(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
凹状の軸受け部を有するケースと、前記軸受け部に配置される軸部を有して回動動作可能な駆動部材と、前記駆動部材によって駆動されるスイッチと、前記軸部の上部を押さえるように設けられた押さえ部を有し前記ケースに固定されるカバー部材と、を備えたスイッチ装置において、
前記カバー部材は、前記駆動部材を押圧可能に当該駆動部材と対向配置されると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成された操作部と、前記ケースに固定されると共に前記操作部と一体化された合成樹脂材料によって形成されたベース部と、を有し、
前記押さえ部は、前記ベース部に一体化されていると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成されており、前記軸部の軸線方向に沿って離間した複数個所に設けられている、
ことを特徴とするスイッチ装置。
前記駆動部材は、前記軸部の軸線方向を長手方向とした形状であり、前記操作部には、前記駆動部材の上面と対向する押圧突部が当該駆動部材の長手方向に延在して形成されており、前記押圧突部は、複数に分断されて間欠的に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスイッチ装置。
凹状の軸受け部を有するケースと、前記軸受け部に配置される軸部を有して回動動作可能な駆動部材と、前記駆動部材によって駆動されるスイッチと、前記軸部の上部を押さえるように設けられた押さえ部を有し前記ケースに固定されるカバー部材と、を備えたスイッチ装置において、
前記カバー部材は、前記駆動部材を押圧可能に当該駆動部材と対向配置されると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成された操作部と、前記ケースに固定されると共に前記操作部と一体化された合成樹脂材料によって形成されたベース部と、を有し、
前記押さえ部が前記ベース部に一体化されていると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成されており、
前記駆動部材は、前記軸部と対向する側に外方へ突出した突出部を有し、
前記操作部には、前記突出部と当接可能な当接部が設けられており、前記駆動部材が操作される前の初期状態において、前記突出部が前記当接部に接している、
ことを特徴とするスイッチ装置。
凹状の軸受け部を有するケースと、前記軸受け部に配置される軸部を有して回動動作可能な駆動部材と、前記駆動部材によって駆動されるスイッチと、前記軸部の上部を押さえるように設けられた押さえ部を有し前記ケースに固定されるカバー部材と、を備えたスイッチ装置において、
前記カバー部材は、前記駆動部材を押圧可能に当該駆動部材と対向配置されると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成された操作部と、前記ケースに固定されると共に前記操作部と一体化された合成樹脂材料によって形成されたベース部と、を有し、
前記押さえ部が前記ベース部に一体化されていると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成されており、
前記駆動部材は、前記軸部の軸線方向を長手方向とした形状であり、前記操作部には、前記駆動部材の上面と対向する押圧突部が当該駆動部材の長手方向に延在して形成されており、前記押圧突部は、複数に分断されて間欠的に設けられている、
ことを特徴とするスイッチ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、操作装置900のようなスイッチ装置では、合成樹脂材料からなるカバー913の支台904の根元部分を、肉厚の薄い薄肉部941として形成しているため、操作レバー903や操作レバー903の近傍のカバー913に強い力が作用すると、当該薄肉部941が破損するという恐れがあった。
【0007】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、操作部や操作部の近傍に強い力が作用しても、破損しにくいスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のスイッチ装置は、凹状の軸受け部を有するケースと、前記軸受け部に配置される軸部を有して回動動作可能な駆動部材と、前記駆動部材によって駆動されるスイッチと、前記軸部の上部を押さえるように設けられた押さえ部を有し前記ケースに固定されるカバー部材と、を備えたスイッチ装置において、前記カバー部材は、前記駆動部材を押圧可能に当該駆動部材と対向配置されると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成された操作部と、前記ケースに固定されると共に前記操作部と一体化された合成樹脂材料によって形成されたベース部と、を有し、前記押さえ部が前記ベース部に一体化されていると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成されて
おり、前記軸部の軸線方向に沿って離間した複数個所に設けられている、という特徴を有する。
【0009】
このように構成されたスイッチ装置は、軸部を押さえる押さえ部を弾性材料によって形成したので、押さえ部が弾性変形可能となる。そのため、当該押さえ部に強い力が加えられても破損しにくくすることができる。
また、軸部を押さえる押さえ部が複数個所に設けられているので、駆動部材の回動動作を安定したものとすることができる。
【0010】
また、上記の構成において、前記押さえ部は、前記操作部に一体に形成されている、という特徴を有する。
【0011】
このように構成されたスイッチ装置は、押さえ部が操作部と一体に形成されているので、取扱いが容易となる。また、押さえ部が脱落することがないため、駆動部材による操作不良を起こすことがない。
【0014】
また、上記の構成において、前記押さえ部の両側には、合成樹脂材料からなる規制部が隣接して設けられており、前記押さえ部が前記規制部から前記軸部側に突出していると共に、前記軸部と当接している、という特徴を有する。
【0015】
このように構成されたスイッチ装置は、押さえ部が軸部によって弾性変形した際に、その両側には合成樹脂材料からなる規制部があるので、軸部を適切に押さえることができる。
【0016】
また、上記の構成において、前記駆動部材は、前記軸線方向を長手方向とした形状であり、前記押さえ部は、前記駆動部材の前記長手方向の両端部に位置する第1押さえ部と、前記第1押さえ部の間に位置する第2押さえ部と、を有し、前記軸線方向に離間した複数個所で、前記ケースと前記ベース部とが係合されている、という特徴を有する。
【0017】
このように構成されたスイッチ装置は、ケースとベース部とが複数個所で係合されているので、駆動部材の端部が押された場合であっても、確実にスイッチを駆動することができる。
【0018】
また、上記の構成において、前記カバー部材は、前記第1押さえ部と前記第2押さえ部との間の位置に複数の係合部を有し、前記係合部によって前記ケースと前記ベース部とが係合されている、という特徴を有する。
【0019】
このように構成されたスイッチ装置は、第2押さえ部が係合部の間に位置するので、対向する軸部を確実に押さえることができ、ガタツキの発生を防止できる。
【0020】
また、上記の構成において、前記駆動部
材は、前記軸部と対向する側に外方へ突出した突出部を有し、前記操作部には、前記突出部と当接可能な当接部が設けられており、前記駆動部材が操作される前の初期状態において、前記突出部が前記当接部に接している、という特徴を有する。
【0021】
このように構成されたスイッチ装置は、駆動部材の復帰時に突出部が弾性材料からなる当接部に当たるので、当接時の音を小さくすることができる。
【0022】
また、上記の構成において、前記駆動部材は、前記軸部の軸線方向を長手方向とした形状であり、前記操作部には、前記駆動部材の上面と対向する押圧突部が当該駆動部材の長手方向に延在して形成されており、前記押圧突部は、複数に分断されて間欠的に設けられている、という特徴を有する。
【0023】
このように構成されたスイッチ装置は、押圧突部が間欠的に設けられているため、操作部を押圧操作した際に弾性材料からなる操作部の独立性が高められる。そのため、スイッチから得られるクリック感触等の感触を操作者に伝わりやすくすることができる。
【0024】
また、上記の構成において、前記操作部は、2色成形によって前記ベース部に一体化されている、という特徴を有する。
【0025】
このように構成されたスイッチ装置は、弾性材料からなる操作部を2色成形によって確実にベース部と一体化できるため、操作部が弾性変形してもベース部から外れることを防止することができる。
【0026】
また、上記の構成において、前記ケースと前記ベース部とによって環状のシール部材が挟持されている、という特徴を有する。
【0027】
このように構成されたスイッチ装置は、ベース部とケースとの間にシール部材が存在するので、ケース内の防水を図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のスイッチ装置は、軸部を押さえる押さえ部を弾性材料によって形成したので、押さえ部が弾性変形可能となる。そのため、当該押さえ部に強い力が加えられても破損しにくくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[実施形態]
以下、本発明のスイッチ装置100の実施形態について図面を参照しながら説明する。スイッチ装置100は、例えば、車両の後部ドアや各装置等に取り付けられるスイッチ装置として用いられるものである。尚、本発明のスイッチ装置の用途については、これらに限定されるものではなく適宜変更が可能である。また、本明細書では、特に断りの無い限り、各図面のX1側を右側、X2側を左側、Y1側を後ろ側、Y2側を手前側、Z1側を上側、Z2側を下側として説明する。
【0031】
最初に、
図1乃至
図4を参照して、スイッチ装置100の全体構成について説明する。
図1は、スイッチ装置100を構成する各部材を示す分解斜視図であり、
図2は、スイッチ装置100の外観を示した斜視図である。また、
図3(a)は、スイッチ装置100の平面図であり、
図3(b)は、スイッチ装置100の正面図である。
図4は、ケース30の構造及びその内側の構造を示す斜視図である。
【0032】
図1に示すように、スイッチ装置100は、操作部15とベース部11とから成るカバー部材10と、駆動部材20と、シール部材7と、スイッチ5と、基板35と、接続端子37と、ケース30と、を備えて構成されている。
【0033】
スイッチ装置100は、
図2、
図3(a)、
図3(b)に示すように、ケース30の上側にカバー部材10が取り付けられた、左右方向に長い略直方体形状をしている。
【0034】
カバー部材10は、ベース部11と操作部15とが一体に成形されて構成されている。ベース部11は、略直方体形状をしており、その上部に操作部15が位置している。操作部15は、
図3(b)に示すように、その前後方向における中央部が上方向に突出するように形成されている。尚、カバー部材10の、ベース部11と操作部15とが一体に成形されている構造については、後に、詳細に説明する。
【0035】
ケース30も、
図4に示すように、略直方体形状をしており、合成樹脂材料によって形成されている。ケース30の形状は、カバー部材10のベース部11の形状より小さく形成されている。前述したカバー部材10は、ケース30に固定される。尚、ケース30の前後左右方向の外形を形成している四方の壁の上端には、
図1に示す溝部30eが設けられている。この溝部30eは環状に形成されている。
【0036】
カバー部材10のベース部11は、
図2に示すように、貫通孔からなる複数の係合部11bを有しており、また、ケース30は、
図4に示すように、複数の取付け凸部30bを有している。カバー部材10とケース30とは、
図2に示すように、係合部11bと取付け凸部30bとによって係合されている。即ち、後述する軸部21の軸線方向L1に離間した複数個所で、ケース30とベース部11とが係合されている。
【0037】
また、ベース部11には、
図2及び
図3(b)に示すように、機器取付け腕部11aが、ベース部11の右側及び左側に設けられている。機器取付け腕部11aは、スイッチ装置100を例えば車両内における装置へ取り付ける際に、ケース30が容易に取り付けられると共に、確実に固定されるように、バネ性を有している。
【0038】
図3(b)及び
図4に示すように、ケース30の内側には、基板35が取り付けられている。基板35には、スイッチ5及び2本の接続端子37が取り付けられている。スイッチ5にはスイッチ機構が内蔵されていて、カバー部材10の押圧操作によって、基板35上に形成されている一対の導電パターンからなるスイッチ回路(図示せず)のオンオフの切り換えが行なえるように構成されている。
【0039】
ケース30の下側には、プラグ部30cが設けられており、プラグ部30c内では、基板35に取り付けられている2本の接続端子37が基板35から下方に突き出している。プラグ部30cは、スイッチ装置100が取り付けられる車両内の装置において、基板35上のスイッチ回路が2本の接続端子37を介して、当該車両内の装置に設けられている回路に接続される。
【0040】
ケース30の前後左右方向の外形を形成している四方の壁の上端には、前述したように溝部30eが形成されており、
図4に示すように、ケース30の外形より小さく形成された環状のシール部材7が当該溝部30e内に取り付けられる。また、前述したベース部11の下側面の周囲は、ケース30の前後左右方向の外形を形成している四方の壁の上端面に対向している。従って、ケース30とカバー部材10とが組み合わされる際に、当該シール部材7は、その上下の面がベース部11の下側面とケース30の四方の壁の上端面(溝部30eの内底面)との間に挟持される。
【0041】
次に、
図4乃至
図9を参照して、駆動部材20及びカバー部材10それぞれの構造、駆動部材20とカバー部材10とが組み合わされた状態の構造、及びカバー部材10とケース30との取付け構造について説明する。
【0042】
図5は、駆動部材20の右手前側上方向から見た斜視図であり、
図6(a)は、カバー部材10を構成する操作部15の右手前側下方向から見た斜視図であり、
図6(b)は、カバー部材10を構成するベース部11の右手前側上方向から見た斜視図である。また、
図7は、操作部15とベース部11とが一体に成形されたカバー部材10を左手前側下方向から見た斜視図であり、
図8(a)は、カバー部材10における第1押さえ部13aの拡大斜視図であり、
図8(b)は、第2押さえ部13bの拡大斜視図である。更に、
図9(a)は、駆動部材20とカバー部材10とが組み合わされた状態の右手前側下方向から見た斜視図であり、
図9(b)は、駆動部材20とカバー部材10とが組み合わされた状態の右後ろ側下方向から見た斜視図である。尚、
図9(a)及び
図9(b)において、駆動部材20及びカバー部材10を形成する操作部15の構造を見易くするため、カバー部材10を形成するベース部11が透明であると仮定して、ベース部11を2点鎖線で表示している。
【0043】
駆動部材20は、
図5に示すように、軸線方向L1を長手方向とした長尺形状をしており、駆動部材本体25と、軸部21と、突出部23とを有し、合成樹脂材料によって形成されている。駆動部材20は、軸部21を中心とした回動動作可能に構成されている。
【0044】
駆動部材20の駆動部材本体25は、平面視で略長方形形状をしている。軸部21は、軸線方向L1を長手方向とした円筒状をしており、駆動部材本体25の後ろ側(Y1側)の辺に沿って設けられている。また、突出部23は、軸線方向L1を長手方向とした略角柱状をしていると共に、駆動部材本体25の手前側(Y2側)の辺に沿って設けられており、軸部21と対向する側に外方へ突出している。
【0045】
前述したケース30は、
図4に示すように、軸線方向L1に沿って離間した複数個所(本実施形態では3箇所)に設けられた凹状の軸受け部30aを有しており、この軸受け部30aには、前述した駆動部材20の軸部21が配置される。
【0046】
カバー部材10は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、弾性変形可能な弾性材料によって形成された操作部15と、ケース30に固定されると共に操作部15と一体化された合成樹脂材料によって形成されたベース部11と、を有して形成される。
図6(a)及び
図6(b)では理解し易いように、操作部15とベース部11とを分けて表示したが、実際には、
図7に示すように、操作部15とベース部11とは、カバー部材10として一体に形成されている。
【0047】
即ち、弾性材料によって形成された操作部15が、合成樹脂材料によって形成されたベース部11に、2色成形によって一体化される。2色成形の際には、最初に合成樹脂材料であるベース部11が成形され、その後に弾性材料である操作部15が一体成形される。
【0048】
カバー部材10の操作部15には、
図6(a)に示すように、駆動部材20の上面と対向する押圧突部15bが、駆動部材20の長手方向(X1−X2方向)に延在して形成されていると共に、複数に分断されて間欠的に設けられている。尚、押圧突部15bは、操作部15の、前後方向における中央の位置よりも後ろ側(Y1側)の位置にずらして設けられている。
【0049】
更に、操作部15には、
図6(a)に示すように、操作部15の前後方向における中央の位置よりも手前側(Y2側)に、前述した駆動部材20の突出部23と当接可能な複数の当接部15aが設けられている。複数の当接部15aは、押圧突部15bと同様に、操作部15の長手方向に間欠的に形成されている。
【0050】
カバー部材10は、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、前述した駆動部材20を押圧可能に当該駆動部材20と対向配置される。駆動部材20の中央部には押圧部27が設けられており、スイッチ装置100が押圧操作された際に、押圧部27が、
図4に示したスイッチ5を押圧することになる。
【0051】
合成樹脂材料によって形成されたベース部11は、
図6(b)に示すように、筐体部11eと鍔部11dとによって形成されている。筐体部11eは、平面視で軸線方向L1に長辺を有する略長方形形状に形成されている。鍔部11dは、筐体部11eの上側に設けられており、筐体部11eの上端の前後方向及び左右方向に張り出して形成されていると共に、3段に亘って形成されている。
【0052】
ベース部11における3段に設けられた鍔部11dの後ろ側(Y1側)の最も内側の段には、複数の凹部11c及び複数の凹部11fが形成されており、鍔部11dの手前側(Y2側)の最も内側の段にも、複数の凹部11gが形成されている。また、前述した機器取付け腕部11aは、筐体部11eの2つの短辺側に設けられており、複数の係合部11bは、筐体部11eの2つの長辺側に設けられている。
【0053】
図7に示すように、鍔部11dの最も外側の段は、ベース部11と操作部15とが2色成形によって一体化された状態において、操作部15の外形部より外側に張り出している。また、鍔部11dの最も内側の段は、ベース部11と操作部15とが一体化された状態において、操作部15の内側方向に張り出している。そして、
図6(b)に示した鍔部11dの中央の段に、操作部15の四方向における最も外側の部分が位置する。即ち、ベース部11と操作部15とが2色成形される際には、鍔部11dの中央の部分に操作部15が載置された状態で一体成形される。
【0054】
操作部15には、
図6(a)に示すように、駆動部材20の軸部21の上部を押さえるように設けられた押さえ部13が形成されている。押さえ部13は、ベース部11に一体化されていると共に、弾性変形可能な弾性材料によって形成されている。また、押さえ部13は、弾性変形可能な弾性材料によって形成されている操作部15に一体に形成される。押さえ部13は、操作部15の下面から下方向に突出して設けられている。
【0055】
押さえ部13は、
図6(a)及び
図7に示すように、駆動部材20の長手方向の両端部の側に位置する第1押さえ部13aと、2つの第1押さえ部13aの間に位置する第2押さえ部13bと、を有している。即ち、押さえ部13は、駆動部材20の軸部21の軸線方向L1に沿って離間した複数個所に設けられている。従って、押さえ部13が、
図9(b)に示すように、軸線方向L1に沿って延在する駆動部材20の軸部21を複数個所で押さえることになる。尚、第2押さえ部13bは、第1押さえ部13aよりも、左右方向に幅広に形成されている。
【0056】
図6(b)に示すように、ベース部11の鍔部11dの内側方向に張り出している段には、前述したように、複数(3箇所)の凹部11cが形成されている。3箇所ある凹部11cは、
図6(a)に示す第1押さえ部13a及び第2押さえ部13bに対応して設けられている。
【0057】
3箇所の凹部11cは、ベース部11の鍔部11dに形成された後ろ側の壁と左側の壁と右側の壁とで形成される。凹部11cを形成している左側及び右側の壁は、第1押さえ部13a及び第2押さえ部13bそれぞれを規制する規制部14となる。
【0058】
言い換えれば、
図7、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、押さえ部13である第1押さえ部13a及び第2押さえ部13bそれぞれの両側には、合成樹脂材料からなる規制部14が隣接して設けられている。従って、操作部15と同じく弾性変形可能な弾性材料によって形成されている押さえ部13が、合成樹脂材料からなる規制部14によって両側(左右方向)から支持される。
【0059】
規制部14は、カバー部材10がケース30に取り付けられた際に、押さえ部13が弾性変形し過ぎて、駆動部材20の軸部21を押さえつける機能が損なわれないように、押さえ部13の必要以上の変形を規制するものである。
【0060】
スイッチ装置100が組み立てられた状態では、第1押さえ部13aと第2押さえ部13bとからなる押さえ部13は、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、規制部14近傍にあるベース部11のZ2側の面から駆動部材20の軸部21側に突出していると共に、
図9(b)に示すように、軸部21と複数の個所で当接する。このとき、押さえ部13が弾性変形した状態となっているため、押さえ部13は、それぞれの個所で軸部21と弾接しており、軸受け部30aに配置された軸部21のガタツキを抑制している。
【0061】
カバー部材10の操作部15は、
図6(a)に示すように、操作部15のY1側の第1押さえ部13aと第2押さえ部13bとの間の位置、及び操作部15の手前側(Y2側)の最も左側及び最も右側の2箇所に凸部17を有している。また、前述したように、ベース部11の、
図6(b)に示す鍔部11dの後ろ側(Y1側)にある最も内側の段に、凹部11fが2箇所形成されており、鍔部11dの手前側(Y2側)にある最も内側の段の最も左側及び最も右側の2箇所に、凹部11gが形成されている。尚、凹部11f及び凹部11gは、それぞれ規制部14近傍にあるベース部11のZ2側の面から駆動部材20側に突出していない。
【0062】
当該凹部11f及び凹部11gは、操作部15とベース部11とが2色成形で形成される際に、操作部15の凸部17と係合する。凹部11f及び凹部11gと凸部17との係合によって、操作部15とベース部11との密着性を高めている。
【0063】
前述した駆動部材20の突出部23は、
図9(a)に示すように、軸部21と対向する側において、外方へ突出して形成されている。また、前述したように、操作部15には、駆動部材20の突出部23と当接可能な当接部15aが設けられており、スイッチ装置100が組み立てられた状態では、駆動部材20の突出部23が操作部15の当接部15aに接している。従って、当接部15aも押さえ部13と同様に、ベース部11の鍔部11dのZ2側の面から下方(Z2側)へ突出している。
【0064】
また、
図7に示すように、カバー部材10のベース部11は、第1押さえ部13aと第2押さえ部13bとの間の位置に前述した複数の係合部11bを有し、この係合部11bと
図4で示したケース30の取付け凸部30bとによって、ケース30とベース部11とが軸線方向L1に離間した複数個所で係合される。
【0065】
次に、
図4及び
図10を参照して、スイッチ装置100全体の構造について説明する。
図10は、
図3(a)に示したA−A線に沿って切断した場合の、スイッチ装置100の構造を示す断面図である。また、
図10は、スイッチ装置100が操作される前の状態を表している。
【0066】
図10に示すように、カバー部材10を形成しているベース部11とケース30とによって、溝部30e内のシール部材7が挟持されている。シール部材7は、
図4に示したように環状に形成されているため、平面視で略長方形形状をしているケース30の外形の四方向において挟持される。
【0067】
前述したように、ケース30内に取り付けられている基板35上にはスイッチ5が載置され固定されている。また、基板35の下側には、接続端子37が下方向に取り付けられている。スイッチ5は、
図10に示すように、スイッチケース5aとラバードーム5bとスライド部5cと一対の固定接点(図示せず)とで構成されている。スイッチケース5aとスライド部5cとは、合成樹脂材料によって形成されており、ラバードーム5bは、弾性材料によって形成されている。尚、ラバードーム5bの下面には、導電材料からなる可動接点(図示せず)が形成されている。このスイッチ5は、操作部であるスライド部5cをスイッチケース5aの内方へ押圧すると可動接点が一対の固定接点を導通させるプッシュスイッチとして構成されている。
【0068】
ケース30内では、駆動部材20の軸部21が凹状の軸受け部30aに配置されている。また、スイッチ5の上側には駆動部材20が載置されており、駆動部材20の押圧部27がスイッチ5のスライド部5cに当接している。スイッチ5は、駆動部材20によって駆動される。
【0069】
カバー部材10の一部を構成している操作部15は、駆動部材20の上側に対向配置されている。操作部15の押圧突部15bは、駆動部材20の駆動部材本体25の上面に当接している。また、駆動部材20が操作される前の初期状態において、駆動部材20の突出部23が操作部15の当接部15aに接している。尚、ケース30の、突出部23の下面と対向する位置には、段差部30dが形成されている。
【0070】
カバー部材10の一部を構成している弾性材料によって形成された押さえ部13は、合成樹脂材料によって形成された駆動部材20の軸部21の上側に配置され、軸部21の上部と当接している。ここで、スイッチ装置100が組み立てられた際には、押さえ部13は軸部21と当接して弾性変形するように構成されているため、押さえ部13は常時軸部21と弾接したものとなる。
【0071】
次に、
図10及び
図11を参照して、スイッチ装置100の動作について説明する。
図11は、
図3(a)に示したA−A線に沿って切断した場合のスイッチ装置100の断面図であり、スイッチ装置100が押圧操作された後の状態を表している。尚、
図10は、スイッチ装置100への押圧操作が解除された状態を表している。
【0072】
スイッチ装置100を操作する際には、
図11に示すように、カバー部材10の操作部15の上面を押圧する。弾性材料によって形成された操作部15が押圧されると、操作部15が弾性変形し、押圧突部15bが合成樹脂材料によって形成された駆動部材20の駆動部材本体25の上面を押圧する。
【0073】
これに伴って、駆動部材20の軸部21が回動(
図11においては左回転)し、押圧部27がスイッチ5の合成樹脂材料によって形成されたスライド部5cの上面を押圧する。そして、スライド部5cが弾性材料によって形成されたラバードーム5bを押圧し、そのため、ラバードーム5bが上下方向に圧縮されるように弾性変形する。その結果、可動接点が固定接点と接触してスイッチ5が駆動する。尚、ラバードーム5bの変形に伴ってクリック感触が発生し、スイッチ装置100を操作した操作者はこのクリック感触を感じることができる。
【0074】
この時、駆動部材20の軸部21の上部は、ケース30の軸受け部30a内で押さえ部13によって付勢された状態で押さえられている。押さえ部13は弾性材料によって形成されているので、操作部15が押圧された際に、軸部21はガタツキなく回動する。そのため、良好な操作感触が得られ、ガタツキに伴う異音の発生も防止することができる。
【0075】
カバー部材10の操作部15が押圧操作されると、駆動部材20の突出部23の上面は、操作部15の当接部15aから離れ、その後、突出部23の下面がケース30の段差部30dの上面に当接する。突出部23がケース30の段差部30dに当接することによって、操作部15の押圧操作が規制される。
【0076】
次に、操作部15への押圧が解除されると、
図10に示すように、スイッチ5内のラバードーム5bの形状が元に戻り、軸部21が操作部15への押圧時とは逆向きに回動し、駆動部材20も元の位置に復帰する。同時に、駆動部材20の突出部23の下面がケース30の段差部30dの上面から離れ、突出部23の上面が操作部15の弾性部材からなる当接部15aに当接する。それと共に、弾性変形していた操作部15の形状も復元し、初期状態と同一の状態に戻る。
【0077】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0078】
スイッチ装置100は、軸部21を押さえる押さえ部13を弾性材料によって形成したので、押さえ部13が弾性変形可能となる。そのため、当該押さえ部13に強い力が加えられてもスイッチ装置100を破損しにくくすることができる。
【0079】
また、押さえ部13が操作部15と一体に形成されているので、取扱いが容易となる。また、押さえ部13が脱落することがないため、駆動部材20による操作不良を起こすことがない。
【0080】
また、軸部を押さえる押さえ部13が複数個所に設けられているので、駆動部材20の回動動作を安定したものとすることができる。
【0081】
また、押さえ部13が軸部21によって弾性変形した際に、その両側には合成樹脂材料からなる規制部14があるので、軸部21を適切に押さえることができる。
【0082】
また、ケース30とベース部11とが複数個所で係合されているので、駆動部材20の端部が押された場合であっても、確実にスイッチ5を駆動することができる。
【0083】
また、第2押さえ部13bが係合部11bの間に位置するので、対向する軸部21を確実に押さえることができ、ガタツキの発生を防止できる。
【0084】
また、駆動部材20の復帰時に突出部23が弾性材料からなる当接部15aに当たるので、当接時の音を小さくすることができる。
【0085】
また、押圧突部15bが間欠的に設けられているため、操作部15を押圧操作した際に、弾性材料からなる操作部15の独立性が高められる。そのため、スイッチ5から得られるクリック感触等の感触を操作者に伝わりやすくすることができる。
【0086】
また、弾性材料からなる操作部15を2色成形によって確実にベース部11と一体化できるため、操作部15が弾性変形してもベース部11から外れることを防止することができる。
【0087】
また、ベース部11とケース30との間にシール部材7が存在するので、ケース30内の防水を図ることができる。
【0088】
以上説明したように、本発明のスイッチ装置は、軸部を押さえる押さえ部を弾性材料によって形成したので、押さえ部が弾性変形可能となる。そのため、当該押さえ部に強い力が加えられても破損しにくくすることができる。
【0089】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。