特許第6636404号(P6636404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6636404-廃棄物発電方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6636404
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月29日
(54)【発明の名称】廃棄物発電方法
(51)【国際特許分類】
   F23J 3/00 20060101AFI20200120BHJP
   F01K 1/08 20060101ALI20200120BHJP
   F01K 7/38 20060101ALI20200120BHJP
   F01K 27/02 20060101ALI20200120BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20200120BHJP
【FI】
   F23J3/00 101Z
   F01K1/08
   F01K7/38 101Z
   F01K27/02 C
   F01K27/02 D
   F23J15/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-177999(P2016-177999)
(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公開番号】特開2018-44695(P2018-44695A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2017年7月25日
【審判番号】不服2018-15207(P2018-15207/J1)
【審判請求日】2018年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136804
【氏名又は名称】株式会社プランテック
(74)【代理人】
【識別番号】100084630
【弁理士】
【氏名又は名称】澤 喜代治
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(72)【発明者】
【氏名】大山 曜
(72)【発明者】
【氏名】増田 倹吾
【合議体】
【審判長】 紀本 孝
【審判官】 山崎 勝司
【審判官】 松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−132637(JP,A)
【文献】 特開昭58−20912(JP,A)
【文献】 特開2004−351323(JP,A)
【文献】 特開平11−248141(JP,A)
【文献】 特開平7−100319(JP,A)
【文献】 特開2000−64945(JP,A)
【文献】 特開2005−321131(JP,A)
【文献】 特開2000−237539(JP,A)
【文献】 特開平7−119951(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/063789(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J3/00
F01K27/02
F01K1/08
F01K7/38
F23J15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼ガス発生源から発生したガスを廃熱ボイラに通過させることによって蒸気を生じさせる蒸気発生工程と、
高圧蒸気だめに送られた蒸気の一部ないし全部を蒸気タービンに供給することによって発電する発電工程と、
前記廃熱ボイラを通過したガスを集塵装置に輸送し、前記集塵装置内に配された濾布を通過させることによってガス中に含まれる煤塵を濾過捕集するガス処理工程と、
前記濾布に付着した煤塵を定期的に払い落とすダスト払落し工程と、
前記廃熱ボイラの水管表面に付着した煤塵を定期的に除去するスートブロー工程と、
を実行する廃棄物発電方法であって、
前記スートブロー工程実行時における発電量低下を是正するために、
前記ダスト払落し工程及び前記スートブロー工程を、共通の空気圧縮機から発生させた圧縮空気によって実行し、
前記集塵装置としてプレコート方式のバグフィルタを用いることによって、
前記スートブロー工程を実行するタイミングと、前記ダスト払落し工程を実行するタイミングとをずらすことを特徴とする廃棄物発電方法。
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物発電方法において、
更に、前記高圧蒸気だめに送られた蒸気の一部を低圧蒸気だめに送ると共に、前記低圧蒸気だめの上流に配した補機用背圧タービンに供給することによって背圧を利用する背圧利用工程を実行する廃棄物発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガス発生源から発生したガスを熱源とする廃棄物発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却炉等の燃焼ガス発生源から発生したガスを熱源とする廃棄物発電では、ガスを廃熱ボイラに通過させることによって生じさせた蒸気を高圧蒸気だめに輸送し、その一部を蒸気タービンに供給して発電する(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002‐317609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、蒸気タービンに供給されなかった蒸気については、低圧蒸気だめに輸送した後、脱気器を通じて給水の脱気用蒸気や所内用蒸気として利用したり、再度廃熱ボイラに返送したりする。又、前記廃熱ボイラの水管表面に付着した煤塵を除去するための「スートブロー(スートブロワ)」にも供されていた。
【0005】
一般に、スートブローは、8〜12時間に一回、数十分間程度、低圧蒸気だめの蒸気を廃熱ボイラ内に噴出させることによって実行される。即ち、スートブローの実行中、大量の蒸気が使用されるため、その間、蒸気タービンに供給される蒸気の供給量が減少して発電量が低下する。特に、燃焼ガス発生源が小型の焼却炉などの場合にあっては、単位時間あたりに得られる蒸気量が少ないため、スートブロー中の発電量の低下の影響が大きく、安定的な発電を行うことが困難となっていた。
【0006】
本発明は前記技術的課題に鑑みて開発されたものであり、スートブロー中の発電量低下を是正する新規な廃棄物発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するための本発明の廃棄物発電方法は、燃焼ガス発生源から発生したガスを廃熱ボイラに通過させることによって蒸気を生じさせる蒸気発生工程と、高圧蒸気だめに送られた蒸気の一部ないし全部を蒸気タービンに供給することによって発電する発電工程と、前記廃熱ボイラを通過したガスを集塵装置に輸送し、前記集塵装置内に配された濾布を通過させることによってガス中に含まれる煤塵を濾過捕集するガス処理工程と、前記濾布に付着した煤塵を払い落とすダスト払落し工程と、前記廃熱ボイラの水管表面に付着した煤塵を除去するスートブロー工程と、を実行する廃棄物発電方法であって、前記ダスト払落し工程及び前記スートブロー工程を、共通の空気圧縮機から発生させた圧縮空気によって実行することを特徴とする(以下、「本発明発電方法」と称する。)。
【0008】
本発明発電方法においては、更に、前記高圧蒸気だめに送られた蒸気の一部を低圧蒸気だめに送ると共に、前記低圧蒸気だめの上流に配した補機用背圧タービンに供給することによって背圧を利用する背圧利用工程を実行することが好ましい態様となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スートブロー中の発電量低下を是正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る本発明発電方法を示す系統図である。
図2図2は、本発明発電方法の別態様を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0012】
[実施形態]
<本発明発電方法>
図1に、本発明発電方法の系統図を示す。本発明発電方法は、蒸気発生工程と、発電工程と、ガス処理工程と、ダスト払落し工程と、スートブロー工程と、を実行する。
【0013】
‐蒸気発生工程‐
前記蒸気発生工程では、燃焼ガス発生源1から発生したガスを廃熱ボイラ2に通過させることによって蒸気を生じさせる。本実施形態においては、燃焼ガス発生源1として焼却炉を用い、廃棄物の焼却に応じて発生したガスの熱を前記廃熱ボイラ2内の水管を介して前記水管中の水に伝達し、蒸気を発生させることによって前記蒸気発生工程を実行した。なお、発生した蒸気は、順次高圧蒸気だめ3に送られる。
【0014】
‐発電工程‐
前記発電工程では、前記高圧蒸気だめ3に送られた蒸気の一部ないし全部を蒸気タービン4に供給することによって発電する。本実施形態においては、前記高圧蒸気だめ3に送られた蒸気の一部を前記蒸気タービン4に供給し、蒸気の圧力にて前記蒸気タービン4のブレードを回し、前記ブレードの回転エネルギを発電機41にて電力変換することによって前記発電工程を実行した。なお、前記蒸気タービン4に供給されなかった蒸気は、図示しない減圧装置を通じて低圧蒸気だめ5に送り、脱気器51を通じて給水の脱気用に利用した後、前記廃熱ボイラ2に返送した。
【0015】
‐ガス処理工程‐
前記ガス処理工程では、前記廃熱ボイラ2を通過したガスを集塵装置6に輸送し、前記集塵装置6内に配された濾布を通過させることによってガス中に含まれる煤塵を濾過捕集する。本実施形態においては、前記集塵装置6としてプレコート方式のバグフィルタを用いて前記ガス処理工程を実行した。この種のプレコート方式のバグフィルタは、ガス中の塩化水素や硫黄酸化物を除去するために、ガス中に消石灰等のアルカリ性の薬剤を吹き込むことによって、濾布の表面に薬剤をコーティングし、薬剤によってコーティングされた濾布にガスを通過させる方式であるため、排ガスと薬品の接触反応効率が高く、有害物質を高効率で除去することができる。なお、前記集塵装置6を通過することによって浄化されたガスは、煙突7を介して大気放出される。
【0016】
‐ダスト払落し工程‐
前記ダスト払落し工程では、前記集塵装置6の濾布に付着した煤塵を払い落とす。本実施形態においては、空気圧縮機8から発生させた圧縮空気を、ガスの流れに逆らう方向から濾布に向かって定期的(4時間に1回、15分程度)に噴射させることによって前記ダスト払落し工程を実行した。
【0017】
‐スートブロー工程‐
前記スートブロー工程では、前記廃熱ボイラ2の水管表面に付着した煤塵を除去する。本実施形態においては、前記空気圧縮機8から発生させた圧縮空気を、前記廃熱ボイラ2内に定期的(8〜12時間に1回、数十分間程度)導入することによって前記スートブロー工程を実行した。なお、前記スートブロー工程を実行するタイミングは、前記ダスト払落し工程を実行するタイミングとずらしている。
【0018】
前記各工程を経て発電する本発明発電方法では、前記ダスト払落し工程及び前記スートブロー工程を、共通の空気圧縮機8から発生させた圧縮空気によって実行する。即ち、本発明発電方法では、前記スートブロー工程を前記廃熱ボイラ2にて発生させた蒸気を使用せずに、空気圧縮機8から発生させた圧縮空気によって実行することから、スートブロー工程実行時に発電量の低下が生じず、安定的な電力供給が可能となる。
【0019】
又、本発明発電方法では、前記スートブロー工程において蒸気を使用しないため、エロ―ジョン(水管の減肉)が生じ難くなる。
【0020】
更に、前記集塵装置6を逆洗するための前記空気圧縮機8は、一般的な焼却設備にもともと備えられているものであり、前記スートブロー工程を、前記ダスト払落し工程を実行するための空気圧縮機8から発生させた圧縮空気で実行するようにすれば、スートブロー工程を行うための専用の空気圧縮機を設置するスペースを確保する必要がなくなる。
【0021】
ここで、本実施形態においては、前記高圧蒸気だめ3に送られた蒸気の一部を蒸気タービン4に供給することによって発電し、前記蒸気タービン4に供給されなかった蒸気を前記低圧蒸気だめ5に送っている。即ち、本発明発電方法では、前記低圧蒸気だめ5に送られる蒸気をスートブロー工程に使用しないことから、前記低圧蒸気だめ5に送られる蒸気量を低減できる。その結果、前記蒸気タービン4に供給する蒸気量を相対的に増加させることができ、もって、発電量を増加させることができる。
【0022】
又、本発明発電方法では、前記低圧蒸気だめ5に送られる蒸気をスートブロー工程に使用しないことから、前記低圧蒸気だめ5に送られる蒸気(背圧)についても安定的に利用することができる。例えば、図2に示す系統図のように、前記低圧蒸気だめ5に送られる蒸気を、前記低圧蒸気だめ5の上流に配した補機用背圧タービン9に供給すれば、背圧を利用(例えば、ポンプや送風機等の補機の駆動用電源として利用)することができ、蒸気エネルギの利用効率が増加する。
【0023】
ところで、本実施形態においては、前記集塵装置6としてプレコート方式のバグフィルタを用いているが、本発明発電方法において、前記集塵装置6はプレコート方式のバグフィルタに限られるものではなく、例えば、ガス中に薬剤を連続的に吹き込む連続吹き込み式のバグフィルタであっても良い。但し、前記集塵装置6として連続吹き込み式のバグフィルタを用いた場合、前記ダスト払落し工程の実行頻度が高くなり、前記スートブロー工程を実行するタイミングとずらすことが困難となるため、本発明発電方法では、前記集塵装置6としてプレコート方式のバグフィルタを用いることが好ましい。
【0024】
なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、特に小規模の焼却炉等の燃焼ガス発生源から発生したガスを熱源とする廃棄物発電に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0026】
1 燃焼ガス発生源
2 廃熱ボイラ
3 高圧蒸気だめ
4 蒸気タービン
5 低圧蒸気だめ
6 集塵装置
7 煙突
8 空気圧縮機
9 補機用背圧タービン


図1
図2