(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1セルラネットワークの選択は、ネットワークの接続品質または前記第1セルラネットワークを介してデータを受信する費用のうち少なくとも1つに基づいて行われる、請求項1に記載のシステム。
前記第1セルラネットワークの選択または前記第2セルラネットワークの選択のうち少なくとも一方は、前記ネットワークの検出、および前記第1アプリケーションまたは前記第2アプリケーションが所定の基準セットを満たしているという判定に応答して自動的に行われる、請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
前記第1セルラネットワークに接続するための第1サブスクリプションプロファイル、および前記第2セルラネットワークに接続するための第2サブスクリプションプロファイルは、前記システムに格納されており、前記第1サブスクリプションプロファイルおよび前記第2サブスクリプションプロファイルの各々はそれぞれのパスワードを有する、請求項8に記載のシステム。
前記第1セルラネットワークを選択するステップは、ネットワークの接続品質または前記第1セルラネットワークを介してデータを受信する費用のうち少なくとも1つに基づいて行われる、請求項11に記載の方法。
前記第1セルラネットワークを選択するステップまたは前記第2セルラネットワークを選択するステップのうち少なくとも一方は、前記ネットワークの検出、および前記第1アプリケーションまたは前記第2アプリケーションが所定の基準セットを満たしているという判定に応答して自動的に行われる、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、ネットワーク上のユーザは、大手通信業者からの許可がない場合、ネットワークにアクセスできない。この運用モデルによって、ユーザが大手通信業者に縛られ、小規模の通信業者が独立のサービスを提供することができない。
【0004】
簡単な要約
ユーザ機器(UE)またはUEのサブスクライバー(subscriber)は、種々の利用可能なネットワークから、UEがアクセス権を有する特定種類のネットワークを選択することができる。
【0005】
ネットワークから得られた忠実度の高い測定値および過去性能の統計データに基づいて、UE上で1つ以上のサブスクリプションプロファイル(subscription profile)を動的に配置することができる。この装置は、所定の時間および所定の位置で、最適な接続モードを決定する必要がある。1つの装置は、同時に2つ以上の接続を維持することができる。
【0006】
UEのネットワーク接続および認証は、ユーザの認証およびネットワークの使用費用に依存しなくてもよい。ユーザは、ネットワークの接続方法に依存せず、複数の認証ドメインを保有することができ、認証される装置上の資格情報を変更することなく、認証ドメインを動的に変更することができる。
【0007】
UEは、現在のネットワーク状況に基づいて、ネットワークを切換えることができる。UE上のアプリケーションは、現在最良のネットワークを介して、トラフィックを送受信することができる。
【0008】
連合アクセス(federated access)および閉合モビリティドメイン(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)における相互無線アクセス技術(RAT)および相互RATモビリティ)において、ローカル最適化を継続的に行う必要がある。一方、連合していないネットワークドメイン間の一貫性およびモビリティは、UE上の接続管理によって達成される。この場合、ネットワーク自体が独立しているため、ネットワーク構成は、非常に単純である。UEは、いくつかの種類のトラフィックに対して小規模通信業者を使用すると共に、他の種類のトラフィックに対して地方/国内通信業者を使用することができる。
【0009】
本開示の一態様は、メモリと、メモリと通信する1つ以上のプロセッサとを備えるシステムを提供する。1つ以上のプロセッサは、利用可能なネットワークを特定し、第1アプリケーションを介して通信を行うために、第1ネットワークを選択し、選択された第1ネットワークに接続し、第2アプリケーションを介して通信を行うために、第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを選択し、選択された第1ネットワークから切り離す必要なく、選択された第2ネットワークに接続するように構成されている。また、1つ以上のプロセッサは、選択された第1ネットワークを介して第1アプリケーションのトラフィックを導き、選択された第2ネットワークを介して第2アプリケーションのトラフィックを導くように構成されている。
【0010】
本開示の別の態様は、方法を提供する。この方法は、1つ以上のプロセッサを用いて、利用可能なネットワークを特定するステップと、1つ以上のプロセッサを用いて、第1アプリケーションを介して通信を行うために、第1ネットワークを選択するステップと、選択された第1ネットワークに接続するステップと、1つ以上のプロセッサを用いて、第2アプリケーションを介して通信を行うために、第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを選択するステップと、選択された第1ネットワークから切り離す必要なく、選択された第2ネットワークに接続するステップと、1つ以上のプロセッサを用いて、選択された第1ネットワークを介して第1アプリケーションのトラフィックを導くステップと、1つ以上のプロセッサを用いて、選択された第2ネットワークを介して第2アプリケーションのトラフィックを導くステップとを含む。
【0011】
本開示のさらに別の態様は、ユーザ機器を提供する。ユーザ機器は、複数のサブスクリプションプロファイルを格納するメモリを含む。各々のサブスクリプションプロファイルは、異なるネットワーク通信業者に対応し、ネットワーク通信業者に接続するための情報を含む。ユーザ機器は、同時に複数のネットワークに接続し、異なる種類の利用可能なネットワークを特定する情報を周期的に受信するように構成されたモデムと、メモリおよびモデムと通信するプロセッサとをさらに含み、プロセッサは、少なくとも格納されたサブスクリプションプロファイルに基づいて、特定されたネットワークのうち一方を選択し、選択されたネットワークに接続するようにモデムに指示する。また、ユーザ機器は、ポリシーエンジンと、ポリシーエンジンと通信するフローセレクタとを含むことができる。ポリシーエンジンは、モデムが接続されている複数のネットワークから、データを送信するために使用するネットワークを決定するように構成されている。当該ネットワークの決定は、データおよび複数のネットワークに関連する1つ以上の条件に基づいて行われる。フローセレクタは、ポリシーエンジンによるネットワークの決定に基づいて、データを振り分けるように構成されている。
【0012】
本開示の更なる態様は、方法を実行するようにプロセッサによって実行可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。当該方法は、利用可能なネットワークを特定するステップと、第1アプリケーションを介して通信を行うために、第1ネットワークを選択するステップと、選択された第1ネットワークに接続するステップとを含む。命令は、第2アプリケーションを介して通信を行うために、第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを選択するステップと、選択された第1ネットワークから切り離す必要なく、選択された第2ネットワークに接続するステップとを規定する。また、命令は、選択された第1ネットワークを介して第1アプリケーションのトラフィックを導くステップと、選択された第2ネットワークを介して第2アプリケーションのトラフィックを導くステップとを規定する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
マクロネットワークの通信範囲内にLTEスモールセルネットワークを配置すると、ユーザがマクロネットワークとスモールセルネットワークとの間に切換える場合、音声トラフィックおよびビデオトラフィックをリアルタイムに処理するために、シームレスモビリティが必要である。しかしながら、通信業者から中立なスモールセルネットワークおよびマクロネットワークが異なる運営管理ドメインに属しているため、ネットワークのシームレスモビリティの調整は、2つの自律ネットワークの間に高レベルの信頼および情報交換が必要である。1つの解決策は、モバイルネットワーク通信業者(mobile network operator、MNO)中心方法である。別の解決策は、UE中心方法である。
【0015】
図1は、MNO中心方法の一例を示す。システム100は、MNO無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)60をサポートするMNO進化パケットコア(Evolved Packet Core、EPC)20と、別のネットワーク、例えばスモールセルLTE70をサポートする第2EPC40とを含む。ユーザ装置80は、第1種類の装置、例えば、MNOにより管理されているSIMを保有する装置であってもよい。ユーザ装置90は、第2種類の装置、例えば、スモールセルネットワークにより管理されているSIMを保有する装置であってもよい。
【0016】
EPC20およびEPC40の各々は、多くの素子を含む。例えば、MNO EPC20は、モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)22、ホームサブスクライバーサーバ(Home Subscriber Server、HSS)24、およびインターネット30に接続しているサービングゲートウェイ/PDNゲートウェイ(SPGW)26を含む。第2EPC40は、例えば、MME42、HSS44、インターネット50に接続しているSPGW46、およびポリシーおよび課金ルール機能(Policy and Charging Rule Function、PCRF)48を含む。これらの素子を用いて、各ネットワーク60、70にサポートを提供することができる。例えば、
図1に示すように、MNO EPC20のMME22およびSPGW26は、MNO RAN60のeNode−B(eNB)62に接続すると共に、スモールセルネットワーク70のeNB72にも接続している。同様に、スモールセル70をサポートする第2ネットワーク40のMME42およびSPGW46は、MNO RAN60のeNB62に接続してもよい。これによって、ユーザ装置90は、スモールセルネットワークにより管理されているSIMのみを保有しても、MNO RAN60に接続することができる。例えば、SIMは、モバイル仮想ネットワーク通信業者(MVNO)と提携することができる。スモールセルネットワークにより管理されているSIMおよび国際モバイルサブスクライバーID(IMSI)を有するユーザの場合、スモールセルネットワーク70は、提携先MNO上で汎用MVNOとして示され、第2コアネットワーク40まで広げられる。したがって、汎用MVNOを用いて、IMSI範囲を各委託下位MVNOに分割することによって、汎用MVNOの上で動作する他のMVNOにサービスを提供する。装置ロジックを用いて、MVNOユーザに適切なRANを選択することができ、またはMNOは、ネットワーク60上のスモールセル公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)にサービスを提供することができる。このようにして、MNOの観点から単一のスモールセルが存在するが、汎用MVNOを下位MVNOに逆多重化することは、PCRF48内で行われる。
【0017】
同様に、前述した例において、ユーザ装置80がMNOによって管理されているSIMのみを保有するが、それにもかかわらず、ユーザ装置80は、スモールセルLTEネットワーク70に接続することができる。ユーザ装置80は、汎用MVNO内の別のMVNOとして見なされてもよい。これは、例えば、ネットワーク70上の公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)の同等物、およびeNB72上のPLMNに基づくMMEの選択によって達成されてもよい。
【0018】
上記の例において、第2コアネットワーク40およびMNOコア20は、eNB62および72上でスペクトルアクセスを共有するが、ネットワークモビリティとポリシーおよび課金の実施とを別々に管理している。しかしながら、このことは、eNB62および72上で緊密な統合を必要とする。ネットワーク60および70の各々に対して、対応するネットワークは、異なる管理ドメインの下で、自身の対称的な拡張として現れる。このMNO中心方法の実施は、よりインテリジェントなセル選択手順によって、例えば、一度に複数のネットワークからUEを呼び出すこと(例えば、汎用型アイドルモードシグナリング低減(Idle Mode Signaling Reduction))を可能にするまたは1つのRANが他のRANを代表して、UEを呼び出すことを可能にすることによって促進されてもよい。
【0019】
MNOドメインに接続した装置は、無線ノード間の切換えが装置上のアプリケーションに対して透明になるように、シームレスモビリティを有することが望ましい。一例において、ネットワークおよびUEは、共同で一連の厳密な管理手順を編成することができる。このような手順の例として、ハンドオーバ決定を行うための測定レポートの転送、ネットワークおよび無線リソースのハンドオーバを調整するためのメッセージの送信、通信範囲の切換えが一致するように不可視シーム間のRANの共同管理を含む。しかしながら、モノリシックセルラネットワークのモビリティ管理に参加せず、大量のユーザモバイルデータを運ぶ平行な独立の無線ネットワークも大量に存在する。したがって、アプリケーションは、アプリケーション層のバッファリングまたは再送信を使用することによって適応する。モノリシックモバイルネットワークを構築することによってシームレスモビリティを促進するが、このようなモビリティは、主に、数の少ない低損失トランザクションアプリケーション(例えば、音声/ビデオ通話、オンラインゲームなど)のみに対して有用である。
【0020】
一例によれば、無線インターネットコールは、ネットワークトランスポート層において、セルラネットワークと無線インターネットネットワークとの間の切換えを改善することができる。この例において、無線インターネットコールを用いて、ネットワークトランスポート層において、セルラネットワークと無線インターネットネットワークとの間の切換えを促進する。
【0021】
シームレスネットワークのハンドオーバを維持するための他の方法は、UEが別個のネットワークコンテキストを維持し、2つ以上のネットワークに同時に接続し、独自のトラフィック誘導を実現することを要求する。UEは、ネットワークの選択を管理することができる。
【0022】
この方法において、UEは、ネットワークのインテリジェント検出および接続を行うことができる。軽量型方法は、UE上で1つ以上のサブスクリプションプロファイル(subscription profile)を動的に配置する。UEは、ネットワークから得られた忠実度の高い測定値および過去性能の統計データに基づいて、所定の時間および所定の位置で、最適な接続モードを決定する必要がある。1つの装置は、同時に2つ以上の接続を維持することができる。サブスクリプションおよび資格情報の動的管理によって、ユーザは、ネットワークの接続方法に依存せず、複数の認証ドメインを保有することができ、認証される装置上の資格情報を変更することなく、認証ドメインを動的に変更することができる。現在のネットワーク状況に基づいて、ネットワークを切換えることができる。その結果、アプリケーションが現在最良のネットワークを使用するように、トラフィックを導くことができる。
【0023】
図2は、大衆化セルラネットワーク接続を行うためのUE中心システムの一例を示す。この例において、MNOコアネットワーク220は、eNB262を含むMNO無線アクセスネットワーク260をサポートする。別のコアネットワーク240は、eNB272を含むスモールセルLTEネットワーク270をサポートする。別のコアネットワーク240は、多くの構成素子を含むEPCであってもよいが、MNOコアネットワーク220と異なる所有権を有する。別のコアネットワーク240において、1つ以上のMVNO242および244を運営することができる。MVNO242および244は、例えば、ケーブル会社、企業、公益事業、地方自治体またはOEM(Original Equipment Manufacturer)であってもよい。1つ以上のMVNO242および244は、MNOマクロセルラネットワーク、例えば、MNO RAN260から独立して運営する大衆化LTEスモールセルネットワーク、例えば、スモールセルネットワーク270上で、サービスを提供することができる。一例によれば、大衆化スモールセルネットワークの各々は、同一のエンティティによって運営されてもよい。
【0024】
ユーザ装置280および290の各々は、MNO RAN260またはスモールセルLTE270のいずれか一方または両方と通信するように動作可能である。例えば、UE280および290の各々は、ネットワーク260および270の各々に接続する接続権を与えるまたは許可する複数のサブスクリプションプロファイルを保有する。これらのネットワークは、互いに独立していると予想され、UE280および290は、ネットワークのインテリジェントな検出およびトラフィックの切換え/誘導を行うことができる。
【0025】
図3は、UE480の一例を示す。UE480は、アプリケーションによって、低遅延でネットワークを切換える(例えば、高速USPインターネット接続(QUIC)ゼロ往復時間(RTT)の再送信)ことができ、個別のアクセスドメインのセットを連合するようにネットワーク層上に重なっているトランスポート層またはアプリケーション層のマルチパスによって、複数のネットワーク(例えば、TCPマルチパスまたはQUICマルチパス)を同時に使用することができる。
【0026】
UE480は、任意の種類のモバイルコンピューティング装置、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップまたはゲーム機であってもよい。UE480は、1つ以上のアプリケーション310および312を動作させることができる。また、UE480は、複数のネットワークに接続している。例えば、UE480は、インターフェイス382を介してMNOネットワーク360に接続し、インターフェイス382または384を介してスモールセルLTE無線ネットワーク370に接続する。さらに、UE480は、インターフェイス384を介して1つ以上の提携先MNOネットワーク375に接続してもよい。提携先MNOネットワーク375とスモールセルLTE無線ネットワーク370とは、同一のコアネットワーク340を共有するような関係を有することができる。例えば、提携先MNOネットワーク375は、コアネットワーク340内の機器を所有する大手携帯電話キャリアであって、スモールセルLTEネットワーク370は、大手携帯電話キャリアとのサブスクリプションを結ぶことによって、コアネットワーク340内の機器を共有することができる。
【0027】
アプリケーション310および312の各々は、異なる種類および量のデータを使用することができる。例えば、一方のアプリケーションは、ビデオストリーミングアプリケーションまたはインターネットプロトコルを使用する音声アプリケーションであり、他方のアプリケーションは、ソーシャルネットワークアプリケーションもしくは健康アプリケーションまたはニュースアプリケーションである。異なる種類および量のトラフィックに加えて、ユーザによって使用されるアプリケーション310および312の頻度および持続時間も変化し得る。したがって、望ましくは、アプリケーション310および312の各々は、異なるネットワークを使用する。例えば、ネットワークは、異なる費用でデータを提供することがある。したがって、望ましくは、安価または無料でデータを提供するネットワーク上で高容量のトラフィックを必要とするアプリケーションを使用し、比較的高価でデータを提供する任意のネットワーク上で低容量のトラフィックを必要とする他のアプリケーションを使用する。
【0028】
フローセレクタ314は、特定のアプリケーション310または312にサービスを提供するために使用されるネットワーク360、370または375を決定することができる。フローセレクタ314は、例えば、UE480上でプログラムされたソフトウェアモジュールであってもよい。フローセレクタ314は、例えば、ユーザ入力、ネットワーク費用設定、トラフィックの種類、トラフィック量、ネットワーク信号強度、信号品質、統計/履歴データ、UEの状態、UEの周囲状況、これらの条件の組み合わせまたは他の条件の組み合わせに基づいて、判断を行うことができる。以下の表にいくつかの例示的なパラメータを示すが、この表は、可能なパラメータの網羅的なリストではないことを理解すべきである。
【0031】
いくつかの例によれば、ポリシーエンジン316は、使用するネットワークを決定するための基準を設定し、フローセレクタ314は、これらの基準に基づいて、適切なアプリケーションとネットワークとの間にトラフィックを振り分ける。例えば、ポリシーエンジン316は、トラフィックを導くための複数のルールを含むことができる。ルールは、予め決められてもよく、ユーザによって生成されてもよく、特定の条件に応じて作成されてもよい。この場合、ポリシーエンジン316は、データベース302と通信することによって、統計データまたは履歴データなどの関連情報を取得することができる。2つの互いに独立しているネットワークが共にLTEであるか、または共に無線インターネットであるか、またはその組み合わせであるかに関わらず、同様のルールおよびポリシーに準拠して、両者を取り扱うことができる。
【0032】
一例として、データの費用に基づいて、トラフィックを導くことができる。装置は、2つの異なるネットワークに接続することができ、各ネットワークは、装置による送受信したバイト毎のデータに異なる費用を課金する。例えば、装置は、1ギガバイトのデータに10ドルを課金する第1モバイルネットワーク通信業者(MNO1)に接続することができ、1ギガバイトのデータに5ドルを課金する第2MNO(MNO2)に接続することもできる。ユーザまたは製造業者は、例えば、最低費用のネットワークを選択するように、ポリシーエンジンをプログラムすることができる。
【0033】
別の例によれば、ネットワーク品質に基づいて、トラフィックを導くことができる。遅延に敏感な応用、例えば音声またはビデオの場合、RSRP、SINRまたはルールの組み合わせを選択して、トラフィックを導くための最高品質のネットワークを決定することができる。例えば、UEは、MNO1およびMNO2に接続することができる。特定の時間、位置などにおいて、MNO1の無線測定値は、MNO2の無線測定値よりも高い。したがって、ポリシーエンジンは、無線の特徴に基づいて、MNO1を選択することができる。
【0034】
UE中心且つ通信業者に中立なスモールセルLTEネットワークにおいて、ユーザは、各々が潜在的に異なるビジネスモデルを有するサービスを提供する一組のキャリアから、サービスを選択することができる。ユーザは、スモールセルMVNOおよびマクロMNOなどの複数の通信業者と同時にサブスクライブ(subscribe)することができ、オンデマンドで大衆化ネットワークのサブスクリプションを変更することができる。大衆化アクセスモデルにおいて、サブスクリプションを新しいユーザに動的に提供すべきである。
【0035】
ネットワークのサブスクリプションは、認証/承認キー、サブスクライバーIDおよびプロファイル情報を含む。サブスクリプション情報は、電子ユニバーサル集積回路カード(eUICC)、ソフトSIM、またはセキュア素子に格納される。
【0036】
図4は、UEサブスクリプションの提供を説明する単純な無線通信(over-the-air、OTA)フローを示す。UE480は、サブスクリプションマネージャアプリケーション410を含む。サブスクリプションマネージャアプリケーション410は、サブスクリプションマネージャサービス425にサブスクリプション要求を送信する。いくつかの例によれば、サブスクリプションマネージャサービス425は、1つ以上のスモールセルネットワークの通信業者によって運営されてもよい。サブスクリプションマネージャサービス425は、その要求に応答して、サブスクリプションマネージャアプリケーション410にサブスクリプション情報を送信する。サブスクリプション情報は、例えば、通信業者に接続するためのパスワードおよび他の情報を含むプロファイルを含むことができる。このサブスクリプション情報は、eUICC415または別の改ざん防止セキュア素子、例えばセキュア素子に設けられたソフトSIMまたはeUICCに格納されてもよい。セルラインターネットモデムおよび無線インターネットモデムは、例えば、接続手順および認証手順を行うために、このサブスクリプション情報にアクセスすることができる。
【0037】
図5は、UE480によるネットワーク検出の一例を示す。サブスクリプションプロファイルがUEに送信された後、UE480は、接続可能なネットワークを検出することができる。アプリケーションプロセッサ(AP)ネットワーク選択アプリケーション610は、UE480上で動作し、利用可能なネットワークのリストを定期的に要求する。この要求は、例えば、格納されたサブスクリプションプロファイルおよびジオキャッシュデータを含み得るデータベース302からの情報を活用することができる。この要求に応答して、APネットワーク選択アプリケーション610は、ジオタグ付きネットワークIDのリストを受信する。このリストは、スモールセルLTEネットワークおよびマクロセルRANなどの様々な種類のネットワークを特定するための情報を含むことができる。
【0038】
APネットワーク選択アプリケーション610は、格納されたサブスクリプションプロファイルおよびジオキャッシュデータに基づいて、接続するネットワークをモデム555に指示する。例えば、UE480は、周波数間スキャンを最小限にし、省電力の方法で検出を行うために、サブスクライブしているネットワーク上の帯域スキャンを優先させることができる。また、省電力の方法でネットワーク選択ロジックをトリガするために、サブスクライブしているPLMNおよびECGIなどの対象ネットワークを定期的にスキャンし、通知イベントをAPに公開するように、モデム555を構成することができる。AP610による利用可能なスモールセルネットワークの検出により、セルラモデム555は、マクロネットワークによるセル選択決定を無効にし、それ自身のセル選択およびPLMN選択を実行することができる。
【0039】
図6は、ネットワークの接続および切断の例を示す。ネットワークを選択すると、UE480は、特定のネットワークまたはノードに接続する。ネットワークの検出に使用されたいくつかのパラメータ、例えば、信号強度、費用および品質に基づいて、ネットワークの接続および切断を行うことができる。
【0040】
ネットワークを検出すると、アプリケーションは、(例えば、eUICCに格納された)サブスクリプションプロファイルの一部として提供されたサブスクリプションプロファイルを用いて、ネットワークに接続することができる。
図7に示すように、UEは、ネットワーク1に接続されている。ネットワーク1は、任意種類のネットワーク、例えば、マクロRAN、スモールセルLTEネットワークであってもよい。ネットワーク1に接続されている間に、UEは、ネットワーク2を検出した。UEは、ネットワーク2に自動的に接続することができる。別の例において、UEは、ネットワーク2との接続に関する情報を入力するようにユーザを促すことができる。ネットワーク1およびネットワーク2に接続されている間に、UEは、アクセスネットワーク3をさらに検出し、同様に接続する。また、UEは、自動的にまたは指示に従って、1つ以上の接続しているネットワークから切り離すことができる。例えば、ネットワーク2が不安定であると判定された場合、UEは、ネットワーク2から切り離す。
【0041】
いくつかの例によれば、ネットワークの選択/非選択は、判断を行う条件を決定するためのユーザスペースポリシーシステムによって管理される。例えば、ポリシーシステムは、最低ネットワーク品質基準に基づいて、UEを接続または切断するか否かを判断することができる。
【0042】
ネットワークに接続すると、各ネットワークは、パケットの送受信に使用できるIPアドレスv4/v6/v4v6を提供する。所定のアクセスネットワークにおいてシームレスIPモビリティ(例えば、RAT内モビリティまたはRAT間モビリティ)が存在することがあるが、各独立のネットワークは、UE上で異なるIPセッションとして示される。
【0043】
図7は、特定のアプリケーションのために選択されたネットワークに応じて、UEの異なるパケット経路を示す。例えば、UE780は、複数のアプリケーション710、712を実行している。UE780は、インターネット750を介してサーバ762、764に通信可能に接続された複数のネットワーク742、744、746に接続している。また、UEは、複数のインターフェイス732、734および736を含む。ネットワークに接続すると、各ネットワークは、パケットを送受信するためのIPアドレスを提供する。したがって、インターフェイス732、734および736の各々は、特定のネットワークに対応するIPアドレスを有する。
【0044】
アプリケーションからのパケットは、適切なネットワークを介してエンドサーバに到達するようにルーティングされる。フローセレクタプロセスを作成することによって、アプリケーションソケットにアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)コールを送信し、ネットワークエージェントAPI 722によって提供された情報を用いて、アプリケーションソケットを適切なネットワークにバインドすることができる。ネットワークエージェントAPI722は、ルータ724を介してまたは直接に、アプリケーション710、712およびインターフェイス732、734、736と通信することができる。ネットワークエージェントAPI722は、接続された各ネットワークコンテキストに関する基準情報を保有する。アプリケーションは、ネットワークエージェントAPI722からネットワーク状況情報を直接に照会することができ、(例えば、VoLTEトラフィックを導くために)必要なネットワークにバインディングする明示的なソケットを作成することもできる。
【0045】
トランスポート層プロトコル、例えば、QUIC、マルチパス伝送制御プロトコル(MPTCP)を用いて、ネットワークをシームレスに切換えることができる。一例として、様々な方法で、QUICをモジュールとしてインフラストラクチャに追加することができる。例えば、アプリケーションは、ゼロRTT再送信を用いて、ネットワークの状況に基づいて、ネットワークを素早く切換えることができる。例えば、RSRPがネットワークエージェントAPI722によって公開された特定の閾値を下回った場合、代替のネットワークインターフェイスを用いて再送信を行うことができる。別の例として、QUICマルチパスが利用可能な場合、アプリケーションは、複数の使用可能なネットワークパスを同時に使用することによって、変動するネットワーク状況に素早く適応することができる。QUICを追加する別の例として、QUIC−TCPプロキシをコアネットワークに実装することによって、サーバ側QUICをサポートしていないアプリケーションに後方互換性(backward compatibility)を与えることができる。
【0046】
図8は、ユーザ装置による大衆化ネットワークのアクセスを示す例示的な方法800である。以下のステップを記載の順序通りに実行する必要がないことを理解すべきである。むしろ、様々なステップを異なる順序でまたは同時に実行することができ、ステップを追加または省略することもできる。
【0047】
ブロック810において、動的サブスクリプションを行うようにユーザ装置を用意する。例えば、サブスクリプションは、ユーザ装置上のアプリケーションによって、サブスクリプションマネージャサービスから要求されてもよい。その要求に応じて、装置をサブスクライブすることができる。例えば、パスワードなどのサブスクリプション情報は、装置のセキュア素子、例えばeUICCにダウンロードすることができる。
【0048】
ブロック820において、所定の時間および/または場所で利用可能なネットワークを特定する。例えば、ユーザ装置が現在では特定の地理区域に位置する場合、ユーザ装置は、現在では特定の地理区域にサービスを提供しているネットワークを特定することができる。例えば、定期的なポーリングを行うことによって、ネットワークを特定することができる。
【0049】
ブロック830において、ユーザ装置は、ネットワークを選択し、それに接続する。ネットワークの選択は、いくつかの基準、例えば、品質または費用のいずれかに基づいて行うことができる。なお、複数のネットワークを同時に選択し、接続することができる。また、例えば、ネットワークから受信した信号の品質が所定の閾値を下回った場合、ネットワークからユーザ装置を切り離すこともできる。
【0050】
ブロック840において、UEは、選択されたネットワークに基づいて、トラフィックを導く。例えば、第1アプリケーションは、通信を行うために第1ネットワークを選択し、第2アプリケーションは、通信を行うために第2ネットワークを選択する。第1ネットワークと第2ネットワークとは、MNO RANおよびスモールセルLTEなどの異なる種類のネットワークであってもよく、同一種類のネットワークであってもよい。トラフィックを導くために、ユーザ装置上で、ネットワークと選択されたネットワークを使用する1つ以上のアプリケーションとの間に各ネットワークのIPアドレスに対応するインターフェイスをセットアップすることができる。したがって、選択されたネットワークのインターフェイスを介して、全てのトラフィックを1つ以上のアプリケーションに送信することができ、1つ以上のアプリケーションからの全てのトラフィックを送信することができる。
【0051】
図9は、複数の異なる種類のネットワークに通信可能に接続されたモバイル装置110を含む例示的なシステムを示す。ネットワークおよび介在ノードは、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット(登録商標)、WiFi(登録商標)(802.11、802.11b、g、n、または他の標準)、HTTP、および前述したものの様々な組み合わせを含むことができる。
【0052】
装置110は、ネットワークを介して通信することができる任意種類のコンピューティング装置またはコンピューティング装置システムとすることができる。装置110は、1つ以上のプロセッサ140、メモリ130、および汎用コンピューティング装置に通常存在する他の素子を含むことができる。メモリ130は、1つ以上のプロセッサ140によってアクセス可能な情報を格納することができる。この情報は、1つ以上のプロセッサ140によって実行可能な命令138を含んでもよい。
【0053】
また、メモリ130は、プロセッサ140によって読出され、操作され、または格納され得るデータ134を含むことができる。メモリは、プロセッサによってアクセス可能な情報を格納することができる任意の非一時的な媒体、例えば、ハードドライブ、メモリカード、RAM、DVD、他の書き込み可能な媒体であってもよい。
【0054】
命令138は、1つ以上のプロセッサによって、直接に実行できる命令のセット、例えば機械コードであってもよく、または間接に実行できる命令のセット、例えばスクリプトであってもよい。本明細書において、用語「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」および「プログラム」は、交換可能に使用することができる。命令は、プロセッサによって直接に処理できるオブジェクトコード形式で格納することができ、または要求に応じて翻訳されるまたは事前にコンパイルされるスクリプトまたは独立のソースコードモジュールの集合を含む他のコンピューティング装置言語で格納することができる。以下、命令の機能、方法およびルーチンをより詳細に説明する。
【0055】
1つ以上のプロセッサ140は、命令138に従って、データ134を読み出し、格納し、または変更することができる。一例において、データ134は、ネットワークの選択、接続、およびトラフィックの誘導を行うためのポリシー136を含むことができる。また、データ134は、ネットワークの接続に使用され得る1つ以上のサブスクリプションプロファイル137を含むことができる。本明細書に記載の主題が特定のデータ構造に制限されていないが、データは、内部または外部メモリ、コンピュータレジスタ、多くの異なるフィールドおよびレコードまたはXML文書を有するテーブルとしての関係データベースに格納することができる。データは、バイナリ値、ASCIIまたはユニコードを含むがこれらに限定されないコンピュータ可読フォーマットにフォーマットされてもよい。さらに、データは、数字、記述テキスト、専用コード、ポインタ、他のネットワーク位置などの他のメモリに格納されたデータへの参照、または関連データを計算するためにある関数に使用される情報などの関連情報を特定するのに十分な情報を含むことができる。
【0056】
命令138は、利用可能なネットワークを特定し、特定のアプリケーションのためにネットワークを選択して接続し、選択されたネットワークを介してトラフィックを導くことを規定することができる。装置110は、ポリシーエンジン116、フローセレクタ114、サブスクリプションマネージャ172、およびネットワーク選択アプリケーション174を用いて、これらのタスクを実行することができる。また、装置110は、異なるネットワークと通信するために、モデム155および1つ以上のインターフェイス160を含むことができる。
【0057】
1つ以上のプロセッサ140は、市販CPUなどの従来のプロセッサであってもよい。一方、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)または他のハードウェア系プロセッサなどの専用素子であってもよい。サーバ130は、必ずしも必要ではないが、特定のコンピューティングプロセスを実行するための専用ハードウェア素子を含むことができる。
【0058】
図9は、コンピューティング装置110のプロセッサ、メモリおよび他の要素を同一のブロック内に機能的に示しているが、プロセッサ、コンピュータ、コンピューティング装置またはメモリは、実際には各々複数であり、同一の物理的ハウジングに格納されなくてもよい。例えば、メモリは、コンピューティング装置110のハウジングとは異なるハウジングに配置されたハードドライブまたは他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサ、コンピュータ、コンピューティング装置またはメモリを言及する場合、並列に動作するまたは並列に動作しないプロセッサ、コンピュータ、コンピューティング装置またはメモリの集合であってもよい。例えば、コンピューティング装置110は、負荷分散サーバファーム、分散システムなどとして動作するサーバコンピューティング装置を含むことができる。また、説明したいくつかの機能が単一のプロセッサを有する単一のコンピューティング装置上で行われると示しているが、本明細書に記載された主題の様々な態様は、例えば、ネットワーク150を介して情報を通信する複数のコンピューティング装置によって実現することができる。
【0059】
前述した技術は、効率の良いインターネットアクセスをユーザに提供することができる。例えば、スモールセルLTEネットワークを介してインターネットに接続し、特定種類のインターネットアクセスのために使用するネットワークを選択することを可能にすると、ワイヤレスローカルエリアネットワークが利用できない場合でも、データを送受信する別の可能性を提供することができる。
【0060】
特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく、上述した特徴の様々な変形および組合せを行うことができる。上述した実施形態の説明は、例示であり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定するものではない。一例として、前述した操作は、記載の順序通りに実行する必要がない。むしろ、様々なステップは、異なる順序でまたは同時に実行することができる。別段の記載がない限り、ステップを省略することもできる。さらに、本明細書に記載された実施例および「例えば」、「含む」などの表現は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するとして解釈すべきではない。むしろ、これらの実施例は、多くの可能な実施形態の1つのみを例示することを意図している。さらに、異なる図面において、同様の参照番号は、同様または類似の要素を示すことができる。