特許第6639741号(P6639741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6639741多層溶接部の製造を監視するための方法およびシステム、ならびに、ナローギャップ溶接方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6639741
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】多層溶接部の製造を監視するための方法およびシステム、ならびに、ナローギャップ溶接方法。
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/167 20060101AFI20200127BHJP
   B23K 9/095 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   B23K9/167 D
   B23K9/095 515A
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-522407(P2019-522407)
(86)(22)【出願日】2017年10月2日
(65)【公表番号】特表2019-531899(P2019-531899A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(86)【国際出願番号】EP2017074939
(87)【国際公開番号】WO2018077572
(87)【国際公開日】20180503
【審査請求日】2019年5月27日
(31)【優先権主張番号】16195790.7
(32)【優先日】2016年10月26日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ボルグマン
(72)【発明者】
【氏名】トルステン−ウルフ・ケルン
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・ニーポルト
【審査官】 竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/088110(WO,A1)
【文献】 特開昭53−15234(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104439620(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/00 − 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナローギャップ溶接方法を用いて多層溶接部の製造を監視する方法であって、
- 少なくとも1つの基本材料本体(3、4)への、溶接部の少なくとも1つの溶接層(5)の結合の少なくとも1つの状態パラメータを光学的に検出するステップであって、前記基本材料本体(3、4)に隣接する溶接層(5)と前記基本材料本体(3、4)の溶接面(8,9)の法線ベクトルとの間のフラッシング角度(α1、α2)が状態パラメータとして検出されるか、或いは、前記溶接層(5)の端部と基本材料本体(3、4)の前記溶接面(8、9)との間のフラッシング角度(β1、β2)が状態パラメータとして検出される、光学的に検出するステップと、
- 検出された前記状態パラメータを少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータと比較するステップと、
- パラメータ比較の結果を考慮して結合の品質を決定するステップと、
を含んでなることを特徴とする、多層溶接部の製造を監視する方法。
【請求項2】
多層溶接部を製造するためのナローギャップ溶接方法であって、
- 請求項1に記載の方法を用いて溶接部の製造を監視するステップと、
- 結合の品質が少なくとも1つの事前定義された品質基準を満たさない場合に信号を生成して出力するステップであって、前記溶接層(5)の端部セクションと前記基本材料本体(3、4)の前記溶接面(8、9)の法線ベクトルとの間で検出された前記フラッシング角度(α1、α2)が事前定義された最小角度よりも小さいと、前記信号を生成して出力し、或いは、前記溶接層(5)の前記端部セクションと前記基本材料本体(3、4)の前記溶接面(8、9)との間で検出されたフラッシング角度(β1、β2)が事前定義された最大角度よりも大きいと、前記信号を生成して出力する、信号を生成して出力するステップと、
を含んでなることを特徴とするナローギャップ溶接方法。
【請求項3】
ナローギャップ溶接方法を使用して多層溶接部の製造を監視するためのシステムであって、基本材料本体(3、4)への溶接部の少なくとも1つの溶接層(5)の結合の少なくとも1つの状態パラメータを光学的に検出するための少なくとも1つの光学式の検出装置を備えるシステムにおいて、
少なくとも1つのデータ処理装置であって、前記検出装置に接続され、検出された状態パラメータを考慮して結合の品質を決定し、前記品質が良好であれば信号を生成して出力するように構成された少なくとも1つのデータ処理装置によって特徴つけられ、
前記基本材料本体(3、4)に隣接する、前記溶接層(5)の端部と前記基本材料本体(3、4)の溶接面(8、9)の法線ベクトルとの間のフラッシング角度(α1、α2)を検出するように、前記検出装置が構成され、さらに、前記溶接層(5)の前記端部と前記基本材料本体(3、4)の前記溶接面(8、9)の前記法線ベクトルとの間の前記フラッシング角度(α1、α2)が、事前定義された最小角度よりも小さい場合に信号を生成して出力するように、前記検出装置が構成され、
或いは、前記基本材料本体(3、4)に隣接する、前記溶接層(5)の前記端部と前記基本材料本体(3、4)の前記溶接面(8、9)との間のフラッシング角度(β1、β2)を検出するように、前記検出装置が構成され、さらに、前記溶接層(5)の前記端部と前記基本材料本体(3、4)の前記溶接面(8、9)との間の前記フラッシング角度(べ1、β2)が、事前定義された最大角度よりも大きい場合に信号を生成して出力するように、前記検出装置が構成されているシステム。
【請求項4】
前記検出装置が、少なくとも1つの赤外線カメラ、または赤外線に敏感で光学フィルターを有するカメラを有することを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナローギャップ溶接方法を用いて多層溶接部の製造を監視する方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、多層溶接部を製造するためのナローギャップ溶接方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、ナローギャップ溶接方法を使用して多層溶接部の製造を監視するためのシステムに関し、このシステムは、基本材料本体への溶接部の少なくとも1つの溶接層の結合の少なくとも1つの状態パラメータを光学的に検出するための少なくとも1つの光学式検出装置を含む。
【背景技術】
【0004】
例えば、タービン・モジュールの接続溶接部は、通常、TIG(タングステン・イナート・ガス)ナローギャップ溶接プロセスと呼ばれる機械化溶接プロセスで製造される。この溶接方法の特徴は、シングルビード技術と呼ばれるものであって、すなわち、1つの溶接層当たりただ1つの溶接ビードが、接続されるべき基本材料本体間の狭いギャップに導入されることである。これは、連続する溶接層の焼きなまし効果、溶接用の最良の可能な材料特性、および、基本材料における熱影響部の結果として、均質な層構造をもたらす。電流、電圧、ワイヤ送給などの溶接パラメータは、ここでは良好な溶接結果が得られるように最適化されている。特に、溶接面と基本材料本体との間の結合(サイド溶け込み)は、高品質の溶接には不可欠である。溶接面のそれぞれの基本材料本体との結合不足は、サイド溶融欠陥と呼ばれるものをもたらす。
【0005】
溶接プロセスは通常、多種多様な品質保証手段によって支援されている。溶接中に、例えば、溶接パラメータのオンライン検査およびそれらの記録が実行され得る。溶接プロセス中に溶接パラメータが事前定義された限界値の外側になった場合、溶接プロセスは自動的に停止される。
【0006】
さらに、溶接工程中に、例えば、超HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)ビデオカメラを用いてアークの目視検査を実施することが可能である。このカメラによる監視を通して、溶接担当者は、溶接層と、互いに溶接されるべき基本材料本体との間の両側のサイド溶融を視覚的に監視することが可能である。ただし、この監視ステップは純粋に視覚的なもので自動化されていない。すなわち、ビデオ録画で明らかになるサイド溶融の欠如は、溶接要員による即時の評価と、適切であれば、溶接要員による溶接プロセスの手動停止とを必要とする。
【0007】
溶接後、製造された溶接部は、例えば、超音波によって、非破壊的にサイド溶融欠陥について従来通りに試験され得る。
【0008】
図1は、TIGナローギャップ溶接プロセス中に溶接要員に従来利用可能であるようなビデオカメラのビデオ画像を示す。使用され、タングステン電極2を有する溶接バーナー1が示されている。さらに、多層溶接部を介して互いに接続されることになる2つの基本材料本体3、4が示されている。それぞれ別々に導入された溶接ビードによって形成され、そこから溶接部が連続的に形成されている複数の溶接層5が、基本材料本体3、4との間に配置されている。それぞれの溶接層5のそれぞれの横方向端部は、それぞれの基本材料本体3または4に対して良好に結合されるべきである。これらのサイド結合は、長方形6によって特徴付けられている領域に存在する。さらに、タングステン電極2とトップ溶接層5との間に不活性ガスからなる保護電流内で燃焼するアーク7を見ることが可能である。見えない溶接材料は、ビデオ画像には見えないように後方から供給され、アーク7によって溶融される。
【0009】
溶接層5の最適なサイド結合のための最も重要な光学的基準は、それぞれの基本材料本体3または4の溶接面上にフィレット(隅肉)と呼ばれるものを形成することである。両側の溶融溶接ビード材料による基本材料本体3、4の良好なフラッシング(flushing)の結果として、良好に形成されたフィレットがそれぞれ長方形6によって特徴付けられる領域において明らかである。このフラッシングは溶接要員によって視覚的に感知され評価される。この評価に応じて、修正措置のために溶接プロセスが継続または中断される。
【0010】
基本材料本体4上に意図的にひどく形成されたフィレットの一例が図2に示されている。基本材料本体3に対する溶接ビード材料の良好なフラッシングと比較して、比較的不良な溶接層5の基本材料本体4との結合を、図2の右側の長方形6内に見ることができる。
【0011】
特許文献1(DE 20 2007 011 584 U1)は溶接デバイスを開示し、特許文献2(JP 2005 081419 A)は軽いアーク溶接の方法を開示し、特許文献3(DE 10 2008 046 692 A1)は摩擦攪拌型溶接部の非破壊試験の方法およびデバイスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国実用新案出願公開第202007011584号明細書
【特許文献2】特開2005−81419号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第102008046692号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ナローギャップ溶接法を用いた溶接部の製造を改善することである。
【0014】
この目的は独立請求項によって達成される。有利な改良点は、以下の説明、従属請求項および図面に示されており、これらの改良点はそれぞれ、それら自体を用いて、或いは、互いの様々な組み合わせによって、本発明を、発展的に、特に好ましいまたは有利な態様を表すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
ナローギャップ溶接方法を用いて多層溶接部の製造を監視するための本発明による方法は、
- 少なくとも1つの基本材料本体への、溶接部の少なくとも1つの溶接層の結合の少なくとも1つの状態パラメータを光学的に検出するステップと、
- 検出された状態パラメータを少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータと比較するステップと、
- パラメータ比較の結果を考慮して結合の品質を決定するステップと、
を含んでなる。
【0016】
本発明によれば、多層溶接部の製造はナローギャップ溶接法、特に、TIGナローギャップ溶接法を用いて監視され、これは製造される溶接部の品質がその生成中に既に評価されていることを意味する。これは、製造された溶接部のサイド溶融欠陥のための従来のその後の非破壊検査を不必要にすることができ、それは製造支出、すなわち関連するコストに有利な効果をもたらす。
【0017】
本発明によれば、多層溶接部の製造の監視は、少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータを備えた少なくとも1つの基本材料本体との溶接部の、少なくとも1つの溶接層の結合の少なくとも1つの光学的に検出された状態パラメータの比較に基づいて、ナローギャップ溶接方法を使用して自動的に行われる。このような比較、およびそれに基づく、それぞれの基本材料への溶接層のそれぞれの結合の品質の決定は、溶接の製造中またはオンライン中に、溶接要員によって実施されることはできず、むしろ、技術的実施およびデータ処理を必要とし、これには特定の自動化を必然的に伴う。それぞれの基本材料本体へのそれぞれの溶接層のそれぞれの結合の品質の決定は、もはや溶接要員の主観的な視覚能力および経験には依存しない。したがって、本発明は、少なくとも1つの溶接層と少なくとも1つの基本材料本体とのサイド溶融の視覚的または光学的検査を自動化する技術的システムの使用を必要とする。
【0018】
溶接部の少なくとも1つの溶接層を少なくとも1つの基本材料本体に結合することの少なくとも1つの状態パラメータの光学的検出は、光学式検出装置、特に、ビデオカメラ、例えば、HDRビデオカメラなどを用いて行うことができる。
【0019】
検出された状態パラメータと少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータとの比較、および比較の結果を考慮した少なくとも1つの溶接層のそれぞれの基本材料本体への結合品質の決定は、光学式検出装置に接続され、少なくとも1つの目標状態パラメータが記憶されているデータ処理装置によって実行され得る。
【0020】
データ処理装置は画像処理ソフトウェアを実行することができ、例えば、検出されたビデオ画像からパターンを抽出し、これらのパターンを溶接プロセスの品質管理のための定量化可能な基準として使用するように構成され得る。例えば、データ処理装置は、パターン認識プロセスの範囲内で、少なくとも1つの基本材料本体上のフィレットの形状を検出し、この検出された形状を事前定義された目標形状と比較するように構成され得る。検出された形状とフィレットの目標形状との間の比較の結果として、データ処理装置は、フィレットが不適切に形成されているか、それともうまく形成されているかを判断することが可能である。溶接プロセスの監視のこの自動化の結果として、溶接要員の注意欠如の可能性による結果として、不適切に形成されたフィレットが見落とされる可能性は排除される。画像認識ソフトウェアパッケージの実施は、それぞれの結合の品質、すなわち溶接部の品質の不正確な評価を意味し、冗長パターン認識システムおよび異なる評価アプローチの組み合わせによって全体的に回避され得る。
【0021】
データ処理装置は、例えば、少なくとも1つの溶接層の少なくとも1つの基本材料本体への誤った結合および/または基本材料本体上へのフィレットの不適切な形成を知らせるようにさらに構成され得る。溶接作業を中止して修正しなければならないことを溶接要員に示すために、この信号を溶接要員に光学的および/または音響的な方法で知覚させることができる。代替的に或いは付加的に、信号を使用して、溶接要員の推定とは無関係に溶接プロセスを自動的に停止させることができる。
【0022】
したがって、本発明による方法を用いて、プロセスの自動化のために利用可能な再現可能な品質基準を作ることが可能である。その結果、プロセスの自動化および主観的な影響要因の回避、これによる溶接の品質向上が可能になる。さらに、溶接後の従来の品質保証措置を省くことができ、それは同じレベルの品質でコストを削減し、ナローギャップ充填率に関して溶接パラメータを最適化することを可能にする。それに加えて、溶接プロセスの監視の本発明による自動化は、数時間の溶接プロセス全体にわたって、以前はビデオ画像を視覚的に監視しなければならなかった溶接要員を解放し、そして要員の休止期間を最適化することができる。
【0023】
溶接層の基本材料本体に隣接する端部セクションと基本材料本体の溶接面の法線ベクトルとのなす角度が状態パラメータとして検出されることが好ましい。この角度はフラッシング角とも呼ばれる。フラッシング角は、特に、水平方向と同一であり得る法線ベクトルと、フィレットの領域内の端部セクションに適用される接線との間に形成される。したがって、基本材料に対するフラッシングの品質は、フラッシング角によって評価され得る。したがって、角度は、例えば、それぞれのカメラアングル設定を考慮して、事前定義された最小アングルを超えなければならず、そこから、フィレットが十分に形成されていると評価され、および/または、端部セクションの基本材料本体への結合の品質が十分と評価される。最小角度がアンダーショットであれば、フィレットは十分に形成される。パターン認識を有する画像認識ソフトウェアパッケージは、フラッシング角をそれぞれのビデオ画像からオンラインで決定すること、および、自動化された方法で評価を実行すること、すなわち溶接要員とは無関係に実行することを可能にする。適切であれば、溶接パラメータに対して自動化された方法で修正措置が実行され得る。
【0024】
代替的または追加的に、溶接層の基本材料本体に隣接する端部セクションと基本材料本体の溶接面との間の角度は、状態パラメータとして検出されることが好ましい。これは最後に述べた改良の修正です。角度が最大角度を超える場合、フィレットまたはフラッシングは不十分と考えられる。角度が最大角度以下である場合、フィレットは十分に形成されていると考えられ、かつ/または端部セクションの基本材料本体への結合の品質は十分であると評価される。
【0025】
代替的または追加的に、溶接部のグレー値分布が状態パラメータとして検出される。グレー値分布は溶接によって定義され、それぞれのビデオ画像に含まれており、および/またはそこから抽出され得る。基本材料本体上でのフィレットの形成が不十分であること、および/または基本材料本体に対する溶接材料のフラッシングが不十分であることの結果として、溶接部の溶接サイドと基本材料本体との間にホール(孔)形状でのサイド溶融不良が生じ得る。そのようなホールは、ビデオ画像において暗い領域として明確に認識することができ、画像処理ソフトウェアによって検出され得る。検出されたビデオ画像内のグレー値分布を連続的に決定することによって、特に、暗いグレー値に向かってシフトすることによって自動的にホールを検出することが可能である。
【0026】
代替的または追加的に、溶接部の熱分布は、状態パラメータとして検出されるのが好ましい。溶接層の良好に結合された領域は、不十分に結合された領域よりも溶接直後にはより高い温度を有する。これは、例えば、赤外線カメラによって、或いは、赤外線スペクトル範囲において感度があり、対応する光学フィルターを有するカメラによって検出され得る。画像処理ソフトウェアを使用して、例えば、カメラで記録されたビデオ画像内の比較的暗い領域または「冷たい」領域として、不良サイド結合が検出され得る。画像処理ソフトウェアは、例えば、ニューラル・ネットワークの形で、教示され訓練された評価システムの一部とされ得る。
【0027】
多層溶接部を製造するための本発明によるナローギャップ溶接方法は、
- 前述の改良点のうちの1つ、またはこれら改良点のうちの少なくとも2つの相互の任意の所望の組み合わせによる方法を使用して、溶接部の製造を監視するステップと、
- 結合の品質が少なくとも1つの事前定義された品質基準を満たさない場合に、信号を生成して出力するステップと、
を含んでなる。
【0028】
監視方法に関して上述された利点は、これに対応してこの方法にも関連する。この文脈において、監視方法は、その中で決定された溶接部の結合品質に基づいて、信号が生成され出力されるべきかどうかを決定するために使用される。信号は、音響的におよび/または光学的に溶接作業者が認識可能にされ得る。代替的または追加的に、信号は、それぞれ使用されている溶接システムを自動的にスイッチオフするために使用され得る。品質基準は事前定義され、少なくとも1つの基本材料本体への溶接の少なくとも1つの溶接層の結合の少なくとも1つの検出状態パラメータと結合品質の監視のために比較される、少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータによって特徴付けられている。
【0029】
信号は、例えば、停止信号および/または不良結合領域の位置座標を含む情報信号であり得る。代替的または追加的に、信号は、例えば、次の溶接層を結合する前または結合中に修理がされるべきであることを示すのに役立ち得る。代替的または追加的に、信号は欠陥のある結合領域に関する回転座標を含み得る。
【0030】
溶接層の基本材料本体に隣接する端部と基本材料本体の溶接面の法線ベクトルとの間の検出角度が事前定義された最小角度よりも小さい場合、信号が生成されて出力されることが好ましい。この目的のために、溶接層の端部部分とこの端部部分に隣接して配置された基本材料本体の溶接面の法線ベクトルとの間の角度が、まず、それぞれのカメラ角度設定を考慮に入れた状態パラメータとして検出される。したがって、検出された角度が事前定義された最小角度よりも小さい場合には、それぞれの基本材料本体への溶接層のサイド結合が不十分であると結論付けられ、その結果、信号が生成されて出力されることになる。
【0031】
代替的または追加的に、溶接層の基本材料本体に隣接する端部と基本材料本体の溶接面との間の検出角度が事前定義された最大角度よりも大きい場合、信号が生成されて出力されることが好ましい。この目的のために、溶接層の端部部分と基本材料本体の溶接面との間の角度が、それぞれのカメラ角度設定を考慮に入れた状態パラメータとして検出されることが好ましい。したがって、検出された角度が事前定義された最大角度よりも大きい場合には、基本材料本体に対する溶接層のサイド接続が不十分であると結論付けられ、その結果、信号が生成され出力されることになる。
【0032】
代替的または追加的に、事前定義された輝度制限値よりも低い輝度を有する少なくとも1つの領域が溶接部の検出されたグレー値分布に存在する場合に、信号が生成されて出力されることが好ましい。この目的のために、最初に溶接部のグレー値分布が状態パラメータとして検出される。したがって、検出されたグレー値分布の少なくとも1つの領域の輝度が事前定義された輝度制限値未満である場合には、基本材料本体に対する溶接層のサイド接続が不十分であると結論付けられ、その結果、信号が生成され出力されることになる。
【0033】
代替的または追加的に、事前定義された温度制限値よりも低い温度を有する少なくとも1つの領域が検出された熱分布内に存在する場合に、信号が生成されて出力されることが好ましい。この目的のために、最初に溶接部の熱分布が状態パラメータとして検出される。したがって、検出された分布の少なくとも1つの領域の温度が事前定義された温度制限値よりも低い場合には、基本材料本体への溶接層のサイド結合が不十分であると結論付けられ、その結果、信号が生成され出力されることになる。
【0034】
ナローギャップ溶接方法を使用して多層溶接部の製造を監視するための本発明によるシステムは、基本材料本体への溶接部の少なくとも1つの溶接層の結合の少なくとも1つの状態パラメータを光学的に検出するための少なくとも1つの光学式検出装置を含み、そして、少なくとも1つのデータ処理装置が、検出装置に接続され、検出された状態パラメータを考慮して結合の品質を決定し、結合の品質が少なくとも1つの事前定義された品質基準に満足しない場合に信号を生成して出力するように構成されている。
【0035】
方法に関して上述した利点は、それに対応してシステムに関連している。特に、本システムは本方法を実行するために使用され得る。
【0036】
光学式検出装置は、ビデオカメラ、特に、HDRビデオカメラ、赤外線カメラ、または赤外線スペクトル範囲において感度があり光学式フィルターなどを有するカメラであり得る。システムはまた、2つ以上の対応する光学式検出装置を有し得る。
【0037】
データ処理装置は、ケーブル・バインド方式またはケーブルレス方式で光学式検出装置に接続され得る。データ処理装置は、例えば、パターン認識のための画像処理ソフトウェアが実行され得る少なくとも1つのコンピュータユニット、例えば、マイクロプロセッサ、および、少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータが保存され得る少なくとも1つのメモリユニットを含む。
【0038】
検出装置は、好ましくは、状態パラメータとして、基本材料本体に隣接する、溶接層の端部セクションと基本材料本体の溶接面の法線ベクトルとの間の角度を検出するように構成され、データ処理装置は、溶接層の端部セクションと基本材料本体の溶接面の法線ベクトルとの間の検出角度が事前定義された最小角度よりも小さい場合に、信号を生成して出力するように構成されている。方法の対応する改良に関して上述した利点は、この改良と対応して関連付けられる。
【0039】
代替的または追加的に、検出装置は、好ましくは、状態パラメータとして、基本材料本体に隣接する溶接層の端部セクションと基本材料本体の溶接面との間の角度を検出するように構成され、データ処理装置は、溶接層の端部セクションと基本材料本体の溶接面との間の検出角度が事前定義された最大角度よりも大きい場合に、信号を生成して出力するように構成されている。方法の対応する改良に関して上述した利点は、この改良と対応して関連付けられる。
【0040】
代替的または追加的に、検出装置は、好ましくは、状態パラメータとして、溶接部のグレー値分布を検出するように構成され、データ処理装置は、その輝度が事前定義された輝度制限値より低い少なくとも1つの領域が溶接部の検出されたグレー値分布内に存在すれば、信号を生成し出力するように構成されている。方法の対応する改良に関して上述した利点は、この改良と対応して関連付けられる。
【0041】
代替的または追加的に、検出装置は、好ましくは、状態パラメータとして、溶接部の熱分布を検出するように構成され、データ処理装置は、その温度が事前定義された温度制限値より低い少なくとも1つの領域が検出された熱分布内に存在すれば、信号を生成し出力するように構成されている。方法の対応する改良に関して上述した利点は、この改良と対応して関連付けられる。
【0042】
光学式検出装置は、好ましくは、少なくとも1つの赤外線カメラまたは赤外線に敏感で光学フィルターを有するカメラのいずれかを含む。
【0043】
以下の本文では、添付の図面を参照し、好ましい実施形態を用いて、例として本発明を説明するが、以下に提示される特徴は、それぞれそれ自体でまたは異なる方法で本発明の発展形態または有利な形態を形成でき、互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】両側に良好に形成された、基本材料本体への溶接層の結合を有する例示的なビデオ画像を示す。
図2】基本材料本体への溶接層の良好に形成された結合(左側)および不適切に形成された結合(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。
図3】両側に良好に形成された、例示されたフラッシング角を有する基本材料本体への溶接層の結合を有する例示的なビデオ画像を示す。
図4】フラッシング角と共に、基本材料本体への溶接層の良好に形成された結合(左側)および不適切に形成された結合(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。
図5】代替のフラッシング角と共に、両側に良好に形成された、基本材料本体への溶接層の結合を有する例示的なビデオ画像を示す。
図6】代替フラッシング角と共に、基本材料本体への溶接層の良好に形成された結合(左側)および不適切に形成された結合(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。
図7】基本材料本体への溶接層の良好に形成された結合(左側)および不適切に形成された結合(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、両側に良好に形成された、溶接層5の基本材料本体3および4への結合を有する例示的なビデオ画像を示す。それぞれの場合において、基本材料本体3と4との間の図示されたナローギャップに別個の溶接ビード(図示せず)が導入されることによって、溶接トーチ1、タングステン電極2、電気アーク7、溶接添加剤(図示せず)によって形成される個々の溶接層5を見ることができる。いずれの場合も、個々の溶接層5の溶融材料で基本材料本体3および4をフラッシングされることによって、基本材料本体3および4上にフィレットが形成される。フィレットは、長方形6の内側である、基本材料本体3および4のそれらの領域に形成される。
【0046】
図2は、基本材料本体3および4への溶接層5の良好に形成された結合部(左側)および不適切に形成された結合部(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。図から明らかなように、右側の長方形6では基本材料本体4にフィレットが形成されていないのに対し、左側の長方形6では基本材料本体3にフィレットが存在している。基本材料本体4への溶接層5の結合が不十分であることを明確に示している。
【0047】
図3は、両側に良好に形成された、図示されたフラッシング角度α1およびα2を有する基本材料本体3および4への溶接層5の結合を有する例示的なビデオ画像を示す。このビデオ画像は、図1に示すビデオ画像に対応する。フラッシング角度α1およびα2の大きさは、既知であって、したがって容易に考慮に入れることができる、それぞれのカメラ角度設定に依存する。
【0048】
フラッシング角度α1およびα2は、TIGナローギャップ溶接方法を使用して多層溶接部の製造を監視するための発明の方法に使用される。この目的のために、少なくとも1つの溶接層5をそれぞれの基本材料本体3または4にそれぞれ横方向に結合することに関する少なくとも1つの状態パラメータが、先ず、検出される。特に、それぞれの溶接層5の、それぞれの基本材料本体3または4に隣接する端部セクションと、この端部セクションに隣接して配置された、それぞれの基本材料本体3または4の溶接面8または9の法線ベクトルとの間のフィレットに存在するフラッシング角度α1およびα2が、状態パラメータとして検出される。法線ベクトルは、ここでは水平ベクトル10と同一である。パターン認識を有する画像認識ソフトウェアパッケージを使用して、ビデオ画像からオンラインでフラッシング角度α1およびα2を決定することができる。その結果、それぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの溶接層5の結合の品質の評価を自動化することができ、すなわち、溶接要員とは無関係に実行することができる。
【0049】
結合の品質を決定するために、検出されたフラッシング角度α1およびα2が少なくとも1つの事前定義された目標状態パラメータと比較される。フラッシング角α1およびα2は、特に、事前定義された目標状態パラメータを表す事前定義された最小角度と比較される。結合の品質は、このパラメータの比較の結果を考慮して決定される。したがって、基本材料本体3および4へのフラッシングの品質は、フラッシング角度α1およびα2によって評価され得る。
【0050】
フラッシング角度α1またはα2が事前定義された最小角度よりも小さい場合、すなわち、それぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの溶接層5の対応する結合が品質基準を満たさない場合、例えば、停止信号等の信号が生成されて出力される。
【0051】
図4は、図示されたフラッシング角度α1およびα2を有する基本材料本体3および4への溶接層5の良好に形成された結合(左側)および不適切に形成された結合(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。このビデオ画像は、図2に示すビデオ画像に対応する。フラッシング角度α1およびα2の大きさは、既知であって、したがって容易に考慮に入れることができる、それぞれのカメラ角度設定に依存する。
【0052】
フラッシング角度α1は事前定義された最小角度以上であって、その結果、図4の左側に示されたフィレット、またはそこでのそれぞれの溶接層5の基本材料本体3への結合が、十分または良好であることが見出される。対照的に、フラッシング角α2(=0)が事前定義された最小角度よりも小さいと、それに基づいて、図4の右側に示される、フィレットまたはそれぞれの溶接層5の基本材料本体4への結合は、不十分に形成されているとの結論になる。その結果、図4の右側に示されているように、それぞれの溶接層5の基本材料本体4への結合は品質基準を満たさず、そのため信号が生成されて出力される。
【0053】
図5は、両側に良好に形成された、図示された代替フラッシング角度β1およびβ2を有する基本材料本体3および4への溶接層5の結合を有する例示的なビデオ画像を示す。このビデオ画像は、図1に示すビデオ画像に対応する。代替フラッシング角度β1およびβ2の大きさは、既知であって、したがって容易に考慮に入れることができる、それぞれのカメラ角度設定に依存する。
【0054】
図3および図4とは対照的に、それぞれの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4に隣接する端部セクションとそれぞれの基本材料本体3または4のそれぞれの溶接面8または9との間の代替フラッシング角度β1およびβ2が、図5に基づくそれぞれの溶接層5の状態パラメータとして検出され、それぞれの結合の品質を決定するために事前定義された目標状態パラメータと比較される。
【0055】
それぞれの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4に隣接する端部セクションとそれぞれの基本材料本体3または4のそれぞれの溶接面8または9との間の検出された代替フラッシング角度β1またはβ2が、事前定義された最大角度よりも大きい場合、それぞれのフィレットまたはそれぞれの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4への結合が不十分であると結論されるので、信号が生成されて出力される。
【0056】
図6は、図示された代替フラッシング角度β1およびβ2を有する基本材料本体3および4への溶接層5の良好に形成された結合(左側)および不適切に形成された結合(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。このビデオ画像は、図2に示すビデオ画像に対応する。フラッシング角度β1およびβ2の大きさは、既知であって、したがって容易に考慮に入れることができる、それぞれのカメラ角度設定に依存する。
【0057】
図5とは対照的に、フラッシング角β2(=90°)は事前定義された最大角度より大きい。このことから、図6の左側に図示されているフィレットでは、それぞれの溶接層5の基本材料本体3への良好な結合がもたらされ、その一方、図6の右側に図示されているフィレットでは、それぞれの溶接層5の基本材料本体4への不十分な結合がもたらされていると決定される。その結果、図6の右側に図示されているように、それぞれの溶接層5の基本材料本体4への結合が品質基準を満たさず、そのため信号が生成されて出力される。図3および4からの評価基準と図5および6からの評価基準との組み合わせもまた、冗長な評価基準をもたらすために可能である。
【0058】
図7は、基本材料本体3および4への溶接層5の良好に形成された結合部(左側)および不適切に形成された結合部(右側)を有する例示的なビデオ画像を示す。
【0059】
TIGナローギャップ溶接法を使用して多層溶接の製造を監視するための本発明による方法を実行するために、まず、少なくとも1つの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4への結合に関する少なくとも1つの状態パラメータが、検出される。特に、溶接部のグレー値分布が、状態パラメータとして連続的に検出される。したがって、図7によれば、溶接部の記録されたそれぞれのビデオ画像について、グレー値分布がそれぞれの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの結合の少なくとも1つの状態パラメータを必然的に含むように、グレー値分布は決定される。
【0060】
それぞれ検出されたグレー値分布は、パターン認識を有する画像認識ソフトウェアパッケージを用いてオンラインでチェックされ、その輝度が事前定義された輝度制限値より低い少なくとも1つの領域を有するか否かを決定する。この目的のために、特に図7に示される長方形11内のそれぞれのグレー値分布が、事前定義された輝度制限値と比較される。輝度が事前定義された輝度制限値より低い少なくとも1つの領域が溶接部のそれぞれ検出されたグレー値分布に存在する場合、それぞれの溶接層5とそれぞれの基本材料本体との間のホールと、これによるそれぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの溶接層5の不十分な結合とが暗い領域に存在するので、信号が生成されて出力される。
【0061】
欠陥領域またはホールは、図7の長方形11によってマークされている。ホールは、グレー値分布において暗い領域として明確に認識され得る。欠陥領域のグレー値分布を連続的に決定することによって、暗いグレー値に向かってシフトすることによってそのようなホールを自動的に検出することが可能である。
【0062】
代替的または追加的に、TIGナローギャップ溶接方法を使用して多層溶接部の製造を監視するための本発明による方法を実行するために、溶接部の熱分布を状態パラメータとして、インターバルをおいて或いは連続的に検出され得る。したがって、溶接部の記録されたそれぞれのビデオ画像について、それぞれの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの結合の少なくとも1つの状態パラメータを必然的に含む熱分布を決定することができる。
したがって、図7によれば、グレー値分布は、溶接部の記録されたそれぞれのビデオ画像について、それぞれの溶接層5のそれぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの結合の少なくとも1つの状態パラメータを必然的に含むグレー値分布を決定することができる。
【0063】
それぞれ検出された熱分布は、パターン認識を有する画像認識ソフトウェアパッケージを用いてオンラインでチェックされ、その温度が事前定義された温度制限値より低い少なくとも1つの領域を有するか否かを決定する。この目的のために、特に図7に示される長方形11内のそれぞれの熱分布が、事前定義された温度制限値と比較される。温度が事前定義された温度制限値より低い少なくとも1つの領域が溶接部のそれぞれ検出された熱分布に存在する場合、それぞれの溶接層5とそれぞれの基本材料本体との間のホールと、これによるそれぞれの基本材料本体3または4へのそれぞれの溶接層5の不十分な結合とがこの領域に存在するので、信号が生成されて出力される。
【0064】
図3から図7に関して説明した方法を実行するために、その改良の1つまたは相互に関連した少なくとも2つの改良の任意の所望の組み合わせによるナローギャップ溶接方法を用いて、多層溶接部の製造を監視するための本発明によるシステムを使用することが可能である。
【0065】
本発明を好ましい実施例によって詳細に説明したが、本発明は開示された実施例によって限定されるものではなく、当業者ならば本発明の保護範囲から逸脱することなく他の変形例を導き出すことができる。
【符号の説明】
【0066】
1 溶接バーナー、溶接トーチ
2 タングステン電極
3、4 基本材料本体
5 溶接層
6 長方形
7 アーク
8、9 溶接面
10 水平ベクトル
α1、α2、β1、β2 フラッシング角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7