(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0014】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。以下の説明は、表示装置としてタッチ検出機能付き液晶表示装置を例として述べるが、これに限定されず、タッチ検出機能付きOLED表示装置等でもよい。
【0015】
(実施の形態1)
実施の形態1では、ペンによるタッチと指によるタッチの両方を検出することが可能なタッチ検出機能付き液晶表示装置(以下、液晶表示装置とも称する)が提供される。先ず、液晶表示装置の基本的な構成を説明し、次に、この基本的な構成を基にして、ペンによるタッチを検出する磁界検出および指によるタッチを検出する電界検出を説明する。
【0016】
<液晶表示装置の基本的な構成>
図1は、液晶表示装置の構成を模式的に示す図である。
図1において、1は、液晶表示装置を示しており、
図1(A)は、液晶表示装置1の平面を示す平面図であり、
図1(B)は、液晶表示装置1の断面を示す断面図である。液晶表示装置1は、TFT(Thin Film Transistor)ガラス基板(以下、第1基板とも称する)TGBと、第1基板TGBに積層されたレイヤ(層)、カラーフィルタCFT、CF(Color Filter)ガラス基板(以下、第2基板とも称する)CGBおよび第2基板CGBに積層されたレイヤ(層)を備えている。
【0017】
図1(A)において、TL(0)〜TL(p)は、第1基板TGBの第1主面TSF1に形成されたレイヤによって構成された駆動電極を示している。また、RL(0)〜RL(p)は、第2基板CGBの第1主面CSF1に形成されたレイヤによって構成された検出電極を示している。理解を容易にするために、
図1(A)では、第1基板TGBと第2基板CGBとが分離して、描かれているが、実際には、
図1(B)に示すように、液晶層を挟んで、第1基板TGBの第1主面TSF1と第2基板CGBの第2主面CSF2とが対向するように配置されている。
【0018】
第1基板TGBの第1主面TSF1と、第2基板CGBの第2主面CSF2との間には、複数のレイヤと、液晶層等が挟まれているが、
図1(B)では、第1主面TSF1と第2主面CSF2との間に挟まれた駆動電極TL(0)〜TL(n+2)、液晶層およびカラーフィルタCFTのみが示されている。また、第2基板CGBの第1主面CSF1には、
図1(A)に示すように複数の検出電極RL(0)〜RL(p)と偏光板が配置されている。また、
図1(B)において、13は検出電極RL(n)に接続された単位検出回路を示している。
【0019】
本明細書では、液晶表示装置1を、
図1(B)に示すように、第2基板CGBおよび第1基板TGBの第1主面CSF1、TSF1側から見たときの状態を、平面視として説明する。第1主面CSF1およびTSF1側から、平面視で見たとき、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、第1基板TGBの第1主面TSF1において、
図1(A)に示すように、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行に配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)は、第2基板CGBの第1主面CSF1において、
図1(A)に示すように、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行に配置されている。
【0020】
駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)の間には、第2基板CGB、液晶層等が介在している。そのため、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視で見たときには、交差しているが、互いに電気的に分離されている。駆動電極と検出電極との間には、容量が存在するため、
図1(B)では、この容量が容量素子として破線で示されている。
【0021】
駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)とは、平面視で見たとき、直交していることが望ましいが、平面視で見たときに、駆動電極と検出電極とは傾きを持って交差していてもよい。そのため、以下の説明で用いる「直交」は「交差」も含むものと理解されるべきである。
【0022】
<磁界検出の原理>
図2は、磁界検出の原理を示す説明図である。磁界検出の期間は、磁界を発生する磁界発生期間と磁界を検出する磁界検出期間とによって構成される。
図2(A)および(C)は、磁界発生期間のときの動作を示しており、
図2(B)は、磁界検出期間のときの動作を示している。説明の都合上、
図2(A)〜(C)は、
図1(A)を90度回転させた状態が示されている。
【0023】
磁界発生期間においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、所定の駆動電極間の端部が、電気的に接続され、端部が接続された駆動電極に、所定の電圧(例えば接地電圧Vs)と磁界駆動信号が供給される。例えば、
図1に示した駆動電極TL(0)およびTL(2)のそれぞれの端部のうち、他方の端部が、
図1の右側において電気的に接続される。これにより、互いに平行に配置されている駆動電極TL(0)およびTL(2)が、直列的に接続される。駆動電極TL(0)の一方の端部に、
図1の左側において、接地電圧Vsを供給し、駆動電極TL(2)の一方の端部に、
図1の左側において、磁界駆動信号を供給する。ここで、磁界駆動信号は、その電圧が周期的に変化する信号である。駆動電極TL(0)およびTL(2)によって、この駆動電極により挟まれた領域(形成された領域)を内側としたコイルが構成され、このコイルは、磁界駆動信号の電圧の変化に応じた磁界を、その内側で発生する。本明細書においては、駆動電極によって構成され、磁界を発生するコイルを磁界発生コイルとも称する。
【0024】
図2(A)において、GX(n−1)は、駆動電極TL(0)、TL(2)によって構成された磁界発生コイルを示し、GX(n)〜GX(n+4)のそれぞれは、磁界発生コイルGX(n−1)と同様に、駆動電極TL(1)、TL(3)〜TL(p)によって構成された磁界発生コイルを示している。
【0025】
図2(A)において、CおよびL1は、ペンPenに内蔵されている容量素子およびコイルを示している。容量素子CとコイルL1は、共振回路を構成するように、並列接続されている。磁界発生期間において、磁界発生コイルGX(n−1)〜GX(n+3)のそれぞれの一方の端部には、接地電圧Vsが供給される。磁界駆動信号CLKが、磁界発生コイルGX(n)の他方の端部に供給される。これにより、磁界発生コイルGX(n)が、磁界駆動信号CLKの電圧変化に応じた磁界φ1を発生する。ペンPenが、磁界発生コイルGX(n)に近接していれば、磁界発生コイルGX(n)とコイルL1との間は電磁結合され、磁界φ1によってコイルL1に相互誘導による起電圧が発生し、容量素子Cが充電される。
【0026】
次に、
図2(B)に示す磁界検出期間に移行する。磁界検出期間においては、検出電極RL(0)〜RL(p)を用いて、磁界の検出が行われる。検出電極RL(0)〜RL(p)は一対の端部を有している。検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、所定の検出電極間の他方の端部が、互いに電気的に接続される。例えば、
図1に示した検出電極RL(0)とRL(3)のそれぞれの他方の端部が、
図1の上側において電気的に接続される。これにより、平行に配置された検出電極RL(0)、RL(3)が直列的に接続される。磁界検出期間においては、検出電極RL(3)の一方の端部に所定の電圧Vsが供給され、検出電極RL(0)の一方の端部が、検出回路に接続される。これにより、検出電極RL(0)とRL(3)とによって挟まれた領域(形成された領域)を内側としたコイルが形成され、このコイルによって磁界の検出が行われる。本明細書においては、検出電極によって構成され、磁界を検出するコイルを、磁界検出コイルとも称する。
【0027】
図2(B)において、DY(n−2)は、検出電極RL(0)、RL(3)によって構成された磁界検出コイルを示しており、DY(n−1)〜DY(n+1)は、同様に検出電極RL(2)〜RL(p)によって構成された磁界検出コイルを示している。磁界検出期間のとき、磁界検出コイルDY(n−1)〜DY(n+1)のそれぞれの一方の端部に、所定の電圧Vsが供給され、それぞれの他方の端部における信号Rx(n−2)〜Rx(n+1)が、単位検出回路に供給される。
【0028】
磁界発生期間において、容量素子Cに充電が行われていれば、磁界検出期間のとき、コイルL1は、容量素子Cに充電されている電荷に従って、共振回路の共振周波数に応じて変化する磁界φ2を発生する。
図2(B)では、磁界検出コイルDY(n)の内側に、コイルL1の中心(一点鎖線)が存在している。そのため、磁界検出コイルDY(n)とコイルL1との間で電磁結合が発生し、相互誘導によって、磁界検出コイルDY(n)に起電圧が発生する。その結果、磁界検出コイルDY(n)の他方の端部における信号Rx(n)は、容量素子Cに充電されている電荷量に応じて変化することになる。磁界検出コイルDY(n)に接続された単位検出回路は、この信号Rx(n)の変化を検出信号として出力する。これにより、ペンPenが近接(タッチ)しているか否か、および座標を検出することが可能となる。また、電荷量に応じて検出信号が変化するため、ペンPenとの距離を求めることが可能となる。
【0029】
図2(C)は、
図2(B)に続いて移行した磁界発生期間を示している。
図2(A)と異なるのは、磁界発生コイルGX(n+1)に磁界駆動信号CLKが供給されていることである。ペンPenの位置は変化していないため、
図2(C)に示した磁界発生期間においては、コイルL1に誘起電圧が発生せず、容量素子Cは充電されない。これにより、
図2(C)に続いて移行する磁界検出期間においては、ペンPenが近接していないと検出される。以降、同様にして、ペンPenの検出が行われる。
【0030】
<電界検出の原理>
図3は、電界検出の原理を示す説明図である。
図3(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、電界駆動信号を出力する単位駆動電極ドライバを示し、13−0〜13−pのそれぞれは、単位検出回路を示している。また、
図3(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、駆動電極TL(2)へ供給される電界駆動信号Tx(2)の波形を示している。外部物体として、指がFGとして示されている。
【0031】
駆動電極TL(2)に、電界駆動信号Tx(2)が供給されると、
図3(B)に示すように、駆動電極TL(2)と、この駆動電極TL(2)と直交する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、駆動電極TL(2)の近傍をタッチしていると、指FGと駆動電極TL(2)との間でも電界が発生し、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、
図3(C)に示すように、駆動信号Tx(2)の供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として表れ、単位検出回路13−nに供給され、検出信号として出力される。
【0032】
他の駆動電極についても、同様にして、電界駆動信号を供給することにより、指FGがタッチしているが否かに応じた信号の電圧変化が、検出電極RL(0)〜RL(p)に生じ、検出信号として出力されることになる。これにより、指FGがタッチしているか否か、および座標を検出することが可能となる。
【0033】
上記したように、磁界検出の際には、駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、選択された駆動電極に磁界駆動信号が供給され、電界検出の際には、選択された駆動電極に電界駆動信号が供給される。一方、表示の際には、駆動電極TL(0)〜TL(p)に、表示駆動信号が供給される。表示駆動信号によって、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、同じ電圧となるようにされるため、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、1個の共通電極と見なすことができる。
【0034】
<液晶表示装置の全体構成>
図4は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。
図4において、液晶表示装置1は、表示パネル(液晶パネル)、表示制御装置3、ゲートドライバ4およびタッチ制御装置5を備えている。また、液晶表示装置1は、切り換え駆動回路SC−L、切り換え回路SC−R、検出制御回路SRおよび切り換え検出回路SC−D&AMPを備えている。表示パネルは、表示を行う表示領域(表示部)と周辺領域(周辺部)とを備えている。表示と言う観点で見た場合、表示領域はアクティブ領域であり、表示領域を包囲する周辺領域は非アクティブ領域である。
図4では、2が、表示領域である。
【0035】
表示領域2は、複数の画素が行列状に配置された画素配列を有している。画素配列には、複数の信号線、複数の駆動電極、複数の走査線および複数の検出電極が配置されている。
図4を参照して述べると、画素配列において、信号線は、縦方向(列方向)に延在し、横方向(行方向)に平行に配置されている。また、駆動電極は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置されている。さらに、走査線は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置され、検出電極は、縦方向に延在し、横方向に平行に配置されている。この場合、画素は、かかる複数の信号線と複数の走査線とが交差することにより形成される空間に配置されている。表示の期間(表示期間)においては、信号線と走査線により、画素が選択され、選択された画素には、そのときの信号線の電圧と、駆動電極の電圧が印加され、信号線と駆動電極との間の電圧差に従った表示を行う。
【0036】
表示制御装置3は、外部端子Ttに供給されるタイミング信号と入力端子Tiに供給される画像情報とを受け、表示のとき、画像情報に従った画像信号を形成し、複数の信号線に供給する。また、表示制御装置3は、外部端子Ttに供給されるタイミング信号とタッチ制御装置5からの制御信号SWとを受け、同期信号TSHD、磁界イネーブル信号SC_EN、周期的に電圧が変化する制御信号TSV、タッチ検出に関する制御信号T−CNT、コイルクロック信号CLK等を形成する。
【0037】
磁界イネーブル信号SC_ENは、磁界タッチ検出(磁界検出)と電界タッチ検出(電界検出)を選択的にイネーブルにするイネーブル信号である。磁界イネーブル信号SC_ENは、磁界タッチ検出のとき、例えばハイレベルとなり、電界タッチ検出のとき、ロウレベルとなる。また、同期信号TSHDは、表示領域2において表示を行う表示期間とタッチ検出を行うタッチ検出期間とを識別する同期信号である。同期信号TSHDは、表示期間のとき、ハイレベルとなり、このとき磁界イネーブル信号SC_ENは、ロウレベルとなる。
【0038】
磁界タッチ検出のとき、表示制御装置3は、周期的に電圧が変化するコイルクロック信号CLKを発生し、電界タッチ検出のときには、周期的に電圧が変化する制御信号TSVを発生する。コイルクロック信号CLKと制御信号TSVは、後で説明するが、排他的に同一の信号配線に供給される。そのため、
図4では、コイルクロック信号CLKと制御信号TSVは、CLK/TSVとして示されている。
【0039】
ゲートドライバ4は、表示のとき、表示制御装置3からのタイミング信号に従って走査線信号Vs0〜Vspを形成し、表示領域2内の走査線に供給する。表示においては、ハイレベルの走査線信号が供給されている走査線に接続されている画素が選択され、選択された画素は、そのとき信号線に供給されている画像信号に従った表示を行う。
【0040】
タッチ制御装置5は、検出信号Rx(0)〜Rx(p)を受け、タッチされた位置の座標を抽出し、外部端子Toから出力する。また、タッチ制御装置5は、制御信号SWを出力するとともに、同期信号TSHDおよび磁界イネーブル信号SC_ENを受け、表示制御装置3に同期して動作する。
【0041】
表示領域2は、画素配列の行に平行した辺2−U、2−Dと、画素配列の列に平行した辺2−R、2−Lを有している。ここで、辺2−Uと辺2−Dは、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列における複数の駆動電極と複数の走査線が配置されている。また、辺2−Rと辺2−Lも、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列における複数の信号線と複数の検出電極が配置されている。
【0042】
切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−L、検出制御回路SRおよび切り換え検出回路SC−D&AMPは、後で説明するので、ここでは説明を省略する。
【0043】
<液晶表示装置1のモジュール構成>
図5は、液晶表示装置1を実装したモジュール500の全体構成を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、
図5は、実際の配置に合わせて描かれている。同図において、501は、
図1で示した第1基板TGBの領域を示し、502は、第1基板TGBと第2基板CGBとが積層された領域を示している。モジュール500において、第1基板TGBは、領域501と502において一体となっている。また、領域502では、第1基板TGBの第1主面TSF1と第2基板CGBの第2主面CSF2とが対向するように、第1基板TGBに第2基板CGBが搭載されている。なお、
図5において、500−U、500−Dは、モジュール500の短辺を示しており、500−L、500−Rは、モジュール500の長辺を示している。
【0044】
領域502であって、表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の領域には、
図4で示したゲートドライバ4、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRが配置されている。表示領域2の辺2−Rとモジュール500の辺500−Rとの間の領域には、
図4で示した切り換え回路SC−Rが配置されている。表示領域2の辺2−Dとモジュール500の辺500−Dとの間の領域には、
図4で示した切り換え検出回路SC−D&AMPおよび表示制御装置3が配置されている。切り換え検出回路SC−D&AMPは、領域501の第1基板TGBの第1主面TSF1に形成された配線および部品により構成されている。平面視で見たとき、切り換え検出回路SC−D&AMPを覆うように、表示制御装置3が、第1基板TGBに実装されている。また、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRを構成する配線および部品も、領域502における第1基板TGBの第1主面TSF1に形成されている。
【0045】
図4において説明した検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、フレキシブルケーブルFB1内の配線を介して、タッチ制御装置5に供給される。領域501には、フレキシブルケーブルFB2が接続されており、このフレキシブルケーブルFB2に設けられたコネクタCNを介して、タッチ制御装置5と表示制御装置3との間で信号の送受信が行われる。
【0046】
表示領域2には、既に述べたように、複数の画素が行列状に配列された画素配列を有しており、画素配列の行に沿って配置された複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および走査線GL(0)〜GL(p)と、配列の列に沿って配置された複数の信号線SL(0)〜SL(p)と複数の検出電極RL(0)〜RL(p)とを備えている。
図5には、例として、2個の駆動電極TL(n)、TL(m)と2個の信号線SL(k)、SL(n)と3個の検出電極RL(n−2)〜RL(n)が示されている。なお、
図5では、走査線は、省略されているが、走査線は、例示した駆動電極TL(n)、TL(m)と平行して、延在している。
【0047】
また、
図5には、画素配列が、破線PDMとして示されており、画素配列PDMに配置されている複数の画素のうち、表示領域2の4個の角に配置されている画素と、例示した駆動電極および信号線との交差部に配置された画素が、Pixとして示されている。
【0048】
<切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRの構成>
図6〜
図8は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。
図6〜
図8には、表示領域2に配置されている駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)が示されている。また、切り換え回路(第2切り換え回路)SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRについても、これらの駆動電極に対応する部分のみが示されている。これらの図において、Ls、LvおよびLcは、信号配線を示しており、信号配線Lsには、接地電圧Vsが供給され、信号配線Lvには、所定の電圧VCOMDCが供給される。また、信号配線Lcには、磁界タッチ検出のときに、コイルクロック信号CLKが供給され、電界タッチ検出のときには、周期的に電圧が変化する制御信号TSVが供給される。
【0049】
検出制御回路SRは、シフト段USI(0)〜USI(4)が直列に接続されたシフトレジスタと制御回路SRCとを備えており、表示領域2において、タッチを検出する領域を選択する選択信号を形成し、出力する。制御信号T−CNTによって、所定のレジスタ段に、選択値が設定され、図示しないシフトクロック信号に従って、タッチを検出するたびに、選択値がシフトする。制御回路SRCは、磁界イネーブル信号SC_ENとシフトレジスタからの選択値に従って、選択信号ST00〜ST40およびST01〜ST41を形成し、出力する。
【0050】
図6は、磁界タッチ検出の際の動作を示し、
図7は、電界タッチ検出の際の動作を示し、
図8は、表示の際の動作を示している。
図6〜
図8を用いて、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRの動作を説明する。
【0051】
先ず、
図6を用いて、磁界タッチ検出の際の動作を説明する。磁界検出のとき、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)によって、2回巻線の磁界発生コイルGX(n−1)〜GX(n+3)が構成される。ここでは、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)を例にして、説明する。駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)のそれぞれは、表示領域2において、互いに平行して、行方向(
図6では横方向)に延在している。切り換え回路SC−Rは、複数の第1スイッチS10と、複数の第2スイッチS11とを有している。磁界タッチ検出の際、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベル、同期信号TSHDがロウレベルとなる。これにより、論理和回路LORの出力はハイレベルとなり、第1スイッチS10および第2スイッチS11はオン状態となり、磁界発生コイルGX(n)の端子TT1、TT2の間に駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)が直列的に接続され、磁界発生コイルGX(n)が構成される。
【0052】
制御回路SRCは、ハイレベルの磁界イネーブル信号SC_ENと、シフト段USI(1)からの選択値とを受けて、選択信号ST10をハイレベルにし、選択信号ST00、ST20〜ST40をロウレベルにし、選択信号ST01〜ST41をロウレベルにする。その結果、切り換え駆動回路SC−Lを構成する第3スイッチS20〜S24と第4スイッチS30〜S34のうち、第3スイッチS21のみが、
図6に示すように、オン状態となり、他のスイッチはオフ状態となる。このとき、切り換え駆動回路SC−Lを構成する第5スイッチS40〜S44は、ハイレベルの磁界イネーブル信号SC_ENによってオン状態となる。これにより、磁界発生コイルGX(n)の端部TT1には、信号配線Lsから接地電圧Vsが供給され、端部TT2には、信号配線Lcから、コイルクロック信号CLKが磁界駆動信号として供給され、磁界発生コイルGX(n)は、コイルクロック信号CLKの変化に応じた磁界を発生する。
【0053】
次に、
図7を用いて、電界タッチ検出の際の動作を説明する。この場合には、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルとなるため、第1スイッチS10および第2スイッチS11はオフ状態となる。また、制御回路SRCは、ロウレベルの磁界イネーブル信号SC_ENとシフト段USI(1)からの選択値を受けて、選択信号ST10をハイレベルにし、選択信号ST11をロウレベルにし、残りの選択信号ST00およびST20〜ST40をロウレベルにし、選択信号ST01およびST21〜ST41をハイレベルにする。これにより、
図7に示すように、第3スイッチS21および第4スイッチS30、S32〜S34がオン状態となり、第4スイッチS31および第5スイッチS40〜S44はオフ状態となる。
【0054】
その結果、駆動電極TL(n−1)の一方の端部fnにのみ、信号配線Lcから制御信号TSVが、電界駆動信号として供給され、残りの駆動電極には、制御信号TSVが供給されない。これにより、駆動電極TL(n−1)は、制御信号TSVの変化に応じた電界を発生することになる。
【0055】
表示の際には、同期信号TSHDがハイレベルとなるため、第1スイッチS10および第2スイッチS11がオン状態となる。また、制御回路SRCは、シフト段からの値に係わらずに、選択信号ST00〜ST40をロウレベルにし、選択信号ST01〜ST41をハイレベルにする。さらに、磁界イネーブル信号SC_ENはロウレベルとなる.その結果、
図8に示すように、第3スイッチS20〜S24および第5スイッチS40〜S44はオフ状態、第4スイッチS30〜S34はオン状態となる。これにより、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)には、信号配線Lvから所定の電圧VCOMDCが表示駆動信号として供給されることになる。表示の際には、表示駆動信号と信号線の画像信号との間の電位差によって、画素における液晶層の光学特性が変化させられることになる。なお、表示の際、第1スイッチS10および第2スイッチS11がオフ状態となるようにしてもよい。この場合、表示の際に、表示駆動信号が供給される駆動電極の数は減るが、論理和回路LORが不要となる。
【0056】
以上では、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)を例にして説明したが、他の駆動電極でも同様である。
【0057】
<検出電極の配置および切り換え検出回路SC−D&AMPの構成>
図9および
図10は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。
図9および
図10には、切り換え検出回路SC−D&AMPの構成と、検出電極RL(0)〜RL(p)の配置が示されている。
図9は、磁界タッチ検出のときの状態を示し、
図10は、電界タッチ検出のときの状態を示している。切り換え検出回路SC−D&AMPの構成および検出電極RL(0)〜RL(p)の配置は、
図9と
図10において同じである。そのため、
図9を用いて、切り換え検出回路SC−D&AMPの構成と検出電極RL(0)〜RL(p)の配置を説明し、
図10では、これらの説明は省略する。
【0058】
上記したように、検出電極RL(0)〜RL(p)は、第2基板CGBの第1主面CSF1に形成されており、平面視で見たとき、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行に配置されている。そのため、平面視で見たとき、検出電極RL(0)〜RL(p)は、駆動電極TL(0)〜TL(p)と直交している。
【0059】
図9では、これらの検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、検出電極RL(n−5)〜RL(n+6)が、例示されている。以下、例示した検出電極RL(n−2)〜RL(n)を用いて説明する。なお、
図9は、図面を見易くするために縮尺等をしているが、実際の配置に合わせて描かれている。
【0060】
この実施の形態1においては、平面視で見たとき、1個の検出電極(第2電極)を挟んで配置されている一対の検出電極(第1電極)の他方の端部snが互いに接続されることにより、1個の磁界検出コイルが構成されている。また、一対の検出電極に挟まれた1個の検出電極は、その他方の端部snが一対の検出電極から電気的に分離され、その一方の端部fnは一対の検出電極に接続されている。すなわち、平面視で見たとき、磁界検出コイルを構成する一対の検出電極に挟まれた1個の検出電極は、この磁界検出コイルの内側に配置され、その一方の端部のみが、当該磁界検出コイルに接続されていることになる。
【0061】
先ず、
図9を用いて、磁界タッチ検出の際の動作を説明する。平面視において、検出電極RL(n−1)を挟むように配置された検出電極RL(n−2)の他方の端部snと検出電極RL(n)の他方の端部snが、表示領域2の辺2−Uの近傍において、電気的に接続されることにより、1回巻線の磁界検出コイルDY(n)が構成されている。間に挟まれた検出電極RL(n−1)の一方の端部fnは、検出電極RL(n−2)の一方の端部fnに接続されているが、その他方の端部snは、一対の検出電極RL(n−1)、RL(n+1)とは電気的に分離されている。同様にして、間に1個の検出電極を挟むように配置され一対の検出電極によって、磁界検出コイルDY(n−1)およびDY(n+1)〜DY(n+2)が構成されている。
【0062】
切り換え検出回路SC−D&AMPは、切り換え回路(第1切り換え回路)SC−Dと検出回路AMPを備えており、切り換え回路SC−Dは、磁界検出コイルDY(n−1)〜DY(n+1)のそれぞれに対応した第6スイッチS50〜S53を備えている。また、検出回路AMPも、磁界検出コイルDY(n−1)〜DY(n+1)のそれぞれに対応した複数の単位検出回路UAMPを備えている。
【0063】
磁界検出コイルDY(n)を構成する検出電極RL(n)の一方の端部fnは、表示領域2の辺2−Dの近傍において、対応する第6スイッチS51の共通端子Pに接続され、第6スイッチS51の第1端子C1は、接地電圧Vsに接続され、第6スイッチS51の第2端子C2は、辺2−Dの近傍にいて、検出電極RL(n−2)およびRL(n−1)の一方の端部fnに接続されている。第6スイッチS51は、磁界イネーブル信号SC_ENが、磁界タッチ検出を指定するハイレベルのとき、共通端子Pを、
図9に示すように、第1端子C1に接続する。第6スイッチS51の第2端子C2は、対応する単位検出回路UAMPに接続されている。なお、第6スイッチS51の第2端子C2は、磁界検出コイルDY(n)の一方の端子DD1、共通端子Pは、磁界検出コイルDY(n)の他方の端子DD2と見なすことができる。また、検出電極RL(n−2)、RL(n)を第1電極として見なした場合、検出電極RL(n−2)は第1の第1電極と見なされ、検出電極RL(n)は第2の第1電極と見なされる。
【0064】
磁界検出コイルDY(n−1)およびDY(n+1)〜DY(n+2)についても、同様に、対応する第6スイッチS50およびS52〜S53に接続され、さらに対応する単位検出回路UAMPに接続されている。なお、
図9では、磁界検出コイルDY(n)に接続された単位検出回路UAMPのみが示されており、他の単位検出回路は省略されているが、省略した単位検出回路も、単位検出回路UAMPと同様な構成を有している。
【0065】
磁界タッチ検出の際には、
図9に示すように、第6スイッチS51の共通端子Pは、第1端子C1に接続され、第6スイッチS51の第2端子C2は、単位検出回路UAMPに接続されている。そのため、
図2(B)で説明したように、ペンPenのコイルL1が、磁界検出期間において、磁界を発生した場合、磁界検出コイルDY(n)において起電圧が発生し、磁界検出コイルDY(n)の一方の端部DD1における信号が変化し、この変化が単位検出回路UAMPに供給されることになる。
【0066】
単位検出回路UAMPは、この実施の形態1では、積分回路によって構成されている。すなわち、単位検出回路UAMPは、オペアンプOPと容量素子CSSとリセットスイッチRSとを備えており、オペアンプOPの正相入力(+)には接地電圧Vsが供給され、逆相入力(−)は、第6スイッチS51の第2端子C2に接続され、容量素子CSSとリセットスイッチRSは、オペアンプOPの出力と逆相入力(−)との間に並列接続されている。単位検出回路UAMPは、磁界検出コイルDY(n)における信号の変化を積分することにより、検出信号RX(n)を形成して、出力する。
【0067】
他の磁界検出コイルDY(n−1)およびDY(n+1)〜DY(n+2)のそれぞれに対応した単位検出回路(図示せず)のそれぞれにおいても、同様に、対応する磁界検出コイルの一方の端部DD1における信号の変化を積分し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)としてタッチ制御装置5(
図4)へ出力する。
【0068】
次に、
図10を用いて、電界タッチ検出の際の動作を説明する。電界タッチ検出の際には、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルとなるため、
図10に示すように、第6スイッチS50〜S53のそれぞれにおいて、共通端子Pは、第2端子C2に接続される。
【0069】
第6スイッチS51において、共通端子Pが、第2端子C2に接続されることにより、検出電極RL(n−2)、RL(n−1)およびRL(n)のそれぞれの一方の端部fnが、単位検出回路UAMPに接続されることになる。すなわち、それぞれの一方の端部fnが、オペアンプOPの逆相入力(−)に接続されることになる。見方を変えると、磁界タッチ検出の際に、磁界検出コイルとして機能していた磁界検出コイルDY(n)の一方の端部DD1と、他方の端部DD2が、第6スイッチS51を介して電気的に接続されることになる。すなわち、磁界検出コイルDY(n)の他方の端部DD2は、接地電圧Vsから分離され、一方の端部DD1に接続されるとともに、単位検出回路UAMPに接続されることになる。このとき、検出電極RL(n−2)とRL(n)との間に配置されていた検出電極RL(n−1)も、その他方の端部snが、検出電極RL(n−2)およびRL(n)から電気的に分離された状態で、その一方の端部fnは、同じ単位検出回路UAMPに接続されることになる。
【0070】
図7で説明したように、電界タッチ検出の際には、選択された駆動電極(例えばTL(n+1))に、周期的に電圧が変化する電界駆動信号(TSV)が供給される。これにより、選択された駆動電極(TL(n))と、検出電極RL(n−2)、RL(n−1)およびRL(n)との間で電界が発生することになる。
図3で説明したように、指がタッチしていれば、電荷量が変化し、検出電極RL(n−2)、RL(n−1)およびRL(n)の一方の端部fnに信号変化が発生する。この信号変化が、単位検出回路UAMPによって、所定の時間積分され、検出信号(例えば、Rx(n))として、タッチ制御装置5へ供給される。
【0071】
磁界検出の際に、磁界検出コイルとして機能する磁界検出コイルDY(n)と、この磁界検出コイルDY(n)の内側に配置された検出電極RL(n−1)を例にして、電界タッチ検出の動作を説明したが、他の検出電極によって構成された磁界検出コイルと、この磁界検出コイルの内側に配置された検出電極の場合も、同様にして、指のタッチを検出する。
【0072】
この実施の形態1においては、磁界検出コイルを構成する一対の検出電極(例えばRL(n−2)とRL(n))の間に配置された検出電極(RL(n−1))も、電界を検出するのに用いられている。磁界検出コイルを構成する一対の検出電極の間に、検出電極が配置されていない場合、一対の検出電極の間の領域において、指のタッチにより生じる電界の変化を検出する検出感度が低下することになる。これに対して、この実施の形態1では、一対の検出電極間に配置された検出電極も、電界の変化を検出するのに用いられるため、検出感度の低下を低減することが可能となる。
【0073】
磁界検出コイルDY(n)を構成する一対の検出電極RL(n−2)、RL(n)に挟まれた検出電極RL(n−1)は、上記したように、実施の形態1においては、その一方の端部fnが、磁界検出コイルDY(n)を構成する検出電極RL(n−2)に接続され、他方の端部snが、検出電極RL(n−2)、RL(n)から電気的に分離されている。この結果、検出電極RL(n−1)と検出電極RL(n−2)とによって、閉じたコイル(検出電極RL(n−2)〜RL(n)により構成されるコイルよりも小さいコイル)が構成されてしまうことがなく、かかるコイルによって、磁界が乱されることはない。
【0074】
<検出電極の構造>
図11は、実施の形態1に係わる検出電極の構成を模式的に示す平面図である。
図11は、第2基板CGBの第1主面CSF1に配置された複数の検出電極を、模式的に示した平面図である。
図11には、複数の検出電極のうち、検出電極RL(n−3)〜RL(n+7)が、代表として描かれている。検出電極RL(n−3)〜RL(n+7)のそれぞれは、第2基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2となる領域で、互いに平行となるように配置されている。すなわち、それぞれの検出電極は、表示領域2において、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に、平行となるように配置されている。
図5を参照にして述べると、平面視で見たとき、検出電極RL(n−3)〜RL(n+7)は、表示領域2の辺2−Rと辺2−Lとの間に配置され、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれと直交している。
【0075】
第2基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2の辺2−U側には、信号配線ULL(1)、ULL(2)およびULL(3)が形成されており、表示領域2の辺2−D側には、信号配線DLL(1−1)、DLL(1−2)、DLL(2−1)、DLL(2−2)、DLL(3−1)およびDLL(3−2)が形成されている。これらの信号配線によって、
図9および
図10に示したように、検出電極間が接続されている。
【0076】
検出電極RL(n−2)およびRL(n)を例にすると、検出電極RL(n−2)の他方の端部snと検出電極RL(n)の他方の端部snとは、表示領域2の辺2−U側に形成された信号配線ULL(1)によって接続されている。また、検出電極RL(n−2)の一方の端部fnと検出電極RL(n−1)の一方の端部fnとの間は、表示領域2の辺2−D側に形成された信号配線DLL(1−1)によって接続されている。この信号配線DLL(1−1)は、
図9および
図10に示した第6スイッチS51の第2端子C2と、対応する単位検出回路UAMPの逆相入力(−)とに接続されている。また、検出電極RL(n)の一方の端部fnは、辺2−D側に形成された信号配線DLL(1−2)に接続され、この信号配線DL(1−2)は、
図9および
図10に示した第6スイッチS51の共通端子Pに接続されている。他の検出電極も同様に、
図9および
図10に示すような接続となるように、信号配線によって接続されている。
【0077】
図11において、RB1およびRB3は、磁界検出コイルDY(n+1)を構成する一対の検出電極RL(n+1)、RL(n+3)の幅(電極幅)を示しており、RB2は、検出電極RL(n+2)の幅(電極幅)を示している。また、同図において、DB1は、検出電極RL(n+1)と検出電極RL(n+2)との間の幅を示しており、DB2は、検出電極RL(n+2)と検出電極RL(n+3)との間の幅を示している。この実施の形態1においては、平面視で見たとき、磁界検出コイルDY(n+1)を形成する検出電極RL(n+1)、RL(n+3)と、コイルの内側に配置された検出電極RL(n+2)との間にダミー電極領域DMAが配置されている。そのため、DB1およびDB2は、ダミー電極領域DMAの幅と見なすことができる。
【0078】
この実施の形態1においては、検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)のそれぞれは、メッシュ状に配置された複数の多角形の電極によって構成されている。言い換えると、検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)のそれぞれは、行列状に配置され、互いに電気的に接続された複数の多角形の電極によって構成されている。複数の多角形の電極が行列状に配置されていると見なした場合、行列の横方向(行方向)の幅が、RB1、RB2、RB3に相当し、この幅に配置された複数の多角形の電極が、縦方向(列方向)に沿って、複数配置されていることになる。
【0079】
検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)においては、それぞれを構成する複数の多角形の電極が電気的に接続されている。そのため、それぞれの検出電極における一方の端部fnと他方の端部snは電気的に接続された状態となっている。
【0080】
ダミー電極領域DMAも、メッシュ状に配置された複数の多角形のダミー電極によって構成されている。ダミー電極領域DMAが、行列状に配置された複数の多角形のダミー電極によって構成されると見なした場合、行列の横方向(行方向)の幅が、DB1、DB2に相当し、この幅に配置された複数の多角形の電極が、縦方向(列方向)に沿って、複数配置されていることになる。
【0081】
後で説明するが、ダミー電極領域DMAに配置される多角形のダミー電極の構造は、検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)を構成する多角形の電極と異なっており、ダミー電極間は電気的に分離されている。このように、ダミー電極は、検出電極と平行して配置され、検出電極間に挟まれるように配置されている。ダミー電極を配置しないようにすることも可能であるが、ダミー電極を配置しないと、表示領域2において、検出電極が配置されている領域と、検出電極が配置されていない領域とが視認されるのみならず、これらの領域によってコントラストや光の反射等の表示特性に差が生じてしまうことが考えられる。この実施の形態1においては、ダミー電極を検出電極間に配置することにより、表示領域全体の表示特性の均一化が図られている。
【0082】
検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)およびこれらの検出電極間に挟まれたダミー電極領域DMAを例にして説明したが、他の検出電極および検出電極間に挟まれたダミー電極領域も同様である。
【0083】
電界タッチ検出のときには、磁界検出コイルを構成する検出電極だけでなく、磁界検出コイルの内側に配置された検出電極によっても、電界の変化を検出するため、検出感度が低下する領域を減らすことが可能となり、電界タッチ検出のときの検出感度の低下を低減することが可能となる。
【0084】
<電極およびダミー電極の構造>
図12は、実施の形態1に係わる検出電極およびダミー電極領域の構造を示す平面図である。
図12(A)は、
図11に示した検出電極RL(n)、RL(n+1)の一部分を拡大した平面図である。また、
図12(B)は、検出電極を構成する多角形の電極の構造を示す平面図であり、
図12(C)は、ダミー電極領域に配置されるダミー電極の構造を示す平面図である。
【0085】
図12(A)において、RDは、検出電極を構成する多角形の電極を示している。この実施の形態1では、多角形の電極RDは、菱形をしている。
図12(A)において、DMは、ダミー電極を示しており、この実施の形態1では、外形が、電極RDと同じ菱形をしている。また、
図12(A)において、EB1は、検出電極RL(n)と、これに隣接したダミー電極領域DMAとの間の境界領域を示しており、EB2は、検出電極RL(n)と、これに隣接した検出電極RL(n+1)との間の境界領域を示しており、EB3は、検出電極RL(n+1)と、これに隣接したダミー電極領域DMAとの間の境界領域を示している。
【0086】
先ず、
図12(B)を用いて、検出電極を構成する菱形の電極RDを説明する。電極RDは、電極配線LL1〜LL4を備えており、これらの電極配線LL1〜LL4が、菱形のそれぞれの辺に沿って配置され、数μmから十数μmの幅を有する電極配線LL1〜LL4間は電気的に接続されている。例えば電極配線LL1とLL2は、菱形の頂点PP1において互いに接続されている。同様に、電極配線LL2〜LL1が、頂点PP2〜PP4において接続されている。電極RDにおいて、電極配線LL1〜LL4によって囲まれた菱形(多角形)の内側および外側には、配線は存在しない。そのため、平面視で見た場合、電極配線LL1〜LL4によって閉じた菱形(多角形)の領域(空間)が構成され、電極RDとして用いられていることになる。
【0087】
ダミー電極DMは、
図12(C)に示す構造を有している。ダミー電極DMも、菱形のそれぞれの辺に沿って配置された電極配線LL1〜LL4を備えているが、それぞれの電極配線は、2個の電極配線に分断されている。例えば、電極配線LL1は、電極配線LL1−1とLL1−2に分断され、菱形の頂点PP1と頂点PP4との間に配置されている。残りの電極配線LL2〜LL4のそれぞれも、同様に、2個の電極配線に分断され、菱形の頂点間に配置されている。
【0088】
ダミー電極DMにおいては、電極配線LL1〜LL4のそれぞれが、2個の電極配線に分断され、分断された電極配線が菱形の辺に沿って配置されることにより、菱形(多角形)形状が構成されていることになる。この菱形形状の内側および外側には配線が存在しない。平面視で見た場合、ダミー電極DMは、電極配線LL1−1、LL1−2〜LL4−1、LL4−2によって構成された開いた菱形(多角形)の領域(空間)により構成されていると見なすことができる。
【0089】
図12(B)に示した菱形の電極RDが、
図12(A)に示すように、複数個、横方向および縦方向に配置されている。この配置において、電極RDの頂点、すなわち菱形の頂点PP1〜PP4が、上下左右の側方に配置された電極RDの頂点(菱形の頂点)に電気的に接続されている。なお、隣接する電極RD間では、辺に配置された電極配線は兼用されている。
【0090】
また、ダミー電極領域DMAでは、
図12(C)に示した菱形のダミー電極DMが、
図12(A)に示すように、横方向および縦方向に、複数個配置されている。ダミー電極領域DMAにおいても、ダミー電極DMの頂点、すなわち菱形の頂点PP1〜PP4は、上下左右の側方に配置されたダミー電極DMの頂点(菱形の頂点)に電気的に接続されている。隣接するダミー電極DM間で、頂点が接続されているが、それぞれのダミー電極DMにおいて、頂点間が電気的に分離されているため、ダミー電極間は電気的に分離されていると見なすことができる。なお、ダミー電極領域DMAにおいても、隣接するダミー電極間では、辺に配置されている電極配線は兼用されている。
【0091】
図12(A)に示した境界領域EB1において、ダミー電極の頂点PP4(
図12(C))と検出電極RL(n)を構成する電極RDの頂点PP2(
図12(B))とが接続されている。ダミー電極の頂点PP4は、他の頂点PP1〜PP3と電気的に分離されているため、検出電極RL(n)と、これに隣接したダミー電極領域DMA間は電気的に分離されることになる。
【0092】
また、境界領域EB2においては、電極RDを構成する電極配線LL1とLL4が、ダミー電極DMの電極配線LL1−1、LL1−2、LL4−1、LL4−2のように分断されている。
図12(A)では、このような電極は、RDMとして示されている。これにより、互いに隣接した検出電極RL(n)とRL(n+1)との間が電気的に分離されている。さらに、境界領域EB3においても、上記した電極RDMが配置されている。これにより、検出電極RL(n+1)と、これに隣接したダミー電極領域DMAとの間が分離されている。
【0093】
上記した説明では、
図12(B)に示した電極RDを、検出電極RL(n)、RL(n+1)の領域に配列し、ダミー電極DMを、ダミー電極領域DMAに配列する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、平面視で見たとき、第2基板CGBの第1主面CSF1に、互いに交差する複数の金属細線をメッシュ状に形成し、金属細線の一部を欠落させることによって、検出電極RL(n)、RL(n+1)およびダミー電極領域DMAを形成するようにしてもよい。このようにする場合、メッシュ状に形成された金属細線の例が、
図12(A)において、ML1およびML2として示されている。また、欠落部が、CUTとして示されている。欠落部CUTは、ダミー電極領域DMAとなるべき領域に配置された金属細線ML1およびML2に形成される。同様に、境界領域EB1〜EB3となるべき領域に配置された金属細線ML1およびML2にも、欠落部CUTが形成されることになる。
【0094】
実施の形態1では、電極RDMとして、辺に沿って配置された電極配線を分断する例を示したが、辺に沿って配置された電極配線を分断するのではなく、頂点で分離するようにしてもよい。例えば、隣接する電極RD間が、頂点PP2とPP4で接続されている場合、頂点PP2と頂点PP4とを接続する接続部を分断するようにしてもよい。しかしながら、この場合、頂点PP2と頂点PP4が重なっている接続部を分断することになるため、切断量が増加する等の不都合が考えられる。そのため、辺に沿って配置されている電極配線を分断することが望ましい。
【0095】
この実施の形態1においては、それぞれのダミー電極DMにおいて、頂点間が電気的に分離されている。そのため、コイルL1からの磁界が、ダミー電極領域DMAに与えられても、ダミー電極DMにおいて磁界が誘起されるのを防ぐことが可能となり、コイルL1からの磁界が乱されるのを低減することが可能である。
【0096】
なお、特に制限されないが、この実施の形態1において、電極配線LL1〜LL4(LL1−1、LL1−2〜LL4−1、LL4−2)は、抵抗値が低いアルミニウム等によって形成されている。
【0097】
図12では、検出電極RL(n)、RL(n+1)を例にして説明したが、他の検出電極も同様な構造にされている。例えば、
図11に示した磁界検出コイルDY(n)の内側に配置された検出電極RL(n+2)も、列方向および行方向に配置された多角形の電極RDによって構成されている。
【0098】
例えば、
図11において、磁界検出コイルDY(n)を構成する検出電極RL(n+1)およびRL(n+3)のそれぞれを、第1電極と見なし、磁界検出コイルの内側に配置されている検出電極RL(n+2)を第2電極と見なすことができる。また、例えば、
図12において、検出電極RL(n+1)を構成する多角形の電極RDは、第3電極と見なし、磁界検出コイルDY(n)の内側に配置されている検出電極RL(n+2)を構成する多角形の電極RDは、第4電極と見なすことができる。この場合、多角形の電極RDを構成する電極配線LL1〜LL4は、第1電極配線と見なすことができ、多角形のダミー電極DMを構成する電極配線LL1−1,LL1−2〜LL4−1、LL4−2は、第2電極配線と見なすことができる。
【0099】
(実施の形態2)
図13は、実施の形態2に係わる検出電極の構成を示す図である。
図13(A)は検出電極の平面図、
図13(B)は
図13(A)におけるA−A’断面を示す断面図である。
【0100】
図13(A)は、
図11に類似している。すなわち、
図13(A)において、RL(n−3)〜RL(n+7)は、
図11と同様に、第2基板CGBに形成された検出電極を示しており、それぞれの検出電極RL(n−3)〜RL(n+7)は、複数の多角形の電極RDによって構成されている。また、
図13(A)において、DMAは、ダミー電極領域を示しており、複数の多角形のダミー電極DMが配置されている。
図13(A)で、一点鎖線ZAで示した領域が、
図12(A)で説明した領域に相当する。
【0101】
図13(A)において、ULL(1−1)〜ULL(1−3)、ULL(2−1)〜ULL(2−3)およびULL(3−1)〜ULL(3−3)は、信号配線を示している。これらの信号配線は、第2基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2の辺2−U側に形成されている。また、DLL(1−1)、DLL(1−2−1)〜DLL(1−2−3)、DLL(2−1)、DLL(2−2−1)〜ULL(2−2−3)、DLL(3−1)およびDLL(3−2−1)〜DLL(3−2−3)は、信号配線を示している。これらの信号配線は、第2基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2の辺2−D側に形成されている。
【0102】
信号配線ULL(1−1)〜ULL(1−3)によって、検出電極RL(n−3)と検出電極RL(n+1)のそれぞれの他方の端部sn間が、辺2−U側において接続されている。同様にして、辺2−U側に形成された信号配線によって、検出電極RL(n)と検出電極RL(n+4)の他方の端部sn間が接続され、検出電極RL(n+3)と検出電極RL(n+7)の他方の端部sn間が接続されている。
【0103】
信号配線DLL(1−1)によって、検出電極RL(n−3)、RL(n−2)のそれぞれの一方の端部fnと、
図9および
図10で説明した第6スイッチの第2端子C2との間が、辺2−D側において接続されている。また、信号配線DLL(1−2−1)およびDLL(1−2−2)によって、検出電極RL(n+1)の一方の端部fnが、辺2−D側において、第2スイッチの共通端子Pに接続されている。同様にして、辺2−D側に形成された信号配線により、他の検出電極の一方の端部fn間の接続と、他の検出電極と第6スイッチの端子(第1端子C1および共通端子P)間の接続が行われている。これにより、それぞれ1回巻線の磁界検出コイルDY(n)〜DY(n+2)が、検出電極RL(n−3)、RL(n+1)、RL(n)、RL(n+4)、RL(n+3)およびRL(n+7)によって構成されている。
【0104】
この実施の形態2においては、磁界検出コイルDY(n+1)を構成する検出電極(第5電極)RL(n)とRL(n+4)との間に、平面視で見たとき、3個の検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)が配置されている。すなわち、磁界検出コイルDY(n+1)の内側の領域に、3個の検出電極が配置されている。この3個の検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)のうち、検出電極RL(n)に近接して配置されている検出電極(第1電極)RL(n+1)は、この磁界検出コイルDY(n+1)の左側の側方に配置された磁界検出コイルDY(n)を構成する検出電極として用いられている。同様に、検出電極RL(n+4)に近接して配置されている検出電極RL(n+3)は、この磁界検出コイルDY(n+1)の右側の側方に配置された磁界検出コイルDY(n+2)を構成する検出電極として用いられている。これにより、磁界検出コイルDY(n+1)は、隣(側方)に配置された磁界検出コイルDY(n)およびDY(n+2)と、部分的に重なることになり、磁界を検出する際に、不感となる領域が発生するのを防ぐことが可能となっている。
【0105】
3個の検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)のうち、残りの1個の検出電極RL(n+2)は、その一方の端部fnが、磁界検出コイルDY(n+1)を構成する検出電極RL(n)、RL(n+4)に電気的に接続され、その他方の端部snは、磁界検出コイルDY(n+1)とは電気的に分離されている。この検出電極RL(n+2)は、電界検出の際に、検出電極RL(n)、RL(n+4)とともに、電界を検出する電極として用いられることになり、電界検出の際に、感度が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0106】
同様にして、磁界検出コイルDY(n)は、磁界検出コイルDY(n+1)と図示しない磁界検出コイルDY(n−1)と重なるように配置され、磁界検出コイルDY(n+2)は、磁界検出コイルDY(n+1)と図示しない磁界検出コイルDY(n+3)と重なるように配置されている。また、磁界検出コイルDY(n)、DY(n+2)のそれぞれの内側に配置された検出電極RL(n−1)、RL(n+5)は、電界を検出する電極として用いられる。なお、
図13(A)において、磁界検出コイルの内側に配置とは、平面視で見たときに、磁界検出コイルを構成する検出電極間に配置されていることを表している。
【0107】
この実施の形態2においては、磁界検出コイルの一部が互いに重なるべく、表示領域2の辺2−U側に配置される各磁界検出コイルの信号配線が、立体的に交差するように形成されている。同様に、表示領域2の辺2−D側に配置される各磁界検出コイルの信号配線が、立体的に交差するように形成されている。
【0108】
この立体的な交差部の例が、
図13(A)において、A−A’部として示されている。このA−A’部の断面構造が、
図13(B)に示されている。
図13(B)において、第2基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2に相当する領域には、前記した検出電極RL(0)〜RL(P)が形成されている。表示領域2の辺2−U側であって、表示領域2の外側の第1主面CSF1上に、金属配線層が形成され、形成された金属配線層により、
図13(B)において横方向に延在している信号配線ULL(2−1)と信号配線ULL(2−3)が構成される。また、信号配線ULL(2−1)と信号配線ULL(2−3)は分離されており、分離部分を、第1主面CSF1上に形成された金属配線層により構成された信号配線ULL(3−1)が、通過している。
【0109】
第1主面CSF1に形成された金属配線層上には、樹脂膜ISOが形成され、樹脂膜ISO上には、例えばITOによって構成された透過性の高い導電層が形成される。信号配線ULL(2−1)、ULL(2−3)上に形成された樹脂膜IOSの所定の領域に開口部が設けられ、この開口部を介して、透明性の高い導電層が、信号配線ULL(2−1)およびULL(2−3)に接続されている。信号配線ULL(2−1)およびULL(2−3)に接続された導電層が、信号配線ULL(2−2)となる。
図13(B)では、信号配線ULL(2−1)、ULL(2−3)と信号配線ULL(2−2)を接続する部分が、コンタクトホールCTPとして示されている。これにより、信号配線ULL(3−1)と信号配線ULL(2−1)〜ULL(2−3)が、電気的に接続されないようにして、交差している。
【0110】
信号配線ULL(3−1)と信号配線ULL(2−1)〜ULL(2−3)との間の交差部を例にして説明したが、他の信号配線の交差部についても同様である。
【0111】
実施の形態2によれば、電極RDやダミー電極DMを構成する電極配線により形成される磁界検出領域の全てがいずれかの磁界検出コイルの外縁よりも内側の領域に存在することとなり、磁界検出の際に、検出感度が低下する領域あるいは不感領域が生じるのを低減することが可能である。また、電界検出の際には、検出感度の低下を低減することが可能となる。
【0112】
なお、実施の形態1では、磁界検出コイルが重なっていないため、第2基板CGBに、例えば1層の導電層を形成し、この導電層で、磁界検出コイルと、磁界検出コイルの内側の検出電極を形成することが可能となり、価格の上昇を抑制することが可能となる。
【0113】
<変形例>
図14は、実施の形態2の変形例に係わる検出電極の構造を示す平面図である。
図14は、
図13(A)に類似しているので、主に相違点を説明する。
【0114】
図13(A)で述べたように、磁界検出コイルDY(n+1)は、検出電極RL(n)とRL(n+4)によって構成されている。平面視で見たとき、この検出電極RL(n)とRL(n+4)との間に、検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)が存在する。
図13(A)では、磁界検出コイルDY(n+1)の内側に配置されている検出電極RL(n+1)〜RL(n+3)のそれぞれの幅TB1〜RB3は、同じにされていた。これに対して、この変形例においては、磁界検出コイルDY(n+1)の内側に配置されている検出電極RL(n+2)の幅RB2−1が、検出電極RL(n)、RL(n+4)の幅RB1、R3に比べて細くされている。すなわち、電界検出の際に、電界を検出する電極として用いられる検出電極RL(n+2)の幅RB2−1が、細くされている。
【0115】
これにより、磁界検出の際に、コイルL1から伝えられる磁界が、磁界検出コイルDY(n+1)の内側に配置された検出電極によって乱されるのを低減することが可能となり、磁界検出コイルDY(n+1)に伝達される磁界が弱くなるのを防ぐことが可能となる。その結果、検出感度の低下を減らすことが可能となる。また、磁界検出コイルの内側に配置されている検出電極の幅RB2−1が細くなるため、この検出電極に付随する寄生容量を低減することが可能となり、磁界検出の際に寄生容量へ流れる電流を低減することが可能となる。その結果、検出感度の低下を、さらに減らすことが可能となる。
【0116】
磁界検出コイルDY(n+1)の内側に配置される検出電極RL(n+2)を例にして説明したが、他の磁界検出コイルDY(n)、DY(n+2)のそれぞれの内側に配置されている検出電極RL(n−1)、RL(n+5)の幅も、磁界検出コイルを構成する検出電極の幅よりも細くされている。
【0117】
なお、
図14では、
図13の信号配線ULL(1−1)〜ULL(1−3)は、1個の信号配線ULL(1)で示され、
図13の信号配線DLL(1−2−1)、DLL(1−2−2)は、1個の信号配線DLL(1−2)で示されている。残りの信号配線も、同様に、
図14では、1個の信号配線で示されている。
【0118】
(実施の形態3)
実施の形態1および2においては、表示領域2において、信号線SL(0)〜SL(p)と駆動電極TL(0)〜TL(p)とが直交するように配置された表示装置を説明した。実施の形態3では、表示領域2において、信号線SL(0)〜SL(p)と駆動電極TL(0)〜TL(p)が平行して配置される。すなわち、信号線SL(0)〜SL(p)および駆動電極TL(0)〜TL(p)が、列方向(第2方向)に延在し、検出電極RL(0)〜RL(p)は、駆動電極TL(0)〜TL(p)と直交するように、行方向(第1方向)に延在する。
【0119】
この実施の形態3においても、磁界タッチ検出の際には、実施の形態1と同様に、駆動電極TL(0)〜TL(p)によって磁界発生コイルが構成され、検出電極RL(0)〜RL(p)によって磁界検出コイルが構成される。また、電界タッチ検出の際には、駆動電極TL(0)〜TL(p)によって電界が発生し、検出電極RL(0)〜RL(p)によって電界の変化が検出される。
【0120】
図15は、実施の形態3に係わる検出電極の構造を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、表示領域2における検出電極の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。
図15において、破線で囲んだ領域は、表示領域2を示している。表示領域2には、複数の検出電極RL(0)〜RL(p)が配置されているが、
図15には、検出電極RL(n−3)、RL(n−1)〜RL(n+5)およびRL(n+7)のみが示されている。
【0121】
検出電極RL(n−3)の他方の端部snは、表示領域2の辺2−R側において、検出電極RL(n+1)の他方の端部snに接続されている。これにより、検出電極RL(n−3)とRL(n+1)により磁界検出コイルDX(n−1)が構成されている。磁界検出コイルDX(n−1)の内側には、検出電極RL(n−2)、RL(n−1)およびRL(n)が配置されている。
図15では、検出電極RL(n−2)は、省略されているが、隣の磁界検出コイルDX(n−2)を構成する検出電極として用いられる。検出電極RL(n−1)の一方の端部fnは、辺2−L側において、検出電極RL(n−3)の一方の端部fnと接続され、その他方の端部snは、磁界検出コイルDX(n−1)と電気的に分離されている。また、検出電極RL(n)の他方の端部snは、辺2−L側において、検出電極RL(n+4)の他方の端部snに接続されている。これにより、検出電極RL(n)とRL(n+4)とによって磁界検出コイルDX(n)が構成されている。
【0122】
磁界検出コイルDX(n)は、上側に配置された磁界検出コイルDX(n−1)の内側に配置されているため、実施の形態2で説明したのと同様に、隣の磁界検出コイルと部分的に重なっていることになる。
【0123】
磁界検出コイルDX(n)の内側には、検出電極RL(n+2)、RL(n+3)および上記した検出電極RL(n+1)が配置されている。検出電極RL(n+2)の一方の端部fnは、辺2−R側において、検出電極RL(n)の一方の端部fnに接続され、他方の端部snは磁界検出コイルDX(n)から電気的に分離されている。検出電極RL(n+3)の他方の端部snは、辺2−R側において、検出電極RL(n+7)の他方の端部snに接続され、磁界検出コイルDX(n+1)が構成される。磁界検出コイルDX(n+1)の構成は、検出電極が異なるだけで、磁界検出コイルDX(n−1)と同様である。
【0124】
この実施の形態3においても、表示領域2の辺2−Lは、
図5に示すように、モジュール500の辺500−Lと対向し、表示領域2の辺2−Rは、モジュール500の辺500−Rと対向している。モジュール500の辺500−Lと表示領域2の辺2−Lとの間の領域には、信号配線が形成されている。同様に、モジュール500の辺500−Rと表示領域2の辺2−Rとの間の領域にも、信号配線が形成されている。
【0125】
検出電極RL(n−3)とRL(n−1)のそれぞれの一方の端部fnが、磁界検出コイルDX(n−1)の一方の端部DD3とされ、検出電極RL(n+1)の一方の端部fnが、磁界検出コイルDX(n−1)の他方の端部DD4とされる。磁界検出コイルDX(n−1)の一方の端部DD3および他方の端部DD4は、辺500−Lと辺2−Lとの間の領域に形成された信号配線を介して、切り換え検出回路SC−D&AMPに接続されている。同様に、磁界検出コイルDX(n+1)の一方の端部DD3と他方の端部DD4も、辺500−Lと辺2−Lとの間の領域に形成された信号配線を介して、切り換え検出回路SC−D&AMPに接続され、磁界検出コイルDX(n)の一方の端部DD3と他方の端部DD4は、辺500−Rと辺2−Rとの間の領域に形成された信号配線を介して、切り換え検出回路SC−D&AMPに接続されている。
【0126】
切り換え検出回路SC−D&AMPは、切り換え回路SC−Dと検出回路AMPを備えている。切り換え回路SC−Dは、第7スイッチS60〜S62を備えており、検出回路AMPは、磁界検出コイルDX(n−1)〜DX(n+1)のそれぞれに対応した単位検出回路UAMPを備えている。第7スイッチS60〜S62および単位検出回路UAMPの動作は、実施の形態1で説明した第6スイッチS51および単位検出回路UAMPと同様なので、説明は省略する。
【0127】
この実施の形態3においては、表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の領域に形成された信号配線と、表示領域2の辺2−Rとモジュール500の辺500−Rとの間の領域に形成された信号配線を用いて、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のそれぞれのときに、検出電極における信号変化が、単位検出回路UAMPに供給される。そのため、モジュール500において、長辺方向の額縁が大きくなるのを抑制することが可能である。
【0128】
(実施の形態4)
図12では、検出電極を構成する電極として菱形の形状を有する電極RDを用いる例を説明した。実施の形態4では、外形が八角形の電極を用いて、検出電極が構成される。
【0129】
図16は、実施の形態4に係わる検出電極の構造を示す平面図である。ここで、
図16(A)は、
図13(A)に示した領域ZAを拡大した平面図である。また、
図16(B)は、検出電極を構成する電極RD1(第3電極)の構造を示す平面図であり、
図16(C)は、ダミー電極領域DMAに配置されるダミー電極DM1の構造を示す平面図である。
【0130】
検出電極RL(n)およびRL(n+1)のそれぞれは、平面視で見たとき、行列状に配置され、互いに電気的に接続された複数の電極RD1によって構成されている。また、ダミー電極領域DMAには、平面視で見たとき、行列状に配置された複数のダミー電極DM1が配置されている。この実施の形態4においては、電極RD1のそれぞれは、平面視で見たとき、互いに同じ構造を有しており、ダミー電極DM1のそれぞれも、平面視で見たとき、互いに同じ構造を有している。
【0131】
図16(B)を用いて、電極RD1を説明する。この実施の形態4において、電極RD1は、八角形のそれぞれの辺に沿って配置された電極配線LL1〜LL8を備えており、互いに隣接する辺に沿って配置された電極配線は、互いに隣接する辺が交差する頂点PP1〜PP8において電気的に接続されている。
【0132】
ここで、電極配線LL1、LL3、LL5およびLL7の配線長は、同じ長さDIS1にされ、電極配線LL2およびLL6の配線長は、同じ長さDIS2にされ、電極配線LL4およびLL8の配線長は、同じ長さDIS3にされている。長さDIS1は、長さDIS2およびDIS3よりも長くなっている。短い電極配線LL2とLL6は互いに対向し、平行となるように配置され、短い電極配線LL4とLL8も互いに対向し、平行となるように配置されている。長い電極配線LL1、LL3、LL5およびLL7は、短い電極配線LL8、LL2、LL4、LL6およびLL8間を接続するように配置されている。また、長い電極配線LL1とLL5は、互いに対向し、平行に配置され、長い電極配線LL3とLL7は、互いに対向し、平行に配置されている。これにより、電極配線LL1〜LL8により形成される電極RD1は、
図16(B)に示すように、その外形形状は、菱形に類似した八角形となり、菱形と同様に長手方向と短手方向を有することになる。
【0133】
それぞれの八角形の電極RD1は、その長手方向が、検出電極RL(n)、RL(n+1)の延在方向となるように配置されている。すなわち、それぞれの電極RD1は、その長手方向が、列方向(縦方向)となり、短手方向が、行方向(横方向)になるように配置されている。言い換えると、検出電極RL(n)、RL(n+1)の延在方向と直交する方向に所定の幅を有し、検出電極の延在方向に延びた電極領域(電極領域)に、複数の電極RD1が配置されていることになる。検出電極に配置されている複数の電極RD1間において、電極配線LL1〜LL7は、同じ長さを有している。そのため、複数の電極RD1間において、電極RD1内の面積は同じになっている。
【0134】
検出電極RL(n)、RL(n+1)においては、上下および左右に配置されている電極RD1との間で、短い電極配線間が、短い電極間配線によって電気的に接続される。
図16(A)に示した電極RD1−Cを例にして述べると、電極RD1−Cの短い電極配線LL2は、電極間配線LL26によって、上側に配置された電極RD−Uの短い電極LL6に接続され、電極RD1−Cの短い電極配線LL6は、電極間配線LL26によって、下側に配置された電極RD−Dの短い電極LL2に接続される。また、電極RD1−Cの短い電極配線LL4は、電極間配線LL48によって、左側に配置された電極RD−Lの短い電極配線LL8に接続され、電極RD1−Cの短い電極配線LL8は、電極間配線LL48によって、右側に配置された電極RD−Rの短い電極配線LL4に接続される。これにより、互いに近接して、行列状に配置された複数の電極RD1が、互いに接続され、検出電極RL(n)、RL(n+1)が構成されている。
【0135】
また、検出電極RL(n)とRL(n+1)との間の境界領域EB2においては、電極配線LL4とLL8との間が、電極間配線LL48によって接続されず、分離されている。
【0136】
ダミー電極領域DMAに行列状に配置されている複数のダミー電極DM1のそれぞれの外形形状は、電極RD1と同様に、菱形に近い八角形をしている。
図16(C)に示すように、ダミー電極DM1は、八角形のそれぞれの辺に沿って配置された電極配線LL1〜LL8を備えており、八角形の頂点PP1〜PP8において、交差する辺に沿って配置された電極配線が接続されている。この実施の形態4においては、頂点PP1とPP8とを結ぶ辺に沿って配置されている電極配線LL1は、電気的に分離された2個の電極配線LL1−1とLL1−2によって構成されている。
【0137】
それぞれ開いた領域(空間)を備えたダミー電極DM1が、ダミー電極領域DMAに行列状に配置されている。この場合、それぞれのダミー電極DM1の長手方向が、電極RD1の長手方向と一致する方向に配置され、それぞれのダミー電極DM1の短手方向が、電極RD1の短手方向と一致する方向に配置されている。ダミー電極領域DMAに配置されたダミー電極DM1間は、電極間配線によって接続されず、互いに分離されている。
【0138】
図12に示した例では、平面視で見たとき、検出電極RL(n)、RL(n+1)の配線幅に相当する電極RDの数が3.5個であるのに対して、実施の形態4では、電極RD1の数を4個にすることが可能であり、検出電極の抵抗を低減することが可能である。
【0139】
また、実施の形態4では、ダミー電極DM1の形状が、電極RD1の形状と略同じになっている。そのため、検出電極RL(n)、RL(n+1)とダミー電極領域DMAとの間で、反射率等の光学的な性能の差をより少なくすることが可能である。その結果、表示特性の均一化を図ることが可能となる。また、光学的な性能差を少なくすると言う観点で捉えた場合、ダミー電極DM1において、電極配線LL1は、電極配線LL1−1とLL1−2に分断されていることは必要とされない。すなわち、ダミー電極DM1は、電極RD1と同じ構成でもよい。この場合には、上下方向または/および左右方向に配置されたダミー電極DM1間が、電極間配線によって接続されず、電気的に分離されていればよい。
【0140】
図16でも、検出電極RL(n)、RL(n+1)を例にして説明したが、他の検出電極も同様な構造にされている。例えば、
図12に示した磁界検出コイルDY(n+1)の内側に配置された検出電極RL(n+2)も、検出電極RL(n)、RL(n+1)と同様に、列方向および行方向に配置された多角形の電極RD1によって構成されている。言い換えるならば、検出電極RL(n+2)の延在方向と直交する方向に所定の幅を有し、検出電極RL(n+2)の延在方向に延びた電極領域(電極領域)に、複数の電極RD1が配置され、この第2電極領域に配置された複数の電極RD1によって検出電極RL(n+2)も構成されていることになる。
【0141】
実施の形態4では、それぞれの電極RD1は、互いに同じ長さの電極配線(例えば長さDIS1を有する電極LL7、LL3)を備えているが、それぞれが菱形に近い八角形をしているため、同じ行で隣接した配置された2個の電極RD1を見たとき、電極配線は若干ジグザグに配置されていることになる。例えば、
図16(A)において、電極RD1−P1〜RD1−P3のそれぞれにおける電極配線LL7を結ぶ仮想直線IML(一点鎖線)を描いた場合、電極RD1−P3およびRD1−P4の右側に配置された電極RD1−P4およびRD1−P5のそれぞれにおける電極配線LL3は、仮想直線IMLに重ならず、電極RD1−P2およびRD1−P3側へはみ出すことになる。また、電極RD1において、互いに平行した長い電極配線(例えばLL3とLL7)間の幅DRB1と、斜め上方または下方に配置された電極RD1間で、互いに平行する長い電極配線(LL3とLL7)間の幅DRB2とは、同じ長さになる。ここで、幅DRB2は、斜め方向に配置された2個の電極RD1間に存在する空白領域、すなわち電極RD1が配置されていない領域の幅を示していると見なすことができる。
【0142】
実施の形態1〜4においては、磁界検出コイルが、第2基板CGBの第1主面CSF1に形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって構成されている。検出電極は、第2基板CGBの第1主面CSF1に形成されているため、検出電極RL(0)〜RL(p)に付随する寄生容量の低減を図ることが可能となる。磁界を検出するときに、ペンからの磁界によって、磁界検出コイルを構成する検出電極に電流が流れることになるが、寄生容量の低減を図ることができるため、検出電極を流れる電流が寄生容量によって漏れるのを低減することが可能となる。その結果、検出感度の低下を低減することが可能となる。
【0143】
実施の形態1〜4においては、磁界検出コイルを、一対の検出電極によって構成する、1回巻線の磁界検出コイルの例を示したが、これに限定されるものではない。磁界検出コイルは、1.5回巻線あるいは2回巻線以上のコイルであってもよい。また、磁界検出コイルの内側に配置される検出電極として、1個の検出電極を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、磁界検出コイルの内側に配置される検出電極は、2個以上であってもよい。
【0144】
さらに、磁界検出コイルの内側に配置される電極は、磁界検出コイルを構成する検出電極とは異なる電極によって構成するようにしてもよい。例えば、磁界検出コイルの内側に配置される電極は、第2基板CGBの第1主面CSF1に形成されるが、その延在方向は、磁界検出コイルを構成する検出電極の延在方向と異なっていてもよい。また、磁界発生コイルと磁界検出コイルが、別々の場合を説明したが、磁界発生コイルと磁界検出コイルとは同じであってもよい。
【0145】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0146】
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0147】
例えば、実施の形態3においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)は、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、駆動電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)が、行方向に延在し、列方向に並列に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。また、本明細書で用いている「平行」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することを意味する。そのため、一方の線(あるいは電極)の一部又は全部が他方の線(あるいは電極)に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、本明細書においては、この状態も「平行」であるとする。