特許第6634715号(P6634715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6634715電力変換装置、コンピュータプログラム及び電力変換方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6634715
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】電力変換装置、コンピュータプログラム及び電力変換方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20200109BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20200109BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20200109BHJP
【FI】
   H02J3/32
   H02J7/00 P
   H02J7/00 A
   B60L53/00
【請求項の数】12
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2015-122234(P2015-122234)
(22)【出願日】2015年6月17日
(65)【公開番号】特開2017-11798(P2017-11798A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直樹
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−147538(JP,A)
【文献】 特開平05−182675(JP,A)
【文献】 特開平04−222425(JP,A)
【文献】 特開2013−150428(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/132874(WO,A1)
【文献】 特開2012−257365(JP,A)
【文献】 特開平11−032441(JP,A)
【文献】 特開平05−038069(JP,A)
【文献】 特開2012−060835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/32
B60L 53/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を直流に変換してバッテリを充電する充電運転及び直流を交流に変換して負荷へ給電する給電運転の少なくとも一方を行う電力変換装置において、
予め時間長が定められたデマンド単位時間内の開始時点で所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が前記デマンド単位時間内の時点で目標充電量又は目標給電量に達した場合、前記時点で充電又は給電を停止すべく制御する制御部を備え、
該制御部は、
前記デマンド単位時間ごとに充電又は給電を繰り返すべく制御し、
さらに、前記負荷の消費電力を取得する消費電力取得部を備え、
前記制御部は、
任意のデマンド単位時間内で前記消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、該デマンド単位時間での給電開始時点を調整すべく制御することを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記制御部は、
任意のデマンド単位時間内で充電量又は給電量が前記目標充電量又は目標給電量に達しない場合、該デマンド単位時間の次のデマンド単位時間内まで充電又は給電を継続することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記制御部は、
任意のデマンド単位時間内で前記消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、該デマンド単位時間での充電期間を調整すべく制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記負荷へ給電する給電量及び前記目標給電量に基づいて前記デマンド単位時間当たりの給電時間を算出する給電時間算出部を備え、
前記制御部は、
任意のデマンド単位時間内で給電の開始時点から前記給電時間が経過した時点で給電を停止すべく制御することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記バッテリの充電所要量及び充電終了時点を取得する充電取得部と、
該充電取得部で取得した充電所要量及び充電終了時点に基づいて、前記目標充電量を算出する目標充電量算出部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記目標充電量算出部は、
前記デマンド単位時間ごとに、目標充電量を算出することを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
所定箇所の温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御部は、
充電運転又は給電運転中に前記温度検出部で検出した温度が上限値以上になった場合、充電又は給電を停止すべく制御し、
充電運転又は給電運転の停止中に前記温度検出部で検出した温度が下限値以下になった場合、充電又は給電を再開すべく制御することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記制御部は、
契約電力を決定する単位時間帯を区切る時刻又は該時刻より所定時間前の時刻を前記デマンド単位時間の開始時点とすることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記制御部は、
契約電力を決定する単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯を区切る時刻又は該時刻より所定時間前の時刻を前記デマンド単位時間の開始時点とすることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記バッテリを搭載した車両との接続の有無を判定する判定部を備え、
前記制御部は、
前記判定部で車両の接続ありと判定した後に前記デマンド単位時間で充電又は給電を繰り返すべく制御することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
コンピュータに、交流を直流に変換してバッテリを充電する充電運転及び直流を交流に変換して負荷へ給電する給電運転の少なくとも一方を行う電力変換装置を制御させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
予め時間長が定められたデマンド単位時間内の開始時点で所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が前記デマンド単位時間内の時点で目標充電量又は目標給電量に達した場合、前記時点で充電又は給電を停止すべく制御する制御部として機能させ、
該制御部は、
前記デマンド単位時間ごとに充電又は給電を繰り返すべく制御し、
さらに、コンピュータを、
前記負荷の消費電力を取得する消費電力取得部として機能させ、
前記制御部は、
任意のデマンド単位時間内で前記消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、該デマンド単位時間での給電開始時点を調整すべく制御することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
交流を直流に変換してバッテリを充電する充電運転及び直流を交流に変換して負荷へ給電する給電運転の少なくとも一方を行う電力変換装置による電力変換方法において、
予め時間長が定められたデマンド単位時間内の開始時点で所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が前記デマンド単位時間内の時点で目標充電量又は目標給電量に達した場合、前記時点で充電又は給電を停止すべく制御部が制御するステップを含み、
該制御部は、
前記デマンド単位時間ごとに充電又は給電を繰り返すべく制御し、
さらに、前記負荷の消費電力を取得するステップを含み、
前記制御部は、
任意のデマンド単位時間内で取得した消費電力の多少に応じて、該デマンド単位時間での給電開始時点を調整すべく制御することを特徴とする電力変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方に電力を変換する電力変換装置、該電力変換装置を制御するためのコンピュータプログラム及び電力変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護又は限られた資源の有効利用という観点から、ガソリンを使用する自動車に代わって、外部から充電した電気を動力源としてモータにより走行する電気自動車(EV:Electric Vehicle)への期待が高まっている。電気自動車を充電する設備の一例として、電力変換装置が注目されている。
【0003】
また、一般的に、契約電力は、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうちで最も大きな値とされ、契約電力が増加すれば電気料金も増加する。ここで、最大需要電力は、使用した電力を30分(デマンド単位時間ともいう)毎に計量し、計量した電力のうち月間で最も大きな値である。そこで、電気自動車を使用していないときに、電気自動車に蓄えられた電力を利用すれば、契約電力の増加を抑制することができる。そこで、デマンド単位時間当たりの目標給電量を定めておき、バッテリに蓄えられた電力を電力変換装置で交流に変換し、目標給電量に相当する電力を、電力系統に接続された負荷へ供給することにより、使用する電力を低減することができる。
【0004】
このように、電力系統からの交流を直流に変換して電気自動車に供給する充電運転を行うとともに、直流を交流に変換して、電力系統に接続された負荷へ変換した電力を供給する給電運転を行う電力変換装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−3796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図33は従来の電力変換装置による給電運転の一例を示す説明図である。図33において、横軸は時間を表し、D0、D1、D2、D3、D4…は、デマンド単位時間D(例えば、30分)を区切る時刻であり、例えば、毎時の00分又は30分である。縦軸は電力変換装置が出力する交流の電力を示す。図33は電力変換装置が、EV(電気自動車)を接続した時点から連続して出力電力Pxを出力している状態を示す。デマンド単位時間D当たりの目標給電量をWHとすると、WH=D×Px という式が成り立つので、出力電力Px=WH/Dとなる。この場合、出力電力Pxは、定格電力よりも小さい。
【0007】
図34は電力変換装置の効率の一例を示す説明図である。図34において、横軸は、給電運転時の出力電力又は充電運転時の入力電力を示し、縦軸は、電力変換装置の効率を示す。図34に示すように、出力電力又は入力電力が定格又は定格を含む所定範囲内にある場合、効率が最もよくなる。出力電力又は入力電力が小さくなるに応じて効率は低下する。すなわち、図34から分かるように、図33に示すような給電運転を行う場合、出力電力Pxが定格電力よりも小さいため、効率の悪い状態で電力変換装置を使用することになるという問題がある。
【0008】
また、図33に示すように、時刻D0とD1との間で、EV(電気自動車)を接続した場合、時刻D0とD1との間で供給することができる給電量WH′は、目標給電量WHよりも少なくなる。
【0009】
図35は負荷の消費電力量の時間的推移の一例を示す説明図である。図35において、横軸は時間を示し、デマンド単位時間(30分)毎に区切られている。縦軸は負荷の消費電力量を示し、棒グラフの高さは負荷の消費電力量を表す。棒グラフのうち模様のない部分は、系統(電力系統)から供給される電力量、すなわち系統に対する需要電力を示し、模様のある部分は電力変換装置から供給される電力量、すなわち目標給電量を表す。図33に示すように、デマンド単位時間D(図35の例では、10:30から11:00の間)の途中でEVを接続した場合、当該デマンド単位時間Dでは目標電力量を供給することができない。
【0010】
図36は従来の電力変換装置による充電運転の一例を示す説明図である。図36において、横軸は時間を表し、D0、D1、D2、D3、D4…は、デマンド単位時間D(例えば、30分)を区切る時刻であり、例えば、各時の00分又は30分である。縦軸は電力変換装置の入力電力Pyを示す。短時間の間に充電を終了させようとすると、使用する電力、すなわち最大需要電力を増加させることになるため、従来では、図36に示すように、電気自動車を充電する場合には、充電終了時刻に充電が終了するように可能な範囲での最大限の出力の充電量で充電するため、電力変換装置の入力電力Pyは、定格電力よりも小さくなり、給電運転の場合と同様に効率の悪い状態で電力変換装置を使用することになるという問題がある。また、充電終了時刻まで電気自動車が接続されたままの状態となるので、電力変換装置と電気自動車とのインタフェースに関わる回路等での消費電力が多くなる。
【0011】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、高効率の運転が可能な電力変換装置、該電力変換装置を制御するためのコンピュータプログラム及び電力変換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る電力変換装置は、交流を直流に変換してバッテリを充電する充電運転及び直流を交流に変換して負荷へ給電する給電運転の少なくとも一方を行う電力変換装置において、所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が所定周期当たりの目標充電量又は目標給電量に達した場合、充電又は給電を停止すべく制御する制御部を備え、該制御部は、前記所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、交流を直流に変換してバッテリを充電する充電運転及び直流を交流に変換して負荷へ給電する給電運転の少なくとも一方を行う電力変換装置を制御させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が所定周期当たりの目標充電量又は目標給電量に達した場合、充電又は給電を停止すべく制御する制御部として機能させ、該制御部は、前記所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電力変換方法は、交流を直流に変換してバッテリを充電する充電運転及び直流を交流に変換して負荷へ給電する給電運転の少なくとも一方を行う電力変換装置による電力変換方法において、所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が所定周期当たりの目標充電量又は目標給電量に達した場合、充電又は給電を停止すべく制御部が制御するステップを含み、該制御部は、前記所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、制御部は、所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が所定周期当たりの目標充電量又は目標給電量に達した場合、充電又は給電を停止すべく制御する。そして、制御部は、所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御する。所定の電力は、定格電力又は定格電力を含む所定範囲内の電力である。なお、電力制御装置を効率良く運転するため、運転に伴う発熱対策に要する電力等を考慮した抑制した出力電力とすることも可能である。所定周期は、例えば、デマンド単位時間又はデマンド単位時間に相当する時間であり、例えば、30分である。
【0016】
すなわち、制御部は、デマンド単位時間内に目標充電量又は目標給電量に達するように所定の電力で充電又は給電を行うので、高効率での運転が可能となる。また、デマンド単位時間内の途中で目標充電量に達した場合、当該デマンド単位時間の残余時間では充電を停止するので、電力変換装置と電気自動車との接続を切ることができ、インタフェースに関わる回路等での消費電力を低減することができる。
【0017】
また、デマンド単位時間内の途中で電気自動車が電力変換装置に接続された場合でも、制御部は、所定の電力(従来の電力変換装置の運転時の電力よりも大きい)で充電又は給電を開始するので、当該デマンド単位時間内で目標充電量又は目標給電量に達する可能性が高くなる。また、デマンド単位時間の途中で電気自動車が電力変換装置から切り離された場合でも、制御部は、所定の電力(従来の電力変換装置の運転時の電力よりも大きい)で充電を開始するので、電気自動車のバッテリの充電量を少しでも多くすることができる。
【0018】
本発明に係る電力変換装置は、前記制御部は、任意の所定周期内で充電量又は給電量が前記目標充電量又は目標給電量に達しない場合、該所定周期の次の所定周期まで充電又は給電を継続することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、制御部は、任意の所定周期内で充電量又は給電量が目標充電量又は目標給電量に達しない場合、所定周期の次の所定周期まで充電又は給電を継続する。すなわち、制御部は、デマンド単位時間内で目標充電量又は目標給電量に達しない場合には、当該デマンド単位時間の途中で充電又は給電を停止することなく当該デマンド単位時間が終了するまで充電又は給電を継続する。これにより、デマンド単位時間内の途中で電気自動車が電力変換装置に接続された場合でも、当該デマンド単位時間内で目標充電量又は目標給電量に達する可能性を高くすることができる。
【0020】
本発明に係る電力変換装置は、前記負荷の消費電力を取得する消費電力取得部を備え、前記制御部は、任意の所定周期内で前記消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、該所定周期での給電開始時点を調整すべく制御することを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、消費電力取得部は、負荷の消費電力を取得する。負荷の消費電力の取得は、デマンド単位時間(所定周期)毎に取得することができ、例えば、デマンド単位時間の開始時点から消費電力を取得し、当該デマンド単位時間の終了時点でリセットすることができる。制御部は、任意の所定周期内で消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、当該所定周期での給電開始時点を調整すべく制御する。消費電力の多少は、例えば、任意のデマンド単位時間の開始時点以降の消費電力の累積値でもよく、あるいは任意のデマンド単位時間の開始時点以降の消費電力の時間的変化(増減の度合)でもよい。
【0022】
例えば、制御部は、デマンド単位時間での消費電力量が契約電力量を超える場合、当該デマンド単位時間内で目標給電量を給電できるように給電開始時点を調整する。また、制御部は、デマンド単位時間での消費電力量が少ない場合、当該デマンド単位時間での給電をしない、すなわち、給電開始時点を次のデマンド単位時間以降にずらすことができる。また、制御部は、デマンド単位時間の途中で急に消費電力量が増加し、契約電力量を超える可能性がある場合、当該デマンド単位時間の途中(少なくとも消費電力量が契約電力量に等しくなる時点)で給電を開始する。これにより、電力需要を計測しながら電力需要が低い時間帯での給電を行わないようにすることができ、電気自動車のバッテリの電力を無駄にすることを防止することができる。
【0023】
本発明に係る電力変換装置は、前記制御部は、任意の所定周期内で前記消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、該所定周期での充電期間を調整すべく制御することを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、制御部は、任意の所定周期内で消費電力取得部が取得した消費電力の多少に応じて、当該所定周期での充電期間を調整すべく制御する。例えば、制御部は、デマンド単位時間での消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を超えるペースで増加している場合、充電を停止する。また、制御部は、デマンド単位時間の途中で消費電力が減少し、消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を下回るペースになった場合、充電を再開することもできる。これにより、電力需要を計測しながら電力需要が高い時間帯での充電を行わないようにすることができ、契約電力が増加することを未然に防止することができる。
【0025】
本発明に係る電力変換装置は、前記負荷へ給電する給電量及び前記目標給電量に基づいて前記所定周期当たりの給電時間を算出する給電時間算出部を備え、前記制御部は、任意の所定周期内で給電の開始時点から前記給電時間が経過した時点で給電を停止すべく制御することを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、給電時間算出部は、負荷へ給電する給電量及び目標給電量に基づいて所定周期当たりの給電時間を算出する。負荷へ給電する給電量は、電力変換装置の出力電力(電力量)である。出力電力をPout、目標給電量をWHとすると、デマンド単位時間(所定周期)当たりの給電時間Tは、T=WH/Pout で算出することができる。制御部は、任意の所定周期内で給電の開始時点から給電時間が経過した時点又は目標給電量に達した時点で給電を停止すべく制御する。これにより、最も効率の高い出力で給電しつつ、デマンド単位時間内で目標給電量を供給することができる。
【0027】
本発明に係る電力変換装置は、前記バッテリの充電所要量及び充電終了時点を取得する充電取得部と、該充電取得部で取得した充電所要量及び充電終了時点に基づいて、前記目標充電量を算出する目標充電量算出部とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、充電取得部は、バッテリの充電所要量及び充電終了時点を取得する。バッテリの充電所要量は、例えば、運転終了までの充電量(kWh)であり、電気自動車の電池総容量(kWh)×充電終了容量(%)−電気自動車の電池残存容量(kWh)で算出することができる。なお、バッテリの充電所要量は、電気自動車側から受信して取得することができる。電池総容量が送信されない車両の場合は、車両のカタログ値を制御部のメモリに記録しておくことで代用できる。充電終了時点は事前に電力変換装置に設定されたパラメータから得ることができる。目標充電量算出部は、取得した充電所要量及び充電終了時点に基づいて、目標充電量を算出する。目標充電量は、充電所要量(運転終了までの充電量)/(充電終了時点までに経過するデマンド単位時間の数−1)で算出することができる。ただし、充電終了時点までに経過するデマンド単位時間の数が1の場合は、目標充電量は、運転終了までの充電量とする。これにより、デマンド単位時間での目標充電量を求めることができる。
【0029】
本発明に係る電力変換装置は、前記目標充電量算出部は、前記所定周期の都度、目標充電量を算出することを特徴とする。
【0030】
本発明にあっては、目標充電量算出部は、所定周期の都度、目標充電量を算出する。例えば、目標充電量算出部は、デマンド単位時間の開始時、あるいは電気自動車が電力変換装置に接続された時点に目標充電量を算出する。これにより、デマンド単位時間が経過する都度、バッテリの充電状態が変化する場合でも、デマンド単位時間の開始時点でのバッテリの状況に応じて正確な目標充電量を算出することができる。
【0031】
本発明に係る電力変換装置は、所定箇所の温度を検出する温度検出部を備え、前記制御部は、充電運転又は給電運転中に前記温度検出部で検出した温度が上限値以上になった場合、充電又は給電を停止すべく制御し、充電運転又は給電運転の停止中に前記温度検出部で検出した温度が下限値以下になった場合、充電又は給電を再開すべく制御することを特徴とする。
【0032】
本発明にあっては、温度検出部は、所定箇所の温度を検出する。温度検出部は、例えば、温度センサを用いることができる。所定箇所は、例えば、充電運転又は給電運転時に比較的高温となる電気部品又は電子部品、あるいは当該電気部品又は電子部品の周囲とすることができる。制御部は、充電運転又は給電運転中に温度検出部で検出した温度が上限値以上になった場合、充電又は給電を停止すべく制御し、充電運転又は給電運転の停止中に温度検出部で検出した温度が下限値以下になった場合、充電又は給電を再開すべく制御する。上限値は、例えば、ファンを作動させて冷却を行う必要がある温度とすることができる。これにより、常時ファンを作動させることなく間欠的に作動させることができ、ファンの消費電力を抑制することができ、充電運転又は給電運転時の電力消費を低減することができる。
【0033】
本発明に係る電力変換装置は、前記制御部は、契約電力を決定する単位時間帯を区切る時刻又は該時刻より所定時間前の時刻を前記所定周期の開始時点とすることを特徴とする。
【0034】
制御部は、契約電力を決定する単位時間帯を区切る時刻又は当該時刻より所定時間前の時刻を所定周期の開始時点とする。契約電力を決定する単位時間帯は、例えば、デマンド単位時間帯である。単位時間帯を区切る時刻は、毎時の00分又は30分である。すなわち、制御部は、毎時の00分、及び30分を所定周期の開始時点とする。また、制御部は、毎時の00分よりも所定時間前の時刻、及び毎時の30分よりも所定時間前の時刻を所定周期の開始時点とすることもできる。これにより、契約電力を決定する時間帯毎に充電又は給電を制御することができる。
【0035】
本発明に係る電力変換装置は、前記制御部は、契約電力を決定する単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯を区切る時刻又は該時刻より所定時間前の時刻を前記所定周期の開始時点とすることを特徴とする。
【0036】
制御部は、契約電力を決定する単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯を区切る時刻又は当該時刻より所定時間前の時刻を所定周期の開始時点とする。単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯とは、連続する単位時間帯を2つ纏めた時間帯である。契約電力を決定する単位時間帯を区切る時刻を毎時00分とすると、所定周期の開始時点は、毎時00分となる。あるいは、所定周期の開始時点を毎時00分よりも所定時間前の時刻とすることもできる。これにより、充電又は給電運転する場合に運転の開始と停止の回数を低減することができる。
【0037】
本発明に係る電力変換装置は、前記バッテリを搭載した車両との接続の有無を判定する判定部を備え、前記制御部は、前記判定部で車両の接続ありと判定した後に前記所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御することを特徴とする。
【0038】
判定部は、バッテリを搭載した車両との接続の有無を判定する。例えば、判定部は、充電コネクタを車両(電気自動車)に接続したか否かを判定する。制御部は、判定部で車両の接続ありと判定した後に所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御する。これにより、時計に代えてタイマを具備すればよく、構成を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、高効率の運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本実施の形態の電力変換装置の構成の一例を示すブロックである。
図2】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第1実施例を示す説明図である。
図3】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図5】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第2実施例を示す説明図である。
図6】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第3実施例を示す説明図である。
図7】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第4実施例を示す説明図である。
図8】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第4実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図9】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第4実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図10】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第5実施例を示す説明図である。
図11】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図12】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図13】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第6実施例を示す説明図である。
図14】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第6実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図15】本実施の形態の電力変換装置による給電運転の第6実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図16】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第1実施例を示す説明図である。
図17】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図18】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図19】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第2実施例を示す説明図である。
図20】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第2実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図21】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第2実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図22】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第2実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図23】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第3実施例を示す説明図である。
図24】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第3実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図25】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第3実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図26】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第4実施例を示す説明図である。
図27】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第4実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図28】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第4実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図29】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第5実施例を示す説明図である。
図30】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図31】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図32】本実施の形態の電力変換装置による充電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。
図33】従来の電力変換装置による給電運転の一例を示す説明図である。
図34】電力変換装置の効率の一例を示す説明図である。
図35】負荷の消費電力量の時間的推移の一例を示す説明図である。
図36】従来の電力変換装置による充電運転の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の電力変換装置100の構成の一例を示すブロックである。図1中、符号1は電力系統を示し、例えば、交流100V又は200Vの商用電源を含む。電力系統1の電力は、分電盤200を介して、各負荷301、302、303(例えば、動力、照明など)へ供給される。分電盤200は、主幹ブレーカ201、電力をそれぞれの負荷へ分岐させるための分岐ブレーカ203、204、205を備える。また、分電盤200は、電力を電力変換装置100へ分岐させるための分岐ブレーカ202を備える。これにより、電力系統1からの電力は、電力変換装置100へ供給される。なお、電力系統の数、負荷の数、分電盤の数は、図1の例に限定されるものではない。
【0042】
電力変換装置100は、交直変換回路10、制御部(CPU)20、インタフェース部31、時計32、操作部33、通信部34、ファン35、温度検出部36などを備える。また、制御部20は、給電時間算出部21、目標充電量算出部22、判定部23などを備える。
【0043】
電力変換装置100は、交直変換回路10の電力系統1側にリレー11を介装してあり、交直変換回路10の電気自動車50(EV:Electric Vehicle)側にリレー12を介装してある。電気自動車50は、バッテリ52を搭載してあり、電力変換装置100と電気自動車50とは、充電コネクタ51により接続することができる。
【0044】
交直変換回路10は、直流を交流に変換するとともに、交流を直流に変換する双方向インバータを備える。なお、インバータの他に、必要に応じて、変圧器、DC/DCコンバータなどを具備してもよい。また、交直変換回路10は、直流を交流に変換するとともに、交流を直流に変換することができる回路であれば、どのような構成であってもよい。
【0045】
電力変換装置100は、電力系統1からの交流を交直変換回路10で直流に変換し、変換して得られた電力を電気自動車50へ出力することにより、バッテリ52を充電する充電運転を行う。また、電力変換装置100は、電気自動車50に搭載されたバッテリ52からの直流を交直変換回路10で交流に変換し、変換して得られた電力を負荷301、302、303へ給電する給電運転を行う。なお、電力変換装置100が給電運転を行う場合、電気自動車50のバッテリ52の電力を交流に変換して給電する構成だけでなく、例えば、太陽電池などの直流電源からの電力を交流に変換して給電する構成とすることもできる。
【0046】
電力変換装置100は、充電運転又は給電運転を開始する場合、制御部20の制御により、リレー11、12を閉とし、充電運転又は給電運転を停止する場合、リレー11、12を開とする。
【0047】
分電盤200の主幹ブレーカ201の近傍の電力線には、電力計210を接続してあり、負荷301、302、303で消費される電力を計測することができる。また、電力変換装置100のリレー11の近傍の電力線には、電力計211を接続してある。電力計211は、電力変換装置100を給電運転する際には、出力電力を計測し、電力変換装置100を充電運転する際には、入力電力を計測することができる。電力計210、211で計測された電力は、インタフェース部31へ出力される。
【0048】
インタフェース部31は、消費電力取得部としての機能を有し、負荷301、302、303の消費電力を取得する。
【0049】
制御部20は、交直変換回路10を制御して、所定の電力で充電又は給電を開始し、充電量又は給電量が所定周期当たりの目標充電量又は目標給電量に達した場合、充電又は給電を停止すべく制御する。そして、制御部20は、所定周期で充電又は給電を繰り返すべく制御する。所定の電力は、定格電力又は定格電力を含む所定範囲内の電力である。例えば、電力変換装置100を給電運転する際には、定格の出力電力とすることができ、電力変換装置100を充電運転する際には、定格の入力電力とすることができる。定格は、定格値を含む所定の範囲を含めることができる。なお、電力制御装置を効率良く運転するため、運転に伴う発熱対策に要する電力等を考慮した抑制した出力電力とすることも可能である。また、所定周期は、例えば、デマンド単位時間又はデマンド単位時間に相当する時間であり、例えば、30分である。
【0050】
通信部34は、電気自動車50との間で、電力線通信又は他の通信手段により、情報の送受信を行うことができる。例えば、通信部34は、充電取得部としての機能を有し、バッテリ52の充電所要量、充電終了時点などを取得することができる。
【0051】
操作部33は、操作パネル、表示パネル等を備え、操作部33を操作することにより、電力変換装置100の運転操作を行うことができる。
【0052】
ファン35は、電力変換装置100を収容する筐体(不図示)内を冷却する。
【0053】
温度検出部36は、所定箇所の温度を検出する。温度検出部36は、例えば、温度センサを用いることができる。所定箇所は、例えば、充電運転又は給電運転時に比較的高温となる電気部品又は電子部品、あるいは当該電気部品又は電子部品の周囲とすることができる。
【0054】
給電時間算出部21は、負荷へ給電する給電量及び目標給電量に基づいて所定周期当たりの給電時間を算出する。負荷へ給電する給電量は、電力変換装置100の出力電力(電力量)である。出力電力をPout、目標給電量をWHとすると、デマンド単位時間(所定周期)当たりの給電時間Tは、T=WH/Pout で算出することができる。
【0055】
目標充電量算出部22は、通信部34を介して取得したバッテリ52の充電所要量及び電力変換装置100で設定された充電終了時点に基づいて目標充電量を算出する。バッテリ52の充電所要量は、例えば、運転終了までの充電量(kWh)であり、電気自動車50の電池総容量(kWh)×充電終了容量(%)−電気自動車の電池残存容量(kWh)で算出することができる。なお、バッテリ52の充電所要量は、電気自動車50側から受信して取得することができる。電池総容量が送信されない車両の場合は、車両のカタログ値を制御部20のメモリに記録しておくことで代用できる。充電終了時点は事前に電力変換装置100に設定されたパラメータから得ることができる。目標充電量は、バッテリ52の充電所要量(運転終了までの充電量)/(充電終了時点までに経過するデマンド単位時間の数−1)で算出することができる。ただし、充電終了時点までに経過するデマンド単位時間の数が1の場合は、目標充電量は、運転終了までの充電量とする。これにより、デマンド単位時間での目標充電量を求めることができる。
【0056】
また、目標充電量算出部22は、所定周期の都度、目標充電量を算出する。例えば、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間の開始時、あるいは電気自動車50が電力変換装置100に接続された時点に目標充電量を算出する。これにより、デマンド単位時間が経過する都度、バッテリ52の充電状態が変化する場合でも、デマンド単位時間の開始時点でのバッテリ52の状況に応じて正確な目標充電量を算出することができる。
【0057】
判定部23は、バッテリ52を搭載した車両との接続の有無を判定する。例えば、判定部23は、充電コネクタ51を電気自動車50に接続したか否かを判定する。
【0058】
次に、本実施の形態の電力変換装置100の動作について説明する。まず、給電運転について説明する。
【0059】
図2は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第1実施例を示す説明図である。図2において、横軸は時間を表し、D0、D1、D2、D3、D4…は、所定周期の一例に相当するデマンド単位時間D(例えば、30分)を区切る時刻であり、例えば、毎時の00分又は30分である。縦軸は電力変換装置100が出力する電力を示す。
【0060】
また、デマンド単位時間当たりの目標給電量WHは、予め設定されているとする。目標給電量WHは、例えば、負荷301、302、303での消費電力が大きくなる時間帯において、30分単位に使用される電力量が、例えば、契約電力量を超えないように、電力系統1と連携して、電力変換装置100がデマンド単位時間当たりに負荷301、302、303へ供給する電力として設定することができる。目標給電量WHは、例えば、操作部33から設定し、制御部20が不図示のメモリに記憶することができる。
【0061】
図2に示すように、時刻D0とD1との間の途中でEV(電気自動車50)が接続された場合、EVとの接続時に最も効率の良い出力Poutで給電を開始し、デマンド単位時間(D0〜D1)中に目標給電量WHに達した場合、給電を停止する。この場合、デマンド単位時間内での給電時間Tは、T=WH/Pout という式により算出することができる。なお、目標給電量WHに達する前にD1となった場合(次のデマンド単位時間(D1〜D2)が開始した場合)、給電を停止することなく継続することができる。
【0062】
また、時刻D1の開始時に、出力Poutで給電を開始し、デマンド単位時間(D0〜D1)中に目標給電量WHに達した場合、給電を停止する。この場合も、デマンド単位時間内での給電時間Tは、T=WH/Poutとなる。以降、同様の動作を繰り返す。
【0063】
なお、EVのバッテリ52の充電容量が放電下限電池残容量に達した場合、電力変換装置100で設定した給電終了容量に達した場合、あるいは給電終了時刻に到達した場合、制御部20は、給電を停止する。放電下限電池残容量は、例えば、通信部34を介して電気自動車50から取得することができる。また、給電終了時刻は、負荷301、302、303での電力需要のピークが終了する時刻として、予め設定して記憶しておくことができる。
【0064】
図3及び図4は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。以下では、簡便のため処理の主体を制御部20として説明する。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S11)、給電運転を開始するためのスタートボタン(不図示)がオンされると(S12)、給電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S13)。給電時間Tは、T=WH/Pout という式で求めることができる。なお、給電開始時刻が予め設定されている場合には、給電開始時刻になるまで待機するようにしてもよい。また、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS12の処理は不要である。
【0065】
給電時間Tが30分以下である場合(S13でYES)、制御部20は、運転を待機する(S14)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0066】
制御部20は、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S15)、いずれの条件も充足しない場合(S15でNO)、EVが初回接続時であるか、又は次のデマンド単位時間の開始時刻であるかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S16)。
【0067】
いずれかの条件を充足する場合(S16でYES)、制御部20は、出力Poutでの給電運転を行う(S17)。いずれの条件も充足しない場合(S16でNO)、制御部20は、ステップS14以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S18)。
【0068】
いずれの条件も充足しない場合(S18でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標給電量に到達したか否かを判定し(S19)、目標給電量に到達した場合(S19でYES)、ステップS14以降の処理を続け、目標給電量に到達しない場合(S19でNO)、ステップS17以降の処理を続ける。
【0069】
ステップS15でいずれかの条件を充足する場合(S15でYES)、あるいは、ステップS18でいずれかの条件を充足する場合(S18でYES)、制御部20は、運転を停止し(S20)、充電コネクタ51が抜かれると(S21)、処理を終了する。
【0070】
給電時間Tが30分以下でない場合(S13でNO)、制御部20は、出力Poutでの定格給電運転を行う(S22)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S23)。
【0071】
いずれの条件も充足しない場合(S23でNO)、制御部20は、ステップS22の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S23でYES)、運転を停止し(S24)、充電コネクタ51が抜かれると(S25)、処理を終了する。
【0072】
上述のように、制御部20は、デマンド単位時間内に目標給電量に達するように所定の電力(例えば、効率の最も良い定格電力)で給電を行うので、高効率での運転が可能となる。また、デマンド単位時間内の途中で電気自動車50が電力変換装置100に接続された場合でも、制御部20は、所定の電力(従来の電力変換装置の運転時の電力よりも大きい)で給電を開始するので、当該デマンド単位時間内で目標給電量に達する可能性が高くなる。また、デマンド単位時間の途中で電気自動車50が電力変換装置100から切り離された場合でも、制御部20は、所定の電力(従来の電力変換装置の運転時の電力よりも大きい)で充電を開始するので、電気自動車50のバッテリ52の充電量を少しでも多くすることができる。
【0073】
また、制御部20は、任意の所定周期内で給電量が目標給電量に達しない場合、所定周期の次の所定周期まで給電を継続する。すなわち、制御部20は、デマンド単位時間内で目標給電量に達しない場合には、当該デマンド単位時間の途中で給電を停止することなく当該デマンド単位時間が終了するまで給電を継続する。これにより、デマンド単位時間内の途中で電気自動車50が電力変換装置100に接続された場合でも、当該デマンド単位時間内で目標給電量に達する可能性を高くすることができる。
【0074】
図5は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第2実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。第2実施例では、契約電力は予め付与されているものとする。契約電力は、例えば、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうちで最も大きな値とされ、契約電力が増加すれば電気料金も増加する。ここで、最大需要電力は、使用した電力を毎時0〜30分、30分〜60分の30分(デマンド単位時間ともいう)毎に計量し、計量した電力のうち月間で最も大きな値である。
【0075】
インタフェース部31は、負荷301、302、303の消費電力を取得する。負荷の消費電力の取得は、デマンド単位時間(所定周期)毎に取得することができ、例えば、デマンド単位時間の開始時点から消費電力を取得し、当該デマンド単位時間の終了時点でリセットすることができる。制御部20は、任意の所定周期内でインタフェース部31が取得した消費電力の多少に応じて、当該所定周期での給電開始時点を調整すべく制御する。消費電力の多少は、例えば、任意のデマンド単位時間の開始時点以降の消費電力の累積値でもよく、あるいは任意のデマンド単位時間の開始時点以降の消費電力の時間的変化(増減の度合)でもよい。
【0076】
例えば、図5に示すように、時刻D0とD1との間の途中でEV(電気自動車50)が接続された場合、デマンド単位時間(D0〜D1)の開始時刻D0からの消費電力量が契約電力量を超えるペースで増加していると判定した場合、時刻D1の開始時刻より給電時間Tだけ前の時点から給電を開始し、時刻D1で給電を停止する。この場合、給電時間Tは、T=WH/Pout と表すことができる。なお、EV接続時点と時刻D1との差が給電時間Tより短い場合には、給電容量は、WHよりも少なくなる。
【0077】
また、時刻D1で、取得した消費電力を一旦リセットし、時刻D1から消費電力を取得し、時刻D1からの消費電力量が契約電力量を超えるペースで増加していると判定した場合、時刻D2の開始時刻より給電時間Tだけ前の時点から給電を開始し、時刻D2で給電を停止する。
【0078】
また、時刻D2で、取得した消費電力を一旦リセットし、時刻D2から消費電力を取得し、時刻D2からの消費電力量が契約電力量を超えないと判定した場合、デマンド単位時間(D2〜D3)での給電を行わない。
【0079】
また、時刻D3で、取得した消費電力を一旦リセットし、時刻D3から消費電力を取得し、時刻D3以降、当初は消費電力量が契約電力量を下回るペースであったのが、途中で急激に変化し、契約電力量を超えるペースになると判定した場合、デマンド単位時間(D3〜D4)の途中(例えば、消費電力が契約電力に等しくなる時点又は当該時点よりもできるだけ早い時点)から(図5の例では、時刻D4よりも時間T1だけ前の時点)給電することもできる。この場合、T1<Tとなる。
【0080】
なお、EVのバッテリ52の充電容量が放電下限電池残容量に達した場合、電力変換装置100で設定した給電終了容量に達した場合、あるいは給電終了時刻に到達した場合、制御部20は、給電を停止する。
【0081】
上述のように、制御部20は、デマンド単位時間での消費電力量が契約電力量を超えるペースで増加する場合、当該デマンド単位時間内で目標給電量を給電できるように給電開始時点を調整する。また、制御部20は、デマンド単位時間での消費電力量が契約電力量を下回るペースである場合、当該デマンド単位時間での給電をしない、すなわち、給電開始時点を次のデマンド単位時間以降にずらすことができる。また、制御部20は、デマンド単位時間の途中で急に消費電力量が増加し、契約電力量を超える可能性がある場合、当該デマンド単位時間の途中(少なくとも消費電力量が契約電量に等しくなる時点)で給電を開始する。これにより、電力需要を計測しながら電力需要が低い時間帯での給電を行わないようにすることができ、電気自動車50のバッテリ52の電力を無駄にすることを防止することができる。
【0082】
図6は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第3実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。図6に示すように、時刻D0とD1との間の途中でEV(電気自動車50)が接続された場合、制御部20は、接続時点から給電時間Tの1/2である時間T/2の間、最も効率の良い出力Poutで給電を行い、時間T/2が経過した時点で給電を停止し運転待機する。また、デマンド単位時間(D0〜D1)の開始時刻D0からの消費電力量が契約電力量を超えるペースで増加していると判定した場合、時刻D1の開始時刻より時間T/2だけ前の時点から、最も効率の良い出力Poutで給電を開始する。
【0083】
デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1から時間T/2の間、最も効率の良い出力Poutで給電を行い、時間T/2が経過した時点で給電を停止し運転待機する。また、デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1からの消費電力量が契約電力量を超えるペースで増加していると判定した場合、時刻D2の開始時刻より時間T/2だけ前の時点から、最も効率の良い出力Poutで給電を開始する。
【0084】
デマンド単位時間(D2〜D3)の開始時刻D2から時間T/2の間、最も効率の良い出力Poutで給電を行い、時間T/2が経過した時点で給電を停止し運転待機する。また、デマンド単位時間(D2〜D3)の開始時刻D1からの消費電力量が契約電力量を超えないと判定した場合、給電開始時点を時刻D3まで遅らせる。
【0085】
デマンド単位時間(D3〜D4)の開始時刻D3から時間T/2の間、最も効率の良い出力Poutで給電を行い、時間T/2が経過した時点で給電を停止し運転待機する。また、時刻D3以降、当初は消費電力量が契約電力量を下回るペースであったのが、途中で急激に変化し、契約電力量を超えるペースになると判定した場合、デマンド単位時間(D3〜D4)の途中(例えば、消費電力量が契約電力量に等しくなる時点又は当該時点よりもできるだけ早い時点)から(図6の例では、時刻D4よりも時間T2だけ前の時点)給電することもできる。この場合、T2<T/2となる。
【0086】
上述のように、第3実施例では、第2実施例と同様に、電力需要を計測しながら電力需要が低い時間帯での給電を行わないようにすることができ、電気自動車50のバッテリ52の電力を無駄にすることを防止することができる。また、デマンド単位時間の開始後時間T/2の間、給電するので、デマンド単位時間の途中で電気自動車が切り離された場合でも、運転のオン/オフの頻度を変えることなく、第2実施例と比較して、途中で電気自動車と切り離された場合にデマンド単位時間中に少しでも給電できる可能性が高くなる。
【0087】
図7は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第4実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。図7に示すように、時刻D0とD1との間の途中でEV(電気自動車50)が接続された場合、制御部20は、運転を待機し、デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1より時間Tだけ前の時刻から最も効率の良い出力Poutで給電を開始し、デマンド単位時間(D0〜D1)の終了時刻(すなわち、時刻D1)まで給電を継続する。この場合、給電時間Tは、T=WH/Pout と表すことができる。WHはデマンド単位時間当たりの目標給電量である。
【0088】
制御部20は、時刻D1以降も給電運転を継続し、時刻D1から時間Tが経過した時点で給電を停止し、運転を待機する。
【0089】
次のデマンド単位時間(D2〜D3)に入っても、制御部20は、運転を待機し続け、デマンド単位時間(D3〜D4)の開始時刻D3より時間Tだけ前の時刻から最も効率の良い出力Poutで給電を開始し、デマンド単位時間(D2〜D3)の終了時刻(すなわち、時刻D3)まで給電を継続する。
【0090】
制御部20は、時刻D3以降も給電運転を継続し、時刻D3から時間Tが経過した時点で給電を停止し、運転を待機する。制御部20は、以降、同様の制御を繰り返す。
【0091】
図8及び図9は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第4実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S31)、給電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S32)、変数nに0をセットし(S33)、給電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S34)。給電時間Tは、T=WH/Pout という式で求めることができる。なお、給電開始時刻が予め設定されている場合には、給電開始時刻になるまで待機するようにしてもよい。また、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS32の処理は不要である。
【0092】
給電時間Tが30分以下である場合(S34でYES)、制御部20は、運転を待機する(S35)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0093】
制御部20は、現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分であるか否かを判定し(S36)、毎時の00分又は30分である場合(S36でYES)、変数nに1を加算し(S37)、後述のステップS38の処理を行う。毎時の00分又は30分でない場合(S36でNO)、制御部20は、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S38)。
【0094】
いずれの条件も充足しない場合(S38でNO)、制御部20は、変数nが偶数、かつ現在時刻≧{D(n+1)−T}であるという条件を充足するか否かを判定し(S39)、条件を充足しない場合(S39でNO)、ステップS35以降の処理を行う。条件を充足する場合(S39でYES)、制御部20は、出力Poutでの給電運転を行う(S40)。
【0095】
制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S41)。いずれの条件も充足しない場合(S41でNO)、制御部は、現在時刻が{D(n+1)+T}であるか否かを判定する(S42)。
【0096】
現在時刻が{D(n+1)+T}である場合(S42でYES)、制御部20は、ステップS35以降の処理を続け、現在時刻が{D(n+1)+T}でない場合(S42でNO)、ステップS40以降の処理を続ける。
【0097】
ステップS38でいずれかの条件を充足する場合(S38でYES)、あるいは、ステップS41でいずれかの条件を充足する場合(S41でYES)、制御部20は、運転を停止し(S43)、充電コネクタ51が抜かれると(S44)、処理を終了する。
【0098】
給電時間Tが30分以下でない場合(S34でNO)、制御部20は、出力Poutでの定格給電運転を行う(S45)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S46)。
【0099】
いずれの条件も充足しない場合(S46でNO)、制御部20は、ステップS45の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S46でYES)、運転を停止し(S47)、充電コネクタ51が抜かれると(S48)、処理を終了する。
【0100】
上述のように、第4実施例にあっては、制御部20は、契約電力を決定するデマンド単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯を区切る時刻(図7の例では、D1、D3)より所定時間(図7の例では、給電時間T)前の時刻を所定周期の開始時点とする。デマンド単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯とは、連続するデマンド単位時間帯を2つ纏めた時間帯である。これにより、給電運転する場合に運転の開始と停止の回数を低減することができ、例えば、リレー11、12の駆動回数を減らせるので、リレー11、12の長寿命化を図ることができる。
【0101】
図10は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第5実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。第5実施例では、制御部20は、判定部23で車両(EV)の接続ありと判定した後に所定周期で給電を繰り返すべく制御する。
【0102】
図10に示すように、デマンド単位時間(D0〜D1)の途中でEVが接続された場合、制御部20は、EVとの接続時に最も効率の良い出力Poutで給電を開始するとともに、タイマを作動させる。その後、給電量が目標給電量WHに達すると、制御部20は、給電を停止し、運転を待機する。
【0103】
EVとの接続時点から30分(所定周期)経過時点で、制御部20は、出力Poutで給電を開始するとともに、タイマを再起動させる。その後、給電量が目標給電量WHに達すると、制御部20は、給電を停止し、運転を待機する。以降、同様の制御を繰り返す。
【0104】
図11及び図12は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S51)、給電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S52)、給電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S53)。給電時間Tは、T=WH/Pout という式で求めることができる。なお、給電開始時刻が予め設定されている場合には、給電開始時刻になるまで待機するようにしてもよい。また、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS52の処理は不要である。
【0105】
給電時間Tが30分以下である場合(S53でYES)、制御部20は、運転を待機する(S54)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0106】
制御部20は、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S55)、いずれの条件も充足しない場合(S55でNO)、EVが初回接続時であるか、又は前回の運転開始時から30分経過したかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S56)。
【0107】
いずれかの条件を充足する場合(S56でYES)、制御部20は、出力Poutでの給電運転を行う(S57)。いずれの条件も充足しない場合(S56でNO)、制御部20は、ステップS54以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S58)。
【0108】
いずれの条件も充足しない場合(S58でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標給電量に到達したか否かを判定し(S59)、目標給電量に到達した場合(S59でYES)、ステップS54以降の処理を続け、目標給電量に到達しない場合(S59でNO)、ステップS57以降の処理を続ける。
【0109】
ステップS55でいずれかの条件を充足する場合(S55でYES)、あるいは、ステップS58でいずれかの条件を充足する場合(S58でYES)、制御部20は、運転を停止し(S60)、充電コネクタ51が抜かれると(S61)、処理を終了する。
【0110】
給電時間Tが30分以下でない場合(S53でNO)、制御部20は、出力Poutでの定格給電運転を行う(S62)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S63)。
【0111】
いずれの条件も充足しない場合(S63でNO)、制御部20は、ステップS62の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S63でYES)、運転を停止し(S64)、充電コネクタ51が抜かれると(S65)、処理を終了する。
【0112】
上述のように、第5実施例では、時計に代えてタイマを具備すればよく、構成を簡単にすることができる。
【0113】
図13は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第6実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。第6実施例では、制御部20は、給電運転中に温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合、給電を停止すべく制御し、給電運転の停止中に温度検出部36で検出した温度が下限値以下になった場合、給電を再開すべく制御する。上限値は、例えば、ファン35を作動させて冷却を行う必要がある温度とすることができる。
【0114】
図13に示すように、制御部20は、EVとの接続時に最も効率の良い出力Poutで給電を開始し、温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合、給電を停止し、運転を待機する。このように、比較的短い給電時間(デューティ幅ともいう)をTdで表す。温度検出部36で検出した温度が下がり、下限値以下になった場合、制御部20は、給電を再開する。以降、同様の制御を繰り返す。制御部20は、温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合に、デマンド単位時間(D0〜D1)での給電量が目標給電量WHに達しないと判定したときは、ファン35を作動させて、時刻D1まで給電を継続する。
【0115】
デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1で、温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合、給電を停止し、運転を待機する。温度検出部36で検出した温度が下がり、下限値以下になった場合、制御部20は、給電を再開する。以降、同様の制御を繰り返す。
【0116】
デマンド単位時間の途中で目標給電量WHに達した場合には、例えば、図13の符号T3、T4で示すように、当該デマンド単位時間の終了時刻まで給電を停止し、運転を待機する。ただし、デマンド単位時間の終了時刻までに給電量が目標給電量WHに達しないと判定した場合には、ファン35を作動させたまま、当該終了時刻まで給電を継続することができる。
【0117】
図14及び図15は本実施の形態の電力変換装置100による給電運転の第6実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S71)、給電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S72)、給電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S73)。給電時間Tは、T=WH/Pout という式で求めることができる。なお、給電開始時刻が予め設定されている場合には、給電開始時刻になるまで待機するようにしてもよい。また、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS72の処理は不要である。
【0118】
給電時間Tが30分以下である場合(S73でYES)、制御部20は、運転を待機する(S74)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0119】
制御部20は、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S75)、いずれの条件も充足しない場合(S75でNO)、(目標給電量未到達かつ検出温度≦下限値である)か、又は連続運転でも目標給電量未到達(丁度目標給電量に到達する場合も含む)であるのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S76)。
【0120】
いずれかの条件を充足する場合(S76でYES)、制御部20は、出力Poutでの給電運転を行う(S77)。いずれの条件も充足しない場合(S76でNO)、制御部20は、ステップS74以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S78)。
【0121】
いずれの条件も充足しない場合(S78でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標給電量に到達するか、又は(検出温度≧上限値であり、かつ連続運転で目標給電量到達見込みがある)かのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S79)。いずれかの条件を充足する場合(S79でYES)、制御部20は、ステップS74以降の処理を続け、いずれかの条件も充足しない場合(S79でNO)、ステップS77以降の処理を続ける。
【0122】
ステップS75でいずれかの条件を充足する場合(S75でYES)、あるいは、ステップS78でいずれかの条件を充足する場合(S78でYES)、制御部20は、運転を停止し(S80)、充電コネクタ51が抜かれると(S81)、処理を終了する。
【0123】
給電時間Tが30分以下でない場合(S73でNO)、制御部20は、出力Poutでの定格給電運転を行う(S82)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の放電下限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の給電終了容量に到達したか、給電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S83)。
【0124】
いずれの条件も充足しない場合(S83でNO)、制御部20は、ステップS82の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S83でYES)、運転を停止し(S84)、充電コネクタ51が抜かれると(S85)、処理を終了する。
【0125】
上述のように、第6実施例では、常時ファン35を作動させることなく間欠的に作動させることができ、ファン35の消費電力を抑制することができ、給電運転時の電力消費を低減することができる。
【0126】
次に、充電運転について説明する。
【0127】
図16は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第1実施例を示す説明図である。図16において、横軸は時間を表し、D0、D1、D2、D3、D4…は、所定周期の一例に相当するデマンド単位時間D(例えば、30分)を区切る時刻であり、例えば、毎時の00分又は30分である。縦軸は電力変換装置100が消費する電力、すなわち入力電力を示す。また、充電運転の場合、充電終了時刻teが与えられている。
【0128】
図16に示すように、デマンド単位時間(D0〜D1)の途中で、EVが接続された場合、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出する。図16の例では、EV接続時に算出された目標充電量をCW0で表す。制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始し、充電量が目標充電量CW0に達した場合、充電を停止し、運転を待機する。この場合、充電時間をTC0とすると、TC0=CW0/Pinで表すことができる。
【0129】
デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1で、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間当たりの目標充電量を再度算出する。図16の例では、時刻D1に算出された目標充電量をCW1で表す。制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始し、充電量が目標充電量CW1に達した場合、充電を停止し、運転を待機する。この場合、充電時間をTC1とすると、TC1=CW1/Pinで表すことができる。
【0130】
以降、同様に目標充電量CW2、CW3を算出し、同様の制御を繰り返す。また、EVの充電容量が充電上限電池残容量に達した場合、あるいはEVの充電容量が電力変換装置100で設定した充電終了容量に達した場合、充電を停止する。
【0131】
図17及び図18は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。以下では、簡便のため処理の主体を制御部20として説明する。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S111)、充電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S112)、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出し(S113)、充電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S114)。充電時間Tは、T=目標充電量/Pin という式で求めることができる。なお、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS112の処理は不要である。
【0132】
充電時間Tが30分以下である場合(S114でYES)、制御部20は、運転を待機する(S115)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0133】
制御部20は、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S116)、いずれの条件も充足しない場合(S116でNO)、現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分であるか否かを判定する(S117)。現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分である場合(S117でYES)、制御部20は、ステップS113以降の処理を行う。現在の時刻が、毎時の00分又は30分でない場合(S117でNO)、制御部20は、デマンド単位時間の目標充電量未到達か、又は連続運転でも充電終了容量に未到達(丁度目標充電量に到達する場合も含む)であるかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S118)。
【0134】
いずれかの条件を充足する場合(S118でYES)、制御部20は、入力Pinでの充電運転を行う(S119)。いずれの条件も充足しない場合(S118でNO)、制御部20は、ステップS115以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S120)。
【0135】
いずれの条件も充足しない場合(S120でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標充電量に到達し、かつ連続運転で充電終了容量に到達可能という条件を充足するか否かを判定し(S121)、条件を充足する場合(S121でYES)、ステップS115以降の処理を続け、条件を充足しない場合(S121でNO)、ステップS119以降の処理を続ける。
【0136】
ステップS116でいずれかの条件を充足する場合(S116でYES)、あるいは、ステップS120でいずれかの条件を充足する場合(S120でYES)、制御部20は、運転を停止し(S122)、充電コネクタ51が抜かれると(S123)、処理を終了する。
【0137】
充電時間Tが30分以下でない場合(S114でNO)、制御部20は、入力Pinでの定格充電運転を行う(S124)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S125)。
【0138】
いずれの条件も充足しない場合(S125でNO)、制御部20は、ステップS124の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S125でYES)、運転を停止し(S126)、充電コネクタ51が抜かれると(S127)、処理を終了する。
【0139】
上述のように、制御部20は、所定の電力で充電を開始し、充電量がデマンド単位時間(所定周期)当たりの目標充電量に達した場合、充電を停止すべく制御する。すなわち、制御部20は、デマンド単位時間内に目標充電量に達するように最も効率の良い入力電力で充電を行うので、高効率での運転が可能となる。また、デマンド単位時間内の途中で目標充電量に達した場合、当該デマンド単位時間の残余時間では充電を停止するので、電力変換装置100と電気自動車50との接続を切ることができ、インタフェースに関わる回路等での消費電力を低減することができる。
【0140】
また、デマンド単位時間内の途中で電気自動車50が電力変換装置100に接続された場合でも、制御部20は、所定の電力(従来の電力変換装置の運転時の電力よりも大きい)で充電を開始するので、当該デマンド単位時間内で目標充電量に達する可能性が高くなる。また、デマンド単位時間の途中で電気自動車50が電力変換装置100から切り離された場合でも、制御部20は、所定の電力(従来の電力変換装置の運転時の電力よりも大きい)で充電を開始するので、電気自動車50のバッテリ52の充電量を少しでも多くすることができる。
【0141】
また、制御部20は、任意のデマンド単位時間内で充電量が目標充電量に達しない場合、デマンド単位時間の次のデマンド単位時間まで充電を継続する。すなわち、制御部20は、デマンド単位時間内で目標充電量に達しない場合には、当該デマンド単位時間の途中で充電を停止することなく当該デマンド単位時間が終了するまで充電を継続する。これにより、デマンド単位時間内の途中で電気自動車50が電力変換装置100に接続された場合でも、当該デマンド単位時間内で目標充電量に達する可能性を高くすることができる。
【0142】
図19は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第2実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。第2実施例では、契約電力は予め付与されているものとする。制御部20は、任意の所定周期内でインタフェース部31が取得した消費電力の多少に応じて、当該所定周期での充電期間を調整すべく制御する。例えば、制御部20は、デマンド単位時間での消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を超えるペースで増加している場合、充電を停止する。また、制御部20は、デマンド単位時間の途中で消費電力が減少し、消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を下回るペースで増加する場合、充電を再開することもできる。
【0143】
例えば、図19に示すように、デマンド単位時間(D0〜D1)の途中で、EVが接続された場合、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出する。また、デマンド単位時間(D0〜D1)の開始時刻D0から消費電力の取得を開始する。図19の例では、EV接続時に算出された目標充電量をCW0で表す。デマンド単位時間(D0〜D1)における消費電力量が、(契約電力量−目標充電量)を下回る割合で増加しているとすると、制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始し、充電量が目標充電量CW0に達した場合、充電を停止し、運転を待機する。この場合、充電時間をTC0とすると、TC0=CW0/Pinで表すことができる。
【0144】
また、デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1で、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間当たりの目標充電量を再度算出する。また、時刻D1で、制御部20は、取得した消費電力を一旦リセットし、時刻D1から消費電力を取得し、時刻D1からの消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を超えるペースで増加していると判定した場合、時刻D1から開始した充電を停止し、運転を待機する。また、デマンド単位時間(D1〜D2)の途中で、消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を下回るペースになったと判定することができる期間、制御部20は、充電を再開することができる。
【0145】
同様に、デマンド単位時間(D2〜D3)の開始時刻D2で、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間当たりの目標充電量を再度算出する。また、時刻D2で、制御部20は、取得した消費電力を一旦リセットし、時刻D2から消費電力を取得し、時刻D2からの消費電力量が(契約電力量−目標充電量)を下回るペースである場合、充電量が目標充電量CW2に達した場合、充電を停止し、運転を待機する。また、制御部20は、過去のデマンド単位時間(図19の例では、D1〜D2の時間)での充電量CW1′が、目標充電量を下回る場合、(目標充電量−充電量CW1′)の差分(不足分)の全部又は一部を補うため、充電時間を延長して、充電量ΔCWだけ余計に充電することもできる。デマンド単位時間(D3〜D4)についても同様である。
【0146】
図20図21及び図22は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第2実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S131)、充電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S132)、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出し(S133)、充電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S134)。充電時間Tは、T=目標充電量/Pin という式で求めることができる。なお、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS132の処理は不要である。
【0147】
充電時間Tが30分以下である場合(S134でYES)、制御部20は、運転を待機する(S135)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0148】
制御部20は、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S136)、いずれの条件も充足しない場合(S136でNO)、現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分であるか否かを判定する(S137)。現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分である場合(S137でYES)、制御部20は、ステップS133以降の処理を行う。現在の時刻が、毎時の00分又は30分でない場合(S137でNO)、制御部20は、(契約電力量を超えないペースで電力消費され、かつデマンド単位時間で目標充電量に未到達か)、又は連続運転でも充電終了容量に未到達(丁度目標充電量に到達する場合も含む)であるかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S138)。なお、充電終了容量を満たせない場合は契約電力量を超えても運転を行うようにしてもよい。また、事前にユーザに対して、契約電力量を超えての運転を許可するか否かを選択してもらい、ユーザが許可しない場合には、連続運転でも充電終了容量に未到達(丁度も含む)の条件をなくすことができる。
【0149】
いずれかの条件を充足する場合(S138でYES)、制御部20は、入力Pinでの充電運転を行う(S139)。いずれの条件も充足しない場合(S138でNO)、制御部20は、ステップS135以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S140)。
【0150】
いずれの条件も充足しない場合(S140でNO)、制御部20は、連続運転で充電終了容量に到達可能であるか否かを判定し(S141)、到達可能である場合(S141でYES)、契約電力量を超えるペースで電力消費されているかを判定する(S142)。契約電力量を超えるペースで電力消費されていない場合(S142でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標充電量に到達するか否かを判定し(S143)、目標充電量に到達する場合(S143でYES)、ステップS135以降の処理を続ける。連続運転で充電終了容量に到達可能でない場合(S141でNO)、あるいは、デマンド単位時間で目標充電量に到達しない場合(S143でNO)、制御部20は、ステップS139以降の処理を続ける。また、契約電力量を超えるペースで電力消費されている場合(S142でYES)、制御部20は、ステップS135以降の処理を続ける。
【0151】
ステップS136でいずれかの条件を充足する場合(S136でYES)、あるいは、ステップS140でいずれかの条件を充足する場合(S140でYES)、制御部20は、運転を停止し(S144)、充電コネクタ51が抜かれると(S145)、処理を終了する。
【0152】
充電時間Tが30分以下でない場合(S134でNO)、制御部20は、入力Pinでの定格充電運転を行う(S146)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S147)。
【0153】
いずれの条件も充足しない場合(S147でNO)、制御部20は、ステップS146の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S147でYES)、運転を停止し(S148)、充電コネクタ51が抜かれると(S149)、処理を終了する。
【0154】
上述のように、第2実施例では、電力需要を計測しながら電力需要が高い時間帯での充電を行わないようにすることができ、契約電力が増加することを未然に防止することができる。
【0155】
図23は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第3実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。図23に示すように、デマンド単位時間(D0〜D1)の途中でEVが接続された場合、目標充電量算出部22は、デマンド単位の目標充電量を算出し、制御部20は、充電時間を算出する。目標充電量をCW0、入力電力をPinとすると、充電時間TC0は、TC0=CW0/Pinで算出することができる。時刻D1よりも充電時間TC0だけ前の時点で、制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始する。
【0156】
デマンド単位時間(D1〜D2)に入っても充電を継続し、時刻D1から時間TC0だけ経過した時点で充電を停止し、運転を待機する。
【0157】
デマンド単位時間(D2〜D3)の開始時刻D2で、目標充電量算出部22は、デマンド単位の目標充電量を算出し、制御部20は、充電時間を算出する。目標充電量をCW2、入力電力をPinとすると、充電時間TC2は、TC2=CW2/Pinで算出することができる。時刻D3よりも充電時間TC2だけ前の時点で、制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始する。
【0158】
デマンド単位時間(D3〜D4)に入っても充電を継続し、時刻D3から時間TC2だけ経過した時点で充電を停止し、運転を待機する。以降、同様の制御を繰り返す。
【0159】
図24及び図25は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第3実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S151)、充電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S152)、変数nにゼロをセットし(S153)、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出し(S154)、充電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S155)。充電時間Tは、T=目標充電量/Pin という式で求めることができる。なお、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS152の処理は不要である。
【0160】
充電時間Tが30分以下である場合(S155でYES)、制御部20は、運転を待機する(S156)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0161】
制御部20は、現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分であるか否かを判定し(S157)、毎時の00分又は30分である場合(S157でYES)、変数nに1を加算し(S158)、後述のステップS159の処理を行う。毎時の00分又は30分でない場合(S157でNO)、制御部20は、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S159)、いずれの条件も充足しない場合(S159でNO)、制御部20は、(変数nが偶数、かつ現在時刻≧{D(n+1)−T}である)か、又は連続運転でも充電終了容量に未到達(丁度目標充電量に到達する場合も含む)であるかという条件を充足するか否かを判定する(S160)。
【0162】
いずれかの条件を充足する場合(S160でYES)、制御部20は、入力Pinでの充電運転を行う(S161)。いずれの条件も充足しない場合(S160でNO)、制御部20は、ステップS156以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S162)。
【0163】
いずれの条件も充足しない場合(S162でNO)、制御部20は、現在時刻が{D(n+1)+T}であり、かつ連続運転で充電終了容量に到達可能であるかという条件を充足するか否かを判定する(S163)。条件を充足する場合(S163でYES)、制御部20は、ステップS156以降の処理を続け、条件を充足しない場合(S163でNO)、ステップS161以降の処理を続ける。
【0164】
ステップS159でいずれかの条件を充足する場合(S159でYES)、あるいは、ステップS162でいずれかの条件を充足する場合(S162でYES)、制御部20は、運転を停止し(S164)、充電コネクタ51が抜かれると(S164)、処理を終了する。
【0165】
充電時間Tが30分以下でない場合(S155でNO)、制御部20は、入力Pinでの定格充電運転を行う(S166)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S167)。
【0166】
いずれの条件も充足しない場合(S167でNO)、制御部20は、ステップS166の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S167でYES)、運転を停止し(S168)、充電コネクタ51が抜かれると(S169)、処理を終了する。
【0167】
上述のように、第3実施例にあっては、制御部20は、契約電力を決定するデマンド単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯を区切る時刻(図23の例では、D1、D3)より所定時間(図23の例では、充電時間TC0、TC2)前の時刻を所定周期の開始時点とする。デマンド単位時間帯を連続して複数纏めた時間帯とは、連続するデマンド単位時間帯を2つ纏めた時間帯である。これにより、充電運転する場合に運転の開始と停止の回数を低減することができ、例えば、リレー11、12の駆動回数を減らせるので、リレー11、12の長寿命化を図ることができる。
【0168】
図26は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第4実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。図26に示すように、デマンド単位時間(D0〜D1)の途中でEVが接続された場合、目標充電量算出部22は、30分単位の目標充電量を算出し、制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始するとともに、タイマを作動させる。その後、目標充電量に達した場合、制御部20は、充電を停止し、運転を待機する。目標充電量をCW0とすると、充電時間TC0は、TC0=CW0/Pinとなる。
【0169】
EVとの接続時点から30分(所定周期)経過時点で、目標充電量算出部22は、30分単位の目標充電量を算出し、制御部20は、入力電力Pinで充電を開始するとともに、タイマを再起動させる。その後、充電量が目標充電量に達すると、制御部20は、充電を停止し、運転を待機する。目標充電量をCW1とすると、充電時間TC1は、TC1=CW1/Pinとなる。以降、同様の制御を繰り返す。
【0170】
図27及び図28は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第4実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S171)、充電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S172)、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出し(S173)、充電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S174)。充電時間Tは、T=目標充電量/Pin という式で求めることができる。なお、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS172の処理は不要である。
【0171】
充電時間Tが30分以下である場合(S174でYES)、制御部20は、運転を待機する(S175)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0172】
制御部20は、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S176)、いずれの条件も充足しない場合(S176でNO)、前回運転から30分経過したか否かを判定し(S177)、30分経過した場合(S177でYES)、ステップS173以降の処理を続ける。30分経過していない場合(S177でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標充電量に未到達であるか、又は連続運転でも充電終了容量に未到達(丁度目標充電量に到達する場合も含む)であるかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S178)。
【0173】
いずれかの条件を充足する場合(S178でYES)、制御部20は、入力Pinでの充電運転を行う(S179)。いずれの条件も充足しない場合(S178でNO)、制御部20は、ステップS175以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S180)。
【0174】
いずれの条件も充足しない場合(S180でNO)、制御部20は、デマンド単位時間で目標充電量に到達し、かつ連続運転で充電終了容量に到達可能という条件を充足するか否かを判定し(S181)、条件を充足する場合(S181でYES)、ステップS175以降の処理を続け、条件を充足しない場合(S181でNO)、ステップS179以降の処理を続ける。
【0175】
ステップS176でいずれかの条件を充足する場合(S176でYES)、あるいは、ステップS180でいずれかの条件を充足する場合(S180でYES)、制御部20は、運転を停止し(S182)、充電コネクタ51が抜かれると(S183)、処理を終了する。
【0176】
充電時間Tが30分以下でない場合(S174でNO)、制御部20は、入力Pinでの定格充電運転を行う(S184)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S185)。
【0177】
いずれの条件も充足しない場合(S185でNO)、制御部20は、ステップS184の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S185でYES)、運転を停止し(S186)、充電コネクタ51が抜かれると(S187)、処理を終了する。
【0178】
上述のように、第4実施例では、時計に代えてタイマを具備すればよく、構成を簡単にすることができる。
【0179】
図29は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第5実施例を示す説明図である。以下では、前述の実施例との相違点を説明し、同様の箇所については説明を省略する。第5実施例では、制御部20は、充電運転に温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合、充電を停止すべく制御し、充電運転の停止中に温度検出部36で検出した温度が下限値以下になった場合、充電を再開すべく制御する。上限値は、例えば、ファン35を作動させて冷却を行う必要がある温度とすることができる。
【0180】
図29に示すように、EVとの接続時に、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間の目標充電量を算出し、制御部20は、最も効率の良い入力電力Pinで充電を開始し、温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合、充電を停止し、運転を待機する。このように、比較的短い充電時間(デューティ幅ともいう)をTdで表す。温度検出部36で検出した温度が下がり、下限値以下になった場合、制御部20は、充電を再開する。以降、同様の制御を繰り返す。制御部20は、温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合に、デマンド単位時間(D0〜D1)での充電量が目標充電量CW0に達しないと判定したときは、ファン35を作動させて、時刻D1まで充電を継続する。
【0181】
デマンド単位時間(D1〜D2)の開始時刻D1で、目標充電量算出部22は、デマンド単位時間の目標充電量を算出する。また、時刻D1で、温度検出部36で検出した温度が上限値以上になった場合、充電を停止し、運転を待機する。温度検出部36で検出した温度が下がり、下限値以下になった場合、制御部20は、充電を再開する。以降、同様の制御を繰り返す。
【0182】
デマンド単位時間の途中で目標充電量(例えば、図29中、CW1、CW2、CW3)に達した場合には、その時点で充電を停止し、デマンド単位時間の終了時刻まで運転を待機する。ただし、デマンド単位時間の終了時刻までに充電量が目標充電量に達しないと判定した場合には、ファン35を作動させたまま、当該終了時刻まで充電を継続することができる。
【0183】
図30図31及び図32は本実施の形態の電力変換装置100による充電運転の第5実施例の処理手順を示すフローチャートである。制御部20は、充電コネクタ51が接続され(S191)、充電運転を開始するためのスタートボタンがオンされると(S192)、デマンド単位時間当たりの目標充電量を算出し(S193)、充電時間Tが30分以下であるか否かを判定する(S194)。充電時間Tは、T=目標充電量/Pin という式で求めることができる。なお、充電スタートボタンが操作されることは、充電コネクタ51が接続されることに含まれるものとする。この場合、ステップS192の処理は不要である。
【0184】
充電時間Tが30分以下である場合(S194でYES)、制御部20は、運転を待機する(S195)。運転待機の状態では、例えば、リレー11、12は開となり、EVとの通信をオフにし、電力変換装置100は、スリープモードとなり、例えば、制御部20及び充電コネクタ51のロック機構以外の電源をオフにする。
【0185】
制御部20は、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定し(S196)、いずれの条件も充足しない場合(S196でNO)、現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分であるか否かを判定し(S197)する。現在の時刻が、毎時の00分又は毎時の30分である場合(S197でYES)、制御部20は、ステップS193以降の処理を行う。現在の時刻が、毎時の00分又は30分でない場合(S197でNO)、制御部20は、(デマンド単位時間の目標充電量未到達かつ検出温度≦下限値である)か、連続運転でも目標充電量未到達であるか、又は連続運転でも充電終了容量未到達(丁度目標充電量に到達する場合も含む)であるかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S198)。
【0186】
いずれかの条件を充足する場合(S198でYES)、制御部20は、入力Pinでの充電運転を行う(S199)。いずれの条件も充足しない場合(S198でNO)、制御部20は、ステップS195以降の処理を続ける。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S200)。
【0187】
いずれの条件も充足しない場合(S200でNO)、制御部20は、連続運転でデマンド単位時間の目標充電量に到達可能であるかを判定し(S201)、到達可能である場合(S201でYES)、デマンド単位時間で目標充電量に到達するか、又は検出温度≧上限値であるか、という条件を充足するか否かを判定し(S202)、条件を充足する場合(S202でYES)、ステップS195以降の処理を続け、条件を充足しない場合(S202でNO)、ステップS199以降の処理を続ける。また、連続運転でデマンド単位時間の目標充電量に到達可能でない場合(S201でNO)、制御部20は、ステップS199以降の処理を続ける。
【0188】
ステップS196でいずれかの条件を充足する場合(S196でYES)、あるいは、ステップS200でいずれかの条件を充足する場合(S200でYES)、制御部20は、運転を停止し(S203)、充電コネクタ51が抜かれると(S204)、処理を終了する。
【0189】
充電時間Tが30分以下でない場合(S194でNO)、制御部20は、入力Pinでの定格充電運転を行う(S205)。制御部20は、車両(EVのバッテリ52)の充電上限電池残容量に到達したか、充放電器(電力変換装置100)の充電終了容量に到達したか、充電終了時刻になったか、又はストップボタンがオンされたかのいずれかの条件を充足するか否かを判定する(S206)。
【0190】
いずれの条件も充足しない場合(S206でNO)、制御部20は、ステップS205の処理を行い、いずれかの条件を充足する場合(S206でYES)、運転を停止し(S207)、充電コネクタ51が抜かれると(S208)、処理を終了する。
【0191】
上述のように、第5実施例では、常時ファン35を作動させることなく間欠的に作動させることができ、ファン35の消費電力を抑制することができ、充電運転時の電力消費を低減することができる。
【0192】
本実施の形態の電力変換装置100の運転制御は、CPU(プロセッサ、マイクロプロセッサ等)、RAMなどを備えたコンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、前述の各図に示すような、処理手順を定めたコンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPU(プロセッサ、マイクロプロセッサ等)で実行することにより、コンピュータ上で電力変換装置100の制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0193】
1 電力系統
100 電力変換装置
10 交直変換回路
11、12 リレー
20 制御部(CPU)
21 給電時間算出部
22 目標充電量算出部
23 判定部
31 インタフェース部
32 時計
33 操作部
34 通信部
35 ファン
36 温度検出部
50 電気自動車(EV)
51 充電コネクタ
52 バッテリ
200 分電盤
201 主幹ブレーカ
202、203、204、205 分岐ブレーカ
301、302、303 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
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