(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6637894
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月29日
(54)【発明の名称】せん断誘発による皮膚注入
(51)【国際特許分類】
A61M 35/00 20060101AFI20200120BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20200120BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20200120BHJP
【FI】
A61M35/00
A61H23/02 360
A61H23/02 386
A45D34/04
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-544095(P2016-544095)
(86)(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公表番号】特表2017-501825(P2017-501825A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014063216
(87)【国際公開番号】WO2015102743
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2017年7月18日
(31)【優先権主張番号】14/145,179
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】グレッツ, ジョセフ, ダブリュー
【審査官】
佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−521438(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/064567(WO,A2)
【文献】
特表2001−505099(JP,A)
【文献】
特開2004−201718(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0124985(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 35/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚処置装置であって、せん断誘発ヘッドと、モータ駆動アセンブリとを有し、
前記せん断誘発ヘッドは、第1端部に隣接する第1摩擦面と、第2端部に隣接する第2摩擦面とを有し、前記第2端部は、幅が約0.003mm〜0.200mmのギャップが形成されるよう前記第1端部から一定距離だけ離間しており、
前記モータ駆動アセンブリは、前記せん断誘発ヘッドに振動運動を与え、前記第2摩擦面に対して前記第1摩擦面を振動させるよう構成され、
前記振動運動の周波数は約100Hz〜400Hzであり、
前記振動運動は角振動であり、その振幅は約0.1°〜3.4°であり、
前記第1摩擦面及び前記第2摩擦面の静止摩擦は0.5以上であり、
前記第1摩擦面と前記第2摩擦面の振動運動は、皮膚の角質層のみにおいてせん断を誘発する、皮膚処置装置。
【請求項2】
皮膚処置装置であって、せん断誘発ヘッドと、モータ駆動アセンブリとを有し、
前記せん断誘発ヘッドは、第1端部に隣接する第1摩擦面と、第2端部に隣接する第2摩擦面とを有し、前記第2端部は、幅が約0.003mm〜0.200mmのギャップが形成されるよう前記第1端部から一定距離だけ離間しており、
前記モータ駆動アセンブリは、前記せん断誘発ヘッドに振動運動を与え、前記第2摩擦面に対して前記第1摩擦面を振動させるよう構成され、
前記振動運動の周波数は約100Hz〜400Hzであり、
前記振動運動は直線振動であり、その振幅が約0.003mm〜0.200mmであり、
前記第1摩擦面及び前記第2摩擦面の静止摩擦は0.5以上であり、
前記第1摩擦面と前記第2摩擦面の振動運動は、皮膚の角質層のみにおいてせん断を誘発する、皮膚処置装置。
【請求項3】
前記第1摩擦面及び前記第2摩擦面が、摩擦増強手段を有している、請求項1又は請求項2に記載の皮膚処置装置。
【請求項4】
前記摩擦増強手段には、ローレット、シボ、及び表面加工のうちの1つが含まれる、請求項3に記載の皮膚処置装置。
【請求項5】
前記第1摩擦面が外側リングに設けられ、前記第2摩擦面が中央ディスクに設けられる、請求項1に記載の皮膚処理装置。
【請求項6】
前記中央ディスクの径が約1mm〜20mmである、請求項5に記載の皮膚処理装置。
【請求項7】
前記モータ駆動アセンブリが前記中央ディスクと接続される、請求項5に記載の皮膚処理装置。
【請求項8】
前記モータ駆動アセンブリが前記中央ディスク及び前記外側リングと接続され、これらに反対方向の振動を与える、請求項7に記載の皮膚処理装置。
【請求項9】
前記第1摩擦面及び前記第2摩擦面が、並列に配置される第1部材及び第2部材に設けられる、請求項1に記載の皮膚処理装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在のスキンケア処置方法は、典型的には、効果を得るため皮膚製剤の表皮への吸収又は浸透に関与する。しかしながら、表皮の最も外側の最も薄い層である角質層(SC:Stratum Corneum)は、自然のバリア機能として、その下層の生きた表皮細胞層の1000倍抵抗があると言われている。その結果、皮膚に与えられた皮膚製剤が所望する表皮の下層に到達しないことがよくある。
【0002】
活性物質が含まれた皮膚製剤の表皮への注入を補助するための現在の技術としては、マイクロニードル、電気泳動、超音波、皮膚切除/マイクロダーマブレージョン、及びケミカルピーリングがある。これらの方法はいずれも、すべての種類の液体に適するわけではなく、傷み、出血及び感染を伴う。
【0003】
しかしながら、現在のところ、下層の生きた組織に影響を与えず、好ましくは無痛・感染のない方法により、角質層を超えて皮膚製剤を注入する装置及び/又は方法は存在しない。
【発明の概要】
【0004】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する概念の簡略化した形態を紹介するために提供される。本概要は、特許請求する発明の要旨の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を決定する補助として使用することを意図するものでもない。
【0005】
本願の一態様に係る、皮膚処置装置が提供される。装置はせん断誘発ヘッドを有する。せん断誘発ヘッドは、第1端部に隣接する第1摩擦面と第2端部に隣接する第2摩擦面とを有し、第2端部は、幅が約0.003mm〜0.200mmのギャップが形成されるよう第1端部から一定距離だけ離間している。装置はまた、モータ駆動アセンブリを有する。モータ駆動アセンブリは、せん断誘発ヘッドに振動運動を与え、第2摩擦面に対して第1摩擦面が振動するよう構成される。
【0006】
本願の他の態様によれば、被処置者の皮膚にせん断力を与える方法が提供される。この方法は、選択された振幅と周波数で第2部材に対して振動する第1部材を備えたせん断誘発ヘッドを振動させることを備える。第1部材及び第2部材は一定距離離間するものであり、第1部材及び第2部材には第1グリップ面及び第2グリップ面がそれぞれ定められるものとされる。この方法はまた、せん断誘発ヘッドを被処置者の皮膚の領域に接触させることを備える。
【0007】
本願の他の態様によれば、被処置者の角質層を含む表皮の少なくとも一部に皮膚製剤を注入するための方法が提供される。この方法は、被処置者の皮膚の領域にせん断力を与えることによって皮膚のせん断領域を定めることと、皮膚のせん断領域に皮膚製剤を塗布することと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
上述の態様及び本願の技術的特徴に付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて参照することによって一層理解されるであろう。
【
図1】本願の態様に係る、皮膚処置装置の一例の斜視図である。
【
図2】
図1の皮膚処置装置のせん断誘発ヘッドの一例の拡大部分断面図である。
【
図3A】外側リングと中央ディスクの相対運動の例を示す図である。
【
図3B】外側リングと中央ディスクの相対運動の例を示す図である。
【
図3C】外側リングと中央ディスクの相対運動の例を示す図である。
【
図4】
図1の電動装置のいくつかの構成要素を示す機能ブロック図である。
【
図5】本願の態様に係る他のせん断誘発ヘッドの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願において開示される発明の主題の様々な実施形態の説明として、添付の図面を参照して、以下に詳細な説明を示す。図面において、同一の符号は同一の要素であることを意味する。なお、以下の説明は、唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。本願で説明する各実施形態は、実施例又は例示としてのみ提供され、他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。また、本明細書で提供される例示的な実施例は、網羅的であることを意図するものではなく、特許請求の範囲を開示された厳密な形態に限定するものでもない。
【0010】
以下の説明は、スキンケアに関連する処置手順及びそれと関連する装置の例を示す。本明細書に記載のいくつかの処置手順では、装置及び/又は方法は、1以上の活性物質を有する皮膚製剤を被処置者の皮膚へ吸収させる準備として用いられる。特に、以下の説明では、皮膚が皮膚製剤を角質層内へ浸透しやすくなるよう被処置者の皮膚を処置するための装置及び/又は方法の例を示す。以下でより詳細に説明するように、処置方法には、被処置者の皮膚の角質層(SC)の下の生きた層を傷つけることなく、角質層のみを引き離し、裂き、又は亀裂を生成するためにせん断力を与えることが含まれる。
【0011】
本願の実施形態には、少なくとも1つの面又は部分を備えた皮膚接触ヘッドを採用した装置及び方法が含まれ、この面又は部分は他の隣接面又は部分に対して移動可能となっている。いくつかの実施形態では、一方又は他方の面又は部分が、もう一方に対して移動可能である。他の実施形態では、両方の部分が互いに移動可能である。装置の移動部分は、湿った皮膚に用いられる場合も乾いた皮膚に用いられる場合も、角質層のみに裂け目又は亀裂を作る表面せん断領域を生成するために用いられる。
【0012】
以下の説明においては、多数の具体的な詳細が、本願の1つ又は複数の実施形態の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、当業者にとって、具体的な詳細の一部全てが記載されていなくとも、本願の多くの実施形態が実施可能であることは明らかである。いくつかの例において、周知の工程は、本願の様々な態様を不必要に曖昧にすることのないよう、詳細には記載していない。また、本発明の実施形態は、本明細書に記載の特徴と任意に組み合わせることができる。
【0013】
図1には、一般的な符号20として、本願の態様に係るスキンケア装置の一例が示されている。装置20は、電動器具22の端部に動作可能に取り付けられたせん断誘発ヘッド24を有する。いくつかの実施形態では、せん断誘発ヘッド24は、固定された外側リング32を有し、外側リング32は、回転可能な中央ディスク36の周囲を取り囲む。外側リング32の外径は、いくつかの実施形態では約20mm〜25mmかそれ以上であり、ある実施形態では、約10mmとされる。いくつかの実施形態では、円形のディスク36の外径は約1mmから20mmの間であり、ある実施形態では、4mm〜8mmかそれ以上である。いくつかの実施形態において、外側リング32及び中央ディスク36は鋼製とされるが、他の高剛性な生体適合性金属やプラスチックを用いることもできる。
【0014】
図2の拡大部分断面図に示すように、外側リング32の内周領域は、第1グリップ面40に隣接して配置された内縁42を有する。中央ディスク36の外周領域は、外縁48に隣接し且つ第1グリップ面40と同一平面上に配置された第2グリップ面46を有する。いくつかの実施形態では、第1グリップ面40及び/又は第2グリップ面46は約1mm〜10mmの幅を有し、また、ある実施形態では、約3mmの幅を有する。グリップ面40,46は、同じ幅である必要はない。外側リング32は中央ディスク36を取り囲み、対向する縁部42と縁部48の間に一定の円形ギャップ50を形成するようになっている。いくつかの実施形態では、
図2に符号Aとして示されるギャップの幅は、角質層の厚さと同じオーダーとされ、せん断ひずみを角質層のみに制限している。角質層の水分レベルの変化を考慮するため、いくつかの実施形態では、ギャップAの幅は約0.003mm〜0.200mmの間とされ、ある実施形態では、0.010mm〜0.015mmの間とされる。
【0015】
図1及び
図4に示すように、電動器具22はモータ駆動アセンブリ60を有しており、モータ駆動アセンブリ60は、回転方向の振動又は往復運動を中央ディスク36に与える。この点、モータ駆動アセンブリ60は、オン/オフボタン66(
図1参照)を有する駆動コントローラ64を介して電源に接続される。オン/オフボタン及び関連する回路は、電力を電源62からモータ駆動アセンブリ60に選択的に供給するよう構成・配置される。いくつかの実施形態では、電源62は充電池のような電力貯蔵源を有する。他の実施形態では、電源に接続された電源コードが「主」電源から電力を供給する。
【0016】
いくつかの実施形態では、モータ駆動アセンブリ60は外側リング32に対して中央ディスク36を振動させる。振動は、角度範囲、つまり振幅α(
図3A〜
図3C参照)が約0.1°〜3.4°かそれ以上とされ、周波数が、例えば10Hz〜400Hz(ある実施形態では、100Hz〜150Hz)とされる。モータ駆動アセンブリ60によって中央ディスク36に与えられる振動の振幅は、意図する処置及び/又は被処置者の皮膚の特性に依存して変更可能であることが理解されよう。いくつかの実施形態では、モータ駆動アセンブリ60は、電動回転駆動モータと、任意の回転機械を有し、これによって、運動機構を振動/往復させ、中央ディスク36に振動運動を与える。他の実施形態では、モータ駆動アセンブリ60は、中央ディスクと連結された電機子をバイブレーション等により振動させる電気モータを有する。
【0017】
上述の実施形態では、
図3Aに示すように、外側リング32が固定され、中央ディスク36が振動するよう回転可能な構成であったが、他の構成とすることも可能である。例えば、他の実施形態では、
図3Bに示すように、中央ディスク36が固定又は静止され、外側リング32が振動するよう回転可能な構成とすることも可能である。さらに別の実施形態では、
図3Cに示すように、外側リング32と中央ディスク36はその両方が、1つ以上の駆動モータを介して反対方向に回転振動する。本実施形態では、外側リングの動作は中央ディスクと位相がずれている。つまり、外側リングが反時計回りに移動する場合は中央ディスクは時計回りに移動し、その逆も同じである。
【0018】
本願の一態様に基づいて、外側リング32の内縁42に隣接するグリップ面40と、中央ディスク36の外縁48と隣接するグリップ面46に、
図3A〜
図3Cに示すように、摩擦増強手段であるシボ(texture)を設けても良い。摩擦を増加させるシボは、それぞれの表面と被処置者の皮膚との間の滑りを減少させ、皮膚の摩耗を軽減するために設けられる。
図2に示す実施形態では、それぞれの表面はローレット加工される。機械加工による表面粗さ加工や、例えばグリット分散コーティング(grit dispersed coating)等による、他の摩擦増強手段を利用することもできる。表面40,46と被処置者の皮膚との間のすべりを防止するための他の技術として、例えば表面と皮膚の間に真空を生成するようなことも可能である。本願のいくつかの実施形態では、グリップ面は皮膚に対して0.5以上の摩擦係数を有する。
【0019】
装置20により被処置者の皮膚を処置するための方法の一例について、
図1〜
図4を参照して以下に説明する。被処置者の皮膚は、乾燥していても湿っていても良い。まず、オン/オフボタンを押して、モータ駆動アセンブリ60により中央ディスク36を外側リング32に対して振動させる。なお、モータ駆動アセンブリ60が、中央ディスク36、外側リング32のいずれか、又はこれらの両方を振動させても良い。次に、装置20のせん断誘発ヘッド24を、被処置者の皮膚の選択された領域に接触するよう配置する。
【0020】
一度被処置者の皮膚と接触すると、隣接する表面40と表面46により、被処置者の皮膚の角質層(SC)のみを開くような非常に局所的なせん断力が生成される。縁部42と縁部48は、互いがすれ違うよう所定角度αだけスライドすると、せん断領域において皮膚を開口させるか又は引き離すための適切なせん断レベルが生成される。せん断レベルは、ギャップA、それぞれの運動の量α、及び表面40,46と被処置者の皮膚との間の静止摩擦力の関数である。その結果、角質層の一部の層が開口し、所望のせん断領域内に亀裂を生成する。皮膚の引き離しについては、接着斑(デスモソーム)の破裂及び角質層の角質細胞の結合を参照することができる。
【0021】
せん断誘発ヘッド24は、被処置者の皮膚の1以上の領域を横断することができる。被処置者の皮膚の所望の領域の処置が終了したら、装置20を被処置者の皮膚から離し、装置の電源を切る。その後、皮膚製剤を被処置者の皮膚の処置領域に塗布する。
【0022】
皮膚製剤は「皮膚病用調合物」又は「化粧用調合物」とすることができる。調剤装置により調合され、アタッチメント/装置と共に使用可能な調合物は、以下のうちの1以上とすることができる:
痩身薬、湿潤剤又は保湿剤、アンチエイジング物質(特に、「抗しわ」物質)、抗酸化剤、脂肪再構成物質、微小循環に作用する物質、メカノトランスダクションチェーンに作用することが知られた生物学的活性物質、及び皮膚表面の吸引による変形を即座に修復しそれによって皮膚を一時的に滑らかにする伸張剤
また、限定されるわけではないが、皮膚用調合物である(a)エコナゾール及びその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、硝酸塩又はアンモニウム塩など)、(b)フラボン(例えば、フラボン、アピゲニン、クリシン、フラバノン、ケルセチンなど)、(c)レチノイン酸
【0023】
以上のように、様々な実施形態では、ヘッド部材32,36の一方又は両方の回転振動(すなわち、角振動)運動を用いるせん断誘発ヘッド24が使用される。ただし、本願の他の実施形態として、せん断誘発ヘッド24が、ヘッド部材(例えば、
図5に模式的に示すように、並列に配置された部材88及び部材90)の一方又は両方の直線的な振動、すなわち往復運動を利用する構成を用いても良い。この実施形態では、並列配置された部材88及び部材90は、第1グリップ面92及び第2グリップ面94を対応して有しており、それぞれの縁部96及び縁部98が隣接するようになっている。いくつかの実施形態では、第1グリップ面92及び第2グリップ面94は、約1mm〜5mmの幅を有する。縁部96及び縁部98は互いに対向し、一定の幅のギャップAにより隔てられている。いくつかの実施形態では、モータ駆動アセンブリ60は第2グリップ面94に対して第1グリップ面92を、約0.003mm〜約0.200mmかそれ以上の距離Bだけ前後に振動させる。その周波数は、いくつかの実施形態では、10Hz〜400Hzとされ、ある実施形態では約100Hz〜150Hzとされる。当然のことながら、モータ駆動アセンブリ60により部材88と部材90の一方を往復運動させても良く、両方を往復運動させても良い。ヘッド24の実施形態はまた、交互に配置され、ギャップAだけ離間した複数の部材を含む。
【0024】
本願の開示の目的のため、本明細書中の「含む」、「備える」、「有する」との記載及びこれらの変形は、その後に列挙される項目及びその均等物だけでなく、追加の項目を包含させることを意図している。特に限定しないかぎり、本命細書中の「接続」、「結合」、「取り付け」との記載及びこれらの変形は、広義に用いられ、直接的及び間接的な接続、結合、取り付けを包含する。
【0025】
本願の原理、代表的な実施形態及び動作方法を上記の説明で述べた。しかしながら、保護を受けることを意図する本願の態様は、開示した特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載の実施形態は例示的とみなすべきであり、限定的に捉えるべきではない。本発明の精神から逸脱することなく、変形及び変更がなされうること、また、均等物が用いられることが理解されよう。したがって、そのような変形、変更及び均等物が、本発明の精神及び特許請求の範囲に含まれることが明確に意図される。