な説明は、本発明の様々な実施の形態の特徴を示しており、その結果、以下の詳細な説明がより良く理解され得、技術への貢献をよりよく理解され得る。以下の説明及び添付した特許請求の範囲の説明から、本発明の別の特徴は明らかになる。これに関連して、本発明の異なる実施形態を詳細に説明する前に、本発明の様々な実施形態は、その適用において、以下の説明で説明されるか、または図面に示される構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の実施形態で実施することができ、かつ、様々な方法で実施することができる。また、ここで使用されている表現や用語は説明のためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解する必要がある。
【0022】
したがって、当業者は、本発明の基礎となる概念が、本発明の様々な目的を実施する他の構造、他の方法および/または他のシステムを設計するための基礎として速やかに使用され得ることを理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲から逸脱しないそれらの均等な構成を含むとみなされることが重要である。
【0023】
以下の詳細な説明では、装置は、研磨ホイールをディスク型切断ブレードに向けて動かすための特別で革新的なアプローチシステムを有し、ディスク型切断ブレードの各交換に関わるものである。他の実施例では、これらのシステムは省略され得、研磨ホイールは手動でブレードに向けて動かされ得ることは理解されるべきである。逆もまた同様に、研磨ホイールのアプローチシステムは、また、摩耗したブレードの自動交換システムのない切断装置において使用することも可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。異なる図面において使用する同一の符号は、同一又は類似の構成要素を示す。さらに、図面は必ずしも縮尺通りではない。また以下の詳細な説明は発明を制限するものではない。本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲によって画定される。
【0026】
説明中、「(ある)実施例」、「(その)実施例」又は「幾つかの実施例」は、実施例を参照して説明した特定の特徴、構造又は構成要素が、説明する対象物の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。従って、説明中の「(ある)実施例において」「(その)実施例において」又は「幾つかの実施例において」は、必ずしも、同一の実施例又は同一の複数の実施例を参照するものではない。特定の特徴、構造又は構成要素は、さらにまた、適切な方法で、一つ又は複数の実施例に含まれ得る。
【0027】
図1、本発明を具体的に表現し得る切断装置1の主たる構成部材を概略的に示している。切断装置1の構造が、ここで説明した構造と異なることがあり得ることは理解されるべきである。例えば、様々な駆動手段が、ログやディスク型切断ブレードの送り動作を伝達するために設けられ得る。このディスク型切断ブレードには、連続動作に代えて、往復運動、例えば、揺動運動が与えられ得る。さらに、切断装置の切断ヘッドは、より多くのディスク型切断ブレードを有し得る。
【0028】
ここで説明する切断装置1は、符号Pで概略的に示された供給路を有し、この供給路Pに沿って、軸方向寸法がより小さいロールRに切断されるべきログLが前進する。ロールRは、その後、不図示の包装装置に供給される。切断装置は、不図示であり、当業者に公知の巻戻し装置及び別の処理ステーションの下流に配置される。
【0029】
幾つかの実施例では、切断装置1は切断ステーション3を備え、この切断ステーション3は、切断ヘッド5を有する。切断ヘッド5は、回転軸線A-Aを中心に回転する軌道ヘッド7を有し得、前記回転軸線A-Aは、切断されるべきログLの供給方向とほぼ同じ方向であり得る。切断ヘッド5の軌道ヘッド7は、少なくとも一つのディスク型切断ヘッド9を支持しており、このディスク型切断ヘッド9は、その回転軸線B-Bを中心に回転し得る。ディスク型切断ヘッド9の回転軸線B−Bは、通常、軸線A-Aとほぼ同じ方向に向けられ得る。当業者には公知のように、軸線A-A及びB-Bが、相互の完全に平行ではなく、及び/又は切断されるべきログの供給路Pに沿った供給方向と完全に平行ではない切断装置はある。これは、切断装置の幾つかの特徴によるものであり、ここでの説明には関係がなく、切断ヘッド5と、切断されるべきログLの前進運動との間の相対的な動きに関連する。
【0030】
切断装置1は、ディスク型切断装置9を回転させるモータ11と、切断ヘッド5及び軌道ヘッド7を軸線A-Aを中心に回転させる別のモータ13を有し得る。
【0031】
ログLは、相互に平行な一つ又は複数の通路に沿った供給路Pに従って前進し得、当業者に公知のように、より多くのログが同時に切断され、そして、切断装置1の生産性を向上させるようにしている。
【0032】
ログLの前進運動は、例えば、モータ17によって駆動されるチェーンやベルトのような連続可撓性部材15を用いて提供され得る。有利には、モータ11,13及び17は、当業者には公知の方法であり、より詳細には説明しない方法で、中央制御ユニット19によって制御され得る。
【0033】
可撓性部材15は、プッシャ16を有し得、このプッシャ16は、好ましくは、可撓性部材15が伸びる方向に沿って一定間隔で配置され、切断装置3を通る供給路Pに沿って各単一のログLを押す。
【0034】
幾つかの実施例では、ログの前進運動は、一定速度又は可変速度で、連続的であり得る。別の実施例では、前進運動は、間欠的であり得る。停止している間にログはディスク型切断ブレード9によって切断される。軌道ヘッド7及び/又はディスク型切断ブレード9は、当業者に公知のように、供給路Pに沿った前進及び後退運動を有し得、ログLを、それが供給路Pに沿って動いている間に、停止することなく切断し得る。幾つかの実施例では、保持要素が設けられ得、それらの保持要素は、切断段階の間に閉じてログを保持し、より良い切断品質が得られるようにし、ログが前進する時に開く。これらの保持要素は、好ましくは、二つあり、一方は、ログを保持するために切断面の上流にあり、他方は、ロールを形成するために切断されるログの部分を保持するために切断面の下流にある。
【0035】
図2及び
図3は、切断ヘッド5及び軌道ヘッド7の実施例を示している。
【0036】
この実施例では、切断ヘッド5は、軌道ヘッド7に設けられたスライド21を有し、以下により良く説明する目的のために両矢印f21に従って動くようにしている。幾つかの実施例では、スライド21は、軌道ヘッド7によって支持されたガイド23上でガイドされる。ギヤモータ25は、両矢印f21に従ってスライド21を動かす。ねじ棒27及びナットスクリュー29を備えたシステム、例えば、循環ボールスクリューを用いて、動きが伝達され得る。ナットスクリュー29はスライド21に固定され得る。
【0037】
有利な実施例では、二つの研磨ユニット31及び33がスライド21上に配置され得る。以下により詳細に説明するように、各研磨ユニット31、33は、以下に説明する目的のために、ディスク型切断ブレード9を研磨するための研磨ホイールをそれぞれ備え、かつ、各研磨ホイールをディスク型切断ブレード9の切断縁に向けて動かすための制御アプローチシステムを有する。研磨ホイールは、それらの各々が、ディスク型切断ブレード9の切断エッジの二つのフランクの一方を研磨するように配置される。二つの研磨ユニット31,33の二つの研磨ホイールは、例えば、ディスク型切断ブレード9が、その中央平面に関して対称である時に、相互に同一であり得る。しかし、これは、幾つかの実施例において好ましいだけであり、必ずしも必要ではない。公知のように、幾つかの実施例では、ディスク型切断ブレード9は、非対称エッジを有し得る。この場合、二つの研磨ユニットの研磨ホイールは、相互に異なるものであり得、及び/又はそれらはお互いに別々に調整され得る。
【0038】
さらにまた、切断ヘッド5は、全体を符号35で示すディスク型切断ブレード9用の連結装置をそなえている。連結装置35は、
図4及び
図5〜8を参照して、以下により詳細に説明される。
【0039】
連結装置35は、マンドレル、即ち、回転軸37を有し得、この回転軸37は歯付きホイール又はプーリ39によって回転駆動される。プーリ39の周りでは、歯付きベルト41が、モータ11又は詳細には示されていない他の適切な動力源によって制御されて駆動され得る。
【0040】
図4は、ディスク型切断ブレード9を切断ヘッド5に連結するための連結装置35の拡大図を示しており、
図5〜8は、ディスク型切断ブレード及びその支持部材の詳細を示しており、以下に説明する切断装置1と関連するストアユニットからディスク型切断ブレードを取るハンドリング部材を用いて、その自動交換を可能にしている。ディスク型切断ブレード9の交換は、
図9及び
図10を参照して以下に説明する。
【0041】
図4の概略図には、シャフト、即ち、マンドレル37を支持するベアリング43が示されている。このマンドレル37には、シート45が設けられており、シート45には、
図5〜
図8を参照して後述するように、それにディスク型切断ブレード9が設けられ得るシャフト51をロックするための公知の保持装置49が挿入されている。保持装置49の開閉は、ダクト53を通して供給される加圧流体、例えば、加圧油や加圧空気と、シャフト37を通るディストリビュータ55とを用いて制御される。
【0042】
幾つかの実施例では、シャフト37はフロントフランジ37Fを有し、それに対してディスク型切断ブレード9が以下に説明するようにロックされる。
【0043】
ディスク型切断ブレード9のシャフト51は、支持部材57の一部であり得、支持部材57は、
図5及び
図6に、それぞれ側面図及び不等角投影図で単独で示されている。
図5及び
図6では、例えば、支持部材57のねじ付き孔57Fに、ねじ止めされ得るシャンク51は示されていない。
【0044】
幾つかの実施例では、支持部材57はフランジ59を有し、このフランジ59は、ディスク型切断ブレード9と接触する前面59Sを備え、より詳細には、前記前面59Sは、ディスク型切断ブレード9を切断ヘッド5に装着する時に、シャフト37のフランジ37と接触することになる面と反対側にあるディスク型切断ブレードの面と接触する。
【0045】
幾つかの実施例では、支持部材57は、突起部61を有し、そこにシャンク51を固定するためのねじ付き孔57Fが設けられている。突起部61は、環状カラー61Cを有し、この環状カラー61Cは、
図4及び
図8に示すように、ディスク型切断ブレード9の貫通孔に入る。
【0046】
幾つかの実施例では、支持部材57は別の中央突起部63を有し、この中央突起部63は、シャンク51に関して反対側でフランジ59から伸びている。突起部63は、以下で明らかになるように、支持部材57に固定されるディスク型切断ブレード9と係合し、ストレージユニットから切断ヘッド5へ、又は、その逆に、ディスク型切断ブレード9を動かすために使用され得る。
【0047】
幾つかの実施例では、突起部63は、以下に説明するハンドリング部材によって係合されるように構成された環状溝63Sを有する。
【0048】
連結装置35及びディスク型切断ブレード9と関連付けられたシャンク51を有する支持部材57は、ディスク型切断ブレード9を、新しいものに交換するために有用である。新しいディスク型切断ブレードは切断装置1と組合せられたストレージユニットに収容され得る。ハンドリング部材を使用することによって、第一のディスク型切断ブレードを自動的に切断ヘッド5に取り付けることを可能にし、使用中のディスク型切断ブレードが摩耗した時に、それをストレージユニットに収容された次のディスク型切断ブレードに自動的に交換することを可能にする。ディスク型切断ブレード9を交換している間のハンドリング部材の作用を、
図9A〜9O及び
図10(A)
〜(J)のシーケンスを参照して以下に詳細に説明していく。
【0049】
幾つかの実施例では、支持部材57のフランジ59は、支持部材57の軸線X-Xを中心に分配された複数のシート59Aを有し、そのシート59Aの中には、ディスク型切断ブレード9と協働する永久磁石(図示せず)が挿入され得る。ディスク型切断ブレード9がシャンク51によって切断ヘッド5の連結装置35に固定されていない時、例えば、ディスク型切断ブレード9がストレージユニットに収容されている時に、シート59Aに挿入された磁石、支持部材57上にディスク型切断ブレード9を磁気吸引力によって保持する。
【0050】
図9A〜
図9Oには、収容ケース3Cが示されており、その内部には、全体が符号3で示された切断ステーションが配置され、軌道ヘッド7を有する切断ヘッド5が示されている。ログ前進部材に加えて、公知の方法で構成され得、かつ、本発明の理解のためには関係のない切断装置1の他の部材は省略されている。
【0051】
図9A〜
図9Oにおいて、符号71は、摩耗したディスク型切断ブレードを新しいディスク型切断ブレードに交換するためのハンドリング部材の全体を示している。符号73は、ストレージユニットを示し、そこには、新しいディスク型切断ブレード9及び切断ヘッド5から取り出された摩耗したディスク型切断ブレード9が保持されている。
【0052】
図9A〜
図9Oに示されたハンドリング部材71の形状及びストレージユニット73の形状は、非限定的な実施例として示されたものである。ハンドリング部材71は、ディスク型切断ブレード9を切断ヘッド5に取り付け、かつ、それを新しいディスク型切断ブレード9に交換するよう以下に説明する動作を実行するのに適している別の方法でも構成され得ることは理解されるべきである。
【0053】
同様に、ストレージユニット73は、ここで説明し、かつ、
図9A〜
図9Oに示すように、以下に説明する動作を実行するのに適した別の方法で構成することもできる。
【0054】
図9A〜
図9Oに示した実施例では、ストレージユニット73は、符号75で示したカルーセル型ブレードホルダ(以下、単に「カルーセル」と称する。)を備え、このカルーセル75は軸Cを中心に回転し得る。図示実施例では、軸Cは、切断ヘッド5の回転軸及び切断されるべきログLの供給路に対して実質的に90°に向けられている。ログ供給路は、
図9Aにおいて矢印Pで概略的に示されている。
【0055】
それ自体公知の方法であるが、ログ切断装置の幾つかの実施例においては、例えば、切断装置の動作中にディスク型切断ブレードの回転軸の位置を調整するよう、作動中のディスク型切断ブレードを支持する回転支持部材に振動運動が与えられる場合には、ログ供給路は、切断ヘッド5の回転軸とは平行でなくてもよい。切断ヘッドの回転軸がログ供給路に対して傾斜している、この種の装置は、当業者には公知である。この場合、ストレージユニット73のカルーセル75の回転軸Cは、切断ヘッド5の回転軸の方向に対して、即ち、切断ヘッド5に設けられたディスク型切断ブレードの回転軸に対して実質的に90°にされる。ディスク型切断ブレード9は、それらの回転軸を、軸Cと実質的に平行にしてカルーセル75に装着される。以下に説明するように、ストレージユニット73からディスク型切断ブレード9を取るため、及び/又はストレージユニット73の中にそれらを再び挿入するために、それらのディスク型切断ブレードは、約90°一時的に回転され、それらの各回転軸が切断ヘッド5に装着されるべき正確な位置になるようにディスク型切断ブレードを配置するようにし、即ち、ディスク型切断ブレードを装着する時に回転軸がとる方向と、それらの各回転軸が実質的に平行になるようにディスク型切断ブレードを配置するようにする。
【0056】
また、図示実施例とは異なる方向に向けられた軸Cを中心に回転するカルーセル75を備えたストレージユニット73を設けること、例えば、
図9A〜
図9Oにおける軸Cの位置に対して90°の位置になる軸Cを中心に回転するカルーセル75を備えたストレージユニット73を設けることも可能である。しかし、この種の配置は、横方向により大きな容積を持つため、幾つかの場合には、便利ではない可能性がある。同軸ディスク型切断ブレードを備えた他のよりコンパクトな実施例が、
図14〜16を参照して後で説明される。
【0057】
図9Aに示した状態では、五枚のディスク型切断ブレードがストレージユニット73に配置されており、それらは符号9A〜9Eで示されている。ディスク型切断ブレード9A〜9Eは、相互に同一であり得、それらは、作業中のディスク型切断ブレードが摩耗した時に連続的に使用され得る。
【0058】
他の実施例では、又はここで説明した切断装置1の使用方法とは異なるモードでは、例えば、ログLに巻かれた材料の性質に従って、相互に異なるディスク型切断ブレード9A〜9Eをストレージユニット73に入れることも可能である。実際、異なる硬さ又は異なる切断エッジのブレード、又はログを形成するウェブ材料の性質又は巻取特性に従って変わる特徴を有するブレードを使用することが必要である。
【0059】
他の実施例では、ディスク型切断ブレード9が、硬いカルーセルではなく、可撓性のローダ、例えば、ベルトコンベアによって支持されているブレード用のストレージユニット73が設けられ得る。さらに別の実施例では、ストレージユニットの容量を増やすために、複数のストレージユニット73が設けられ得、若しくは、ディスク型切断ブレード9用の複数のシートを支持する複式可撓性部材又は複式カルーセルを備えた一つのストレージユニットが設けられ得る。
【0060】
切断されるべきログの供給路Pの側部でストレージユニット73の容積を最小化するために、図示実施例では、ディスク型切断ブレード9A〜9Eの回転軸がカルーセル75の回転軸Cと平行になるように、ディスク型切断ブレード9A〜9Eが設けられている。それらの回転軸がカルーセル75の回転軸Cと直交するようにディスク型切断ブレード9A〜9Eを配置する異なる配置も可能である。
【0061】
以下に説明するように、各ディスク型切断ブレード9が、正しい向きでシートに挿入され、また、シートから取り出され得るような方法で各シートを配置するために、ディスク型切断ブレード9A〜9Eが収容されるストレージユニット73のシートは、垂直軸を中心に約90度回転し得る。
【0062】
ハンドリング部材71は、切断されるべきログの供給路Pの方向と実質的に平行な軸Dを中心に回転又はピボットするアーム77を備えている。さらにまた、アーム77は、両矢印f77に従って、揺動又は回転軸Dの方向に動くように構成され得る。
【0063】
回転アーム77は、その遠位端部に、ディスク型切断ブレード9と係合するのに適したグリッパー又は他の把持部材79を有し得る。幾つかの実施例では、グリッパー又は他の把持部材79は、上述したように支持部材57に設けられた突起部63と協働するように構成される。
【0064】
ストレージユニット73及びハンドリング部材71の作用は以下の通りである。
【0065】
図9Aでは、切断ヘッド5にはディスク型切断ブレードが装着されてなく、ストレージユニット73には五枚の新しいディスク型切断ブレード9A〜9Eが配置されている。
【0066】
図9Bでは、ディスク型切断ブレード9Aの回転軸が約90度回転され、供給路Pに沿って切断ステーション3を通るログLの供給方向とほぼ平行になるようにされている。
【0067】
図9Cにおいて、ハンドリング部材71の回転アーム77は時計方向に回転され、グリッパー79を、ディスク型切断ブレード9Aの付属物又は突起部63と協働させ、ディスク型切断ブレード9Aと溝63Sの位置で係合させる。
【0068】
図9Dにおいて、ハンドリング部材71の回転アーム77は、矢印f71に従って動かされ、切断されるべきログLの供給路Pと平行にストレージユニット73から離れ、ディスク型切断ブレード9Aをストレージユニット73から離し、それを各シートから外す。
【0069】
図9Eは、回転アーム77の(図面における)時計方向への回転を示しており、これにより、ストレージユニット73から取り出したディスク型切断ブレード9Aを切断ステーション3の中に持っていく。ディスク型切断ブレード9Aによって空にされたストレージユニット73の領域には、シート81が見える。そのシート81からディスク型切断ブレード9Aが取り出される。
【0070】
図9Fでは、回転アーム77の回転により、ディスク型切断ブレード9Aが切断ヘッド5の連結装置35と軸線方向に整列される位置に持ってこられている。
【0071】
図9Gでは、回転アーム77は、矢印f77に従って移動され、ディスク型切断ブレード9Aを切断ヘッド5の連結装置35に取り付ける。
【0072】
図9Hでは、回転アーム77は退出し始める。即ち、回転アーム77は、ディスク型切断ブレード9Aを挿入した領域から離れる方向に動き出し、切断を開始する。
【0073】
ストレージユニット73のカルーセル75は、ディスク型切断ブレード9Aを取り出すことを可能にするために予め取られた角度位置で固定されたままである。
【0074】
研磨動作の繰り返しのために、ディスク型切断ブレード9Aが摩耗して取り換えるべき時に、又は、ディスク型切断ブレード9Aを、例えば、それが壊れる等の他の理由で取り換えるべき時、回転アーム77は
図9Iに示す位置に移動される。この位置において、回転アーム77は、そのグリッパー79によって、ディスク型切断ブレード9Aと一体である突起部又は付属物63と係合する。
【0075】
図9Jにおいて、ハンドリング部材71の回転アーム77は、矢印f77に従って動かされ、ディスク型切断ブレード9Aを、切断ヘッド5に設けられた連結装置35から離す方向に、回転軸と平行な方向に動かす。
【0076】
図9Kでは、ディスク型切断ブレード9Aは、アーム77の(図面における)反時計周りの回転により、切断ステーション3を出ている。
【0077】
図9Lでは、アーム77は、摩耗したディスク型切断ブレード9Aを、予め空にされたシート81と軸線方向に整列する位置に移動させている。
図9Mでは、回転アーム77は、その回転軸と平行に動かされ、摩耗したディスク型切断ブレード9Aのシャンク51をシート81に係合させる。
【0078】
図9Nでは、回転アーム77は下側位置にあり、摩耗したディスク型切断ブレード9Aは90度回転して、その回転軸が、供給路Pに沿ったログLの供給方向に対して約90度に向けられる位置に再び戻る。
【0079】
図9Oでは、ストレージユニット73のカルーセル75が1回転の1/5回転し、新しいディスク型切断ブレード9Bを取り出し位置に移動している。この位置から、上述したサイクルが繰り返され、新しいディスク型切断ブレード9Bが作業位置に運ばれ、切断ヘッド5の連結装置35に係合されて、ログLの切断を再開する。
【0080】
図9I〜
図9Oでは、ディスク型切断ブレード9Aは、
図9A〜9Hに示したものに比べて直径が小さくなっているが、これは、研磨を繰り返した結果の摩耗により直径が小さくなった後にブレード9Aを交換するためである。
【0081】
図9I〜
図9Oのシーケンスに示したディスク型切断ブレードを新しいものへ交換する全サイクルに必要な時間は非常に短く、1〜3分のオーダーである。これが、切断装置1が停止している時間である。摩耗したディスク型切断ブレード9Aが、新しいディスク型切断ブレード9Bに交換されると、切断装置が再び切断を開始し得る。ディスク型切断ブレード9Aの交換に必要な時間は、切断装置の上流の装置を停止させる必要がないほど短い。上流にある再巻取装置によって製造される新しいログLの流れは、ここで説明する再巻取装置と切断装置1との間に配置されたストレージユニットによって一時的に保留される。
【0082】
摩耗したディスク型切断ブレードを交換するための上述したサイクルは、
図10(A)〜(J)の正面図に概略的に示されている。
図10(F)〜(J)において、ディスク型切断ブレード9の直径は摩耗により小さくなっている。
【0083】
図11は、ストレージユニット73に設けられているシート81の構造を示している。シート81には、内側孔85が設けられたブッシュ83が設けられ得る。前記内側孔85には、ディスク型切断ブレード9に固定された支持部材57のシャンク51が挿入される。シャンク51は溝51Sを備え、そこにバネ89によって径方向にバイアスされたボール87が係合し得、シャンク51を用いて、シート81にディスク型切断ブレード9を保持する可逆ロックを形成するようにしている。
【0084】
図11に示すように、ブッシュ83は、83Aの位置で、ブラケット91にヒンジ止めされ得、ブラケット91は、93Aの位置で、カルーセル75にヒンジ止めされる。制御装置(不図示)で制御されたタイロッド95は、97の位置でブラケット91にヒンジ止めされる。矢印f95に従ったタイロッド95の動きにより、両矢印f81に従って、シート81、より詳細にはブッシュ83がヒンジ93を中心として揺動し、その結果、ディスク型切断ブレード9の回転軸が90度回転して、その静止位置(
図9A及び
図11)から、回転アーム77がそれを取り出す(
図9B参照)取出位置へ動く。
【0085】
上述したように、ここで説明した種類の切断装置で使用されるディスク型切断ブレードの摩耗は、主として、ログLのウェブ材料を形成するセルロースや、通常ログが形成される筒状巻芯を形成する厚紙との相互作用によって鈍化してくるディスク型切断ブレードの切断エッジを繰り返し研磨する必要性によるものである。
【0086】
図2及び3を参照して説明したように、切断ヘッド5には、ディスク型切断ブレード9に設けられた切断エッジの二つの対向する面を研磨するための二つの研磨ユニット31、33が設けられている。研磨は、周期的に、かつ自動的に実行され、即ち、研磨は、必ずしも規則的な間隔で繰り返されるのではなく、例えば、ディスク型切断ブレード9によって実行される切断回数に応じて、及び/又は切断するべき製品の硬さに応じて繰り返される。研磨は、ギヤモータ25(
図2参照)によって制御したスライド21の動きによって、研磨ユニット31、33の研磨ホイールを、ディスク型切断ブレード9の切断エッジに向けて動かすことによって実行される。
【0087】
ディスク型切断ブレード9の切断エッジを正確に研磨するために、ツールを交換する度に、研磨ユニット31,33の研磨ホイールは、ディスク型切断ブレード9に対して正確な位置に持ってこられる。この切断ヘッド5に導入される新しいディスク型切断ブレード9の位置に対する研磨ユニットの調整は、現在は、ディスク型切断ブレード9がある領域にオペレータが装置を入れて手動で行われている。これは、オペレータにとって非常に危険であり、かつ、停止時間を長引かせる。
【0088】
説明した内容によれば、幾つかの実施例では、工具を交換するたびに研磨ユニット31,33の研磨ホイールを自動調整する機構を設けることができ、切断装置1への作業者の立ち入りの必要性をなくす。研磨ユニット31,33の自動調整に関して
図12及び13を参照して以下に説明することは、自動工具交換システム、即ち、上述したディスク型切断ブレード9を自動的に交換するシステムと組み合わせる時に特に有利である。
【0089】
しかし、この利点は、摩耗したディスク型切断ブレードの新しいディスク型切断ブレードへの交換を手動で実行する装置においても以下に説明する調整装置によって達成され得る。何れの場合も、以下に説明することに従った研磨ホイールの調整により、オペレータが切断装置1の中のディスク型切断ブレード9が位置決めされた領域に残るべき時間を減らすことが可能になり、従って、オペレータとディスク型切断ブレード9の切断エッジとの間の接触による事故の可能性を低減することができ、かつ、装置の停止時間を減らすことができる。
【0090】
以下に、研磨ユニットの二つの実施例が説明され、これは、研磨ユニット31又は研磨ユニット33を区別しないものであり得る。これら二つの研磨ユニットは、同等又は実質的に同じ方法で駆動され得る。実際、二つの研磨ユニットは、実質的に、研磨ユニットの一方が各研磨ホイールを、ディスク型切断ブレード9の切断エッジの第一面に押し当てることによって作用する一方で、他方の研磨ホイールを同じ切断エッジの対向する面に対して引き当てられることのみが異なるものであり得る。
【0091】
従って、一つの研磨ユニット31,33のみが以下に説明される。
【0092】
図12を参照すると、この実施例では、研磨ユニット31,33は、有利には、回転軸103によって支持され得る研磨ホイール101を有する。回転軸103は、好ましくは、回転軸103用の支持部材を形成するブッシュ105の中にアイドル状態で設けられる。
【0093】
符号107は、回転軸103用の支持ベアリングを示しており、Y−Yはその回転軸線を示している。
【0094】
幾つかの実施例では、ブッシュ105はスリーブ109、即ち、循環式ボールスリーブ又は、両矢印f105に従ったブッシュ105の低摩擦運動を可能にする他の部材の内部に収容されている。
【0095】
有利には、回転軸103はブッシュ105に設けられ、ブッシュ105は回転軸用支持部材を形成し、その結果、回転軸103は、ベアリング107によってブッシュ105の内部においてアイドル状態で回転し得るが、ブッシュ105に対して、軸方向、即ち、回転軸線Y-Yと平行な方向には動けない。従って、ブッシュ105、回転軸103及び研磨ホイール101は、矢印f105に沿って一体的に動く。
【0096】
幾つかの実施例では、回転軸103の支持部材を形成するブッシュ105に、ブレーキ又はロッキング部材111が関連付けされ、前記ロッキング部材111は、ブッシュ105(従って、回転軸103及び研磨ホイール101)を、外部ハウジング113に対して、軸方向にロックすることを可能にする。前記外部ハウジング113を通して、研磨ユニット31,33はスライド21に固定される。
【0097】
幾つかの実施例では、ブレーキ又はロッキング部材111は、スリーブ即ちボール再循環スリーブ109及びブッシュ105が収容され得る内部キャビティ113Aの外側でハウジング113に設けられ得る。ブッシュ105に作用して、ハウジング113に対してそれをロックするために、ブレーキ又はロッキング部材111は、その一側で、ハウジング113に拘束され、その他方側においてブッシュ105の伸張部105Aと協働する。伸張部105Aは、回転軸103の軸線Y-Yと同軸であり得、ブレーキ111を通過する。このブレーキ111には、伸張部105Aに作用するクランピング顎部(図示せず)が設けられ得る。
【0098】
伸張部105Aは中空であり得、その結果、回転軸103は、任意に、その部分103Aがブッシュ105の伸張部105Aを貫通して、研磨ホイール101の反対側の端部までのび得、そこに、回転軸103にねじれ結合されたハンドホイール115が設けられ得る。
【0099】
伸張部105Aを備えたブッシュ105は、ハウジング113と一体であるアバットメントに対して作用する一つ又は二つの弾性部材を用いて、矢印f105Xで示す方向に、又はその反対方向(矢印f105Y)に弾性的に付勢され得る。
【0100】
図12に示した実施例では、研磨ユニット31,33は、二つの弾性部材121及び123を有する。幾つかの実施例では、二つの弾性部材121及び123は、らせん圧縮バネで構成され得るか、又は、らせん圧縮バネを有し得る。別の実施例では、皿ばね又は他の弾性部材が使用され得る。
【0101】
二つの圧縮バネ又は他の弾性部材121,123は、二つの反対向きのばね力をブッシュ105に加える。この目的のために、弾性部材121は、ブッシュ105の伸張部105Aに拘束されたシート125と、ハウジングl113と一体のアバットメント127との間に収容され得る。この方法では、圧縮ばね又は他の弾性部材121は、矢印f105Yに従った押圧力を発生し、ブッシュ105をハウジング113に対してその方向に動くように押圧する。同じ実施例において、バネ121の圧縮度は、シート125の位置を変更するスクリューシステムを用いて調整され得る。
【0102】
圧縮バネ又は他の弾性部材123は、ハウジング113と一体のアバットメント129と、ハウジング105と一体のシート130との間に配置される。この方法では、バネ又は他の弾性部材123は、ハウジング113に関して矢印f105Xの方向に向けてブッシュ105に押圧力を発生する。
【0103】
二つのバネ又は他の弾性部材121,123は、ブッシュ105に作用するバネ力が、二つの対向する弾性部材121,123によって発生された二つのバネ力の合力になるように異なる力を加えることができる。
【0104】
図12を参照して上述した研磨ユニット31,33の作用を、
図2及び3を参照して、以下に説明する。
【0105】
新しいディスク型切断ブレード9を切断装置1に導入する時に、切断ヘッド5のスライド21(
図2及び
図3参照)は、引込位置、即ち、連結装置35から遠い位置に持ってこられる。この位置において、二つの研磨ユニット31,33の研磨ホイール101は、ディスク型切断ブレード9から離されており、従って、取り除いたり、交換したりすることが可能である。
【0106】
一度、シャンク51を連結装置35に挿入することによって、新しいディスク型切断ブレード9が切断ヘッド5に導入されると、スライド21は、矢印f21に従ったアプローチ動作によって、引込位置から新しいディスク型切断ブレード9に近い予定位置まで徐々に接近させられ、そこで、二つの研磨ユニット31,33の研磨ホイール101は、ディスク型切断ブレード9の切断エッジから近距離、例えば、1〜2mmに位置される。この位置から二つの研磨ホイール101は、それらが十分な圧力でディスク型切断ブレード9の切断エッジの各面に対して作用する正しい位置に動くように調節される。
【0107】
引込位置から定位置(nominal position)までの移動動作の間、研磨ホイール101の回転軸103を支持するブッシュ105は、クランピング部材、即ち、ブレーキ111の作用のために、ハウジング113に対して静止したままである。これにより、ブッシュ105の伸張部105Aはハウジング113にロックされる。
【0108】
一度、研磨ホイール101が連結装置35に挿入されたディスク型切断ブレード9の切断エッジに対して非常に近い距離にある定位置に達すると、ブレーキ111は解除される。その結果、バネシステム121,123が、ディスク型切断ブレード9の側面に対して研磨ホイール101を押す。先に説明したように、二つの研磨ユニット31,33は方向が異なり、そこで、研磨ホイールがディスク型切断ブレード9の切断エッジの側面に対してバイアスされる。概して、特に
図3から分かるように、二つの研磨ホイールは、二つの側面で働くように配置されるが、それらは、各回転軸103によって支持され、それらは両方とも、ディスク型切断ブレード9がおかれている平面に関して、同じ側に向けられる。
【0109】
従って、ディスク型切断ブレード9の切断エッジの二つの対向する面に作用するように、一方の研磨ホイール101は、ディスク型切断ブレード9の切断エッジの各側に対して矢印f105Xの方向で押圧されなければならず、同時に、他の研磨ユニットの他方の研磨ホイール101は、矢印f105Yの方向に引っ張られ、前記切断エッジの反対側に対して作用するようにされる。二つの研磨ホイール101は相互に同一であり得、かつ、二つの同一面101A、101Bを有し、両方共研磨材が設けられ、一方だけがエッジの各側に作用する。研磨ホイールは可逆的であり得、研磨ホイールの二つの面の一方が摩耗した時、研磨ホイールは他方の面を使用するように回転され得る。
【0110】
二つの方向f105X、f105Yの一方又は他方における押圧力は、バネ121,123又は他の同等の弾性部材の特性及び/又は予荷重に選択的に従って動くことで得ることができる。代わりに、二つのバネ121,123の一方だけが、各研磨ユニット31,33に設けられ得る。この場合、研磨ホイール101の面101Aを用いてディスク型切断ブレード9の切断エッジに作用する研磨ユニットに、一つの圧縮バネ121だけが設けられ、同時に、各研磨ホイール101の面101Bを用いてディスク型切断ブレード9の切断エッジに作用する研磨ユニットにはバネ123だけが設けられることになる。
【0111】
一度、スライド21が、ギヤモータ25を通して、定位置に持ってこられると、ブレーキ、即ち、ロック111が解除され、バネ121,123の合成バネ力よって、制御されたアプローチ動作で、各研磨ホイール101がディスク型切断ブレード9の切断エッジの対応する側に向かう。ブッシュ105に作用する弾性力の押圧力が、ブッシュ105に軸方向に拘束された回転軸103の同時動作を伴って、軸Y-Yの方向に従って軸方向にブッシュを動かす。バネ121,123又は他の弾性部材の力が測定され、その結果、ディスク型切断ブレード9の切断エッジの側面に各研磨ホイール101によって及ぼされる力が、研磨ホイール101の正確な動作に適合される。
【0112】
ディスク型切断ブレード9の切断エッジのフランク又は側面に対する各研磨ホイール101のアバットメントによって画定された軸方向位置が、一度、達成されると、ブレーキ111が再び作動され得、各回転軸103を、この動作段階で達した最終位置でロックする。この瞬間から、研磨ホイール101はスライド21と一緒に動き、研磨ホイール101又はブッシュ105の、回転軸103の軸Y-Yに従った軸方向の動きなしに、アイドル回転軸103によって支持されているディスク型切断ブレード9との接触によって回転駆動される。
【0113】
上述した構成により、従って、新しいディスク型切断ブレード9の動作サイクルの最初に、切断ステーション3の中でオペレータがアクセスする必要なく、研磨ホイール101の位置を実質的に自動的に調整することが可能になる。
【0114】
ハウジング113には、スライド21のネジ付きシートにねじ止めするために外ネジ113Fが設けられ得、スライド21には、ハウジング113とスライド121との間の最初の相互位置を調節するために、締め付けネジ(
図3に符号100で概略的に示されている)が設けられる。好ましくは、研磨ホイール101が新しい時、回転軸103及びブッシュ105が、ディスク型切断ブレード9に向かうより多くの動きを確保するために、研磨ホイール101のより大きなストロークを可能にする端部に向けて位置決めされる。ディスク型切断ブレード9を交換する度に、研磨ホイール101をディスク型切断ブレード9に向けて前進運動を実行するので、これが研磨ホイール101の摩耗のバランスをとる。研磨ホイール101の自動アプローチ動作の方向は、実際、弾性部材121及び123の力の結果によって与えられ、即ち、常に同じ方向に向けられる。この方法では、研磨ホイール101の前進ストロークは、研磨ホイールが交換される前は終わらない。この初期設定は必須ではなく、回転軸103及びブッシュ105のストロークに沿って、他の位置で研磨ホイール101の動作を開始することが可能であることは理解される。
【0115】
図13は、研磨ユニット31,33の別の実施例を示しており、これらは、研磨ホイール101の初期位置の自動調整を実行するために、切断ブレード105において使用され得る。同一又は同等の部材には、
図12で使用した符号と同一の符号を付す。
【0116】
この実施例では、研磨ホイール101の回転軸103は、ブッシュ105に設けられた、ねじ連結部材を用いてハウジング113に結合されるブッシュ105の内部でベアリング107によってアイドル状態で支持される。図示実施例では、この連結部材は、ねじ付きスリーブ108を介した間接連結部材であり、ねじ付きスリーブ108は、ブッシュ105の外側に設けられた雄ねじ105Fと協働する雌ねじを有する。この方法では、以下の説明から明らかなように、ブッシュ105を軸Y-Yを中心に回転させることにより、ブッシュは前記軸と平行に動く。
【0117】
ブッシュ105は、中空軸を備えた伸張部105Aを有し、該中空軸を通して、回転軸103の伸張部103Aが伸びている。回転軸103の伸張部103Aの端部は、ハンドホイール115を有し、このハンドホイール115は、以下に説明する目的のために、ハウジング113と一体のブラケット118によって設けられたセンサ116と協働し得る。
【0118】
さらに、研磨ユニット31,33は、モータ131の動きをブッシュ105の伸張部105Aに伝達するために、高速減速比を有する作動装置131、例えば、電子制御電気モータを有する。符号133は、実施例として、ブッシュ105の伸張部105A用の支持ベアリングを示しており、これらのベアリング133により、軸Y-Yを中心として伸張部105Aの回転が可能になる。
【0119】
上述したように、ブッシュ105とスリーブ108との間のネジ連結のために、作動装置131によって制御された軸Y-Yを中心としたブッシュ105の回転が、両矢印f105に従ったブッシュ105の動きをもたらし、従って、回転軸103の動きをもたらし、かつ、
図12を参照して説明した実施例のようにブッシュ105に軸方向に固定された研磨ホイール101の動きをもたらす。
【0120】
従って、研磨ホイール101を、作動装置131を用いて、その回転軸と平行に動かすことが可能である。
【0121】
ハンドホイール115と協働するセンサ116が、研磨ホイール101の回転を検知でき、従って、シャウト103,103Aの回転を検知できる。
【0122】
この構成において、研磨ユニット31,33の動作はいかの通りである。
【0123】
摩耗したディスク型切断ブレード9を交換するために、第一に、スライド21が引込位置に動かされ、研磨ホイール101を交換するべきディスク型切断ブレード9から離すようにする。作動装置131が作動され、ブッシュ105をハウジング113に関するゼロ位置に持っていく。
【0124】
一度、ディスク型切断ブレード9が新しいブレードに交換されると、ギヤモータ25が、スライド21を、従って、二つの研磨ユニット31,33を、ディスク型切断ブレード9に向かうアプローチの定位置まで移動させ得る。定位置において、研磨ホイール101は、ディスク型切断ブレード9の切断エッジ又は切断面の側面の近くにあるが、接触はしていない。この位置に達した後、作動装置131は作動され、ディスク型切断ブレード9の切断エッジの側面への各研磨ホイール101の段階的で制御されたアプローチを生じさせる。上述したように、研磨ユニット31,33の研磨ホイール101の一つが一つの表面101Aに作用し、かつ、他の研磨ホイールが表面101Bに作用し、ディスク型切断ブレード9の同じ切断エッジの二つの対向する側面に対して、二つの作動装置131が反対方向に駆動されることになり、両方の場合に、各研磨ホイール101をディスク型切断ブレード9の切断エッジの側面に向けて移動させる。
【0125】
制御されたアプローチ動作は、各研磨ホイール101がディスク型切断ブレード9の切断エッジの側面に接触すると止められる。この接触状態を検知するために、研磨ホイール101とディスク型切断ブレード9との間の接触により軸方向Y-Yにおいて、例えば、ベアリング107又は他の負荷支持部材に加えられる軸負荷を測定するロードセルを用いて操作することが可能である。他の実施例では、接触状態は、研磨ホイールとディスク型切断ブレードとの間の相互接触の結果として生じるトルク抵抗の増加に対応するアクチュエータ131によって使用される電流の増加を用いて検知され得る。
【0126】
別の実施例では、
図13に示すように、この接触状態は、研磨ホイール101がベアリング107によってアイドル状態で支持されており、それがディスク型切断ブレード9に接触した時に回転を開始し、このディスク型切断ブレード9が調整操作の間、回転状態に保持されるという事実によって検知され得る。この場合、例えば、対応する研磨ホイール101の角運動を示すハンドホイール115の角運動を検知することができるセンサ116が使用され得る。別の実施例では、各運動は、例えば、ベアリング107に組み込まれたセンサ又はベアリング107と関連付けされたセンサによって検知され得る。
【0127】
使用される検出のタイプに関係なく、
図13に示された構成により、研磨ホイール101がディスク型切断ブレード9へのアプローチの正確な位置に達した時に、矢印f105に従ったブッシュ105の運動、従って、研磨ホイール101の運動を止めることが可能になる。アクチュエータ131のブレーキ効果によって軸方向の位置が維持される。実際可能な動作モードにおいて、アクチュエータ131を使用することで、ディスク型切断ブレード9へ向かう研磨ホイール101の軸方向運動(矢印f105)及びディスク型切断ブレード9から離れる運動が可能になる。この方法では、最初に、研磨ホイール101を後方へ動かし、その後、研磨ホイール101をディスク型切断ブレード9との最初の接触が検知されるまで前方に動かすことによって、ディスク型切断ブレード9へのアプローチを実行することが可能になる。
【0128】
一度、研磨ユニット31,33が、ディスク型切断ブレード9に関して正しく位置決めされると、ディスク型切断ブレード9は公知の方法で研磨される。特に、ギヤモータ25によって、スライド21は、ディスク型切断ブレード9から離れる方向に、次いで、ディスク型切断ブレード9に向かう方向に周期的に動かされ得る。この離れる動き及び向かう動きは、研磨ユニット31,33の各介入時に、これら研磨ユニットが、数100分1ミリメートルでディスク型切断ブレード9の回転軸に向けて動かされるように制御される。これにより、アプローチ動作毎に、研磨ホイール101がディスク型切断ブレード9の切断エッジを実際に研磨して、ブレードを僅かに消耗し、それによりその直径を減らすことが確実にされる。複数の研磨サイクルの後、ディスク型切断ブレード9は交換され得る。選択的に、ディスク型切断ブレード9の直径が直接検知され、直径が最小閾値に達した時にブレードを交換するようにすることができる。
【0129】
上述した実施例において、ブレード9A〜9E用のストレージユニット73は、カルーセル75を備えている。前記カルーセル75は、切断装置の切断ヘッド5にあるブレードの回転軸に対して実質的に90°の位置にあうる軸Cを中心に回転する。そして、各ブレードは、
図9A及び9Bの実施例に示したように、ハンドリング部材71によって取り出され得る位置に持ってこられるように90°回転される。これにより、ストレージユニットの中に比較的多くのブレード9A〜)Eを持つことが可能になると共に、ブレードの直径が比較的大きいにもかかわらず、ブレード及びストレージユニットのために必要な空間を、切断装置のサイズに比べて制限したままにすることが可能になる。
【0130】
別の実施例では、ブレードストレージユニットの容積を減らすために、複数のブレードを相互に同軸に、かつ、その軸を切断装置の切断ヘッド5の回転軸と平行に、即ち、装置に装着されたブレードの回転軸と平行にして保持するように構成され得る。
図14〜16は、このタイプの実施例を示している。これらの図面は、ストレージユニットの構成及びブレードのハンドリングを理解するために必要な構成要素だけを示している。符号73で示されたストレージユニットは、一連のスペアブレード9A、9B、9D及び9E又は摩耗したブレードを支持している。
図14では、ブレード9Cが、ハンドリング部材71を用いてストレージユニットから取り出されている。ハンドリング部材71は、先の図面を参照して説明したように実質的に構成され得る。ストレージユニット73は、ブレードを保持するための一連のシート82を有し得る。シート82は、支持構造体、即ち、ブレードホルダ72によって支持され得、ブレードホルダ72は、両方向矢印f72に従って移動可能であり得、個々のシート82を、ハンドリング部材71に関する取出し位置又はロード位置に運ぶ。この目的のために、ブレードホルダ72は、固定ガイド76に摺動可能に連結され得る。ブレードホルダ72には、一連のクロスバー72が設けられ得、各クロスバー72がシート82を支持し得る。連続するクロスバー72間の距離は、ブレード9の挿入及び取出しが可能なようにされている。
【0131】
シート82及びストレージユニット71は、ストレージユニット内で支持されるブレード9A〜9Eが、整列軸L−Lに従って、実質的に、相互に同軸になるように配置される。前記整列軸L−Lは、切断装置に装着されたブレードの回転軸と実質的に平行であり得、即ち、切断するべきログの供給方向と実質的に平行であり得る。
【0132】
図14〜
図16の配列では、ストレージユニット73は、切断装置の切断ステーション3の上に配置されており、その中心線に対して動かされる。別の実施例では、ストレージユニット73は、切断されるべきログの供給軌道の側部で、切断ステーションの二つの側面の一方に配置されるか、又は中心決めされ得る。
【0133】
図14〜
図16の実施例では、切断ブレード9A〜9Eを支持するシート82は、ストレージユニットの中の収容位置から取出位置へ旋回する必要がない。しかし、ブレード9A〜9Eの隣接した同軸上の配置により、ストレージユニットのスペースは、さらに制限されたものになる。
【0134】
上述した本発明の特定の実施例は図面に示されており、かつ、様々な実施例に関する効果及び特徴が本明細書において一体的に説明されているが、上述した革新的な知識、原理及び概念、並びに添付した特許請求の範囲で説明した発明の利点を逸脱することなく、改変、変更及び省略が可能であることは当業者には理解される。従って、全ての改変、変更及び省略を理解するために、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲の最も広い解釈に基づいてのみ決められるべきである。さらにまた、方法及びプロセスのステップの順番は、変形実施例に従って変更され得る。