特許第6636636号(P6636636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6636636内部モニタリングを有する動力車両を自律的に駐車するための方法、ドライバー支援システム、及び動力車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6636636
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月29日
(54)【発明の名称】内部モニタリングを有する動力車両を自律的に駐車するための方法、ドライバー支援システム、及び動力車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20200120BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20200120BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20200120BHJP
【FI】
   B60W30/06
   G08G1/16 A
   G08G1/14
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-528586(P2018-528586)
(86)(22)【出願日】2016年11月28日
(65)【公表番号】特表2018-538195(P2018-538195A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2016079029
(87)【国際公開番号】WO2017093196
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2018年7月20日
(31)【優先権主張番号】102015121113.0
(32)【優先日】2015年12月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、グージョン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、イェッカー
【審査官】 佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/143153(WO,A1)
【文献】 特開2015−016803(JP,A)
【文献】 特開2015−153145(JP,A)
【文献】 特開2006−023862(JP,A)
【文献】 特開2013−173390(JP,A)
【文献】 特開2006−347232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00−30/16
G08G 1/14− 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両(1)を自律的に駐車する方法であって、前記動力車両(1)が開始位置(5)に位置し、前記開始位置(5)が複数の駐車スペース(6)を有する駐車エリア(7)に関連付けられ、駐車制御装置(4)によって、前記駐車スペース(6)の1つが前記動力車両(1)の駐車のために選ばれ且つ前記開始位置(5)から前記選ばれた駐車スペース(6)に前記動力車両(1)を自律的に移動させるための軌道(12)が決められ、
前記動力車両(1)の内部(16)を表す内部データが前記駐車制御装置(4)により受け取られ、前記動力車両(1)の前記内部(16)に生き物がいるかどうかが、受け取られた前記内部データに基づいて調べられ、前記内部(16)に前記生き物がいる場合には、決められた前記軌道(12)に沿った前記動力車両(1)の移動が行われないままであり、前記生き物が前記内部(16)にいる場合、警告信号が前記駐車制御装置(4)によって出力されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記警告信号は、前記駐車制御装置(4)から、動力車両の外側にある操作装置(13)に送信されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記駐車制御装置(4)から受け取られる前記内部データは、前記内部(16)における前記生き物の位置を表し及び/又は前記生き物を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記内部データは、内部制御装置(15)によって決められ且つ前記駐車制御装置(4)に送られ、前記内部データは前記内部制御装置(15)によってセンサデータに基づいて決められ、そのセンサデータは少なくとも1つの内部センサ(17)によって提供されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの内部センサ(17)によって提供される前記センサデータは、前記動力車両(1)のシート、特に後部シート、の占有状態を表すことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの内部センサ(17)によって提供される前記センサデータは、前記動力車両(1)の前記内部(16)における子供用カーシートの占有状態を表すことを特徴とする請求項又はに記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの内部センサ(17)によって提供される前記センサデータは、前記動力車両(1)のトランクを表すことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの内部センサ(17)によって提供される前記センサデータは、前記内部の画像データを含むことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記駐車制御装置(4)は、前記動力車両(1)のドライバー支援システム(2)の一部であり、前記動力車両(1)の駆動モータ、ステアリング及び/又はブレーキシステムは、前記動力車両(1)を動かすために前記駐車制御装置(4)によって制御されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記駐車制御装置(4)は、前記駐車スペース(7)の輸送システムの一部であり、前記輸送システムは前記動力車両(1)を動かすために前記駐車制御装置(4)によって制御されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合された、動力車両のためのドライバー支援システム(2)。
【請求項12】
請求項11に記載のドライバー支援システム(2)を備える動力車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力車両(motor vehicle)を自律的に駐車するための方法に関し、その方法において動力車両は開始位置に配置され、当該開始位置は、駐車制御装置によって、複数の駐車スペースを有する駐車エリアに関連付けられており、駐車スペースの1つが動力車両の駐車のために選択され、選択された駐車スペースに開始位置から動力車両を自律的に移動させるための軌道が決められる。さらに、本発明は、動力車両のドライバー支援システムに関する。最後に、本発明は動力車両に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】US9041523B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここでは、関心は、特に、動力車両を運転する際にドライバーを支援するのに役立つドライバー支援システムに向けられている。そこで、ドライバー支援システムは、従来技術とは異なる実施形態で知られている。例えば、駐車スペースへの駐車の際にドライバーを支援するドライバー支援システムが使用される。さらに、複数の駐車スペースを有する駐車エリアの駐車スペースに動力車両を自律的に駐車するために役立つ、いわゆるバレット駐車システム(valet park systems)が存在し、そのバレット駐車システムは、複数の駐車スペースを有する駐車エリアの1つの駐車スペースに動力車両を自律的に駐車するのに役立つ。ここで、ドライバーは、例えば、動力車両を開始位置に置くことができる。その後、彼は動力車両を離れ、動力車両の外部の操作装置によって自律駐車手順を開始することができる。続いて、動力車両は、開始位置から選択された駐車スペースに自律的に移動される。ドライバーが再び動力車両を必要とする場合、彼は動力車両の外部の操作装置によって対応の制御信号を発することができ、その結果、動力車両は駐車スペースから開始位置に再び自律的に戻される。
【0004】
さらに、動力車両の内部をモニターすることができるドライバー支援システムが従来技術から知られている。ここでは、例えば、動力車両が置かれた後に生き物が動力車両の内部にいるかどうかを調べることができる。そのようなシステムは、例えばUS9041523B1に記載されている。
【0005】
本発明の目的は、動力車両を自律的に動かすための方法を、いかにしてより確実かつより信頼できるように構成することができるかの、解決を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、それぞれの独立請求項による特徴を有する方法によって、ドライバー支援システムによって、及び動力車両によって、解決される。本発明の有利な発展は、従属請求項、明細書及び図面の主題である。
【0007】
本発明による方法は、動力車両を自律的に駐車するのに役立つ。ここで、動力車両は、開始位置にあり、開始位置は、複数の駐車スペースを有する駐車エリアに関連付けられている。また、駐車制御装置により、動力車両を駐車するために駐車スペースの1つが動力車両のために選択され、開始位置から選択された駐車スペースまで動力車両を自律的に移動させるための軌道が決定される。さらに、動力車両の内部を表す内部データが、駐車制御装置によって受け取られ、生き物が動力車両の内部にいるかどうかが受け取られた内部データに基づいて調べられる。そこでは、生き物が内部にいる場合には、決定された軌道に沿った動力車両の移動は行われないままである。
【0008】
ここでは、動力車両は自律的に又は自動的に駐車される。動力車両は、ドライバー支援システムの助けによって駐車スペース内に移動させられることができる。このドライバー支援システムは、特に、いわゆるバレット駐車システムとして形成される。動力車両は、例えばロボットやコンベアなどの輸送システムによって駐車スペースに移動されることもできる。その自立的な駐車手順を実行するために、動力車両はまず開始位置に配置されることが可能である。この開始位置は駐車エリアに関連づけられている。この駐車エリアは、例えば、公共又は民営の駐車場の一部であり得る。この駐車エリアは、駐車ガレージ(parking garage)に配置されることもできるし、駐車ガレージの一部にすることもできる。駐車エリアは、自動駐車システムに配置されることもできるし、自動駐車システムの一部とすることもできる。駐車エリアは、複数の駐車スペースを含む。駐車スペースは、動力車両を駐車するためのエリアを表す。また駐車スペースは、動力車両が自動的に動かされる保持エリアとしうる。駐車制御装置により、まず、駐車スペースの1つが、動力車両の駐車のために選択される。ここでは、例えば駐車制御装置により駐車エリアの管理システムから対応のデータを受信することができる。このデータは、例えば、駐車エリアのどの駐車スペースが空いているかを表すことができる。さらに、このデータは、空き駐車エリアの位置に関する情報を含むことができる。さらに、駐車制御装置によって受信されたこのデータは、駐車エリアの幾何学的形状に関する情報を有することができる。それは、例えば、デジタル地図のやり方で形成されることができる。そして受け取られたデータに基づいて、駐車制御装置は、空き駐車スペースの1つを選択して軌道を決定し、その軌道に沿って動力車両が開始位置から選択された駐車スペースに移動される。
【0009】
本発明によれば、動力車両の内部を表す内部データが駐車制御装置によって追加的に受け取られるようになっている。特に、この内部データは、例えば人間や動物などの生き物が動力車両の内部にいるかどうかを表す。その受け取られた内部データに基づいて、1つ又は複数の生き物が動力車両の内部にいるかどうかが、駐車制御装置によって検査される。この検査は、特に、自律駐車手順が開始される前、又は決定された移動軌道に沿って自律的に動力車両が動かされる前に、行われる。駐車制御装置によって動力車両内に生き物が存在すると認識された場合、自律駐車手順は実行されない。換言すれば、決定された走行軌道に沿った動力車両の移動は行われないままである。したがって、動力車両は、特に、開始位置から離れない。これにより、置いていかれたり忘れられたりした生き物が動力車両の内側にいる場合には、駐車手順が開始されることを確実に防止することができる。それにより、動力車両の内部に位置する生き物が、実行された自律駐車手順の後に車両に残されたり、随意的にそこに封じ込められたりすることを追加的に防止しうる。それにより、動力車両に残っている生き物が、特に高い環境温度で、健康ダメージを被ることから守ることができる。それにより、特にいわゆるバレット駐車システムに関連して、自律駐車手順が、より確実かつ高い信頼度で実行され得る。
【0010】
一実施形態では、生き物が内部にいる場合、駐車制御装置によって警告信号が出力される。特に、警告信号は、動力車両のドライバーに対して出力される。ここでは、その人はドライバーとして理解されるべきであり、動力車両を開始位置に動かし、自律的な駐車手順を開始する者である。ここで、ドライバーは、例えば、動力車両の外側に位置し、動力車両の外部の操作装置、例えばスマートフォン、によって、自律駐車手順を開始することができる。警告信号は、例えば、音響的、光学的又は触覚的にドライバーに出力されることができる。この警告信号は、生き物が動力車両にいるという情報を含むことができる。さらに、警告信号には、生き物がまだ内部にいるので、自律駐車手順が実行されないという情報を含むことができる。したがって、動力車両のドライバーは、対応のステップを開始することができ、例えば、動力車両の内部から生き物を取り除くことができる。その後、自律駐車手順を開始することができる。
【0011】
さらに、警告信号が駐車制御装置から動力車両の外部の操作装置に送信されると有利である。既に説明したように、動力車両の外部の操作装置が使用されて、自律駐車手順のための開始信号を出力することができる。この開始信号は、動力車両の外部の操作装置から駐車制御装置に送信されることができる。ここでは、駐車制御装置から、動力車両の外部のこの操作装置に警告信号が送信され、その後、動力車両の外部の操作装置によって警告信号が出力されることが特に提供される。これにより、ドライバーには、生き物が動力車両内にいるので自律駐車手順を実行できないことが直ちに示される。
【0012】
さらなる構成では、駐車制御装置によって受け取られた内部データは、動力車両の内部における生き物の位置及び/又はその生き物を表す。内部データは、動力車両の内部に、生き物が存在するかどうか及びどれぐらいの数の生き物が存在するかについての情報を含むことができる。さらに、内部データは、動力車両の内部のどの位置に生き物が位置するかを表すことができる。内部データは、生き物自体を表すこともできる。例えば、内部データは、生き物が人間、特に子供であるかどうかを表すことができる。さらに、内部データは、生き物が動物であるかどうか、例えば犬であるかどうか、を表すことができる。したがって、生き物の存在の認識に加えて、生き物の同定も行うことができる。
【0013】
さらに、内部データが内部制御装置によって決定されて駐車制御装置に送信され、内部データが、内部制御装置によって、少なくとも1つの内部センサによって与えられるセンサデータに基づいて決定されると、有利である。自律駐車手順を制御する駐車制御装置の他に、動力車両の内部を監視することができる内部制御装置を設けることもできる。駐車制御装置及び内部制御装置は、データ伝送のために、対応のデータバス又は無線によって、接続されることができる。そして内部制御装置は、動力車両の内部を表すセンサデータを提供する少なくとも1つの内部センサに、接続される。このセンサデータに基づいて、内部制御装置は、内部データを決定して、それを駐車制御装置に送信することができる。ここで、例えば、内部制御装置が内部データを駐車制御装置に連続的に送信するようにすることができる。記憶要素を、内部制御装置と駐車制御装置との間に配置することもでき、その内部データがそこでバッファリングされる。それにより、内部制御装置と駐車制御装置との間の接続が初めて提供される。それにより、駐車制御装置は、内部データを使用して、自律駐車手順の開始前にそれを評価することができる。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つの内部センサによって提供されるセンサデータが、動力車両のシート、特に後部シート、の占有状態を表す。この場合、少なくとも1つの内部センサは、例えば、シート占有状態認識のためのセンサとして形成されることができる。そのようなセンサは、例えば、シートに一体化された力センサ又は圧力センサであってもよく、それによって、生き物がシート上にいるかどうかを感知することができる。そのようなシート占有状態センサは、例えば、シートが占有されているが、このシートの占有体がベルトをしていないと認識された場合に、対応の信号を出力するために使用される。さらに、そのようなシート占有状態センサは、通常、エアバッグなどの占有体保護装置の制御に関連して使用される。ユーロNCAPによれば、例えば、そのようなシート占有状態センサが後部シートにも使用されることが条件とされている。そして、これらのシート占有状態センサを使用して、生き物が後部シート上にいるかどうかを認識することができる。後部シートはドライバーによって直接的には見ることができないため、後部シートにいる生き物を置いていってしまう可能性がある。これは、内部センサなどのシート占有状態センサによって防止可能である。
【0015】
内部センサは、それぞれのシートに関連するシートベルトをチェックするように適合されることも可能である。したがって、例えば、シートベルトがロックされているかどうかを確認することが可能である。この場合、ロックされたシートベルトが関連付けられているこのシートに生き物がいることを、高い確度で推測することができる。内部センサは、シートベルト上に配置されることもできる。ここでは、ベルトをされた生き物の呼吸又はベルトをされた生き物の温度を取得することができる。
【0016】
さらなる実施形態では、少なくとも1つの内部センサによって提供されるセンサデータは、動力車両の内部の子供用カーシート(child car seat)の占有状態を表す。内部センサによって、基本的には子供用カーシートが動力車両内に又は動力車両のシート上に配置されているかどうかを認識することができる。内部センサによって、幼児用キャリアがシートの1つの上にいるかどうかを認識することもできる。さらに、例えば、子供用カーシートの占有状態を認識するように適合された内部センサが使用されるようにすることができる。したがって、子供が子供用カーシートにいるかどうかを知ることができる。そのようなセンサは、例えば力センサ又は圧力センサとしうる。さらに、例えば、子供の呼吸を認識するセンサを使用することができる。したがって、特に子供が車に残されることを防ぐことができる。特に子供達が残される場合、例えば子供達が自ら動力車両を離れることができないため、リスクが増大する。それにもかかわらず子供達が動力車両から離れることができる場合、子供達が駐車エリアで怪我をする危険性がある。
【0017】
さらに、少なくとも1つの内部センサによって提供されるセンサデータが動力車両のトランクを表す場合、有利である。ここでは、トランクは動力車両の内部の一部として理解されている。また、生き物が動力車両のトランクにいるように構成されることも可能である。生き物は、例えば動物、特にイヌ、でありうる。内部センサのセンサデータに基づいて、トランクに動物が残されているかどうかを認識することが可能である。動物が対応の輸送容器又は箱に入っているように構成することも可能である。そのような箱に対応のセンサを設けることもでき、それにより、この箱での生き物の存在を認識することができる。これにより、生き物がトランクに忘れられることを確実に防止することができる。
【0018】
さらに、少なくとも1つの内部センサによって提供されるセンサデータが内部の画像データを含む場合、有利である。この場合、少なくとも1つの内部センサは、例えば、カメラを含むことができる。このカメラによって内部の画像データを提供することができる。さらに、内部センサは、対応の画像認識ユニットを含むことができ、その対応の画像認識ユニットにより、生き物を認識することができる。基本的には、赤外線捕捉部が内部センサに提供され、その内部センサに基づいて、その内部の温度に起因して生き物を認識することができる。一般に、温度センサは、内部の生き物を認識するためにも使用されることができる。内部センサは、動力車両の内部における生き物の位置を認識するように適合されることもできる。ここで、内部センサは、対応の距離センサを含むことができる。これにより、内部の生き物の存在を認識することができ、生き物をさらに同定することができる。
【0019】
一実施形態では、駐車制御装置は、動力車両のドライバー支援システムの一部であり、動力車両の駆動モータ、ステアリング及び/又はブレーキシステムは、動力車両を移動させるために駐車制御装置によって制御される。この場合、動力車両はドライバー支援システムによって所定の軌道に沿って移動される。駐車制御装置は、動力車両の電子制御ユニット(ECU)によって構成されることができる。
【0020】
別の実施形態では、駐車制御装置は駐車スペースの輸送システムの一部であり、その輸送システムは、動力車両を移動させるために駐車制御装置によって制御される。動力車両は、輸送システムにより軌道に沿って移動されることができる。ここで、駐車エリアは、自動駐車システムに関連づけられていてもよい。動力車両が開始位置に駐車される場合、例えば、輸送システムの一部である適切なプラットフォームにそれを配置することができる。輸送システムはコンベアベルトを備えることができ、そのコンベアベルトによって動力車両が動かされる。輸送システムはまた、動力車両を動かすための持ち上げ装置を含むことができる。輸送システムは、パターノスター(paternoster)のやり方で設計されることも可能である。さらに、対応のロボットが使用されて動力車両を移動させることができる。この場合、内部データは、例えば動力車両から輸送システムの駐車制御装置に無線送信されることができる。駐車制御装置によって生き物が動力車両の内部にいることが検出された場合、輸送システムによる動力車両の移動は行われないままである。
【0021】
動力車両用の本発明によるドライバー支援システムは、本発明による方法を実行するように適合されている。ドライバー支援システムは駐車制御装置及び内部制御装置を含むことができ、それらの駐車制御装置及び内部制御装置は、データ伝送のために、対応のデータライン、例えば車両データバス、によって接続される。さらに、ドライバー支援システムは、少なくとも1つの内部センサを含むことができる。この内部センサは、データ伝送のために内部制御装置に接続される。
【0022】
本発明による動力車両は、本発明によるドライバー支援システムを含む。特に、動力車両は乗用車として形成される。
【0023】
本発明による方法及びその利点に関して提示される好ましい実施形態は、本発明によるドライバー支援システム及び本発明による動力車両に対し、それに応じて適用される。
【0024】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図面、及び図面の記述から明らかである。本明細書で上述した特徴及び特徴の組み合わせ、及び図面の説明及び/又は図面のみに示した下述の特徴及び特徴の組み合わせは、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ述べられた組み合わせにおいてだけでなく、他の組み合わせ又は単独においても使用可能である。したがって、図面に明示的に示されておらず説明されていないが、説明された実施から生じる実施及び説明された実施の別々の特徴の組み合わせから生み出されることができる実施も、本発明によって包含され開示されていると考えられるべきである。したがって当初に明確にされた独立請求項の全ての特徴を持つとは限らない実施及び特徴の組み合わせもまた開示されているものとみなされるべきである。
【0025】
ここで、好ましい実施形態に基づいて、及び添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0026】
そこでは以下が示される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、ドライバー支援システムを有する本発明の一実施形態による動力車両である。
図2図2は、駐車エリアの駐車スペースに自律的に駐車するための開始位置にある、図1による動力車両である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面において、同一の要素及び機能的に同一の要素には同じ参照符号を付している。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る動力車両1を平面図で示す。動力車両1はドライバー支援システム2を含み、そのドライバー支援システム2は、動力車両1を運転する際にドライバー3を支援する働きをする。特に、ドライバー支援システム2は、動力車両1を駐車スペースに自律的に駐車するのに役立つ。ドライバー支援システム2は駐車制御装置4を含み、その駐車制御装置4は、動力車両1を自律的に駐車するのに役立つ。特に、駐車制御装置4は、いわゆるバレット駐車操作を実行する役目を果たす。
【0030】
そのようなバレット駐車操作の原理は、図2に概略的に示されている。ここで、動力車両1は、まず開始位置5に置かれる。ここで、ドライバー3は、まず動力車両1を開始位置5に動かすことができる。この開始位置5から出発して、動力車両1は駐車エリア7の駐車スペース6に駐車される。ここでは、駐車エリア7は駐車場に関連している。駐車エリア7は、駐車された車両8が部分的に配置された複数の駐車スペース6を含む。対応の管理システム9は駐車エリア7に関連付けられており、駐車スペース6のいずれが空いており、これらの空き駐車スペース6は駐車エリア7においてどの位置を有するか、という情報がその対応の管理システム9によって与えられることが可能である。その情報は、この管理システム9から動力車両1の受信ユニット10又はドライバー支援システム2(図1参照)に送信されることができる。この管理システム9からの情報は、受信ユニット10によって受け取られて駐車制御装置に送られる。そして、駐車制御装置4によって、駐車スペースの1つが選択されることができる。ここでは、選択された駐車スペース6は、図2の破線の矩形11によって強調されている。また、駐車制御装置4により走行軌道12が決定され、動力車両1が開始位置5から選択された駐車スペース6にその走行軌道12に沿って移動される。
【0031】
自律的な駐車手順は、ドライバー3の対応の操作入力によって開始されることができる。動力車両1を開始位置5に置いた後、ドライバー3は動力車両1を離れる。例えばスマートフォン等によって構成されることができる動力車両の外部の操作装置13により、ドライバー3は操作入力を行ってそれにより自律的な駐車手順を開始することができる。ドライバー支援システム2は通信ユニット14をさらに含み、その通信ユニット14によって、データが動力車両の外部の操作装置13から受信されることができる。通信ユニット14は、データ伝送のために駐車制御装置4に追加的に接続される。したがって、ドライバー3の操作入力の結果として、自律的な駐車手順を開始することができ、走行軌道12に沿って動力車両1を自律的に操縦することができる。
【0032】
さらに、ドライバー支援システム2は、内部制御装置15を含む。内部データは、内部制御装置15によって提供されることができ、その内部データは動力車両1の内部16を表す。この目的のために、内部制御装置15は、データ伝送のために内部センサ17に接続されている。ここでは、簡略化のため、1つの内部センサ17のみが図示されている。基本的に、ドライバー支援システム2は、複数の内部センサ17を有することができる。そして、これらの内部センサ17によって、生き物が動力車両1の内部16にいるかどうかを調べることができる。
【0033】
内部センサ17は、例えば、シート占有状態センサとして形成されることができる。したがって、生き物が動力車両1のシートの1つにいるかどうかを検出することができる。さらに、内部センサ17は、動力車両1におけるシートベルトを調べるように適合されることができる。シートベルトが例えばロックされている場合、そのシートベルトに関連付けられたシートに生き物がいると推定可能である。さらに、内部センサ17は、動力車両1の内部16における温度又はシートの領域における温度を取得するように適合されることができる。内部センサ17は、シートベルトの1つにおいて直接的に配置されることもできる。ここでは、内部センサ17は、生き物によって生み出される呼吸、鼓動又は熱を認識するように適合されることができる。また、動物などの生き物が動力車両1のトランクにいるかどうかを、内部センサ17によって調べることもできる。特に、例えば子供が動力車両1の子供用カーシートにいるかどうかを、内部センサ17によって調べることができる。内部センサ17が対応のカメラを含むように設けられることもでき、そのカメラによって内部16の画像データが提供されることができる。
【0034】
内部制御装置15は、少なくとも1つの内部センサ17からセンサデータを受ける。このセンサデータを評価することにより、内部制御装置15は、内部16を表す内部データ、特に生き物が内部16にいるかどうかを表す内部データ、を提供することができる。この内部データは、内部制御装置15から駐車制御装置4に送信される。
【0035】
自律的な駐車手順を実行する前に、生き物が内部16にいるかどうかが、内部データに基づいて駐車制御装置4によって調べられる。そうである場合、自律的な駐車手順は行われない。したがって、動力車両1は、走行軌道12に沿って移動されない。この場合、対応の警告信号が、駐車制御装置4によって追加的に出力されることができる。この警告信号は、駐車制御装置4から通信ユニット14に送信され、そこから動力車両の外部の操作装置13に送信されることができる。したがって、警告信号は、動力車両の外部の操作装置13によって出力されることができる。したがって、ドライバー3は、生き物が内部16にいるので、自律的な駐車手順が実行されないという事実を認識させられる。このようにして、自律駐車操作の際に、動力車両1の内部に生き物が残されることを防止することができる。
【0036】
上述の方法は、動力車両1が輸送システムによって移動される駐車エリア7に対しても適用可能である。この場合、駐車制御装置4は輸送システムに関連付けられている。
図1
図2