特許第6634712号(P6634712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6634712
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/50 20180101AFI20200109BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20200109BHJP
【FI】
   F21S43/50
   F21W103:00
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-116617(P2015-116617)
(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公開番号】特開2017-4719(P2017-4719A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】上野 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 宣裕
(72)【発明者】
【氏名】庄司 祐介
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−071058(JP,A)
【文献】 特開2006−095746(JP,A)
【文献】 特開2013−060060(JP,A)
【文献】 実開昭63−035206(JP,U)
【文献】 特開2012−009256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ樹脂成形品から構成されているランプハウジングとランプレンズとを備え、
前記ランプハウジングは、ゲート跡が形成された底部と前記底部の周囲に立設する立壁部と前記立壁部の端部に全周に亘って設けられたフランジ部とを備え、
前記ランプハウジングの前記フランジ部には全周に亘って溶着凸部が設けられていて、
前記ランプハウジングの前記溶着凸部は、前記ランプレンズに溶着されていて、
前記ランプハウジングのうち、前記ゲート跡に最も近い前記立壁部の前記フランジ部の前記溶着凸部に対して反対側には、前記溶着凸部側に凹んだ溶融樹脂流れ制御部が、設けられている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記溶着凸部は、溶着に必要な幅を有し、
前記溶融樹脂流れ制御部の少なくとも一部は、前記溶着凸部の幅の延長線の内側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ランプハウジングとランプレンズとが相互に溶着されている車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。従来の車両用灯具は、樹脂製のハウジングと樹脂製のカバーとを備え、ハウジングに溶着基部を突設し、カバーに溶着脚部を設け、溶着基部と溶着脚部とが相互に溶着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−178301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の車両用灯具は、ハウジングに溶着基部を突設したものである。このために、従来の車両用灯具は、ハウジングの溶着基部における板厚(溶着基部と、その溶着基部に対して反対側の部位とにそれぞれ内接する円の大きさ)がハウジングの一般部における板厚よりも大きくなる。これにより、従来の車両用灯具は、ハウジングの溶着基部における溶融樹脂の流速がハウジングの一般部における溶融樹脂の流速よりも速くなる。この結果、従来の車両用灯具は、溶融樹脂の流速差による空洞(エアトラップ)がハウジングに形成される場合がある。この空洞が形成されると、この空洞中の空気が溶融樹脂の圧力により圧縮され、その圧縮された空気の温度が上昇して、空洞の周辺の樹脂が焼けて、ハウジングの見栄えが損なわれる場合がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、空洞によるハウジングの見栄えが損なわれることが無い車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、それぞれ樹脂成形品から構成されているランプハウジングとランプレンズとを備え、ランプハウジングは、ゲート跡が形成された底部と底部の周囲に立設する立壁部と立壁部の端部に全周に亘って設けられたフランジ部とを備え、ランプハウジングのフランジ部には全周に亘って溶着凸部が設けられていて、ランプハウジングの溶着凸部は、ランプレンズに溶着されていて、ランプハウジングのうち、ゲート跡に最も近い立壁部のフランジ部の溶着凸部に対して反対側には、溶着凸部側に凹んだ溶融樹脂流れ制御部が、設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
この発明は、溶着凸部が、溶着に必要な幅を有し、溶融樹脂流れ制御部の少なくとも一部は、溶着凸部の幅の延長線の内側に位置する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用灯具は、溶融樹脂流れ制御部により、溶融樹脂流れ制御部および溶着凸部にそれぞれ内接する円(図4(A)中の円C1を参照)を、従来の車両用灯具における溶着基部と、その溶着基部に対して反対側の部位とにそれぞれ内接する円、すなわち、溶融樹脂流れ制御部を設けなかった場合の円(図4(B)中の円C2を参照)よりも小さくすることができる。このために、この発明の車両用灯具は、溶着凸部における溶融樹脂の流速を、従来の車両用灯具の溶着基部における溶融樹脂の流速、すなわち、溶融樹脂流れ制御部を設けなかった場合の溶着凸部における溶融樹脂の流速よりも遅くすることができる。これにより、この発明の車両用灯具は、溶着凸部における溶融樹脂の流速とランプハウジングの一般部における溶融樹脂の流速との差を小さくもしくは無くすことができる。この結果、この発明の車両用灯具は、溶融樹脂の流速差による空洞(エアトラップ)がランプハウジングに形成されるのを防ぐことができ、空洞によるランプハウジングの見栄えが損なわれることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示す正面図、背面図である。
図2図2は、ランプハウジングの成形時における溶融樹脂の流れを示す断面説明図である。
図3図3は、ランプハウジングの成形時における溶融樹脂の流れを示す背面説明図である。
図4図4は、ランプハウジングの溶着凸部を示す一部拡大断面図(図1(B)におけるIV−IV線断面図)である。
図5図5は、ランプハウジングの溶着凸部を示す一部拡大断面図(図1(B)におけるV−V線断面図)である。
図6図6は、ランプレンズを除いたランプハウジングを示す正面図である。
図7図7は、ランプハウジングの溶融樹脂流れ制御部の変形例を示す一部拡大断面図(図4(A)に対応する断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1(A)は、車両用灯具の正面図である。図1(B)は、車両用灯具の背面図である。図2(A)は、図1(B)におけるIIA−IIA線断面図である。図2(B)は、図1(B)におけるIIB−IIB線断面図である。図2(C)は、この発明を実施しなかった場合の断面図(図2(B)に対応する断面図)である。図4(A)は、図1(B)におけるIV−IV線断面図である。図4(B)は、この発明を実施しなかった場合の断面図(図4(A)に対応する断面図)である。図2図4図5図7において、ランプハウジングのハッチングを省略する。図2において、ランプレンズのハッチングを省略する。
【0011】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態における車両用灯具の構成について説明する。図中、符号1は、この実施形態にかかる車両用灯具である。
【0012】
(車両用灯具1の説明)
前記車両用灯具1は、リアコンビネーションランプを構成し、車両(図示せず)の後部の左右両側にそれぞれ装備される。前記車両用灯具1は、図1に示すように、ランプハウジング2と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)3と、第1光源41および第2光源42と、を備えるものである。
【0013】
前記ランプハウジング2と前記ランプレンズ3とは、たとえば、赤外線レーザー溶着機など(図示せず)のレーザー溶着により溶着されている。これにより、灯室5が区画されている。前記灯室5内には、前記第1光源41および前記第2光源42が配置されている。なお、前記灯室5内には、前記第1光源41および前記第2光源42以外に、図示していないたとえばインナーレンズ、インナーパネル(インナーハウジング)、導光部材(ライトガイド、導光体)などが配置されている場合がある。また、前記ランプハウジング2と前記ランプレンズ3とは、前記のレーザー溶着以外の超音波溶着や熱板溶着などにより溶着されている場合がある。
【0014】
(ランプハウジング2の説明)
前記ランプハウジング2は、たとえば、光不透過性の部材(不透明な熱可塑性樹脂部材など)から構成されている。すなわち、前記ランプハウジング2は、成形金型(図示せず)のゲートから溶融樹脂を成形金型のキャビティに射出することにより成形されている。なお、図2中の実線矢印は、溶融樹脂のキャビティ中の流れを示している。
【0015】
ここで、溶融樹脂は、ゲートを中心として放射状に充填される。たとえば、前記ランプハウジング2が平板の2次元形状の場合においては、図3に示すように、溶融樹脂がゲートを中心に同心円状に2次元形状のキャビティに充填される。なお、この実施形態においては、前記ランプハウジング2が凹凸のある3次元形状をなすものである。このために、溶融樹脂は、ゲートを中心として3次元形状のキャビティに放射状に充填される。
【0016】
前記ランプハウジング2は、主に正面側の部分(車両の後側の部分)20が開口し、その他の部分21、22、23が閉塞した中空形状をなす。この結果、前記ランプハウジング2は、開口部20と、閉塞部21、22、23と、を有する。前記閉塞部は、前記開口部20と対向する底部21、22と、前記底部21、22の周囲に立設する立壁部23と、から構成されている。
【0017】
前記底部は、前記開口部20からの深さが浅い第1底部21と、前記開口部20からの深さが深い第2底部22と、からなる。前記第1底部21には、前記ランプハウジング2の射出成型時のゲート跡Gが形成されている。前記ゲート跡Gは、形状や機能により、ダイレクトゲートやサイドゲートなどの種々の形式がある。また、前記ゲート跡Gは、この例では、1個であるが、前記ランプハウジング2の形状により、複数個配置される場合もある。
【0018】
前記第1底部21には、前記第1光源41を取り付けるための第1取付孔24が設けられている。前記第1取付孔24には、前記第1光源41が取り付けられている。前記第2底部22には、前記第2光源42を取り付けるための第2取付孔25が設けられている。前記第2取付孔25には、前記第2光源42が取り付けられている。
【0019】
前記立壁部23の前記開口部20側の端部には、フランジ部26が前記開口部20の全周に亘って一体に設けられている。前記フランジ部26の正面側(前記底部21、22に対して反対側)の面のほぼ中央には、溶着凸部27が前記開口部20の全周に亘って正面側に一体に突設されている。
【0020】
前記溶着凸部27は、前記ランプレンズ3の溶着凸部30と相互に溶着されるのに必要最低限の幅(板厚)Wを有する。なお、前記ランプハウジング2の一般部すなわち前記閉塞部21、22、23(前記第1底部21、前記第2底部22、前記立壁部23)および前記フランジ部26の板厚は、この例では、約2mmである。
【0021】
前記溶着凸部27の前記フランジ部26の正面側の面からの高さは、前記ランプハウジング2の前記溶着凸部27と前記ランプレンズ3の前記溶着凸部30とを相互に溶着した際に発生する突出物が前記フランジ部26の正面側の面に当たらない程度の高さおよび距離を有する。
【0022】
前記ランプハウジング2のうち前記溶着凸部27に対して反対側(すなわち、前記フランジ部26の背面側の面)には、前記溶着凸部27側(すなわち、正面側)に凹んだ三角溝状の溶融樹脂流れ制御部6(以下、単に「溝部6」と称する)が、設けられている。前記溝部6は、前記溶着凸部27の前記幅Wの2本の延長線Lの内側に位置する。
【0023】
前記溝部6には、リブ7が設けられている。前記リブ7は、前記溝部6を設けることによる前記フランジ部26の強度低下を補強するものである。前記リブ7は、図5の実線にて示すように前記溝部6を埋めるように設けても良いし、または、図5中の二点鎖線にて示すように前記ランプハウジング2あるいは前記フランジ部26に設けるリブと兼用しても良い。
【0024】
(ランプレンズ3の説明)
前記ランプレンズ3は、たとえば、光透過性の部材(透明な熱可塑性樹脂部材など)から構成されている。前記ランプレンズ3は、前記ランプハウジング2と同様に射出成型されている。前記ランプレンズ3は、前記ランプハウジング2の前記開口部20および前記フランジ部26を覆う大きさを有する。前記ランプレンズ3の正面(前記灯室5と反対側の面であって、外面)の意匠面は、車両の後部の意匠面に沿う。
【0025】
前記ランプレンズ3の背面(前記灯室5側の面であって、内面)には、前記溶着凸部30が前記ランプハウジング2の前記溶着凸部27に対応して一体に設けられている。前記溶着凸部30の幅(板厚)は、前記ランプハウジング2の前記溶着凸部27の前記幅Wと同等である。
【0026】
前記溶着凸部30の端面と前記ランプハウジング2の前記溶着凸部27の端面とは、レーザー溶着や超音波溶着や熱板溶着などにより溶着されている。
【0027】
(第1光源41、第2光源42の説明)
前記第1光源41は、たとえば、LED、OELまたはOLEDなどの自発光半導体型光源である。前記第1光源41は、この例では、テール・ストップランプの光源である。前記第2光源42は、たとえば、バルブ型光源である。前記第2光源42は、この例では、ターンランプの光源である。
【0028】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0029】
第1光源41を点灯発光させる。すると、第1光源41から放射された光(図示せず)は、ランプレンズ3を透過して外部にテール・ストップランプ機能の配光パターン(図示せず)で照射される。
【0030】
第2光源42を点灯発光させる。すると、第2光源42から放射された光(図示せず)は、ランプレンズ3を透過して外部にターンランプ機能の配光パターン(図示せず)で照射される。
【0031】
ランプハウジング2の溶着凸部27の端面とランプレンズ3の溶着凸部30の端面とは、相互に溶着されているので、灯室5内は、気密もしくは水密に保たれている。
【0032】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0033】
この実施形態における車両用灯具1は、ランプハウジング2のうち溶着凸部27に対して反対側には溶着凸部27側に凹んだ溝部(溶融樹脂流れ制御部)6が設けられているものである。この結果、この実施形態における車両用灯具1は、溝部6により、溶融樹脂の流速差による空洞(エアトラップ)Bがランプハウジング2に形成されるのを防ぐことができ、空洞Bによるランプハウジング2の見栄えが損なわれることが無い。
【0034】
以下、この実施形態における車両用灯具1のランプハウジング2と従来の車両用灯具(この発明を実施しなかった場合(溝部6を設けなかった場合)の車両用灯具)のランプハウジング200とについて説明する。すなわち、この実施形態における車両用灯具1は、溝部6により、溝部6および溶着凸部27にそれぞれ内接する円(図4(A)中の円C1を参照)を、従来の車両用灯具における溶着凸部27と、その溶着凸部27に対して反対側の部位とにそれぞれ内接する円(図4(B)中の円C2を参照)よりも小さくすることができる。なお、この実施形態における車両用灯具1の円C1の直径は、この例では、約2.97mmである。これに対して、従来の車両用灯具の円C2の直径は、この例では、約3.22mmである。
【0035】
このために、この実施形態における車両用灯具1は、溶着凸部27における溶融樹脂の流速を、従来の車両用灯具の溶着凸部27における溶融樹脂の流速よりも遅くすることができる。これにより、この実施形態における車両用灯具1は、溶着凸部27における溶融樹脂の流速とランプハウジング2の一般部すなわち閉塞部21、22、23(第1底部21、第2底部22、立壁部23)およびフランジ部26における溶融樹脂の流速との差を小さくもしくは無くすことができる。この結果、この実施形態における車両用灯具1は、溶融樹脂の流速差による空洞Bがランプハウジング2に形成されるのを防ぐことができ、空洞Bによるランプハウジング2の見栄えが損なわれることが無い。
【0036】
さらに、従来の車両用灯具において空洞Bが形成されることについて説明する。すなわち、従来の車両用灯具においては、ランプハウジング200の溶着凸部27における板厚(約3.22mm)がランプハウジング2の一般部すなわち閉塞部21、22、23(第1底部21、第2底部22、立壁部23)およびフランジ部26における板厚(約2mm)よりも大きくなる。これにより、従来の車両用灯具においては、ランプハウジング200の溶着凸部27における溶融樹脂の流速がランプハウジング200の一般部における溶融樹脂の流速よりも速くなる。この結果、従来の車両用灯具においては、溶融樹脂の流速差による空洞Bがランプハウジング200に形成される場合がある。すなわち、図2(C)に示すように、ランプハウジング200の一般部から流速が遅い溶融樹脂が第1底部21、立壁部23、第2底部22に充填される間において、溶着凸部27から流速が速い溶融樹脂が立壁部23および第2底部22に充填される。このために、ランプハウジング200の第2底部22において空洞Bが形成される。
【0037】
ここで、空洞Bが形成されると、この空洞B中の空気が溶融樹脂の圧力により圧縮され、その圧縮された空気の温度が上昇して、空洞Bの周辺の樹脂が焼けて、ランプハウジング200の見栄えが損なわれる場合がある。これに対して、この実施形態における車両用灯具1は、溶融樹脂の流速差による空洞Bがランプハウジング2に形成されるのを防ぐことができ、空洞Bによるランプハウジング2の見栄えが損なわれることが無い。
【0038】
この実施形態における車両用灯具1は、溝部6が溶着凸部27の幅Wの2本の延長線Lの内側に位置するものである。このために、この実施形態における車両用灯具1は、溝部6および溶着凸部27にそれぞれ内接する円(図4(A)中の円C1を参照)を確実に小さくすることができる。これにより、この実施形態における車両用灯具1は、溶融樹脂の流速差による空洞Bがランプハウジング2に形成されるのを確実に防ぐことができ、空洞Bによるランプハウジング2の見栄えが損なわれることが無い。
【0039】
(実施形態以外の例の説明)
なお、この実施形態においては、リアコンビネーションランプについて説明するものである。ところが、この発明においては、リアコンビネーションランプ以外の車両用灯具、たとえば、フロントコンビネーションランプ、単独のランプ、室内灯などに使用しても良い。
【0040】
また、この実施形態においては、溝部6が溶着凸部27の幅Wの2本の延長線Lの内側に位置するものである。ところが、この発明においては、図7に示すように、溝部60、61、62の一部が溶着凸部27の幅Wの2本の延長線Lの内側に位置するものであっても良い。
【0041】
さらに、この実施形態においては、溶着凸部27をランプハウジング2のフランジ部26に設けるものである。ところが、この発明においては、溶着凸部27をランプハウジング2のフランジ部26以外の箇所に設けても良い。たとえば、凹部の底壁部などに設けても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用灯具
2、200 ランプハウジング
20 開口部
21 第1底部
22 第2底部
23 立壁部
24 第1取付孔
25 第2取付孔
26 フランジ部
27 溶着凸部
3 ランプレンズ
30 溶着凸部
41 第1光源
42 第2光源
5 灯室
6、60、61、62 溝部(溶融樹脂流れ制御部)
7 リブ
B 空洞
C1、C2 円
G ゲート跡
L 延長線
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7