(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6639061
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】駆動側軸受ユニット又は従動側軸受ユニットを取り外す方法及び捏練装置
(51)【国際特許分類】
A21C 1/06 20060101AFI20200127BHJP
F16C 35/06 20060101ALI20200127BHJP
B01F 7/04 20060101ALI20200127BHJP
B01F 15/00 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
A21C1/06 D
F16C35/06 A
B01F7/04 C
B01F15/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-201705(P2018-201705)
(22)【出願日】2018年10月26日
(62)【分割の表示】特願2015-27845(P2015-27845)の分割
【原出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2019-30325(P2019-30325A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2018年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】592046851
【氏名又は名称】株式会社高垣製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】高垣 正雄
【審査官】
大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3187256(JP,U)
【文献】
実開昭64−036722(JP,U)
【文献】
実公昭49−040207(JP,Y1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0241330(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/06
B01F 7/04
B01F 15/00
F16C 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被捏練物を収納する容器と、前記容器内に配設され駆動機構からの動力により回転する回転軸と一体的に回転する3本のアーム体と、前記回転軸の一方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の駆動側軸受ユニットと、前記回転軸の他方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の従動側軸受ユニットとを少なくとも備え、前記駆動側軸受ユニット(14)の縁部に円形状に配列した複数のビス孔を穿孔するとともに、前記ビス孔のうち少なくとも3ケ所のビス孔の内周に雌ネジ溝を設けた捏練装置であって、
前記駆動側軸受ユニット上の前記内周に雌ネジ溝を設けた3ケ所のビス孔それぞれに、前記ビス孔の内径と同じ外径(L1)で一方側の端部に歯車体を装着した雄ネジ溝付き棒体を螺入する工程と、
前記3個の歯車体のすべてを結合体で結合する工程と、
前記棒体を回転する工程と、
により前記駆動側軸受ユニット(14)を取り外す方法。
【請求項2】
被捏練物を収納する容器と、前記容器内に配設され駆動機構からの動力により回転する回転軸と一体的に回転する3本のアーム体と、前記回転軸の一方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の駆動側軸受ユニットと、前記回転軸の他方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の従動側軸受ユニットとを少なくとも備え、前記従動側軸受ユニット(15)の縁部に円形状に配列した複数のビス孔を穿孔するとともに、前記ビス孔のうち少なくとも3ケ所のビス孔の内周に雌ネジ溝を設けた捏練装置であって、
前記従動側軸受ユニット上の前記内周に雌ネジ溝を設けた3ケ所のビス孔それぞれに、前記ビス孔の内径と同じ外径(L1)で一方側の端部に歯車体を装着した雄ネジ溝付き棒体を螺入する工程と、
前記3個の歯車体のすべてを結合体で結合する工程と、
前記棒体を回転する工程と、
により前記従動側軸受ユニット(15)を取り外す方法。
【請求項3】
請求項1の駆動側軸受ユニットを取り外す方法により、当該駆動側軸受ユニットを取り外し得る捏練装置又は請求項2の従動側軸受ユニットを取り外す方法により、当該従動側軸受ユニットを取り外し得る捏練装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、回転軸を支持する駆動側軸受ユニット又は従動側軸受ユニットを取り外す方法及び前記方法により各駆動軸受けユニットを取り外し得る捏練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
うどん麺等の生地を製造する際には、人手によるか或いは機械によるかを選択することになるが、小麦粉、塩及び水等の混合した被捏練物に対して、攪拌しあるいは混ぜ、さらに練り、最後は粘度が上昇した被捏練物(生地)を捏ねる、といった作動を同一の容器内で連続的に行う捏練装置が存在する。例えば、特許文献1の捏練ミキサーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3187256号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の捏練ミキサーは、回転軸の軸受部を一体的にユニット化し保守性の向上を図った捏練ミキサーであるが、前記軸受部は大変精密な部品であるため、その取り外し又は取り付けの際には傾斜をさせないように細心の注意をはらって平行に移動する必要があった。また、相当の重量がある部品でもあるため、1人で取り外し又は取り付け作業を行うことが困難であった。
【0005】
そこで、本願発明では、前記軸受部の容易な取り外し方法及び前記軸受部(駆動側軸受ユニット又は従動側軸受ユニット)の取り外し作業が容易となる捏練装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、被捏練物を収納する容器と、前記容器内に配設され駆動機構からの動力により回転する回転軸と一体的に回転する3本のアーム体と、前記回転軸の一方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の駆動側軸受ユニットと、前記回転軸の他方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の従動側軸受ユニットとを少なくとも備え、前記駆動側軸受ユニットの縁部に円形状に配列した複数のビス孔を穿孔するとともに、前記ビス孔のうち少なくとも3ケ所のビス孔の内周に雌ネジ溝を設けた捏練装置であって、前記駆動側軸受ユニット上の前記内周に雌ネジ溝を設けた3ケ所のビス孔それぞれに、前記ビス孔の内径と同じ外径で一方側の端部に歯車体を装着した雄ネジ溝付き棒体を螺入する工程と、前記3個の歯車体のすべてを結合体で結合する工程と、前記棒体を回転する工程と、により前記駆動側軸受ユニットを取り外す方法を提供する。
【0007】
上記の課題を解決するために、被捏練物を収納する容器と、前記容器内に配設され駆動機構からの動力により回転する回転軸と一体的に回転する3本のアーム体と、前記回転軸の一方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の駆動側軸受ユニットと、前記回転軸の他方の端部側に配設され前記回転軸を支持する所定の従動側軸受ユニットとを少なくとも備え、前記従動側軸受ユニットの縁部に円形状に配列した複数のビス孔を穿孔するとともに、前記ビス孔のうち少なくとも3ケ所のビス孔の内周に雌ネジ溝を設けた捏練装置であって、前記従動側軸受ユニット上の前記内周に雌ネジ溝を設けた3ケ所のビス孔それぞれに、前記ビス孔の内径と同じ外径で一方側の端部に歯車体を装着した雄ネジ溝付き棒体を螺入する工程と、前記3個の歯車体のすべてを結合体で結合する工程と、前記棒体を回転する工程と、により前記従動側軸受ユニットを取り外す方法を提供する。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、前述の駆動側軸受ユニットを取り外す方法
により、当該駆動側軸受ユニットを取り外し得る捏練装置又は従動側軸受ユニットを取り外す方法により、
当該従動側軸受ユニットを取り外し得る捏練装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の駆動側軸受ユニットを取り外す方法は、駆動側軸受ユニット上の内周に雌ネジ溝を設けた3ケ所のビス孔それぞれに、前記ビス孔の内径と同じ外径で一方側の端部に歯車体を装着した雄ネジ溝付き棒体を螺入する工程と、前記3個の歯車体のすべてを結合体で結合する工程と、前記棒体を回転する工程だけで、駆動側軸受ユニットの取り外しが可能となり、作業工程が非常に容易となった。
【0010】
また、本願発明の従動側軸受ユニットを取り外す方法は、従動側軸受ユニット上の内周に雌ネジ溝を設けた3ケ所のビス孔それぞれに、前記ビス孔の内径と同じ外径で一方側の端部に歯車体を装着した雄ネジ溝付き棒体を螺入する工程と、前記3個の歯車体のすべてを結合体で結合する工程と、前記棒体を回転する工程だけで、従動側軸受ユニットの取り外しが可能となり、作業工程が非常に容易となった。
【0011】
本願発明の捏練装置は、前述の駆動側軸受ユニットを取り外す方法
により、当該駆動側軸受ユニットを取り外し得、又は従動側軸受ユニットを取り外す方法により、
当該従動側軸受ユニットを取り外し得るので、作業工程が非常に容易となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図2はアーム体の構造等を示す側面図である。
【
図3】
図3は駆動側軸受ユニットの主要部を示す拡大図である。
【
図4】
図4は駆動側軸受ユニットの取り外し作業開始時の状態を示す図である。
【
図5】
図5は駆動側軸受ユニットの取り外し作業時の状態を示す図である。
【
図6】
図6は駆動側軸受ユニットの取り外し作業時の状態(軸受ユニット移動前)を側方視したイメージ図である。
【
図7】
図7は駆動側軸受ユニットの取り外し作業時の状態(軸受ユニット移動後)を側方視したメージ図である。
【
図8】
図8は駆動側軸受ユニットの取り付け作業時の状態(軸受ユニット移動前)を側方視したイメージ図である。
【
図9】
図9は駆動側軸受ユニットの取り付け作業時の状態(軸受ユニット移動後)を側方視したイメージ図である。
【
図10】
図10は固定構造体と雄ネジ溝付き棒体との螺号部分の第1の変形例を示す図である。
【
図11】
図11は固定構造体と雄ネジ溝付き棒体との螺号部分の第2の変形例を示す図である。
【
図12】
図12は従動側軸受ユニットの取り外し作業開始時の状態を示す図である。
【
図13】
図13は従動側軸受ユニットの取り外し作業時の状態を示す斜視図である。
【
図14】
図14は従動側軸受ユニットの取り外し作業時の状態を示す図である。
【
図15】
図15は従動側軸受ユニットの取り付け作業時の状態(軸受ユニット移動前)を側方視したイメージ図である。
【
図16】
図16は従動側軸受ユニットの取り付け作業時の状態(軸受ユニット移動後)を側方視したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
うどんの麺生地等を製造する捏練装置として実施する。
【0014】
まずは、捏練装置の構成について、
図1から
図4、
図6及び
図16に従い説明する。
【0015】
捏練装置(1)は、小麦粉、塩又は水等の混合物である被捏練物を収納する所定の容器(11)と、前記容器内に配設され駆動機構(20)からの動力により回転する回転軸(13)と一体的に回転する3本のアーム体(12)と、前記回転軸の一方の端部側(
図1で示す左の端部側)に配設され前記回転軸を支持する駆動側軸受ユニット(14)と、前記回転軸の他方の端部側(
図1で示す右の端部側)に配設され前記回転軸を支持する従動側軸受ユニット(15)と、で構成する(
図1及び
図2)。
【0016】
前記容器(11)の形状について、底部は半円筒形状に形成されており、その上壁部は上方へ向かって緩やかに縮径している(
図2)。
【0017】
前記3本のアーム体(12)について、前記回転軸(13)を中心に径方向放射状に延設されている(
図2)。
【0018】
なお、前記3本のアーム体(12)のうち前記容器(11)の内周に沿って稼働する捏練部分については、そろばん玉様の凹凸を有するローラが設けられている(
図1)。
【0019】
前記駆動側軸受ユニット(14)について、前記回転軸(13)の軸受部(141)と、前記回転軸に接触して軸封するOリング部(142)と、その他複数のパッキンと、前記駆動側軸受ユニットの縁部に、円形状に配列した複数のビス孔(14a)と、からなる(
図3及び
図4)。
【0020】
前記ビス孔(14a)のうち少なくとも3ケ所のビス孔の内周には、雌ネジ溝を設けている(
図6)。
【0021】
前記駆動側軸受ユニット(14)を前記回転軸(13)に取り付けた際の、前記内周に雌ネジ溝を設けたビス孔(14a)の延長線上に存在する固定構造体(30)に、当該ビス孔の内径よりも小さい内径の雌ネジ溝付き孔(30a)を設けている(
図6)。
【0022】
前記従動側軸受ユニット(15)について、前記回転軸を挿入する中心部分の孔が貫通していないなど細部の違いは存在するが、縁部に円形状に配列した複数のビス孔(15a)が穿孔され、当該ビス孔のうち少なくとも3ケ所のビス孔の内周には雌ネジ溝を設けている等、概ね前記駆動側軸受ユニット(14)と同様の構造をしている(
図16)。
【0023】
前記従動側軸受ユニット(15)を前記回転軸(13)に取り付けた際の、前記内周に雌ネジ溝を設けたビス孔(15a)の延長線上に存在する固定構造体(30)にも、当該ビス孔の内径よりも小さい内径の雌ネジ溝付き孔を設けている(
図16)。
【0024】
前記駆動機構(20)の構成について、少なくとも前記回転軸(13)の駆動源である駆動モータ(21)及び減速機(22)と、前記回転軸に嵌め込み前記駆動側軸受ユニット(14)とともに固定される反転用平ギア(23)とを包含するものとする(
図1及び
図4)。
【0025】
なお、前記駆動機構(20)を配設する位置について、本実施例では前記回転軸(13)の一方の端部側(
図1で示す左の端部側)としているが、前記回転軸を駆動することができればよく、他方の端部側(
図1で示す右の端部側)に配設してもよい。
【0026】
次に、駆動側軸受ユニットの取り外し及び取り付け手順について、
図4から
図11に従い説明する。
【0027】
周囲のカバーを取り外し、減速機を引き出した後、所定のビスを取り外し駆動側軸受ユニット(14)とともに固定されている反転用平ギア(23)を取り外す(
図4)。
【0028】
前記駆動側軸受ユニット(14)上の所定のビスを取り外した後、内周に雌ネジ溝を設けたビス孔(14a)の3ケ所それぞれに(120度間隔)、一方の端部(
図6で示す左側の端部)に歯車体(42)を装着し、かつ、前記ビス孔の内径と同じ外径(L1)の雄ネジ溝付き棒体(41)を、他方の端部(
図6で示す右側の端部)が固定構造体(30)にあたるところまで螺入する。その後、前記歯車体のすべてをチェーン(43)で結合する(
図5及び
図6の状態)。
【0029】
前記3本の雄ネジ溝付き棒体(41)のうちの1本を時計方向に回す(
図6)。
【0030】
前記操作により、前記3本の雄ネジ溝付き棒体(41)が同期回転し、前記駆動側軸受ユニット(14)が前記ビス孔(14a)の内周の雌ネジ溝に沿って前記回転軸(13)の端部側方向(
図6で示す左側方向)に移動する。つまり、前記駆動側軸受ユニットが前記回転軸に沿って平行移動する(
図7の状態)。
【0031】
なお、前記駆動側軸受ユニット(14)が
図7の位置まで移動した後は、手動で前記回転軸(13)から引き抜く。
【0032】
次に、交換用の駆動側軸受ユニット(14)の位置を確認しながら前記回転軸(13)に挿入し、
図8で示した程度の位置まで手動で移動する。
【0033】
交換前駆動側軸受ユニットの前記ビス孔と同じ位置に存在する3ケ所のビス孔(14a)に、前記ビス孔の内径よりも外径が細く(L2)かつ延設する先端部(44a)がさらに細い外径(L3)の雄ネジ溝付き棒体(44)を挿入し、前記棒体の先端部(44a)が当該ビス孔の延長線上に存在する固定構造体(30)に固定されるところまで螺合する(
図8)。
【0034】
その後、前記3本の雄ネジ溝付き棒体(44)の一方の端部(
図8で示す左側端部)に歯車体(42)を螺合装着するとともに、前記歯車体のすべてをチェーン(43)で結合し、前記歯車体を時計方向に回す(
図8の状態)。
【0035】
前記操作により、前記3本の歯車体(42)が前記3本の雄ネジ溝付き棒体(44)に沿って同期回転しながら前記回転軸(13)の中央方向(
図8で示す右側方向)へ移動していく(
図8及び
図9)。
【0036】
さらに、前記歯車体(42)に押圧されて前記駆動側軸受ユニット(14)も前記回転軸(13)の中央方向に、前記回転軸に沿って平行移動していきフレームに嵌挿される(
図9の状態)。
【0037】
前記固定構造体(30)の雌ネジ溝付き孔(30a)の内径及び形状について、本実施例では
図8で示すように前記雄ネジ溝付き棒体(44)の先端部(44a)と同じ内径(L3)の1段孔としているが、前記棒体(44)が螺号固定され空回りしなければよく、例えば
図10で示すような前記棒体(44)と同じ内径(L2)の1段孔や
図11で示すような前記棒体(44)と同じ内径(L2)及び先端部(44a)と同じ内径(L3)を組み合わせた2段孔であってもよい。
【0038】
次に、従動側軸受ユニットの取り外し又は取り付け手順について、
図12から
図16に従い説明する。
【0039】
側方カバーを取り外し、従動側軸受ユニット(15)上に螺合固着している所定のビスを取り外す(
図12及び
図13)。
【0040】
前記従動側軸受ユニット(15)の落下を防止するために、最も高い位置に穿孔されたビス孔(15a)に、当該ビス孔の内径よりも外径が細くかつ延設する先端部がさらに細い外径の雄ネジ溝付き棒体(45)を挿入し、前記棒体(45)の先端部が固定構造体に固定されるところまで螺合する(
図13の状態)。
【0041】
その後は駆動側軸受ユニットの場合と同様に、前記従動側軸受ユニット(15)上の内周に雌ネジ溝を設けたビス孔(15a)の少なくとも3ケ所それぞれに(120度間隔)、一方の端部(
図14で示す手前の端部)に歯車体(42)を装着し、かつ、前記ビス孔の内径と同じ外径の雄ネジ溝付き棒体(46)を、他方の端部(
図14で示す奥側の端部)が固定構造体にあたるところまで螺入する。その後、前記歯車体のすべてをチェーン(43)で結合し、前記3本の雄ネジ溝付き棒体のうちの1本を時計方向に回転する(
図14の状態)。
【0042】
前記操作により、前記駆動側軸受ユニットの場合と同様に、前記3本の雄ネジ溝付き棒体(46)が同期回転し、前記従動側軸受ユニット(15)が前記ビス孔の内周の雌ネジ溝に沿って前記回転軸の端部側方向(
図14で示す手前側方向)に移動する。
【0043】
次に、交換前従動側軸受ユニットの前記ビス孔と同じ位置に存在する3ケ所のビス孔(15a)の延長線上に存在する固定構造体(30)に、前記ビス孔(15a)の内径よりも外径が細くかつ延設する先端部(47a)がさらに細い外径の雄ネジ溝付き棒体(47)を螺合する。その後、前記棒体(47)に交換用の従動側軸受ユニット(15)を、位置を確認しながら
図15で示した程度の位置まで手動で挿入し移動する(
図15)。
【0044】
前記棒体(47)の一方の端部に前記歯車体(42)を螺合するとともに、前記歯車体のすべてをチェーン(43)で結合し、前記歯車体を時計方向に回す(
図15の状態)。
【0045】
前記操作により、前記3本の歯車体(42)が前記3本の棒体(47)に沿って同期回転しながら前記回転軸(13)の中央方向(
図15で示す左側方向)へ移動していく。さらに、前記歯車体に押圧されて前記従動側軸受ユニット(15)も前記回転軸の中央方向に、前記回転軸に沿って平行移動していきフレームに嵌挿される(
図16の状態)。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本願発明の駆動側軸受ユニット又は従動側軸受ユニットを取り外す方法は、操作性に優れた方法であるので、産業上の利用可能性を有する。また、本願発明の捏練装置は、各軸受ユニットの取り外しが容易な捏練装置であるので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0047】
1 捏練装置
11 容器
12 アーム体
13 回転軸
14 駆動側軸受ユニット
141 軸受部
142 Oリング部
14a ビス孔
15 従動側軸受ユニット
15a ビス孔
20 駆動機構
21 駆動モータ
22 減速機
23 反転用平ギア
30 固定構造体
30a 雌ネジ付き孔
41、46 ビス孔と同径の雄ネジ溝付き棒体
42 歯車体
43 チェーン(結合体)
44、47 ビス孔の内径よりも細い外径の雄ネジ溝付き棒体
44a、47a 先端部
45 ビス孔の内径よりも細い外径の雄ネジ溝付き棒体(落下防止用)
L1 ビス孔の内径と同じ外径の雄ネジ溝付き棒体の外径
L2 ビス孔の内径よりも細い外径の雄ネジ溝付き棒体の外径
L3 ビス孔の内径よりも細い外径の雄ネジ溝付き棒体の先端部の外径