(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記案内部(330L、330R、334)は、前記レール部材(332)に対して前記第2姿勢をとる方向に付勢力を与える付勢部材(335)を有している、ことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成によれば、空になった苗トレイがトレイ搬送路の後端から前方へ押し出されてくると、苗トレイの左右両端を支えるレール部材が設けられていないので、前端が大きく垂れ下がり、収容ケースに既に収容されている苗トレイの育苗ポットの底面に当たり、苗トレイを前方に向けて押し出すため、収容ケースに収容された苗トレイが互いにずれて、きれいに整列させて積み上げることが出来ないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の作業車両のこの様な課題に鑑み、苗トレイを従来に比べてよりきれいに整列させて積み上げることが出来る作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、
第1の本発明は、
走行車体(2)と、
前記走行車体(2)の後部に連結され、ポット苗が配置された苗トレイ(50)から前記ポット苗を取り出して圃場に植え付ける植付装置(200)と、
前記走行車体(2)と前記植付装置(200)との間に配置された、前記圃場を整地する整地ロータ(100)と、
前記整地ロータ(100)を前記植付装置(200)に連結する連結部(110、240)と、
前記圃場に肥料を散布する施肥装置(40)と、
前記整地ロータ(100)を昇降させるための昇降駆動部(120)と、を備えた作業車両であって、
前記植付装置(200)は、
順次供給される前記苗トレイ(50)を、搬送路の上流側から下流側に向けて搬送する苗トレイ搬送装置(210)と、
前記搬送路の途中に設けられ、前記搬送されてくる前記苗トレイ(50)から前記ポット苗を取り出して前記圃場に植え付ける苗植付部(220)と、
前記苗植付部(220)で前記ポット苗が取り出され、前記搬送路の終端部から送り出されてくる前記苗トレイ(50)を順次回収する回収装置(300)と、を有し、
前記回収装置(300)は、
前記搬送路の前記終端部へやってきた前記苗トレイを前記終端部から前方へ案内し、前記案内されてきた前記苗トレイを所定のタイミングで落下可能に構成された案内部(330L、330R、334)と、
前記案内部(330L、330R、334)から落下してくる前記苗トレイを受け止めて収容する苗トレイ収容部(350)と、を有し、
前記整地ロータ(100)は、左右方向に一体的に構成されており、
前記苗トレイ収容部(350)は、前記整地ロータ(100)の上方に設けられており、
前記施肥装置(40)から散布される施肥量が規定値を超える場合、前記昇降駆動部(120)により前記整地ロータ(100)を下降させ、前記施肥装置(40)から散布される施肥量が前記規定値以下の場合、前記昇降駆動部(120)により前記整地ロータ(100)を上昇させることを特徴とする作業車両である。
第2の本発明は、
前記苗トレイは、複数の凹部が縦方向及び横方向に配列された平面視で長方形状の板状部材であって、
前記案内部(330L、330R、334)は、前記苗トレイの左右両端部を側面側及び下面側から支持すると共に前方へ案内するレール部材(332)と、前記レール部材(332)と連結され、前記レール部材を回動させる作用部材(334)と、を有し、
前記レール部材は、前記苗トレイを支持できる第1姿勢と、前記苗トレイを支持できない第2姿勢と、をとることができるものであり、
前記作用部材(334)は、前記苗トレイの左右両端部が当接している間は前記左右両端部の移動経路から退避する退避姿勢をとり、前記苗トレイの左右両端部が当接していない間は非退避姿勢をとるものであり、
前記作用部材(334)が前記退避姿勢をとっている間は前記レール部材(332)は前記第1姿勢をとり続け、前記作用部材(334)が前記非退避姿勢をとると前記レール部材(332)は前記第2姿勢をとることを特徴とする、第1の本発明の作業車両である。
第3の本発明は、
前記案内部(330L、330R、334)は、前記レール部材(332)に対して前記第2姿勢をとる方向に付勢力を与える付勢部材(335)を有している、ことを特徴とする第2の本発明の作業車両である。
また、本発明に関連する第1
の発明は、
走行車体(2)と、
前記走行車体(2)の後部に連結され、ポット苗が配置された苗トレイ(50)から前記ポット苗を取り出して圃場に植え付ける植付装置(200)と、を備えた作業車両であって、
前記植付装置(200)は、
順次供給される前記苗トレイ(50)を、搬送路の上流側から下流側に向けて搬送する苗トレイ搬送装置(210)と、
前記搬送路の途中に設けられ、前記搬送されてくる前記苗トレイ(50)から前記ポット苗を取り出して前記圃場に植え付ける苗植付部(220)と、
前記苗植付部(220)で前記ポット苗が取り出され、前記搬送路の終端部から送り出されてくる前記苗トレイ(50)を順次回収する回収装置(300)と、を有し、
前記回収装置(300)は、
前記搬送路の前記終端部へやってきた前記苗トレイを前記終端部から前方へ案内し、前記案内されてきた前記苗トレイを所定のタイミングで落下可能に構成された案内部(330L、330R、334)と、
前記案内部(330L、330R、334)から落下してくる前記苗トレイを受け止めて収容する苗トレイ収容部(350)と、を有する、ことを特徴とする作業車両である。
【0008】
また、
本発明に関連する第2
の発明は、
前記苗トレイは、複数の凹部が縦方向及び横方向に配列された平面視で長方形状の板状部材であって、
前記案内部(330L、330R、334)は、前記苗トレイの左右両端部を側面側及び下面側から支持すると共に前方へ案内するレール部材(332)と、前記レール部材(332)と連結され、前記レール部材を回動させる作用部材(334)と、を有し、
前記レール部材は、前記苗トレイを支持できる第1姿勢と、前記苗トレイを支持できない第2姿勢と、をとることができるものであり、
前記作用部材(334)は、前記苗トレイの左右両端部が当接している間は前記左右両端部の移動経路から退避する退避姿勢をとり、前記苗トレイの左右両端部が当接していない間は非退避姿勢をとるものであり、
前記作用部材(334)が前記退避姿勢をとっている間は前記レール部材(332)は前記第1姿勢をとり続け、前記作用部材(334)が前記非退避姿勢をとると前記レール部材(332)は前記第2姿勢をとることを特徴とする、上記
本発明に関連する第1
の発明の作業車両である。
【0009】
また、
本発明に関連する第3
の発明は、
前記案内部(330L、330R、334)は、前記レール部材(332)に対して前記第2姿勢をとる方向に付勢力を与える付勢部材(335)を有している、ことを特徴とする上記
本発明に関連する第2
の発明の作業車両である。
【0010】
また、
本発明に関連する第4
の発明は、
前記走行車体(2)と前記植付装置(200)との間に配置された、前記圃場を整地する整地ロータ(100)と、
前記整地ロータ(100)を前記植付装置(200)に連結する連結部(110、240)と、
を備え、
前記整地ロータ(100)は、左右方向に一体的に構成されており、
前記苗トレイ収容部(350)は、前記整地ロータ(100)の上方に設けられていることを特徴とする、
本発明に関連する第1乃至
第3の何れか一つ
の発明の作業車両である。
【0011】
また、
本発明に関連する第5
の発明は、
前記圃場に肥料を散布する施肥装置(40)と、
前記整地ロータ(100)を昇降させるための昇降駆動部(120)と、を備え、
前記施肥装置(40)から散布される施肥量が規定値を超える場合、前記昇降駆動部(120)により前記整地ロータ(100)を下降させ、前記施肥装置(40)から散布される施肥量が前記規定値以下の場合、前記昇降駆動部(120)により前記整地ロータ(100)を上昇させる、ことを特徴とする上記
本発明に関連する第4
の発明の作業車両である。
【0012】
また、
本発明に関連する第6
の発明は、
前記整地ロータ(100)への駆動力は前記走行車体側から伝達される構成であり、
前記連結部(110、240)は、前記植付装置(200)の上下方向の動きを吸収するための上下動吸収機構(150、160、170)を有することを特徴とする、上記
本発明に関連する第4又は
第5
の発明の作業車両である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、苗トレイ(50)を従来に比べてよりきれいに整列させて積み上げることが出来る。
また、本発明に関連する第1
の発明によれば、苗トレイ(50)を従来に比べてよりきれいに整列させて積み上げることが出来る。
【0014】
また、案内部(330L、330R、334)を設けたことで、苗トレイの前端が従来に比べて垂れ下がりにくいため、苗トレイ収容部(350)に既に収容されている苗トレイを前方に押し出しにくいので、苗トレイ収容部からの苗トレイの落下を抑制できる。
【0015】
また、
本発明に関連する第2
の発明によれば、
本発明に関連する第1の発明の効果に加えて、作用部材(334)を設けたことにより、簡単な構成で、苗トレイ(50)を従来に比べてよりきれいに整列させて積み上げることが出来る。
【0016】
また、
本発明に関連する第3
の発明によれば、
本発明に関連する第2の発明の効果に加えて、レール部材(332)が第2姿勢をとる方向に付勢力を与える付勢部材(335)を設けたことにより、レール部材の第1姿勢から第2姿勢への変化がアシストされるので、例えば、レール部材の姿勢を変化させる際に回動する回動部に泥等が付着していても、回動動作が安定する。
【0017】
また、
本発明に関連する第4
の発明によれば、
本発明に関連する第1乃至
第3の発明の何れか一つの発明の効果に加えて、整地ロータ(100)を植付装置(200)に連結する連結部(110、240)を設けたことにより、整地ロータ(100)を植付装置側から支持し、また、整地ロータ(100)を左右方向に一体物にすることで、整地ロータ上方に空間ができ苗トレイ収容部(350)のトレイ収容容量を拡大することができるため、空の苗トレイを苗トレイ収容部から取り出す作業回数が減り、作業性が向上する。
【0018】
また、
本発明に関連する第5
の発明によれば、
本発明に関連する第4の発明の効果に加えて、施肥量が規定値を超える場合、整地ロータ(100)を下降させることにより、圃場内に肥料がより混ざり施肥精度が向上する。
【0019】
また、施肥量が規定値以下の場合、整地ロータ(100)を上昇させることにより、肥料の拡散を防ぐ。
【0020】
また、
本発明に関連する第6
の発明によれば、
本発明に関連する第4又は
第5の発明の効果に加えて、連結部に植付装置の上下方向の動きを吸収するための上下動吸収機構を設けることで、整地ロータに動力を伝達する伝達部材の左右方向の揺れを規制し縦方向の揺れを吸収することで伝達部材の破損を防止する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の作業車両の一実施の形態にかかる八条植え用の乗用田植機について説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態にかかる乗用田植機の側面図である。
【0024】
また、
図2は、
図1に示す本実施の形態の乗用田植機の平面図である。
【0025】
また、
図3は、
図1に示す本実施の形態の乗用田植機の後部の拡大側面図である。
【0026】
図1に示す通り、本実施の形態の乗用田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置30を介して植付装置200が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置40の本体部分が設けられている。
【0027】
乗用田植機1は、走行車体2に左右一対の前輪3と、左右一対の後輪4を備えた四輪駆動形態の作業車両である。
【0028】
また、エンジン5は、メインフレーム6の上に搭載されており、エンジン5の回転動力が、HST(静油圧式無段階変速機)等を介してトランスミッションケース7内の副変速機構(図示省略)等に伝達される。トランスミッションケース7内で変速された回転動力は、走行系等に用いる走行動力と、植付装置200等に用いる外部取出動力とに分離して出力される構成である。
【0029】
走行動力は、一部が左右一対の前輪ファイナルケース8に伝達されて前輪3を駆動し、残りが左右後輪ギヤケース9L、9Rに伝達されて後輪4を駆動する。また、左後輪ギヤケース9Lに伝達された回転動力は、その一部が、整地ロータ駆動軸101に伝達されて、後述する整地ロータ100を回動させる(
図3参照)。
【0030】
また、エンジン5の上部はエンジンカバー13で覆われており、そのエンジンカバー13の上に操縦席10が設置されている。操縦席10の前方には、前輪3を操向操作するステアリングハンドル11が設けられており、その前側は、フロントカバー12で覆われている。また、エンジンカバー13及びフロントカバー12の下端の左右両側は水平状のフロアステップ14が設けられており、苗トレイや肥料等の補給作業を行い易く構成されている。
【0031】
また、ステアリングハンドル11、及びフロントカバー12の左右両側には、多数枚の苗トレイ50を積載しておく補給用苗載枠15が配置されており、この補給用苗載枠15に予め載置しておいた苗トレイ50を、植付作業中に作業者が取出しながら、後部に連結された植付装置200の搬送路201の始端部(上流側)へ運んで順次補給することができる構成である。
【0032】
なお、搬送路201は、二条の植付条当たり一枚の苗トレイ50を順次搬送して、後述する苗植付部220毎にポット苗を供給して二条植えする構成である。そのため、八条植え用の乗用田植機1では、多条植付を実現するべく、搬送路201や苗植付部220等は、平面視で左右幅方向に4つずつ設けられている(
図2参照)。
【0033】
即ち、上述した植付装置200は、(1)順次供給される苗トレイ50を、搬送路201の上流側から下流側に向けて搬送する苗トレイ搬送装置210と、(2)搬送路201の途中に設けられ、搬送されてくる苗トレイ50からポット苗を取り出して圃場に植え付ける苗植付部220と、(3)苗植付部220でポット苗が取り出され、搬送路の終端部から送り出されてくる空状態の苗トレイ50を順次回収する回収装置300とを、二条の植付条毎に備えている。
【0034】
ここで、苗トレイ50の構成について、主として
図4(a)、
図4(b)を用いて説明する。
【0035】
図4(a)は、苗トレイ50の一部の底面図であり、
図4(b)は、苗トレイ50の一部を短辺側から見た側面図である。
【0036】
即ち、苗トレイ50は、
図4(a)、
図4(b)に示す様に、多数の育苗ポット51が縦横方向に配列されて形成された合成樹脂製の可撓性を有した、平面視で長方形状の板状部材であり、搬送路上において側面視で略U字状の湾曲が可能である(
図5参照)。
図5は、側面視で略U字状に湾曲した搬送路201に沿って搬送されている苗トレイ50の状態を示す概略側面図である。
【0037】
育苗ポット51は、
図4(a)の奥側に円形の開口部51aを有すると共に
図4(a)の手前側に底部51bが突き出した、内部にポット苗を育苗するための空間部を有するポット状の部材である。苗植付部220に設けられた、育苗ポット51内のポット苗を押し出すための押し出しピン(図示省略)が底部51b側から開口部51a側に向けて挿入可能となる様に、底部51bには、所定形状のスリット孔51b1が形成されている。
【0038】
ポット苗が育苗ポット51内で育苗された状態の苗トレイ50を、植付装置200の搬送路201へ供給することにより、植付作業が行われる。
【0039】
また、
図4(a)に示す通り、苗トレイ50の長手方向が搬送方向(
図4(a)の矢印A参照)に対応しており、苗トレイ50の短手方向の幅の左右両側縁部には、略正方形状の送り孔部52が、左右両側の長辺53L、53Rに沿って一定間隔で形成されている。
【0040】
上述した苗トレイ搬送装置210が有する繰出フック211(
図5参照)が送り孔部52に係合し、所定のタイミングで上下動する(
図5の矢印B参照)ことにより、苗トレイ50の搬送を、各育苗ポット51の横列ごとに間欠的に行わせる構成である。
【0041】
また、上述した苗植付部220は、苗トレイ50の横1列の各育苗ポット51に対して、各底部51b側から同時に挿入してポット苗を取り出すための押し出しピン(図示省略)と、押し出しピンにより押し出された横1列分のポット苗の内、右半分のポット苗を右方向に搬送すると共に、左半分のポット苗を左方向に搬送する苗送りベルト(図示省略)とを有し、苗送りベルトの左右両側の下方に回動可能に配置された植付爪221が回動することにより、苗送りベルトにより左右両側に搬送されてくる各ポット苗を圃場に順次植え付ける構成である。
【0042】
また、各苗植付部220の下方には、フロート230が設けられている(
図2参照)。これらフロート230が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に植付爪221により苗が植え付けられる。
【0043】
また、上述した回収装置300は、苗トレイ搬送装置210の上流側の搬送路201aの下方に配置されており(
図1、
図3参照)、下流側の搬送路210bの終端部から送り出されてくる空状態の苗トレイ50を順次回収する構成である(
図5参照)。回収装置300については、更に後述する。
【0044】
ここで、
図5を用いて、下流側の搬送路201bの構成について説明する。
【0045】
即ち、下流側の搬送路201bは、
図5に示す様に、搬送されてくる苗トレイ50をその開口部51a側の面と接触することにより支持する、苗トレイ50の左右幅の中央位置と左右両側近傍の3か所に配置された搬送支持バー212と、苗トレイ50の底部51b側の面の左右幅の中央位置において長手方向に亘り設けられたガイドバー挿入用スペース54(
図4(a)、
図4(b)参照)に挿入可能に配置された搬送ガイドバー213を備えている。
【0046】
搬送支持バー212と搬送ガイドバー213は、側面視で、所定の間隔を保った状態で概ね平行に配置されていると共に、苗トレイ50を回収装置300側に案内するために、回収装置300側に向けて前側斜め上方側に湾曲している。更に、搬送支持バー212の終端部212bは、上流側の搬送路201aに一端側が固定された回収装置支持ステー310(
図3、
図5参照)に固定されており、搬送ガイドバー213の終端部213bは、上流側の搬送路201aに一端側が固定された搬送ガイドバー支持ステー214(
図5参照)に固定されている。
【0047】
なお、本実施の形態の走行車体2は、本発明の走行車体の一例にあたる。また、本実施の形態の苗トレイ50は、本発明の苗トレイの一例にあたる。また、本実施の形態の植付装置200は、本発明の植付装置の一例にあたり、本実施の形態の苗トレイ搬送装置210は、本発明の苗トレイ搬送装置の一例にあたる。また、本実施の形態の苗植付部220は、本発明の苗植付部の一例にあたり、本実施の形態の回収装置300は、本発明の回収装置の一例にあたる。
【0048】
次に、下流側の搬送路201bの後端側に配置された回収装置300について、主として
図5〜
図8を用いて更に説明する。
【0049】
回収装置300は、
図5に示す様に、(1)下流側の搬送路201bの搬送支持バー212の終端部212bから送り出されてくる苗トレイ50の開口部51aと係合する多数の円錐形状突起321を円筒状ローラ部材の表面に配置し、繰出フック211の上下動のタイミングと同期して間欠的に回転駆動することで、空状態の苗トレイ50を回収装置300側に搬送する、回収装置支持ステー310の前側に回動可能に配置された搬送ローラ320と、(2)下流側の搬送路201bの搬送支持バー212の終端部212bへやってきた苗トレイを終端部212bから前方へ案内し、当該案内されてきた苗トレイ50を所定のタイミングで落下可能に構成された、長手方向に直行する方向の断面が略T字状の長板形状を成した左右一対の案内部材330L、330R(
図6(a)〜
図6(c)参照)と、(3)左右一対の案内部材330L、330Rの長板形状の長手方向の両端部の内、前側を回動可能に支持する左右一対の案内部材前側支持ステー341L、341Rと、(4)左右一対の案内部材330L、330Rの長板形状の長手方向の両端部の内、後側を回動可能に支持する左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rと、(5)左右一対の案内部材330L、330Rから落下してくる苗トレイを受け止めて収容する、断面が円形の線材で形成された苗トレイ収容籠350と、を備えている。
【0050】
なお、左右一対の案内部材前側支持ステー341L、341Rの上端部は、苗トレイ搬送装置210の上流側の搬送路201aの下面に固定されており、左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rは、回収装置支持ステー310(
図3、
図5参照)に固定されている。
【0051】
また、左右一対の案内部材330L、330Rのそれぞれは、長方形状の平板部材331に、長手方向に直行する方向の断面が略L字状のL字状レール部材332が溶接固定され、平板部材331の一方側の長辺端部に当該長辺の長さより長い、断面が円形状の棒状部材333が溶接固定されている(
図6(a)〜
図6(c)参照)。当該棒状部材333の両端部の内、前側の端部が案内部材前側支持ステー341L(341R)により回動可能に支持されており、また、後側の端部が案内部材後側支持ステー342L(342R)により回動可能に支持されている。
【0052】
また、上記L字状レール部材332は、断面が略L字状の部位の内、上記平板部材331に溶接固定された第1レール部332aと、第1レール部332aに対して直角に折り曲げられた第2レール部332bとを備えている(
図6(a)〜
図6(c)参照)。また、第2レール部332bの後端部には、側面視で、一旦、弧を描いて急峻に立ち下がった後、後方に向かうに従って緩やかカーブで立ち上がる湾曲状作用部材334が苗トレイ50の搬送路側に突き出す様に形成されている(
図6(a)〜
図6(c)参照)。
【0053】
左右一対の案内部材330L、330RのそれぞれのL字状レール部材332は、空状態の苗トレイ50を支持出来る第1姿勢と、空状態の苗トレイ50を支持出来ない第2姿勢とを、選択的にとることが出来る構成である。
【0054】
左右一対の案内部材330L、330RのそれぞれのL字状レール部材332が第1姿勢にあるとき、第1レール部332aが、苗トレイ50の開口部51a側の面の内の左右両側の長辺53L、53Rに沿った長辺端部53aを下方側から支持し、第2レール部332bが、苗トレイ50の開口部51a側の面の内の左右両側の長辺53L、53Rに沿った長辺端縁部53bを左右側方側から支持することで、苗トレイ50を前方へ案内する構成である。
【0055】
また、左右一対の案内部材330L、330RのそれぞれのL字状レール部材332の後端部と、左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rとは、トルクスプリング335を介して回動可能に連結されている。
【0056】
具体的には、トルクスプリング335の中央の孔部に棒状部材333の後ろ側の端部が挿入されていると共に、トルクスプリング335の前端部335aが平板部材331の後端部に固定され、且つ、トルクスプリング335の後端部335bが左の案内部材後側支持ステー342L(右の案内部材後側支持ステー342R)に固定されている。
【0057】
トルクスプリング335を設けたことにより、左右一対の案内部材330L、330RのそれぞれのL字状レール部材332は、後述する苗トレイ50からの押圧力により、第2姿勢から第1姿勢に移行させられると、L字状レール部材332に対して第1姿勢から第2姿勢に戻ろうとする回転トルク、即ち、L字状レール部材332に対して第1姿勢から第2姿勢に戻ろうとする付勢力が生じる構成である。
【0058】
なお、左右一対の案内部材330L、330RのそれぞれのL字状レール部材332は、苗トレイ50からの押圧力を受けていないときは、
図6(a)〜
図6(c)に示した第2姿勢を保持している。
【0059】
図6(a)は、左の案内部材330LのL字状レール部材332が第2姿勢をとっている状態を示す概略平面図であり、
図6(b)は、左の案内部材330LのL字状レール部材332が第2姿勢をとっている状態を示す概略左側面図であり、
図6(c)は、左の案内部材330LのL字状レール部材332が第2姿勢をとっている状態を示す概略背面図である。
【0060】
また、
図7(a)は、左の案内部材330LのL字状レール部材332が第1姿勢をとっている状態を示す概略平面図であり、
図7(b)は、左の案内部材330LのL字状レール部材332が第1姿勢をとっている状態を示す概略左側面図である。
【0061】
なお、本実施の形態の左右一対の案内部材330L、330Rと湾曲状作用部材334とを包括する構成は、本発明の案内部の一例にあたり、本実施の形態の苗トレイ収容籠350は、本発明の苗トレイ収容部の一例にあたる。
【0062】
また、本実施の形態のL字状レール部材332は、本発明のレール部材の一例にあたり、本実施の形態の湾曲状作用部材334は、本発明の作用部材の一例にあたる。また、本実施の形態のトルクスプリング335は、本発明の付勢部材の一例にあたる。
【0063】
また、本実施の形態のL字状レール部材332の第1姿勢は、本発明のレール部材の第1姿勢の一例にあたり、本実施の形態のL字状レール部材332の第2姿勢は、本発明のレール部材の第2姿勢の一例にあたる。
【0064】
次に、回収装置300の動作について、主として、
図5〜
図8を用いて説明する。
【0065】
図8(a)は、苗トレイ50の全体が左右一対の案内部材330L、330R側に搬送され、左右一対の案内部材330L、330RのそれぞれのL字状レール部材332が第1姿勢から第2姿勢に移行する直前の状態を示す概略平面図であり、
図8(b)は、
図8(a)に示す状態の概略左側面図であり、
図8(c)は、
図8(a)に示す状態の概略背面図である。
【0066】
繰出フック211(
図5参照)の上下動により苗トレイ50が下流側に搬送され、苗トレイ50の左右両側の先端部55が、搬送支持バー212の終端部212bに接近してくると、当該先端部55は、
図6(b)に示す様に、湾曲状作用部材334の後端下面334aに当接する。
【0067】
そして、苗トレイ50が更に下流側(
図6(a)、
図6(b)の矢印A方向参照)に押し出されることにより、湾曲状作用部材334は、矢印A方向に押圧されて、棒状部材333を回動軸として、矢印C方向(
図6(c)参照)に回動し始めると共に、第1レール部332a及び第2レール部332bも棒状部材333を回動軸として、矢印C方向(
図6(c)参照)に回動し始める。
【0068】
なお、
図6(a)〜
図6(c)は、苗トレイ50の左右両側の先端部55が湾曲状作用部材334に当接する直前の状態、即ち、第1レール部332a及び第2レール部332bが回動を開始する直前の状態を示しており、このときの湾曲状作用部材334は非退避姿勢をとっていると共に、第1レール部332a及び第2レール部332bは、第2姿勢をとっている。
【0069】
つまり、この第2姿勢での左右両側の第1レール部332aの平面部分は、概ね垂直状態にあり、苗トレイ50を下方から支持出来る姿勢ではない。
【0070】
その後、苗トレイ50が更に下流側に押し出されることにより、湾曲状作用部材334の緩やかなカーブを成した根元部分334bが、苗トレイ50の左右両端の育苗ポット51の外側面に常時当接する(
図7(a)、
図7(b)の矢印A方向参照)。この様に、常時当接することにより、湾曲状作用部材334は、上記と同様に、棒状部材333を回動軸として、矢印C方向(
図6(c)参照)に更に回動して退避姿勢(
図7(a)、
図7(b)参照)をとると共に、第1レール部332a及び第2レール部332bは、第2姿勢から第1姿勢に移行し、且つ、その第1姿勢を維持する。
【0071】
即ち、この第1姿勢での左右両側の第1レール部332aの平面部分は、第2姿勢の状態から、棒状部材333を回動中心として矢印C方向に概ね90°回動した状態にあり、苗トレイ50を下方から支持出来る姿勢を成し、且つ、その第1姿勢を維持する。
【0072】
そして、下流側の搬送路201bの搬送支持バー212の終端部212bから送り出されてきた苗トレイ50は、すでに第1姿勢をとっている左右一対のL字状レール部材332に向けて、搬送ローラ320(
図5参照)により間欠的に搬送される(
図7(a)、
図7(b)参照)。
【0073】
左右一対のL字状レール部材332は、第1姿勢をとっているので、第1レール部332aが、苗トレイ50の長辺端部53a(
図4(a)、
図4(b)、
図7(b)参照)を下方側から支持し、第2レール部332bが、苗トレイ50の長辺端縁部53b(
図4(a)、
図4(b)、
図7(a)参照)を左右側方側から支持することで、苗トレイ50を前方へ案内する。
【0074】
そして、苗トレイ50の全体が、左右一対の案内部材330L、330R側に搬送されると、苗トレイ50の左右両端の育苗ポット51の外側面と湾曲状作用部材334の緩やかなカーブを成した根元部分334b(
図7(a)参照)との当接状態が解除されるので、湾曲状作用部材334は、L字状レール部材332に第1姿勢を維持させることが出来なくなると共に、苗トレイ50の自重と、トルクスプリング335の上述した回転トルク(付勢力)との作用により、L字状レール部材332は、
図6(c)に示した矢印C方向とは逆方向に回動し、第1姿勢から第2姿勢に瞬時に移行する。
【0075】
これにより、空状態の苗トレイ50は、前端部から後端部に亘りほぼ同時に落下を開始し、苗トレイ収容籠350内に縦方向にきれいに整列する。
【0076】
即ち、上記構成により、苗トレイ50の前端部が従来に比べて垂れ下がりにくいため、苗トレイ収容籠350に既に収容されている苗トレイ50を前方に押し出しにくいので、苗トレイ収容籠350からの苗トレイ50の落下を抑制できる。
【0077】
また、苗トレイ収容籠350に既に収容されている苗トレイ50を前方に押し出しにくいので、苗トレイ収容籠350から苗トレイ50を取り出した後、互いに位置ずれした状態で積層された苗トレイ50の位置ずれを整えて、きれいに並べなおす必要が無い。
【0078】
また、L字状レール部材332が第2姿勢をとる方向に回転トルク(付勢力)を与えるトルクスプリング335を設けたことにより、L字状レール部材332の第1姿勢から第2姿勢への変化がアシストされるので、例えば、L字状レール部材332の姿勢を変化させる際に回動する回動部や、苗トレイ50に泥等が付着していても、回動動作が安定する。
【0079】
以上説明したことから明らかな様に、本実施の形態では、苗トレイ50の左右両端の育苗ポット51の外側面が、左右一対の湾曲状作用部材334に当接している間は、それぞれの湾曲状作用部材334は退避姿勢をとり(
図7(a)、
図7(b)参照)、苗トレイ50の左右両側の先端部55及び左右両端の育苗ポット51の外側面の何れの部位も、左右一対の湾曲状作用部材334に当接していない間は、それぞれの湾曲状作用部材334は、非退避姿勢をとる(
図6(a)〜
図6(c)参照)。そして、左右一対の湾曲状作用部材334が退避姿勢をとっている間は、左右一対のL字状レール部材332は第1姿勢をとり続け、左右一対の湾曲状作用部材334が非退避姿勢をとると、左右一対のL字状レール部材332は第2姿勢をとる。
【0080】
なお、本実施の形態の湾曲状作用部材334の退避姿勢は、本発明の作用部材の退避姿勢の一例にあたり、本実施の形態の湾曲状作用部材334の非退避姿勢は、本発明の作用部材の非退避姿勢の一例にあたる。
【0081】
次に、本実施の形態の乗用田植機1の整地ロータ100について説明する。
【0082】
即ち、本実施の形態の乗用田植機1では、
図2に示す通り、整地ロータ100を左右幅方向に亘り1列状態で一体物として構成さている。このため、従来の様に平面視で門型に分離した構成に比べて簡単な構成となり、且つ、整地出来ない箇所を低減することが出来る。
【0083】
また、本実施の形態の乗用田植機1では、
図3に示す通り、植付装置200の前側下部には、昇降リンク装置30の先端部を固定する連結ステー240が固定されている。また更に、整地ロータ100を上下揺動可能に支持する連結アーム110が連結ステー240に固定されている。
【0084】
この様に、整地ロータ100を植付装置200に連結することにより、整地ロータ100の上方に空間ができ苗トレイ収容籠350のトレイ収容容量を拡大することができるため、空状態の苗トレイ50を苗トレイ収容籠から取り出す作業回数が減り、作業性が向上する。
【0085】
なお、整地ロータ100を植付装置200に連結することにより、後輪4と植付装置200との間に空間ができので、植付装置200の連結位置を前方へ寄せる構成としても良く、この構成の場合、前後バランスが向上する。
【0086】
また、整地ロータ100を植付装置200に連結することにより、整地ロータ100が植付装置200と一緒に動くため、整地精度が向上する。
【0087】
また、本実施の形態の乗用田植機1では、
図3に示す様に、昇降リンク装置30の内のロワリンク31において、整地ロータ100の真上の位置に、整地ロータ100の高さを制御するための電動モータ120と、当該電動モータ120の回転駆動力を上下動に変換するための上下動ギヤ部材130とが設けられている。上下動ギヤ部材130は、略扇型形状を成し、扇型の要の位置に相当する位置に形成された回動軸131において、ロワリンク31に回動可能に連結されている。また、上下動ギヤ部材130は、円弧状の周縁部において、電動モータ120の回転駆動力が伝達されるギヤ部132が形成されている。
【0088】
また、上下動ギヤ部材130の回動軸131とギヤ部132との概ね中間位置と、整地ロータ100における、連結アーム110との連結位置より前側位置とが、上下動アーム140により回動可能に連結されている。なお、整地ロータ駆動軸101は、整地ロータ100が上下動できる様に連結されている。
【0089】
これにより、電動モータ120が一方向に回転することにより、上下動ギヤ部材130は、左側面視で、回動軸131を中心として時計周りに回動し、上下動アーム140が上方に移動することで、整地ロータ100が上昇する。また、電動モータ120が他方向に回転することにより、上下動ギヤ部材130は、左側面視で、回動軸131を中心として反時計周りに回動し、上下動アーム140が下方に移動することで、整地ロータ100が下降する。
【0090】
これにより、整地ロータ100の高さ制御が、整地ロータ100の真上で、整地ロータ100から近い位置に配置された電動モータ120及び上下動ギヤ部材130により行えるので、誤差が少なく高さ制御の精度が向上する。
【0091】
また、本実施の形態の乗用田植機1では、上述した施肥装置40から散布される施肥量が予め定めた規定値を超える場合、電動モータ120により整地ロータ100を下降させ、施肥装置40から散布される施肥量が上記規定値以下の場合、電動モータ120により整地ロータ100を上昇させる制御を行う構成である。
【0092】
これにより、施肥量が規定値を超える場合、整地ロータ100を下降させることにより、圃場内に肥料がより混ざり施肥精度が向上する。また、施肥量が規定値以下の場合、整地ロータ100を上昇させることにより、肥料の拡散を防止できる。
【0093】
また、本実施の形態の乗用田植機1では、後輪4に車速を検知する回転センサ(図示省略)と、昇降リンク装置30の昇降感度を調節する油圧感度調節機構(図示省略)と、を備えている。
【0094】
これにより、回転センサが、予め定められた規定値を超える後輪4の回転を検知した場合、電動モータ120を駆動させて整地ロータ100を上昇させる制御が行われ、また、回転センサが、予め定められた規定値以下となる後輪4の回転を検知した場合、電動モータ120を制御し整地ロータ100を下降させる又は上昇させない制御が行われる。
【0095】
この制御により、車速に応じて整地ロータ100の高さ制御が連動するため、車速が速くなっても整地ロータ100の沈み込みが防止できて、整地性が向上すると共に、施肥精度が向上する。
【0096】
また、本実施の形態の乗用田植機1では、回転センサが、予め定められた規定値を超える後輪4の回転を検知した場合、油圧感度調節機構の感度を鈍感にし、電動モータ120を駆動させて整地ロータ100を上昇させる制御が行われ、また、回転センサが、予め定められた規定値以下となる後輪4の回転を検知した場合、油圧感度調節機構の感度を敏感にし、電動モータ120を制御し整地ロータ100を下降させる又は上昇させない制御が行われる。
【0097】
なお、上述した車速と整地ロータ100の高さとの連動制御と、上記段落の車速と油圧感度と整地ロータ100の高さとの連動制御とは、作業者により何れか一方の制御が選択されて実施する構成である。
【0098】
また、本実施の形態の乗用田植機1では、整地ロータ100が、植付装置200の前側下部に固定された連結ステー240に対して、長板状の連結アーム110を介して連結されている構成について説明したが、これに限らず例えば、植付装置200の上下方向の動きを吸収するための上下動吸収リンク機構を備えた構成であっても良い。
【0099】
具体的には、
図9(a)に示す第1上下動吸収リンク機構150の様に、整地ロータ100の中央部から上方に伸びた、長孔151aを有するステー151を設け、連結ステー240から前方に向けて突き出したピン152の先端部を長孔151aに挿入し且つピン152の抜け防止構造を施した構成としても良い。これにより、簡単な構成で整地ロータ100を支えることが出来る。
【0100】
また、別の構成例として
図9(b)に示す第2上下動吸収リンク機構160の様に、整地ロータ100の中央部から先端部が上方に向けて位置する様に構成された第2ピン161を設け、当該第2ピン161を、連結ステー240から前方に向けて突き出した第2ステー162の先端部に形成された第2長孔162aに挿入し且つ第2ピン161の抜け防止構造を施した構成としても良い。これにより、簡単な構成で整地ロータ100を支えることが出来る。
【0101】
また、別の構成例として
図9(c)に示す第3上下動吸収リンク機構170の様に、板状部材をコの字状に曲げた第1リンク171と同形状の第2リンク172とを互いに回動可能に連結したリンク機構173を連結ステー240と整地ロータ100の中央部との間に回動可能に連結した構成としても良い。
【0102】
図9(a)〜
図9(c)に示した構成により、植付装置200の上下方向の動きを吸収するための上下動吸収機構を設けることで、整地ロータ100に動力を伝達する整地ロータ駆動軸101の左右方向の揺れを規制し縦方向の揺れを吸収することで整地ロータ駆動軸101の破損を防止できる。
【0103】
図9(a)は、第1上下動吸収リンク機構150を説明するための概略斜視図であり、
図9(b)は、第2上下動吸収リンク機構160を説明するための概略斜視図であり、
図9(c)は、第3上下動吸収リンク機構170を説明するための概略斜視図である。
【0104】
なお、上記本実施の形態の乗用田植機1において、
図10(a)、
図10(b)に示すような、自動直進用アンテナ取付フレーム400を設けた構成としても良い。自動直進用アンテナ取付フレーム400は、
図10(a)、
図10(b)に示すように、フロントカバー12の前側の左右両側のフロアステップ14から、操縦席10の上方を超えて施肥装置40のホッパの前側で且つ操縦席10の後側の左右両側のフロア部に至る間に配置されており、ステアリングハンドル11の上方にGPS受信アンテナ410が取付られている。また、自動直進用アンテナ取付フレーム400の背面側には、施肥装置40のホッパの上方の位置に、上下に回動可能な予備載せ台420が、回動軸部421に設けられたトルクスプリング(図示省略)と共に配置されている。予備載せ台420は、予備肥料を載せたり、空の苗トレイ50の回収台として利用出来、利用しないときは、トルクスプリングの作用により自動的に上方に回動しじゃまにならない構成である。
【0105】
これにより、作業効率が向上し、また、予備載せ台420に肥料袋を置いて、施肥装置40のホッパ内に肥料を供給することが出来る。
【0106】
なお、上記実施の形態の整地ロータ100は、本発明の整地ロータの一例にあたり、上記実施の形態の連結アーム110と連結ステー240を包括する構成は、本発明の連結部の一例にあたる。また、上記実施の形態の施肥装置40は、本発明の施肥装置の一例にあたり、電動モータ120は本発明の昇降駆動部の一例にあたる。また、上記実施の形態の第1上下動吸収リンク機構150、第2上下動吸収リンク機構160、及び第3上下動吸収リンク機構170は、それぞれが、本発明の上下動吸収機構の一例にあたる。
【0107】
また、
図10(a)、
図10(b)に示すように、自動直進用アンテナ取付フレーム400には、操縦席10の斜め前上方角部において左右方向に設けられた回動軸部材430を回動支点として、透明なバイザー440が回動可能に配置されている。当該バイザー440は、操縦席10に着座した作業者の前方側と、頭上側の2か所の位置に回動可能であり、且つ、それぞれの位置において固定可能に構成されている。
【0108】
これにより、自動直進用アンテナ取付フレーム400に設けられたバイザー440が、前方側と頭上側に容易に切り替えられて、且つ、それぞれの位置で固定が出来るので、防風や防雨の目的に合わせた利用が出来る。
【0109】
図10(a)は、自動直進用アンテナ取付フレーム400を説明するための乗用田植機1の概略部分平面図であり、
図10(b)は、自動直進用アンテナ取付フレーム400を説明するための乗用田植機1の概略部分側面図である。
【0110】
また、上記本実施の形態の乗用田植機1において、
図11(a)、
図11(b)に示すような、第2自動直進用アンテナ取付フレーム500を設けた構成としても良い。第2自動直進用アンテナ取付フレーム500は、
図11(a)、
図11(b)に示すように、機体左右に配置された水タンク41を載せる水タンクフレーム42から操縦席10の上方を左右幅方向に跨ぐように配置されており、操縦席10の上方にGPS受信アンテナ410が取付られている。また、第2自動直進用アンテナ取付フレーム500の左右両側面には、水タンク41の上方の位置に、平面視で矢印D方向と矢印E方向(
図11(a)参照)に回動可能な第2予備載せ台520が配置されている。第2予備載せ台520の回動軸部は、第2自動直進用アンテナ取付フレーム500の後側のフレーム501に設けられている。
【0111】
第2予備載せ台520が水タンク41の上方に設けてあるので、第2予備載せ台520に肥料袋や、供給時の水タンクを載せることが出来、肥料や水の補給が容易に行えるので、作業効率が向上する。
【0112】
図11(a)は、第2自動直進用アンテナ取付フレーム500を説明するための乗用田植機1の概略部分平面図であり、
図11(b)は、第2自動直進用アンテナ取付フレーム500を説明するための乗用田植機1の概略部分正面図である。
【0113】
また、上記本実施の形態の乗用田植機1において、
図12(a)、
図12(b)に示すような、操縦席装着式バイザー600を設けた構成としても良い。
【0114】
操縦席装着式バイザー600は、
図12(a)、
図12(b)に示すように、(1)操縦席10の下に構成したリンク式の上下伸縮可能なリンクフレーム610と、(2)操縦席10の背面に装着する一本フレーム式のバイザー620と、(3)そのバイザー620の後端部に回動可能に取り付けられた、施肥装置40のホッパの上方を覆うための折り畳み式の防雨板630と、(4)操縦席10下のリンクフレーム610に内蔵されたサスペンション640と、(5)操縦席10の前側の左右両側に設けられ、操縦席10を回動可能に支持する回動支点650と、を備えている。
【0115】
この様な構成により、作業者が操縦席10に座っているときは、作業者の体重によりリンクフレーム610が縮んだ状態となり、バイザー620は、作業者の着座状態に適した高さに位置している。作業者が操縦席10から離れて立ち作業(例えば、施肥装置40のホッパへの肥料供給作業など)をしているときは、リンクフレーム610に作業者の体重が掛からないため、サスペンション640が伸びてリンクフレーム610を上方へ持ち上げる。これにより、バイザー620は、作業者の立ち作業に適した高さにまで操縦席10ごと上昇する。また、防雨板630を回動させてホッパを覆う位置に移動させることで、ホッパへの雨の浸入を軽減することが出来る。また、乗用田植機を車両に載せて搬送したり、倉庫にしまうときは、操縦席10を回動支点650を支点として前側に回動させることにより、バイザー620を前方側に折り畳むことが出来て、乗用田植機の高さを低くすることが出来る。
【0116】
また、作業者の立ち状態、又は座り状態の体勢に応じて、操縦席10ごと上下するバイザー構成としたことにより、簡単な構成で、低コスト、軽量化を図れる。また、サスペンション640付きの操縦席10であるため操縦時の快適性が向上すると共に、操縦席10が高くなり乗降も楽になり、軽労化も図れる。
【0117】
図12(a)は、操縦席装着式バイザー600を説明するための乗用田植機1の側面模式図であり、作業者が座り作業状態にある場合を示す図である。また、
図12(b)は、操縦席装着式バイザー600を説明するための乗用田植機1の側面模式図であり、作業者が立ち作業状態にある場合を示す図である。
【0118】
なお、上記実施の形態では、トルクスプリング335を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、トルクスプリング335を備えず、苗トレイ50の自重の作用により、L字状レール部材332が、
図6(c)に示した矢印C方向とは逆方向に回動し、第1姿勢から第2姿勢に移行する構成としても良い。
【0119】
また、上記実施の形態では、トルクスプリング335を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、トルクスプリング335に代えて、左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rの下端部と、左右一対の湾曲状作用部材334との間を引っ張りスプリングで連結し、L字状レール部材332が第1姿勢をとる方向に回動すると、引っ張りスプリングに収縮力が発生して、L字状レール部材332が第1姿勢から第2姿勢に戻ろうとする回転トルクが生じる構成としても良い。これにより上記構成と同様の効果を発揮する。
【0120】
また、上記実施の形態では、左右一対の案内部材330L、330Rが、L字状レール部材332を回動させる湾曲状作用部材334を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、苗トレイ50が、左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rの間に侵入してきたか、それとも通過したか否かを検知する苗トレイ検知センサ(図示省略)を、左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rに備えると共に、回収装置支持ステー310の左右両側に、左右一対のL字状レール部材332を回動させるソレノイド(図示省略)を備えた構成であっても良い。この構成によれば、苗トレイ50が、左右一対の案内部材後側支持ステー342L、342Rの間に侵入してきたことが苗トレイ検知センサにより検知された場合、制御部(図示省略)は、ソレノイドに通電して、左右一対のL字状レール部材332が第1姿勢をとる様に左右一対のL字状レール部材332を回動させ、通過したことを検知するまでは第1姿勢を維持させる。また、苗トレイ検知センサが苗トレイ50の通過を検知すると、制御部は、ソレノイドへの通電を解除し、左右一対のL字状レール部材332が第1姿勢を維持するための維持力を除去することで、苗トレイ50の自重により、左右一対のL字状レール部材332が第1姿勢から第2姿勢に移行する。この構成によれば、上記と同様、苗トレイ50を従来に比べてよりきれいに整列させて積み上げることが出来る。