【実施例】
【0035】
以下本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、塗布テストを行う下地としては、厚さ9.5mmの石膏ボード上に塗り壁用下塗材(商品名:カーボン・プラスター、四国化成工業社製)を約1mmの厚みで塗布して乾燥させた下地壁面を用いた。
【0036】
[実施例1]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、塩化カルシウム0.1重量部、炭酸ナトリウム10重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0037】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0038】
[実施例2]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム3重量部、アルギン酸ナトリウム2重量部、塩化カルシウム0.1重量部、炭酸ナトリウム10重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0039】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0040】
[実施例3]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、乳酸カルシウム0.5重量部、炭酸ナトリウム10重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0041】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0042】
[実施例4]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、水酸化カルシウム1重量部、炭酸ナトリウム10重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水180重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0043】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0044】
[実施例5]
炭酸カルシウム粉100重量部(骨材として使用)、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、乳酸カルシウム0.3重量部、炭酸ナトリウム10重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0045】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0046】
[実施例6]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、乳酸カルシウム0.3重量部、炭酸ナトリウム10重量部、カラギーナン2重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水180重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0047】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0048】
[実施例7]
炭酸カルシウム粉100重量部(骨材として使用)、硅石粉60重量部、ゼオライト5重量部、コットン繊維(1mm未満)6重量部、アルギン酸カリウム4重量部、ステアリン酸カリウム4重量部、炭酸ナトリウム4重量部、カラギーナン4重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水170重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合してモルタルを調製した。
【0049】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られ、これを乾燥させた塗り壁の表面は強度に優れ、塗布後3ヶ月を経過した時点において白華や色ムラなどの問題が発生せず、均一で鮮やかな色を保っていた。
【0050】
[比較例1]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、塩化カルシウム1重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで混合してモルタルを作製したところ、アルギン酸カリウムの溶け残りと思われる細かな粒状のものが多数発生した。また鏝による塗布作業をするにはやや粘度が高めであった事から、少し時間をおいてからさらに水を50重量部加えて均一になるまで混合し、粘度を調整したモルタルを調製した。
【0051】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られたが、これを乾燥させた塗り壁の強度は十分でなく、表面を指で擦ると塗り壁表面が削れて骨材が徐々に取れてしまった。
【0052】
[比較例2]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、塩化カルシウム3重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで混合してモルタルを調製しようとしたところ、粘性が出ずに鏝による下地壁面への塗布作業ができなかった。そこで下地を床においてモルタルを無理やり塗り広げたが、これを乾燥させた塗り壁には強度が無く、指で擦ると塗り壁面が崩壊した。
【0053】
[比較例3]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、乳酸カルシウム1重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで混合してモルタルを調製したところ、アルギン酸カリウムの溶け残りと思われる細かな粒状のものが多数発生した。また鏝による塗布作業をするにはやや粘度が高めであった事から、少し時間をおいてからさらに水を50重量部加えて均一になるまで混合し、粘度を調整したモルタルを作製した。
【0054】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると良好な作業性が得られたが、これを乾燥させた塗り壁の表面にはクラックが発生して美観を損なってしまった。また、塗り壁の強度も十分でなく、表面を指で擦ると塗り壁表面が削れて骨材が徐々に取れてしまった。
【0055】
[比較例4]
硅石粉100重量部、硅砂100重量部、コットン繊維(1mm未満)3重量部、アルギン酸カリウム5重量部、乳酸カルシウム3重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水150重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業社製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで混合してモルタルを調製したところ、アルギン酸カリウムの溶け残りと思われる細かな粒状のものが多数発生した。少し時間をおいてから均一になるまで混合したが、得られたモルタルはやや粘度の低いものとなった。
【0056】
このモルタルを約1mmの厚みで前述の下地壁面に塗布すると粘度はやや低いものの塗布作業は可能であったが、これを乾燥させた塗り壁の表面にはクラックが発生して美観を損なってしまった。また、塗り壁の強度も十分でなく、表面を指で擦ると塗り壁表面が削れて骨材が徐々に取れてしまった。