(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
不揮発性記憶素子のNANDストリングであって、前記不揮発性記憶素子のそれぞれが制御ゲートを有し、前記NANDストリングが第1の選択ゲートを第1の端部に、第2の選択ゲートを第2の端部に有し、前記制御ゲートが、制御ゲートの第1のクラスタと、前記第1のクラスタと前記第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタと、前記第1のクラスタと前記第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタとを含む、NANDストリングと、
前記NANDストリングと通信する制御回路と、
を備える不揮発性記憶装置であって、
前記制御回路は、
前記NANDストリング上の非選択不揮発性記憶素子の前記制御ゲートに読み出しパス電圧を印加するように構成された前記制御回路を含み、前記NANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知し、
前記第1の不揮発性記憶素子が検知された後に前記第1の不揮発性記憶素子の前記制御ゲートに読み出しパス電圧を印加し、
他のいずれかのクラスタの前記制御ゲートから前記読み出しパス電圧を放電し始める前に、かつ前記第1の選択ゲートおよび前記第2の選択ゲートが導電状態にある間に、前記第1のクラスタの前記制御ゲートから前記読み出しパス電圧を放電し始め、
前記第1のクラスタに最も近いクラスタから前記第1の選択ゲートに最も近いクラスタの順で、前記第1のクラスタと前記第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの前記1つ以上のクラスタの制御ゲートから、前記読み出しパス電圧を放電し始め、
前記NANDストリングの不揮発性記憶素子の前記制御ゲート上の前記読み出しパス電圧が定常電圧に放電された後に、前記NANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子を検知するように構成される、不揮発性記憶装置。
前記制御回路は、前記制御ゲートの第1のクラスタと前記NANDストリングの前記第1の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持し、前記制御ゲートの第1のクラスタと前記NANDストリングの前記第2の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子を、前記第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧に放電するまでオン状態に維持するように構成される、請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
前記制御回路は、前記第1のクラスタに最も近いクラスタから前記第2の選択ゲートに最も近いクラスタの順で、前記第1のクラスタと前記第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの前記1つ以上のクラスタの制御ゲートから、前記読み出しパス電圧を放電し始めるように構成される、請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
前記制御回路は、前記第1のクラスタ内の全ての前記不揮発性記憶素子が導電状態から非導電状態に移行する前に、前記第1のクラスタに隣接するクラスタから前記読み出しパス電圧を放電し始めるように構成される、請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
前記制御回路は、前記第1のクラスタ内の前記制御ゲート上の電圧が前記定常電圧に達する前に、前記制御ゲートの第1のクラスタに隣接する制御ゲートのクラスタから前記読み出しパス電圧を放電し始めるように構成される、請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
前記第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が前記定常電圧まで放電するまで、前記制御ゲートの第1のクラスタと前記選択されたNANDストリングの前記第1の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持することと、
前記第1のクラスタ内の前記制御ゲート電圧が前記定常電圧まで放電するまで、前記制御ゲートの第1のクラスタと前記選択されたNANDストリングの前記第2の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
前記第1のクラスタ内の前記制御ゲート上の電圧が前記定常電圧に達する前に、前記第1のクラスタに隣接するクラスタから前記読み出しパス電圧を放電し始めることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
制御ゲートの前記第1のクラスタと前記選択されたNANDストリングの前記第1の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子を、前記第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧に放電するまでオン状態に維持するための手段と、
制御ゲートの前記第1のクラスタと前記選択されたNANDストリングの前記第2の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子を、前記第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧に放電するまでオン状態に維持するための手段と、
をさらに備える、請求項20に記載の3D不揮発性記憶装置。
【発明を実施するための形態】
【0036】
メモリデバイス内で検知動作を実施するための技術が提供される。実施形態は、ワード線(または制御ゲート)の上昇から生じる、検知動作後にワード線電圧が上昇する問題を軽減する、またはなくす。上昇した電圧は、メモリセル内の電子をメモリセル内の浅い界面トラップに求引し、メモリセルの閾値電圧を変化させる。メモリセルを検知する前に十分な時間が経過すると、ワード線電圧の上昇は最終的に低下する。その結果、浅い界面トラップに求引された電子は、浅い界面トラップから離れる可能性がある。したがって、メモリセルの閾値電圧は最終的に正しいレベルに戻ることがある。上昇したワード線電圧が低下するのを待つことなく、メモリセルを正確に検知する技術が本明細書に開示されている。
【0037】
いくつかの実施形態は、3Dメモリデバイスにおいて実施される。いくつかの実施形態では、メモリセルの電荷蓄積領域は、窒化ケイ素または他の窒化物などの電荷トラッピング材料、または酸化物−窒化物−酸化物(O−N−O)構造などの多層構造を含む。電荷トラップ材料は、トンネル層によってチャネル層から分離される。例えば、電荷トラッピングメモリデバイスは、導電層と誘電体層が交互に積層された3Dメモリデバイスであってもよい。メモリホールが積層体内にエッチングされ、メモリセルまたは選択ゲートトランジスタが形成されるように膜がホール内に堆積させられ、ここで、導電層がメモリホールを横切る。膜は、個々のセルまたはNANDストリング全体に沿って垂直に延びる電荷トラップ層、トンネル層およびチャネル層を含むことができる。導電層のいくつかは、メモリセルの制御ゲート(またはワード線)として使用され、他の導電層は、NANDストリングのドレインまたはソース側トランジスタなどの選択ゲートトランジスタの制御ゲートとして使用される。いくつかの実施形態では、電荷トラッピング材料は、2D NANDのメモリセルで使用される。
【0038】
検知動作は、個々のセルの閾値電圧を決定するために使用され得る。
図1Aは、制御ゲート150と、誘電体ブロック層152と、電荷記憶領域154と、トンネル誘電体層156と、チャネル158とを有するメモリセル106を示す。メモリセルは、ストリング(例えば、NANDストリング)上の多くのメモリセルの1つであってもよい。メモリセルのストリングは、チャネル158を共有することができる。メモリセルのストリングは、3Dメモリアレイまたは2Dメモリアレイ内にあり得る。
【0039】
図1Bは、検知動作中にメモリセル制御ゲート(CG)に加えられる電圧とチャネル電圧とのタイミング図を示す。検知動作は、例えば、読み出しまたはプログラム検証とすることができる。検知動作は、典型的には、検知のために選択されたメモリセル(例えば、「選択されたメモリセル」)の制御ゲートに基準電圧(例えば、Vcgr)を印加しながら、ストリング上の非選択メモリセルの制御ゲートに読み出しパス電圧(例えば、Vread)を印加することを含む。基準電圧は、読み出し動作のための読み出し基準電圧、プログラム検証動作のための検証電圧などであってもよい。いくつかの実施形態では、選択されたメモリセルが検知された後、その制御ゲート電圧が読み出しパス電圧まで上昇する。したがって、ストリング上の全てのメモリセルの制御ゲートの全てが読み出しパス電圧にあることができる。読み出しパス電圧は、その閾値電圧が異なるデータ状態に割り当てられた閾値電圧の範囲内にあると仮定して、メモリセルを導通状態にするのに十分な電圧である。読み出しパス電圧は、ストリング上のすべてのメモリセルに対して同じ大きさである必要はないが、そうである可能性もある。
【0040】
検知動作中、ストリング上の様々なメモリセルが導通状態にあり得る。したがって、チャネルに電子が存在する可能性がある。
図1Bに示すように、選択されたメモリセルを検知した後、制御ゲート電圧は読み出しパス電圧から定常状態電圧(例えば、Vss)まで放電することができる。この放電の間、チャネルのいくつかの部分に電子の一部が残る可能性がある。
図1Bに示すように、制御ゲートが定常電圧まで放電された後、ワード線(または制御ゲート)は浮遊してもよい。チャネルと制御ゲートとの間の容量性結合により、検知動作の後に制御ゲート上の電圧が上昇する可能性がある。制御ゲート150とチャネル158との間の電圧差は、
図1Aに示されるように、電界をもたらす。
図1Aに示すように、電界は、チャネル158からの残留電子をメモリセル106内の浅い界面トラップに求引することができる。浅い界面トラップは、電荷トラッピング層154内にあってもよい。これらのトラップされた電子は、メモリセル106の閾値電圧を上昇させる可能性がある。
【0041】
メモリセル106が、浅い界面トラップ内に電子がまだトラップされたままで再び検知される場合、閾値電圧は、その意図された(例えば、正しい)値から変更され得る。十分な時間が経過した後、制御ゲート電圧は、定常状態電圧(例えば、Vss)に低下する可能性がある。浅い界面トラップにトラップされた残留電子は、デトラップされることがある。したがって、メモリセル106の閾値電圧は正しいレベルに戻ることができる。しかし、電圧が落ち着き、電子がデトラップされるのにかなりの時間(例えば、20分)がかかることがある。
【0042】
検知されたメモリセルを有するストリング上のメモリセルのいずれも、ワード線電圧の上昇の問題によって潜在的にその閾値電圧が影響を受ける可能性があることに留意されたい。したがって、ワード線電圧の上昇は、同じメモリセルを再び検知すること、またはストリング上の異なるメモリセルを検知することに影響を及ぼし得る。
【0043】
本明細書に開示された実施形態は、メモリセルストリング(NANDストリングなど)上のメモリセルの検知動作後に残留電子を除去する。したがって、ストリング上のメモリセルを、ワード線の電圧上昇の影響が収まるのを待つことなく検知することができる。
【0044】
一実施形態では、残留電子は、検知動作後にストリングチャネルからパージされる。残留電子は、ストリングチャネル全体またはその一部からパージされ得る。したがって、ストリング上のメモリセルの浅い界面トラップにおける電子のトラッピングが低減または防止される。したがって、制御ゲート電圧の上昇に関連する問題が低減または防止される。したがって、ストリング上のメモリセルは、依然として正確な結果を提供しつつも、ストリング上のいくつかのメモリセルの検知動作の後にかなりの時間待たずに検知することができる。
【0045】
一実施形態では、読み出しパス電圧は、検知動作後にメモリストリングチャネル全体から残留電子をパージするように放電される。残留電子は、メモリストリング全体からパージされているので、ワード線電圧が上昇する場合、ストリング上のメモリセルのいずれかの浅い界面トラップには、全くまたは非常にわずかしか電子がトラップされない。したがって、ワード線電圧は、ストリング上のメモリセルの閾値電圧に影響を与えることなく、検知動作後も依然として上昇し得る。
【0046】
一実施形態では、読み出しパス電圧は、検知動作後にメモリストリングチャネルの一部から残留電子をパージするように放電される。残留電子はメモリストリングの一部からパージされているので、ワード線電圧が上昇する場合には、残っている電子がパージされているチャネルの部分に隣接するメモリセルの浅い界面トラップには、全くまたは非常にわずかしか電子がトラップされない。したがって、残留電子がパージされたメモリストリングチャネルの部分に隣接するメモリセルの閾値電圧に影響を与えることなく、検知動作後にワード線電圧が依然として上昇する可能性がある。
【0047】
一実施形態では、残留電子がチャネルを離れる経路を提供するように読み出しパス電圧を放電することによって、メモリストリングチャネルから残留電子がパージされる。電子は、例えば、ビット線またはソース線に向かって出ていくことができる。一実施形態では、制御回路は、残留電子がメモリセルチャネルを離れるための経路を提供するために、異なる戦略的時間にメモリセル制御ゲートから読み出しパス電圧を放電し始める。
【0048】
一実施形態では、残留電子がチャネルの一部を離れる経路を提供するように読み出しパス電圧を放電することによって、メモリストリングチャネルの一部から残留電子がパージされる。一実施形態では、制御回路は、残留電子がメモリセルストリングチャネルの一部を離れる経路を提供するために、異なる戦略的時間にメモリセル制御ゲートから読み出しパス電圧を放電し始める。
【0049】
一実施形態では、トラップされた電子は、弱い消去動作を使用して、ストリング上のメモリセルのうち少なくとも1つの浅い界面トラップから除去される(例えば、デトラップされる)。ここで言及されるトラップされた電子は、ストリング上のメモリセルのうち1つを検知することによるワード線電圧の上昇の問題の結果であり得る。したがって、ワード線電圧の上昇に関連する問題が低減または防止される。このように、弱く消去されたメモリセルは、依然として正確な結果を提供しながら、待たずに検知することができる。弱い消去は、必要ではないが、検知動作の一部であり得る。例えば、弱い消去は、非常に効率的な解決法を提供する検知動作の開始部分に組み込むことができる。
【0050】
以下の説明は、上記および他の問題に対処する例示的なメモリデバイスおよび関連技術の構成の詳細を提供する。
【0051】
図2Aは、3D積層型不揮発性メモリデバイス内の1組のブロックの斜視図である。メモリデバイス100は、基板101を含む。基板上には、メモリセル(記憶素子)の例示的なブロックBLK0、BLK1、BLK2およびBLK3と、ブロックによって使用される回路を有する周辺領域104がある。例えば、回路は、ブロックの制御ゲート層に接続することができる電圧ドライバ105を含むことができる。1つのアプローチでは、ブロック内の同じ高さの制御ゲート層が共通に駆動される。基板101はまた、回路の信号を伝達するために導電路にパターン形成された1つ以上の下部金属層とともに、ブロックの下に回路を有することができる。ブロックは、メモリデバイスの中間領域102に形成される。メモリデバイスの上部領域103には、回路の信号を伝達するために、1つ以上の上部金属層が導電性経路にパターン形成される。各ブロックは、メモリセルの積層領域を含み、ここで積層体の交互のレベルが制御ゲート層を表す。1つの可能なアプローチでは、同じ高さにある各ブロックの制御ゲート層は、互いに、および電圧ドライバに接続される。4つのブロックが一例として示されているが、xおよび/またはy方向に延びる2つ以上のブロックを使用することができる。
【0052】
1つの可能なアプローチでは、ブロック内の各制御ゲート層を、
図4A、
図4Bおよび
図4Dに示すような領域に分割することができる。
【0053】
x方向における平面の長さは、1つ以上の上部金属層内でワード線への信号経路が延びる方向(ワード線またはSGDライン方向)を表すことができ、そのy方向の平面の幅は、1つ以上の上部金属層において信号経路がビット線へ延びる方向(ビット線方向)を示す。z方向はメモリデバイスの高さを表す。
【0054】
図2Bは、
図2Aの3D積層型不揮発性メモリデバイス100などのメモリデバイスの機能ブロック図である。メモリデバイス100は、1つ以上のメモリダイ108を含み得る。
図2Aの1組のブロックは、1つのダイ上に存在することができる。メモリダイ108は、メモリセルのメモリ構造126、例えば、メモリセルのアレイ、制御回路110、および読み出し/書き込み回路128を含む。3D構成では、メモリ構造は
図2Aのブロックを含むことができる。メモリ構造126は、行デコーダ124を介してワード線によって、また列デコーダ132を介してビット線によってアドレス可能である。読み出し/書き込み回路128は、複数のセンスブロックSB1、SB2、...、SBp(検知回路)を含み、1ページのメモリセルが並列に読み出され、またはプログラムされることを可能にする。典型的には、コントローラ122は、1つ以上のメモリダイ108と同じメモリデバイス100(例えば、リムーバブルストレージカード)に含まれる。コマンドおよびデータは、ホスト140とコントローラ122との間でデータバス120を介して、およびコントローラと1つ以上のメモリダイ108との間でライン118を介して伝送される。
【0055】
メモリ構造は、2Dまたは3Dであり得る。メモリ構造は、3Dアレイを含むメモリセルの1つ以上のアレイを備えることができる。メモリ構造は、複数のメモリレベルが、介在する基板なしに、ウエハなどの単一の基板の上(基板内ではなく)に形成されるモノリシック三次元メモリ構造を含むことができる。メモリ構造は、シリコン基板の上に配置された活性領域を有するメモリセルのアレイの1つ以上の物理レベルにモノリシックに形成された任意の種類の不揮発性メモリを含むことができる。関連する回路が基板の上にあるか基板内にあるかに関係なく、メモリ構造は、メモリセルの動作に関連する回路を有する不揮発性メモリデバイス内にあってもよい。
【0056】
制御回路110は、読み出し/書き込み回路128と協働して、メモリ構造126上のメモリ動作を実行し、状態機械112、オンチップアドレスデコーダ114、および電力制御モジュール116を含む。状態機械112は、メモリ動作のチップレベル制御を提供する。異なる行またはメモリセルの他の群のプログラミングパラメータなど、メモリデバイスを動作させるためのパラメータのための記憶領域113を設けることができる。これらのプログラミングパラメータは、ビット線電圧および検証電圧を含むことができる。
【0057】
オンチップアドレスデコーダ114は、ホストまたはメモリコントローラによって使用されるものと、デコーダ124および132によって使用されるハードウェアアドレスとの間のアドレスインターフェイスを提供する。電力制御モジュール116は、メモリ動作中にワード線およびビット線に供給される電力および電圧を制御する。それは、3D構成のワード線層(WLL)のドライバ、SGSおよびSGDの選択ゲートおよびソース線を含むことができる。1つのアプローチでは、センスブロックはビット線ドライバを含むことができる。SGS選択はNANDストリングのソース端のゲートトランジスタであり、SGD選択ゲートはNANDストリングのドレイン端のトランジスタである。
【0058】
いくつかの例では、構成要素のうちのいくつかを組合せることができる。様々な設計において、メモリ構造126以外の(単独または組合せの)構成要素のうち1つ以上は、本明細書に記載の動作を実行するように構成された少なくとも1つの制御回路と考えることができる。例えば、制御回路は、制御回路110、状態機械112、デコーダ114/132、電力制御モジュール116、センスブロックSB1、SB2、...、SBp、読み出し/書き込み回路128、コントローラ122等のいずれか1つ、またはその組合せを含むことができる。
【0059】
オフチップコントローラ122は、プロセッサ122cと、ROM122aおよびRAM122bなどの記憶装置(メモリ)とを含むことができる。記憶装置は、一組の命令などのコードを含み、プロセッサは、一組の命令を実行して、本明細書に記載する機能を提供するように動作可能である。代替的または追加的に、プロセッサは、1つ以上のワード線内のメモリセルに確保された領域など、メモリ構造の記憶装置126aからコードにアクセスすることができる。
【0060】
このコードは、プログラミング、読み出し、および消去操作のためなど、メモリ構造にアクセスするためにコントローラによって使用される。コードは、ブートコードおよび制御コード(例えば、1組の命令)を含むことができる。ブートコードは、ブートまたは起動プロセス中にコントローラを初期化し、コントローラがメモリ構造にアクセスできるようにするソフトウェアである。このコードは、1つ以上のメモリ構造を制御するためにコントローラによって使用され得る。起動時に、プロセッサ122cは、ブートコードをROM122aまたは記憶装置126aから取り出して実行し、ブートコードはシステム構成要素を初期化し、制御コードをRAM122bにロードする。制御コードがRAMにロードされると、それはプロセッサによって実行される。制御コードには、メモリの制御と割り当て、命令の処理の優先順位付け、入出力ポートの制御などの基本的なタスクを実行するためのドライバが含まれている。
【0061】
NANDフラッシュメモリに加えて、他のタイプの不揮発性メモリも使用することができる。
【0062】
半導体メモリデバイスは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイスなどの揮発性メモリデバイス、抵抗性ランダムアクセスメモリ(ReRAM)などの不揮発性メモリデバイス、電気的消去可能ROM(「EEPROM」)、フラッシュメモリ(EEPROMのサブセットともみなすことができる)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(「FRAM(登録商標)」)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(「MRAM」)、および情報を記憶することができる他の半導体素子を含む。各タイプのメモリデバイスは、異なる構成を有することができる。例えば、フラッシュメモリデバイスは、NANDまたはNOR構成で構成することができる。
【0063】
メモリデバイスは、受動素子および/または能動素子から任意の組合せで形成することができる。非限定的な例として、受動半導体メモリ素子は、ReRAMデバイス素子を含み、これは、いくつかの実施形態では、アンチヒューズまたは相変化材料のような抵抗率スイッチング記憶素子と、場合によりダイオードまたはトランジスタなどのステアリング素子とを含む。さらに、非限定的な例として、能動半導体メモリ素子は、EEPROMおよびフラッシュメモリ素子を含み、これらは、いくつかの実施形態では、浮遊ゲート、導電性ナノ粒子または電荷蓄積誘電体などの電荷蓄積領域を含む素子を含む。
【0064】
複数のメモリ素子は、それらが直列に接続されるように、または各要素が個別にアクセス可能となるように構成されてもよい。非限定的な例として、NAND構成のフラッシュメモリデバイス(NANDメモリ)は、通常、直列に接続されたメモリ素子を含む。NANDストリングは、メモリセルおよび選択ゲートトランジスタを含む直列接続された一組のトランジスタの一例である。
【0065】
NANDメモリアレイは、メモリの複数のストリングでアレイが構成されるように構成することができ、ここで、ストリングは、単一のビット線を共有しグループとしてアクセスされる複数のメモリ素子からなる。あるいは、メモリ素子は、各素子が個別にアクセス可能であるように、例えばNORメモリアレイとして構成されてもよい。NANDおよびNORメモリ構成は例示であり、メモリ素子は他の形態で構成されてもよい。
【0066】
基板内および/または基板上に配置された半導体メモリ素子は、二次元メモリ構造または三次元メモリ構造のような二次元または三次元に配置することができる。
【0067】
二次元メモリ構造では、半導体メモリ素子は、単一平面または単一のメモリ装置レベルに配置される。典型的には、二次元メモリ構造において、メモリ素子は、メモリ素子を支持する基板の主面に実質的に平行に延在する平面(例えば、x−y方向平面)に配置される。基板は、その上に、またはその内部にメモリ素子の層が形成されたウエハであってもよいし、またはその形成後にメモリ素子に取り付けられるキャリア基板であってもよい。非限定的な例として、基板はシリコンのような半導体を含むことができる。
【0068】
メモリ素子は、複数の行および/または列などのように、秩序アレイ内の単一のメモリデバイスレベルに配置されてもよい。しかし、メモリ素子は、不規則的または非直交の構成で配列されてもよい。メモリ素子は、それぞれ、ビット線およびワード線のような2つ以上の電極またはコンタクトラインを有することができる。
【0069】
三次元メモリアレイは、メモリ素子が複数の平面または複数のメモリデバイスレベルを占めるように配置され、それによって三次元の構造を形成する(すなわち、x、y、z方向であって、基板の主表面に対してz方向が実質的に垂直であり、xおよびy方向が実質的に平行である)。
【0070】
非限定的な例として、三次元メモリ構造は、複数の二次元メモリデバイスレベルの積層体として垂直に配置されてもよい。別の非限定的な例として、三次元メモリアレイは、複数の垂直な列(例えば、基板の主面に対して実質的に垂直、すなわちy方向に延在する列)として配列され、各列は複数のメモリ素子を有する。列は、二次元構成、例えばx−y平面に配置され、素子が複数の垂直に積み重ねられたメモリ面上に存在するメモリ素子の三次元配列をもたらす。三次元のメモリ素子の他の構成も、三次元メモリアレイを構成することができる。
【0071】
非限定的な例として、三次元NANDメモリアレイにおいて、メモリ素子は、結合されて単一の水平(例えば、x−y)メモリデバイスレベル内にNANDストリングを形成してもよい。あるいは、複数のメモリ素子を結合して、複数の水平メモリ素子レベルにわたって横断する垂直NANDストリングを形成することができる。いくつかのNANDストリングが単一のメモリレベルにメモリ素子を含み、他のストリングが複数のメモリレベルにまたがるメモリ素子を含む他の三次元構成が考えられる。三次元メモリアレイは、NOR構成およびReRAM構成で設計することもできる。
【0072】
典型的には、モノリシック三次元メモリアレイにおいて、1つ以上のメモリデバイスレベルが単一の基板上に形成される。場合によっては、モノリシック三次元メモリアレイは、単一基板内に少なくとも部分的に1つ以上のメモリ層を有することもできる。非限定的な例として、基板はシリコンのような半導体を含むことができる。モノリシックな三次元アレイでは、アレイの各メモリデバイスレベルを構成する層は、典型的には、アレイの下にあるメモリデバイスレベルの層上に形成される。しかし、モノリシック三次元メモリアレイの隣接するメモリデバイスレベルの層は、共有されてもよく、メモリデバイスレベル間に介在する層を有してもよい。
【0073】
次に、二次元アレイを別々に形成し、次いで一緒にパッケージして、複数のメモリ層を有する非モノリシックメモリデバイスを形成することができる。例えば、非モノリシック積層メモリは、別々の基板上にメモリレベルを形成し、次いでメモリレベルを互いに重ね合わせることによって構成することができる。積層する前に基板を薄くするか、またはメモリデバイスレベルから除去することができるが、メモリデバイスレベルは最初は別々の基板上に形成されるので、結果として得られるメモリアレイはモノリシックな三次元メモリアレイではない。さらに、複数の二次元メモリアレイまたは三次元メモリアレイ(モノリシックまたは非モノリシック)を別個のチップ上に形成し、次いでそれらを一緒にパッケージングして、積層チップメモリデバイスを形成することができる。
【0074】
関連する回路は、通常、メモリ素子の動作およびメモリ素子との通信のために必要とされる。非限定的な例として、メモリデバイスは、プログラミングおよび読み出しなどの機能を達成するためにメモリ素子を制御および駆動するために使用される回路を有することができる。この関連回路は、メモリ素子と同じ基板上および/または別個の基板上に存在してよい。例えば、メモリ読み書き操作のためのコントローラは、別個のコントローラチップ上に、および/またはメモリ素子と同じ基板上に配置することができる。
【0075】
当業者であれば、この技術は、記載された二次元および三次元の例示的な構造に限定されず、本明細書に記載される技術の精神および範囲内の、また当業者に理解されるすべての関連するメモリ構造を対象とすることを認識するであろう。
【0076】
図3は、
図2BのセンスブロックSB1の一実施形態を示すブロック図である。センスブロックは、センスモジュール(例えば、SM0)またはセンス増幅器と呼ばれる1つ以上のコア部分と、管理回路(例えばMC0)と呼ばれる共通部分とに分割される。一実施形態では、各ビット線用の個別のセンスモジュール、およびSM0、SMI、SM2およびSM3のような、センスモジュールのセットのための1つの共通の管理回路が存在する。群をなした各センスモジュールは、データバス172を介して関連する管理回路と通信する。したがって、1組のメモリセルのセンスモジュールと通信する1つ以上の管理回路が存在する。
【0077】
各センスモジュールSM0、SM1、SM2、SM3は、接続されたビット線BL0、BL1、BL2およびBL3の導通電流がそれぞれ、所定の閾値電圧(検証電圧)より高いか低いかを判定することによって検知を行うセンス回路SCO、SCI、SC2およびSC3を有する。各センスモジュールSM0、SMI、SM2およびSM3はまた、接続されたビット線上の電圧条件を設定するために使用されるビット線ラッチBLL0、BLL1、BLL2およびBLL3をそれぞれ含む。例えば、プログラミング電圧の間、ビット線ラッチにラッチされた所定の状態は、接続されたビット線がロックアウト状態(例えば、1.5〜3V)、低速プログラミング状態(例えば、0.5〜1V)または通常のプログラミング状態(例えば、0V)になる結果となる。
【0078】
管理回路MC0は、プロセッサ192と、データラッチ194、195、196および197の4つの例示的なセットと、1組のデータラッチとデータバス120との間に結合されたI/Oインターフェース198とを含む。1組のデータラッチを各センスモジュールに設けることができ、LDLおよびUDLによって識別されるデータラッチを含むことができる。各メモリセルの2ビットのデータを記憶するメモリに、LDLは書き込みデータの下位ページ(LP)のビットを記憶し、UDLは書き込みデータの上位ページ(UP)のビットを記憶する。
【0079】
追加のデータラッチも同様に使用することができる。例えば、1つのメモリセル当たり3ビットの例では、データの中間ページ(MP)を格納するために1つの付加的なデータラッチを使用することができる。1つのメモリセル当たり4ビットの例は、中間下位および中間上位のデータラッチを使用することができる。本明細書で提供される技術は、そのような変形例を包含することを意味する。別の選択肢では、別のラッチを使用して、そのVthがその目標データ状態の検証電圧の指定されたマージン内にあるときに、メモリセルが低速プログラミングモードにあるかどうかを識別する。
【0080】
プロセッサ192は、読み出しおよびプログラミング中に計算を実行する。読み出しのために、プロセッサは、検知されたメモリセルに記憶されたデータ状態を判定し、そのデータを1組のデータラッチに記憶する。完全なプログラミングおよびリフレッシュプログラミングのために、プロセッサはラッチを読み取り、メモリセルに書き込まれるべきデータ状態を決定する。
【0081】
読み出しの間、システムの動作は、アドレスされたメモリセルへの異なる制御ゲート電圧の供給を制御する状態機械112の制御下にある。これは、メモリに支えられた様々なメモリ状態(例えば、状態A、B、およびC、またはA、B、C、D、E、FおよびG)に対応する様々な所定の制御ゲート電圧(例えば、
図6のVrE/A、VrA/BおよびVrB/C、または
図8のVrA、VrB、Vrc、VrD、VrE、VrFおよびVrD)を通過するため、これらの電圧の1つでセンスモジュールがトリップし、対応する出力がデータバス172を介してセンスモジュールからプロセッサ192に供給される。その時点で、プロセッサ192は、センスモジュールのトリッピングイベントと、入力ライン193を介して状態機械から印加される制御ゲート電圧に関する情報とを考慮することによってメモリ状態を決定する。次に、メモリ状態のバイナリ符号化を計算し、得られたデータビットをデータラッチ194〜197の組に格納する。管理回路MC0の別の実施形態では、ビット線ラッチは、センスモジュールの出力をラッチするためのラッチとして、および上述のようなビット線ラッチとしても機能する。
【0082】
いくつかの例は、複数のプロセッサを含むことができる。一実施形態では、各プロセッサは出力線(図示せず)を含み、出力線の各々が一緒にワイヤードORされる。いくつかの実施形態では、出力線はワイヤードOR線に接続される前に反転する。ワイヤードORを受信した状態機械が、プログラムされているすべてのビットがいつ所望のレベルに達したかを決定することができるので、この構成は、いつプログラミングプロセスが完了したかをプログラム検証プロセス中に迅速に決定することができる。例えば、各ビットが所望のレベルに達したとき、そのビットに対する論理0がワイヤードOR線に送られる(またはデータ1が反転する)。すべてのビットがデータ0(または反転したデータ1)を出力すると、状態機械はプログラミングプロセスを終了すべきであることがわかる。各プロセッサは4つのセンスモジュールと通信するので、状態機械はワイヤードOR線を4回読み取る必要があり、または状態機械がワイヤードOR線を1回読み取るだけでよいように論理がプロセッサ192に加えられて関連するビット線の結果を累算する。同様に、論理レベルを正しく選択することによって、状態機械の全体は、第1ビットがその状態をいつ変化させるかを検知し、それに応じてアルゴリズムを変更することができる。
【0083】
プログラム動作または検証動作の間、プログラムされるデータ(書き込みデータ)は、データバス120からLPデータラッチおよびUPデータラッチに、データラッチ194〜197の組に格納される。状態機械の制御下でのプログラミング動作は、アドレスされたメモリセルの制御ゲートに印加される一連のプログラミング電圧パルスを含む。各プログラミング電圧の後には、メモリセルが所望のメモリ状態にプログラムされたかどうかを判断するためのリードバック(検証テスト)が続く。場合によっては、プロセッサは、所望のメモリ状態に対してリードバックメモリ状態を監視する。2つの状態が一致すると、プロセッサはビット線ラッチをセットして、ビット線をプログラム禁止を指定する状態(例えば、2〜3V)にする。これは、たとえプログラミング電圧がその制御ゲートに現れても、ビット線に結合されたメモリセルがさらにプログラミングされることを阻止する。他の実施形態では、プロセッサは、最初にビット線ラッチをロードし、センス回路は、検証プロセスの間、それを禁止値に設定する。
【0084】
データラッチ194〜197の各組は、各センスモジュールのデータラッチの積層体として実現されてもよい。一実施形態では、センスモジュールごとに3つのデータラッチが存在する。いくつかの実施形態では、データラッチは変動レジスタとして実施され、その中に記憶されたパラレルデータがデータバス120のシリアルデータに変換され、その逆も同様である。メモリセルの読み出し/書き込みブロックに対応するすべてのデータラッチは、ブロックの変動レジスタを形成するために互いにリンクすることができ、それにより、データのブロックがシリアル転送によって入力または出力され得る。特に、読み出し/書き込みモジュールのバンクは、その1組のデータラッチの各々が、それらが読み出し/書き込みブロック全体の変動レジスタの一部であるかのように、連続的にデータバスにデータを変動インまたは変動アウトするように適合される。
【0085】
図4Aは、ストレートNANDストリングの実施形態における、
図2AのブロックBLK0の例示的なワード線層400の上面図を示す。上述したように、
図2Aの各ブロック内のワード線層は複数の領域に分割することができる。各領域は、記憶装置の製造プロセス中にワード線層を処理するために積層体内に周期的に形成されたスリット間に延在することができる。この処理は、ワード線層の犠牲材料を金属で置き換えることを含むことができる。一般に、スリット間の距離は、エッチャントが犠牲材料を除去するために横方向に移動することができ、犠牲材料の除去によって生じる空隙を埋めるように金属が移動することができる距離の限界を形成するように、比較的小さい。例えば、スリット間の距離は、隣接するスリット間に数行のメモリホールが存在してもよい大きさである。メモリホールおよびスリットの配置はまた、各ビット線が異なるメモリセルに接続されている状態で、領域を横切って延びることができるビット線の数の限界を考慮する必要がある。ワード線層を処理した後、スリットは、場合によっては金属で埋められて、積層体を通る相互接続を提供することができる。
【0086】
これらの図面等は必ずしも一定の縮尺ではない。実際には、領域は、追加のメモリホールを収容するために描かれているよりも、y方向に対してx方向にずっと長くすることができる。
【0087】
この例では、隣接するスリット間に4列のメモリホールがある。ここでの列は、x方向に整列された1組のメモリホールである。さらに、メモリホールの列は、メモリホールの密度を高めるために千鳥状に配置されている。ワード線層は、領域406、407、408および409に分割され、領域406、407、408、および409はそれぞれコネクタ413によって接続される。1つのアプローチでは、ブロック内のワード線層の最後の領域は、次のブロック内のワード線層の第1の領域に接続することができる。コネクタは、次に、ワード線層用の電圧ドライバに接続される。領域406は、線412に沿った例示的なメモリホール410および411を有する。
図4Cも参照のこと。領域407は、例示的なメモリホール414および415を有する。領域408は、例示的なメモリホール416および417を有する。領域409は、例示的なメモリホール418および419を有する。
【0088】
各円は、ワード線層または選択ゲート層におけるメモリホールの断面を表す。もしくは、各円は、メモリホール内の材料と隣接するワード線層とによって提供されるメモリセルを表すことができる。
【0089】
金属充填スリット401、402、403、404(例えば、金属相互接続)は、領域406〜409の端部の間に端部と隣接して配置されてもよい。金属充填スリットは、積層体の底部から積層体の上部までの導電性経路を提供する。例えば、積層体の底部にあるソース線は積層体の上の導電線に接続されてもよく、導電線はメモリデバイスの周辺領域の電圧ドライバに接続される。
【0090】
図4Bは、
図4Aと一致する例示的なSGD層420の上面図を示す。SGD層は、領域426、427、428および429に分割される。各領域は、それぞれの電圧ドライバに接続することができる。これにより、ワード線層の1つの領域内の1組のメモリセルを同時にプログラムすることができ、各メモリセルは、それぞれのビット線に接続されたそれぞれのNANDストリング内にある。各ビット線に電圧を設定して、各プログラム電圧の間のプログラミングを許可または禁止することができる。
【0091】
領域426は、ビット線BL0と一致する線412aに沿った例示的なメモリホール410および411を有する。
図4Cも参照のこと。領域427はまた、ビット線BL1と一致する例示的なメモリホール414を有する。多数のビット線がメモリホールの上に延び、記号「X」によって示されるようにメモリホールに接続される。BL0は、メモリホール411、415、417、419を含む1組のメモリホールに接続される。別の例示的なビット線BL1は、メモリホール410、414、416および418を含む1組のメモリホールに接続される。
図4Aの金属充填スリット401、402、403、404も、積層体を通って垂直方向に延びるので、図示されている。ビット線は、SGD層420を横切ってx方向に順にBL0〜BL23と番号を付けることができる。
【0092】
ビット線の異なるサブセットは、異なる列のセルに接続される。例えば、BL0、BL4、BL8、BL12、BL16およびBL20は、各領域の右端のセルの第1列のセルに接続される。BL2、BL6、BL10、BL14、BL18およびBL22は、右端の第1列に隣接するセルの隣接列内のセルに接続される。BL3、BL7、BL11、BL15、BL19およびBL23は、各領域の左端のセルの第1列のセルに接続されている。BL1、BL5、BL9、BL13、BL17およびBL21は、左端の第1列に隣接するセルの隣接列内のセルに接続される。
【0093】
図4Cは、
図4Aの線412および
図4Bの線412aに沿った断面図を示す積層体440の実施形態を示す。積層体440は、交互の導電層と絶縁層とを有する。絶縁層は、DL0〜DL55と表示され、酸化ケイ素のような誘電材料であってもよい。導電層は、データワード線層WLL0〜WLL47に加えて、2つのSGD層、2つのSGS層、4つのダミーワード線層DWLD0、DWLD1、DWLS0およびDWLS1を含む。導電層は、例えばタングステンから形成することができる。NANDストリングNS1およびNS2に対応するメモリセルの列は、多層積層体内に示されている。この積層体は、基板101と、基板上の絶縁膜250と、ソース線SLの一部とを含む。NS1は積層体の底部444にソース端部439を有し、積層体の上部443にドレイン端部438を有する。
図4Aおよび
図4Bの金属充填スリット401および402も示されている。ビット線BL0の一部も示されている。導電性ビア441は、ドレイン端438をBL0に接続する。積層体の領域442が
図5に詳細に示されている。
【0094】
図4Dは、
図4Cの積層体440の選択ゲート層およびワード線層の代替図を示す。SGD層SGD0およびSGD0はそれぞれ、1組のNANDストリングのドレイン側に関連する選択ゲート線の平行な列を含む。例えば、SGD0は、
図4Bと一致するドレイン側選択ゲート領域426、427、428および429を含む。
【0095】
SGD層の下には、ドレイン側ダミーワード線層がある。各ダミーワード線層は、1つのアプローチではワード線を表し、積層体内の所与の高さで1組のダミーメモリセルに接続される。例えば、DWLD0は、ワード線層領域450、451、452および453を含む。データ記憶セルはデータを記憶するのに適しているが、非データメモリセルとも呼ばれるダミーメモリセルはデータを記憶せず、データ記憶には適していない。さらに、ダミーメモリセルのVthは一般に製造時に固定されているか、または周期的に調整されているが、データメモリセルのVthは、例えばデータメモリセルの消去およびプログラミング動作中に、より頻繁に変化する。
【0096】
ダミーワード線層の下には、データワード線層がある。例えば、WLL10は、
図4Aと一致するワード線層領域406、407、408および409を含む。
【0097】
データワード線層の下には、ソース側ダミーワード線層が存在する。
【0098】
ソース側ダミーワード線層の下にはSGS層が存在する。SGS層SGS0およびSGS1は、1組のNANDストリングのソース側に関連する選択ゲート線の平行な列をそれぞれ含む。例えば、SGS0は、ソース側選択ゲート線454、455、456および457を含む。1つのアプローチでは、各選択ゲート線を独立して制御することができる。あるいは、選択ゲート線を接続して共通に制御することができる。
【0099】
図5は、
図4Cの領域442の図を示す。SGD選択ゲート480および481は、ダミーメモリセル482および483ならびにデータメモリセルMCの上に設けられる。メモリホール410の側壁(SW)に沿って、および/または各ワード線層内に、例えば原子層堆積を使用していくつかの層を堆積させることができる。例えば、各列(例えば、メモリホール内の材料によって形成されるピラー)は、SiNまたは他の窒化物などの電荷トラップ層または膜463、トンネル層464、ポリシリコン体またはチャネル465、および誘電体コア466を含むことができる。ワード線層は、ブロック酸化物470、ブロック高k材料460、金属バリア461、および制御ゲートとしてのタングステンのような導電性金属462を含むことができる。例えば、制御ゲート490、491、492、493および494が設けられている。この例では、金属以外の全ての層がメモリホール内に設けられている。他のアプローチでは、いくつかの層を制御ゲート層内に設けることができる。追加のピラーは、同様に、異なるメモリホール内に形成される。ピラーは、NANDストリングの円柱状アクティブエリア(AA)を形成することができる。
【0100】
図5のメモリセルは、
図1Aのメモリセル106の一実施形態である。したがって、制御ゲート490、491、492、493および494は、制御ゲート150の一実施形態である。ブロック酸化物470およびブロック高k材料460は一緒に、誘電体ブロック層152の一実施形態である。電荷トラップ層または膜463は、電荷蓄積領域154の一実施形態である。トンネル層464は、トンネル誘電体層156の一実施形態である。ポリシリコン体またはチャネル465は、チャネル158の一実施形態である。
【0101】
図5のメモリセルがプログラムされると、電子はメモリセルに関連する電荷トラッピング層の一部に蓄積される。これらの電子は、チャネルからトンネル層を通って電荷トラップ層に引き込まれる。メモリセルのVthは、蓄積電荷量に比例して増加する。消去動作中、電子はチャネルに戻る。
【0102】
メモリホールの各々は、ブロッキング酸化物層、電荷トラップ層、トンネル層およびチャネル層を含む複数の環状層で充填することができる。各メモリホールのコア領域は、ボディ材料で充填され、複数の環状層は、各メモリホール内のコア領域とWLLとの間にある。
【0103】
場合によっては、トンネル層464は、酸化物−窒化物−酸化物構成のように複数の層を含むことができる。
【0104】
NANDストリングは、チャネルの長さが基板上に形成されないので、浮遊ボディチャネルを有すると考えることができる。さらに、NANDストリングは、複数のワード線層によって互いに積層して形成され、誘電体層(例えばDL0〜DL55)によって互いに分離されている。
【0105】
図6は、1組のメモリセルに対する閾値電圧(Vth)分布、ならびに読み出しおよび検証電圧の例を示す。横軸はVthを表し、縦軸は対数目盛りでメモリセル数を表す。明確にするために、Vth分布を簡略化した形で示す。
【0106】
1つのアプローチでは、フルシーケンスプログラミングとも呼ばれる1つのプログラミングパス動作は、選択された1組のメモリセルの閾値電圧が、それぞれの目標データ状態の1つ以上のそれぞれの検証電圧に達するまで、最初のVpgmレベルから開始して最終Vpgmに進む複数のプログラム検証動作(またはプログラムループ)の1つのシーケンス(のみ)を含む。すべてのメモリセルは、プログラミングパスの開始時には、最初は消去状態にあってもよい。
【0107】
メモリセルアレイのVthの分布の例は、各メモリセルが4つの可能なVth範囲のうちの1つに2ビットのデータを格納する場合について提供される。一方のビットはLPデータを表し、他方のビットはUPデータを表す。ビットの組合せは、UPビットとそれに続くLPビットによって示され、例えば11はUP=1およびLP=1を表し、01はUP=0およびLP=1を表し、00はUP=0およびLP=0を表し、10はUP=1、LP=0を表す。ビットの組合せは、前述したような一組のラッチに記憶される。例えば、LPビットをLDLに格納し、UPビットをUDLに格納することができる。別の例では、各メモリセルは、8つの可能なVth範囲のうちの1つに3ビットのデータを記憶する。
【0108】
Vth分布601、602および603は、それぞれのVthが検証電圧VvA、VvBまたはVvCを超えるとメモリセルが到達する目標データ状態A、BおよびCをそれぞれ表す。メモリセルのVthが検証電圧を超えたかどうかを判定するために、検証動作またはテストが実行される。VvErは消去検証電圧である。
【0109】
プログラミングパスが完了した後、Vth分布の間にある読み出し基準電圧VrEr/A、VrA/BおよびVrB/Cを用いてメモリセルからデータを読み出すことができる。所与のメモリセルのVthが読み出し基準電圧のうちの1つ以上よりも高いか低いかを試験することによって、システムはメモリセルによって表されるデータ状態を判定することができる。
【0110】
図7Aは、プログラミング動作における一組のプログラム電圧を示す。縦軸は、制御ゲートまたはワード線電圧であるVegを示し、横軸は、時間またはプログラムループ数(例えば、プログラム検証反復数)を示す。4つのデータ状態を有する1パスプログラミング動作が
図7A〜
図7Cに示されている。代替的な選択肢も可能である。プログラミング動作は、プログラム電圧701〜709を含む一連の波形700を含む。Vpgmが初期レベル、すなわちVpgm_initで開始し、各プログラムループにおいて段階的に増加するように、漸増ステップパルスプログラミングが実行される。この例はまた、プログラムループに基づいて検証テストを実行する(
図7C参照)。例えば、A状態のセルはループ1および2で検証され、AおよびB状態のセルはループ3〜5で検証され、BおよびC状態のセルはループ6〜8で検証され、C状態のセルはループ9で検証される。
図7A〜
図7Cの横軸は時間的に整列している。
【0111】
図7Bは、
図7Aと一致する、プログラミング動作における1組のビット線電圧を示す。Vbl_inhibitは、ロックアウトまたはインヒビット状態(例えば、消去状態のセルまたはターゲットデータ状態へのプログラミングを完了したメモリセル)を有するメモリセルのビット線に印加されてもよい。Vbl=0Vは、プログラム状態のメモリセルに印加されてもよい。
【0112】
図7Cは、プログラミング動作における1組の検証電圧を示し、
図7Aと一致する。プログラムループ1および2の波形711および712は、それぞれVvAの大きさを有する。プログラムループ3、4、5の波形713、714および715は、それぞれVvAおよびVvBの大きさを有する。プログラムループ6、7および8の波形716、717および718は、それぞれVvBおよびVvCの大きさを有する。プログラムループ9の波形719はVvCの大きさを有する。具体的には、プログラムループ1および2において、VvAのA状態のセルについて検知が行われる。プログラムループ3、4および5では、VvAのA状態のセルとVvBのB状態のセルの検知が行われる。プログラムループ6、7および8では、VvBのB状態のセルおよびVvCのC状態のセルの検知が行われる。プログラムループ9では、VvCでC状態のセルに対して検知が行われる。このアプローチは、より低い目標データ状態を有するメモリセルがより高い目標データ状態を有するメモリセルよりも早くプログラミング動作において検証テストに合格することを考慮することによって、検証動作の数を最小にする。
【0113】
メモリセルは、4つより多くの状態または少ない状態にプログラムすることができる。
図6の例では、各メモリセルは2ビットを記憶することができる。メモリセルは、それぞれ2ビットより多いまたは少ないビットを格納することができる。
図8Aは、1つのメモリセル当たり3ビットが記憶される場合の閾値電圧分布を示す。この場合、消去状態(Er)を表す8つの閾値電圧分布800〜807、および状態A〜Gが存在する。検証電圧Vva、VvB、VvC、VvD、VvE、VvFおよびVvGが示されている。読み出し基準電圧Vra、VrB、VrC、VrD、VrE、VrF、およびVrGが示されている。プログラミングおよび読み出しは、1つのメモリセル当たり2ビットの記憶および検知の例に記載されたものと同様であってもよい。
【0114】
図8Bは、
図8Aの閾値電圧分布800〜807を示し、ワード線電圧の上昇の問題の結果としての閾値電圧分布800〜807の可能性のある変動を示すために閾値電圧分布810〜817が加えられている。メモリセルを検知する前に(例えば、読み出しまたはプログラム検証の前に)、メモリセルは、実線で示される閾値電圧分布800〜807を有していた。メモリセルを検知した後、閾値電圧分布は、点線の閾値電圧分布810〜817に変動し得る。この例では、個々の閾値電圧分布の少なくともいくつかに上向きの変動がみられる。一部の分布は他の分布よりも影響を受ける可能性がある。例えば、(電圧が)より低い状態は、1つの可能性として、より高い状態よりも大きな変動を受け得る。十分な時間が経過すると、上がったワード線電圧は、例えば、定常状態電圧に戻るはずである。したがって、浅い界面トラップにトラップされた電子は、デトラップされ得る。したがって、閾値電圧分布は、閾値電圧分布800〜807に戻ることができる。
【0115】
本明細書で開示される実施形態は、閾値電圧分布の変動を引き起こす可能性のある検知動作の直後に(または少なくともすぐ後に)正確に再度検知する技術を提供する。一実施形態では、変動の発生を防止する技術が提供される。したがって、閾値電圧分布810〜817の変動は、検知後には発生しない。一実施形態では、閾値電圧分布の変動の防止を、ワード線上の読み出しパス電圧の戦略的放電によって達成する。一実施形態では、読み出しパス電圧が放電される順序は、NANDチャネルから残留電子をパージする。一実施形態では、読み出しパス電圧が放電される順序は、NANDチャネルの少なくとも一部から残留電子をパージする。残留電子が、検知されるべき次のメモリセルに隣接するNANDチャネルの一部からパージされる場合、ワード線電圧の上昇問題は緩和されるか、またはなくなり得る。
【0116】
本明細書に開示された実施形態は、閾値電圧分布の変動を引き起こす検知動作の直後に(または少なくともすぐ後に)正確に再度検知する技術を提供する。一実施形態では、閾値電圧分布の「変動を元に戻す」技術が提供される。したがって、上昇したワード線電圧が低下する(したがって、変動した閾値電圧分布810〜817が以前の閾値電圧分布800〜807に戻る)のを待つことなく、変動した閾値電圧分布810〜817を閾値電圧分布800〜807に戻すことができる。一実施形態では、閾値電圧分布の変動を元に戻すことは、弱い消去動作を実行することを含む。一実施形態では、弱消去動作は読み出し動作の一部である。一実施形態では、弱い消去は、少なくとも、検知される1つ以上の次のメモリセルに対して行われる。しかしながら、1つ以上のNANDストリング上の全てのメモリセルは、弱く消去されてトラップされた電子を除去することができる。
【0117】
図9は、メモリセルのストリング902の一部の図であり、これは、残留電子がチャネル158にトラップされる問題について論じるために使用される。各メモリセルは、制御ゲート150と電荷蓄積領域154とを有する。メモリセルは、NANDストリングの一部であってもよい。NANDストリング全体は、
図9には示されていない。共通のソース線に接続された一端におけるソース側選択ゲートと、ビット線に接続された他端におけるドレイン側選択ゲートとがあってよい。
図8Aのデータ状態を参照すると、電荷蓄積領域154上の文字は、そのメモリセルがプログラムされた状態を示す。メモリセルのいくつかは、G状態にプログラムされている。
【0118】
ストリング上のメモリセルの1つを検知するために、
図8Aからの読み出し基準電圧の1つを、読み出しのために選択されたメモリセル(「選択されたメモリセル」)の制御ゲートに印加することができる。読み出しパス電圧(例えば、Vread)は、他のメモリセル(「非選択メモリセル」)の制御ゲートに印加されてもよい。読み出しパス電圧は、メモリセルがどの状態にプログラムされたかに関係なく、メモリセルをオンにするのに十分な大きさを有する。メモリセルが「オン」になると、メモリセルに隣接するチャネルが導通する。検知動作の直後に、選択されたメモリセルの制御ゲートに印加された読み出し基準電圧を読み出しパス電圧まで増加させることができる。したがって、短時間の間、全ての制御ゲートは、それに印加される読み出しパス電圧を有することができる。したがって、全てのメモリセルは導通状態(または「オン」)になる。
【0119】
説明のために、以下の例では、すべての制御ゲートで読み出しパス電圧が同時に低下すると仮定する。ある時点で、G状態にプログラムされたメモリセルの制御ゲート電圧は、それらのメモリセルがオフになる(または非導通状態になる)のに十分に低く低下する。この時点で、他のメモリセルの制御ゲート電圧は、それらのメモリセルが導通するのに十分高いままである。
図9は、G状態にプログラムされたメモリセルがちょうど非導通状態になった点のスナップショットである。これは、制御ゲート電圧が約VvGに低下した時点に対応し得る。その時点で、A状態のメモリセルに隣接するチャネル158内の多数の電子によって示されるように、A状態のメモリセルは依然として強く導通している。B状態のメモリセルに隣接するチャネル158内の電子によって示されるように、B状態のメモリセルも導通している。D状態のメモリセルは、D状態のメモリセルに隣接するチャネル158内の単一の電子によって示されるように、より弱く導通し得る。もちろん、電子の数は単に比較のためのものであり、電子の実際の数は描かれているものとは異なる。チャネル158内のこれらの電子は、「残留電子」と呼ぶことができる。
【0120】
G状態にプログラムされたメモリセルが導通しなくなると、(他の導電性メモリセルからの)残留電子がチャネル158にトラップされることがある。例えば、B状態のメモリセルの両側のメモリセルがオフであるという事実のために、B状態のメモリセルに隣接するチャネル158内の残留電子がトラップされ得る。同様に、D状態およびA状態のメモリセルに隣接する残留電子は、チャネルにトラップされ得る。A状態およびD状態のメモリセルの制御ゲート上の電圧は、最終的に、それらのメモリセルをオフにするのに十分に低くなることに留意されたい。しかしながら、残留電子は、依然としてチャネル158にトラップされる。
【0121】
図1Aに関して述べたように、検知動作後にワード線電圧(したがって制御ゲート電圧)が上昇する可能性がある。
図1Bに関して述べたように、電界は、チャネル158内の残留電子を、例えば、電荷トラップ層154内の浅い界面トラップに求引することができる。このような残留電子は、浅い界面トラップにトラップされ、それによってメモリセルの閾値電圧に影響を及ぼす可能性がある。いくつかの実施形態では、残留電子は、ストリング上のメモリセルの浅い界面トラップにトラップされないように、チャネル158からパージされる。いくつかの実施形態では、残留電子は、ストリング上のメモリセルのうち少なくとも1つの浅い界面トラップにトラップされないように、チャネル158の少なくとも一部からパージされる。
【0122】
10A〜10Gは、メモリセルのストリング1002の図であり、これは、検知動作の一実施形態の後に残留電子がチャネル158にトラップされることを防止する方法を示すために使用される。例示のために、NANDストリングの両端に8個のメモリセルと選択ゲートがある。ソース端は、ソース側選択ゲート(SGS)を有する。ドレイン端は、ドレイン側選択ゲート(SGD)を有する。これは、同じワード線および選択線に接続された多数のNANDストリングのうちの1つであり得ることに留意されたい。したがって、SGSは、多くのNANDストリングに接続するソース側選択線を指し得る。同様に、SGDは、多くのNANDストリングに接続するドレイン側選択線を指し得る。様々な制御ゲート150(そのうちの1つが10Aに引用されている)は、前述の多くのNANDストリングに接続するワード線として実施されてもよい。メモリセルは8個よりも多くても少なくてもよい。選択ゲートの近くには、1つ以上のダミーメモリセルが存在してもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、各メモリセルは、積層体の1つの層に関連付けられる。例えば、
図4Cでは、メモリセルは層WLL0〜WLL47に関連付けられている。同様に、ダミーメモリセルは、積層体の1つの層と関連付けられてもよい。また、選択ゲートは、積層体の1つ以上の層に分布することができることにも留意されたい。例えば、
図4Cでは、ドレイン側選択ゲートは2つの層(SGD0、SGD1)にわたって分布している。同様に、ソース側選択ゲートは2つの層(SGS0、SGS1)にわたって分布している。
【0124】
10A〜10Gのメモリセルはグループに分割される。中央の2つのメモリセルはグループ0にある。グループ1は、ドレイン側とソース側の両方にメモリセルを含む。グループ2は、ドレイン側とソース側の両方の次のメモリセルを含む。グループ3は、ドレイン側とソース側の両方の次のメモリセルを含む。グループは4つよりも多くても少なくてもよい。また、1グループ当たり2つを超えるメモリセルが存在する可能性がある。
【0125】
図11は、10A〜10Gのメモリセルの制御ゲート上にVreadを放電する一実施形態のタイミング図を示す。
図11は、時刻t0において、Vreadが他の制御ゲート上に維持されている状態で、グループ0のメモリセルの制御ゲート上にVreadが放電され始めることを示す。SGSおよびSGDの両方の電圧は、各選択ゲートを導通状態に保つレベルにある。10Aは、一実施形態による時刻t0における状態を示す。時刻t0において、Vreadが全てのメモリセルの制御ゲートに印加される。したがって、全てのメモリセルは導通状態にある。チャネル158は、各メモリセルに隣接して導通する。
【0126】
図11は、時刻t1において、Vreadがグループ2およびグループ3のメモリセルの制御ゲート上に維持されている状態で、グループ1のメモリセルの制御ゲート上でVreadが放電され始めることを示す。SGSおよびSGDの両方の電圧は、各選択ゲートを導通状態に保つレベルにある。
【0127】
10Bは、一実施形態による時刻t1における状態を示す。グループ0のメモリセルの制御ゲート上の電圧は約VrGまで低下した。
図8Aを参照すると、VrGは、G状態の読み出し基準電圧である。したがって、グループ0のG状態のメモリセルは、もはや導通していない。グループ0のG状態のメモリセルに隣接するチャネル158内にあった残留電子があれば、いずれもストリング1002のソース端またはドレイン端のいずれかに移動することができる。グループ0のD状態のメモリセルは導通したままである。また、グループ1〜3のメモリセルはすべて導通している。
【0128】
図11は、時刻t2において、Vreadがグループ3のメモリセルの制御ゲート上に維持されている状態で、グループ2のメモリセルの制御ゲート上でVreadが放電され始めることを示す。SGSおよびSGDの両方の電圧は、各選択ゲートを導通状態に保つレベルにある。
【0129】
10Cは、一実施形態による時刻t2における状態を示す。グループ0メモリセルの制御ゲート上の電圧は約0Vまで低下した。グループ1のメモリセルの制御ゲート上の電圧は約VrGまで低下した。グループ0のチャネル158にあった残留電子があれば、いずれもストリング1002のソース端またはドレイン端のいずれかに移動することができる。
【0130】
図11は、時刻t3において、グループ3のメモリセルの制御ゲート上にVreadが放電され始めることを示す。SGSおよびSGDの両方の電圧は、各選択ゲートを導通状態に保つレベルにある。
【0131】
10Dは、一実施形態による時刻t3における状態を示す。グループ0およびグループ1のメモリセルの制御ゲート上の電圧は約0Vまで低下した。グループ2のメモリセルの制御ゲート上の電圧は約VrGまで低下した。グループ1のA状態およびB状態のメモリセルは、グループ2のメモリセルの前に遮断し得る。したがって、グループ1のA状態のメモリセルに隣接するチャネル158内にあった残留電子があれば、いずれもストリング1002のドレイン端に移動することができる。グループ1のB状態のメモリセルに隣接するチャネル158内にあった残留電子があれば、いずれもストリング1002のソース端に移動することができる。グループ2のG状態のメモリセルが遮断されると、G状態のメモリセルの1つにある残留電子があれば、いずれもNANDストリング1002のソース端への経路を有し、他のG状態のメモリセル内の残留電子は、NANDストリング1002のドレイン端への経路を有する。
【0132】
図11は、時刻t4において、ソースおよびドレイン側選択ゲートの電圧が放電あれ始めることを示す。10Eは、一実施形態による時刻t4における状態を示す。グループ0、グループ1およびグループ2のメモリセルの制御ゲート上の電圧は約0Vまで低下した。グループ3のメモリセルの制御ゲートの電圧は、約VrGまで低下した。この場合、グループ3のE状態のメモリセルおよびC状態のメモリセルは、それぞれ導通したままである。ソース側選択ゲート(SGS)およびドレイン側選択ゲート(SGD)は導通したままである。したがって、グループ3からの電子は、チャネル158からの出口経路を依然として有する。
【0133】
10Fは、一実施形態による時刻t5における状態を示す。グループ0〜グループ3のメモリセルの制御ゲート上の電圧は約0Vまで低下した。したがって、これらのメモリセルはもはや導通していない。しかし、ソース側選択ゲート(SGS)とドレイン側選択ゲート(SGD)の両方が導通しているので、グループ3からの残留電子はいずれもNANDチャネル158からパージされる。
【0134】
10Gは、一実施形態による時刻t6における状態を示す。このとき、ソース側選択ゲート(SGS)およびドレイン側選択ゲート(SGD)はもはや導通していない。しかしながら、残留電子はチャネル158からパージされている。残留電子がチャネル158からパージされているので、メモリセルにトラップされた残留電子の量は低減またはなくなる。したがって、残留電子がメモリセルからデトラップするのを待つ必要なしに、いずれのメモリセルも正確に検知することができる。例えば、メモリセルのいずれも、上昇したワード線電圧が下がるのを待つ必要なく、正確に検知することができる。全ての残留電子がチャネル158からパージされる必要はないことに留意されたい。チャネル158内の残留電子数を低減することは、ワード線電圧の上昇に関連する問題を軽減する。また、チャネル158の一部からの残留電子を戦略的に低減または除去することにより、チャネル158のその部分上の少なくともメモリセルのワード線電圧上昇に関連する問題が低減または排除される。
【0135】
Vreadが制御ゲートから放電される速度は、
図11に示されるよりも速くても遅くてもよいことに留意されたい。また、所定のグループについて、グループ0のドレイン側のメモリセルに対してグループ0のソース側に対するのと同時にVreadが放電され始める必要はないことに留意されたい。例えば、
図11は、Vreadが、グループ0のドレイン側とソース側の両方において、グループ1についての時刻t1で放電され始めることを示している。両方とも時刻t1に放電される必要はない。しかしながら、ドレイン側のグループ1は、ドレイン側のグループ0の後で、グループ2の前に放電され始めなくてはならない。同様に、ソース側のグループ1は、ソース側のグループ0の後で、グループ2の前に放電され始めなくてはならない。
【0136】
10A〜10Gの例では、4つのグループがある。グループは4つよりも多くても少なくてもよい。10A〜10Gの例では、1グループ当たり2つのメモリセルが(ストリング上に)存在する。いくつかの実施形態では、1グループ当たり2つを超えるメモリセルが(ストリング上に)存在する。一実施形態では、1グループ当たり1つのメモリセルが(ストリング上に)存在する。表Iの例は、
図2Cの例における様々な導電層がグループに分割されてもよい1つの方式を記載する。
【表1】
【0137】
表Iの例では、グループ当たり4つの導電層がある。グループ当たり4つよりも多いまたは少ない導電層が存在し得る。すべてのグループが同じサイズである必要はない。すなわち、あるグループと他のグループとでは、導電層の数は異なっていてもよい。導電層をどのようにグループ化するかには多くのバリエーションがある。一実施形態では、ダミーワード線と選択ゲートとは同じグループに配置される。
【0138】
表Iの例では、グループ1〜13は、それぞれグループ0のドレイン側とソース側の両方に導電層を含む。これは絶対条件ではない。例えば、グループ1は、WLL20〜WLL21を有するグループ1Aと、WLL26〜WLL27を有するグループ1Bとに分割されてもよい。グループ1Aとグループ1Bは、同時に放電する必要はない。しかし、グループ1Aは、WLL00〜WLL17のいずれか(ならびにDWLSO、DWLS1およびSGSO、SGS1)の放電前に放電を開始すべきである。同様に、グループ1Bは、WLL28〜WLL47(ならびにDWLD1、DWLDOおよびSGD1、SGDO)の放電前に放電を開始すべきである。
【0139】
本明細書では、用語「クラスタ」は、ワード線の連続したセット(または制御ゲートの連続したセット)を指すために使用される。例えば、WLL20〜WLL21はクラスタの例である。1つのクラスタ内に1つ以上のワード線が存在してもよい。
図12は、ストリング1202上のメモリセルが3つのクラスタに分割される一例を示す。別の表現方法は、ストリング上のメモリセルに関連するワード線が、クラスタに分割されているということである。ストリング1202は、10A〜10Fのストリング1002と一致する。
図12では、中央の2つのメモリセルはクラスタ0にある。クラスタ1は、クラスタ0とSGDとの間のすべてのメモリセルを含む。クラスタ2は、クラスタ0とSGSとの間のすべてのメモリセルを含む。一実施形態では、クラスタ0上の読み出しパス電圧は、クラスタ1またはクラスタ2内のいずれかのメモリセル上の読み出しパス電圧の放電を開始する前に放電を開始する。また、SGSとSGDは、それらを導電状態に保つためにゲートに十分な電圧が印加されている。したがって、クラスタ0内のメモリセルに隣接するチャネル158内の残留電子は、チャネルからパージされ得る。上昇電圧が低下するのを待つ必要なく、クラスタ0内のメモリセルのいずれかを再検知することができる。
【0140】
図13は、残留電子がチャネルからパージされるメモリセルを検知するプロセス1300の一実施形態のフローチャートである。プロセス1300は、NANDストリング上の1つ以上のメモリセルを検知するために使用されてもよい。NANDストリングは、3Dアーキテクチャまたは2Dアーキテクチャにあってもよい。一実施形態では、メモリセルは電荷トラップ層を有する。一実施形態では、検知動作はプログラム検証である。一実施形態では、検知動作は読み取りである。プロセス1300は、第1の選択メモリセルおよび第2の選択メモリセルを検知することを記述する。第2の選択メモリセルおよび第1の選択メモリセルは、同じメモリセルであってもよく、または同じストリング(例えば、NANDストリング)上の2つの異なるメモリセルであってもよい。NANDストリングは、ワード線および選択線を共有する多くのNANDストリングのうちの1つであってもよい。このプロセスは、多くのNANDストリングに対して並列に実行することができる。一実施形態では、プロセス1300は、制御回路(例えば、制御回路は、制御回路110、状態機械112、デコーダ114/132、電力制御モジュール116、センスブロックSB1、SB2、...、SBp、リード/ライト回路128、コントローラ122等のいずれか1つ、またはその組合せを含むことができる)によって実行される。
【0141】
NANDストリングは、NANDストリングの一端にソース選択ゲートを有し、他端にドレイン選択ゲートを有することができる。制御ゲートは、制御ゲートの第1のクラスタ、第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタ、および第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタを含むことができる。例えば、制御ゲートの第1のクラスタは、
図12のクラスタ0内のものとすることができる。第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタは、クラスタ1内のものとすることができる。第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタは、クラスタ2内のものとすることができる。
【0142】
別の例として、制御ゲートの第1のクラスタは、10A〜10Gのグループ0内のクラスタであってもよい。第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタは、グループ1、2、および3内のものであり、グループ0のドレイン側にある。第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタは、グループ1、2、および3内のものであり、グループ0のソース側にある。
【0143】
ステップ1302において、選択されたNANDストリング上の第1の選択不揮発性記憶素子が検知される。第1の選択不揮発性記憶素子は、いずれかのクラスタに存在することができる。一実施形態では、検知は読み取り動作である。一実施形態では、検知はプログラム検証動作である。ステップ1302は、選択されたNANDストリングの非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加し、第1の選択不揮発性記憶素子に基準電圧を印加することを含むことができる。基準電圧は、読み出し基準電圧、プログラム検証電圧などであってもよい。読み出しパス電圧は、非選択メモリセルを導電状態にして、選択メモリセルの検知を妨害しないようにするのに十分高い。非選択メモリセルに印加される読み出しパス電圧は、それぞれ同じ大きさであり得る。しかし、異なるメモリセルに印加される読み出しパス電圧の大きさは異なる可能性がある。ステップ1302はまた、選択されたNANDストリングのSGDおよびSGS選択ゲートにターンオン電圧を印加することを含むことができる。これにより、選択されたNANDストリングにおいて電流が検知回路に流れることが可能になる。
【0144】
ステップ1304において、第1の選択不揮発性記憶素子が検知された後、第1の選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧が印加される。ステップ1304は、基準電圧を読み出しパス電圧に上昇させることを含むことができる。
【0145】
ステップ1306において、読み出しパス電圧は、他のいずれかのクラスタの制御ゲートからの読み出しパス電圧の放電を開始する前に、かつ第1の選択ゲートおよび第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタの制御ゲートから放電を開始する。例えば、
図11を参照すると、時間t0において、読み出しパス電圧がグループ0から放電され始める。また、グループ1〜3の読み出しパス電圧はまだ放電し始めていない。また、
図11では、SGDおよびSGSにはまだそれらを導電状態にする電圧が印加されている。第1のクラスタは、第1の選択メモリセルを含んでも含まなくてもよい。
【0146】
一実施形態では、ステップ1306は、制御ゲートの第1のクラスタとNANDストリングの第1の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持し、制御ゲートの第1のクラスタとNANDストリングの第2の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子を、第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧に放電するまでオン状態に維持することを含む。例えば、
図12を参照すると、クラスタ1内の全ての不揮発性記憶素子およびクラスタ2内の全ての不揮発性記憶素子は、クラスタ0内の全ての不揮発性記憶素子上の制御ゲート電圧が定常電圧(例えばVss)に放電されるまで、導電状態に保たれる(またはオン状態にされる)。10A〜10Gの例を用いると、グループ0のドレイン側のグループ1〜3内の全ての不揮発性記憶素子と、グループ0のソース側のグループ1〜3内の全ての不揮発性記憶素子とは、グループ0内の全ての不揮発性記憶素子上の制御ゲート電圧が定常電圧(例えばVss)に放電されるまで、導電状態に保たれる(またはオン状態にされる)。
【0147】
一実施形態では、ステップ1306は、第1のクラスタに最も近いクラスタから第1の選択ゲートに最も近いクラスタの順で、第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタの制御ゲートから、読み出しパス電圧を放電し始めることを含む。例えば、10A〜10G(および
図11)の例を参照すると、グループ0のドレイン側のグループに関して読み出しパス電圧が放電され始める順序は、グループ1、グループ2、グループ3の順である。同様に、グループ0のソース側のグループに関して読み出しパス電圧が放電され始める順序は、グループ1、グループ2、グループ3の順である。
【0148】
一実施形態では、ステップ1306は、第1のクラスタ内の制御ゲート上の電圧が定常電圧に達する前に、制御ゲートの第1のクラスタに隣接する制御ゲートのクラスタから読み出しパス電圧を放電し始めることを含む。
図11を参照すると、隣接グループ1(隣接クラスタは、グループ0のソース側またはドレイン側のグループ1とすることができる)の電圧を放電し始める前に、例えばグループ0の電圧が定常電圧(例えば、Vss)に至るのを待つ必要はない。これは全体的な検知動作の高速化に役立つ。したがって、時刻t1において、Vreadは、グループ0の制御ゲート上の電圧がVssに達する前に、グループ1から放電を開始することができる。
【0149】
一実施形態では、ステップ1306は、第1のクラスタ内の全ての不揮発性記憶素子が導電状態から非導電状態に移行する前に、第1のクラスタに隣接するクラスタから読み出しパス電圧を放電し始めることを含む。これは、10A〜10Gを例として使用すると、グループ1の放電を開始する前に、グループ0のすべての不揮発性記憶素子がオフになるまで待つ必要がないという点で、全体的な検知動作を高速化するのにも役立つ。10Bは、グループ1の電圧が放電を開始したときの状態の一例を示している。このとき、グループ0の制御ゲートの電圧は、約VrGとなる。このとき、グループ0内の一部のメモリセルはオフであってもよい(例えば、G状態セルはオフであってもよい)。しかしながら、他の状態(図示のD状態セルなど)のメモリセルがあると仮定すると、そのメモリセルは依然としてオンである可能性がある。したがって、一例として、グループ0のD状態のメモリセルが非導電状態でグループ1を放電し始めるのを待つ必要はない。
【0150】
ステップ1308において、選択されたNANDストリング上の第2の選択不揮発性記憶素子が、すべてのクラスタ内のメモリセルの制御ゲート上の読み出しパス電圧が定常電圧に達した後に検知される。第2の選択不揮発性記憶素子は、クラスタのいずれかに存在することができる。一実施形態では、第2の選択不揮発性記憶素子は、クラスタ0にある。したがって、第2の選択不揮発性記憶素子は、放電されるべき第1のクラスタ内にあってもよい。一実施形態では、ステップ1308は読み出し動作である。しかしながら、ステップ1308は読み出し動作に限定されない。ステップ1306とステップ1308との間で、第1のクラスタ以外にあるメモリセル上の読み出しパス電圧が放電され始める。例えば、
図11の時刻t1において、グループ1の読み出しパス電圧が放電を開始する。ステップ1308で第2の選択メモリセルを検知する前に、全てのグループのメモリセルの制御ゲート上の読み出しパス電圧が定常電圧に達している。例えば、読み出しパス電圧は、NANDストリング上の全てのメモリセルについてVssに達することができる。
【0151】
本明細書で提供されるいくつかの例は、対称的なグループ分けを有するが、これは必須ではない。
図12の例に関して、クラスタ1とクラスタ2のサイズが同じサイズである必要はない。換言すれば、クラスタ0がストリング1202の中央にある必要はない。10A〜10Gの例に関して、グループ0がストリングの中央にある必要はない。換言すれば、グループ1〜3のメモリセルの総数が、グループ0の両側で同じである必要はない。同様に、グループ0の両側に同じ数のグループを有する必要はない。
【0152】
上述したように、クラスタ(またはグループ)内に1つ以上のワード線が存在する可能性がある。クラスタ(またはグループ)内のワード線を少なくすると、精度が向上する可能性がある。ただし、クラスタ(またはグループ)内のワード線が少ないほど、クラスタ(またはグループ)が多くなることを意味する。したがって、検知動作は、本明細書で論じられるシーケンシャルな方法でワード線を放電するのにより長い時間を要する可能性がある。一方、クラスタ(またはグループ)内にワード線を増やすと、効率が向上する可能性がある。例えば、クラスタ(またはグループ)内のワード線を増やすことで、クラスタ(またはグループ)の数を減らすことができ、これによりシーケンシャル放電を高速化できる。
【0153】
一実施形態では、クラスタ(またはグループ)内にあるワード線の数(またはメモリセルの数)は、現在の温度に依存する。一実施形態では、温度が低いほど、クラスタ(またはグループ)内に配置されるワード線は少なくなる。この温度依存クラスターサイズ(またはグループサイズ)の理論的根拠は以下の通りである。
図14は、メモリセルのストリング1402の一部を示す。各メモリセルは、制御ゲート150および電荷蓄積領域154を有する。電荷蓄積領域154は、一実施形態では、電荷捕獲領域である。一実施形態では、メモリセルに隣接するチャネル158は、ポリシリコンから形成される。電荷蓄積領域154上の文字は、
図8Aを参照すると、メモリセルの状態を指す。4つのメモリセルはすべて同じクラスタ内にある。これにより、
図14の全メモリセルにおいて、読み出しパス電圧が同時に放電を開始する。G状態のメモリセルは、B状態およびD状態のメモリセルよりも前にオフ状態になる。したがって、少なくとも一時的に、B状態およびD状態のメモリセルに隣接するチャネル158にいくらかの残留電荷が存在する可能性がある。
【0154】
しかしながら、図示されたクラスタ内の全てのメモリセルの制御ゲート電圧が定常電圧に達した後でさえ、隣接するクラスタ内のメモリセルは依然としてオン状態である可能性がある。このとき、残留電子を有するポケット1404のチャネル電位は、例えば、−5Vとすることができる。他の場所のチャネル電位は、例えば0Vとすることができる。重要なことに、ポケット1404とチャネル158の隣接する部分との間の電位差は、電子正孔生成をもたらし得る。これにより、ポケット1404内の電子と再結合する正孔が生じる可能性がある。したがって、残留電荷の少なくとも一部がチャネル158から除去されてもよい。電子正孔の速度は、温度の関数であってもよい。温度が上昇するにつれて(少なくともポリシリコンの場合)、より多くの電子正孔対が生成される。
【0155】
図15は、現在の温度に基づいてグループまたはクラスタサイズを選択するプロセス1500の一実施形態を示す図である。プロセス1500は、プロセス1300の前に、またはプロセス1300中に実行することができる。ステップ1502は、現在の温度にアクセスすることを含む。ステップ1504は、現在の温度に基づいてグループまたはクラスタサイズを選択することを含む。ステップ1504は、様々な方法で実現することができる。1つの方法は、それぞれがグループにワード線を割り当てる複数のテーブルを格納することである。テーブルの1つは、現在の温度に基づいて選択することができる。別の方法は、プロセッサ122cが、温度に基づいてクラスタ当たりの適切な数のワード線を決定するアルゴリズムを実行することである。アルゴリズムは、代替的に、いくつのクラスタ(またはグループ)を使用すべきかを決定することができる。プロセス1500は、一実施形態では、制御回路によって実行される。
【0156】
一実施形態では、最初に減少するワード線の決定は、どのワード線が検知動作のために次に選択されるかに基づいている。検知される次のワード線が最初に減少する場合、そのワード線の隣接チャネル領域から残留電荷キャリーをパージすることができるという根拠がある。チャネルの他の部分に残留電子があっても、次の検知動作の精度には影響しない可能性がある。
【0157】
図16は、検知すべき次のワード線を最初に減少させるプロセス1600の一実施形態のフローチャートである。プロセス1600は、
図13のプロセス1300の変形例である。プロセス1600は、一実施形態では、制御回路によって実行される。ステップ1302〜1304は、プロセス1600の一部として実行される。ステップ1602において、検知すべき次のワード線にアクセスする。例えば、コントローラ122は、次にどのワード線を検知すべきかを示す情報を有することができる。ステップ1602は、ステップ1302〜1304の前に実行されてもよい。
【0158】
ステップ1604は、1つ以上のワード線の第1のクラスタ(またはグループ)内で検知される次のワード線の放電を開始することを含む。
図12を参照すると、検知すべき次のワード線がクラスタ0に入れられる。しかしながら、クラスタ0はストリング1202の中央にある必要はない。クラスタ0は、検知すべき次のワード線を含み、任意で、1つ以上の隣接するワード線を含むことができる。ステップ1604は、ステップ1306の一実施形態である。
【0159】
ステップ1606は、最初に減少されたワード線に関連するメモリセルを検知することを含む。ステップ1606は、ステップ1308の一実施形態である。
【0160】
一実施形態では、弱消去動作を使用して、ストリング上のメモリセルのうち少なくとも1つの浅い界面トラップからトラップされた電子が除去される(例えば、デトラップされる)。
図17は、弱消去が使用される不揮発性記憶装置を検知するプロセス1700の一実施形態のフローチャートである。プロセス1700は、同じストリング(例えば、NANDストリング)上の第1の選択メモリセルおよび第2の選択メモリセルを検知することを含む。第1および第2の選択メモリセルは、同じストリング上の同じメモリセルまたは異なるメモリセルであってもよい。一実施形態では、ストリング上の各メモリセルは制御ゲートを有する。一実施形態では、ストリング上の各メモリセルは、異なるワード線に関連付けられる。ワード線(またはメモリセルに隣接するワード線の少なくとも一部)は、制御ゲートとして機能することができる。ワード線は、(異なるストリング上の)多くの異なるメモリセルの制御ゲートとして機能する。プロセス1700は、1つのストリングに対する操作を説明する。通常、多くのストリングを並列に検知できる。プロセス1700は、一実施形態では、制御回路によって実行される。
【0161】
ステップ1702は、ストリング上の第1のメモリセルを検知するステップを含む。一実施形態では、検知動作は読み出し動作である。一実施形態では、検知動作はプログラム検証動作である。検知動作は、ストリング上の非選択メモリセルの制御ゲートに読み出しパス電圧を印加することを含むことができる。換言すれば、検知動作は、ストリングに関連する非選択ワード線に読み出しパス電圧を印加することを含むことができる。一実施形態では、非選択ワード線に読み出しパス電圧を印加している間、選択ワード線に基準電圧が印加される。基準電圧は、読み出し基準電圧、プログラム検証電圧などであってもよい。第1のメモリセルは、基準電圧がその制御ゲートに印加されている間に検知される。その後、基準電圧を読み出しパス電圧まで上昇させることができる。そして、選択ワード線および非選択ワード線の読み出しパス電圧を放電させることができる。読み出しパス電圧を放電すべき特別な順序はない。例えば、1つの選択肢は、全てのワード線上の読み出しパス電圧を同時に放電することである。これにより、ワード線電圧は、読み出しパス電圧から定常電圧(例えば、Vss)まで非常に迅速に移行することができる。
【0162】
ステップ1702では、第2のメモリセルの閾値電圧が第1の閾値電圧から第2の閾値電圧に変化することがある。この変化は、ワード線の電圧が定常電圧まで低下した後に起こり得るワード線電圧の上昇の影響に起因する可能性がある。ストリングチャネル内の残留電子が、メモリセルの浅い界面トラップに捕捉される可能性がある。これは、メモリセルの閾値電圧に影響を及ぼす(例えば、増加させる)可能性がある。この効果の一例を
図1Aおよび
図1Bに関連して説明した。
図8Bは、メモリセルのグループの閾値電圧分布に起こり得る1つの可能な変化を示す。第2のメモリセルは、このようなグループ内の任意のメモリセルとすることができる。第2のメモリセルの閾値電圧へのシフト量は、それがプログラムされた状態に依存する。
【0163】
ステップ1704は、ストリング上の第2の選択メモリセルの弱消去を実行することを含む。弱消去は、第2のメモリセルの浅い界面トラップに捕捉された電子をデトラップすることができる。したがって、弱消去は、第2のメモリセルの閾値電圧を第1の閾値電圧に戻すか、または少なくともそのレベルに非常に近い値に戻すことができる。言い換えれば、弱消去は、第2のメモリセルの閾値電圧を、第1のメモリセルの検知(および浅いトラップ界面における電子の関連する捕捉)後の読み出しパス電圧を放電する前の位置に戻すことができる。弱消去は、捕捉されたすべての電子をデトラップしない可能性があることが理解される。また、弱消去は、第1のメモリセルを検知した結果、浅い界面トラップに捕捉された電子以外の電子を電荷捕捉領域154から除去する可能性がある。したがって、弱消去は、必ずしも、第1のメモリセルを検知する前の値に正確に閾値電圧を戻すとは限らない。一実施形態では、第2の選択メモリセルの弱消去は、第2の選択メモリセルのプログラミングの結果として電荷捕捉層154内にある電子を除去することなく、ワード線の上昇から生じる浅いトラップ界面から電子を除去するように構成される。
【0164】
ステップ1706は、弱消去を実行した後に、ストリング上の第2の選択メモリセルを検知することを含む。一実施形態では、ステップ1706は、第2の選択メモリセルの読み出しを含む。しかしながら、ステップ1706は読み出し動作に限定されない。一実施形態では、第2の選択メモリセルが依然として第1の閾値電圧にある間に、ステップ1706が実行される。ここで、第1の閾値電圧とは、弱消去の結果として到達した閾値電圧のことである。
【0165】
一実施形態では、ステップ1704における弱消去は、ステップ1706において第2の選択メモリセルを検知する動作とは別の「スタンドアロン」動作である。一実施形態では、ステップ1704における弱消去は、ステップ1706において第2の選択メモリセルを検知する動作の一部である。例えば、弱消去動作を読み出し動作に統合することができる。
【0166】
図18Aは、弱消去動作が、第2の選択メモリセルを検知する動作とは別のスタンドアロン動作であるプロセス1800の一実施形態のフローチャートである。プロセス1800は、プロセス1700のステップ1704の一実施形態である。プロセス1800は、一実施形態では、制御回路によって実行される。
【0167】
ステップ1802において、弱消去電圧がストリングのチャネル(例えば、NANDストリング)に印加される。一実施形態では、チャネル弱消去電圧は約6ボルトである。しかしながら、チャネル弱消去電圧は、大きさがより高くても低くてもよい。一実施形態では、チャネル弱消去電圧は、約20〜30マイクロ秒の持続時間を有する。しかし、チャネル弱消去電圧は、20マイクロ秒未満または30マイクロ秒より長く印加することができる。
【0168】
一実施形態では、弱消去電圧が3D NAND構造の下の基板101に印加される。一実施形態では、弱消去電圧が2D NANDストリングの下の基板に印加される。
【0169】
一実施形態では、弱消去電圧が、ビット線および/またはソース線を介してチャネルに供給される。3D積層型不揮発性メモリデバイスにおける弱消去の1つのアプローチは、NANDストリングチャネルをチャージアップするためにゲート誘導ドレインリーク(GIDL)電流を発生させ、弱消去電圧にチャネル電位を上昇させることである。1つのアプローチでは、メモリデバイスは、一端にドレイン側選択ゲート(SGD)トランジスタを有し、他端にソース側選択ゲート(SGS)トランジスタを有するNANDストリングを含む。弱消去は、「片面弱消去」または「両面弱消去」であってもよい。片面弱消去のビット線、または両面弱消去のビット線およびソース線に電圧が印加されると、選択ゲートトランジスタは十分な量のゲート誘導ドレインリーク(GIDL)電流を生成してNANDストリングのフローティングボディ(チャネル)をチャージアップする。GIDLは、セレクトゲートトランジスタのドレイン・ゲート間電圧(Vdg)に比例して増加する。
【0170】
ステップ1804は、第2の選択メモリセルの制御ゲートに弱消去電圧を印加することを含む(「制御ゲート弱消去電圧」)。一実施形態では、制御ゲート弱消去電圧は、チャネル弱消去電圧よりも低い。一例として、制御ゲート弱消去電圧は、0Vである可能性がある。
図18Bを参照すると、チャネル弱消去電圧(V_Weak_Erase)および制御ゲート弱消去電圧(V_CG_Weak_Erase)は、チャネル158からメモリセル106の制御ゲート150に向かっている電界(E電界)となる。電界は、
図18Bに矢印で示すように、電荷捕捉層154の浅いトラップ界面の残留電子をデトラップしてチャネル158に移動させるのに十分な強度のものである。したがって、残留電子が電荷捕捉層154の浅いトラップ界面に捕捉される前に、第2の選択メモリセルの閾値電圧をその閾値電圧に回復させることができる。
【0171】
任意のステップ1806は、ストリング上の非選択メモリセルの制御ゲートに制御ゲート弱消去電圧を印加することである。これは、非選択メモリセルの浅いトラップ界面から電子をデトラップする(ワード線電圧上昇の問題によっても影響を受ける)のと同様の効果を有する可能性がある。しかし、ストリング上のメモリセルの全てが、その制御ゲートに制御ゲート弱消去電圧を印加する必要はない。別の選択肢は、第2の選択メモリセル以外のメモリセルの制御ゲートをフロートさせることである。(ここでは「非選択メモリセル」と呼ぶ)。別の選択肢は、第2の選択メモリセルに印加される電圧とは異なる大きさの電圧を非選択メモリセルの制御ゲートに印加することである。例えば、非選択メモリセルの制御ゲートに印加される電圧は、第2の選択メモリセルのE電界よりも弱いE電界を生成することができ、この場合、消去は非選択メモリセルにとってさらに弱い。
【0172】
チャネル弱消去電圧および制御ゲート弱消去電圧の適切な大きさを決定する1つの方法は、
図8Bのような閾値電圧分布の集合の解析に基づく。
図8Bは、浅いトラップ界面に捕捉された残留電子の衝突前の閾値電圧分布800〜807と、残留電子が浅いトラップ界面に捕捉された後の閾値電圧分布810〜817を示すことを想起されたい。一実施形態では、チャネル弱消去電圧および制御ゲート弱消去電圧は、閾値電圧分布が閾値電圧分布800〜807に戻されるか、またはそれに非常に近くなるように選択される。各メモリセルが電界と多少異なる反応をするといった要因のため、弱消去は必ずしも、本来の閾値電圧分布800〜807に正確に閾値電圧分布を戻すとは限らない。
【0173】
図19は、弱消去動作が、ストリング上の第2の選択メモリセルを検知する動作に統合されるプロセス1900の一実施形態のフローチャートである。一実施形態では、プロセス1900は読み出し動作の一部である。しかしながら、プロセス1900は読み出し動作に限定されない。プロセス1900は、一実施形態では、制御回路によって実行される。
図20Aは、プロセス1900の一実施形態の間にストリングに印加される信号のタイミング図である。
図20Aを簡単に参照すると、ドレイン側選択線(SGD)、ソース側選択線(SGS)、非選択ワード線(WL)、および選択ワード線に印加される信号が示されている。時間t0の前に、これらの4つの信号はすべて定常電圧(例えばVss)にある。ステップ1902を実行する前に、ストリング上の第1の選択メモリセルが検知される。例えば、プロセス1700からのステップ1702が実行されてもよい。ストリング上の第1の選択メモリセルを検知することは、ステップ1702に関して説明したように、第2のメモリセルの閾値電圧に影響を与える可能性がある。例えば、第2のメモリセルの閾値電圧は、第1の閾値電圧から第2の閾値電圧に変化してもよい。
【0174】
ステップ1902は、NANDストリングの選択不揮発性記憶素子の選択された制御ゲートに弱消去電圧を印加し、ビット線およびソース線からのNANDストリングのチャネルを切断しながら、NANDストリング上の非選択メモリセルの制御ゲートに昇圧電圧を印加することを含む。一実施形態では、弱消去電圧は、昇圧電圧よりも低い。弱消去電圧の大きさは、電子が選択メモリセルの浅い界面トラップからデトラップされるように選択される。
【0175】
図20Aを参照すると、時間t0において、電圧V_READが非選択ワード線(WL)に印加される。これは、NANDストリング上の非選択メモリセルの制御ゲートに昇圧電圧を印加する一例である。また、時間t0とt2との間に、SGSとSGDの両方が定常電圧(例えば、Vss)にあり、ソース側選択ゲートとドレイン側選択ゲートをオフ状態に保つ。ソース側選択ゲートがオフ状態の場合、NANDストリングはソース線から切断される。ソース・ドレイン選択ゲートがオフ状態で、NANDストリングはビット線から切断される。したがって、これは、NANDストリングのチャネルをビット線およびソース線から切断する一例である。時間t0とt1との間に、選択WLはVssにある。これは、NANDストリングの選択不揮発性記憶素子の選択された制御ゲートに弱消去電圧を印加する一例である。
【0176】
図20Aは、時間t0とt2との間に、NANDストリングのチャネルの電位が昇圧されることを示している。チャネル電位の昇圧は、NANDチャネルがビット線およびソース線から切り離された状態で、非選択ワード線に印加される昇圧電圧を有することに起因する。NANDチャネルがビット線およびソース線から切り離されたとき、それは浮動する可能性がある。したがって、NANDチャネルは、昇圧電圧に向かって結合することができる。
【0177】
図20Aは、時間t0とt1との間に弱消去が実行されることを示している。弱消去の長さは、約20〜30マイクロ秒であってもよい。しかし、弱消去は、持続時間がより長くても短くてもよい。弱消去は、
図18Bのメモリセルについて論じたのと同様の効果を有することができる。したがって、浅い界面トラップに捕捉された電子は、デトラップされることがある。そのような電子は、弱消去の電界の結果として、チャネル158に移動することがある。弱消去は、第2のメモリセルの閾値電圧を第2の閾値電圧から第1の閾値電圧に戻すか、または少なくとも第1の閾値電圧に近づけることができる。
【0178】
ステップ1904は、選択された制御ゲートに検知電圧を印加することを含む。弱消去の後に、選択ワード線上の電圧を読み出し基準レベルまで上げることができる。
図20Aは、時間t1においてV_CGRVまで上昇する選択ワード線上の電圧を示す。V_CGRVは、選択メモリセルを検知するのに適した大きさである。例えば、V_CGRVは、
図8Aの読み出し基準レベルの1つであり得る。
【0179】
ステップ1906は、NANDストリングチャネルをビット線およびソース線に接続するステップを含む。
図20Aは、時間t2において、ドレイン選択線(SGD)上の電圧が、選択されたNANDストリングのドレイン側選択ゲートをオンにするのに十分な大きさであるV_SGD_RDまで上昇することを示す。これにより、NANDストリングチャネルがビット線に接続される。また、時刻t2において、ソース選択線(SGS)上の電圧は、選択されたNANDストリングのソース側選択ゲートをオンにするのに十分な大きさのV_SGS_RDに上昇する。これは、NANDストリングチャネルをソース線に接続する。NANDチャネルは、一実施形態では、ビット線およびソース線に印加される電圧のためにもはやフローティングではない。したがって、チャネル電圧は、ブーストされた電位からより低い電位に戻ることができる。一実施形態では、チャネル電圧は約0Vに降下する。
【0180】
ステップ1908は、選択された制御ゲートに印加される検知電圧(または読み出し基準電圧)でビット線を検知することを含む。例えば、検知ブロックは、ビット線の電圧または電流を検知することができる。この検知結果は記憶されてもよい。選択ワード線に他の読み出し基準電圧を印加することもできる。例えば、時間t2の後に、選択ワード線上の電圧を、異なる読み出し基準電圧にさらに上昇させることができる。ビット線を再び検知した後、検知結果を保存することができる。一実施形態では、メモリセルは、読み出し基準レベルVvA、VvB、VvC、VvD、VvE、VvFおよびVvFで検知される。次に、メモリセルがどの状態(Er〜G)にあるかが判定される。この例は、1つの例示を目的としたものであり、他の読み取り基準レベルを使用することができる。
【0181】
図20Aの例では、昇圧電圧は読み出しパス電圧に等しい。これは必須ではない。また、全ての非選択ワード線に昇圧電圧を印加する必要はない。非選択ワード線の全てが昇圧電圧を受けない場合であっても、チャネルは、少なくとも選択ワード線の近くでは十分にブーストされることができる。また、昇圧電圧の大きさは、非選択ワード線毎に同じである必要はない。
【0182】
図20Bは、昇圧電圧が読み出しパス電圧と等しくない実施形態のタイミング図を示す。このタイミング図は、
図19のプロセス1900の一実施形態に関連して使用することができる。時間t0において、非選択ワード線は、時間t1まで維持される昇圧電圧(V_BOOST)まで上昇する。時刻t1において、非選択ワード線の電圧がV_READに上昇する。この例では、V_BOOSTの大きさはV_READよりも小さい。また、V_BOOSTの大きさがV_READよりも大きいことも可能である。
【0183】
一部の実施形態では、弱消去の大きさまたは持続時間は、現在の温度に依存する。より高い温度では、弱消去の強さはより低く、浅い界面トラップに捕捉された電子を十分に除去することができる。一実施形態では、弱消去電圧の大きさは、温度が高いほど低くなる(また、温度が低いほど弱消去電圧の大きさは高くなる)。ここで、弱消去電圧の大きさは、チャネルと制御ゲートとの間の電圧差の大きさを指す。この概念を表現する別の方法は、弱消去電圧を印加することから生じる電界の大きさが温度に依存することである。一実施形態では、弱消去の持続時間は、温度が高いほど短くなる(また、温度が低いほど長くなる)。
図21A〜
図21Dは、説明するためのいくつかの例を提供する。
図21A〜
図21Dのプロセスは、制御回路によって実行することができる。
【0184】
図21Aおよび
図21Bは、弱消去がスタンドアロン動作の場合のものである。
図21Aのプロセス2100のステップ2102において、現在の温度にアクセスする。
図21Aのステップ2104において、温度に基づいてチャネル弱消去電圧(例えば、V_Weak_Erase)の大きさが選択される。制御ゲート電圧(例えば、V_CG_Weak_Erase)の大きさは、温度に対して一定であってもよい。あるいは、V_Weak_EraseおよびV_CG_Weak_Eraseの両方の大きさは、温度に依存する可能性がある。さらに別の可能性は、V_CG_Weak_Eraseの大きさが温度に依存し、V_Weak_Eraseの大きさが温度に対して一定であることである。弱消去電圧の大きさは、V_Weak_Erase−V_CG_Weak_Eraseとして表すことができる。
【0185】
図21Bのプロセス2110のステップ2102において、現在の温度にアクセスする。
図21Bのステップ2114において、チャネル弱消去電圧(例えば、V_Weak_Erase)の持続時間が温度に基づいて選択される。制御ゲート電圧(例えば、V_CG_Weak_Erase)の持続時間は、温度に依存する必要はない。例えば、V_CG_Weak_Eraseは0Vで、温度に依存しない持続時間がある。しかし、1つの選択肢は、温度に依存するV_CG_Weak_Eraseの持続時間と、温度に依存しないV_Weak_Eraseの持続時間とを有することである。あるいは、V_Weak_EraseおよびV_CG_Weak_Eraseの両方の持続時間が温度に依存する可能性がある。
【0186】
図21Cおよび
図2IDは、弱消去がセンス動作に統合された場合のものである。
図21Cのプロセス2120のステップ2102において、現在の温度にアクセスする。
図21Cのステップ2124において、温度に基づいて昇圧電圧(例えば、
図20BのV_BOOST)の大きさが選択される。選択された制御ゲート電圧(例えば、選択WL上の電圧)の大きさは、温度に対して一定であり得る。例えば、選択ワード線上の電圧は、温度に依存しない時間t0からt1まで0Vであってもよい。あるいは、
図20BのV_BOOSTと時間t0からt1までの選択ワード線の電圧の両方の大きさは、温度に依存することができる。さらに別の可能性は、選択ワード線時間t0〜t1における電圧の大きさが温度に依存し、V_BOOSTの大きさが温度に対して一定であることである。
【0187】
図21Dのプロセス2130のステップ2102において、現在の温度にアクセスする。
図21Dのステップ2134では、(チャネルがブーストされたとき)選択ワード線にVssが印加される期間が温度に基づいて選択される。なお、
図20A(および20B)の時刻t0からt1まで選択ワード線にはVssが印加される。したがって、t0とt1との間の時間の長さは、現在の温度に依存し得る。弱消去は、非選択ワード線に印加される昇圧電圧に依存し得ることに留意されたい。したがって、VreadまたはV_BOOSTのいずれかを、t0とt1との間に非選択ワード線に印加することができる。このプロセスを明瞭にする1つの方法は、非選択ワード線に昇圧電圧が印加される期間と、選択ワード線に低電圧(例えば、Vss)が印加される期間の両方が温度に依存し得ることである。
【0188】
温度に依存する弱消去の多くの他の変形例が可能である。一実施形態では、弱消去の大きさおよび持続時間の両方が温度に依存する。
【0189】
一実施形態では、不揮発性記憶装置は、不揮発性記憶素子のNANDストリングと、NANDストリングと通信する制御回路とを備える。NANDストリングは、第1の端部に第1の選択ゲートを有し、第2の端部に第2の選択ゲートを有する。不揮発性記憶素子の各々は、制御ゲートを有する。制御ゲートは、制御ゲートの第1のクラスタ、第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタ、および第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタを含む。制御回路は、NANDストリングの非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加するように構成された制御回路を含む、NANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するように構成される。制御回路は、第1の不揮発性記憶素子が検知された後、第1の不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加するように構成される。制御回路は、他のいずれかのクラスタの制御ゲートからの読み出しパス電圧の放電を開始する前に、かつ第1の選択ゲートおよび第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタの制御ゲートから読み出しパス電圧の放電を開始するように構成される。制御回路は、NANDストリングの不揮発性記憶素子の制御ゲート上の読み出しパス電圧が定常電圧まで放電された後に、NANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子を検知するように構成される。
【0190】
一実施形態では、不揮発性記憶装置を動作させる方法は、選択されたNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知することであって、選択されたNANDストリングの非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加することを含む。NANDストリングは、第1の端部に第1の選択ゲートを有し、第2の端部に第2の選択ゲートを有する。制御ゲートは、制御ゲートの第1のクラスタ、第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタ、および第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタを含む。この方法は、第1の不揮発性記憶素子が検知された後に第1の不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加することと、他のクラスタのいずれかの制御ゲートから読み出しパス電圧を放電し始める前に、かつ第1の選択ゲートと第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタの制御ゲートから読み出しパス電圧を放電し始めることと、制御ゲート上の読み出しパス電圧を定常電圧まで放電した後に、選択されたNANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子を検知することとを含む。
【0191】
一実施形態では、3次元(3D)不揮発性記憶装置は、スタック内の複数の絶縁層と交互する複数の導電層と、交互する導電層および絶縁層のスタックを通って延びる不揮発性記憶素子の複数のNANDストリングと、ワード線および複数のNANDストリングと通信する制御回路とを含む。複数のNANDストリングの各々は、第1の端部に第1の選択ゲートを有し、第2の端部に第2の選択ゲートを有する。各導電層の一部は、複数のNANDストリングのクラスタのためのワード線として機能する。複数のNANDストリングに関連するワード線は、連続ワード線の第1のクラスタ、第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の連続ワード線の1つ以上のクラスタ、および第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の連続ワード線の1つ以上のクラスタを含む。制御回路は、複数のNANDストリングのうちの選択されたNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知し、制御回路は、選択されたNANDストリングの非選択不揮発性記憶素子に関連する非選択ワード線に読み出しパス電圧を印加する。制御回路は、第1の不揮発性記憶素子が検知された後に、第1の不揮発性記憶素子に関連する選択ワード線に読み出しパス電圧を印加する。制御回路は、他のクラスタのいずれかのワード線から読み出しパス電圧を放電し始める前に、かつ第1の選択ゲートと第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタのワード線から読み出しパス電圧を放電し始める。制御回路は、ワード線上の読み出しパス電圧が定常電圧まで放電された後に、選択されたNANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子を検知する。
【0192】
一実施形態では、3次元(3D)不揮発性記憶装置は、複数のワード線層と、ワード線層を通って延びる不揮発性記憶素子の複数のNANDストリングとを含む。ワード線層は、不揮発性記憶素子の制御ゲートとして機能する。複数のNANDストリングの各々は、それぞれのNANDストリングの第1の端部に第1の選択ゲートを有し、それぞれのNANDストリングの第2の端部に第2の選択ゲートを有する。制御ゲートは、制御ゲートの第1のクラスタ、第1のクラスタと第1の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタ、および第1のクラスタと第2の選択ゲートとの間の制御ゲートの1つ以上のクラスタを含む。3D不揮発性記憶装置は、複数のNANDストリングのうちの選択されたNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するための検知手段をさらに備える。3D不揮発性記憶装置は、検知手段が不揮発性記憶素子を検知したときに、選択されたNANDストリングの非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加する電圧印加手段をさらに備える。電圧印加手段は、第1の不揮発性記憶素子が検知された後に、第1の不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加する。3D不揮発性記憶装置は、他のいずれかのクラスタの制御ゲートからの読み出しパス電圧の放電を開始する前に、かつ第1の選択ゲートおよび第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタの制御ゲートから読み出しパス電圧の放電を開始するための電圧放電手段をさらに備える。検知手段はさらに、制御ゲート上の読み出しパス電圧が定常電圧まで放電された後に、選択されたNANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子を検知する。
【0193】
一実施形態では、複数のNANDストリングのうちの選択されたNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するための検知手段は、読み出し書き込み回路128、検知ブロック、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122の1つ以上 を備える。複数のNANDストリングのうちの選択されたNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するための検知手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0194】
一実施形態では、検知手段が不揮発性記憶素子を検知したときに、選択されたNANDストリングの非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加する電圧印加手段は、読み出し書き込み回路128、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122の1つ以上を備える。検知手段が不揮発性記憶素子を検知したときに、選択されたNANDストリングの非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに読み出しパス電圧を印加する電圧印加手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0195】
一実施形態では、他のいずれかのクラスタの制御ゲートからの読み出しパス電圧の放電を開始する前に、かつ第1の選択ゲートおよび第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタの制御ゲートから読み出しパス電圧の放電を開始するための電圧放電手段は、読み出し書き込み回路128、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122の1つ以上を備える。他のいずれかのクラスタの制御ゲートからの読み出しパス電圧の放電を開始する前に、かつ第1の選択ゲートおよび第2の選択ゲートが導電状態にある間に、第1のクラスタの制御ゲートから読み出しパス電圧の放電を開始するための電圧放電手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0196】
一実施形態では、第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧まで放電するまで、制御ゲートの第1のクラスタと選択されたNANDストリングの第1の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持する手段は、読み出し書き込み回路128、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122の1つ以上を備える。第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧まで放電するまで、制御ゲートの第1のクラスタと選択されたNANDストリングの第1の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持する手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0197】
一実施形態では、第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧まで放電するまで、制御ゲートの第1のクラスタと選択されたNANDストリングの第2の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持する手段は、読み出し書き込み回路128、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122の1つ以上を備える。第1のクラスタ内の制御ゲート電圧が定常電圧まで放電するまで、制御ゲートの第1のクラスタと選択されたNANDストリングの第2の選択ゲートとの間のすべての不揮発性記憶素子をオン状態に維持する手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0198】
一実施形態では、不揮発性記憶装置は、不揮発性記憶素子のストリングと、ストリングと通信する制御回路とを含む。制御回路は、不揮発性記憶素子のストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するように構成される。第1の不揮発性記憶素子を検知すると、ストリング上の第2の不揮発性記憶素子の閾値電圧が第1の閾値電圧から第2の閾値電圧に変化する。制御回路は、第2の不揮発性記憶素子の閾値電圧を実質的に第1の閾値電圧に戻すように、ストリング上の第2の不揮発性記憶素子の弱消去を実行するように構成される。制御回路は、第2の不揮発性記憶素子がまだ実質的に第1の閾値電圧を有する時点で第2の不揮発性記憶素子の弱消去を行った後に、第2の不揮発性記憶素子を検知するように構成される。
【0199】
一実施形態では、不揮発性記憶装置を動作させる方法は、NANDストリングの選択不揮発性記憶素子の選択された制御ゲートに弱消去電圧を印加し、ビット線およびソース線からのNANDストリングのチャネルを切断しながら、NANDストリング上の非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに昇圧電圧を印加することを含む。この方法はまた、選択された制御ゲートに弱消去電圧を印加した後、選択された制御ゲートに検知電圧を印加し、昇圧電圧および弱消去電圧を印加した後にNANDストリングチャネルをビット線およびソース線に接続し、選択された制御ゲートに検知電圧が印加されている間、かつNANDストリングチャネルがビット線とソース線に接続されている間にビット線を検知することを含む。
【0200】
一実施形態では、3次元(3D)不揮発性記憶装置は、導電材料と絶縁材料の交互の層と、導電材料と絶縁材料の交互の層を貫通して延びる不揮発性記憶素子の複数のNANDストリングと、複数のビット線と、共通ソース線と、複数のビット線、共通ソース線および不揮発性記憶素子の制御ゲートと通信する制御回路とを含む。導電材料は、不揮発性記憶素子の制御ゲートとして機能する。複数のNANDストリングの各々は、第1の端部および第2の端部を有する。複数のNANDストリングの第1の端部のそれぞれは、複数のビット線のうちの1つのビット線に関連付けられる。共通ソース線は、複数のNANDストリングの第2の端部に関連付けられる。制御回路は、複数のNANDストリングのうちの選択されたNANDストリング上の非選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに昇圧電圧を印加し、制御回路は、選択されたNANDストリングの選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに弱消去電圧を印加し、制御回路は、選択されたNANDストリングのチャネルを、関連するビット線および共通ソース線から切断する。制御回路は、選択不揮発性記憶素子の制御ゲートから弱消去電圧を除去し、選択不揮発性記憶装置の制御ゲートに検知電圧を印加する。制御回路は、昇圧電圧および弱消去電圧が印加された後に、選択されたNANDストリングチャネルをビット線に接続し、共通ソース線に接続する。制御回路は、検知電圧が選択不揮発性記憶素子の制御ゲートに印加されている間、かつ選択されたNANDストリングのチャネルがビット線および共通ソース線に接続されている間に、ビット線を検知する。
【0201】
一実施形態では、3次元(3D)不揮発性記憶装置は、基板と、基板上の導電材料と絶縁材料の交互の層と、導電材料と絶縁材料の交互の層を貫通して延びる不揮発性記憶素子の複数のNANDストリングと、複数のビット線と、共通ソース線とを含む。導電材料は、不揮発性記憶素子の制御ゲートとして機能する。複数のNANDストリングは、それぞれ、第1の端部および第2の端部を有する。複数のNANDストリングの第1の端部のそれぞれは、複数のビット線のうちの1つのビット線に関連付けられる。共通ソース線は、複数のNANDストリングの第2の端部に関連付けられる。3D不揮発性記憶装置は、不揮発性記憶素子のNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するための検知手段をさらに備える。この検知により、NANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子に捕捉された電子が生じる。3D不揮発性記憶装置は、捕捉された電子を除去するためにNANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子の弱消去を行う弱消去手段をさらに備える。検知手段は、弱消去手段が弱消去を実行した後に、第2の不揮発性記憶素子をさらに検知する。
【0202】
一実施形態では、不揮発性記憶素子のNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するための検知手段は、読み出し書き込み回路128、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122のうちの1つ以上を備える。不揮発性記憶素子のNANDストリング上の第1の不揮発性記憶素子を検知するための検知手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0203】
一実施形態では、NANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子の弱消去を実行して捕捉された電子を除去する弱消去手段は、読み出し書き込み回路128、状態機械112、電力制御部116、およびコントローラ122のうちの1つ以上を備える。捕捉された電子を除去するためにNANDストリング上の第2の不揮発性記憶素子の弱消去を実行する弱消去手段は、他のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装することができる。
【0204】
本発明の前述の詳細な説明は、例示および説明のために提示されたものである。包括的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能である。記載された実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最もよく説明するために選択され、それによって当業者が様々な実施形態において、また意図される特定の用途に適した様々な変更をもって本発明を最も有効に利用できるようにする。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されることが意図されている。