【文献】
CHALAMET Y. et al.,Carboxyl terminated polyamide 12 chain extension by reactive extrusion using a dioxazoline coupling agent. Part II: Effects of extrusion conditions,Polymer Engineering and Science,2002年,Vol.42(12),p.2317-2327
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Aが、100%のモル含有量で存在するアミド単位であり、ラクタム又はアミノ酸から得られる脂肪族繰り返し単位であることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の使用。
Aが1%から99%に及ぶモル含有量で存在するアミド単位であり、BがAとは異なるアミド単位であり、前記単位Bは、1%から99%に及ぶモル含有量で存在し、Cは、A及びBと異なり、且つ上記にて定義されたような任意選択的なアミド単位であることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載の使用。
前記アミド単位Cが前記ポリアミドポリマーの総モル含有量に対して最大30%に及ぶモル含有量で存在することを特徴とする、請求項1から3及び8から13の何れか一項に記載の使用。
前記アミド単位Aが、前記ポリマーの単位の全てに対して55%から80%に及ぶモル含有量で存在することを特徴とする、請求項1から3及び8から13の何れか一項に記載の使用。
単位Aが単位6Tであり、前記単位Bが9T、10T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が20%から45%に及ぶことを特徴とする、請求項21に記載の使用。
単位Aが単位9Tであり、単位Bが10T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T及びMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が30%から45%に及ぶことを特徴とする、請求項21に記載の使用。
単位Aが単位10Tであり、単位Bが9T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T及びMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が25%から45%に及ぶことを特徴とする、請求項21に記載の使用。
単位Aが単位11Tであり、単位Bが9T、10T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T及びMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が20%から45%に及ぶことを特徴とする、請求項21に記載の使用。
単位Aが単位12Tであり、単位Bが10T、11T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T及びMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が20%から45%に及ぶことを特徴とする、請求項21に記載の使用。
前記ポリアミドポリマーが、前記ポリアミドポリマーが供される温度に従い調節され得る数平均分子量を有することを特徴とする、請求項1から33の何れか一項に記載の使用。
【発明の概要】
【0013】
従来技術の欠点は、より短い生成サイクル時間でのより低い温度で機械性能レベルと加工能力(変形のし易さ)との間に良好な妥協点がない場合、少なくとも1つの鎖延長
剤を含む少なくとも1種の反応性ポリアミドプレポリマーから誘導された少なくとも1種のポリアミドポリマー
(PA1−All1−PA1)であって、前記ポリマーの温度T
m又はT
g以上の温度T
1で調製され且つ平均分子量Mn
1を有する前記ポリアミドポリマーを含む組成物を目標とする、本発明の解決策によって克服され、
前記組成物は、前記組成物が供される温度に応じて調節することができる溶融粘度を有し、
前記温度はT
2からT
3に含まれ、T
2及びT
3はT
1よりも高く、
且つ温度T
2又はT
3でそれぞれ観察される前記溶融粘度のη’
2又はη’
3は、前記ポリアミドポリマーの溶融粘度η
2又はη
3未満であり、鎖延長剤を含まず、同じ温度T
2又はT
3で観察される同じ平均分子量Mn
1(PA
1)を有することを特徴とし、
前記ポリアミドポリマーの高速結晶化の能力を通して、且つ前記最終材料の機械性能レベルを高レベルで維持しながら、加工方法の全体的なエネルギーバランスに関する節約、より短い生成サイクル時間、及び改善された生産性で、同じ平均分子量のポリマーに関してより低い温度でより容易な加工が可能になり、また前記ポリアミドポリマーに望まれる使用及び適用例に応じて少なくとも1つの鎖延長剤を含む少なくとも1種の反応性ポリアミドプレポリマーから誘導された同じポリアミドポリマーの加工温度の調節が可能になる。
【0014】
その結果、本発明の第1の対象は、少なくとも1つの鎖延長
剤を含む少なくとも1種の反応性ポリアミドプレポリマーから誘導された少なくとも1種のポリアミドポリマー
(PA1−All1−PA1)であって、前記ポリマーの温度T
m又はT
g以上の温度T
1で調製され且つ平均分子量Mn
1を有する前記ポリアミドポリマーを含む組成物に関し、
前記組成物は、前記組成物が供される温度に応じて調節することができる溶融粘度を有し、
前記温度はT
2からT
3に含まれ、T
2及びT
3はT
1よりも高く、
且つ温度T
2又はT
3でそれぞれ観察される前記溶融粘度のη’
2又はη’
3は、前記ポリアミドポリマーの溶融粘度η
2又はη
3未満であり、鎖延長剤を含まず、同じ温度T
2又はT
3で観察される同じ平均分子量Mn
1(PA
1)を有することを特徴とする。
【0015】
前記組成物は、アミドAの少なくとも1つの単位と、任意選択的な存在で、Aとは異なるアミドBの少なくとも1つの第2の単位及び任意選択的に少なくとも1つの第3(C)のアミド単位(これらの単位は互いに異なっている)と、少なくとも1つの鎖延長剤とを含む又はこれらからなる、少なくとも1種のポリアミドプレポリマーから誘導されたポリアミドポリマーをベースとする。
【0016】
本発明の第2の対象は、鎖延長剤が添加された前記ポリアミドプレポリマーから誘導された、即ち前記鎖延長剤が添加された前記ポリアミドプレポリマーの重合から得られる、ポリアミドポリマーに関する。
【0017】
第3の対象は、前記ポリアミドポリマーを含む組成物の溶融粘度を調節するための、前記鎖延長剤を含む前記プレポリマーから誘導された、鎖延長剤を含むポリアミドポリマーの使用と、押出し、射出成型、又は成型のための、特に複合体を製造するための強化繊維のより容易な含浸のための、前記組成物の使用にも関する。
【0018】
本発明の第4の対象は、前記組成物を製造するための方法に関する。
【0019】
本発明の別の対象は、熱可塑性複合材料を製造するための、より詳細には前記複合材料をベースにした機械部品又は構造部品を製造するための、方法に関する。
【0020】
本発明の別の対象は、同じ組成物の熱可塑性複合材料、より詳細にはこの材料をベースにした機械又は構造部品を製造するための、本発明のPAの特定の組成物の使用に関する。
【0021】
本発明の別の対象は、複合材料用の前記組成物から得られる熱可塑性複合材料に関する。
【0022】
最後に、本発明は、本発明の特定の方法を用いて得られた、又は本発明のPAの特定の組成物の使用から得られた、複合材料をベースにした機械部品又は構造部品を包含する。
【0023】
その結果、第1の対象は、少なくとも1つの鎖延長
剤を含む少なくとも1種の反応性ポリアミドプレポリマーから誘導された少なくとも1種のポリアミドポリマー
(PA1−All1−PA1)であって、前記ポリマーの温度T
m又はT
g以上の温度T
1で調製され且つ平均分子量Mn
1を有する前記ポリアミドポリマーを含む組成物に関し、
前記組成物は、前記組成物が供される温度に応じて調節することができる溶融粘度を有し、
前記温度はT
2からT
3に含まれ、T
2及びT
3はT
1よりも高く、
且つ温度T
2又はT
3でそれぞれ観察される前記溶融粘度のη’
2又はη’
3は、前記ポリアミドポリマーの溶融粘度η
2又はη
3未満であり、鎖延長剤を含まず、同じ温度T
2又はT
3で観察される同じ平均分子量Mn
1(PA
1)を有し、
このとき:
前記組成物は、ポリマーであり、且つ下記の通り選択される式A/(B)
r/(C)
s:
− Aは、ラクタム又はC
6−C
14のアミノ酸から選択される繰り返しアミド単位、アミド単位X.Yであり、式中、Xは少なくとも1種のジアミンを表し、前記ジアミンは、直鎖状若しくは分枝状脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、及び芳香族ジアミン、又はこれらの混合物から選択され、Yは少なくとも1種のジカルボン酸であり、この二酸は:
脂肪族二酸、脂環式二酸、及び芳香族二酸から選択され、
前記ジアミン及び前記二酸は、4から36個の炭素原子を含み、有利には6から18個の炭素原子を含み;
− B及びCは、Aとは異なる繰り返しアミド単位であり、r及びsの値に応じて任意選択的に存在し、r=0又は1、s=0又は1であり、前記アミド単位B及びCは、Aの場合と同じ構成要素から選択され、ただしr及びs=1のときはB及びCが異なっており、
単位A+B+Cの合計は100重量%に等しいものである
異なるアミド単位を含む、ランダム又はブロックコポリアミドを含む1又は複数種のポリアミドを含む又はこれらからなることを特徴とする。
【0024】
Cが存在しない状態でのモル含有量の合計は、A+B=100%になり、このときA及びBは最大100%を構成する。
【0025】
B及びCが存在しない状態で、Aのモル含有量は100%である。
【0026】
前記組成物は、強化繊維を含まず、ポリマー
性鎖延長剤も含まない。
【0027】
温度T
mは半結晶質ポリアミドの溶融温度を示し、T
gは非晶質ポリアミドのガラス転移温度を示す。
【0028】
「平均分子量Mn」という表現は、特にサイズ排除クロマトグラフィーによって決定された、数平均分子量Mnを意味するものとする。
【0029】
(PA
1−All
1−PA
1)は、少なくとも1つの鎖延長剤を含む反応性ポリアミドプレポリマーを含むポリアミドポリマーを示す。前記ポリアミドポリマーは、式(All
1−PA
1−All
1−PA
1−All
1)又は(All
1−PA
1−All
1−PA
1)のものであってもよく、即ち少なくとも1つの鎖延長剤を末端位置に有していてもよい。
【0030】
有利には、温度T
3で観察された溶融粘度比η’
3/η
3は、温度T
2(T
3≧T
2+10℃)で観察された溶融比η’
2/η
2未満である。
【0031】
有利には、温度T
3で観察された溶融粘度比η’
3/η
3は、温度T
2(T
3≦T
2−10℃)で観察された溶融比η’
2/η
2よりも大きい。
【0032】
有利には、本発明の組成物は、少なくとも1つの鎖延長剤を含むポリアミドプレポリマーから誘導された、少なくとも1種のポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる。
【0033】
有利には、少なくとも1種のプレポリマーが存在し、単一の鎖延長剤が存在する。
【0034】
有利には、単一のプレポリマーが存在し、少なくとも1つの鎖延長剤が存在する。
【0035】
有利には、単一のプレポリマーが存在し、単一の鎖延長剤が存在する。
【0036】
有利には、前記ポリアミドポリマーは、1種のみが存在する場合、単一のプレポリマー及び単一の鎖延長剤を含む又はこれらからなる。
【0037】
「調節することができる〜」という用語は、組成物の溶融粘度が、前記組成物が供される温度に応じて変えることができることを意味する。
【0038】
したがって本発明者らは、意外にも、
少なくとも1つの鎖延長剤が存在している少なくとも1種の反応性ポリアミドプレポリマーから誘導されたポリアミドポリマー(本記述では、鎖延長剤を持つポリアミドポリマー又は延長剤を持つポリアミドポリマーとも呼ぶ)、即ち、少なくとも1つの鎖延長剤が存在している前記少なくとも1種のポリアミドプレポリマーの重合から得られたポリアミドポリマー
を含む又はこれらからなる組成物が、
供される温度に応じて調節することができる溶融粘度を有するだけでなく、同じ分子量を有するが鎖延長剤を含んでいない同じポリアミドポリマー(本記述では、鎖延長剤を含まないポリアミドポリマー又は延長剤を含まないポリアミドポリマーとも呼ぶ)の溶融粘度と比較してより低い溶融粘度も有することを見出した。
【0039】
言い換えれば:
− Mn
1に等しい平均Mnを有する鎖延長剤を持つポリアミドポリマー(PA
1−All
1−PA
1)、又は
− 同じMn
1を有する鎖延長剤を持たないポリアミドポリマー(PA
1)
の何れかであって、
前記PA
1−All
1−PA
1及びPA
1は、T
m又はT
g以上の任意の温度Tで調製され、
前記PA
1−All
1−PA
1及びPA
1が2つの異なる温度T
2及びT
3に供され、且つT
2及びT
3がT
1よりも大きい場合、
それぞれの温度T
2及びT
3に関して得られたPA
1−All
1−PA
1の溶融粘度η’
2及びPA
1−All
1−PA
1のη’
3がそうなるように、それぞれの温度T
2及びT
3に関して得られたPA
1の溶融粘度η
2及びPA
2のη
3は異なることになることが、当業者に周知である。
【0040】
しかし、完全に予期せぬことであるが、本発明者らは、平均Mn
1は同一であるがη’
3はη
3未満であるのと同様に、η’
2もη
2未満であることを見出した。
【0041】
言い換えれば、PA
1−All
1−PA
1の粘度はPA
1の粘度と同一であるが、より低い温度においてである。
【0042】
「PA
1−All
1−PA
1」という表現は、鎖延長剤を、ポリアミドポリマーの鎖に共有結合によって組み込むことが必要であり、これはポリアミドポリマーの末端位置にではないことを意味する。
【0043】
さらに本発明者らは、2つの異なる温度で、鎖延長剤を含まないポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる組成物と、鎖延長剤を含むポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる組成物との間で得られた粘度の比が、一定ではないことも見出した。
【0044】
言い換えれば、η’
2/η
2≠η’
3/η
3であり温度に依存する。したがって、T
3≧T
2+10℃ではη’
2/η
2>η’
3/η
3であり、T
3≦T
2−10℃ではη’
2/η
2<η’
3/η
3である。
【0045】
図1は、これらの様々な性質をまとめる。
【0046】
有利には、T
3≧T
2+10℃のとき、T
3は最高350℃であり、詳細には最高320℃であり、特に最高300℃である。
【0047】
T
3≦T
2−10℃のとき、T
2は最高360℃であり、詳細には最高330℃であり、特に最高310℃である。
【0048】
同じ温度で鎖延長剤を含み又は含まない前記ポリアミドポリマーの間で得られたこの粘度の差には、下記の利点がある:
1) 特に、同じ平均Mnを有する鎖延長剤のないポリアミドの加工温度よりも低い温度で、延長剤のないポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる組成物の使用よりも容易な、延長剤を有するポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる組成物の使用;
2) 様々な適用例に関し、延長剤を有するが異なる溶融粘度を有し且つ押出し、射出成型、又は成型に関して区別なく使用することができる、同じポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる組成物であって、特に、複合材料、特に前記材料をベースにした機械又は構造部品の製造のために強化繊維のより容易な含浸を可能にする組成物を得る可能性。
【0049】
構成成分(A)、(B)、及び(C)に関し:
脂肪族繰り返しアミド単位:
本発明の第1の変形例において、脂肪族アミド単位A、B、又はCは、6から14個の炭素原子を含むアミノカルボン酸から得られる。したがって単位は、9−アミノノナン酸(9と示される)、10−アミノデカン酸(10と示される。)、11−アミノウンデカン酸(11と示される)、及び12−アミノドデカン酸(12と示される)から選択することができ、有利には、アミノカルボン酸は11−アミノウンデカン酸である。
【0050】
本発明の第2の変形例では、脂肪族繰り返し単位A、B、又はCは、6から14個の炭素原子を含むラクタムから得られる。したがって、カプロラクタム(6と示される)、デカノラクタム(10と示される)、ウンデカノラクタム(11と示される)、及びラウロラクタム、又はラウリルラクタム(12と示される)から選択することができ、有利には、ラクタムがウンデカノラクタムである。
【0051】
より詳細には、好ましくは、繰り返し単位Aは、単一のアミノカルボン酸又は単一のラクタムから得られる。
【0052】
それにも関わらず、この同じ単位Aを得るために、2種以上のアミノカルボン酸の混合物、2種以上のラクタムの混合物、しかし1種、2種、又はそれ以上のラクタムを有する1種、2種、又はそれ以上のアミノカルボン酸の混合物も使用することを考えることが、完全に可能である。
【0053】
X.Y型の繰り返し単位A、B、又はC
繰り返し単位X.Yは、少なくとも1種の直鎖状脂肪族ジアミンの、又は少なくとも1種の脂環式ジアミンの、又は少なくとも1種の芳香族ジアミンの、又はこれらの2種以上の混合物の、及び少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の、又は少なくとも1種の脂環式ジカルボン酸の、又は少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の、重縮合から得られる単位である。
【0054】
ジアミンの及びジカルボン酸のモル割合は、優先的には化学量論的である。
【0055】
ジアミンと、ジカルボン酸も同様に、それぞれ4から36個の炭素原子を含み、有利には6から18個の炭素原子を含む。
【0056】
この繰り返し単位X.Yを得るのに使用される脂肪族ジアミンは、少なくとも4個の炭素原子を含む直鎖状主鎖を有する脂肪族ジアミンである。
【0057】
この直鎖状主鎖は、適切な場合、1個又は複数のメチル及び/又はエチル置換基を含み、前記構成では「分枝状脂肪族ジアミン」という用語が使用される。主鎖が置換を含まない場合、脂肪族ジアミンを「直鎖状脂肪族ジアミン」と呼ぶ。
【0058】
メチル及び/又はエチル置換基を主鎖上に含んでいてもいなくても、この繰り返し単位X.Yを得るのに使用される脂肪族ジアミンは、4から36個の炭素原子、有利には4から18個の炭素原子、有利には6から18個の炭素原子、有利には6から14個の炭素原子を含む。
【0059】
このジアミンが直鎖状脂肪族ジアミンである場合、式H
2N−(CH
2)
x−NH
2に相当し、例えば、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘプタンジアミン、オクタンジアミン、ノナンジアミン、デカンジアミン、ウンデカンジアミン、ドデカンジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、オクタデカンジアミン、及びオクタデセンジアミンから選択することができる。直前に述べた直鎖状脂肪族ジアミンは、全て、ASTM規格D6866の意味の範囲内で、生物を原料としてもよい。
【0060】
ジアミンが分枝状脂肪族ジアミンである場合、特に、メチル−2ペンタンジアミン又は2−メチル−1,8−オクタンジアミンとすることができる。
【0061】
脂環式ジアミンは、例えば、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)エタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)ブタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、又は3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンであって「BMACM」又は「MACM」と通常呼ばれるもの(以後、Bと示される)、「PACM」と通常呼ばれるp−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(以後、Pと示される)、通常「PACP」と呼ばれるイソプロピリデンジ(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン(以後、IPDと示される)、及び「BAMN」と通常呼ばれる2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナンから選択することができる。
【0062】
これらの脂環式ジアミンの非包括的リストは、刊行物「Cycloaliphatic Amines」(Encyclopaedia of Chemical Technology、Kirk-Othmer、第4版(1992)、p. 386-405)に示されている。
【0063】
芳香族ジアミンは、1,3−キシリレンジアミン及び1,4−キシリレンジアミンから選択することができる。
【0064】
ジカルボン酸は、直鎖状又は分枝状脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、及び芳香族ジカルボン酸から選択することができる。
【0065】
ジカルボン酸が脂肪族であり且つ直鎖状であるとき、コハク酸(4)、ペンタン二酸(5)、アジピン酸(6)、ヘプタン二酸(7)、オクタン二酸(8)、アゼライン酸(9)、セバシン酸(10)、ウンデカン二酸(11)、ドデカン二酸(12)、ブラシル酸(13)、テトラデカン二酸(14)、ヘキサデカン二酸(16)、オクタデカン二酸(18)、オクタデセン二酸(18)、エイコサン二酸(20)、ドコサン二酸(22)、及び36個の炭素を含有する脂肪酸ダイマーから選択することができる。
【0066】
上述の脂肪酸ダイマーは、特に文書EP0471566に記載されるような、長い炭化水素ベースの鎖を保持する不飽和一塩基脂肪酸(リノール酸及びオレイン酸など)の、オリゴマー化又は重合によって得られる二量体化された脂肪酸である。
【0067】
ジカルボン酸が脂環式であるとき、下記の炭素主鎖:ノルボルニルメタン、シクロヘキサン、シクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルプロパン、ジ(メチルシクロヘキシル)、又はジ(メチルシクロヘキシル)プロパンを含んでいてもよい。
【0068】
ジカルボン酸が芳香族であるとき、テレフタル酸(Tと示される)、イソフタル酸(Iと示される)、及びナフタレン酸から選択することができる。
【0069】
本発明の、1つの有利な実施態様によれば、Aは、100%のモル含有量で存在するアミド単位であり、ラクタム又はアミノ酸から得られる脂肪族繰り返し単位を表し、特にPA6、PA11、及びPA12から選択されるものである。
【0070】
本発明の1つの有利な実施態様によれば、Aは、100%のモル含有量で存在するアミド単位であり、繰り返しアミド単位X.Yを表し、特にPA6.6、PA6.10、PA6.12、PA10.10、及び10.12から選択されるものである。
【0071】
本発明の1つの有利な実施態様によれば、Aは、1%から99%に及ぶモル含有量で存在するアミド単位であり、Bは、Aとは異なるアミド単位であり、前記単位Bは1%から99%に及ぶモル含有量で存在し、Cは、A及びBとは異なる且つ上記にて定義されたような、任意選択的なアミド単位である。
【0072】
有利には:
− Aは、x.T単位(式中、xは直鎖状脂肪族C
4からC
18ジアミンであり、好ましくはC
6、C
9、C
10、C
11、及びC
12から選択され、Tはテレフタル酸である)から選択される、55%から95%、好ましくは55%から85%、より優先的には55%から80%に及ぶモル含有量で存在する主要アミド単位であり、
− Bは、Aとは異なるアミド単位であり、前記単位Bは、単位AをベースにしたポリアミドのTmに応じて、5%から45%、好ましくは15%から45%、より優先的には20%から45%に及ぶモル含有量で存在し、前記アミド単位Bは、ラクタム又はアミノ酸から得られた脂肪族繰り返し単位から選択され、特にPA6、PA11、及びPA12、又は繰り返しアミド単位X.Yから選択され、特にPA6.6、PA6.10、PA6.12、PA10.10、及び10.12から選択される。
【0073】
より有利には、
− Aは、x.T単位(式中、xは直鎖状脂肪族C
4からC
18、好ましくはC
6、C
9、C
10、C
11、又はC
12ジアミンであり、Tはテレフタル酸である)から選択される、55%から95%、好ましくは55%から85%、より優先的には55%から80%、さらにより優先的には55%から75%、特に56%から70%に及ぶモル含有量で存在する主要アミド単位であり、
− Bは、Aとは異なるアミド単位であって、前記単位Bは、単位AをベースにしたポリアミドのTmに応じて、5%から45%、好ましくは15%から45%、より優先的には20%から45%、さらにより優先的には25%から45%、特に30%から45%に及ぶモル含有量で存在するアミド単位であり、前記アミド単位Bはx’.T単位から選択され、式中、x’は:
○ B1) 単一のメチル若しくはエチル、好ましくはメチル分枝(枝分かれは同じものを意味する)、特に2−メチルペンタメチレンジアミン(MPMD)若しくは2−メチルオクタメチレンジアミン(MOMD)を保持し、且つ前記関連付けられた単位Aのジアミンxの主鎖長に比べて少なくとも2個の炭素原子だけ異なる主鎖長を有し、好ましくはx’( B1)による)はMPMDである分枝状脂肪族ジアミン、又は
○ B2) m−キシリレンジアミン(MXD)、又は
○ B3) 直鎖状脂肪族C
4からC
18ジアミンであり、好ましくは、前記単位Aのジアミンxの鎖と前記単位Bのジアミンx’の鎖との間で少なくとも2個の炭素原子が異なっているジアミン
から選択され、
好ましくは、前記単位Bは、x’が選択肢B1)によるMPMD又は選択肢B2)によるMXDであり、又は選択肢B3)により上記にて定義された直鎖状脂肪族ジアミンであり、より優先的にはx’がB1)によるMPMD又はB2)によるMXDであり、さらにより優先的にはx’がB2)によるMXDである、x’.T単位から選択され、
− Cは、上記にて定義されたA及びBとは異なる任意選択的なアミド単位であり、
モル含有量の合計A+B+Cは100%に等しい条件下にある。
【0074】
第1の可能性によれば、本発明の前記組成物において、前記ポリアミドポリマーは、A及びBとは異なる、Cによる前記アミド単位を含み、上記にて定義された単位Cが存在する。Cは、ポリアミドの全モル含有量に対して最大30%、好ましくは最大25%、好ましくは最大20%、より優先的には最大15%に及ぶモル含有量で存在することができる。
【0075】
単位Cが存在し且つ単位Bに関して上記にて定義されたx’を持つx’Tに相当するとき、この場合にCはその定義がBとは異なるものであるが、前記単位Cは、B1により定義されたx’をベースにすることができ、この場合、前記単位Bは、B2又はB3の何れかにより定義されたx’を有していてもよい。CがB2によるx’をベースにする場合、この場合に単位Bは、B1又はB3によるx’をベースにしてもよい。CがB3によるx’をベースにする場合、この場合に単位Bは、B1又はB2により定義されるx’をベースにしてもよい。
【0076】
より詳細には、前記組成物のこの単位Cにおいて、前記芳香族構造は、例えばイソフタル及び/又はナフタレン構造から選択されてもよい。テレフタル構造は、ジアミンが脂環式である場合、二酸成分に関して特に可能である。前記脂環式構造は、シクロヘキサン環をベースにした構造又はデカヒドロナフタレン環をベースにした構造(水素化ナフタレン構造)から選択されてもよい。
【0077】
好ましくはCの構造は、例えば上記にて定義された、脂肪族ジアミンから並びに脂環式及び/若しくは芳香族二酸から、又は例えば上記にて定義された、二酸から及び脂環式ジアミンから誘導される。より詳細には、前記単位Cは:
− 脂環式ジアミンから及びテレフタル酸から、あるいは
− イソフタル酸及びナフタレン酸から選択される、又はシクロヘキサンと単位A及びBに関してそれぞれ上記にて定義されたジアミンx若しくはx’をベースとする二酸から
誘導された単位から選択される。
【0078】
本発明の組成物の別の変形例によれば、前記単位Cは、ポリアミドの全モル含有量に対して最大70%、特に最大40%、特に最大30%、好ましくは最大20%に及ぶことができるモル含有量で存在する。したがって、この変形例によれば、前記組成物は、上記にて定義された、特に、C
6からC
12、好ましくはC
6、C
11、及びC
12アミノ酸若しくはラクタム、又はこれらの混合物から選択される前記単位C、又はC
6からC
18、好ましくはC
6からC
12直鎖状脂肪族二酸、及びC
6からC
18、好ましくはC
6からC
12直鎖状脂肪族ジアミンの反応から誘導された単位であって、単位A及びBがそれぞれ上記にて定義されたジアミンx及びx’をベースとする単位を含む。
【0079】
好ましくは単位Cは、存在する場合、本発明により定義されたポリアミドの全モル含有量に対して40%未満のモル含有量にある。
【0080】
好ましくは、上記及び下記で本発明により定義された前記アミド単位Aは、本発明により上記にて定義された前記ポリアミドポリマーの単位の全てに対して55%から80%、より優先的には55%から75%、さらにより優先的には55%から70%に及ぶモル含有量で存在する。
【0081】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、5%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0082】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、15%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0083】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、20%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0084】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、25%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0085】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、30%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0086】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、5%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0087】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、15%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0088】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、20%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0089】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、25%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0090】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、30%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0091】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、5%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0092】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、15%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0093】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、20%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0094】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、25%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0095】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、30%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0096】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、5%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0097】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、15%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0098】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、20%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0099】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、25%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0100】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、30%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0101】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、5%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0102】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、15%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0103】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、20%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0104】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、25%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0105】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、30%から45%の割合でBを含む又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0106】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、及び5%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0107】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、及び15%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0108】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、及び20%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0109】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、及び25%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0110】
有利には、組成物は、55%から95%の割合で単位Aを、及び30%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0111】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、及び5%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0112】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、及び15%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0113】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、及び20%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0114】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、及び25%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0115】
有利には、組成物は、55%から85%の割合で単位Aを、及び30%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0116】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、及び5%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0117】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、及び15%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0118】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、及び20%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0119】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、及び25%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0120】
有利には、組成物は、55%から80%の割合で単位Aを、及び30%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0121】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、及び5%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0122】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、及び15%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0123】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、及び20%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0124】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、及び25%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0125】
有利には、組成物は、55%から75%の割合で単位Aを、及び30%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0126】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、及び5%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0127】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、及び15%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0128】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、及び20%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0129】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、及び25%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0130】
有利には、組成物は、55%から70%の割合で単位Aを、及び30%から45%の割合でBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しい。
【0131】
有利には組成物は、上記にて定義されたように、単位A及びBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しく、前記ポリマーの単位の全てに対して最大30%に及ぶモル含有量で単位Cも含む。
【0132】
有利には組成物は、上記にて定義されたように、単位A及びBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しく、前記ポリマーの単位の全てに対して最大25%に及ぶモル含有量で単位Cも含む。
【0133】
有利には組成物は、上記にて定義されたように、単位A及びBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しく、前記ポリマーの単位の全てに対して最大20%に及ぶモル含有量で単位Cも含む。
【0134】
有利には組成物は、上記にて定義されたように、単位A及びBを含み又はこれらからなり、A+Bのモル含有量の合計は100%に等しく、前記ポリマーの単位の全てに対して最大15%に及ぶモル含有量で単位Cも含む。
【0135】
上述の本発明による組成物の、第1の好ましい選択肢によれば、前記組成物は、x’が上述の選択肢B1により定義された単位Bを有し、特にMPMDが、前記単位Bにはより好ましいジアミンである。単位Aは、上記にて定義されたままであり、即ち、x.Tである(xは、C
4からC
18、好ましくはC
9、C
10、C
11、又はC
12直鎖状脂肪族ジアミンである)。
【0136】
前記組成物の第2の好ましい選択肢によれば、前記組成物は、単位Bを有する(但し、x’は、上記にて定義された選択肢B2によるMXDである)。単位Aは、記述した第1の選択肢に関して定義されたままである。この第2の選択肢は、上述の第1の選択肢と一緒になって、本発明の最も好ましい選択肢を構成し、特にこの第2の選択肢は、本発明の最も好ましいものである。
【0137】
第3の好ましい選択肢は、Bが、上記にて定義されたような選択肢B1又はB2又はB3により定義され、上記にて定義された単位Cの存在は、Bを置き換えた状態として且つ最大25mol%、好ましくは最大20mol%、より優先的には最大15mol%であり、特にBは、上記にて定義された第1又は第2の選択肢により定義される。
【0138】
有利には、上記にて定義されたようにA+Bのモル含有量の合計が100%に等しい、単位A及びBを含む又はこれらからなる組成物は、Bが部分的に置き換えられた状態で単位Cも含み、モル含有量は前記単位Bに対して最大25%に及ぶ。
【0139】
有利には、上記にて定義されたようにA+Bのモル含有量の合計が100%に等しい、単位A及びBを含む又はこれらからなる組成物は、Bが部分的に置き換えられた状態で単位Cも含み、モル含有量は前記単位Bに対して最大20%に及ぶ。
【0140】
有利には、上記にて定義されたようにA+Bのモル含有量の合計が100%に等しい、単位A及びBを含む又はこれらからなる組成物は、Bが部分的に置き換えられた状態で単位Cも含み、モル含有量は前記単位Bに対して最大15%に及ぶ。
【0141】
さらにより優先的には、前記ポリアミド組成物が、下記:
− 6Tである単位Aの場合、前記単位Bは、9T、10T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tであり、Bのモル含有量が20%から45%に及び、
− 9Tである単位Aの場合、前記単位Bは、6T、10T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が30%から45%に及び
− 10Tである単位Aの場合、前記単位Bは、6T、9T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が25%から45%に及び
− 11Tである単位Aの場合、前記単位Bは、6T、9T、10T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは9T、13T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が20%から45%に及び
− 12Tである単位Aの場合、前記単位Bは、6T、9T、10T、11T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは9T、10T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量が20%から45%に及ぶ
から選択される単位A及びBをベースにする。
【0142】
この選択によれば、本発明の第1のより詳細な組成物は、単位6Tである単位Aと、9T、10T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択される、好ましくは11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択される、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択される単位Bとで定義することができ、Bのモル含有量は20%から45%に及ぶ。
【0143】
第2の特定の組成物は、単位9Tである単位Aに対応し、単位Bは、10T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量は30%から45%に及ぶものである。第3の特定の組成物は、単位10Tである単位Aに対応し、単位Bは、9T、11T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量は25%から45%に及ぶものである。第4の特定の組成物は、単位11Tである単位Aに対応し、単位Bは、9T、10T、12T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは9T、13T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量は20%から45%に及ぶものである。最後に、別の特定の組成物は、単位12Tである単位Aに対応し、単位Bは、9T、10T、11T、13T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、好ましくは9T、10T、14T、15T、16T、17T、及び18T、MPMD.T、及びMXD.Tから選択され、より優先的にはMPMD.T又はMXD.Tから選択され、Bのモル含有量は20%から45%に及ぶものである。
【0144】
好ましい第5の選択肢によれば、単位Aは上記にて定義された通りであり、即ち、xが直鎖状脂肪族C
4からC
18、好ましくはC
6、C
9、C
10、C
11、又はC
12アミンであるx.Tであり、単位Bは、x’がB3)直鎖状脂肪族C
4からC
18ジアミンであるx’.Tに相当し、単位Cは、存在し且つ特にC
6からC
12、好ましくはC
6、C
11、及びC
12ラクタム若しくはアミノ酸、又はこれらの混合物から選択され、又は、直鎖状脂肪族C
6からC
12ジアミンであって単位A及びBがそれぞれ上記にて定義されたジアミンx及びx’をベースにしたジアミンの反応から得られる単位である。
【0145】
好ましくは、単位Cは、この第5の選択肢において、本発明により定義されるポリアミドの全モル含有量に対して40%未満、特に30%未満、特に20%未満のモル含有量にある。
【0146】
有利には、この第4の選択肢の好ましい化合物の1種は、10.T/6.T/11である。
【0147】
前記組成物は:
a1) 上記にて既に定義された前記ポリアミドポリマーの少なくとも1種のプレポリマーであって、−NH
2(アミン)、−CO
2H(カルボキシ)、及び−OH(ヒドロキシ)、好ましくは−NH
2(アミン)、及び−CO
2H(カルボキシ)から選択される、n個の同一の末端反応性官能基X
1(nは1から3であり、好ましくは1から2であり、より優先的には1又は2であり、より詳細には2である)を保持するプレポリマーと
a2) 少なくとも1つの鎖延長剤Y
1−A’−Y
1であって、A’は、前記プレポリマーa1)の少なくとも1個の官能基X
1との重付加により反応性のある(反応副生成物の排除はない)2個の同一の末端反応性官能基Y
1を保持する、非ポリマー構造(ポリマーでもオリゴマーでもプレポリマーでもない)の炭化水素ベースのビラジカルであり、好ましくは分子量が500未満、より優先的には400未満であり、
特にY
1は、オキサジン、オキサゾリン、オキサゾリノン、オキサジノン、イミダゾリン、エポキシ、イソシアネート、マレイミド、環状無水物、特にオキサジン、オキサゾリン、オキサゾリノン、オキサジノン、イミダゾリン、エポキシ、マレイミド、環状無水物から選択され、優先的にはX
1がCO
2HでありY
1がエポキシ及びオキサゾリンから選択される延長剤と
の反応生成物の重合から得られるポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる。
【0148】
NH
2(アミン)は、第1級及び第2級アミンを示す。
【0149】
前記半結晶質ポリアミドプレポリマーa1)により保持される官能基X
1に応じて適切な延長剤a2)の例として、下記の:
− X
1がNH
2又はOH、好ましくはNH
2である場合、
○ 鎖延長剤Y
1−A’−Y
1は、
・ 下記の基:マレイミド、任意選択的にブロックされたイソシアネート、オキサジノン、及びオキサゾリノン、及び環状無水物、好ましくはオキサジノン及びオキサゾリノン、特にマレイミド、オキサジノン、及びオキサゾリノン、及び環状無水物、好ましくはオキサジノン及びオキサゾリノンから選択されるY
1、
並びに
・ A’は、
・ Y
1=オキサジノン及びオキサゾリノンの場合には、2個の官能基(基)Yの間の共有結合、あるいは
・ 脂肪族炭化水素ベース鎖、又は芳香族及び/又は脂環式炭化水素ベース鎖であって、後者の2つは、5又は6個の炭素原子の少なくとも1個の置換されていてもよい環を含んでおり、任意選択的に前記脂肪族炭化水素ベース鎖は任意選択的に14から200g/mol
−1の分子量を有するもの
から選択される、反応性官能基又は基Y
1を保持する炭素ベースのスペーサー又は炭素ベースの基
に対応し、
○ あるいは鎖延長剤Y
1−A’−Y
1は、カプロラクタム基であるY、及びカルボニル基にすることができるA’、例えばカルボニルビスカプロラクタム、又はテレフタロイル若しくはイソフタロイルにすることができるA’に対応し
○ あるいは前記鎖延長剤Y
1−A’−Y
1は、環状無水物基Yを保持し、好ましくはこの延長剤は、脂環式及び/又は芳香族カルボン酸二無水物から選択され、より優先的には、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデンビスフタル酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、又はそれらの混合物から選択され、
且つ
− X
1がCOOHである場合:
○ 前記鎖延長剤Y
1−A’−Y
1は:
・ 基:オキサゾリン、オキサジン、イミダゾリン、アジリジン、例えば1,1’−イソ−若しくはテレフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン)又はエポキシから選択されるY
1
・上記にて定義された炭素ベースのスペーサー(基)であるA’
に対応するもの
を挙げることができる。
【0150】
より詳細には、前記延長剤Y
1−A’−Y
1において前記官能基Y
1がオキサジノン、オキサゾリノン、オキサジン、オキサゾリン、又はイミダゾリンから選択されるとき、特にオキサゾリンであるとき、この場合にY
1−A’−Y
1により表される鎖延長剤において、A’は、−(CH
2)
m−(式中、mは1から14に及び、好ましくは2から10に及ぶ)などのアルキレンを表すことができ、あるいはA’は、置換(アルキル)又は非置換のシクロアルキレン及び/又はアリーレン、例えばベンゼン系アリーレン、例えばo−、m−、若しくはp−フェニレン、又はナフタレン系アリーレンを表すことができ、好ましくはA’は、アリーレン及び/又はシクロアルキレンである。
【0151】
Y
1がエポキシの場合、鎖延長剤は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)及びその(脂環式)水素化誘導体ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、又はヒドロキノンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、Mn<500のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、Mn<500のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、Mn<500のポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、Mn<500のビスフェノールAポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、Mn<500のビスフェノールAポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジカルボン酸のジグリシジルエステル、例えばテレフタル酸グリシジルエステル、又はエポキシド化ジオレフィン(ジエン)又は脂肪酸であって二重エポキシド化エチレン系不飽和1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルを有するもの;及びこれらの混合物から選択することができる。
【0152】
鎖延長剤Y
1−A’−Y
1としてカルボニル−又はテレフタロイル−又はイソフタロイル−ビスカプロラクタムの場合、好ましい条件は、前記重合中及び溶融状態で加工中の、カプロラクタムなどの副生成物の排除を回避する。
【0153】
Y
1がブロック型イソシアネート官能基を表す上述の任意選択的な場合、この遮断は、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトキシム、ジメチルピラゾール、又はマロン酸ジエチルなど、イソシアネート官能基を遮断するための薬剤を使用して得ることができる。
【0154】
同様に、延長剤が、プレポリマーP(X
1)n(式中、X
1=NH
2である)と反応する二無水物である場合、好ましい条件は、重合中及び溶融状態で加工中、イミド環のいかなる形成も回避する。
【0155】
X
1=OH又はNH
2の場合、基Y
1は、好ましくは、イソシアネート(非ブロック型)、オキサジノン、及びオキサゾリノンから選択され、より優先的にはオキサジノン及びオキサゾリノンから選択され、このときスペーサー(基)として、上記にて定義されたようなA’を有する。
【0156】
本発明を実施するのに適切なオキサゾリン又はオキサジン反応性官能基Yを保持する鎖延長剤の例として、出願EP0581642の7頁の符号「A」、「B」、「C」、及び「D」の下で記述されたものと、その中に開示されたそれらの調製方法及びそれらの反応モードも参照することができる。この文書における「A」はビスオキサゾリンであり、「B」はビスオキサジンであり、「C」は1,3フェニレンビスオキサゾリンであり、「D」は1,4−フェニレンビスオキサゾリンである。
【0157】
例として、X
1=CO
2Hであり鎖延長剤Y
1−A’−Y
1が1,4−フェニレンビスオキサゾリンである場合、得られる反応生成物は、下記の構造:
−O−C(O)−P−C(O)−O−R
1−NH−C(O)−A’−C(O)−NH−R
1−
(式中、
Pは、アミド単位(A)、(B)、又は(C)から得られた酸末端ポリアミドHO−C(O)−P−C(O)−OHであり、
R
1は(CH
2)
2であり、
A’はフェニルである)
を有する少なくとも1種の繰り返し単位を有する。
【0158】
本発明を実施するのに適切なイミダゾリン反応性官能基Yを保持する鎖延長剤の例として、出願EP0739924の7から8頁及び10頁の表1に記述されたもの(「A」から「F」)と、そこに開示されたそれらの調製方法及びそれらの反応モードも参照することができる。
【0159】
本発明を実施するのに適切な、反応性官能基Y
1=オキサジノン又はオキサゾリノンを持つ鎖延長剤の例として、出願EP0581641の7から8頁の符号「A」から「D」の下で記述されたものと、その中に開示されたそれらの調製方法及びそれらの反応モードも参照することができる。
【0160】
適切なオキサジノン(6原子環)及びオキサゾリノン(5原子環)基Y
1の例として、ベンズオキサジノン、オキサジノンか又はオキサゾリノンから誘導される基Y
1を挙げることができ、スペーサーとして、単一の共有結合とすることができるA’を挙げることができ、それぞれ対応する延長剤は、ビス(ベンズオキサジノン)、ビスオキサジノン、及びビスオキサゾリノンである。
【0161】
A’は、C
1からC
14、好ましくはC
2からC
10アルキレンとすることもできるが、A’は好ましくはアリーレンであり、より詳細には、フェニレン(1、2、又は1、3、又は1、4位でY
1により置換される)若しくはナフタレン基(Y
1により二置換される)若しくはフタロイル(イソ−又はテレフタロイル)とすることができ、又はA’は、シクロアルキレンとすることができる。
【0162】
オキサジン(6員環)、オキサゾリン(5員環)、及びイミダゾリン(5員環)などの官能基Y
1の場合、基A’は上述の通りとすることができ、このときA’は単一の共有結合とすることができ、それぞれ対応する延長剤は、ビスオキサジン、ビスオキサゾリン、及びビスイミダゾリンである。A’は、C
1からC
14、好ましくはC
2からC
10アルキレンとすることもできる。基A’は、好ましくはアリーレンであり、より詳細にはフェニレン(1、2、又は1、3、又は1、4位がY
1により置換される)若しくはナフタレン基(Y
1により二置換される)若しくはフタロイル(イソ−又はテレフタロイル)とすることができ、又はA’はシクロアルキレンとすることができる。
【0163】
Y
1=アジリジン(−NH−によりエーテル−O−が置き換えられたエチレンオキシドに均等な3原子窒素性複素環)の場合、基A’は、フタロイル(1,1−イソ−又はテレ−フタロイル)とすることができ、このタイプの延長剤の例として、1,1’−イソフタロイルビス(2−メチルアジリジン)がある。
【0164】
記述される2種の共反応物の全重量に対して0.001%から2%に及ぶ、好ましくは0.01%から0.5%に及ぶ含有量での、前記プレポリマーP(X)nと前記延長剤Y
1−A’−Y
1との反応の触媒の存在は、(重)付加反応を加速させることができ、したがって生成サイクルを短縮させることができる。そのような触媒は、4,4’−ジメチルアミノピリジン、p−トルエンスルホン酸、リン酸、NaOH、及び任意選択的に、EP0425341、9頁、1から7行に記載された重縮合又はエステル交換反応に関して記述されたものから選択することができる。
【0165】
前記延長剤の選択の、より特定の場合によれば、A’は、−(CH
2)
m−(ここでmは、1から14に及び、好ましくは2から10に及ぶ)などのアルキレンを表すことができ、又はベンゼン系アリーレン(o−、m−、又はp−フェニレンなど)若しくはナフタレン系アリーレン(アリーレン:ナフタレニレンを含む)などのアルキル置換若しくは非置換アリーレンを表すことができる。好ましくは、A’は、置換又は非置換ベンゼン系又はナフタレン系であってもよいアリーレンである。
【0166】
既に記述したように、前記鎖延長剤(a2)は、非ポリマー構造を有し、好ましくは500未満、より優先的には400未満の分子量を有する。
【0167】
上述の、前記組成物の前記反応性プレポリマーは、溶液中の電位差滴定によって決定される末端官能基の含有量と、前記プレポリマーの官能価とに基づく計算によって特に決定される、500から10000に及ぶ、好ましくは1000から6000に及ぶ数平均分子量Mnを有する。重量Mnは、サイズ排除クロマトグラフィーによって又はNMRによって決定することもできる。
【0168】
前記ポリアミドポリマー中の前記延長剤の含有量は、1%から20%、特に5%から20%、詳細には10%から20%に及ぶ。
【0169】
定義a)による本発明の反応性組成物の場合、前記反応性プレポリマーは、本発明による単位A及びB及び任意選択的にCの性質及び割合を考慮しつつ、ジアミンと対応する二酸成分、及び任意選択的にアミノ酸又はラクタムとの間の従来の重縮合反応によって調製される。同じ鎖上にアミン及びカルボキシ官能基X
1’及びY
1’を保持するプレポリマーを、例えば、合計して等しい量のアミン及びカルボキシ単位を有するモノマー(アミノ酸、ジアミン、二酸)の組合せを付加することによって、得ることができる。官能基X
1’及びY
1’を保持するこれらのプレポリマーを得るための別の経路は、例えば、2個の同一の官能基X
1’=アミンを保持するプレポリマーと、Y
1’:カルボキシを保持する二酸プレポリマーとを組み合わせることであり、このときの酸官能基の全モル含有量は出発時のアミン官能基X
1’の場合に等しい。
【0170】
同じ鎖上に同一の(アミノ又はカルボキシ)官能基で官能化されたプレポリマーを得るために、アミン末端官能基を有するよう過剰なジアミン(又は全アミン官能基)を有すること、又はカルボキシ末端官能基を有するよう過剰な二酸(又は全カルボキシ官能基)を有することが十分である。
【0171】
プレポリマーP(X
1)n(ここでnは同一の官能基X
1である。)の場合、遮断一官能性成分(X
1=アミン又はカルボキシの性質に応じて、一酸又はモノアミン)の存在下で官能価1を得ることができる。
【0172】
官能価n=2は、二官能性成分:一方が過剰なジアミン及び二酸であってこの過剰に応じてX
1を固定する成分から得ることができる。
【0173】
n=3の場合、例えばプレポリマーP(X
1)nでは、三官能性成分の存在、例えば、二酸との反応においてはジアミンと、トリアミン(プレポリマー鎖当たり1mol)の存在が必要である。P(X
1)nに関する好ましい官能価は、n=2である。
【0174】
前記ポリアミドポリマーは、反応性前駆体組成物の重合によって、鎖延長剤を含む反応性ポリアミドプレポリマーから誘導され、この反応性プレポリマーは、前記ポリアミドポリマーの場合よりも少なくとも1/2倍のMnを有する。前記組成物の前記ポリアミドポリマーの数平均分子量Mnは、溶液中での電位差滴定により決定された末端官能基の含有量と、前記プレポリマーの官能価とに基づく計算によって特に決定される、好ましくは10000から40000、好ましくは12000から30000の範囲にある。
【0175】
1つの有利な実施態様によれば、前記組成物は、それが供される温度に応じて調節することができる平均分子量も有する。
【0176】
1つの有利な実施態様によれば、上記にて定義された本発明の組成物は、フェニレン−ビスオキサゾリン、好ましくは1,3−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、又は1,4−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)(PBO)から選択される鎖延長剤Y
1−A’−Y
1が添加された、プレポリマーから誘導されたポリアミドポリマーを含む又はこれらからなる。
【0177】
「調節することができる〜」という用語は、この場合、組成物のポリアミドポリマーの平均分子量が、前記組成物が供される温度の関数として可変であることを示す。
【0178】
言い換えれば、平均分子量Mn
1を有するPBO型鎖延長剤(PA−PBO−PA)を持つポリアミドポリマーは、T
m又はT
g以上の温度T
1で調製される場合に平均分子量Mn
2を有し、この同じPA−PBO−PAが今度は温度T
2に供され且つT
2≧T
1の場合には、Mn
2≦Mn
1であり、逆に、T
2≦T
1の場合にはMn
2≧Mn
1である。
【0179】
その結果、本発明者らは、組成物の溶融粘度を調節することができるだけではなく、前記ポリアミドポリマーの平均分子量も調節することができ、したがって、調節することができる前記組成物のポリアミドポリマーの粘度及び/又は平均分子量を持つ組成物を得ることができるという利点をもたらし、したがって押出し、射出成型、又は成型のための様々な使用がと前記組成物の様々な適用例が可能になることも見出した。
【0180】
本発明による組成物は、強化繊維以外の充填剤と添加剤とを含んでいてもよい。
【0181】
適切な充填剤の中でも、例えば、無機又は有機充填剤:カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノフィブリル、ガラスビーズ、粉末形態に粉砕したリサイクル済みポリマーを挙げることができる。
【0182】
適切な添加剤の中でも、レーザー技術(UV又はIR)によって、得られる複合体の溶接が可能になるようにUV又はIR範囲内で吸収する添加剤と、立体障害型フェノール又は立体障害アミン型(HALS)のタイプの酸化防止剤から選択される熱安定化剤を挙げることができる。これらの安定化剤の機能は、ポリアミドの熱酸化及び著しい光酸化及び分解を防止することである。
【0183】
本発明の第2の対象は、上記組成物により定義された鎖延長剤が添加されたプレポリマーから誘導された反応性ポリアミドポリマーに関する。このポリアミドポリマーは、定義によれば、本発明の熱可塑性複合材料の組成物の必須の成分の1種であり、したがって、解決される同じ技術的課題を前にして同じ共通の本発明の概念を持つ、本発明に関連した生成物としての本発明の一部である。
【0184】
ポリアミドポリマーは、顆粒又は粉末の形をとってもよい。
【0185】
本発明の第3の対象は、前記ポリアミドポリマーを含む組成物の溶融粘度を調節するための、上記組成物により定義されたような、少なくとも1種のポリアミドポリマーの使用に関する。
【0186】
様々な温度での前記プレポリマーの使用は、異なる粘度を有する組成物を得ることを可能にする。
【0187】
有利には、前記ポリアミドプレポリマーの使用は、前記ポリアミドポリマーを含む組成物の溶融粘度と前記ポリアミドポリマーの平均分子量とを調節することを可能にする。
【0188】
有利には、前記ポリアミドプレポリマーは、1,3−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)又は1,4−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)である鎖延長剤Y
1−A’−Y
1を含む。
【0189】
第3の対象は、前記複合材料をベースにした機械又は構造部品の製造のため押出し、射出成型、又は成型するための、特に、複合体を製造するため強化繊維をより容易に含浸させるための、上記にて定義された組成物の使用にも関する。
【0190】
有利には、前記複合材料の前記機械又は構造部品は、自動車両、電気又はエレクトロニクス、鉄道、船舶(海運)、及び風力分野、光電池分野、ソーラーパネル及び太陽熱発電所の構成部品を含めた太陽エネルギー分野、スポーツ分野、航空宇宙分野、道路輸送(トラックに関する)、建設、土木工学、パネル、並びにレジャー分野での適用例に関する。
【0191】
有利には、自動車両産業における適用例のための前記部品は、流体輸送用のエンジンフード下の部品、特に吸気デバイス、冷却デバイス(例えば、空気及び冷却液などによる冷却)、及び燃料又は流体(油及び水など)の輸送又は移送用デバイスにおける部品である。
【0192】
有利には、電気又はエレクトロニクス産業での適用例のための前記機械又は構造部品は、電気及び電子物品、例えばカプセル封入型ソレノイド、ポンプ、電話、コンピューター、印刷機、ファックス機、モデム、モニター、遠隔制御器、カメラ、回路遮断器、電気ケーブルジャケット、光ファイバー、スイッチ、又はマルチメディアシステムである。電気及び電子物品のこれらの要素は、そのような物品の構造部品(ケーシング及びハウジングなど)だけではなく、それらの任意選択的な関連ある付属品(イヤフォーン、接続要素、及びケーブルなど)も包含する。
【0193】
より詳細には、3つのより好ましい適用例を、本発明による複合材料で作製された前記部品が使用される温度:
− 風力産業においては、少なくとも90℃の前記熱可塑性マトリックスポリアミドのTg
− 自動車両産業においては、少なくとも100℃の前記ポリアミドのTg
− 航空産業においては、少なくとも120℃の前記ポリアミドのTg
により、認めることができる。
【0194】
これは、少なくとも100℃のTgに関し、2つの可能性ある適用例:自動車両産業及び風力産業の適用例を有することができ、Tgが少なくとも120℃の場合には、航空産業に加えて風力及び自動車両産業において適用例を有することができることを意味する。
【0195】
したがって本発明の組成物の使用は、管、パイプ、プロファイル付き部品、織物繊維、プレート、シート、若しくはフィルムの様々な対象を、押出しによって、又は上記にて定義された適用例のための対象を、射出成型若しくは成型によって調製することを可能にする。
【0196】
本発明の第4の対象は、上述の本発明により定義された組成物を有する、熱可塑性複合材料、特に前記材料をベースにした機械部品又は構造部品を製造するための方法であって、所望の粘度ηを得るのを可能にする温度Tで、本発明により上記にて定義された少なくとも1種の組成物を成型する又は加工する少なくとも1つの工程を含む方法に関する。
【0197】
より詳細には、前記方法は、下記の工程:
i) 追加として含浸繊維性強化材を含む本発明により定義された組成物を得るために、開放若しくは密閉鋳型内で又は鋳型の外で、繊維性強化材に本発明により上記にて定義された通りであるが前記繊維性強化材を含まない組成物を溶融含浸させる工程、
ii) 鋳型で又は別の加工システムで最終複合部品を形成するように、工程i)の前記組成物を加工し又は成型する工程
を含むことができる。
【0198】
有利には、本発明の組成物のポリアミドポリマーは、75℃以下のガラス転移温度Tgと150℃から250℃未満の溶融温度、又は75℃よりも高い、特に少なくとも80℃の、好ましくは100から200℃の、より優先的には110から200℃の、特に110℃から180℃未満のTgとを有し、前記方法は:
i) バルク溶融含浸温度で200Pa・sを超えない、好ましくは150Pa・sを超えない粘度を特に有する、上記にて定義された少なくとも1種の組成物を用いてバルク溶融含浸する工程、
ii) 繊維性予備含浸物を冷却し且つ得る工程、
iii) 前記複合材料を加工し且つ最終形成する工程
を含む。
【0199】
本発明による前記方法において、前記加工は、好ましくはRTM、S−RIM、射出−圧縮成型、若しくは引抜き方法により、又は特に組成物の場合にはインフュージョン成型によって、実施することができる。
【0200】
有利には、前記加工工程は、減圧下での予備含浸物の熱圧縮によって実施される。
【0201】
強化繊維又は繊維性強化材は、繊維の、好ましくは長繊維の、即ち繊維の長さと直径(これらの繊維が円形断面を有することを意味する)との比によって定義されたアスペクト比が1000よりも大きく、好ましくは2000よりも大きい繊維の、アセンブリであってもよい。このアセンブリにおいて、繊維は、連続的であってもよく、又は一方向(UD)若しくは多方向(2D、3D)強化形態にあってもよい。詳細には、繊維は、布地、シート、ストリップ、又は紐の形をとってもよく、例えば不織(マット)の形に又はフェルトの形に切断されてもよい。
【0202】
これらの強化繊維は:
− 本発明の前記半結晶質ポリアミドの融解温度Tmよりも高く、重合及び/又は加工温度よりも高い、高融解温度Tm’を有する鉱質繊維;
− 重合温度よりも高い、又は複合体の前記マトリックスを構成する前記結晶質ポリアミドの融解温度Tmよりも高い、及び加工温度よりも高い、融解温度Tm’又はTm’でない場合にはガラス転移温度Tg’を有するポリマー系繊維又はポリマー繊維;
− あるいは上述の繊維の混合物
から選択されてもよい。
【0203】
本発明に適切な鉱質繊維として、ナノチューブ若しくはカーボンナノチューブ(CNT)の繊維、カーボンナノファイバー、又はグラフェンを含む炭素繊維;ガラス繊維などのシリカ繊維、特にE、R、又はS2型のもの;ホウ素繊維;セラミック繊維、特に炭化ケイ素繊維、炭化ホウ素繊維、炭窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、窒化ホウ素繊維、玄武岩繊維;金属及び/又はその合金をベースにした繊維又はフィラメント;金属酸化物の繊維、特にアルミナ(Al
2O
3)の繊維;金属化ガラス繊維及び金属化炭素繊維などの金属化繊維、又は上述の繊維の混合物を挙げることができる。
【0204】
より詳細には、これらの繊維は、下記のように選択されてもよい:
− 鉱質繊維は、炭素繊維、カーボンナノチューブ繊維、ガラス繊維、特にE、R、又はS2型のもの;ホウ素繊維;セラミック繊維、特に炭化ケイ素繊維、炭化ホウ素繊維、炭窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、窒化ホウ素繊維、玄武岩繊維;金属及び/又はその合金をベースにした繊維又はフィラメント;Al
2O
3などの金属酸化物をベースにした繊維、金属化ガラス繊維及び金属化炭素繊維などの金属化繊維、又は上述の繊維の混合物から選択されてもよく、
− ポリマー繊維又はポリマー系繊維は、上述の条件下、下記から選択される:
・ 熱硬化性ポリマー繊維、より詳細には、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂、ポリウレタン、シアノアクリレート、及びポリアミド、例えばビスマレイミド樹脂、又はアミノプラストであって、メラミンなどのアミンとグリオキサール若しくはホルムアルデヒドなどのアルデヒドとの反応から得られるものから選択される繊維、
・ 熱可塑性ポリマー繊維、より詳細には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、高密度ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PET)、ポリプロピレン(PP)、及びPET/PP、PVOH(ポリビニルアルコール)コポリマーから選択される繊維、
・ 式:6、11、12、6.10、6.12、6.6、及び4.6の1つに相当するポリアミドの繊維、
・ アラミド(Kevlar(登録商標))及び芳香族ポリアミドの繊維、例えば式:PPD.T、MPD.I、PAA、及びPPAの1つに相当する繊維であり、ここでPPD及びMPDはそれぞれp−及びm−フェニレンジアミンであり、PAAはポリアリールアミドでありPPAはポリフタルアミドであるもの、
・ ポリアミド/ポリエーテルなどのポリアミドブロックコポリマーの繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、又はポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などのポリアリールエーテルケトン(PAEK)の繊維。
【0205】
好ましい強化繊維は、金属化されたものを含む炭素繊維、金属化されたものをガラス繊維であって、E、R、S2型のもの、アラミド(Kevlar(登録商標))若しくは芳香族ポリアミドの繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)繊維などのポリアリールエーテルケトン(PAEK)繊維、又はこれらの混合物から選択される長繊維(円形断面を持つ)である。
【0206】
より特別に好ましい繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、及びアラミド繊維(Kevlar(登録商標))、又はこれらの混合物から選択される。これらの繊維は円形断面を有する。
【0207】
前記繊維は、前記複合材料の40%から70体積%、好ましくは50%から65体積%の含有量を示すことができる。
【0208】
繊維アセンブリは、ランダム(マット)、一方向(UD)、又は多方向(2D又は3Dなど)であってもよい。その坪量、即ちその平方メートル当たりの重量は、100から1000g/m
2、好ましくは200から700g/m
2に及ぶことができる。繊維は、織られた又は不織形態であってもよく、特に強化クロス及び布地の形であってもよい。それらは特に、最終部品の形状を既に有するプリフォームの形に集合させ連結させることができる。適切な連結剤として、a)又はb)による組成物を使用してもよく、これがない場合には、前記組成物(組成物a)又はb))に適合性のある連結剤を使用してもよい。
【0209】
本発明は、本発明により上記にて定義された、熱可塑性複合材料用の少なくとも1種の組成物使用から得られる熱可塑性複合材料も包含する。
【0210】
最後に本発明は、上記にて定義された本発明の少なくとも1種の組成物の使用から、又は本発明により定義された半結晶質ポリアミドポリマー若しくは上記にて定義された熱可塑性複合材料の使用から得られた、熱可塑性複合材料で作製された機械部品又は構造部品、あるいは本発明により上記にて定義された方法を用いて得られるその部品に関する。
【0211】
より詳細には、前記構造部品は、電気泳動によって、特に少なくとも90℃のTgで後処理された、自動車両部品である。
【0212】
別の選択肢によれば、特にTgが少なくとも100℃である、風力用の部品である。
【0213】
第3の特定の選択肢によれば、特にTgが少なくとも120℃である、航空産業用の部品である。