特許第6637274号(P6637274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6637274
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月29日
(54)【発明の名称】家庭用薄葉紙収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20200120BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20200120BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20200120BHJP
【FI】
   B65D83/08 A
   B65D83/08 C
   A47K10/42 A
   B65D25/20 V
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-180377(P2015-180377)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2016-155600(P2016-155600A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2018年7月9日
(31)【優先権主張番号】特願2015-33565(P2015-33565)
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】平田 記瑞
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−040379(JP,U)
【文献】 米国特許第02125618(US,A)
【文献】 特開平07−330047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D23/00−25/56
B65D83/00
B65D83/08−83/76
A47K10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部、底面部、一対の側面部及び一対の妻面部により区画された箱体により構成され、当該箱体の内部空間に家庭用薄葉紙を収納して前記上面部に設けられた取出口から当該家庭用薄葉紙を取り出し可能な家庭用薄葉紙収納箱において、
前記底面部には、
縦置きした際に、短手方向中央に頂点部が形成されたフック孔と、
縦置きした際に、前記家庭用薄葉紙の下端部の位置を下側の前記妻面部の内面位置よりも上側に位置するように前記家庭用薄葉紙を支持する押上げ部と、
が設けられ
前記押上げ部は、
前記底面部に設けられ、縦置きした際に上側となる一辺を除いて外周がミシン目により形成され、
前記ミシン目が破断され、前記押上げ部の上側の一辺が折り曲げられて傾斜した状態で配置される傾斜部と、
前記傾斜部から折り曲げられて前記妻面部と略水平な状態で配置される用紙支持部と、
前記用紙支持部の先端に設けられ、前記取出口を挿通して当該取出口の縁部に係止される係止部と、
を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項2】
上面部、底面部、一対の側面部及び一対の妻面部により区画された箱体により構成され、当該箱体の内部空間に家庭用薄葉紙を収納して前記上面部に設けられた取出口から当該家庭用薄葉紙を取り出し可能な家庭用薄葉紙収納箱において、
前記底面部には
縦置きした際に、短手方向中央に頂点部が形成されたフック孔と、
縦置きした際に、前記家庭用薄葉紙の下端部の位置を下側の前記妻面部の内面位置よりも上側に位置するように前記家庭用薄葉紙を支持する押上げ部と、
が設けられ、
前記押上げ部は、
前記底面部及び縦置きした際に下側となる前記妻面部に設けられ、縦置きした際に上側となる一辺を除いて外周がミシン目により形成され、
前記ミシン目が破断され、前記押上げ部の上側の一辺が折り曲げられて傾斜した状態で配置される第1傾斜部と、
前記第1傾斜部から上方に折り曲げられて前記取出口に近づく方向に傾斜した状態で配置される第2傾斜部と、
前記第2傾斜部の先端に設けられ、前記取出口を挿通して当該取出口の縁部に係止される係止部と、
を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項3】
前記フック孔は、前記底面部の長手方向の一端部から前記長手方向の幅の26〜44%の位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項4】
前記傾斜部は、前記長手方向の長さが前記箱体の高さと同一となるように形成され、
前記用紙支持部は、前記長手方向の長さが前記箱体の高さの半分の長さとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項5】
前記係止部は、縦置きした際に前記取出口の前記長手方向の下側の端部に係止されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項6】
前記係止部は、前記取出口を覆うフィルムに挿通されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄葉紙収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層され、或いはロール状に巻回された家庭用薄葉紙を内部に収容し、上面部などに設けられた開口部から内部に収容された家庭用薄葉紙を取り出して使用する家庭用薄葉紙収納箱が知られている。
上記の家庭用薄葉紙収納箱は、机上に置いて使用する他、壁に掛けて使用する等、様々な方法で使用されている。
【0003】
例えば、横置きや縦置き等がされた場合であっても、引き出された家庭用薄葉紙がカートン内部に落ち込むことを効果的に防止することが可能な家庭用薄葉紙収納箱が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、市販の家庭用薄葉紙収納箱のサイズのばらつきを幾らでも許容できて、しっかりと保持可能な家庭用薄葉紙収納箱ホルダーが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、底面(背面)部分に、フックに掛けたり紐等を通したりして位置を固定するためのタブを形成可能とした家庭用薄葉紙収納箱が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−297079号公報
【特許文献2】特開2006−198379号公報
【特許文献3】特開2005−219809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の家庭用薄葉紙収納箱は、壁掛けするための機能を有していないため、壁掛けして使用することができない。上記特許文献2記載の家庭用薄葉紙収納箱ホルダーやマグネットバーなどを背面に取り付けることで壁掛けすることは可能となるが、コストが余計に掛かるという問題がある。
また、上記特許文献3の家庭用薄葉紙収納箱は、背面にタブを形成することで壁掛けすることは可能となるが、内部に収容された家庭用薄葉紙が残り少なくなった際に、残りの家庭用薄葉紙がカートンの下部へと落ち込んでしまい、取り出し性が悪化するという問題がある。また、家庭用薄葉紙を取り出す毎に、タブの付け根部分に負荷が掛かるため、使い切るまでに破損して壁掛けできなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、壁掛けして使用する場合であっても、使い切るまで取り出し性を確保することが可能な家庭用薄葉紙収納箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
上面部、底面部、一対の側面部及び一対の妻面部により区画された箱体により構成され、当該箱体の内部空間に家庭用薄葉紙を収納して前記上面部に設けられた取出口から当該家庭用薄葉紙を取り出し可能な家庭用薄葉紙収納箱において、
前記底面部には、
縦置きした際に、短手方向中央に頂点部が形成されたフック孔と、
縦置きした際に、前記家庭用薄葉紙の下端部の位置を下側の前記妻面部の内面位置よりも上側に位置するように前記家庭用薄葉紙を支持する押上げ部と、
が設けられ
前記押上げ部は、
前記底面部に設けられ、縦置きした際に上側となる一辺を除いて外周がミシン目により形成され、
前記ミシン目が破断され、前記押上げ部の上側の一辺が折り曲げられて傾斜した状態で配置される傾斜部と、
前記傾斜部から折り曲げられて前記妻面部と略水平な状態で配置される用紙支持部と、
前記用紙支持部の先端に設けられ、前記取出口を挿通して当該取出口の縁部に係止される係止部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
上面部、底面部、一対の側面部及び一対の妻面部により区画された箱体により構成され、当該箱体の内部空間に家庭用薄葉紙を収納して前記上面部に設けられた取出口から当該家庭用薄葉紙を取り出し可能な家庭用薄葉紙収納箱において、
前記底面部には
縦置きした際に、短手方向中央に頂点部が形成されたフック孔と、
縦置きした際に、前記家庭用薄葉紙の下端部の位置を下側の前記妻面部の内面位置よりも上側に位置するように前記家庭用薄葉紙を支持する押上げ部と、
が設けられ、
前記押上げ部は、
前記底面部及び縦置きした際に下側となる前記妻面部に設けられ、縦置きした際に上側となる一辺を除いて外周がミシン目により形成され、
前記ミシン目が破断され、前記押上げ部の上側の一辺が折り曲げられて傾斜した状態で配置される第1傾斜部と、
前記第1傾斜部から上方に折り曲げられて前記取出口に近づく方向に傾斜した状態で配置される第2傾斜部と、
前記第2傾斜部の先端に設けられ、前記取出口を挿通して当該取出口の縁部に係止される係止部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記フック孔は、前記底面部の長手方向の一端部から前記長手方向の幅の26〜44%の位置に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記傾斜部は、前記長手方向の長さが前記箱体の高さと同一となるように形成され、
前記用紙支持部は、前記長手方向の長さが前記箱体の高さの半分の長さとなるように形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記係止部は、縦置きした際に前記取出口の前記長手方向の下側の端部に係止されることを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記係止部は、前記取出口を覆うフィルムに挿通されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、フックとの接触部分に掛かる負荷を軽減することができるので、使い切るまで壁掛けして使用することができる。また、壁掛けして使用する場合であっても、家庭用薄葉紙の落ち込みを防止することができるので、取り出し性を確保することができる。
また、取出口の下端部の高さに妻面部と略水平な用紙支持部が配置されるので、家庭用薄葉紙が押上げ部と取出口の下端部との間で詰まることなく、最後まで取り出し性を確保することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、フックとの接触部分に掛かる負荷を軽減することができるので、使い切るまで壁掛けして使用することができる。また、壁掛けして使用する場合であっても、家庭用薄葉紙の落ち込みを防止することができるので、取り出し性を確保することができる。
また、家庭用薄葉紙収納箱の高さが高く取出口が幅狭である場合であっても、家庭用薄葉紙を収容している側の内部空間を広く保つことができるので、家庭用薄葉紙の取り出し性を十分に確保することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、フックとの接触部分が破損したり、フックとの接触部分を中心として傾いたり回転したりすることを防止することができるので、使い切るまでより確実に取り出し性を確保することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、残り半分以下となった家庭用薄葉紙を所定位置よりも上側に位置するように支持することができるので、使用者が取り出しにくさを感じ始めるタイミングに合わせて取り出し性を確保することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、取出口の幅を最大限確保することができるので、取出し性の悪化を抑制することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、容易に押上げ部を位置決めすることができるので、簡易な作業で取り出し性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係るティシューカートンの一例を示す斜視図である。
図2】ティシューカートンの箱体を展開した表面の展開図である。
図3】ティシューカートンの箱体を展開した裏面の展開図である。
図4】ティシューカートンの箱体を成形した側面の図である。
図5】フック孔部及び押上げ部を押し込んだティシューカートンの一例を示す斜視図である。
図6】フック孔部及び押上げ部を押し込んだティシューカートンの一例を示す側面断面図である。
図7】実使用時のティシューカートンの振れ幅を示す側面図である。
図8】押上げ部を押し込む前のティシューカートンの一変形例を示す斜視図である。
図9】フック孔部及び押上げ部を押し込んだティシューカートンの一変形例を示す斜視図である。
図10】フック孔部及び押上げ部を押し込んだティシューカートンの一変形例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る家庭用薄葉紙収納箱について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本発明の実施の形態では、家庭用薄葉紙収納箱として、家庭用薄葉紙としてのティシューペーパーを収納する、ティシューカートンを例示して説明を行う。
【0023】
本実施形態に係るティシューカートン1は、例えば、図1図4に示すように、上面部2、底面部3、一対の側面部4,4、及び、一対の妻面部5,5により区画された箱体により構成されている。このティシューカートン1は、図2及び図3に示す紙製のカートンブランク1aを折り曲げることにより形成されるものである。このティシューカートン1の内部空間には、積層されたティシューペーパーTが収納されており、上面部2に形成された取出口2aからティシューペーパーTを外部へ取り出すことができるようになっている。なお、カートンブランク1aは、紙製に限らず、樹脂によって形成されてもよい。
【0024】
ここで、「箱体」とは、ティシューペーパーTを収納し得る内部空間が形成される形状のものであり、例えば、直方体状、立方体状等の六面体状のものを挙げることができる。例えば、図1は、ティシューカートン1を直方体状に構成した例である。
六面体の形状では、上面部2と底面部3、一対の側面部4,4及び一対の妻面部5,5がそれぞれ対向するように平行に配置される。なお、これらの形状において、二つの面の稜線部分を面取りしたもの等も「箱体」に含まれるものとする。
【0025】
上面部2には、図3に示すように、取出口2aを覆うように裏面側からスリット8aを有する樹脂製のフィルム8が貼着されている。フィルム8は、上面部2裏面の取出口2a周囲に塗布された接着剤8bにより、スリット8aが取出口2aに臨むように上面部2に対して貼着される。そして、ティシューペーパーTは、このスリット8aを通して外部に取り出されることとなる。なお、フィルム8の材質は、ポリエチレンやポリプロピレンが採用されるが、これらに限定されない。また、取出口2aは、上面部2に設けられたミシン目を切って、上面部2の一部を切り取ることにより形成される。
【0026】
また、図2及び図3に示すように、上面部2、底面部3及び側面部4,4は、それぞれ略長方形状に形成され、折り曲げ可能に連接されている。そして、底面部3の長手端縁には、側面部4の長手端縁と連結するための台形状の糊代部3aが折曲線3bにて折り曲げ可能に連接されている。このように形成されたカートンブランク1aは、上面部2、底面部3及び側面部4,4をそれぞれ折曲するとともに、糊代部3aを折曲して底面部3と連接していない側の側面部4の裏面の長手端縁に糊付けして底面部3と側面部4とを連結することにより、筒状に形成される。
【0027】
また、上面部2、底面部3及び一対の側面部4,4の両側端縁から、それぞれ上面側フラップ5b、底面側フラップ5a、側面側フラップ5cが延出され、それぞれ折曲部13,14,15にて内側に折り曲げ可能に連接されている。そして、上面側フラップ5b、底面側フラップ5a及び一対の側面側フラップ5cが重畳するように取り付けられることにより、図1及び図4に示されるような妻面部5が形成されるようになっている。
【0028】
また、底面部3には、図2及び図3に示すように、本実施形態に係るティシューカートン1を壁掛けする際、壁に取り付けられたフックに掛けるためのフック孔部31が形成されている。フック孔部31は、壁掛け(縦置き)される際に円弧部分が上を向くように略半円形状に形成され、円弧部分がミシン目により形成されている。フック孔部31は、指などによってティシューカートン1の内部空間の方向に圧力がかかると、ミシン目により形成された円弧部分が破断され、底面部3にフック孔32(図5及び図6参照)が形成される。本実施形態に係るティシューカートン1は、壁掛けされる際、フック孔32の上端の位置でフックF(図7(A)参照)に固定される。
【0029】
また、フック孔部31は、図2図3及び図7(A)に示すように、底面部3の短手方向略中央に頂点部が形成された形状であって、長手方向の一端部(縦置きする際の上端部)からフック孔部31の頂点部が長手方向の幅の26〜44%の位置に形成されることが好ましく、特に、30〜40%の位置(例えば、長手方向の幅が229mmの場合、一端部から70〜90mmの位置)に形成されることがより好ましい。
【0030】
表1に長手方向の一端部からの距離と使用結果との関係を示す。なお、表1は、カートン原紙米坪が250〜300g/m、長手方向の幅が229mm、短手方向の幅が115mm、高さが45mmの320枚(160組)入りのティシューカートン1において、長手方向の一端部からフック孔部31の頂点部の位置を変更した各ティシューカートン1よりティシューペーパーTを10組連続して取り出し、使用した結果を示している。
表1の評価におけるフックFは、オート製マグネットフック型番OM−14M(フック部材質ステンレス)(寸法:幅40mm、高さ75mm)を使用した。
【表1】
【0031】
[壁掛けしたティシューカートン1の使用結果についての評価]
◎;問題なく使用可能
○;若干の問題はあるが使用続行に支障なし
△;使用可能であるが使用続行に支障あり
の三段階で評価した。
表1に示すように、長手方向の一端部からの距離が60mm未満(即ち、長手方向の幅の26%未満の位置)では、使用可能ではあるものの使用を続行することに支障が生じた。これは、図7(B)に示すように、フック孔部31を長手方向の幅の26%の位置よりも一端部側に形成した場合、本実施形態である図7(A)に示す例と比較して、ティシューペーパーTを取り出す際の取り出し方向(ティシューカートン1の高さ方向)の振れ幅h5が実施形態の振れ幅h4よりも相対的に大きくなるため、フックFとの接触部分の負荷が大きくなり、破損が生じるからである。
また、長手方向の一端部からの距離が60mm以上70mm未満(即ち、長手方向の幅の26〜30%の位置)では、軽微な破損等の若干の問題は発生したが使用を続行することに支障は生じなかった。
また、長手方向の一端部からの距離が70mm以上90mm未満(即ち、長手方向の幅の30〜40%の位置)では、問題なく使用することができた。
また、長手方向の一端部からの距離が90mm以上100mm以内(即ち、長手方向の幅の40〜44%の位置)では、軽微な傾きや回転等の若干の問題は発生したが使用を続行することに支障は生じなかった。
一方、長手方向の一端部からの距離が100mmを超える距離(即ち、長手方向の幅の44%を超える位置)では、使用可能ではあるものの使用を続行することに支障が生じた。これは、フック孔部31を長手方向の幅の44%の位置よりも他端部(縦置きする際の下端部)側に形成した場合、フック孔32が重心に近づきすぎるため、短手方向の安定性が悪化して、ティシューペーパーTを取り出す際にフックFとの接触部分を中心として傾いたり回転したりするからである。
従って、フック孔部31は、長手方向の一端部から長手方向の幅の26%の位置から44%の位置の間に形成されることが好ましく、特に、長手方向の一端部から長手方向の幅の30〜40%の位置に形成されることがより好ましい。
【0032】
また、底面部3には、壁掛けして使用する際、残り少なくなったティシューペーパーTを所定位置(取出口2aの下端部)よりも上側に位置するように支持することで、下部への落ち込みを防止する押上げ部33が形成されている。押上げ部33は、一端部(上端部)を除いて外周がミシン目により形成されている。押上げ部33は、図5及び図6に示すように、指などによってティシューカートン1の内部空間の方向に圧力がかかると、ミシン目により形成された部分が破断され、上端部を支軸として内部空間方向に回動する。押上げ部33は、上端部が折り曲げられて傾斜した状態で配置される傾斜部34と、傾斜部34から折り曲げられて妻面部5と略水平な状態で配置される用紙支持部35と、用紙支持部35の先端に設けられ、取出口2aを挿通して当該取出口2aの近傍に係止される係止部36と、を備えて構成されている。
【0033】
傾斜部34の長さh1は、ティシューカートン1の高さh2と同一となるように形成されている。
用紙支持部35の長さh3は、ティシューカートン1の高さh2の半分となるように形成されている。これにより、残り半分までのティシューペーパーTを支持することができる。
上記の条件で、図6に示すように、傾斜部34と用紙支持部35との境界(折り目)を取出口2aの下端部の位置と同じ高さとなるように配置することで、用紙支持部35の先端部(係止部36)が取出口2aの下端部の位置と合致する。従って、係止部36を、取出口2aを覆うフィルム8に挿通して係止させることができる。
【0034】
本実施形態に係るティシューカートン1は、工場出荷時には、積層された複数のティシューペーパーTを内部空間に収納し、各フラップを貼着して妻面部5を形成して内部空間を封緘することにより、側面部の強度を高め、ティシューカートン1の輸送や店頭での陳列時において、外部からの力によってティシューペーパーTがティシューカートン1より脱出することを防止している。
【0035】
次に、本実施形態に係るティシューカートン1の組立方法及び使用方法について説明する。
まず、カートンブランク1aは、上面部2、底面部3及び側面部4,4をそれぞれ折曲するとともに、糊代部3aを折曲して底面部3と連接していない側の側面部4の裏面の長手端縁に糊付けして底面部3と側面部4とを連結することにより、筒状の内部空間が形成される。これにより、上面部2、底面部3、及び一対の側面部4,4は、箱体を構成する。
次いで、積層された複数のティシューペーパーTを筒状の内部空間に収納する。
最後に、側面側フラップ5cを、対向配置される側面側フラップ5cの端部が対向するように、それぞれ内側に折曲し、次に、底面側フラップ5aを折曲して、側面側フラップ5cの外面側に設けられた接着部G1によって側面側フラップ5cに貼着する。そして、上面側フラップ5bの裏面(内側面)端部が底面側フラップ5aの外面端部に重畳するように、上面側フラップ5bを折曲し、底面側フラップ5aに対して取り付ける。ここで、上面側フラップ5bの裏面端部の所定部位には接着部G2,G3が設けられており、上面側フラップ5bが底面側フラップ5aに対して貼着される。このようにして、上面側フラップ5b、底面側フラップ5a及び一対の側面側フラップ5cを重畳するように取り付けることにより、妻面部5を形成して、内部空間を封緘する。
【0036】
上記の方法により組み立てられたティシューカートン1は、底面部3に形成されたフック孔部31が内部空間の方向に押し込まれることでフック孔32が形成され、そのフック孔32を壁に取り付けられたフックFに掛けることで、縦置きして使用可能となる。
縦置きされた状態でティシューペーパーTが引き出されて、残りのティシューペーパーTが少なくなった場合(例えば、50%以下となった場合)は、底面部3に形成された押上げ部33を内部空間の方向に押し込んで、最先端に位置する係止部36を、取出口2aを覆うフィルム8の下端部に係止させる。残りのティシューペーパーTは、押上げ部33の用紙支持部35に支持されて、下部への落ち込みが抑制される。
【0037】
以上のように、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、底面部3には、縦置きした際に、短手方向中央に頂点部が形成されたフック孔32と、縦置きした際に、家庭用薄葉紙(ティシューペーパーT)の下端部の位置を下側の妻面部5の内面位置よりも上側に位置するように家庭用薄葉紙を支持する押上げ部33と、が設けられている。
従って、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、フックFとの接触部分に掛かる負荷を軽減することができるので、使い切るまで壁掛けして使用することができる。また、壁掛けして使用する場合であっても、ティシューペーパーTの落ち込みを防止することができるので、取り出し性を確保することができる。
【0038】
また、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、フック孔32は、底面部3の長手方向の一端部から長手方向の幅の26〜44%の位置に形成されているので、フックFとの接触部分が破損したり、フックFとの接触部分を中心として傾いたり回転したりすることを防止することができ、使い切るまでより確実に取り出し性を確保することができる。
【0039】
また、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、押上げ部33は、底面部3に設けられたミシン目を破断することにより形成され、底面部3の長手方向の一端部が折り曲げられて傾斜した状態で配置される傾斜部34と、傾斜部34から折り曲げられて妻面部5と略水平な状態で配置される用紙支持部35と、用紙支持部35の先端に設けられ、取出口2aを挿通して当該取出口2aの近傍に係止される係止部36と、を備える。
従って、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、取出口2aの下端部の高さに妻面部5と略水平な用紙支持部35が配置されるので、ティシューペーパーTが押上げ部33と取出口2aの下端部との間で詰まることなく、最後まで取り出し性を確保することができる。
【0040】
また、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、傾斜部34は、長手方向の長さが箱体の高さと同一となるように形成され、用紙支持部35は、長手方向の長さが箱体の高さの半分の長さとなるように形成されている。
従って、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、残り半分以下となった家庭用薄葉紙を所定位置よりも上側に位置するように支持することができるので、使用者が取り出しにくさを感じ始めるタイミングに合わせて取り出し性を確保することができる。
【0041】
また、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、係止部36は、取出口2aの長手方向の他端部近傍に係止されるので、取出口2aの幅を最大限確保することができ、取り出し性の悪化を抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るティシューカートン1によれば、係止部36は、取出口2aを覆うフィルム8に係止されるので、容易に押上げ部33を位置決めすることができ、簡易な作業で取り出し性を確保することができる。
【0043】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0044】
(変形例)
例えば、図8図10に示すティシューカートン1Aは、実施形態に係るティシューカートン1と比べ、取出口2bの形状(大きさ)及び押上げ部33Aの構成(配置)が異なっている。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0045】
変形例に係るティシューカートン1Aの内部空間には、積層された保湿ティシューペーパーWTが収納されている。一般に、保湿ティシューペーパーWTや高級ティシューペーパーを収納するティシューカートン1Aは、その高さが高くなるように形成される。
そこで、変形例に係るティシューカートン1Aの取出口2bは、実施形態に係るティシューカートン1の取出口2a(図6参照)と比べ、幅狭に形成されている。即ち、変形例の取出口2bの下端部は、実施形態の取出口2aの下端部と比べ、上方の位置に形成されている。変形例に係るティシューカートン1Aは、取出口2bを幅狭に形成することで、高さが高いティシューカートン1Aに収納された保湿ティシューペーパーWTを取り出す際の取り出し性を確保することができるようになっている。
【0046】
ここで、変形例に係るティシューカートン1Aのように、取出口2bが幅狭に形成されている場合、実施形態の押上げ部33の構成では、保湿ティシューペーパーWTを収容している側の内部空間が狭くなるという課題が生じる。
そこで、変形例に係るティシューカートン1Aでは、保湿ティシューペーパーWTを収容している側の内部空間を広く保つべく、実施形態の押上げ部33とは異なる構成を備えるようにしている。
【0047】
具体的には、変形例に係るティシューカートン1Aの底面部3及び下側の妻面部5には、壁掛けして使用する際、残り少なくなった保湿ティシューペーパーWTを所定位置(取出口2bの下端部と下側の妻面部5の内面位置との間の位置)に位置するように支持することで、保湿ティシューペーパーWTを収容している側の内部空間を広く保ちつつ下部への落ち込みを防止する押上げ部33Aが形成されている。押上げ部33Aは、一端部(上端部)を除いて外周がミシン目により形成されている。押上げ部33Aは、図9及び図10に示すように、指などによってティシューカートン1Aの内部空間の方向に圧力がかかると、ミシン目により形成された部分が破断され、上端部を支軸として内部空間方向に回動する。押上げ部33Aは、上端部が内部空間方向に折り曲げられて傾斜した状態で配置される第1傾斜部34Aと、第1傾斜部34Aから上方に折り曲げられて取出口2bの方向に傾斜した状態で配置される第2傾斜部35Aと、第2傾斜部35Aの先端に設けられ、取出口2bを挿通して当該取出口2bの近傍に係止される係止部36Aと、を備えて構成されている。
【0048】
第1傾斜部34Aは、底面部3に形成され、第2傾斜部35A及び係止部36Aは、下側の妻面部5に形成される。即ち、第1傾斜部34A及び第2傾斜部35Aの連接部分は、図8に示すように、底面部3及び下側の妻面部5の連接部分と一致する。
ここで、第1傾斜部34A及び第2傾斜部35Aは、互いの連接部分以外の部分においても、自由に折り曲げることができる。従って、例えば、保湿ティシューペーパーWTの残り枚数に応じて第1傾斜部34A及び第2傾斜部35Aを臨機応変に折り曲げることで、より確実に保湿ティシューペーパーWTの取り出し性を確保することができる。
なお、第1傾斜部34A及び第2傾斜部35Aの連接部分は、上記例に限定されるものではなく、底面部3及び下側の妻面部5の連接部分以外の箇所に形成するようにしてもよい。
【0049】
以上のように、変形例に係るティシューカートン1Aによれば、押上げ部33Aは、底面部3及び下側の妻面部5に設けられたミシン目を破断することにより形成され、底面部3の長手方向の一端部が折り曲げられて傾斜した状態で配置される第1傾斜部34Aと、第1傾斜部34Aから上方に折り曲げられて取出口2bの方向に傾斜した状態で配置される第2傾斜部35Aと、第2傾斜部35Aの先端に設けられ、取出口2bを挿通して当該取出口2bの近傍に係止される係止部36Aと、を備える。
従って、変形例に係るティシューカートン1Aによれば、保湿ティシューペーパーWTを所定位置(取出口2bの下端部と下側の妻面部5の内面位置との間の位置)に位置するように支持することができるので、ティシューカートン1Aの高さが高く取出口2bが幅狭である場合であっても、保湿ティシューペーパーWTを収容している側の内部空間を広く保つことができ、保湿ティシューペーパーWTの取り出し性を十分に確保することができる。
【0050】
(その他の変形例)
例えば、上記実施形態では、フック孔32を、底面部3の長手方向の一端部から長手方向の幅の26〜44%の位置に形成するようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、長手方向の幅の26〜44%の位置の範囲外であってもその近傍であれば、十分な効果を得ることができる。
【0051】
また、上記実施形態では、押上げ部33が、傾斜部34と、用紙支持部35と、係止部36と、を備える構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、ティシューペーパーTの下端部の位置を所定位置(下側の妻面部5の内面位置)よりも上側に位置するように支持可能な構成であれば、いかなる構成であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、傾斜部34を、長手方向の長さが箱体の高さと同一となるように形成し、用紙支持部35を、長手方向の長さが箱体の高さの半分の長さとなるように形成するようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、ティシューペーパーTを所定位置よりも上側に位置するように支持可能であれば、傾斜部34と用紙支持部35の長さの比はいかなる比であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、係止部36を、取出口2aの長手方向の他端部近傍に係止させるようにしているが、これに限定されるものではない。即ち、係止させる位置が他端部近傍から大きく離れない位置であれば、十分な効果を得ることができる。
【0054】
また、上記実施形態では、フック孔部31を略半円形状に形成するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、縦置きした際に、底面部3の短手方向中央に頂点部を有する形状であれば、いかなる形状に形成するようにしてもよい。ここで、頂点部には、多角形の頂点の他、半円等の上端、即ち、底面部3の上端部から最も近い位置が含まれるものとする。
【0055】
また、上記実施形態では、フック孔部31を押し開けてフック孔32を形成する構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、初めからフック孔32が空いている構成としてもよい。ここで、フック孔には、フック孔部31を押し開けて形成されるものと初めから形成されるものとが双方とも含まれるものとする。
【0056】
その他、ティシューカートン1の細部構成に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
T ティシューペーパー(家庭用薄葉紙)
WT 保湿ティシューペーパー
1、1A ティシューカートン(家庭用薄葉紙収納箱)
1a カートンブランク
2 上面部
2a、2b 取出口
3 底面部
3a 糊代部
3b 折曲線
31 フック孔部
32 フック孔
33、33A 押上げ部
34 傾斜部
35 用紙支持部
36 係止部
34A 第1傾斜部
35A 第2傾斜部
36A 係止部
4 側面部
5 妻面部
5a 底面側フラップ
5b 上面側フラップ
5c 側面側フラップ
8 フィルム
8a スリット
8b 接着剤
G1,G2,G3 接着部
h1 傾斜部の長さ
h2 ティシューカートンの高さ
h3 用紙支持部の長さ
h4,h5 振れ幅
F フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10