【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年9月3日東京ビッグサイトにおいて開催された第78回東京インターナショナル・ギフト・ショー 秋2014で発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のブロックは、前記本体の正面視における前記本体の背面の中央に対する左方を支持する左ブロック、および、前記本体の正面視における前記本体の背面の中央に対する右方を支持する右ブロックをさらに含む
請求項1に記載の枕。
前記複数のブロックは、前記複数のブロックの全部が前記体支持部と前記本体の背面との間に配置される使用形態では、前記本体の背面の外形に対応する外形を有する板を構成する
請求項1または2に記載の枕。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
図1に示されるとおり、枕1は、頭が載せられる載置面10Aが正面側に膨らんだ2つの山部分を備える円形状の本体10、および、載置面10Aの高さを調節可能な調節部30を備える。本体10は生地および生地により覆われたクッションにより構成される。生地の一例は備長炭をシート化した炭シートである。クッションは例えば低反発の素材により構成される。
【0013】
本体10は、2つの山部分の一方である第1の山部分11、2つの山部分の他方である第2の山部分12、および、第1の山部分11と第2の山部分12との間に形成される中間部分13により一体的に構成される。第1の山部分11は、枕1の正面視における左右方向において中間部分13の右側に形成される。第2の山部分12は、枕1の正面視における左右方向において中間部分13の左側に形成される。第1の山部分11および第2の山部分12は、枕1の正面視における左右方向の中心線に対して線対称の関係を有する。
【0014】
中間部分13は、枕1の正面視における上下方向において上側に形成される上部分13A、枕1の正面視における上下方向において下側に形成される下部分13B、および、上部分13Aと下部分13Bとの間に形成される中央部分13Cにより一体的に構成される。中央部分13Cは本体10の中央に位置する。中間部分13は、上部分13Aから中央部分13Cにかけて載置面10Aが緩やかに高くなり、中央部分13Cから下部分13Bにかけて載置面10Aが緩やかに低くなっている。
【0015】
図2に示されるとおり、第1の山部分11の頂上および第2の山部分12の頂上における載置面10Aは、中央部分13Cの載置面10Aよりも正面側に膨らんでいる。各山部分11、12および中央部分13Cにおける載置面10Aの高低差の関係は、枕1を使用するユーザー100(
図6参照)の一般的な首の形状にフィットするように設定される。
【0016】
図3に示されるとおり、中間部分13における上部分13Aが下部分13Bよりも厚みを有する。すなわち、上部分13Aにおける載置面10Aの高さが下部分13Bにおける載置面10Aの高さよりも高い。上部分13Aおよび下部分13Bにおける載置面10Aの高さの関係は、就寝時においてユーザー100(
図6参照)が心地良いと感じる一般的な姿勢に基づいて設定される。
【0017】
図1に示されるとおり、調節部30は、本体10の背面に対して着脱可能な複数のブロックにより構成される。複数のブロックは例えば弾性を有するスポンジである。複数のブロックは、本体10の背面において互いに異なる部分に取り付けられる右ブロック31、左ブロック32、上ブロック33、下ブロック34、および、中央ブロック35を含む。各ブロック31〜35は互いに同じ厚さを有し、その厚さの一例は2cmである。
【0018】
中央ブロック35は円形状であり、本体10の背面の中央に配置される。すなわち、中央ブロック35は中央部分13Cの背面に取り付けられる。中央ブロック35には、面ファスナーの一方であるフック35Aが2箇所に取り付けられている。2つのフック35Aは中央ブロック35上において所定の間隔を空けて配置される。
【0019】
右ブロック31および左ブロック32は、本体10および中央ブロック35の周囲に沿って湾曲した形状であり、枕1の正面視における左右方向において中央ブロック35を挟むように配置される。なお、右ブロック31および左ブロック32は実質的に同じ形状を有する。
【0020】
右ブロック31は第1の山部分11の背面に取り付けられる。右ブロック31には、面ファスナーの一方であるフック31Aが2箇所に取り付けられている。2つのフック31Aは右ブロック31上において所定の間隔を空けて配置される。左ブロック32は第2の山部分12の背面に取り付けられる。左ブロック32には、面ファスナーの一方であるフック32Aが2箇所に取り付けられている。2つのフック32Aは左ブロック32上において所定の間隔を空けて配置される。
【0021】
上ブロック33および下ブロック34は、本体10および中央ブロック35の周囲に沿って湾曲した形状であり、枕1の正面視における上下方向において中央ブロック35を挟むように配置される。なお、上ブロック33および下ブロック34は実質的に同じ形状を有する。
【0022】
上ブロック33は上部分13Aの背面に取り付けられる。上ブロック33には、面ファスナーの一方であるフック33Aが2箇所に取り付けられている。2つのフック33Aは上ブロック33上において所定の間隔を空けて配置される。下ブロック34は下部分13Bの背面に取り付けられる。下ブロック34には、面ファスナーの一方であるフック34Aが2箇所に取り付けられている。2つのフック34Aは下ブロック34上において所定の間隔を空けて配置される。
【0023】
上ブロック33および下ブロック34の長手方向における一方の端部の形状は、右ブロック31および左ブロック32の長手方向における一方の端部の形状に沿うような形状である。また、上ブロック33および下ブロック34の長手方向における他方の端部の形状は、右ブロック31および左ブロック32の長手方向における他方の端部の形状に沿うような形状である。
【0024】
各ブロック31〜35が本体10の背面に対して着脱されることにより、本体10の載置面10Aの高さが調節される。各ブロック31〜35の全部が本体10に取り付けられた場合、各ブロック31〜35は1枚の板のような形状を形成する。この場合、各ブロック31〜35間には実質的に隙間が形成されない。
【0025】
図4に示されるとおり、枕1は、開閉可能なファスナー21を有し、各ブロック31〜35を覆うカバー20をさらに備える。カバー20は本体10の背面に形成される。ファスナー21が開放されることにより、各ブロック31〜35が本体10の背面に対して着脱可能になる。ファスナー21が閉鎖されることにより、本体10の背面に取り付けられた各ブロック31〜35がカバー20により覆われる。
【0026】
図5は、カバー20が省略され、各ブロック31〜35の全部が取り付けられていない状態における本体10の背面を示す。
本体10の背面には、クッションを出し入れするために開閉されるファスナー14が形成され、面ファスナーの他方であるループ15が複数個所に取り付けられている。複数のループ15は各ブロック31〜35(
図1参照)に取り付けられる各フック31A〜35A(
図1参照)と対応している。このため、各フック31A〜35Aが対応するループ15と結合されることにより、各ブロック31〜35が本体10の背面に取り付けられる。なお、本体10の背面上における複数のループ15の配置は、各ブロック31〜35上における各フック31A〜35Aの配置により決められる。
【0027】
図6〜
図19を参照して、枕1の作用について説明する。
枕1によれば、ユーザー100により例えば次のように使用される。まず、各ブロック31〜35が本体10の背面に対して着脱されることにより、例えば
図7〜
図19に示されるいずれかの枕1の使用形態が形成される。
図7〜
図19に示される枕1の各使用形態は、ユーザー100に提供する使用感が互いに異なる。次に、
図6に示されるとおり、本体10の載置面10Aに例えば後頭部が載せられる。このとき、第1の山部分11と第2の山部分12との間に首がフィットするように後頭部が載置面10Aに載せられる。こうして、枕1がユーザー100により使用される。
【0028】
枕1によれば、例えば次の使用形態のように各ブロック31〜35が本体10の背面に対して着脱されることにより、多様な効果をユーザー100に提供できる。
図7に示される第1の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられる。ユーザー100(
図6参照)が第1の使用形態により枕1を使用する場合、各ブロック31〜35の全部が本体10に取り付けられていない場合と比較して、載置面10A(
図6参照)の高さが均一に高くなる。
【0029】
また、第1の使用形態によれば、載置面10Aの高さが均一に変化するため、本体10の形状等により得られる以下の効果が得られる。枕1によれば、各山部分11、12(
図1参照)および中央部分13C(
図1参照)により首が持ち上げられる。このため、首の前側部分が伸び、その部分にしわが形成されにくい。
【0030】
図8に示される第2の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられた状態から中央ブロック35だけが取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第2の使用形態により枕1を使用する場合、後頭部が本体10に沈み込む。このため、ユーザー100が就寝しているときに頭が本体10に対して動きにくい。
【0031】
図9に示される第3の使用形態では、各ブロック31〜35のうちの上ブロック33および下ブロック34が本体10の背面に取り付けられる。ユーザー100(
図6参照)が第3の使用形態により枕1を使用する場合、後頭部が本体10に沈み込み、後頭部の側部が圧迫感を覚えにくい。このため、後頭部が安定しやすく、かつ、寝返りが打ちやすい。
【0032】
図10に示される第4の使用形態では、各ブロック31〜35のうちの右ブロック31および左ブロック32が本体10の背面に取り付けられる。ユーザー100(
図6参照)が第4の使用形態により枕1を使用する場合、後頭部が本体10に沈み込み、各山部分11、12(
図6参照)により後頭部の側部が包み込まれる。このため、枕1に対する頭のフィット感が得られやすい。なお、第4の使用形態によれば、後頭部の側部が載置面10A(
図6参照)に載せられる場合にも適している。
【0033】
図11に示される第5の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられた状態から右ブロック31および左ブロック32が取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第5の使用形態により枕1を使用する場合、後頭部の側部が圧迫感を覚えにくい。このため、寝返りが打ちやすい。
【0034】
図12に示される第6の使用形態では、各ブロック31〜35のうちの中央ブロック35だけが取り付けられる。ユーザー100(
図6参照)が第6の使用形態により枕1を使用する場合、本体10から圧迫感が与えられにくい。このため、就寝時において載置面10A(
図6参照)に載せられる頭の部位を変更しやすい。
【0035】
図13に示される第7の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられた状態から上ブロック33だけが取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第7の使用形態により枕1を使用する場合、顎が上がりやすい。このため、首の前側部分が伸び、その部分にしわが形成されにくい。
【0036】
図14に示される第8の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられた状態から上ブロック33および中央ブロック35が取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第8の使用形態により枕1を使用する場合、後頭部が本体10に沈み込むことにより、
図13に示される第7の使用形態よりも顎が上がりやすい。このため、首の前側部分が伸び、その部分にしわが一層形成されにくい。
【0037】
図15に示される第9の使用形態では、各ブロック31〜35のうちの下ブロック34および中央ブロック35が本体10の背面に取り付けられる。ユーザー100(
図6参照)が第9の使用形態により枕1を使用する場合、顎が上がりやすく、後頭部の側部が圧迫感を覚えにくい。このため、首の前側部分が伸び、その部分にしわが形成されにくく、かつ、寝返りが打ちやすい。
【0038】
図16に示される第10の使用形態では、各ブロック31〜35のうちの下ブロック34だけが取り付けられる。ユーザー100(
図6参照)が第10の使用形態により枕1を使用する場合、顎が上がりやすく、本体10から圧迫感が与えられにくい。このため、首の前側部分が伸び、その部分にしわが形成されにくく、かつ、就寝時において載置面10A(
図6参照)に載せられる頭の部位を変更しやすい。
【0039】
図17に示される第11の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられた状態から下ブロック34だけが取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第11の使用形態により枕1を使用する場合、顎が下がりやすい。このため、首筋が伸びやすい。
【0040】
図18に示される第12の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面に取り付けられた状態から下ブロック34および中央ブロック35が取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第12の使用形態により枕1を使用する場合、後頭部が本体10に沈み込むことにより、
図17に示される第11の使用形態よりも顎が下がりやすい。このため、首筋が一層伸びやすい。
【0041】
図19に示される第13の使用形態では、各ブロック31〜35の全部が本体10の背面から取り外される。ユーザー100(
図6参照)が第13の使用形態により枕1を使用する場合、
図7に示される第1の使用形態と比較して、載置面10A(
図6参照)の高さが均一に低くなる。このため、実質的に載置面10Aの高さだけが異なる2種類の使用形態をユーザー100に提供できる。
【0042】
以上のように、
図7〜
図19に示されるいずれかの枕1の使用形態が形成され、その後に
図6に示されるとおり枕1がユーザー100により使用される。
また、枕1が使用されることにより、例えば各ブロック31〜35のうちの少なくとも1つのブロックが本体10に取り付けられていることによりユーザー100が圧迫感を覚えた場合、圧迫感を覚えた部分に取り付けられているブロックが取り外される。すなわち、ユーザー100により枕1の使用形態が適宜変更される。このため、1回または複数回にわたって枕1の使用形態が変更されることにより、ユーザー100に応じた枕1の使用形態が決定される。
【0043】
実施の形態の枕1によれば、さらに以下の効果が得られる。
(1)枕1によれば、ユーザー100が覚える圧迫感により枕1の使用形態が変更される。このため、ユーザー100が圧迫感を覚えない、または、圧迫感を覚えにくい状態で枕1が使用され、心地良い使用感がユーザー100に提供される。
【0044】
(2)枕1によれば、クッションを出し入れするために開閉されるファスナー14が本体10の背面に形成されているため、本体10を構成する生地とクッションとを分離することができる。このため、生地とクッションとを個別に交換および洗濯できる。
【0045】
(3)枕1は、開閉可能なファスナー21を有し、各ブロック31〜35を覆うカバー20を備える。このため、ファスナー21が閉鎖されることにより本体10の背面に取り付けられた各ブロック31〜35が外観に露出しない。このため、枕1の意匠性が向上する。
【0046】
(変形例)
実施の形態に関する説明は本発明に従う枕が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う枕は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0047】
・各ブロック31〜35が本体10の背面に対して着脱されることにより形成される枕1の使用形態は第1〜第13の使用形態に限られない。枕1の使用形態は各ブロック31〜35の組合せにより任意に形成される。
【0048】
・各ブロック31〜35の形状は任意の選択事項である。一例によれば、各ブロック31〜35の形状は正方形状または長方形状である。
・各ブロック31〜35の厚さは任意の選択事項である。一例によれば、各ブロック31〜35の厚さは2cm未満または2cmよりも厚い。
【0049】
・各ブロック31〜35を構成する材料は任意の選択事項である。一例によれば、各ブロック31〜35は樹脂である。
・各ブロック31〜35に取り付けられるフック31A〜35Aの数は任意の選択事項である。変形例の各ブロック31〜35には、1つまたは3つ以上のフック31A〜35Aが取り付けられる。この変形例によれば、本体10の背面に取り付けられるループ15の数もフック31A〜35Aの数と同様に変更される。
【0050】
・各ブロック31〜35に取り付けられるフック31A〜35Aと本体10の背面に取り付けられるループ15との関係は任意の選択事項である。一例によれば、各ブロック31〜35にループが取り付けられ、本体10の背面にフックが取り付けられる。
【0051】
・各ブロック31〜35を本体10の背面に取り付ける構造は面ファスナーに限られない。一例によれば、スナップボタンの一方が各ブロック31〜35に取り付けられる。この場合、スナップボタンの他方が本体10の背面に取り付けられる。
【0052】
・各ブロック31〜35の全部が本体10に取り付けられた状態において、各ブロック31〜35間に隙間が形成されるか否かは任意の選択事項である。一例によれば、各ブロック31〜35の全部が本体10に取り付けられた状態において、各ブロック31〜35間に隙間が形成される。
【0053】
・調節部30を構成する複数のブロックの数は任意の選択事項である。変形例の調節部30は2つ、3つ、4つ、または、6つ以上のブロックにより構成される。この変形例によれば、ブロックの形状を変更してもよく、2つ以上のブロックを重ねて本体10の背面に取り付けてもよい。
【0054】
・本体10がファスナー14を備えるか否かは任意の選択事項である。変形例の本体10によれば、ファスナー14が省略された構成を取り得る。
・本体10の形状は任意の選択事項である。変形例の本体によれば、円形状に代えて長方形状である。この変形例によれば、各ブロック31〜35の形状を本体の形状に沿うように変更してもよい。
【0055】
・本体10を構成する生地の素材は任意の選択事項である。一例によれば、不織布により本体10の生地が形成される。
・変形例の本体10によれば、生地に覆われたクッションに代えて、生地に覆われた羽毛、または、生地に覆われたビーズにより構成される。
【0056】
・枕1がカバー20を備えるか否かは任意の選択事項である。変形例の枕1によれば、カバー20が省略された構成を取り得る。
・変形例の枕1によれば、本体10に代えて別の本体を備える。別の本体は、その背面に各ブロック31〜35の取り付けが可能な構造であればよく、その形状の一例は円柱または直方体である。この変形例によれば、各ブロック31〜35の形状を別の本体の形状に沿うように変更してもよい。