【実施例】
【0027】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。説明にあたっては、本発明に適用される締結手段1から説明する。
【0028】
締結手段1は、上記リフタ板53をフレーム部材52に止め付ける際に用いられる固定手法であり、ボルト11とナット12とを主な構成部材とし、これに適宜、座金13を具えて成るものである。
ボルト11は、一例として
図1(d)・
図3(a)に示すように、例えば一般的な六角ボルトの先端(ネジ先端)に、ボルト11を回転させるための捻じ込み操作部111をボルト頭部112とは別に設けて成るものである。すなわち、一般的な六角ボルトは、専らボルト頭部(例えば平面から視て六角形を成す)にスパナやレンチ等を嵌めて(当てがって)、ナットとの相対的な回転操作を図るものである(六角ボルトを積極的に回転させて締結を図る以外に、六角ボルトを回転しないようにレンチ等で保持しておき、ナットを回転させる場合等を含む)。これに対し、本発明では、ネジ先端にボルト11の相対的回転を図る捻じ込み操作部111を形成し、ネジ先端(ボルト11の先端)からボルト11を捻じ込めるようにしたものである。このため通常の六角ボルトの適用を前提とし、そのネジ先端に捻じ込み操作部111を形成した場合には、ボルト11は両端二方向からの捻じ込みアクセスが可能となる。なお、本発明に係るボルト11を「先端捻じ込み操作ボルト11」と称することがある。
【0029】
また、捻じ込み操作部111の形状としては、例えば上記
図3(a)では、六角穴状に形成しているが、
図3(b)に示すように、十字溝(プラス溝)、マイナス溝、四角柱状突起など種々の形状が可能である。
また、本発明に係る先端捻じ込み操作ボルト11は、捻じ込み操作部111とボルト頭部112の他、オネジが形成される軸部113を具えて成るものである。また、捻じ込み操作部111が形成される軸部113の先端をネジ先端と称している。
【0030】
なお、このような先端捻じ込み操作ボルト11をネジ先端(捻じ込み操作部111)から回転操作するにあたっては、捻じ込み操作部111の形状に応じた治具2を用いるものであり、例えば捻じ込み操作部111が十字溝として形成されている場合には、プラスのドライバーが治具2として適用できるし、捻じ込み操作部111がマイナス溝として形成されている場合には、マイナスのドライバーが治具2として適用できる。また、捻じ込み操作部111が六角穴として形成されている場合には、例えば上記
図3(a)に併せ示すように、六角棒レンチを治具2として適用でき、必ずしも特殊な治具2を製作・適用する必要はない。
【0031】
もちろん、このような治具2は、先端捻じ込み操作ボルト11を回転させるための道具(工具)であるため、ボルト11をより回し易いこと(回転トルクをより確実に伝達できること)が好ましく、このような治具2としては、例えば
図3(a)に併せ示すように、ボルト11の捻じ込み操作部111に嵌合する作用部21と、この作用部21を固定保持する保持部22と、作業者の把手となるグリップ部23とを具えた構成とすることが可能である。これにより作業者によるグリップ部23の回転操作を、保持部22を通して作用部21に伝達し、確実に捻じ込み操作部111(つまりボルト11)を回転させることができる。
【0032】
次に、回転ドラム型処理機の一例である回転型通気乾燥機Dについて説明する。
回転型通気乾燥機Dは、一例として
図1・
図2に示すように、固定設置されるケーシング4の内部に回転ドラム5を設けて成り、回転ドラム5は、円筒状を成すドラム本体51と、ドラム本体51の骨格を成すフレーム部材52と、ドラム本体51の内周面を覆うようにフレーム部材52に張設されるリフタ板53とを具えて成る。
またケーシング4は、回転ドラム5に熱風Hを送る吸気ダクト41と、作用後(乾燥処理後)の熱風Hを排出する排気ダクト42とを具えて成り、熱風Hは、回転ドラム5の側面下部からドラム本体51内の被処理物Wの層を通して、上方に排気される。
またドラム本体51には、被処理物Wの投入側から製品(乾燥品)W1の排出側に向かって緩やかな下り勾配が付与されている。
【0033】
またリフタ板53は、複数のものがドラム本体51の内側からその内周面に沿って張設されるものであり、リフタ板53の表面には、ドラム内側に三角形状に張り出す突出部532が形成される(いわゆるトライアングルリフター)。また、この突出部532は、本実施例ではドラム本体51の軸方向に沿うように形成される。なお、リフタ板53には、熱風Hを通すための小さい通気孔が多数穿設される。
そして、上記構成により、ドラム本体51内に投入された被処理物Wは、回転ドラム5の回転に伴いリフタ板53により上昇・撹拌されながら(いわゆるキルンアクション)、前記勾配により投入側から排出側に移送されるものであり、この移送中に熱風Hに晒されて乾燥されるものである。
ここで図中符号43は、被処理物Wをドラム本体51内に投入する投入口であり、符号44は、このものが適宜、乾燥され、製品(乾燥品)W1となって排出される排出口である。
このように回転型通気乾燥機Dは、回転による穏やかな混合作用と熱風Hの通気により、ムラのない高品質な乾燥品W1が得られるようにした乾燥機である。
【0034】
以下、更にリフタ板53の設置態様や形状等について詳細に説明する。
リフタ板53は、前後周辺の隣り合うリフタ板53同士の端縁が羽重ね状態でフレーム部材52に張設されるものであり、ここを重ね合わせ部533とする。
なお、この重ね合わせ部533におけるリフタ板53の重なり枚数は、本実施例では、場所によって異なり、二枚重ねや四枚重ねになる部位がある(常に同じ枚数を重ね合わせることも可能)。
また、リフタ板53の重ね方について説明すると、ドラム本体51が上記のような勾配(排出口44に向かって下り勾配)を有するため、軸方向での重ね合わせ方としては、一例として
図2(c)に示すように、投入側のリフタ板53が上、排出側のリフタ板53が下になるように重ね合わせる。これによりドラム本体51内に投入された被処理物Wが、例えばリフタ板53同士の継ぎ目に入ってしまうことなく、スムーズに排出口44に移送することができる。
また、ドラム本体51の回転方向におけるリフタ板53の重ね合わせ方としては、一例として
図1(d)に示すように、回転方向において前方側に位置するリフタ板53が上、後方側に位置するリフタ板53が下になるように重ね合わせるものである。
【0035】
また、一枚のリフタ板53は、複数のボルト11でフレーム部材52に固定され、上記重ね合わせ部533もボルト11で固定される。
また、リフタ板53は、ドラム本体51の内周側に張設されることから、全体で円筒状を成すように、個々のリフタ板53が配置・湾曲状態に固定される。
また、このような取付状況から、リフタ板53を固定するボルト11は、その突出方向(捻じ込み方向)が不均一となり、またドラム本体51の回転に伴い、ボルト11も天地が反転するものである。
【0036】
また、リフタ板53には、ボルト11を貫通させるためのボルト取付孔531が開口されており、本発明においては、このボルト取付孔531をキリ孔で形成(開口)することが可能である。
因みに、従来のボルト取付孔531は、上述したように長孔または大口径のキリ孔に形成する必要があり、またそのため、この長孔もしくはキリ孔をカバーするために大きな座金13′が必要となっていた。この点、本願では小さな座金13で済むものである。
【0037】
次にフレーム部材52について説明する。
フレーム部材52は、上述したようにドラム本体51の骨格(骨組み)を成す部材であり、リフタ板53を固定するためのものである。フレーム部材52は、一例として
図1(b)〜(d)に示すように、断面が「コ」の字状のチャンネル材522と、補強フランジ523と、リフタ取付枠525とを具えて成る。
まずチャンネル材522は、ドラム本体51の軸方向に沿って設けられる部材であり、ドラム本体51の投入口43側の端部から、排出口44側の端部にわたり直線状に設けられ、全体としてドラム本体51の軸方向の骨組みを成すように構成される。
このようなチャンネル材522は、ドラム本体51の周方向に複数等配状に設けられるものであり、これらの間にチャンネル材522の周方向間隔を一定に維持し、且つチャンネル材522と溶接等により接合される補強フランジ523が設けられ、これ(補強フランジ523)が、ドラム本体51の周方向の骨組みを形成している。また、この補強フランジ523は、適宜の間隔でドラム本体51の軸方向に設けられ、リフタ板53のドラム内側への突出部532(トライアングルリフター)に裏側から沿うように略三角形状に形成される。
【0038】
そして、リフタ板53の重ね合わせ部533は、上記チャンネル材522を利用して固定されるものである(チャンネル材522でボルト11をサポート保持する)。もちろん、リフタ板53には、上述したようにドラム内側への突出部532がドラムの軸方向にわたって存在するため(トライアングルリフター)、この部位ではチャンネル材522が存在せず、このため当該部位での固定は、補強フランジ523とリフタ板53との間にリフタ取付枠525を設け、このリフタ取付枠525を利用してリフタ板53を固定するようにしている(リフタ取付枠525でボルト11をサポート保持する)。なお、このリフタ取付枠525と補強フランジ523も溶接等により接合される。
【0039】
また、チャンネル材522やリフタ取付枠525等のフレーム部材52には、ボルト受入孔521が開口され、ここにはボルト11をサポート保持するためのメネジ部が形成される。そして、リフタ板53をフレーム部材52に固定するにあたり(実質的な組み立てにあたり)、上記ボルト受入孔521にボルト11を捻じ込むことにより、ボルト11をフレーム部材52に仮止めでき(いわゆるサポート)、組立作業中にボルト11がフレーム部材52から抜け落ちてしまうことがなく、またぐらつくこともなく、組立作業が円滑に且つ確実に行えるものである。
因みに、フレーム部材52(チャンネル材522やリフタ取付枠525等)のボルト受入孔521にサポート用のメネジ部を形成するにあたっては、例えば
図6(a)に示すように、ボルト受入孔521の内周面にメネジ加工(タッピング加工)を施すようにしても構わないし、
図6(b)に示すように、ボルト受入孔521自体はキリ孔状に形成しながら、このボルト受入孔521に合致する位置にナットをフレーム部材52に溶接等で接合しておいても構わないものである。
【0040】
次に、リフタ板53の具体的な取り付け方を
図4に基づいて説明する。
リフタ板53をフレーム部材52に固定するには、以下のような工程を経て行う。
(1)〔ボルトの仮止め工程〕
まずフレーム部材52には、上述したようにボルト受入孔521にサポート用のメネジ部が形成されている。ここではチャンネル材522におけるボルト受入孔521の内周にメネジ加工(タッピング加工)が施されており、一例として
図4(a)に示すように、リフタ板53の取り付け方向となるドラム本体51の内側にネジ先端(捻じ込み操作部111)が臨むように、ボルト11がチャンネル材522に捻じ込まれ、仮止めされる。これがリフタ板53をフレーム部材52に固定する前の状態であり、この際、ボルト11のネジ先端は、ドラム本体51の内側に飛び出さない程度に仮止めされること(捻じ込まれること)が望ましい。
【0041】
(2)〔リフタ板のセッティング工程〕
その後、一例として
図4(b)に示すように、リフタ板53をフレーム部材52に被せるようにセットするものであり、この際、リフタ板53のボルト取付孔531を、チャンネル材522に仮止めしたボルト11(ネジ先端)に合致させるように、リフタ板53をセッティングする(セットした状態)。なお、このようなセッティングを行うにあたり、ドラム本体51の周方向や軸方向に、既にリフタ板53がセットされている場合には、そのセット済みのリフタ板53に端縁を重ねるようにして、または、セット済みのリフタ板53(端縁)の下に、こ
れからセットするリフタ板53の端縁を差し込むようにして、重ね合わせ部533を調整しながら当該セッティングを行う。
【0042】
(3)〔ボルトの突出工程〕
次いで、一例として
図4(c)に示すように、ドラム本体51の内側からボルト11の捻じ込み操作部111に治具2を嵌めて回し、ボルト11の捻じ込み操作部111(軸部113)をリフタ板53よりも突出させる(せり出させる)。
【0043】
(4)〔ナットの締め付け工程〕
その後、一例として
図4(d)に示すように、リフタ板53よりも突出させたボルト11の軸部113にナット12を捻じ込んで締結し、リフタ板53をフレーム部材52(ここではチャンネル材522)に固定する。なお、ナット12の捻じ込みには、スパナやレンチなど適宜の工具が使用される。また、このようなナット12の締め付けに合わせて、適宜、座金13を設けるものである。なお、座金13は、適宜の厚さのものを用いることにより、ネジ先端の突出寸法を1〜1.5mmに設定することができ、これはドラム本体51内で作業者がメンテナンス作業等を行う場合に衣服を引っ掛け難くするためである。
【0044】
次に、リフタ板53の取り外し方について説明する。
リフタ板53をフレーム部材52から取り外すには、基本的に上記説明(
図4)と逆の手順で行うものである。すなわち、リフタ板53をフレーム部材52から取り外すには、以下のような工程を経て行う。
〈1〉〔ナットの取り外し工程〕
まずナット12をボルト11から取り外すものであり、この際、スパナやレンチなど適宜の工具をナット12に嵌め、緩み方向に回転させて、ナット12をボルト11から取り外すものである。もちろん、この際、座金13が設けられていれば、この座金13も一緒に取り外すものである。
【0045】
〈2〉〔ボルトの後退工程〕
次いで、ドラム本体51の内側からボルト11の捻じ込み操作部111に治具2を嵌めて回し、ボルト11(軸部113)のネジ先端をドラム内側から後退(退去)させる。この際、その後に行うリフタ板53のスライドにおいて(ドラム本体51の軸方向に引っ張ってずらす工程であり、後述するリフタ板の取り外し工程)、ボルト11のネジ先端がリフタ板53に引っ掛からない程度に、ボルト11を後退させることが望ましい。具体的にはボルト11のネジ先端を、フレーム部材52(チャンネル材522)におけるリフタ板53の取り付け面とほぼ同じ高さになるようにし、ボルト11のネジ先端がリフタ板53よりも潜り込んだ状態となることが好ましい。
なお、ここでは捻じ込み操作部111が、上記
図3(a)・
図3(b)−(i),(ii)に示すように、ネジ先端部(先端面)よりも軸部113の内部に穴や溝状として形成されたもの(凹陥構造)について説明しており、上記
図3(b)−(iii) に示すように、捻じ込み操作部111が、ネジ先端部よりも突出した突起として形成されたボルト11である場合には(凸構造)、この突起がフレーム部材52の前記取り付け面よりも突出しないように後退させることになる。もちろん、リフタ板53の取り外しに支障がない限りにおいて、捻じ込み操作部111がフレーム部材52の前記取り付け面よりも幾らか突出しても構わない。
【0046】
〈3〉〔リフタ板の取り外し工程〕
その後、リフタ板53をフレーム部材52(チャンネル材522)から剥がすように除去する。この際、本実施例では、リフタ板53の端縁が、前後周辺のリフタ板53と重ね合わせられているため、通常は、取り外し対象のリフタ板53を、軸方向にスライドさせるように引っ張って、前後周辺のリフタ板53との重ね合わせを解消しながら、リフタ板53を除去する。もちろん、リフタ板53をフレーム部材52の上方に引き上げて、取り外すことができる場合には、そのままリフタ板53を引き上げれば良い。
以上はチャンネル材522に関してのボルト11の仮止め工程からリフタ板53の取り外し工程を説明したものであるが、リフタ取付枠525に関してのボルト11の仮止め工程からリフタ板53の取り外し工程も同様の作業で進められるものである。
【0047】
なお、リフタ板53を取り外すにあたっては、上述したように、ボルト11をドラム内側から後退させる場合にも治具2を用いるものであるが、このとき一例として
図3(c)−(i) に示すように、治具2によってはボルト11を緩め過ぎると(回し過ぎると)、ボルト11がフレーム部材52(チャンネル材522)から外れてしまう(抜け落ちしてしまう)ことが考えられる。
このため治具2には、一例として
図3(c)−(ii)に示すように、ボルト11のネジ先端の突出量(フレーム部材52からドラム内側への突出寸法)がほぼ0になった際に、リフタ板53に当接し、治具2の回転を停止させる当たり面221を形成することが好ましい。
【0048】
また、本実施例では、例えば上記
図4(d)に示したように、ドラム本体51の内側にナット12が取り付けられるため、例えばナット12がボルト11から抜け落ち、被処理物Wに混入する異物混入(コンタミ)が懸念されるが、これについては一例として
図1(d)に併せ示すように、ナット12を二重にして施用するダブルナット構成、更に好ましくは本図において図示しているクサビの原理を利用した緩み止めナット(いわゆるハードロックナット(登録商標))を適用することが望ましい。
また、ドラム本体51の内側にナット12が取り付けられるため、ボルト11のネジ先端がナット11を貫通してドラム内側に突出し(飛び出し)、例えば作業者がドラム本体51内でメンテナンス作業等を行う場合に衣服を引っ掛けてしまうことが懸念される。これについては上述したように、ナット12の締め付けに合わせて適宜の厚さの座金13を設け、ネジ先端の突出寸法を1〜1.5mmになるように調整することが望ましい(この寸法であれば、作業者はボルト11に衣服を引っ掛け難くなる)。
【0049】
またボルト11の捻じ込み操作部111が、一例として
図3(a)・
図3(b)−(i),(ii)に示すように、穴や溝状の凹陥部として形成された場合、ここに被処理材Wが溜まることが考えられ、ここに溜まった古い被処理物Wが新たな被処理物Wを汚染・汚損してしまうことが懸念される(コンタミ)。これについては、例えばナット12を袋ナットとし、ネジ先端の捻じ込み操作部111(凹陥部)をカバーしてしまうことが望ましい。より望ましくは、ダブルナット構造の、捻じ込み操作部111側のナット12に袋ナットを採用し、更にこのダブルナット構造がクサビの原理を利用した緩み止めナットタイプである構造である。
また、捻じ込み操作部111が凹陥部として形成された場合の上記コンタミに対しては、一例として
図3(b)−(iii) ・
図5(a)に示すように、捻じ込み操作部111をボルト11(軸部113)の先端から突出させて形成することが望ましい。とりわけ上記
図5(a)に示すように、軸部113と捻じ込み操作部111との境界部分(肩部111s)をテーパ状に形成すれば、当該部分にも被処理物Wを溜まり難くすることができ、より望ましい構造と言える。
更に、上記
図5(a)に併せ示すように、捻じ込み操作部111を、平面から視て中央部がやや括れるように形成した場合には、一例として
図5(b)に示すように、治具2の作用部21も捻じ込み操作部111に応じた形状となり、作用部21を捻じ込み操作部111により強固に嵌合させることができる。なお、図中符号111nが、捻じ込み操作部111に形成された括れである。
【0050】
次にリフタ板53の交換態様について説明する。
本実施例では、リフタ板53は、上述したように前後周辺のものと重なり合って固定されているため、従来は、例えば経年使用によって一個所だけ傷んだ場合、そのリフタ板53を一枚だけ交換するにも困難であったが、本発明ではこのような交換が格段に効率良く行える。すなわち、フレーム部材52に固定されていたリフタ板53を取り外すには、上述したようにボルト11をドラム本体51の内側から引っ込める(退去させる)ものであり、これによってリフタ板53をドラム本体51の軸方向にスライドさせて取り外すことができ、作業時間の短縮が達成できる。
また本発明では、リフタ板53の交換作業を行う際、ボルト11のドラム内側への出っ張り(突出)寸法をほぼ0にした状態で行えるため、リフタ板53を撓めることにより取り外す必要がなく、スライドさせるだけで交換することができる。
またボルト11をドラム内側から引っ込めた状態でリフタ板53の交換が行えることから、リフタ板53のボルト取付孔531を、一般的なキリ孔の口径で形成することができ(長孔や大口径のキリ孔にする必要がなくなり)、座金13を設ける場合であっても、通常の小型の座金13で対応できるものである。
【0051】
また、上述したネジ組立構造は、前記回転型通気乾燥機D以外にも適用可能であり、以下、この形態について説明するが、これは本発明に関連する参考例である。この場合、ネジ組立構造によってフレーム部材52に固定される板材としては、上記のようなリフタ板53ではなく、例えば表面がフラットな板材を適用することができる。ここで、このような板材を、本明細書では「被覆板」と称し、リフタ板53と同じ符号「53」を付す。
具体的には、例えば
図7に示すように、フレーム部材52に被覆板53を張設して行く場合(住宅建築時等に外壁材を下見板張り(鎧張り)して行くようなイメージ)等にも上述したネジ組立構造を適用することができる。
もちろん、被覆板53は、必ずしも複数枚を重ね合わせるように張設して行く必要もなく、例えば被覆板53を一枚だけフレーム部材52に固定することもでき、このような場合にも上述したネジ組立構造が適用できる。因みに、本明細書に記載する「リフタ板の取り付け方向」とは、ドラム本体51の内側に相当する。