【実施例1】
【0041】
本実施例は、本発明の樹脂封止装置及び樹脂封止方法の一例について説明する。
【0042】
図1の平面図に、本実施例の樹脂封止装置100の構成を、模式的に示す。図示のとおり、装置100は、第1の成形モジュール10と、第2の成形モジュール20と、第1の樹脂供給モジュール30と、第2の樹脂供給モジュール40と、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50と、制御モジュール60と、を含む。
図1の装置100は、後述の通り、前記基板供給モジュールが、制御モジュール60に組み込まれた形態である。なお、樹脂封止装置100を用いて樹脂封止するための基板としては、特に限定されないが、例えば、
図31(a)と同様の基板2を用いても良い。
【0043】
第1の成形モジュール10は、圧縮成形用の圧縮成形モジュールであり、例えば、圧縮成形用の成形型10aを含む。第1の成形モジュール10は、例えば、成形型10aにより、基板2の一方の面を圧縮成形で樹脂封止する。第2の成形モジュール20は、圧縮成形用の圧縮成形モジュールであり、例えば、圧縮成形用の成形型20aを含む。第2の成形モジュール20は、例えば、成形型20aにより、基板2の前記一方の面をさらに圧縮成形で樹脂封止する。
【0044】
第1の樹脂供給モジュール30及び第2の樹脂供給モジュール40は、それぞれ、例えば、樹脂搬送手段31(41)及び樹脂供給手段32(42)を含む。樹脂供給手段32(42)は、例えば、樹脂供給源から樹脂を供給し、樹脂搬送手段31(41)は、第1(第2)の成形モジュール10(20)に、樹脂を搬送する。樹脂供給手段32(42)は、例えば、前記樹脂に加え、リリースフィルム供給源からリリースフィルムを供給してもよく、樹脂搬送手段31(41)は、前記リリースフィルム上に前記樹脂を載置した状態で、第1(第2)の成形モジュール10(20)に、樹脂を搬送してもよい。さらに、樹脂供給手段32(42)は、例えば、前記リリースフィルム上に載置する枠部材を枠部材供給源から供給してもよい。
【0045】
ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50は、本発明の板状部材供給モジュールに相当する。ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50は、例えば、ヒートシンクバリアメタル供給手段51を含み、ヒートシンクバリアメタル供給手段51は、例えば、第2の樹脂供給モジュール40に、前記放熱用板状部材及びシールド用板状部材の少なくとも一方(板状部材)を供給する。尚、本実施例において、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50は、必須の構成要素ではない。
【0046】
制御モジュール60は、各モジュールの動作を制御する制御部61と、基板供給源(図示せず)から供給した基板を収納する基板供給収納部62と、基板を前記各成形モジュールの所定位置に供給する基板搬送手段63と、を含む。
図1の装置100の制御モジュール60は、基板供給収納部62及び基板搬送手段63を含むことにより、制御モジュール60が、前記基板供給モジュールを兼ねる形態である。
【0047】
前記各モジュールは、他の少なくとも一つの前記各モジュールに対し、互いに着脱可能である。これにより、本実施例の装置100は、例えば、前記基板の二重成形方法、両面成形方法等の複雑な製造形態であっても、一つの製造装置で対応可能である。
【0048】
本実施例の装置100は、第1の成形モジュール10及び第2の成形モジュール20は、互いに隣接して配置されており、第1の成形モジュール10は、第2の成形モジュール20と隣接する一端と反対側の端で、第1の樹脂供給モジュール30と隣接している。また、第2の成形モジュール20は、第1の成形モジュール10と隣接する一端と反対側の端で、第2の樹脂供給モジュール40と隣接している。このように、各モジュールの位置を規定することにより、生産性が向上可能である。
【0049】
本実施例の樹脂封止装置100は、例えば、第1の樹脂供給モジュール30が、第2の樹脂供給モジュール40を兼ねてもよい。この場合、装置100から第2の樹脂供給モジュール40を取り外してもよい。
【0050】
次に、本実施例の樹脂封止方法の一例について、
図1〜12を用いて説明する。
図2〜12は、基板の一方の面を二重に樹脂封止(成形)する二重成形方法の一例を示す。
【0051】
図2〜7は、
図1における第1の成形モジュール10及び圧縮成形用の成形型10aを用いた樹脂封止方法の一例である。また、
図8〜12は、
図1における第2の成形モジュール20及び圧縮成形用の成形型20aを用いた樹脂封止方法の一例である。まず、
図1における圧縮成形用の成形型10a及び20aについて、
図2及び
図8を用いて説明する。
【0052】
第1の成形モジュール10が有する圧縮成形用の成形型10aは、例えば、
図2に示すとおり、上型11と、下型12とから形成される。下型12は、例えば、図示のとおり、下型ベースプレート13、下キャビティ枠部材14、弾性部材15、及び下キャビティ下面部材16から形成されている。下型12は、下キャビティ下面部材16と下キャビティ枠部材14とで、下キャビティが構成される。下キャビティ下面部材16は、例えば、下型ベースプレート13に載置した状態で装設されている。下キャビティ枠部材14は、例えば、複数の弾性部材15を介して下型ベースプレート13に載置した状態で、下キャビティ下面部材16を囲むように配置されている。なお、上型11及び下型12は、簡略化して図示している。また、上型11及び下型12の外気遮断部材等も、簡略化のために、図示及び詳しい説明を省略している。
【0053】
第2の成形モジュール10が有する圧縮成形用の成形型20aは、例えば、
図8に示すとおり、上型101と、下型102とから形成される。上型101は、例えば、
図2の上型11と同じものを用いることができる。下型102は、例えば、図示のとおり、下型ベースプレート13に代えて下型ベースプレート103を、下キャビティ枠部材14に代えて下キャビティ枠部材104を、弾性部材15に代えて弾性部材105を、下キャビティ下面部材16に代えて下キャビティ下面部材106をそれぞれ有すること以外は、
図2の下型12と同様である。図示のとおり、下型102は、基板2において、下型12により樹脂封止された側の面をさらに樹脂封止するため、下型12と比較してキャビティが若干大きく、かつ深くなっている。なお、下型102は、下型12と同様に、簡略化して図示しており、外気遮断部材等も、簡略化のために、図示及び詳しい説明を省略している。
【0054】
また、
図2及び
図8において、基板2は、例えば、
図31(a)の基板2と同一であっても良い。
図2及び
図8において、フリップチップ4及びボール端子5は、簡略化のために図示を省略している。
【0055】
図1の樹脂封止装置100を用いた樹脂封止方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。
【0056】
まず、基板供給工程を行う。まず、基板供給源(図示せず)により供給された基板2を、例えば、
図1の基板供給収納部62に収納する(基板供給収納工程)。次に、基板搬送手段63により、例えば、基板供給収納部62に収納された基板2を、
図2に示すように、第1の成形モジュール10の成形型10aの所定位置に供給する(第1の基板供給工程)。そして、基板2を、例えば、
図3に示すように、上型11の下面に固定する。基板2は、例えば、基板固定部材(図示せず)、エア吸着等により上型11の下面に固定することができる。
【0057】
次に、
図3〜4に示すように、第1の樹脂供給工程を行う。すなわち、まず、第1の樹脂供給モジュール30の樹脂供給手段32が、例えば、樹脂供給源(図示せず)及びリリースフィルム供給源(図示せず)から、顆粒樹脂70a及びリリースフィルム110を供給する。次に、図示のとおり、第1の樹脂供給モジュール30の樹脂搬送手段31が、例えば、リリースフィルム110上に顆粒樹脂70aを載置した状態で、第1の成形モジュール10の成形型10aに、顆粒樹脂70aを搬送する。このとき、例えば、図示のとおり、リリースフィルム110上に枠部材71を載置し、枠部材71の貫通孔内において、リリースフィルム110上に顆粒樹脂70aを載置した状態であっても良い。そして、樹脂搬送手段31が、下型12(キャビティ17面上及び下型キャビティ枠部材14の上面)に、前記顆粒樹脂を載置したリリースフィルム110を載置する。さらに、その後、
図4に示すように、下キャビティ下面部材16と下キャビティ枠部材14との隙間の摺動孔18から、矢印方向X1への吸引によりリリースフィルム110を吸着する。これにより、顆粒樹脂70aを、リリースフィルム110とともに下型12のキャビティ17に供給する。
【0058】
次に、
図5〜6に示すとおり、第1の成形モジュール10の成形型10aの下型12で、基板2の一方の面を、封止樹脂70により樹脂封止する(第1の樹脂封止工程)。具体的には、例えば、まず、
図5に示すように、加熱手段(図示略)によりあらかじめ昇温された下型12によって、顆粒樹脂70aが加熱されて溶融して、溶融樹脂(流動性樹脂)70bになる。次に、
図5に示すように、下型12を、駆動機構(図示略)により、矢印Y1の方向に上昇させて、下キャビティ17内に充填された溶融樹脂(流動性樹脂)70bに、基板2下面に取付けられたチップ1及びワイヤ3を浸漬させる。
【0059】
次に、
図6に示すように、溶融樹脂(流動性樹脂)70bが硬化し、封止樹脂70が形成された後に、下型12を、駆動機構(図示略)により矢印Y2の方向に下降させて型開きを行う(型開き工程)。型開きをするとき、例えば、
図6に示すように、摺動孔18を通じた吸引を解除しても良い。
【0060】
そして、型開き後、
図7に示すように、基板搬送手段63により、矢印Z1で示すように、一方の面(下面)が成形された基板2を第2の成形モジュール20へ搬送する。
【0061】
次に、
図8に示すように、前記一方の面を樹脂封止した基板2を、第2の成形モジュール20の成形型20aに搬送する(第2の基板供給工程)。前記第2の基板供給工程は、図示のように、基板搬送手段63により行ってもよいし、第1の成形モジュール10が、搬送手段(図示せず)を備えることにより、第1の成形モジュール10により、行ってもよい。尚、本実施例では、本発明の前記基板供給工程は、前記第1の基板供給工程及び前記第2の基板供給工程を含む。
【0062】
次に、
図9〜10に示すように、第2の樹脂供給工程を行う。まず、第2の樹脂供給モジュール40の樹脂供給手段42により、例えば、樹脂供給源(図示せず)、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50、及びリリースフィルム供給源(図示せず)から、顆粒樹脂170a、ヒートシンクバリアメタル(突起電極付き板状部材)、及びリリースフィルム110を、それぞれ供給する。ヒートシンクバリアメタル(突起電極付き板状部材)は、図示のとおり、板状部材80の一方の面に突起電極90が設けられて形成されている。次に、図示のとおり、第2の樹脂供給モジュール40の樹脂搬送手段41が、第2の成形モジュール20の成形型20aに、顆粒樹脂170aを搬送する。具体的には、例えば、図示のとおり、リリースフィルム110上に、板状部材80及び突起電極90(突起電極付き板状部材)を、突起電極90側をリリースフィルム110と反対側に向けて載置し、さらにその上に顆粒樹脂170aを載置した状態で、顆粒樹脂170aを搬送する。このとき、例えば、図示のとおり、リリースフィルム110上に枠部材91を載置し、枠部材91の貫通孔内において、板状部材80に顆粒樹脂170aを載置した状態であっても良い。そして、樹脂搬送手段41により、例えば、下型102のキャビティ107に顆粒樹脂170aを載置したリリースフィルム110を載置する。さらに、その後、
図10に示すように、下キャビティ下面部材106と下キャビティ枠部材104との隙間の摺動孔108から、矢印方向X2への吸引によりリリースフィルム110を吸着する。これにより、顆粒樹脂170aを、リリースフィルム110とともに下型102のキャビティ107に供給する。
【0063】
なお、第2の成形モジュール20の成形型20aに供給する顆粒樹脂170aは、例えば、
図9〜
図10に示すように、熱伝導性の粒子180を含有していても良い。熱伝導性の粒子180の例としては、例えば、銅粉等が挙げられる。
【0064】
本発明の樹脂封止装置及び樹脂封止方法において、熱伝導性の粒子は、例えば、
図9〜10で説明したように、第2の樹脂供給モジュールを用いて、樹脂とともに第2の成形モジュールに供給することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第1の樹脂供給モジュールを用いて、樹脂とともに、熱伝導性の粒子を第1の成形モジュールに供給しても良い。
【0065】
熱伝導性の粒子を樹脂封止用の樹脂に含有させると、樹脂封止成形体(パッケージ)内の放熱性を高めることができるメリットがある。具体的には、以下のとおりである。まず、樹脂封止用の樹脂には、多くの場合、放熱性を高めるため、フィラ(充填材、例えば酸化ケイ素等)を含有させている。しかしながら、フィラの含有量を多くし過ぎると、溶融させた時の樹脂の粘度が高くなる等の原因で、ワイヤの変形または断線等が起きるおそれがある。そこで、例えば、1次モールド(第1の成形モジュール)で、ワイヤに近い部分を、フィラ(酸化ケイ素)等の含有量を減らした(低粘度の)樹脂を用いて樹脂封止する。このようにすることで、ワイヤの変形、或いは、断線を効率よく抑制又は防止することができる。次に、2次モールド(第2の成形モジュール)で、熱伝導性の粒子を含有させた樹脂(フィラ含有量を多くした樹脂でもよい)で樹脂封止を行う。このようにすることで、1次モールドにおける樹脂封止成形体(パッケージ)のフィラ等が減った分、放熱性が低くなっても、その分を、2次モールドにおける樹脂封止成形体(パッケージ)の放熱性が高いことでカバーできるメリットがある。また、2次モールドでヒートシンクやバリヤメタルなどと一緒に成形すると、放熱性はさらに良く(高く)なる。
【0066】
次に、
図11〜12に示すように、第2の成形モジュール20の成形型20aの下型102で、基板2の前記一方の面を、封止樹脂170により、さらに、樹脂封止する(第2の樹脂封止工程)。具体的には、例えば、まず、
図11に示すように、加熱手段(図示略)によりあらかじめ昇温された下型102によって、顆粒樹脂170aが加熱されて溶融して、溶融樹脂(流動性樹脂)170bになる。次に、
図11に示すように、下型102を、駆動機構(図示略)により、矢印Y3の方向に上昇させる。これにより、下キャビティ107内に充填された溶融樹脂(流動性樹脂)170bに、基板2下面で封止樹脂70により封止されたチップ1及びワイヤ3を、封止樹脂70とともに浸漬させる。
【0067】
次に、
図12に示すように、溶融樹脂(流動性樹脂)170bが硬化し、封止樹脂170が形成された後に、下型102を、駆動機構(図示略)により矢印Y4の方向に下降させて型開きを行う(型開き工程)。型開きをするとき、例えば、
図12に示すように、摺動孔108を通じた吸引を解除しても良い。
【0068】
以上、
図2〜12を用いて説明したようにして、基板の一方の面を二重に樹脂封止(二重成形)した電子部品を製造することができる。なお、
図13の断面図に、
図2〜12の樹脂封止方法により成形した電子部品の構造を模式的に示す。図示のとおり、この電子部品は、基板2の一方の面に配置されたチップ1及びワイヤ3が、封止樹脂70により封止されている。封止樹脂70は、熱伝導性の粒子180を含む封止樹脂170により、さらに封止されている。封止樹脂170の外周は、板状部材80及び突起電極90を含む突起電極付き板状部材(ヒートシンクバリアメタル)により覆われている。すなわち、
図13の電子部品は、図示のとおり、基板2上の封止樹脂部A(チップ1及びワイヤ3が、封止樹脂70により封止されている)が、熱伝導性粒子含有樹脂部B(熱伝導性の粒子180を含む封止樹脂170)により覆われ、その外周が、さらにヒートシンクバリアメタルCにより覆われているという、三重構造になっている。
【0069】
このようにして、本実施例の樹脂封止方法は、本実施例の樹脂封止装置を用いて、前記二重成形方法に適用することが可能である。
【0070】
前記第1の成形モジュール、前記第2の成形モジュール、及び前記制御モジュールは、他の少なくとも一つの前記各モジュールに対し、互いに着脱可能でありながら、前記各工程を行うことが可能である。このため、モジュールを組み替えることで、1つの成形装置でいろいろな製品に対応可能である。
【0071】
本実施例の樹脂封止方法は、例えば、
図2〜
図12に示したとおり、枠部材及び板状部材を用いてもよい。具体的には、例えば、前述のとおり、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50により、第2の樹脂供給モジュールに板状部材80を供給しても良い(板状部材供給工程)。しかし、本発明の樹脂封止方法は、これに限定されず、枠部材を用いなくてもよいし、板状部材を用いなくてもよい。また、前記第2の樹脂封止工程において、第2の成形モジュール20の成形型20aは、例えば、基板2の他方の面を、板状部材80とともに樹脂封止しても良い。板状部材80には、例えば、
図9〜
図13に示したように突起電極90を設けても良いし、設けなくても良い。突起電極90を設ける場合は、突起電極90にクッション機能を持たせ、成形モジュール20の上下方向に伸縮可能としてもよい。突起電極90を設けない場合は、例えば、板状部材80をヒートシンク用の板状部材80としてもよい。この場合、第2の成形モジュール20は、前記板状部材とともに樹脂封止する。
【0072】
なお、本発明の樹脂封止装置の構成は、本実施例の樹脂封止装置100(
図1)に限定されるものではなく、以下に説明するように種々の変更が可能である。例えば、前述のように、本発明の樹脂封止装置において、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50は、必須の構成要素ではない。このため、例えば、
図14の装置200に示すように、
図1の装置100からヒートシンクバリアメタル供給モジュール50を取り外して構成してもよい。この場合、例えば、基板2の樹脂封止において、板状部材(ヒートシンクバリアメタル)を用いないようにしても良い。
【0073】
本実施例の樹脂封止装置100に対し、例えば、前記第1の樹脂供給モジュール、及び前記第2の樹脂供給モジュールの少なくとも一つを、前記制御モジュール60に組み込むように変更を加えてもよい。この場合、例えば、
図15の装置300に示すように、第1の樹脂供給モジュール30を設けない代わりに、第1の樹脂供給手段31及び第1の樹脂搬送手段32を制御モジュール60に組み込み、制御モジュール60が第1の樹脂供給モジュール30の機能を兼ねる構成としてもよい。これにより、本発明の樹脂封止装置は、より簡略された構成をとることができるため、好ましい。
【0074】
本実施例の樹脂封止装置100に対し、例えば、
図16の装置400に示すように、制御モジュール60から基板供給収納部62及び基板搬送手段63を分離し、基板供給モジュール60aとして第1の樹脂供給モジュール30及び制御モジュール60に隣接するように変更を加えて構成してもよい。
【0075】
本実施例の樹脂封止装置100に対し、例えば、
図17の装置500に示すように、第1の成形モジュール10、第2の成形モジュール20、第1の樹脂供給モジュール30、及び第2の樹脂供給モジュール40をそれぞれ一対含み、制御モジュール60の両側に、前記各成形モジュール10及び20並びに各樹脂供給モジュール30及び40がそれぞれ一つずつ配置されるように変更を加えてもよい。
図17に示すように制御モジュール60を中央に配置することにより、生産性が向上するため、好ましい。
【0076】
本実施例の樹脂封止装置100に対し、例えば、
図18の装置600に示すように、第2の成形モジュール(圧縮成形モジュール)20を取り外し、これに代えてトランスファ成形用の成形モジュール20Aを第2の成形モジュールとして取り付けるように変更を加えてもよい。この場合、例えば、第2の樹脂供給モジュール40Aの樹脂供給手段は、樹脂供給源からトランスファ成形用のタブレット樹脂を供給する。なお、第2の樹脂供給モジュール40Aは、
図1に示した第2の樹脂供給モジュール40と同じものを用いても良いし、必要に応じ、異なるものを用いても良い。
【0077】
本実施例の樹脂封止装置100に対し、例えば、
図19の装置700に示すように、さらに、圧縮成形モジュール20に高圧ガスを供給するための高圧ガス供給モジュール21を含み、圧縮成形モジュール20及び高圧ガス供給モジュール21が互いに隣接して配置されており、高圧ガス供給モジュールは、他の少なくとも一つの各モジュールに対し、互いに着脱可能であるように変更を加えてもよい。
【0078】
また、例えば、
図18の樹脂封止装置600に対し、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50の位置を、第1の成形モジュール10と第1の樹脂供給モジュール30との間に配置するように変更し、
図20の樹脂封止装置800のようにしても良い。
【0079】
また、例えば、
図18の樹脂封止装置600に対し、さらに、第1の成形モジュール(圧縮成形モジュール)10に高圧ガスを供給するための高圧ガス供給モジュール11Bを、第1の成形モジュール10と第2の成形モジュール(トランスファ成形モジュール)20Aとの間に配置し、
図21の樹脂封止装置900のようにしても良い。また、
図21の樹脂封止装置900では、ヒートシンクバリアメタル供給モジュール50を設けていないが、例えば、
図18の樹脂封止装置600又は
図20の樹脂封止装置800と同様の位置にヒートシンクバリアメタル供給モジュール50を設けても良い。
【0080】
また、本実施例の樹脂封止方法も、前記の説明に限定されず、適宜変更を加えても良い。例えば、前記樹脂封止装置が、
図1に示す装置100に代えて、
図18に示す装置600であり、前記第1の樹脂封止工程において、前記基板の一方の面を圧縮成形で樹脂封止し、前記第2の樹脂封止工程において、前記基板の前記一方の面又は他方の面をトランスファ成形で樹脂封止してもよい。
【0081】
また、本発明の樹脂封止方法は、例えば、前記樹脂封止装置100に代えて、
図19の装置700を用い、高圧ガス供給モジュール21により、高圧ガスを供給する高圧ガス供給工程とを含み、前記第1の樹脂封止工程において、前記高圧ガス供給工程により供給された高圧ガスを用いて、圧縮成形モジュール20により、前記基板の前記一方の面を圧縮成形で樹脂封止してもよい。
【0082】
また、本発明の樹脂封止方法は、例えば、前記樹脂封止装置100に代えて、
図21の装置900を用い、高圧ガス供給モジュール11Bにより、高圧ガスを供給する高圧ガス供給工程とを含み、前記第1の樹脂封止工程において、前記高圧ガス供給工程により供給された高圧ガスを用いて、圧縮成形モジュール10により、前記基板の前記一方の面を圧縮成形で樹脂封止してもよい。
【0083】
本発明では、前述のとおり、前記第1の成形モジュールが、前記基板の一方の面を樹脂封止し、前記第2の成形モジュールが、前記基板の他方の面を樹脂封止しても良い(両面成形)。例えば、
図21の装置900のような装置を用いれば、前記第1の樹脂封止工程において、前記第1の成形モジュールで、前記基板の一方の面を圧縮成形により樹脂封止し、その後、前記第2の樹脂封止工程において、前記第2の成形モジュールで、前記基板の他方の面をトランスファ成形により樹脂封止できる。このような樹脂封止方法によれば、以下に説明するとおり、基板の反りを抑制できる利点がある。
【0084】
まず、一般には、基板の両面を樹脂封止するために、基板に穴(基板の一方の面側から他方の面側に樹脂を流し込むための穴、以下「開口」という。)を空けて、トランスファ成形により、基板の一方の面を樹脂封止するとともに、その開口から他方の面側に樹脂を回して他方の面を樹脂封止する樹脂封止方法がある。一方、最近では、携帯機器等の高密度化に伴い、基板の一方の面及び他方の面(両面)のほぼ全面にチップを実装したパッケージが要求されている。パッケージの製造工程においては、基板の両面の各面のほぼ全面を樹脂封止する必要がある。しかし、パッケージの製造において、樹脂封止方法を用いて基板の両面を同時に樹脂封止した場合、一方(上型あるいは下型)のキャビティ(上キャビティあるいは下キャビティ)に樹脂が先に充填されることがある。例えば、下型のキャビティ(下キャビティ)に先に樹脂が充填された場合、基板が上に向かって凸状に反る(変形する)という問題が発生する。これは、トランスファ成形により両面を同時に樹脂封止すると、重力、流動抵抗等により、先に一方のキャビティに樹脂が充填される場合があるためである。その場合、樹脂が基板の一方の面側から基板の他方の面側に基板の開口を通って流動することになる。そうすると、樹脂が基板の開口から流動する際の流動抵抗により、基板が他方の面側に向かって膨らんでしまうおそれがある。そうなると、基板が膨らんだ状態で、他方のキャビティに樹脂が充填されることになる。樹脂が一方及び他方のキャビティに充填されることで、基板に樹脂圧が加わるが、基板の一方及び他方の面にかかる樹脂圧は同じ圧力(一方及び他方のキャビティは基板の開口により繋がっているため樹脂圧は同じになる)であり、基板を膨らんだ状態から平坦な状態に戻す力は発生しない。そのため、基板の他方の面側が膨らんだ状態で樹脂の硬化が進み、基板が膨らんだ状態(変形した状態)で成形が完了する。すなわち、前記樹脂封止方法を用いて基板の両面(一方の面及び他方の面)を同時に樹脂封止すると、基板の変形が生じるおそれがある。
【0085】
これに対し、本実施例に示すような両面成形によれば、基板の反りの抑制と基板の両面成形との両立が可能な樹脂封止装置及び樹脂封止方法を提供することができる。具体的には、本実施例の両面成形で用いる基板には、樹脂を基板の一方の面側から他方の面側に流動させるための開口を設ける必要がない。そして、開口を設けないことにより、樹脂が基板の一方の面側から開口を通って基板の他方の面側に流動することはない。このため、樹脂が基板の開口を通る時の流動抵抗による基板の変形(反り)は発生しない。また、他方の面を樹脂封止する際に、一方の面を圧縮成形用の樹脂(樹脂材料、又は、流動性樹脂、又は、封止樹脂)で支えることで、他方の面側から基板に対して樹脂圧をかけても基板の反りを抑制することができる。これにより、基板の反りの抑制と基板の両面成形を両立可能である。前述した従来の方法、すなわち、基板に開口を空けてトランスファ成形により基板の両面を樹脂封止する方法では、基板に開口を空けることによるコストの問題がある。また、その開口から他方の面側に樹脂を回して樹脂封止する場合、他方の面の全面を樹脂封止するまでの流動距離が長くなり、ボイド(気泡)の発生、構成部品であるワイヤ等の変形が生じるおそれがある。これに対し、本実施例では、基板に開口を空けずに、基板の両面の樹脂封止が可能である。このため、基板に開口を空けることによるコストが発生せず、両面の樹脂封止するまでの流動距離も短く、ボイド(気泡)の発生、ワイヤの変形の抑制が可能である。
【0086】
また、本実施例では、基板を両面成形する場合、例えば、基板の一方の面を、圧縮成形で先に樹脂封止させている。これにより、基板の反り(変形)の抑制と基板の両面成形の両立が可能である。その理由は、圧縮成形であればキャビティに供給する樹脂(圧縮成形用の樹脂)の樹脂量を調整することが可能だからである。例えば、樹脂の体積を調整する場合は、樹脂の比重が分かっていれば、供給する樹脂の重さを測ることで調整できる。具体的には、例えば、圧縮成形用の樹脂量を、基板が平坦な状態におけるキャビティと略同じ体積(基板が変形しないと仮定した計算上のキャビティ体積)にして、前記キャビティに圧縮成形用の樹脂を供給して樹脂封止(充填)させる。そうすると、少なくとも樹脂量の過不足による基板の膨らみあるいはへこみの発生を抑制できる。一方、基板を両面成形する場合において、基板の一方の面を、トランスファ成形で先に樹脂封止させても良いが、プランジャの上下位置が変化すると、キャビティに供給される樹脂量も変化する。このように樹脂量が変化すると、樹脂量の過不足による基板の膨らみあるいはへこみが発生するおそれがある。ゆえに、基板を両面成形する場合において、圧縮成形で基板の一方を先に樹脂封止させた方が好ましい。
【0087】
以下、本実施例の樹脂封止方法における、前述した両面成形の一例について、
図22〜30を用いて説明する。すなわち、
図22〜30は、基板の両面を樹脂封止(成形)する両面成形方法の一例を示す。より具体的には、
図22〜30は、
図21の装置900を用い、基板の一方の面を圧縮成形により樹脂封止するとともに、他方の面をトランスファ成形により樹脂封止する一例である。
【0088】
まず、
図22の断面図に、
図21の装置900における第1の成形モジュール(圧縮成形モジュール)10の構造の一例を模式的に示す。なお、同図は、樹脂封止される基板2及び高圧ガス供給モジュール11Bをも含む。また、同図の基板2は、平らな端子6の数が2つであること、及び、平らな端子6がフリップチップ4と同じ側(チップ1及びワイヤ3と反対側)に設けられていること以外は、
図31(b)の基板2と同様である。
【0089】
図22に示すように、第1の成形モジュール10は、基板保持部材(上型)6000と、基板保持部材(上型)6000に対向配置された下型7000とを含む。
【0090】
基板保持部材(上型)6000は、例えば、高圧ガス供給モジュール11Bと連通接続する連通部材610、キャビティ上面及び枠部材620、基板2に実装された平らな端子6を露出させるための凸部材630、複数の弾性部材602、並びにプレート部材640から形成されている。キャビティ上面及び枠部材620は、キャビティ601を有する。なお、高圧ガス供給モジュール11Bとしては、特に限定されないが、例えば、コンプレッサ、圧縮空気タンク等の高圧ガス源を含むモジュールであっても良い。
【0091】
連通部材610並びにキャビティ上面及び枠部材620は、複数の弾性部材602を介してプレート部材640に垂下した状態で装設されている。連通部材610は、高圧ガス供給モジュール650により供給された高圧ガス(例えば、圧縮した空気)をキャビティ601に圧送させるための空気通路(エア路)603が設けられている。キャビティ上面及び枠部材620は、キャビティ601を有する上キャビティ上面部材と、前記上キャビティ上面部材を囲む枠部材とが一体化された構成をとる。キャビティ601の上面には、連通部材610の空気通路603とキャビティ601とを連通させるための空気孔604が複数設けられている。
【0092】
なお、凸部材630は、第1の成形モジュール10による樹脂封止で基板2が反らないように、例えば、平らな端子6の上面等のように、基板2を抑えてもよい部分に設けることが好ましい。
【0093】
下型7000は、圧縮成形用の成形型であり、例えば、下キャビティ下面部材710、下キャビティ枠部材720、弾性部材702、及び下型ベースプレート730から形成されている。下型7000は、下キャビティ下面部材710と下キャビティ枠部材720とで、下キャビティ701が構成される。下キャビティ下面部材710は、例えば、下型ベースプレート730に載置した状態で装設されている。また、下キャビティ下面部材710は、例えば、弾性部材702を介して下型ベースプレート730に載置した状態で装設されても良い。下キャビティ枠部材720は、例えば、複数の弾性部材702を介して下型ベースプレート730に載置した状態で、下キャビティ下面部材710を囲むように配置されている。また、下キャビティ下面部材710と下キャビティ枠部材720との隙間により、摺動孔711が形成されている。後述するように、摺動孔711を通じた吸引により、例えば、リリースフィルム等を吸着することができる。下型7000には、例えば、下型7000を加熱するための加熱手段(図示略)が設けられている。前記加熱手段で、下型7000を加熱することで、下キャビティ701内の樹脂が加熱されて硬化(溶融して硬化)する。下型7000は、例えば、第1の成形モジュール10に設けられた駆動機構(図示略)によって上下方向に動くことができる。また、下型7000の下型外気遮断部材については、簡略化のために図示及び詳しい説明を省略している。
【0094】
図23は、
図21の樹脂封止装置900の第2の成形モジュール(トランスファ成形モジュール)20A及びそれにより樹脂封止される基板2の断面図を示す。
図23に示すように、第2の成形モジュール20Aは、上型9000と、上型に対向配置された基板保持部材(下型)10000とを含む。
【0095】
上型9000は、トランスファ成形用の成形型であり、例えば、上キャビティ上面部材910と、上キャビティ上面部材910を囲う枠部材である上キャビティ枠部材920と、基板2に実装された平らな端子6を露出させるための凸部材930と、複数の弾性部材902と、上型ベースプレート940から形成されている。上型9000は、上キャビティ上面部材910により、上キャビティ901が構成される。上型9000は、上キャビティ上面部材910が、複数の弾性部材902を介して上型ベースプレート940に垂下した状態で装設されており、上キャビティ枠部材920は、上型ベースプレート940に垂下した状態で装設されている。なお、上型9000の上型外気遮断部材については、簡略化のために図示及び詳しい説明を省略している。
【0096】
上型9000には、例えば、樹脂材料供給用の樹脂通路950が設けられている。樹脂通路950によって、上キャビティ901とポット960とが接続されている。ポット960の内部に配置されたプランジャ970は、例えば、第2の成形モジュール20Aに設けられたプランジャ駆動機構(図示略)によって、上下方向に動くことができる。
【0097】
基板保持部材(下型)10000は、第1の成形モジュール10により一方の面を樹脂封止した基板2を載置するためのプレートであり、例えば、キャビティ下面部材1010、キャビティ枠部材1020、複数の弾性部材1030、及びベース部材1040から形成されている。基板保持部材(下型)10000は、例えば、キャビティ下面部材1010とキャビティ枠部材1020とで、キャビティ1001が構成される。キャビティ下面部材1010及びキャビティ枠部材1020は、複数の弾性部材1030を介してベース部材1040に載置した状態で装設されている。基板2は樹脂封止領域がキャビティ1001に収容されるようにして基板保持部材(下型)10000に載置される。第2の成形モジュール20Aには、例えば、ポット960を加熱するための加熱手段(図示略)が設けられている。前記加熱手段(図示略)により、ポット960を加熱することで、ポット960に供給(セット)された樹脂が加熱されて硬化(溶融して硬化)する。基板保持部材(下型)10000は、例えば、第2の成形モジュール20Aに設けられた基板保持部材駆動機構(図示略)によって、上下方向に動くことができる。
【0098】
尚、本実施例において、第1の成形モジュール10において、キャビティ601に圧縮空気を供給する構成に代えて、キャビティ601をゲル状の固体で満たすようにしてもよい。前記ゲル状の固体で基板2を押さえることにより、基板2の反りを抑制することができる。
【0099】
次に、
図21〜23に示す樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例について、
図24〜30を用いて説明する。
【0100】
前記第1の樹脂封止工程に先立ち、以下で説明する基板供給工程及び第1の樹脂供給工程を行う。
【0101】
すなわち、まず、
図24に示すように、基板搬送手段1100により、第1の成形モジュール10の基板保持部材(上型)6000に基板2を供給し、基板クランパ及び吸引穴(図示略)により基板2を固定する(基板供給工程)。基板供給工程後に、基板搬送手段1100を退出させる。
【0102】
次に、基板保持部材(上型)6000と下型7000との間に、樹脂搬送手段(図示略)を進入させる。前記樹脂搬送手段により、
図25に示すように、リリースフィルム130、リリースフィルム130上に載置された樹脂枠部材140、及び樹脂枠部材140の内部貫通孔140Aに供給された顆粒樹脂150aを、下型7000に搬送する。そして、下キャビティ下面部材710と下キャビティ枠部材720との隙間の摺動孔711から、
図25に示す矢印方向X3への吸引によりリリースフィルム130を吸着することで、下キャビティ701にリリースフィルム130と顆粒樹脂150aとを供給する(第1の樹脂供給工程)。その後、前記樹脂搬送手段及び樹脂枠部材140を退出させる。
【0103】
次に、
図26〜27に示すとおり、第1の樹脂封止工程を行う。具体的には、前記第1の樹脂封止工程により、下型を有する第1の成形モジュール10を用いて、前記基板の一方の面を圧縮成形で樹脂封止する。
【0104】
まず、
図26に示すように、加熱手段(図示略)により昇温された下型7000によって、顆粒樹脂150aが加熱されて溶融して、溶融樹脂(流動性樹脂)150bになる。次に、
図26に示すように、下型7000を、駆動機構(図示略)により、上昇させて、下キャビティ701内に充填された溶融樹脂(流動性樹脂)150bに、基板2下面に取付けられたチップ1及びワイヤ3を浸漬させる。これと同時、又は、少し遅れたタイミングで、高圧ガス供給モジュール11Bが、
図26の矢印方向に、基板保持部材(上型)6000に成形圧と同じ圧力の空気を供給する。これにより基板反りが抑制されながら、基板2の一方の面(下面)を樹脂封止することができる。
【0105】
次に、
図27に示すように、溶融樹脂(流動性樹脂)150bが硬化し、封止樹脂150が形成された後に、下型7000を、駆動機構(図示略)により下降させて型開きを行う(型開き工程)。型開きをするとき、例えば、
図27に示すように、摺動孔711を通じた吸引を解除しても良い。そして、型開き後、基板搬送手段1100により、一方の面(下面)が成形された基板2を第2の成形モジュール20Aへ搬送する(第2モジュール搬送工程)。
【0106】
次に、
図27に示した基板搬送手段1100により、
図28に示すとおり、基板2を第2の成形モジュール20Aの基板保持部材(下型)10000へ搬送する。その後、樹脂搬送手段(図示略)により、ポット960へタブレット樹脂を供給し、さらに、加熱手段(図示略)により昇温されたポット(下型)によってタブレット樹脂が加熱されて溶融して溶融樹脂(流動性樹脂)971aになる(樹脂供給工程)。タブレット樹脂の供給は、基板搬送手段1100が行ってもよい。なお、例えば、基板2を、基板反転機構(図示略)により、上下反転させてもよい。その場合は、キャビティの上下が逆になる。
【0107】
次に、
図29に示すように、上型9000と、基板保持部材(下型)10000との型締めを行う。このとき、
図29に示すように、上型9000の上キャビティ面に取付けられた凸部材930の下面を、基板2上面に取付けられた平らな端子6の上面に当接させて押圧する。
【0108】
さらに、
図29〜30に示すとおり、第2の樹脂封止工程を行う。具体的には、第2の成形モジュール20Aにより、基板2の他方の面(上面)をトランスファ成形で樹脂封止する。すなわち、まず、
図29に示すように、基板保持部材(下型)10000を、基板保持部材駆動機構(図示略)により上昇させて基板2をクランプする。そして、
図30に示すように、プランジャ970を、プランジャ駆動機構(図示略)により上昇させて上キャビティ901に溶融樹脂(流動性樹脂)971aを充填し、さらに、流動性樹脂971aを硬化させて、
図30に示すとおり封止樹脂971とする。このようにして、基板2の上面を封止樹脂971で樹脂封止し、成形する。このとき、前述のとおり、平らな端子6の上面は、凸部材930の下面に当接して押圧されているため、溶融樹脂971aに浸漬しない。したがって、平らな端子6の上面が封止樹脂971から露出した状態で樹脂封止することができる。
【0109】
なお、このように、圧縮成形用の成形モジュールを用いて基板の一方の面を先に圧縮成形で樹脂封止することにより、他方の面をトランスファ成形で樹脂封止する際に、一方の面を圧縮成形用の樹脂で支えることで、他方の面側から基板に対して樹脂圧をかけても基板の反りを抑制することができる。これにより、基板の反りの抑制と基板の両面成形を両立可能である。また、前記基板の他方の面をトランスファ成形で樹脂封止することにより、基板(他方の面)に設けた端子を封止樹脂から露出した状態で成形することが容易である。
【0110】
図22〜30では、基板の一方の面を圧縮成形で樹脂封止し、他方の面をトランスファ成形で樹脂封止する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図17の装置500又は
図19の装置700等を用いて、基板の両面をそれぞれ圧縮成形により樹脂封止しても良い。また、
図17の装置500、
図19の装置700、
図21の装置900等は、それぞれ、両面成形(基板の両面を樹脂封止)に限定されず、二重成形(基板の一方の面を二重に樹脂封止)にも用いることができる。
【0111】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。