(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実装形態では、モバイルデバイスによる多方向コンテンツの取得を容易にするための、コンピュータにより実施される方法が提示される。本方法は、コンテンツ取得準備段階中にモバイルデバイスの現在位置を識別するステップを含む。本方法はまた、モバイルデバイスの現在位置が第1の位置に対応するのか、それとも第2の位置に対応するのかを判定するステップを含む。第1の位置は、第2の位置に比べてコンテンツを取得するのに好ましい位置である。本方法は、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置に対応するとき、モバイルデバイスによって、モバイルデバイスを第1の位置に動かすようにモバイルデバイスのユーザに指示するプロンプトを供給するステップをさらに含む。本方法は、モバイルデバイスの現在位置が第1の位置に対応するとき、プロンプトを供給するのを控えるステップを含む。
【0004】
別の実装形態では、方法は、コンテンツの取得を自動的に開始するステップを含む。コンテンツとは、音声、映像、または画像の少なくとも1つである。さらなる実装形態では、方法は、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置に対応するとき、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力が阻止されるようにするステップを含む。
【0005】
さらに別の実装形態では、本方法は、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置から第1の位置へと変更されたことを識別するステップと、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力が阻止解除されるようにするステップとを含む。
【0006】
諸態様では、モバイルデバイスの現在位置の変更は、第2の位置から第1の位置への回転である。
【0007】
さらなる実装形態では、モバイルデバイスの現在位が変更されたことを識別する際、本方法は、モバイルデバイスのコンテンツ取得構成要素を用いて、モバイルデバイスの現在位置の基準点を識別するステップと、モバイルデバイスのコンテンツ取得構成要素を用いて、基準点を監視するステップと、基準点からの偏位を識別するステップとを含む。
【0008】
別の実装形態では、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置から第1の位置へと変更されたことを識別する際、本方法は、モバイルデバイスの現在位置の変化率を検出するステップと、その変化率が閾値を上回るとき、事前に規定されたコンテンツ取得特性を修正するステップとを含む。
【0009】
さらなる実装形態では、本方法は、第2の位置にあるモバイルデバイスによってコンテンツが取得されると、コンテンツの縦横比を修正するステップをさらに含む。
【0010】
いくつかの実装形態では、装置は、コンテンツ取得準備段階中にモバイルデバイスの現在位置を識別するための手段を含む。この装置はまた、モバイルデバイスの現在位置が第1の位置に対応するのか、それとも第2の位置に対応するのかを判定するための手段を含む。第1の位置は、第2の位置に比べてコンテンツを取得するのに好ましい位置である。この装置は、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置に対応するとき、モバイルデバイスによって、モバイルデバイスを第1の位置に動かすようにモバイルデバイスのユーザに指示するプロンプトを供給するための手段をさらに含む。この装置はまた、モバイルデバイスの現在位置が第1の位置に対応するとき、プロンプトを供給するのを控えるための手段を含む。
【0011】
別の実装形態では、本装置は、コンテンツの取得を自動的に開始するための手段を含む。さらなる実装形態では、本装置は、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置に対応するとき、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力が阻止されるようにするための手段を含む。
【0012】
さらに別の実装形態では、本装置は、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置から第1の位置へと変更されたことを識別し、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力が阻止解除されるようにするための手段を含む。
【0013】
さらなる実装形態では、モバイルデバイスの現在位置が変更されたことを識別する際、本装置は、モバイルデバイスのコンテンツ取得構成要素を用いて、モバイルデバイスの現在位置の基準点を識別するための手段と、モバイルデバイスのコンテンツ取得構成要素を用いて、基準点を監視するための手段と、基準点からの偏位を識別するための手段とを含む。
【0014】
別の実装形態では、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置から第1の位置へと変更されたことを識別する際、本装置は、モバイルデバイスの現在位置の変化率を検出するための手段を含み、その変化率が閾値を上回るとき、本装置は、事前に規定されたコンテンツ取得特性を修正するための手段を含む。
【0015】
さらなる実装形態では、本装置は、第2の位置にあるモバイルデバイスによってコンテンツが取得されると、コンテンツの縦横比を修正するための手段を含む。
【0016】
追加の実装形態では、上述の動作を実施するためのコンピューティングデバイスがやはり実装される。さらに、いくつかの実装形態では、処理デバイスに上述の動作を実施させる命令を記憶させるコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0017】
本開示は、以下に示す詳細な説明、および添付の本開示の様々な実装形態の図面からより完全に理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書には、モバイルデバイスによる多方向コンテンツの取得を容易にするための機構が記載されている。多くの人々が、自身のモバイルデバイスを用いてコンテンツを取得している(たとえば、映像を記録する、音声を記録する、写真を撮影する)。モバイルデバイスは通常、縦長の配向(portrait orientation)(すなわち、長方形デバイスの短い方の辺が上下になる)で操作されるので、多くの人々が、自身のモバイルデバイスを縦長の配向に保持しながら、そのデバイスで映像を記録し、または写真を撮影する。しかし、通常の表示デバイス(たとえば、TV、コンピュータモニタなど)は横長の画面(landscape screens)を有し、すなわち長方形デバイスの長い方の辺が上下になることを意味する。縦長の映像を横長の画面で再生すると、映像コンテンツのない黒帯が、縦向き/縦長の映像コンテンツの左右で画面空間のかなりの量を占めることになる。これは、ときとして「縦向き映像症候群(vertical video syndrome)」と呼ばれている。
【0020】
さらに、従来のモバイルデバイスでは、コンテンツ取得プロセスの開始が遅くなることがあり、また、多くの操作がかかることがある。操作シーケンスの一例として、(1)モバイルデバイスの電源を入れる、(2)コンテンツ取得アプリケーションを見つける、(3)コンテンツ取得アプリケーションを開く、(4)1つまたは複数のメニューをナビゲートして記録モードを見つける、(5)ユーザのデバイス把持を調整する、(6)記録開始ボタンを見つける、(7)記録を開始することが含まれ得る。
【0021】
本開示の諸態様は、モバイルデバイスの現在位置がコンテンツの取得に好ましい位置でないとき、モバイルデバイスの現在位置を変更するようにユーザに促すことによって、従来のモバイルデバイスの上記の欠点に対処するものである。コンテンツとは、たとえば、音声、映像、画像などでよい。いくつかの実装形態では、モバイルデバイスは、モバイルデバイスのコンテンツ取得準備段階中にモバイルデバイスの現在位置を識別する。モバイルデバイスは、そのモバイルデバイスの現在位置がコンテンツの取得に好ましい位置に対応しているかを判定する。モバイルデバイスの現在位置が好ましい位置に対応しないとき、モバイルデバイスは、モバイルデバイスを好ましい位置に動かすようにモバイルデバイスのユーザに指示するプロンプトを供給する。モバイルデバイスの現在位置が好ましい位置に対応するとき、モバイルデバイスは、プロンプトを供給するのを控える。その結果、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力および機能性が向上する。
【0022】
以下の説明で、数多くの詳細について記載する。しかし、本開示は、これらの具体的な詳細なしでも実践できることが当業者には明白であろう。いくつかの事例では、本開示がわかりにくくなることを避けるために、周知の構造体およびデバイスについては詳細にではなく、ブロック図の形で示す。
【0023】
図1は、本開示のいくつかの態様に従ってコンテンツ取得能力が向上したモバイルデバイス101の一例を示す。モバイルデバイス101は、それだけに限られるものではないが、携帯電話、個人情報端末(PDA: personal digital assistant)、可搬式メディアプレーヤ、ネットブック、ラップトップコンピュータ、電子ブックリーダ、タブレットコンピュータなどの可搬式コンピューティングデバイスでよい。モバイルデバイス101は、モバイルデバイス101のハードウェアおよびソフトウェアを管理するオペレーティングシステム(OS: operating system)を実行することができる。モバイルデバイス101、OS、およびOS内のモジュールは、多方向コンテンツの取得を容易にするなど、様々な動作を実施することができる。モバイルデバイス101は、1つまたは複数の位置センサ103、デバイス位置マネージャ105、およびコンテンツ取得構成要素107(たとえば、電荷結合デバイス(CCD: charge coupled device)画像センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS: complementary metal oxide semiconductor)画像センサ、マイクロフォンなど)を含むことができる。あるいは、位置センサ103、デバイス位置マネージャ105、およびコンテンツ取得構成要素107のうちの1つまたは複数の機能を単一のモジュールに組み合わせても、追加のモジュールに分割してもよい。
【0024】
1つまたは複数の位置センサ103は、モバイルデバイス101の空間特性および動き特性を検出することができる。位置センサ103が検出することができる空間特性には、モバイルデバイス101の位置の空間特性が含まれる。一実装形態では、位置センサ103は、水平面からの角度を検出することによってデバイスの配向を検出する。たとえば、位置センサ103は、モバイルデバイス101が横長の向きにあるのか、それとも縦長の向きにあるのかを検出することができる。位置センサ103が検出することができる動き特性には、モバイルデバイス101の位置または配向が変化するときのモバイルデバイス101の運動、速度、および加速度が含まれる。一実装形態では、位置センサ103は、線速度および線加速度(たとえば、並進運動)、ならびに角速度および角加速度(たとえば、回転運動)を検出することができる。位置センサ103は、モバイルデバイス101の空間特性および動き特性を検出する加速度計および/またはジャイロスコープを含むことができる。ジャイロスコープは、角運動量の原理を用いて配向の変化(たとえば、ピッチ、ロール、およびねじれの変化)を検出する。加速度計は、1つまたは複数の軸に沿った加速度(たとえば、並進変化)を測定する。ジャイロスコープと加速度計とは、別個のセンサとしても、単一のセンサ103に組み合わせてもよい。一実装形態では、位置センサ103は、微小電子機械システム(MEMS: micro-electromechanical systems)センサである。
【0025】
一実装形態では、位置センサ103は、完全に処理された信号を、デバイス位置マネージャ105に出力する。これらの信号は、モバイルデバイス101の空間特性および動き特性に対応させることができる。たとえば、位置センサ103は、単一回線インターフェースまたは複数回線インターフェースを用いて、距離信号、検出/非検出信号などを出力することができる。同様に、位置センサ103はまた、加速値を(たとえば、Gで)出力することができる。別の実装形態では、位置センサ103は、たとえば位置データ(たとえば、モバイルデバイス101の配向)および/または動きデータ(たとえば、モバイルデバイス101の位置または配向の変化または変化率)を、最初に処理することなくデバイス位置マネージャ105に出力する。同様に、位置センサ103は、たとえばデバイス位置マネージャ105によって位置値または加速値として解釈することができる電圧値を出力することができる。
【0026】
デバイス位置マネージャ105は、モバイルデバイス101の空間特性を用いて、モバイルデバイス101に異なる機能を実施または省略させることができる。デバイス位置マネージャ105は、位置センサ103から受け取った空間データまたは信号を用いて、モバイルデバイスの動作(たとえば、コンテンツ取得構成要素107の動作)を制御または阻止することができる。
【0027】
デバイス位置マネージャ105は、位置センサ103から受け取ったデータまたは信号を解釈して、モバイルデバイス101の位置(たとえば、配向)を識別することができる。デバイス位置マネージャ105は、受け取った信号を用いて、モバイルデバイスがコンテンツを取得するのに好ましい位置にあるかを判定することができる。モバイルデバイス101が第1の位置(たとえば、第2の位置に比べてコンテンツを取得するのに好ましい位置)にあるとき、デバイス位置マネージャ105によって、コンテンツ取得構成要素107にコンテンツを取得させることができる(たとえば、映像を記録する、写真を撮影する、音声を記録するなど)。モバイルデバイスが第2の位置にあるとき、デバイス位置マネージャによって、コンテンツ取得構成要素107がコンテンツを取得するのを阻止することができる。たとえば、モバイルデバイス101が縦長の向きにあるときには、モバイルデバイス101のコンテンツ取得能力を阻止することができ、モバイルデバイス101が横長の向きにあるときには、モバイルデバイス101のコンテンツ取得能力を有効にすることができる。
【0028】
一実装形態では、モバイルデバイス101の検出位置に依存して、デバイス位置マネージャ105は、モバイルデバイス101を別の位置に動かすようにモバイルデバイス101のユーザに指示するプロンプトを供給することができる。たとえば、モバイルデバイス101が縦長の向きにあるとき、プロンプトによって、モバイルデバイス101を横長の向きに動かす、または回転させるようにユーザに指示することができる。
【0029】
加えて、デバイス位置マネージャ105はまた、位置センサ103から受け取った動きデータまたは信号を用いて、モバイルデバイス101の動き特性(たとえば、一方の位置からもう一方の位置への運動、線加速度および角加速度)を識別することができる。デバイス位置マネージャ105は、モバイルデバイス101の動き特性を用いて、モバイルデバイス101の機構または構成要素を有効にする、または阻止するなど、モバイルデバイス101に異なる機能を実施させることができる。たとえば、モバイルデバイス101を縦長の向きから横長の向きに回転させると、デバイス位置マネージャ105は、カメラ、マイクロフォンなどによってコンテンツの取得を自動的に開始することができる。これによって、ユーザは以下の2つの操作、すなわちモバイルデバイス101のコンテンツ取得アプリケーションを開く操作、およびモバイルデバイス101を縦長の配向から横長の配向に回転させてコンテンツの記録を開始する操作を行うことによって、コンテンツ取得開始操作の実施を高速化し、簡易化することができる。デバイス位置マネージャ105の機能の追加の例については、
図2を参照しながら説明する。
【0030】
デバイス位置マネージャ105は、デバイス位置マネージャ105が、位置センサ103から受け取った信号を解釈するのを可能とするセンサ回路(たとえば、センサデバイスドライバ)を含むことができる。デバイス位置マネージャ105は、センサ回路を用いて、受け取ったデータを処理および/または解釈することができる。多数の位置センサ103からデータを受け取った場合、データ処理には、データの平均化、データの最大値の識別、または他の形で多数のセンサからのデータを組み合わせることが含まれ得る。
【0031】
コンテンツ取得構成要素107は、コンテンツ(たとえば、映像、画像、音声)を取得する役割を担うことができ、たとえば、画像センサ、カメラ、ビデオカメラ、マイクロフォン、またはそれらの組合せでよい。
【0032】
一実装形態では、モバイルデバイス101のコンテンツ取得構成要素107(たとえば、画像センサ、カメラ)を用いて、モバイルデバイス101の空間特性および動き特性を検出することができ、別個の位置センサ103は必要でなくともよい。画像センサまたはカメラによって、モバイルデバイスの現在位置の基準点(たとえば、水平面)を識別し、その基準点からいかなる偏位もないか監視することができる。画像センサまたはカメラは、偏位を検出すると、デバイス位置マネージャ105に通知することができる。
【0033】
図2は、本開示の一実装形態によるデバイス位置マネージャ200のブロック図である。デバイス位置マネージャ200は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI: graphical user interface)205、位置検出器210、取得構成要素インターフェース215、およびコンテンツエディタ220を含むことができる。代替実装形態では、GUI205、位置検出器210、取得構成要素インターフェース215、およびコンテンツエディタ220のうちの1つまたは複数の機能を組み合わせても、追加の構成要素に分割してもよい。
【0034】
GUI205は、ユーザがモバイルデバイス101と相互作用することを可能とするインターフェースでよく、モバイルアプリケーションによって実現することができる。ユーザは、GUI205によって提示された情報を見ることができ、GUI205を介して入力を行うことができる。GUI205は、テキスト、画像、またはアイコンを表示することができ、1つまたは複数のユーザインターフェースツールを含むことができる。本明細書で使用される場合、ユーザインターフェースツールという用語は、ユーザがコンピュータシステムに情報を入力することを可能とする単一のグラフィック機器またはグラフィック制御の組合せのいかなるものも指す。通常の従来のユーザインターフェースツールには、1つまたは複数のボタン、テキストボックス、スクロールバー、ピクチャ、スピンダイアル、リストボックス、検索ボックス、オプション選択などのための視覚出力が含まれる。
【0035】
GUI205は、映像を取得するなど、モバイルデバイスによるコンテンツ取得行為のためのインターフェースとなり得る。ユーザは、たとえば、記録ボタンと相互作用して、コンテンツ取得プロセスを開始することができる。GUI205はまた、モバイルデバイスの位置または配向に基づいて、モバイルデバイス101のユーザにプロンプトを供給することができる。このプロンプトは、たとえば、コンテンツ取得イベント時に、ユーザがこのプロンプトを無視または失念することがないようなときに、モバイルデバイス101をある位置から好ましい位置に動かすようにユーザに指示することができる。プロンプトは、視覚手段、可聴手段、またはそれらの組合せによって行うことができる。一実装形態では、モバイルデバイス101が好ましくない位置から好ましい位置に動かされると、GUI205は、プロンプトを供給するのを控えることができる。たとえば、モバイルデバイス101が縦長の配向にあるとき、GUI205は、モバイルデバイス101が実質的に横長の配向(たとえば、モバイルデバイスが横長の配向から10パーセントなどの閾値を上回って偏位しない位置)になる任意の方向にモバイルデバイスを動かすようにユーザに指示するプロンプトを供給することができる。モバイルデバイスが好ましい位置に動かされると、GUI205は、プロンプトを供給するのを控える、またはプロンプトが以前に供給されていた場合はプロンプトを供給するのを停止することができる。GUI205の追加の態様の例については、
図3(3A)および
図3(3B)を参照しながら後でより詳細に説明する。
【0036】
位置検出器210は、現在位置、およびその後のモバイルデバイス101の位置または配向の変化を判定することができる。モバイルデバイス101の現在位置を判定するために、位置検出器210は、1つまたは複数の位置センサ103から、モバイルデバイス101の空間特性および動き特性(たとえば、位置、配向、位置変化、速度、回転、加速度など)に対応する信号を受け取ることができる。一実装形態では、位置検出器210は、完全に処理された信号を位置センサ103から受け取る。別の実装形態では、位置検出器210は、未処理の、または部分的に処理された信号を位置センサ103から受け取り、次いでその信号を処理して、モバイルデバイス101の位置または配向を判定する。たとえば、位置検出器210は、モバイルデバイス101が縦長の向きにあるのか、それとも横長の向きにあるのかを判定することができる。位置検出器210はまた、一方の位置からもう一方の位置へと変更される間に生じるモバイルデバイス101の加速度を求めることができる。位置検出器210は、ユーザがモバイルデバイス101のコンテンツ取得アプリケーションを開いているときを含めて、モバイルデバイス101の現在位置をいつでも判定することができる。
【0037】
モバイルデバイス101の位置または配向が判定されると、位置検出器210は、デバイス位置マネージャ200の他の構成要素に、モバイルデバイス101の位置特性を知らせることができる。たとえば、位置検出器210は、GUI205にモバイルデバイス101の位置を知らせることができ、したがってGUI205は、その位置に基づいて、ユーザにプロンプトを表示することができる。別の例では、位置検出器210は、取得構成要素インターフェース215にモバイルデバイス101の位置を知らせる。
【0038】
取得構成要素インターフェース215は、モバイルデバイス101のコンテンツ取得構成要素107を制御することができる。コンテンツ取得構成要素107を制御するために、取得構成要素インターフェース215は、位置検出器210から受け取ったモバイルデバイス101の位置または動きに関する情報を使用することができる。モバイルデバイス101が第1の位置(たとえば、横長の向き)にある場合、取得構成要素インターフェース215は、コンテンツ取得構成要素107に信号を送ってコンテンツの取得(たとえば、映像を記録する、写真を撮影する、音声を記録するなど)を開始させることができる。同様に、モバイルデバイス101が第2の位置(たとえば、縦長の向き)にあるとき、取得構成要素インターフェース215は、モバイルデバイス101のコンテンツ取得能力が阻止されるようにすることができる。位置検出器210が、モバイルデバイス101の位置が第2の位置から第1の位置へと(たとえば、縦長の向きから横長の向きに)変更されたことを識別すると、取得構成要素インターフェース215によって、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力が阻止解除されるようにすることができる。一実装形態では、映像取得アプリケーションを開いたときにデバイスが横長の向きにある場合、このデバイスは、コンテンツ取得プロセスを自動的に開始する。
【0039】
一実装形態では、GUI205が、モバイルデバイス101がコンテンツを取得している間にそのモバイルデバイスの位置が変更されたことを示す指示を位置検出器210から受け取った場合、GUI205はユーザにプロンプトを供給することができる。このプロンプトは、モバイルデバイスを別の位置に動かすようにモバイルデバイスのユーザに指示することができる。さらに、取得構成要素インターフェース215が、モバイルデバイス101がコンテンツを取得している間にそのモバイルデバイスの位置が好ましい位置から遠ざかるように変更されたことを示す指示を位置検出器210から受け取った場合、取得構成要素インターフェース215は、モバイルデバイスがコンテンツをさらに取得するのを阻止することができる。
【0040】
一実装形態では、デバイス位置マネージャ200は、コンテンツエディタ220を含む。コンテンツエディタ220は、位置検出器210によって判定されたようなモバイルデバイス101の位置または配向に従って、コンテンツ(たとえば、映像、画像、音声)を修正することができる。デバイスがある位置にある間に取得されたコンテンツを、修正によって、そのコンテンツが異なる位置で取得されたように見えるように修正することができる。たとえば、横長が所望のコンテンツ取得配向である場合、コンテンツエディタ220は、モバイルデバイス101が縦長の配向にあるときに取得した映像を修正することができる。この例では、コンテンツエディタ220は、映像の縦横比を修正することができ、ここで縦横比とは、映像の高さと幅との間の比例関係である。縦長の配向にあるデバイスによって映像を取得した場合、本来の映像入力を所望の縦横比に切り取る(crop)ことができる。所望の縦横比には、たとえば4:3、16:9、1.85:1、2.39:1などが含まれる。
【0041】
デバイス位置マネージャ200は、配向ルール265を記憶しているデータストア260に通信可能に接続することができる。データストア260は、データを記憶することが可能な永続的記憶装置でよく、モバイルデバイス101の一部とすることができる。永続的記憶ユニットは、局所記憶ユニットでも、遠隔記憶ユニットでもよい。永続的記憶ユニットは、磁気記憶ユニット、光記憶ユニット、ソリッドステート記憶ユニット、電子記憶ユニット(主メモリ)、または類似の記憶ユニットでよい。永続的記憶ユニットは、モノリシックデバイスでも、分散型デバイスの組でもよい。本明細書で使用される場合、「組」とは、任意の正の整数の物品個数を指す。配向ルール265は、モバイルデバイスの現在の特性、またはモバイルデバイスによって取得されているコンテンツに応答して、どの行為を行うべきかを規定している。たとえば、配向ルール265は、モバイルデバイス101のある位置に応答して、またはモバイルデバイス101の特定の運動に応答して、どの動作(たとえば、コンテンツの取得を許可または阻止する、プロンプトを供給する、プロンプトの供給を停止するなど)を実施すべきかを指定することができる。別の動作例として、あるデバイス位置または運動が識別されると、事前に規定されたコンテンツ取得特性を修正することがあり得る。事前に規定されたコンテンツ取得特性とは、たとえば、カメラ取得状態、フラッシュのオン/オフ、コンテンツ機構(たとえば赤目補正、画像または映像フィルタなど)の有効化/無効化、音声記録の開始/停止などでよい。たとえば、配向ルール265は、モバイルデバイスの現在位置の変化率が指定された閾値を超えたことを検出すると、取得構成要素インターフェースが、カメラの事前に規定されたコンテンツ取得特性を非取得状態から取得状態に修正すべきことを指定することができる。
【0042】
他の配向ルール265は、検出された特定の動きに依存して異なる動作を可能とする。これらの配向ルール265はまた、モバイルデバイスの検出された運動速度または加速度に依存して、異なる動作を規定することができる。たとえば、高速回転を一行為に対応させ、低速回転を別の行為に対応させることができる。別の例では、反時計回りに回転させると、モバイルデバイスは映像を記録する。回転させると、モバイルデバイスはフラッシュをオンにして映像を記録することができる。この動きによってまた、ケーブル、Wi-Fi、SMS、ブルートゥース(登録商標)、赤外線など、有線または無線接続を介して接続されたデバイスまたはモジュールを起動させることができる。
【0043】
配向ルール265はまた、デバイスの初期位置、または回転後の最終位置に基づいてある動作を求めることができる。たとえば、開始および終了位置にかかわらず、デバイスを合計で90度回転させた場合、モバイルデバイスは、指定された動作を実施しなければならない。別の例では、モバイルデバイスの最終位置が水平位置から90度である場合、モバイルデバイスは、第1の動作を実施しなければならず、モバイルデバイスの最終位置が水平位置から270度である場合、モバイルデバイスは、第2の動作を実施しなければならない、などである。あるいは、実施すべき動作は、運動の方向に依存させなければならない。たとえば、モバイルデバイスを時計回りに回転させると、モバイルデバイスは映像を記録し始めなければならず、モバイルデバイスを反時計回りに回転させると、モバイルデバイスは、映像の記録を停止しなければならない。
【0044】
配向ルール265をやはり用いて、コンテンツの再生を制御することができる。検出された運動を、異なる再生動作に対応させることができる。たとえば、配向ルール265は、回転が検出されると、映像または音声の再生を開始するかを指定することができる。同様に、配向ルール265は、回転が検出されると、コンテンツの再生を停止、早送り、巻戻し、または一時停止とするかを指定することができる。
【0045】
図3(3A)〜
図3(3C)は、様々な実装形態によるモバイルデバイス300のGUI301の例を示す。GUI301A、301B、301Cは、
図2を参照しながら説明したGUI205と同様のものでよい。モバイルデバイス300は、
図1を参照しながら説明したモバイルデバイス101と同じ、または同様のものでよい。
【0046】
図3(3A)は、一実装形態に従ってコンテンツを取得するためのGUI301Aの一例を示す。GUI301Aは、回転プロンプト305を表示している。回転プロンプト305は、モバイルデバイス300を異なる位置に動かして、または回転させて映像の取得を開始するようにユーザに指示するテキスト、画像、またはアイコンを含むことができる。たとえば、ユーザが、記録の開始後、横長の配向から縦長の配向にデバイスを回転させて戻した場合、デバイスを横長の配向に回転させて戻すアイコンおよび/またはテキストリマインダ305がGUI301Aに現れることになる。一実装形態では、デバイスが実質的に水平でない(たとえば、デバイスが横長の配向から、10パーセントなどの閾値を超えて偏位する)ように位置決めされた場合、映像の記録は停止する。
【0047】
一実装形態では、GUI301Aは、ユーザがコンテンツ取得の記録と、停止とでトグル切換えする記録ボタン307を含む。記録ボタン307は、モバイルデバイスの位置に依存して、記録が可能であるか、それとも可能でないかを視覚的にユーザに示すことができる。たとえば、記録ボタン307は、モバイルデバイス300が縦長の向きにあるときには「グレーアウト(grey out)」して、現在のモバイルデバイス位置では記録が可能でないことをユーザに示すことができる。GUI301Aは、
図3(3C)に示すように、ユーザが起動させると、GUI301Aに設定メニューを提示させる設定メニューボタン325を含むことができる。
【0048】
図3(3B)は、別の実装形態に従ってコンテンツを取得するためのGUI301Bの一例を示す。GUI301Bは、回転インジケータまたはプロンプト305と、記録ボタン307とを備えた、無駄のない(minimalistic)代替設計である。ユーザがモバイルデバイスの画面に触れると、GUI301Bによってメニュー設定ボタン(図示せず)を表示することができる。
【0049】
図3(3C)は、一実装形態に従ってコンテンツを取得するためのメニュー設定GUI301Cの一例を示す。GUI301Cは、1つまたは複数の取得設定320A〜Nを提示することができる。取得設定320A〜Nを用いてユーザからの入力を受け取って、様々な機構を有効または無効にすることができる。これらの様々な機構によって、デバイス位置マネージャ200の機能の全てまたは一部を有効にすることができる。一実装形態では、取得設定320A〜Nによって受け取られたユーザ入力によって、1つまたは複数の配向ルール265を規定する。たとえば、取得設定320Aを用いて、ユーザは、モバイルデバイス300が縦長の向きにあるときにはモバイルデバイス300によるコンテンツの取得を阻止するように要請することができる。別の例では、取得設定320Bは、モバイルデバイス300が横長の配向にない場合に回転プロンプト305の表示を行う。さらなる例では、ユーザは、モバイルデバイス300が横長の配向にあるとき(たとえば、モバイルデバイスを横長の向きに回転させたとき、デバイスがすでに横長の配向にあり、かつ映像取得アプリケーションが開いているときなど)に、モバイルデバイス300が映像の記録を自動的に開始するように要請することができる。別の取得設定320では、デバイスが縦長の向きに回転されると、映像の記録の停止を行うことができる。さらなる設定320によって、ユーザが、サーバにアップロードされるコンテンツの品質設定(たとえばHD映像)を示すことが可能となる。別の設定320では、映像がWi-Fiに接続されると、その映像がサーバにアップロードされるようにすることができる。さらに別の取得設定320では、回転プロンプト305を有効または無効にすることができる。さらに追加の取得設定320A〜Nが企図され、上記の例は本開示を限定するものではない。取得設定320A〜Nは、相互に排他的ではなく、個々に、またはグループとしてトグル切換えすることができる。
【0050】
図4は、コンテンツの取得を開始するための方法の一実装形態の流れ図である。説明を簡単にするために、本方法を一連の行為として描き、説明する。しかし、本開示による諸行為は、様々な順序で、かつ/または同時に行うことができ、本明細書に提示し、記載していない他の行為を伴うこともある。加えて、本開示の主題による方法を実施するために、例示した全ての行為が必要であるとは限らない。さらに、本方法は、あるいは状態図またはイベントによって相互に関係する一連の状態として表示することもできることが当業者には理解され、認識されよう。追加的に、本明細書に開示の方法は、そのような方法をコンピューティングデバイスに移送し、転送しやすいように、製品に記憶させておくことが可能であることを理解されたい。製品という用語は、本明細書で使用される場合、いかなるコンピュータ可読デバイスまたは記憶媒体からもアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。
【0051】
図4は、コンテンツの取得を開始するための方法400の一実装形態を示す流れ図である。方法400は、(たとえば、
図5のコンピューティングシステム500内の)処理論理回路によって実施することができ、この処理論理回路は、ハードウェア(たとえば、回路、専用論理回路、プログラマブル論理回路、マイクロコードなど)、ソフトウェア(処理デバイス上で実行される命令など)、ファームウェア、またはそれらの組合せを備えることができる。一実装形態では、方法400は、
図2のデバイス位置マネージャ200によって主に実施される。
【0052】
ブロック405で、処理論理回路が、コンテンツ取得準備段階中にモバイルデバイスの現在位置を識別する。コンテンツ取得準備段階とは、コンテンツ取得アプリケーション(たとえば、映像または音声レコーダ、カメラ)が開いているが、コンテンツを取得していない状態を指すことができる。ブロック410で、処理論理回路は、モバイルデバイスの現在位置が第1の位置に対応しているかを判定する。第1の位置は、第2の位置に比べてコンテンツを取得するのに好ましい位置であり、一実装形態では、第1の位置は、横長の配向でよい。モバイルデバイスが第1の位置にある場合、ブロック415で、処理論理回路は、(たとえば自動的に、またはユーザの要請に応じて)コンテンツの取得を開始することができ、モバイルデバイスのユーザにプロンプトを供給するのを控えることができる。
【0053】
ブロック410で、モバイルデバイスが第1の位置にない場合、ブロック420で、処理論理回路は、モバイルデバイスを第1の位置に動かすようにモバイルデバイスのユーザに指示するプロンプトを供給することができる。一実装形態では、プロンプトの供給後、またはプロンプトの供給と同時に、ブロック415で、処理論理回路は、コンテンツの取得を開始することができる。あるいは、プロンプトを供給することに加えて、処理論理回路は、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力が阻止されるようにすることもできる。ブロック425で、処理論理回路は、モバイルデバイスの位置が変更されたかを判定する。変更されていない場合、方法400は終了する。処理論理回路が、モバイルデバイスの現在位置が第2の位置から第1の位置へと変更(たとえば、回転)されたことを識別すると、処理論理回路は、モバイルデバイスのコンテンツ取得能力を阻止解除させる。次いで、ブロック415で、処理論理回路は、コンテンツの取得を開始することができる。
【0054】
一実装形態では、ブロック425で、処理論理回路がモバイルデバイスの現在位置が変更されたかを識別する際、処理論理回路は、モバイルデバイスのコンテンツ取得構成要素を用いて、モバイルデバイスの現在位置の基準点を識別する。処理論理回路は、モバイルデバイスの画像センサを用いて基準点を監視し、基準点からの偏位を識別する。
【0055】
図5は、コンピューティングシステム500のマシンを例示的な形で表示する図であり、このシステム内で、本明細書で論じた方法論の1つまたは複数の任意のものをマシンに実施させるための1組の命令を実行することができる。代替実装形態では、マシンを、ローカルエリアネットワーク(LAN: local area network)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットにある他のマシンに接続(たとえば、ネットワーク化)してもよい。マシンは、クライアントサーバネットワーク環境では、サーバまたはクライアントマシンの能力の範囲内で、またはピアツーピア(peer-to-peer)(または分散型)ネットワーク環境では、ピアマシンとして動作することができる。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC: personal computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB: set-top box)、個人情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブ機器、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって行われるべき行為を指定する1組の命令を(連続して、またはその他の形で)実行することが可能ないかなるマシンでもよい。さらに、単一のマシンしか例示していないが、「マシン」という用語はまた、本明細書で論じた方法論の1つまたは複数の任意のものを実施するための1組の(または多数組の)命令を個々に、または併せて実行するマシンのいかなる集合体も含むものとして理解されたい。
【0056】
コンピューティングシステム500の例には、処理デバイス502、主メモリ504(たとえば、読出し専用メモリ(ROM: read-only memory)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM: dynamic random access memory)(シンクロナスDRAM(SDRAM: synchronous DRAM)もしくはDRAM(RDRAM)など)、スタティックメモリ506(たとえば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM: static random access memory)など)、およびデータ記憶デバイス518が含まれ、これらはバス530を介して互いに通信している。
【0057】
処理デバイス502は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つまたは複数の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC: complex instruction set computing)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC: reduced instruction set computer)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW: very long instruction word)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実施するプロセッサ、もしくは命令セットの組合せを実施するプロセッサでよい。処理デバイス502はまた、特定用途向け集積回路(ASIC: application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA: field programmable gate array)、デジタル信号プロセッサ(DSP: digital signal processor)、ネットワークプロセッサなどの1つまたは複数の特定用途向けの処理デバイスでもよい。処理デバイス502は、本明細書で論じた動作および諸ステップを実施するようにデバイス位置マネージャ200を実行させるように構成することができる。
【0058】
コンピューティングシステム500は、ネットワークインターフェースデバイス508をさらに含むことができる。コンピューティングシステム500はまた、映像表示ユニット510(たとえば、液晶表示装置(LCD: liquid crystal display)または陰極線管(CRT: cathode ray tube))、英数字入力デバイス512(たとえば、キーボード)、カーソル制御デバイス514(たとえば、マウス)、および信号生成デバイス516(たとえば、スピーカ)を含むことができる。
【0059】
追加的に、このマシンは、画像感知モジュール、画像取得デバイス、ハードウェア媒体エンコーダ/デコーダ、および/またはグラフィックプロセッサ(GPU: graphics processor)を含むことができる。画像感知モジュールは、画像センサを含むことができる。画像センサとは、1つまたは複数の光画像を電子信号に変換するデバイスである。画像センサは、カメラ、CMOS、CCDでよい。画像センサは、静止画像または動画(映像)を取得することができる。
【0060】
データ記憶デバイス518は、本明細書に記載の機能の方法論の1つまたは複数の任意のものを具現化した1組または複数組の命令を有するマシン可読記憶媒体(またはより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)520(たとえば、デバイス位置マネージャ200)を含むことができる。デバイス位置マネージャ200はまた、コンピューティングシステム500によって実行される間、主メモリ504内、かつ/または処理デバイス502内に完全に、または少なくとも部分的に常駐することができ、主メモリ504、および処理デバイス502もやはり、マシン可読記憶媒体を構成している。
【0061】
マシン可読記憶媒体520はまた、デバイス待ち行列マネージャ論理回路を永続的に記憶するために使用することもできる。マシン可読記憶媒体520は、実装形態の一例では単一の媒体として示されているが、「マシン可読記憶媒体」という用語は、1組または複数組の命令を記憶する単一の媒体または多数の媒体(たとえば、集中型データベースもしくは分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むものと解釈すべきである。「マシン可読記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実行される1組の命令を記憶またはエンコードすることが可能であり、本開示の方法論の1つまたは複数の任意のものをマシンに実施させるいかなる媒体も含むものと解釈すべきである。したがって、「マシン可読記憶媒体」という用語は、それだけに限られるものではないが、ソリッドステートメモリ、ならびに光媒体および磁気媒体を含むものとして解釈すべきである。
【0062】
本明細書に記載の構成要素および他の機構は、離散的なハードウェア構成要素として実施しても、ASIC、FPGA、DSP、または類似のデバイスなどのハードウェア構成要素の機能に組み込んでもよい。加えて、これらの構成要素は、ハードウェアデバイス内のファームウェアとして、または機能回路として実施してもよい。さらに、これらの構成要素は、ハードウェアデバイスと、ソフトウェア構成要素とのいかなる組合せとしても実施することができる。
【0063】
詳細な説明の一部について、コンピュータメモリ内のデータビットに関する動作のアルゴリズムおよびシンボル化表現の観点から提示してきた。これらのアルゴリズム的な説明および表現は、データ処理分野の当業者が、自身の研究の本質を他の当業者に最も効果的に伝えるのに使用する手段である。本明細書では、また一般的にも、アルゴリズムとは、所望の結果に至る諸ステップの自己無撞着な(self-consistent)シーケンスであると考えられている。これらのステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。必ずしもそうであるとは限らないが、通常は、これらの物理量は、記憶、転送、合成、比較、また他の形で操作することが可能な電気信号または磁気信号の形をとる。主に一般的な使用法から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、項、数などと称することがときとして便宜的であることが判明している。
【0064】
しかし、これらの用語、および類似の用語は全て、適切な物理量に関連付けられるべきものであり、これらの物理量に付与された単に便宜的なラベルにすぎないことに留意されたい。別段の具体的な記載がない限り、以下の議論から明白なように、本説明の全体にわたって、「取得する」、「実施する」、「〜させる」、「エンコードする」、「記憶させる」、「受け取る」、「割り当てる」、「発生する」、「提示する」、「伝送する」、「獲得する」、「表示する」などの用語を利用した議論は、マシンのレジスタおよびメモリ内の物理量(たとえば電子量)として表されるデータを操作し、マシンメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報記憶デバイス、伝送デバイス、または表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換するマシン、コンピュータシステム、または類似の電子コンピューティングデバイスの行為およびプロセスを指すことがあることが理解される。
【0065】
本明細書では、「例」または「例示的な」という言葉は、一例、事例、または例示として働くことを意味するために使用される。本明細書で「例」または「例示的な」として説明したいかなる態様または設計も、必ずしも他の態様または設計よりも好ましい、または有利であると解釈されるべきものではない。そうではなく、「例」または「例示的な」という言葉は、本概念を具体的な形で提示するために使用するものである。本願で使用される場合、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するものである。すなわち、別段の指定がない限り、または文脈から明白でない限り、「Xは、AまたはBを含む」とは、いかなる自然な包含的並べ替え(natural inclusive permutation)も意味するものである。すなわち、XはAを含む、XはBを含む、またはXはAとBとの両方を含む場合、「Xは、AまたはBを含む」は、前述の事例のいずれにおいても満たされる。加えて、本願および添付の特許請求の範囲で使用される「a」および「an」という冠詞は、別段の指定がない限り、または単数形を指すことが文脈から明白でない限り、一般的に「1つまたは複数」を意味するものとして解釈すべきである。
【0066】
説明をわかりやすくするために、本方法を一連の行為として描き、説明してきた。しかし、本開示による諸行為は、様々な順序で、かつ/または同時に行うことができ、本明細書に提示し、記載していない他の行為を伴うこともある。さらに、本開示の主題による方法を実施するために、例示した全ての行為が必要であるとは限らない。加えて、本方法は、あるいは状態図またはイベントによって相互に関係する一連の状態として表されることもできることが当業者には理解され、認識されよう。追加的に、本明細書に開示の本方法は、そのような方法をコンピューティングデバイスに移送し、転送しやすいように、製品(たとえば、コンピュータ可読記憶媒体)に記憶させておくことが可能であることを理解されたい。製品という用語は、本明細書で使用される場合、いかなるコンピュータ可読デバイスまたは記憶媒体からもアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。
【0067】
上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。上記の説明を読み、理解すれば、他の多くの実装形態が当業者には明白となろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、そのような請求項に値する均等物の全範囲とともに基準として決定されるべきである。
【0068】
本明細書に記載の方法の動作について特定の順序で示し、説明してきたが、各方法の動作順序は、ある動作を逆の順序で実施することができるように、または、ある動作を少なくとも部分的に、他の動作と同時に実施することができるように変更することができる。別の実装形態では、別個の動作の命令またはサ下位動作を、間欠的に、かつ/または交互に行ってもよい。
【0069】
本開示全体にわたって、「一実装形態」または「実装形態」の参照は、その実装形態に関連して説明された特定の機構、構造体、または特性が、少なくとも1つの実装形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたり随所で見受けられる「一実装形態では」または「実装形態では」という誤句は、必ずしも全て同じ実装形態を指すとは限らない。さらに、特定の機構、構造体、または特性を、適切な任意の形で1つまたは複数の実装形態に組み合わせてもよい。
【0070】
実装形態はまた、本明細書に記載の動作を実施するための装置にも関する。この装置は、必要とする目的に合わせて特別に構築しても、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを備えてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、それだけに限られるものではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、および光磁気ディスクを含めた任意の種類のディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM: random access memory)、EPROM、EEPROM、磁気カードもしくは光カード、ユニバーサルシリアルバス(USB: universal serial bus)記憶デバイス(たとえば、USBキーデバイス)を含めたフラッシュメモリデバイス、または電子命令を記憶させるのに適した任意の種類の媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶させることができ、それぞれコンピューティングシステムバスに結合させることができる。
【0071】
本明細書に記載の方法および装置は、モバイルアプリケーション(「アプリ(app)」)の一部を含めて、多種多様な実装形態で使用することができ、また、モバイルオペレーティングシステムを含めて、写真または映像関連のソフトウェアの一部としてもよい。モバイルデバイスにインストールされたアプリは、1つまたは複数のアプリケーションプログラミングインターフェース(API: application programming interface)を介してシステムおよび方法にアクセスすることができる。
【0072】
本明細書に提示のアルゴリズムおよび表示装置は、特定のいかなるコンピューティングシステムまたは他の装置にも固有のものとして関連付けられるものではない。様々な汎用システムを、本明細書に記載の教示によるプログラムとともに使用することができ、または、必要な方法ステップを実施するために、より特殊化された装置を構築すると便宜的となることが判明し得る。これらの様々なシステムのために必要となる構造体が、上記の説明から明白となろう。加えて、本開示は、特定のいかなるプログラム言語に関しても記載されているものではない。様々なプログラム言語を用いて、本明細書に記載の開示の教示を実施できることが理解されよう。
【0073】
本明細書で使用される場合、「媒体」、「コンテンツ」、「媒体物品」、「デジタル媒体」、および「デジタル媒体物品」は、デジタル媒体物品をユーザに提示するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアを用いて実行またはロードすることができる電子ファイルを含むことができる。デジタル媒体物品は、単一の作品を含んでも、一連の作品を含んでもよい。たとえば、デジタル媒体物品は、ビデオクリップを含んでも、映像全体を含んでもよい。別の例では、デジタル媒体物品は、単一の曲を含んでも、アルバム全体を含んでもよい。別の例では、デジタル媒体物品は、単一の書籍を含んでも、選集を含んでもよい。追加として、単一のデジタル媒体物品は、たとえば音声部分(たとえば、音楽アルバム)と、書面部分(たとえば、電子出版物)とを含んでもよい。