【課題を解決するための手段】
【0027】
神経変性疾患、脳血管障害、肥満、心血管系疾患、および癌の治療のための、3−アミノ、および3−アシルアミノインダゾール誘導体は、Aventis Pharma SAの名義で、国際公開第2006003276号、国際公開第2004022544号および国際公開第2003078403号に公開されている。
【0028】
糖尿病、たとえばアルツハイマー病、およびパーキンソン病等の神経変性疾患の治療のためのインダゾリルアミド誘導体は、SmithKline Beecham P.L.C.の名義で、国際公開第2003051847号に公開されている。
【0029】
腫瘍性疾患、ウイルス性疾患、移植における免疫抑制、嚢胞性線維症、および血管新生に関連した疾患の治療のためのインダゾール誘導体は、Merck GMBHの名義のもと、国際公開第2008003396号に開示されている。
【0030】
これらの発見にもかかわらず、いまだ、当該疾患の治療のための、より有効性の高い剤が求められている。
【0031】
我々は、今回、一連のインダゾール類が、強力なプロテインキナーゼ阻害物質であること、したがって抗癌治療に有用であることを見出した。
【0032】
従って、本発明の目的は、式(I)、または式2.(I)により表される置換インダゾール化合物を提供することである。
【0033】
より具体的には、本発明の第一の目的は、式(I)により表される置換インダゾール化合物またはその異性体、互変体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を提供することである。
【0034】
【化1】
【0035】
ここで、Xは、−CH2−、−CH(OH)−、−CH(OR’)−、または−C(R’R”)−であり、R’は場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキルであり、R”は水素、または場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキルであり、Arは、ハロゲン、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、ニトロ、NHCOR4、COR4、NR5R6、NR5COR4、OR7、SR7、SOR10、SO2R10、NHSOR10、NHSO2R10、R8R9N−C1〜C6アルキル、R8O−C1〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立して選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されたアリールまたはヘテロアリールであり:R4は、水素、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、NR5R6、OR7、SR7、R8R9N−C1〜C6アルキル、R8O−C1〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、R5およびR6は、独立して、水素、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、R8R9N−C2〜C6アルキル、R8O−C2〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、さもなければ、R5およびR6は、それらが結合する窒素原子とともに、場合によっては置換されたヘテロシクリル基を形成してもよく、
R7は、水素、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、COR4、SOR10、SO2R10、R8R9N−C2〜C6アルキル、R8O−C2〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R4は、上記に定義されているとおりであり、
R8およびR9は、独立して、水素、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、COR4、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、さもなければ、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子とともに、場合によっては置換されたヘテロシクリル基を形成してもよく、ここで、R4は、上記に定義されているとおりであり、
R10は、水素、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、NR5R6、OR7、R8R9N−C1〜C6アルキル、R8O−C1〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、R5、R6、R7、R8およびR9は、上記に定義されているとおりであり、
Rは、場合によっては置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールである;
R1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン、窒素、場合によっては置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、NR5R6、またはOR7であり、ここで、R5、R6、およびR7は、上記に定義されているとおりである。
【0036】
たとえば、癌、神経変性性疾患、心血管系疾患、代謝性疾患、および中枢神経系の疾患等の様々な疾患の治療に有用な数種のインダゾール誘導体が、武田薬品工業株式会社の名義のもと、国際公開第2007075847号に開示され、Aventisの名義のもと、国際公開第2006003276号、国際公開第2004062662号、国際公開第2004022544号および国際公開第2003078403号に開示され、協和発酵工業株式会社の名義のもと、国際公開第2006080450号に開示され、ならびにコネチカット大学の名義のもと、国際公開第2006003276号に開示されている。
【0037】
これらの発見にもかかわらず、いまだ、当該疾患に有効な剤が求められている。本発明者らは、以下に記述される式2.(I)の化合物がキナーゼ阻害物質であり、抗腫瘍剤として治療に有用であることを見出した。
【0038】
より具体的には、本発明の第二の目的は、式2.(I)により表される置換インダゾール化合物およびその薬学的に許容される塩を提供することである。
【0039】
【化2】
【0040】
ここで、Arは、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、シアノ、ニトロ、NHCOR4、COR4、NR5R6、NR5COR4、OR7、SR7、SOR10、SO2R10、NHSOR10、NHSO2R10、R8R9N−C1〜C6アルキル、R8O−C1〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびアリールから独立して選択される1以上の置換基で場合によっては置換されたアリールであり、ここで、
R4は、水素、アルケニル、アルキニル、NR5R6、OR7、SR7、R8R9N−C1〜C6アルキル、R8O−C1〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールであり、
R5およびR6は、独立して、水素、アルケニル、アルキニル、R8R9N−C2〜C6アルキル、R8O−C2〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールであり、さもなければ、R5およびR6は、それらが結合する窒素原子とともに、場合によっては置換されたヘテロシクリル基を形成してもよく、
R7は、水素、アルケニル、アルキニル、COR4、SOR10、SO2R10、R8R9N−C2〜C6アルキル、R8O−C2〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールであり、ここで、R4は、上記に定義されているとおりであり、
R8およびR9は、独立して、水素、アルケニル、アルキニル、COR4、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールであり、さもなければ、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子とともに、場合によっては置換されたヘテロシクリル基を形成してもよく、ここで、R4は、上記に定義されているとおりであり、
R10は、水素、アルケニル、アルキニル、NR5R6、OR7、R8R9N−C1〜C6アルキル、R8O−C1〜C6アルキル、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールであり、ここで、R5、R6、R7、R8およびR9は、上記に定義されているとおりであり、Rは、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールであり、R1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン、窒素、場合によってはさらに置換された直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル、NR5R6、またはOR7であり、ここで、R5、R6、およびR7は、上記に定義されているとおりである。
【0041】
本発明はまた、脱制御されたプロテインキナーゼ活性、特にPLKファミリー、異なるアイソフォームのプロテインキナーゼC、Met、PAK−4、PAK−5、ZC−1、STLK−2、DDR−2、Aurora 1、Aurora 2、Bub−1、Chk1、Chk2、HER2、raf1、MEK1、MAPK、EGF−R、PDGF−R、FGF−R、FLT3、JAK2、IGF−R、ALK、PI3K、weelキナーゼ、Src、Abl、Akt、MAPK、ILK、MK−2、IKK−2、Cdc7、Nek、Cdk/サイクリンキナーゼファミリー、より具体的には、Aurora 2、IGF−1RおよびALK活性、ならびにROS1活性、さらにより具体的にはALK活性および/もしくはROS1活性に起因および/または関連する疾患を治療する方法であって、その必要のある哺乳類に対し、上述の式(I)または式2.(I)により表される置換インダゾール化合物の有効量を投与することを含む方法も提供する。
【0042】
本発明の一部の実施形態は、癌および細胞増殖性疾患からなる群から選択される、脱制御されたプロテインキナーゼ活性に起因および/または関連する疾患を治療することである。
【0043】
本発明の一部の実施形態は、上皮性悪性腫瘍、扁平上皮細胞癌、骨髄またはリンパ系の造血器腫瘍、間葉系を起源とする腫瘍、中枢神経系または末梢神経系の腫瘍、メラノーマ、セミノーマ、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、血管肉腫、グリア芽腫、胆管癌(holangiocarcinoma)、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、類上皮血管内皮肉腫、星状細胞腫、髄膜腫、血管肉腫、類上皮血管内皮肉腫、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞細胞癌、カポジ肉腫、およびすい臓癌を含む、特定のタイプの癌を治療することである。
【0044】
本発明の一部の実施形態は、たとえば、限定されないが、乳癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胃癌、明細胞腎細胞癌、浸潤性腺管癌(乳癌)、ブドウ膜メラノーマ、多発性骨髄腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、すい臓癌、および髄芽腫等の特定のタイプの癌を治療することである。
【0045】
本発明の一部の実施形態は、ALK+未分化大細胞リンパ腫(ALCL:Anaplastic Large Cell Lymphomas)、および場合によっては、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、グリア芽腫、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、ならびにある種のメラノーマ、乳癌、ユーイング肉腫、網膜芽腫、および非小細胞肺癌(NSCLC:Non Small Cell Lung Carcinomas)のようなALK活性が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療することである。
【0046】
本発明の一部の実施形態は、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によっては、ROS1活性の調節における異常、その上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0047】
本発明の一部の実施形態は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年10月30日に特許が発行された米国特許第8,299,057号に開示される、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1活性の調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。本発明の一部の実施形態は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年2月14日に特許が発行された米国特許第8,114,865号に開示される、たとえばN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド等の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1活性の調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0048】
本発明の一部の実施形態は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年10月30日に特許が発行された米国特許第8,299,057号に開示される、たとえばN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。本発明の一部の実施形態は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年2月14日に特許が発行された米国特許第8,114,865号に開示される、たとえばN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド等の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0049】
一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1活性の調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1活性の調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1活性の調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0050】
一部の実施形態において、本発明方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される2012年10月30日に発行された米国特許第8,299,057号の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年2月14日に発行された米国特許第8,114,865号の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0051】
一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはその上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0052】
一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0053】
一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの欠失等のヌル変異等の、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの下方制御異常を特定すること、および当該個体に、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、たとえば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの欠失等のヌル変異等の、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0054】
一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からの細胞抽出物におけるROS1活性を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からのRNA群におけるROS1転写物の蓄積を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群もしくは前癌性細胞群からの細胞(複数含む)、または細胞(複数含む)を含有する細胞群における、たとえばゲノムデオキシリボ核酸配列等の核酸配列を決定することを含む。
【0055】
一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkC調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からの細胞抽出物におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの活性を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からのRNA群における、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの転写物の蓄積を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkC調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群もしくは前癌性細胞群からの細胞(複数含む)、または細胞(複数含む)を含有する細胞群における、たとえばゲノムデオキシリボ核酸配列等の核酸配列を決定することを含む。
【0056】
一部の実施形態において、本発明方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年10月30日に発行された米国特許第8,299,057号の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年2月14日に発行された米国特許第8,114,865号の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0057】
一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0058】
一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、たとえばN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0059】
一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの欠失等のヌル変異等の、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの下方制御異常を特定すること、および当該個体に、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、たとえば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの欠失等のヌル変異等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの下方制御の異常に関連したすい臓癌を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0060】
一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からの細胞抽出物におけるROS1活性を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からのRNA群におけるROS1転写物の蓄積を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等当のたとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群もしくは前癌性細胞群からの細胞(複数含む)、または細胞(複数含む)を含有する細胞群における、たとえばゲノムデオキシリボ核酸配列等の核酸配列を決定することを含む。
【0061】
一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkC調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からの細胞抽出物におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの活性を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からのRNA群における、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの転写物の蓄積を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌性または前癌性すい臓細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkC調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群もしくは前癌性細胞群からの細胞(複数含む)、または細胞(複数含む)を含有する細胞群における、たとえばゲノムデオキシリボ核酸配列等の核酸配列を決定することを含む。
【0062】
一部の実施形態において、本発明方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年10月30日に発行された米国特許第8,299,057号の分子を投与することにより、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患、ならびに場合によって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2012年2月14日に発行された米国特許第8,114,865号の分子を投与することにより、すい臓癌、および場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0063】
一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患、ならびに場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患、ならびに場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患、ならびに場合によって、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの活性、またはそれらの組み合わせの活性の調節における異常、またはそれらの上方制御、誤制御、もしくは欠失が何らかの役割を果たし得る他の疾患を治療すること、それらの症状を軽減すること、それらの症状を改善すること、それらの発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0064】
一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌または前癌性細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連した、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌または前癌性細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連した、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌または前癌性細胞において、たとえばROS1欠失等のヌル変異等の、ROS1の下方制御異常を特定すること、および当該個体に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである分子を投与することにより、たとえば、ROS1欠失等のヌル変異等のROS1の下方制御の異常に関連した、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0065】
一部の実施形態において、本発明方法は、たとえば個体の癌または前癌性細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの欠失等のヌル変異等の、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの下方制御異常を特定すること、および当該個体に、たとえば、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド等の本明細書に開示される式(I)の分子を投与することにより、たとえば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの欠失等のヌル変異等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの下方制御の異常に関連した、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌から選択される疾患を治療すること、その症状を軽減すること、その症状を改善すること、その発生を遅延させること、または薬学的に対処することである。
【0066】
一部の実施形態において、個体の癌または前癌性細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群または前癌性細胞群からの細胞抽出物におけるROS1活性を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌または前癌性細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、癌性細胞群または前癌性細胞群からのRNA群におけるROS1転写物の蓄積を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌または前癌性細胞において、たとえばROS1の欠失等のヌル変異、または構造的に活性なROS1キナーゼをコードするROS1のキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のROS1調節の異常を特定することは、すい臓の癌性細胞群もしくは前癌性細胞群からの細胞(複数含む)、または細胞(複数含む)を含有する細胞群における、たとえばゲノムデオキシリボ核酸配列等の核酸配列を決定することを含む。
【0067】
一部の実施形態において、個体の癌または前癌性細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkC調節の異常を特定することは、癌性細胞群または前癌性細胞群からの細胞抽出物におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの活性を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌または前癌性細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの調節の異常を特定することは、癌性細胞群または前癌性細胞群からのRNA群における、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCの転写物の蓄積を分析することを含む。一部の実施形態において、個体の癌または前癌性細胞において、たとえばALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCの欠失等のヌル変異、または構造的に活性なALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼをコードするALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキメラ遺伝子座等の、たとえば上方制御の異常または下方制御の異常等のALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkC調節の異常を特定することは、癌性細胞群もしくは前癌性細胞群からの細胞(複数含む)、または細胞(複数含む)を含有する細胞群における、たとえばゲノムデオキシリボ核酸配列等の核酸配列を決定することを含む。
【0068】
一部の実施形態において、本発明方法は、限定されないが、たとえば、良性前立腺過形成、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症、およびたとえば、血管形成または外科手術の後の再狭窄等の血管平滑筋細胞増殖または新生内膜形成を包含する疾患等の細胞増殖性疾患、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、糖尿病性網膜症および新生児網膜症を含む網膜症、ならびに加齢性黄班変性症、たとえば、血管または器官の移植後に発生しうる移植血管症(graft vessel disease)、末端肥大症および末端肥大症の続発症、ならびにIGF/IGF−1Rシグナル伝達が関与する、たとえば線維性肺疾患等の他の肥厚性疾患、慢性もしくは急性の酸化ストレスまたは過剰酸素誘導性の組織損傷に関連した病態、ならびにIGFレベルの上昇またはIGF−1R活性が関与する、たとえば肥満等の代謝性疾患を治療することである。
【0069】
さらに、本発明方法はまた、腫瘍血管新生および転移の阻害をもたらすものである。
【0070】
一部の実施形態において、本発明方法はさらに、少なくとも1つの細胞増殖抑制剤または細胞毒性剤と併用した、放射線療法または化学療法のレジメンを、その必要のある哺乳類に施すことを含む。さらに本発明は、活性ALKタンパク質と、式(I)または式2.(I)の化合物の有効量を接触させることを含む、当該タンパク質を阻害する方法を提示する。
【0071】
一部の実施形態において、本発明方法は、細胞において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼ活性のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを阻害する方法であり、当該方法は、本明細書に開示される化合物の有効量と、当該細胞を接触させることを含む。一部の実施形態は、細胞において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼ活性のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを阻害する方法であり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物の有効量と、当該細胞を接触させることを含む。一部の実施形態は、細胞において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼ活性のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを阻害する方法であり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物の有効量と、当該細胞を接触させることを含む。一部の実施形態は、細胞において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼ活性のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを阻害する方法であり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物の有効量と、当該細胞を接触させることを含む。
【0072】
また、本発明は、式(I)もしくは式2.(I)の1種以上の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含有する医薬組成物を提示するものである。一部の実施形態は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドから選択される1種以上の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含有する医薬組成物を提示するものである。一部の実施形態は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含有する医薬組成物を提示するものである。一部の実施形態は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含有する医薬組成物を提示するものである。
【0073】
一部の実施形態は、患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩から選択される化合物の有効量を、当該患者に投与することを含む。
【0074】
一部の実施形態は、患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である化合物の有効量を、当該患者に投与することを含む。
【0075】
一部の実施形態は、患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である化合物の有効量を、当該患者に投与することを含む。
【0076】
一部の実施形態は、患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である化合物の有効量を、当該患者に投与することを含む。
【0077】
一部の実施形態は、その必要のある患者における癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与することにより、当該患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害することを含む。
【0078】
一部の実施形態は、その必要のある患者における癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である化合物の有効量を当該患者に投与することにより、当該患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害することを含む。
【0079】
一部の実施形態は、その必要のある患者における癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である化合物の有効量を当該患者に投与することにより、当該患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害することを含む。
【0080】
一部の実施形態は、その必要のある患者における癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である化合物の有効量を当該患者に投与することにより、当該患者において、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC活性、またはそれらの組み合わせを阻害することを含む。
【0081】
一部の実施形態は、患者の非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、または大腸癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与することを含む。
【0082】
一部の実施形態は、患者の腫瘍を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与することを含む。
【0083】
一部の実施形態は、当該腫瘍が、当該患者における非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌の存在に起因する、方法を提示するものである。一部の実施形態は、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼのうちの少なくとも1つを発現する遺伝子の存在に関する検査が陽性である患者の腫瘍を含有する細胞のうちの1つ以上、または当該患者の腫瘍を含有する細胞のうちの1以上が、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCのキナーゼ活性のうちの少なくとも1つを示す、方法を提示するものである。
【0084】
一部の実施形態は、患者において、腫瘍を含有する細胞のうちの少なくとも1つ以上が、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCキナーゼのうちの少なくとも1つを発現する遺伝子、またはその断片を含有する、少なくとも1つの遺伝子再構成に対して検査陽性である、方法を提示するものである。一部の実施形態は、細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうちの少なくとも1つについて検査陽性である、方法を提示するものである。一部の実施形態は、細胞が、ROS1キナーゼに対し検査陽性である、方法を提示するものである。一部の実施形態は、細胞が、TrkA、TrkB、およびTrkCキナーゼのうちの少なくとも1つに対し検査陽性である、方法を提示するものである。一部の実施形態は、細胞が、TrkAキナーゼに対し検査陽性である、方法を提示するものである。一部の実施形態は、細胞が、TrkBキナーゼに対し検査陽性である、方法を提示するものである。一部の実施形態は、細胞が、TrkCキナーゼに対し検査陽性である、方法を提示するものである。
【0085】
一部の実施形態は、患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は:(1)ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つの存在に関し、患者の腫瘍を含有する1つ以上の細胞を検査する工程;および(2)もし当該1以上の細胞が、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つについて検査陽性である場合、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される化合物の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0086】
一部の実施形態は、患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は:(1)ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つの存在に関し、患者の腫瘍を含有する1つ以上の細胞を検査する工程;および(2)もし当該1以上の細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つについて検査陽性である場合、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0087】
一部の実施形態は、患者が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与される方法を提示するものである。一部の実施形態は、患者が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与される方法を提示するものである。一部の実施形態は、患者が、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与される方法を提示するものである。
【0088】
一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0089】
一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0090】
一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0091】
一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者の癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0092】
一部の実施形態は、患者由来の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者由来の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者由来の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、患者由来の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する、当該患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドである化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0093】
一部の実施形態は、癌を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、患者由来の1以上の癌性細胞が、ROS1、TrkA、TrkB、またはTrkCキナーゼのうち少なくとも1つを発現する患者に対し、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。一部の実施形態は、当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である、方法を開示するものである。一部の実施形態は、当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である、方法を開示するものである。
【0094】
一部の実施形態は、癌を有する患者を治療する方法を提示するものであり、当該患者由来の癌は、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC、またはその組み合わせが陽性であり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0095】
一部の実施形態は、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCが陽性の癌、またはそれらの組み合わせを有する患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を当該患者に投与する工程を含む。
【0096】
一部の実施形態は、癌患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、(a)当該癌患者における少なくとも1つの標的遺伝子における少なくとも1つの遺伝子変異の存在に関する知見を得る工程であって、ここで、当該少なくとも1つの標的遺伝子は、ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択され;(b)N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、当該少なくとも1つの標的遺伝子における当該少なくとも1つの遺伝子変異を有する癌患者の治療において、当該化合物が有効であるという認識に基づき、当該癌患者に対する治療として選択する工程;ならびに(c)当該化合物の治療有効量を、当該癌患者に投与する工程、を含む。
【0097】
一部の実施形態は、癌患者を治療する方法であって、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を、当該癌患者に投与する工程を含み、ここで、当該化合物の投与の前に、当該癌患者は、ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において、少なくとも1つの遺伝子変異を保有することが判明している方法を提供する。
【0098】
一部の実施形態は、患者の癌を治療する方法であって、ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において、少なくとも1つの遺伝子変異を保有することが判明している当該癌患者に対し、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む方法を提供する。
【0099】
一部の実施形態は、癌患者を治療する方法であって、当該癌患者は、少なくとも1つの標的遺伝子において、少なくとも1つの遺伝子変異を保有することが判明しており、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を当該癌患者に投与する工程を含み、ここで、当該標的遺伝子は、ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される方法を提供する。
【0100】
一部の実施形態は、癌患者を治療する方法であって、当該治療の前に、当該患者は、少なくとも1つの標的遺伝子において、少なくとも1つの遺伝子変異を保有することが判明しており、当該方法は、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を当該癌患者に投与する工程を含み、ここで、当該標的遺伝子は、ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される方法を提供する。
【0101】
一部の実施形態は、癌患者を治療する方法であって、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を当該癌患者に投与する工程を含み、ここで、当該患者に当該化合物が投与される前に、当該患者は、ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において、少なくとも1つの遺伝子変異を保有することが判明している方法を提供する。
【0102】
一部の実施形態は、癌患者を治療する方法を提示するものであり、当該方法は、(a)ALK1、BDNF、NGF、NGFR、NTF3、NTF4、ROS1、SORT1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される少なくとも1つの標的遺伝子における、少なくとも1つの遺伝子変異の存在に関する知見を得る工程;および(b)当該患者に対し、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む。
【0103】
一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを提示するものであり、ここで、当該患者または対象は癌に罹患しており、ならびに当該癌は、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌のうちの少なくとも1つから選択される。
【0104】
一部の実施形態は、1種以上の化学療法剤、またはたとえば、癌を治療する、癌の症状を改善する、癌の発生を防ぐ、または癌の発生を遅延させるために一般に施される放射線治療等の放射線療法と組み合わされる、式(I)または式2.(I)の化合物を含有する医薬組成物を開示するものである。このような剤としては、限定されないが、たとえば、アンチエストロゲン、アンチアンドロゲン、およびアロマターゼ阻害物質等の抗ホルモン剤、トポイソメラーゼI阻害物質、トポイソメラーゼII阻害物質、微小管標的剤、プラチナベースの剤、アルキル化剤、DNA損傷剤またはDNA挿入剤、抗新生物剤、抗代謝剤、他のキナーゼ阻害物質、他の抗血管新生剤、キネシン阻害物質、治療用モノクローナル抗体、mTOR阻害物質、ヒストン脱アセチル化酵素阻害物質、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害物質、および低酸素応答阻害物質が挙げられる。
【0105】
一部の実施形態は、抗癌治療において同時、別々、または連続使用のための、混合製剤として、上述の式(I)もしくは式2.(I)またはその薬学的に許容される塩の化合物、またはその医薬組成物、および1種以上の化学療法剤を含有する製品またはキットを提示するものである。一部の実施形態は、抗癌治療において同時、別々、または連続使用のための、混合製剤として、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドから選択される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物、および1種以上の化学療法剤を含有する製品またはキットを提示するものである。
【0106】
一部の実施形態は、抗癌治療において同時、別々、または連続使用のための、混合製剤として、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物、および1種以上の化学療法剤を含有する製品またはキットを開示するものである。一部の実施形態は、抗癌治療において同時、別々、または連続使用のための、混合製剤として、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである化合物、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物、および1種以上の化学療法剤を含有する製品またはキットを開示するものである。
【0107】
一部の実施形態は、医薬品としての使用のための、上述の式(I)もしくは式2.(I)またはその薬学的に許容される塩の化合物を提示するものである。
【0108】
一部の実施形態は、抗腫瘍活性を有する医薬品の製造における、上述の式(I)もしくは式2.(I)またはその薬学的に許容される塩の化合物の使用を提示するものである。
【0109】
一部の実施形態は、癌を治療する方法における使用のための、上述の式(I)もしくは式2.(I)またはその薬学的に許容される塩の化合物を提示するものである。一部の実施形態はさらに、以下に番号で列記される実施形態を参照することにより要約されうる:
1.個体の細胞群において、ROS1活性の調節が異常であるかどうかを測定する工程、およびもし当該ROS1活性の調節が異常である場合、
当該個体に式(I)および式2.(I)からなるリストから選択される分子を投与し、
それにより、癌を治療する、癌の症状を改善する、癌の発生を遅延させる、または癌の進行を遅延させる工程を含む、癌を治療する、癌の症状を改善する、癌の発生を遅延させる、または癌の進行を遅延させる方法。
2.ROS1活性の調節が異常であるかどうかを測定する工程が、当該個体の細胞群の抽出物におけるROS1キナーゼの活性を分析する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
3.ROS1活性の調節が異常であるかどうかを測定する工程が、当該個体の細胞群のRNAを含有する抽出物における、転写物の蓄積を分析する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
4.ROS1活性の調節が異常であるかどうかを測定する工程が、当該個体の細胞群のゲノムDNAにおけるROS1遺伝子座を配列解析する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
5.当該ROS1活性の異常調節が、ROS1活性の上方制御を含む、実施形態4に記載の方法。
6.ROS1遺伝子座での第二のタンパク質のコード領域の融合は、ROS1キナーゼ活性の上方制御を示す、実施形態5に記載の方法。
7.当該ROS1活性の異常調節が、より低いレベルへのROS1活性の低下を含む、実施形態4に記載の方法。
8.当該ROS1遺伝子座のヌル変異は、ROS1活性が低下していることを示す、実施形態7に記載の方法。
9.当該ヌル変異は、挿入を含む、実施形態7に記載の方法。
10.当該ヌル変異は、ROS1をコードするコード領域のフレームシフトを含む、実施形態7に記載の方法。
11.当該ヌル変異は、ROS1をコードする遺伝子座内の欠失を含む、実施形態7に記載の方法。
12.当該ヌル変異は、ROS1遺伝子座にまたがる核酸配列の欠失を含む、実施形態7に記載の方法。
13.ROS1 mRNAの蓄積に作用する変異は、ROS1活性の低下を示す、実施形態7に記載の方法。
14.当該分子が、式(I)の分子である、実施形態1〜13のいずれか1項に記載の方法。
15.当該分子が、式2.(I)の分子である、実施形態1〜13のいずれか1項に記載の方法。
16.当該分子が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである、実施形態1〜13のいずれか1項に記載の方法。
17.当該分子が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミドである、実施形態1〜13のいずれか1項に記載の方法。
18.当該分子が、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドである、実施形態1〜13のいずれか1項に記載の方法。
19.当該癌が、すい臓癌を含む、実施形態1〜18のいずれか1項に記載の方法。
20.当該個体に放射線療法を施す工程をさらに含む、実施形態1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【0110】
一部のさらなる実施形態は、番号で以下に列記される実施形態を参照することにより要約されうる:
1.患者の癌を治療するための医薬品を調製するための、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドからなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用であって、ここで、当該癌患者は、ROS1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において少なくとも1つの遺伝子変異を有する、使用。
2.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、ROS1である、実施形態1に記載の使用。
3.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3からなる群から選択される、実施形態1に記載の使用。
4.当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である実施形態1に記載の使用。
5.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、ROS1である、実施形態4に記載の使用。
6.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3からなる群から選択される、実施形態4に記載の使用。
7.当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である実施形態1に記載の使用。
8.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、ROS1である、実施形態7に記載の使用。
9.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3からなる群から選択される、実施形態7に記載の使用。
10.当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である実施形態1に記載の使用。
11.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、ROS1である、実施形態10に記載の使用。
12.当該少なくとも1つの標的遺伝子が、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3からなる群から選択される、実施形態10に記載の使用。
13.当該癌が、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態1に記載の使用。
14.当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩であり、当該癌が、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態1に記載の使用。
15.当該癌が、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態14に記載の使用。
16.当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩であり、当該癌が、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態1に記載の使用。
17.当該癌が、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態16に記載の使用。
18.当該化合物が、N−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩であり、当該癌が、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態1に記載の使用。
19.当該癌が、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態18に記載の使用。
20.ROS1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3からなる群から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において少なくとも1つの遺伝子変異を有する患者の癌を治療する方法における使用のための、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドからなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、当該方法が、
a)当該患者が、ROS1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3からなる群から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において少なくとも1つの遺伝子変異を有するかどうかを判定する工程、および
b)当該癌患者へ当該化合物の治療有効量を投与する工程、
を含む、化合物またはその薬学的に許容される塩。
21.当該癌が、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌からなる群から選択される、実施形態20に記載の使用のための化合物。
22.患者の癌を治療する方法であって、当該患者は、ROS1、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3から選択される少なくとも1つの標的遺伝子において少なくとも1つの遺伝子変異を有することが判明しており、当該癌患者に、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、N−[5−(3,5−ジフルオロベンジル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ベンズアミド、およびN−[5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−1H−インダゾール−3−イル]−2−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩から選択される化合物の治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【0111】
一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、当該癌は、非小細胞肺癌、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、すい臓癌、および大腸癌からなる群から選択される。一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかであり、当該癌は、非小細胞肺癌である。一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、当該癌は、甲状腺乳頭癌である。一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、当該癌は、神経芽細胞腫である。一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、当該癌は、すい臓癌である。一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、当該癌は、大腸癌である。
【0112】
一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、本明細書に開示される任意の化合物は、当該個体に、約200mg/m
2〜約1600mg/m
2、または約200mg/m
2〜約1200mg/m
2、または約200mg/m
2〜約1000mg/m
2、または約400mg/m
2〜約1200mg/m
2、または約400mg/m
2〜約1000mg/m
2、または約800mg/m
2〜約1000mg/m
2、または約800mg/m
2〜約1200mg/m
2、または約800mg/m
2〜約1200mg/m
2、または約800mg/m
2〜約1600mg/m
2の範囲の量で投与される。一部の実施形態は、本明細書に開示される方法のいずれかを含み、本明細書に開示される任意の化合物は、当該個体に、約200mg/m
2、約300mg/m
2、約400mg/m
2、約500mg/m
2、約600mg/m
2、約700mg/m
2、約800mg/m
2、約900mg/m
2、約1000mg/m
2、約1100mg/m
2、約1200mg/m
2、約1300mg/m
2、約1400mg/m
2、約1500mg/m
2、約1600mg/m
2、約1700mg/m
2、約1800mg/m
2、約1900mg/m
2、または約2000mg/m
2の量で投与される。
【0113】
一部の実施形態は、ほ乳類における異常な細胞増殖の治療のための医薬品の製造における、本明細書に開示される化合物のいずれか、またはその薬学的に許容される塩の使用に関するものである。本発明はさらに、ほ乳類における異常な細胞増殖の治療のための医薬品の製造における、本明細書に開示される化合物のいずれか、またはその薬学的に許容される塩の使用に関するものであり、当該異常な細胞の増殖は、癌性または非癌性である。一部の実施形態において、当該異常な細胞の増殖は、癌性である。一部の実施形態において、当該異常な細胞の増殖は、非癌性である。
【0114】
一部の実施形態は、医薬品としての使用のための、本明細書に開示される化合物のいずれか、またはその薬学的に許容される塩に関するものである。一部の実施形態は、異常な細胞増殖を治療するための医薬品の製造のための、上述の化合物のいずれか、またはその薬学的に許容される塩の使用に関するものである。
【0115】
本明細書において、「癌」とは、異常な細胞の増殖を起因とする、任意の悪性および/または浸潤性の増殖または腫瘍を指す。本明細書において、「癌」とは、それらを形成する細胞のタイプに由来して名付けられた固形腫瘍、血液、骨髄、またはリンパ系の癌を指す。固形腫瘍の例としては、限定されないが、肉腫および上皮性悪性腫瘍が挙げられる。血液の癌の例としては、限定されないが、白血病、リンパ腫、および骨髄腫が挙げられる。「癌」という用語は、限定されないが、身体の特定の部位を起源とする原発癌、原発部位から身体の他の場所へと拡がった転移癌、寛解後の元の原発癌からの再発癌、および癌の既往歴がある患者の、前回の癌とは異なる癌型の、新たな原発癌である二次原発癌を含む。
【0116】
一部の実施形態は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する組成物(たとえば医薬組成物)に関する。したがって、一部の実施形態において、本発明は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、薬学的に許容される担体、および任意選択的に少なくとも1つの追加の薬剤または医薬品を含有する医薬組成物に関する。一部の実施形態において、当該少なくとも1つの追加の薬剤または医薬品は、以下に記述される抗癌剤である。
【0117】
薬学的に許容される担体は、従来の医薬担体または賦形剤を含むことができる。適切な医薬担体としては、不活性な希釈剤または充てん剤、水、および様々な有機溶媒(たとえば水和物および溶媒和物)が挙げられる。必要に応じて、医薬組成物は、たとえば香味剤、結合剤、賦形剤等の追加の成分を含有してもよい。経口投与に関しては、たとえばクエン酸等の様々な賦形剤を含有する錠剤が、たとえばデンプン、アルギン酸、およびあるケイ酸複合体等の様々な崩壊剤、ならびにたとえばスクロース、ゼラチン、およびアカシア等の結合剤とともに、用いられてもよい。さらに、しばしば、たとえばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、および滑石等の平滑剤が、錠剤化の目的に有用である。同様のタイプの固形組成物がまた、軟充てんゼラチンカプセルおよび硬充てんゼラチンカプセルに用いられてもよい。材料の非限定的な例としては、ラクトース、すなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液またはエリキシルが経口投与として望ましい場合、その中の活性化合物は、様々な甘味剤または香味剤、着色物質または色素と混合されてもよく、所望される場合は、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、グリセリン、またはそれらの組み合わせ等の希釈剤とともに、乳化剤または懸濁剤と混合されてもよい。
【0118】
たとえば、医薬組成物は、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放製剤、懸濁溶液のような経口投与に適した形態、滅菌された溶液、懸濁液もしくはエマルションのような非経口注射に適した形態、軟膏もしくはクリームのような局所投与に適した形態、または座薬のような直腸投与に適した形態であってもよい。
【0119】
例示的な非経口投与用の剤型としては、たとえば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液等の滅菌水溶液に溶解した活性化合物の溶液または懸濁液が挙げられる。そのような投与剤型は、もし所望の場合には、適切に緩衝されていてもよい。
【0120】
医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位投与剤型であってもよい。
【0121】
一部の実施形態において、組成物は、本明細書に開示される化合物の治療有効量、および薬学的に許容される担体を含有する。
【0122】
本発明の化合物は、当業者に適切であると認識されている任意の医薬品形態で、以下に記述されるような医薬組成物へと処方されていてもよい。本発明の医薬組成物は、本明細書に開示される少なくとも1種の化合物の治療有効量、および不活性な薬学的に許容される担体または希釈剤を含有する。
【0123】
ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkC、またはそれらの組み合わせが介在する疾患もしくは状態を治療、または予防するために、本発明の医薬組成物は、(活性成分としての)本発明の少なくとも1種の化合物の治療有効量(すなわち、治療効果を得るのに有効な、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、もしくはTrkCを調節、制御、または阻害する量)と、たとえば、希釈剤、賦形剤、および当該活性化合物の最終的な医薬調製物への処理を容易にする補助剤、から選択されうる、1以上の薬学的に適切な担体を混合することにより調製される、適切な剤型で投与される。
【0124】
用いられる薬学的な担体は、固体または液体のいずれであってもよい。例示的な固形担体は、ラクトース、スクロース、滑石、ゼラチン、アガー、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等である。例示的な液状担体は、シロップ、ピーナッツ油、オリーブオイル、水等である。同様に、本発明組成物は、たとえば、単独もしくはワックスを伴うモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルメタクリレート等の当分野公知の遅延型または徐放型物質を含有してもよい。所望の製剤特性を得るために、さらなる添加剤または賦形剤が添加されてもよい。たとえば、Labrasol、Gelucire等の生体利用効率増強剤、またはたとえばCMC(カルボキシ−メチルセルロース)、PG(プロピレングリコール)、もしくはPEG(ポリエチレングリコール)等の処方剤が添加されてもよい。Gelucire(登録商標)は、活性成分を光、湿気、および酸化から保護する半固形ビヒクルであり、たとえばカプセル製剤を調製する際に、これが添加されてもよい。
【0125】
固形担体を使用する場合、当該製剤は、錠剤化されてもよく、粉末またはペレット状で硬ゼラチンカプセル内に入れられてもよく、またはトローチもしくは薬用キャンディへと処方されてもよい。固形担体の量は変化しうるが、通常は、約25mg〜約1gである。もし液状担体が用いられる場合、製剤は、シロップ、エマルション、軟ゼラチンカプセル、アンプルもしくはバイアル内の滅菌注射溶液または懸濁液の形態、または非水性懸濁液であってもよい。もし半固形担体が用いられる場合、製剤は、硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル製剤の形態であってもよい。本発明組成物は、たとえば、非経口投与または経口投与等の投与様式に適した単位投与剤型で調製される。
【0126】
安定した水溶性の投与剤型を得るために、本発明化合物の塩は、たとえば、コハク酸またはクエン酸の0.3M溶液等の、有機酸または無機酸の水溶液に溶解されてもよい。もし可溶性の塩の形態が利用できない場合、当該剤は、適切な共溶媒、または共溶媒の組み合わせに溶解されてもよい。適切な共溶媒の例としては、総量の0〜60%の範囲の濃度のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリン等が挙げられる。例示的な実施形態において、本発明化合物は、DMSOに溶解され、水を用いて希釈される。また、当該組成物は、たとえば水または等張生理食塩水または等張ブドウ糖溶液等の適切な水性ビヒクルに溶解した、活性成分の塩形態の溶液の形態であってもよい。
【0127】
適切な剤型は、選択された投与経路に依存する。注射に関しては、本発明化合物の剤は、水溶液、好ましくはたとえばハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理食塩水緩衝液等の生理的に適合性のある緩衝液中に処方されてもよい。経粘膜投与に対しては、浸透されるバリアに対し適切な浸透剤が、当該製剤に用いられる。そのような浸透剤は、当分野で公知である。
【0128】
経口投与に対しては、当該化合物は、活性化合物と、当分野公知の薬学的に許容される担体とを混合させることにより製剤化されてもよい。そのような担体は、治療される対象による経口摂取に対し、本発明化合物を錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として製剤化することができる。経口使用のための医薬製剤は、活性成分(剤)と混合された固形賦形剤を用いて、および任意選択的に得られた混合物をすりつぶし、およびもし所望の場合には、錠剤または糖衣錠の芯材を得るために、適切な補助剤を添加した後、顆粒混合物を処理することにより、得られる。適切な賦形剤としては、たとえばラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類等の充てん剤;およびたとえば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリビニルピロリドン(PVP)等のセルロース調製物が挙げられる。もし所望の場合、たとえば、架橋ポリビニルピロリドン、アガー、もしくはアルギン酸、またはたとえばアルギン酸ナトリウム等のそれらの塩等の崩壊剤が添加されてもよい。
【0129】
糖衣錠の芯材は、適切なコーティングが施される。この目的で、濃縮糖溶液を用いてもよく、それらは任意選択的にアラビアガム、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒、または溶媒混合物を含有してもよい。識別、または活性剤の異なる組合せを特徴づけるために、染料または色素を、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加してもよい。
【0130】
経口で用いることができる医薬製剤は、ゼラチンから作製される押し込み型のカプセル、ならびにゼラチン、およびたとえばグリセロールまたはソルビトール等の可塑剤から作製される軟密封型カプセルを含む。押し込み型のカプセルは、たとえばラクトース等の充てん剤、たとえばデンプン等の結合剤および/またはたとえば滑石またはステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ならびに任意選択的に安定剤との混合物中に、活性成分を含有してもよい。軟カプセルにおいて、活性成分は、たとえば脂肪油、液状パラフィン、または液状ポリエチレングリコール等の適切な液体中に溶解または懸濁されてもよい。さらに、安定剤が添加されてもよい。経口投与用のすべての製剤は、そのような投与に適した投与量でなければならない。口腔投与に対しては、組成物は、標準的な様式で製剤化された錠剤またはトローチ剤の形態であってもよい。
【0131】
鼻内投与または吸入に対しては、本発明の使用のための化合物は、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガス等の適切な推進剤を用いた、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー放出の形態で簡便に送達されてもよい。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するためのバルブを備えることにより、決定されてもよい。吸入器、吹入れ器等における使用のためのゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、当該化合物およびたとえばラクトースまたはデンプン等の適切な粉末ベースの粉末混合物を含有して製剤化されてもよい。
【0132】
当該化合物は、たとえば、ボーラス注射、または持続点滴等の注射による非経口投与用に製剤化されてもよい。注射用製剤は、添加された保存剤と一緒に、単位投与剤型、たとえば、アンプル中にあっても、または複数回投与用容器中にあってもよい。当該組成物は、水性または油性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルション等の形態であってもよく、およびたとえば懸濁剤、安定剤、および/または分散剤等の処方剤を含有してもよい。
【0133】
非経口投与用医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含有する。さらに、活性剤の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁液として調製されてもよい。適切な脂溶性溶媒またはビヒクルとしては、たとえばごま油等の脂肪油、またはたとえばオレイン酸エチルまたはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液は、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストラン等の懸濁液の粘性を増加させる物質を含有してもよい。任意選択的に、懸濁液は、適切な安定剤、または高濃縮溶液の調製が行えるように当該化合物の可溶度を上昇させる剤を含有してもよい。
【0134】
あるいは、活性成分は、使用の前に、たとえば、発熱物質の無い滅菌水等の適切なビヒクルを用いて構成される粉末形態であってもよい。
【0135】
上述の剤型に加え、本発明化合物はまた、デポ製剤として処方されてもよい。そのような長期作用型製剤は、移植(たとえば、皮下または筋肉内)、または筋肉内注射により投与されてもよい。ゆえに、たとえば、当該化合物は、適切なポリマー物質もしくは疎水性物質(たとえば、許容される油中のエマルション)、またはイオン交換樹脂とともに製剤化されてもよく、またはたとえば、難溶性の塩等の難溶性誘導体として製剤化されてもよい。疎水性化合物に対する医薬担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相を含有する共溶媒系である。当該共溶媒系は、VPD共溶媒系であってもよい。VPDは、3%w/vベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤ポリソルベート80、および65%w/vのポリエチレングリコール300の溶液であり、無水エタノールで規定量にする。VPD共溶媒系(VPD:5W)は、5%デキストロース水溶液を用いて1:1に希釈されたVPDを含有する。この共溶媒系は、疎水性化合物を良く溶解し、それ自身、全身投与での毒性は低い。共溶媒系の割合は、その可溶性および毒性の特徴を損ねることなく、適切に変えることができる。さらに、共溶媒の構成要素の内容は変えることができる。たとえば、他の低毒性、非極性の界面活性剤を、ポリソルベート80の代わりに用いてもよい。ポリエチレングリコールの分画サイズは変えることができる。他の生体適合性ポリマーを、たとえば、ポリビニルピロリドン等のポリエチレングリコールに置き換えてもよい。他の糖類または多糖をデキストロースと置き換えてもよい。
【0136】
あるいは、疎水性医薬化合物に対し、他の送達系を用いてもよい。リポソームおよびエマルションは、疎水性の薬剤に対する送達ビヒクルまたは担体の公知例である。たとえばジメチルスルホキシド等のある有機溶媒を用いてもよいが、通常、DMSOは毒性があるために、毒性が高くなるという代償を払うこととなる。さらに、当該化合物は、たとえば、当該治療剤を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性マトリクス等等の徐放系を用いて送達されてもよい。様々な徐放性マトリクスが確立されており、当業者に知られている。徐放性カプセルは、その化学的性質に基づき、数週〜100日を超える間、当該化合物を放出しうる。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に基づき、タンパク質安定化のための追加の戦略を用いてもよい。
【0137】
また、医薬組成物は、適切な固相もしくはゲル相の担体または賦形剤を含有してもよい。これら担体および賦形剤は、可溶性が低い薬剤の生体利用効率を著しく改善しうる。そのような担体または賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、糖類、デンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン、およびたとえばポリエチレングリコール等のポリマー類が挙げられる。さらに、たとえばGelucire(登録商標)、Capryol(登録商標)、Labrafil(登録商標)、Labrasol(登録商標)、Lauroglycol(登録商標)、Plurol(登録商標)、Peceol(登録商標)、Transcutol(登録商標)等の賦形剤または賦形剤が用いられてもよい。
【0138】
さらに、医薬組成物は、皮膚上への直接的な薬剤の送達を目的として、皮膚パッチに組み込まれてもよい。
【0139】
本発明の剤の実際の投与量は、用いられる特定の剤、処方される特定の組成、投与の様式、ならびに特定の部位、宿主および治療される疾患によって変えうることが認識されるであろう。所与の化合物に対する実験データを考慮し、従来の投与量決定の試験を用いた当業者は、所与の一連の状態に対する最適な投与量を確認することができる。経口投与に関し、例示的な1日用量は、通常、約0.001〜約1000mg/kg体重であり、適切な間隔で治療が繰り返される。
【0140】
さらに、本発明の薬学的に許容される製剤は、約10mg〜約2000mg、または約10mg〜約1500mg、または約10mg〜約1000mg、または約10mg〜約750mg、または約10mg〜約500mg、または約25mg〜約500mg、または約50〜約500mg、または約100mg〜約500mgの量で、本発明化合物、またはその塩、またはその溶媒和物を含有してもよい。さらに、本発明の薬学的に許容される製剤は、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、または約500mgの量で、本発明化合物、またはその塩、またはその溶媒和物を含有してもよい。
【0141】
さらに、本発明の薬学的に許容される製剤は、約0.5w/w%〜約95w/w%、または約1w/w%〜約95w/w%、または約1w/w%〜約75w/w%、または約5w/w%〜約75w/w%、または約10w/w%〜約75w/w%、または約10w/w%〜約50w/w%の量で、本発明化合物、またはその塩、またはその溶媒和物を含有してもよい。
【0142】
本発明化合物、またはその塩、またはその溶媒和物は、異常な細胞増殖に罹患している、たとえば、ヒト等の哺乳類に対し、単独、または薬学的に許容される製剤の一部のいずれかとして、1日に1度、1日に2度、1日に3度、または1日に4度、またはさらに高頻度で投与されてもよい。
【0143】
当業者であれば、本発明化合物に関し、このような治療を必要とする哺乳類に1日に投与される特定の医薬製剤、投与量、および投与回数がすべて、当分野の当業者の知識の範囲内の選択であり、過度の実験を行うことなく決定しうるものであることを理解するであろう。
【0144】
本明細書に開示される化合物の投与は、作用部位に当該化合物を送達することができる任意の方法により行われてもよい。これら方法としては、経口経路、十二指腸経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、または点滴を含む)、局所投与および直腸内投与が挙げられる。
【0145】
投薬レジメンは、最適な所望される応答を得るために調節されてもよい。たとえば、1回のボーラス投与が行われてもよく、数回に分けられた用量が継時的に投与されてもよく、または、当該用量は、治療状況の緊急要件によって示されるようにそれに比例して低下、または増加させてもよい。投与の容易さ、および投与量の均一性から、単位投薬剤型で非経口組成物を製剤化することが特に有益である。本明細書において、単位投薬剤型とは、治療される哺乳類対象に対し単一な投与量として適した、物理的に別個の単位を指す。各単位は、必要とされる薬学的担体と一緒に、所望される治療効果が得られるよう算出された所定量の活性化合物を含有する。本発明の単位投薬剤型の仕様は、(a)化学療法剤の固有の特性、および得られる特定の治療効果または予防効果、ならびに(b)個体における過敏性に対する処置のために、当該活性化合物の配合に対する、当分野における固有の制限により影響を受け、および直接依存する。
【0146】
ゆえに、当業者は、本明細書の開示内容に基づき、投与量および投与レジメンは、当該治療分野に公知の方法に従い、調節されることを認識するであろう。すなわち、最大耐量は容易に確立することができ、および患者に対し検出可能な治療利益をもたらす有効量もまた決定され、当該患者に対し検出可能な治療利益をもたらす各剤の投与に対する時間的な必要条件も同様に決定することができる。したがって、ある用量および投与レジメンが本明細書に例示されるが、これらの例は、本発明の実施において患者に提供されうる当該用量および投薬レジメンを限定するものでは決してない。
【0147】
投与量の値は、緩和される状態のタイプおよび重症度により変化しうること、および単回投与または複数回投与が含まれうることを認識されたい。さらに、任意の特定の対象に対しては、個々のニーズ、および当該組成物の投与を行っているまたは管理している人物の専門的な判断に従い、個別の投薬レジメンを継時的に調節しなければならないこと、および本明細書に示される投与量範囲は単なる例示であり、請求される組成物の範囲または実施を制限することは意図していないことを理解されたい。たとえば、用量は、薬物動態パラメータ、または薬物力学パラメータに基づき調節されてもよく、それらは、たとえば毒性作用等の臨床的作用、および/または実験値等を含有しうる。ゆえに、本発明は、当業者により決定される、患者間の用量増加を包含する。化学療法剤投与に対する適切な投与量およびレジメンの決定は、当該関連分野において公知であり、本明細書に開示される教示をもって、当業者により、包含されることが理解されるであろう。
【0148】
本明細書に提示される化合物、組成物、および方法は、限定されないが、たとえば心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫)、縦隔および胸膜、ならびに他の胸腔内臓器、血管腫瘍、および腫瘍関連血管組織等の循環系の癌;たとえば、鼻腔、中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支、およびたとえば小細胞肺癌(SCLC:small cell lung cancer)、非小細胞肺癌(NSCLC)等の肺)の癌、気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞癌(気管支癌)、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫等の気道の癌;たとえば食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃、すい臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、導管腺癌、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋肉腫)等の消化系の癌;たとえば腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および/または尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛腫、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫)等の尿生殖路系の癌;たとえばヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵内分泌腫瘍(たとえば褐色細胞腫、インスリノーマ、血管作動性腸管ペプチド腫瘍、膵島細胞腫瘍、およびグルカゴノーマ)等の肝臓の癌;たとえば骨肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、および巨細胞腫等の骨の癌;たとえば中枢神経系(CNS:central nervous system)の腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、頭蓋骨の癌(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳腫瘍(星状細胞腫、髄芽腫、グリオーマ、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形成膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、グリオーマ、肉腫等の神経系の癌;たとえば、婦人科系、子宮(子宮内膜癌)、子宮頚管(子宮頸癌、前腫瘍子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類癌]、顆粒膜−莢膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌)、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)、および女性生殖器に関連する他の部位等の生殖系の癌;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、および他の男性生殖器に関連する部位の癌;たとえば、血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]等の血液系の癌;たとえば、唇、舌、歯肉、口腔底部、口蓋、および口の他の部分、耳下腺、ならびに唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、鼻咽頭、梨状陥凹、下咽頭、ならびに唇、口腔および咽頭の他の部位等の口腔の癌;たとえば、悪性メラノーマ、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、およびケロイド等の皮膚の癌;副腎:神経芽細胞腫;ならびに結合組織および軟部組織、後腹膜および腹膜、眼、眼球内メラノーマ、ならびに付属器、胸部、頭頸部、肛門部、甲状腺、副甲状腺、副腎および他の内分泌腺および関連構造物、リンパ節の二次性未確定悪性新生物、呼吸器および消化管の二次性悪性新生物、および他の部位の二次性悪性新生物、を含む他の組織の癌等の癌の治療に有用である。
【0149】
より具体的には、本明細書において、本発明と関連し用いられた場合の「癌」の例としては、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、頭頸部癌、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、前立腺癌、肛門部癌、胃癌、乳癌、腎癌または尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、または前述の癌の1以上の組み合わせから選択される癌が挙げられる。
【0150】
一部の実施形態において、本明細書に開示される化合物および組成物は、スピッツ母斑、神経周囲浸潤、肺大細胞神経内分泌癌、子宮癌、若年性乳癌、鼻咽頭癌、腺様嚢胞癌、甲状腺髄様癌、唾液腺癌、先天性乳児線維肉腫、中胚葉性腎腫、食道癌(扁平上皮)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、甲状腺乳頭癌、および乳腺類似分泌癌を含む癌の治療に有用である。
【0151】
一部の実施形態において、本明細書に開示される化合物は、以下に記述される1以上の追加の抗癌剤と組み合わせて用いられてもよい。併用療法が用いられる場合、当該1以上の追加の抗癌剤は、本発明化合物と連続で、または同時に投与されてもよい。一部の実施形態において、当該追加の抗癌剤は、本発明化合物の投与の前に、ほ乳類(たとえばヒト)に投与される。一部の実施形態において、当該追加の抗癌剤は、本発明化合物の投与の後に、ほ乳類に投与される。一部の実施形態において、当該追加の抗癌剤は、本明細書に開示される化合物の投与と同時に、ほ乳類(たとえばヒト)に投与される。
【0152】
また、一部の実施形態は、ヒトを含む哺乳類における異常な細胞増殖の治療のための医薬組成物に関するものであり、当該医薬化合物は、抗血管新生剤およびシグナル伝達阻害物質からなる群から選択される抗癌剤の1つ以上(好ましくは、1〜3)、ならびに薬学的に許容される担体と組み合わせて、ある量の上述の本明細書に開示される化合物(当該化合物またはその薬学的に許容される塩の水和物、溶媒和物、および多形体を含む)を含有し、ここで、当該活性剤、および併用抗癌剤の量は、まとめて摂取されるときには、当該異常な細胞の増殖の治療に対して、治療的に有効な量である。
【0153】
一部の実施形態において、本明細書に開示される化合物および本発明の医薬組成物と併せて用いられる抗癌剤は、抗血管新生剤(たとえば、腫瘍が新たな血管を形成することを阻害する剤)である。抗血管新生剤の例としては、たとえば、VEGF阻害物質、VEGFR阻害物質、TIE−2阻害物質、PDGFR阻害物質、アンジオポエチン阻害物質、PKC.β阻害物質、COX−2(シクロオキシゲナーゼII)阻害物質、インテグリン(α−v/β−3)、MMP−2(マトリクスメタロプロテナーゼ2)阻害物質、およびMMP−9(マトリクスメタロプロテナーゼ9)阻害物質が挙げられる。好ましい抗血管新生剤としては、スニチニブ(Sutent(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アキシチニブ(AG 13736)、SU 14813(Pfizer)、およびAG 13958(Pfizer)が挙げられる。
【0154】
さらなる抗血管新生剤としては、バタラニブ(CGP 79787)、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、ペガプタニブオクタナトリウム(Macugen)(登録商標)、バンデタニブ(Zactima(登録商標))、PF−0337210(Pfizer)、SU 14843(Pfizer)、AZD 2171(AstraZeneca)、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、Neovastat(登録商標)(AE 941)、テトラチオモリブデータ(Coprexa(登録商標))、AMG 706(Amgen)、VEGF Trap(AVE 0005)、CEP 7055(Sanofi−Aventis)、XL 880(Exelixis)、テラチニブ(BAY 57−9352)、およびCP−868,596(Pfizer)が挙げられる。
【0155】
他の抗血管新生剤としては、エンザスタウリン(LY 317615)、ミドスタウリン(CGP 41251)、ペリフォシン(KRX 0401)、テプレノン(Selbex(登録商標))、およびUCN 01(Kyowa Hakko)が挙げられる。
【0156】
本明細書に開示される化合物および本明細書に記述される医薬組成物と併せて用いることができる他の抗血管新生剤の例は、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、パレコキシブ(Dynastat(登録商標))、デラコキシブ(SC 59046)、ルミラコキシブ(Preige(登録商標))、バルデコキシブ(Bextra(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、イグラチモド(Careram(登録商標))、IP 751(Invedus)、SC−58125(Pharmacia)、およびエトリコキシブ(Arcoxia(登録商標))が挙げられる。
【0157】
他の抗血管新生剤としては、エクシスリンド(Aptosyn(登録商標))、サルサレート(Amigesic(登録商標))、ジフルニサル(Dolobid(登録商標))、イブプロフェン(Motrin(登録商標))、ケトプロフェン(Orudis(登録商標))、ナブメトン(Relafen(登録商標))、ピロキシカム(Feldene(登録商標))、ナプロキセン(Aleve(登録商標)、Naprosyn(登録商標))、ジクロフェナク(Voltaren(登録商標))、インドメタシン(Indocin(登録商標))、スリンダク(Clinoril(登録商標))、トルメチン(Tolectin(登録商標))、エトドラク(Lodine(登録商標))、ケトロラク(Toradol(登録商標))、およびオキサプロジン(Daypro(登録商標))が挙げられる。
【0158】
他の抗血管新生剤としては、ABT 510(Abbott)、アプラタスタット(TMI 005)、AZD 8955(AstraZeneca)、インシクリニド(Metastat(登録商標))、およびPCK 3145(Procyon)が挙げられる。
【0159】
他の抗血管新生剤としては、アシトレチン(Neotigason(登録商標))、プリチデプシン(Aplidine(登録商標))、シレングチド(cilengtide)(EMD 121974)、コンブレタスタチンA4(CA4P)、フェンレチニド(4 HPR)、ハロフジノン(Tempostatin(登録商標))、Panzem(登録商標)(2−メトキシエストラジオール)、PF−03446962(Pfizer)、レビマスタット(rebimastat)(BMS 275291)、カツマキソマブ(Removab(登録商標))、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、スクアラミン(EVIZON(登録商標))、サリドマイド(Thalomid(登録商標))、Ukrain(登録商標)(NSC 631570)、Vitaxin(登録商標)(MEDI 522)、およびゾレドロン酸(Zometa(登録商標))が挙げられる。
【0160】
一部の実施形態において、抗癌剤は、いわゆるシグナル伝達阻害物質(たとえば、細胞の増殖、分化、および生存の根本的なプロセスを制御する制御性分子が細胞内で伝達される手段を阻害する)である。シグナル伝達阻害物質としては、小分子、抗体、およびアンチセンス分子が挙げられる。シグナル伝達阻害物質としては、たとえばキナーゼ阻害物質(たとえばチロシンキナーゼ阻害物質、またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害物質)、および細胞サイクル阻害物質が挙げられる。より具体的には、シグナル伝達阻害物質としては、たとえば、ALK阻害物質、ROS1阻害物質、TrkA阻害物質、TrkB阻害物質、TrkC阻害物質、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害物質、EGF阻害物質、ErbB−1(EGFR)、ErbB−2、汎erb、IGF1R阻害物質、MEK、c−Kit阻害物質、FLT−3阻害物質、K−Ras阻害物質、PI3キナーゼ阻害物質、JAK阻害物質、STAT阻害物質、Rafキナーゼ阻害物質、Akt阻害物質、mTOR阻害物質、P70S6キナーゼ阻害物質、WNT経路の阻害物質、およびいわゆる多標的化キナーゼ阻害物質が挙げられる。
【0161】
好ましいシグナル伝達阻害物質としては、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、およびPD325901(Pfizer)が挙げられる。
【0162】
本明細書に開示される化合物および本明細書に記述される医薬組成物と併せて用いられ得るシグナル伝達阻害物質の追加例としては、BMS 214662(Bristol−Myers Squibb)、ロナファーニブ(Sarasar(登録商標))、ペリトレキソル(pelitrexol)(AG 2037)、マツズマブ(EMD 7200)、ニモツズマブ(TheraCIM h−R3(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、バンデタニブ(Zactima(登録商標))、パゾパニブ(SB 786034)、ALT 110(Alteris Therapeutics)、BIBW 2992(Boehringer Ingelheim)、およびCervene(登録商標)(TP 38)が挙げられる。
【0163】
シグナル伝達阻害物質の他の例としては、PF−2341066(Pfizer)、PF−299804(Pfizer)、カネルチニブ(CI 1033)、ペルツズマブ(Omnitarg(登録商標))、ラパチニブ(Tycerb(登録商標))、ペリチニブ(EKB 569)、ミルテホシン(Miltefosin(登録商標))、BMS 599626(Bristol−Myers Squibb)、ラプロイセル−T(Lapuleucel−T)(Neuvenge(登録商標))、NeuVax(登録商標)(E75癌ワクチン)、Osidem(登録商標)(IDM 1)、ムブリチニブ(mubritinib)(TAK−165)、CP−724,714(Pfizer)、パニチムマブ(Vectibix(登録商標))、ラパチニブ(Tycerb(登録商標))、PF−299804(Pfizer)、ペリチニブ(EKB 569)、およびペルツズマブ(Omnitarg(登録商標))が挙げられる。
【0164】
他のシグナル伝達阻害物質の例としては、ARRY 142886(Array Biopharm)、エベロリムス(Certican(登録商標))、ゾタロリムス(Endeavor(登録商標))、テムシロリムス(Torisel(登録商標))、AP 23573(ARIAD)、およびVX 680(Vertex)が挙げられる。
【0165】
さらに、他のシグナル伝達阻害物質としては、XL 647(Exelixis)、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、LE−AON(Georgetown University)、およびGI−4000(GlobeImmune)が挙げられる。
【0166】
他のシグナル伝達阻害物質としては、ABT 751(Abbott)、アルボシジブ(alvocidib)(フラボピリドール)、BMS 387032(Bristol Myers)、EM 1421(Erimos)、インジスラム(indisulam)(E 7070)、セリシクリブ(seliciclib)(CYC 200)、BIO 112(One Bio)、BMS 387032(Bristol−Myers Squibb)、PD 0332991(Pfizer)、AG 024322(Pfizer)、LOXO−101(Loxo Oncology)、クリゾチニブ(crizotinib)、およびセリチニブ(ceritinib)が挙げられる。
【0167】
一部の実施形態において、本明細書に開示される化合物は、古典的な抗新生物剤とともに用いられる。古典的な抗新生物剤としては、限定されないが、たとえばホルモン性、抗ホルモン性の、アンドロゲンアゴニスト、アンドロゲンアンタゴニスト、および抗エストロゲン治療剤等のホルモン調節物質、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC:histone deacetylase)阻害物質、遺伝子サイレンシング剤、または遺伝子活性化剤、リボヌクレアーゼ、プロテオソミクス、トポイソメラーゼI阻害物質、カンプトテシン誘導体、トポイソメラーゼII阻害物質、アルキル化剤、抗代謝剤、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP−1)阻害物質、微小管阻害物質、抗生物質、植物誘導性紡錘体阻害物質、白金配位化合物、遺伝子治療剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、血管標的剤(VTA:vascular targeting agent)、およびスタチンが挙げられる。
【0168】
任意選択的に1以上の他の剤とともに、本明細書に開示される化合物を用いた併用療法で用いられる古典的な抗新生物剤の例としては、限定されないが、たとえば、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等のグルココルチコイド、およびたとえばメドロキシプロゲステロン、メゲストロール酢酸(Megace)等のプロゲスチン、ミフェプリストン(RU−486)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;たとえばタモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、アフィモキシフェン(afimoxifene)、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、フィスペミフェン(fispemifene)、オルメロキシフェン、オスペミフェン、テスミリフェン(tesmilifene)、トレミフェン、トリロスタン、およびCHF 4227(Cheisi))、選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(SERD;たとえば、フルベストラント)、エキセメスタン(Aromasin)、アナストロゾール(Arimidex)、アタメスタン、ファドロゾール、レトロゾール(Femara)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH;または、黄体形成ホルモン放出ホルモン[LHRH]と通常呼称される)アゴニスト、たとえばブセレリン(Suprefact)、ゴセレリン(Zoladex)、リュープロレリン(Lupron)、およびトリプトレリン(Trelstar)、アバレリクス(Plenaxis)、ビカルタミド(Casodex)、シプロテロン、フルタミド(Eulexin)、メゲストロール、ニルタミド(Nilandron)、およびオサテロン(osaterone)、デュタステリド、エプリステリド、フィナステリド、ノコギリヤシ(Serenoa repens)、PHL 00801、アバレリクス、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン、ビカルタミド、タモキシフェン、エキセメスタン、アナストロゾール、ファドロゾール、フォルメスタン、レトロゾール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0169】
本明細書に開示される化合物と組み合わされて用いられる古典的な抗新生物剤の他の例は、限定されないが、ヒドロキサミン酸サブエロイドアニリド(SAHA, Merck Inc./Aton Pharmaceuticals)、デプシペプチド(FR901228またはFK228)、G2M−777、MS−275、ピバロイルオキシメチル酪酸(pivaloyloxymethyl butyrate)およびPXD−101;Onconase(ランピルナーゼ)、PS−341(MLN−341)、Velcade(ボルテゾミブ)、9−アミノカンプトテシン、ベロテカン、BN−80915(Roche)、カンプトテシン、ジフロモテカン、エドテカリン、エキサテカン(Daiichi)、ジャイマテカン、10−ヒドロキシカンプトテシン、イリノテカンHCl(Camptosar)、ラルトテカン、Orathecin(ルビテカン、Supergen)、SN−38、トポテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、SN−38、エドテカリン、トポテカン、アクラルビシン、アドリアマイシン、アモナフィド、アムルビシン、アンナマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、ガラルビシン(galarubicin)、ヒドロキシカルバミド、ネモルビシン(nemorubicin)、ノバントロン(ミトキサントロン)、ピラルビシン、ピクサントロン、プロカルバジン、レベッカマイシン、ソブゾキサン、タフルポシド(tafluposide)、バルルビシン、Zinecard(デクスラゾキサン)、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロホスファミド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジコン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルフォスファミド、イホスファミド、KW−2170、ロムスタチン、マホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ミトマイシンC、ミトキサトロン、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミド、チオテパ、および白金配位アルキル化化合物、たとえば、シスプラチン、Paraplatin(カルボプラチン)、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、Eloxatin(オキサリプラチン、Sanofi)、ストレプトゾシン、サトルプラチン(satrplatin)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0170】
一部の実施形態において、本明細書に開示される化合物は、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害物質(たとえばメトトレキセートおよびNeuTrexin(グルクロン酸トリメトレセート))、プリンアンタゴニスト(たとえば、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、6−チオグアニン、クラドリビン、クロファラビン(Clolar)、フルダラビン、ネララビン、およびラルチトレキセド)、ピリミジンアンタゴニスト(たとえば、5−フルオロウラシル(5−FU)、Alimta(プレメトレキセド二ナトリウムLY231514、MTA)、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、シトシンアラビノシド、Gemzar(登録商標)(ゲムシタビン、Eli Lilly)、Tegafur(UFT OrzelまたはUforal、ならびにTegafur、gimestatおよびotostatのTS−1組合せを含む)、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン(オクホスファート、リン酸塩、ステアリン酸塩、徐放形態およびリポソーム形態を含む)、エノシタビン、5−アザシチジン(Vidaza)、デシタビン、およびエチニルシチジン)、ならびに他の抗代謝剤、たとえばエフロルニチン、ヒドロキシウレア、ロイコボリン、ノラトレキシド(Thymitaq)、トリアピン、トリメトレキサート、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−−2−チエニル)−L−グルタミン酸、AG−014699(Pfizer Inc.)、ABT−472(Abbott Laboratories)、INO−1001(Inotek Pharmaceuticals)、KU−0687(KuDOS Pharmaceuticals)、およびGPI 18180(Guilford Pharm Inc)、ならびにそれらの組み合わせとともに用いられる。
【0171】
任意選択的に1以上の他の剤とともに、本明細書に開示される化合物を用いた併用療法で用いられる古典的な抗新生物細胞毒性剤の他の例は、限定されないが、Abraxane(Abraxis BioScience、Inc.)、Batabulin(Amgen)、EPO 906(Novartis)、ビンフルニン(Bristol−Myers Squibb Company)、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、ミトマイシンC、ネオカルジノスタチン(ジノスタチン)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン(Navelbine)、ドセタキセル(Taxotere)、オルタタキセル(Ortataxel)、パクリタキセル(Taxoprexin、DHA/パクリタキセル複合体を含む)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン(Eloxatin)、サトラプラチン、Camptosar、カペシタビン(Xeloda)、オキサリプラチン(Eloxatin)、タキソテレ アリトレチノイン、Canfosfamide(Telcyta(登録商標))、DMXAA(Antisoma)、イバンドロン酸、L−アスパラギナーゼ、ペグアスパラガーゼ(Oncaspar(登録商標))、エファプロキシラル(Efaproxyn(登録商標)−−放射線療法))、ベキサロテン(Targretin(登録商標))、Tesmilifene(DPPE−−細胞毒性効果を増強))、Theratope(登録商標)(Biomira)、トレチノイン(Vesanoid(登録商標))、チラパザミン(Trizaone(登録商標))、モテキサフィンガドリニウム(Xcytrin(登録商標))Cotara(登録商標)(mAb)、およびNBI−3001(Protox Therapeutics)、ポリグルタミン酸−パクリタキセル(Xyotax(登録商標))、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0172】
任意選択的に1以上の他の剤とともに、本明細書に開示される化合物を用いた併用療法で用いられる古典的な抗新生物細胞毒性剤のさらなる例は、限定されないが、アドベキシン(ING 201)、TNFerade(GeneVec、放射線療法に反応してTNFαを発現させる化合物)、RB94(ベイラー医科大学(Baylor College of Medicine))、Genasense(Oblimersen、Genta)、コンブレタスタチンA4P(CA4P)、Oxi−4503、AVE−8062、ZD−6126、TZT−1027、アトルバスタチン(Lipitor、Pfizer Inc.)、プロバスタチン(Pravachol、Bristol−Myers Squibb)、ロバスタチン(Mevacor、Merck Inc.)、シンバスタチン(Zocor、Merck Inc.)、フルバスタチン(Lescol、Novartis)、セリバスタチン(Baycol、Bayer)、ロスバスタチン(Crestor、AstraZeneca)、ロボスタチン,ナイアシン(Advicor、Kos Pharmaceuticals)、カデュエット、リピトール、トルセトラピブ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0173】
一部の実施形態は、そのような治療を必要としているヒトの乳癌を治療するための方法に関するものであり、当該ヒトに、トラスツズマブ、タモキシフェン、ドセタキセル、パクリタキセル、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビン、エキセメスタン、レトロゾール、およびアナストロゾールからなる群から選択される1以上(好ましくは1〜3)の抗癌剤と組み合わせて、ある量の本明細書に開示される化合物を投与することを含む。
【0174】
一部の実施形態は、1以上(好ましくは1〜3)の抗癌剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物をある量投与することによる、たとえばヒト等の、そのような治療の必要がある哺乳類における大腸癌を治療する方法を提供する。特定の抗癌剤の例としては、通常、たとえば、5−フルオロウラシル(5−FU)またはカペシタビン(Xeloda)、ロイコボリンおよびオキサリプラチン(エロキサチン)の組み合わせである、FOLFOX等のアジュバント化学療法において用いられるものが挙げられる。特定の抗癌剤のさらなる例としては、通常、FOLFOX、またはベバシズマブ(Avastin)と組み合わされたFOLFOX;および5−FUまたはカペシタビン、ロイコボリンおよびイリノテカン(Camptosar)の組み合わせであるFOLFIRI、等の転移性疾患に対する化学療法に用いられるものが挙げられる。さらなる例としては、17−DMAG、ABX−EFR、AMG−706、AMT−2003、ANX−510(CoFactor)、アプリジン(プリチデプシン(plitidepsin)、Aplidin)、アロプラチン(Aroplatin)、アキシチニブ(AG−13736)、AZD−0530、AZD−2171、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、ベバシズマブ(Avastin)、BIO−117、BIO−145、BMS−184476、BMS−275183、BMS−528664、ボルテゾミブ(Velcade)、C−1311(Symadex)、カンツズマブメルタンシン、カペシタビン(Xeloda)、セツキシマブ(Erbitux)、クロファラビン(Clofarex)、CMD−193、コンブレタスタチン、コタラ(Cotara)、CT−2106、CV−247、デシタビン(Dacogen)、E−7070、E−7820、エドテカリン、EMD−273066、エンザスタウリン(LY−317615)エポチロンB(EPO−906)、エルロチニブ(Tarceva)、フラボピリドール、GCAN−101、ゲフィチニブ(Iressa)、huA33、huC242−DM4、イマチニブ(Gleevec)、インジスラム、ING−1、イリノテカン(CPT−11、Camptosar) ISIS 2503、イキサベピロン、ラパチニブ(Tykerb)、マパツムマブ(HGS−ETR1)、MBT−0206、MEDI−522(Abregrin)、ミトマイシン、MK−0457(VX−680)、MLN−8054、NB−1011、NGR−TNF、NV−1020、オブリメルセン(Genasense、G3139)、OncoVex、ONYX 015(CI−1042)、オキサリプラチン(Eloxatin)、パニツムマブ(ABX−EGF、Vectibix)、ペリチニブ(EKB−569)、ペメトレキセド(Alimta)、PD−325901、PF−0337210、PF−2341066、RAD−001(Everolimus)、RAV−12、レスベラトロール、レキシン−G、S−1(TS−1)、セリシクリブ(seliciclib)、SN−38リポソーム、スチボグルコン酸ナトリウム(SSG)、ソラフェニブ(Nexavar)、SU−14813、スニチニブ(Sutent)、テムシロリムス(CCI 779)、テトラチオモリブデータ、サロマイド(thalomide)、TLK−286(Telcyta)、トポテカン(Hycamtin)、トラベクテジン(Yondelis)、バタラニブ(PTK−787)、ボリノスタット(SAHA、Zolinza)、WX−UK1、およびZYC300が挙げられ、ここで、併用抗癌剤の量と併せた当該活性剤の量は、大腸癌の治療に有効な量である。
【0175】
一部の実施形態において、カペシタビン(Xeloda)、インターフェロンα、インターロイキン2、ベバシズマブ(Avastin)、ゲムシタビン(Gemzar)、サリドマイド、セツキシマブ(Erbitux)、バタラニブ(PTK−787)、スーテント(Sutent)、AG−13736、SU−11248、Tarceva、Iressa、Lapatinib、およびGleevecからなる群から選択される1以上(好ましくは1〜3)の抗癌剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物のある量を、当該ヒトに投与することを含む、そのような治療を必要とする人の腎細胞癌を治療する方法が開示され、ここで、併用抗癌剤の量と併せた当該活性剤の量は、腎細胞癌の治療に有効な量である。
【0176】
一部の実施形態において、インターフェロンα、インターロイキン2、テモゾロミド(Temodar)、ドセタキセル(Taxotere)、パクリタキセル、ダカルバジン(DTIC)、カルムスチン(BCNUとしても知られる)、シスプラチン、ビンブラスチン、タモキシフェン、PD−325,901、アキシチニブ、ベバシズマブ(Avastin)、サリドマイド、ソファラニブ(sorafanib)、バタラニブ(PTK−787)、スーテント(Sutent)、CpG−7909、AG−13736、イレッサ(Iressa)、ラパチニブ(Lapatinib)、およびグリベック(Gleevec)からなる群から選択される1以上(好ましくは1〜3)の抗癌剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物のある量を、当該ヒトに投与することを含む、そのような治療を必要とする人のメラノーマを治療する方法が開示され、ここで、併用抗癌剤の量と併せた当該活性剤の量は、メラノーマの治療に有効な量である。
【0177】
一部の実施形態は、カペシタビン(Xeloda)、ベバシズマブ(Avastin)、ゲムシタビン(Gemzar)、ドセタキセル(Taxotere)、パクリタキセル、プレメトレキセド(premetrexed)二ナトリウム(アリムタ(Alimta))、タルセバ(Tarceva)、イレッサ(Iressa)、ビノレルビン(Vinorelbine)、イリノテカン(Irinotecan)、エトポシド(Etoposide)、ビンブラスチン(Vinblastine)、およびパラプラチン(Paraplatin)(カルボプラチン)からなる群から選択される1以上(好ましくは1〜3)の抗癌剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物のある量を、そのような治療を必要とする人に投与することを含む、当該人の肺癌を治療する方法を提供し、ここで、併用抗癌剤の量と併せた当該活性剤の量は、肺癌の治療に有効な量である。