(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(E)熱塩基発生剤の配合量は、前記(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部である請求項1記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)光重合開始剤、(C)感光性モノマー、(D)熱硬化性成分、及び(E)熱塩基発生剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物である。
【0008】
本実施形態の光硬化性熱硬化性樹脂組成物における(A)カルボキシル基含有樹脂は、アルカリ現像性を付与するために用いられ、分子中にカルボキシル基を含有する公知の樹脂を使用することができる。特に、光硬化性や耐現像性の面から、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有樹脂が好ましい。そして、その不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸またはそれらの誘導体由来のものがより好ましい。(A)カルボキシル基含有樹脂としては、エポキシ樹脂を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有ウレタン樹脂、共重合構造を有するカルボキシル基含有共重合樹脂、フェノール化合物を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂が好ましい。
以下にカルボキシル基含有樹脂の具体例を示す。
【0009】
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレンなどの不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどのジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物などのジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物などのジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)上述した(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上述した(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)後述するような2官能またはそれ以上の多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。ここで、多官能エポキシ樹脂は、固形であることが好ましい。
(8)後述するような2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。ここで、2官能エポキシ樹脂は、固形であることが好ましい。
(9)ノボラックなどの多官能フェノール化合物にエチレンオキサイドなどの環状エーテル、又は、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネートを付加させ、得られた水酸基を(メタ)アクリル酸で部分エステル化し、残りの水酸基に多塩基酸無水物を反応させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)これら(1)〜(9)の樹脂に、さらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0010】
(A)カルボキシル基含有樹脂は、これらのものに限らず使用することができ、1種類でも複数種混合しても使用することができる。
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
(A)カルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能となる。
【0011】
また、このようなカルボキシル基含有樹脂の酸価は、好ましくは40〜200mgKOH/gである。(A)カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g〜200mgKOH/g以下であると、硬化被膜の密着性が得られ、アルカリ現像が容易となり、現像液による露光部の溶解が抑えられ、必要以上にラインが痩せたりせずに、正常なレジストパターンの描画が容易となる。より好ましくは45〜120mgKOH/gである。
【0012】
また、このようなカルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000であることが好ましい。2,000〜150,000の範囲であると、タックフリー性能が良好であり、露光後の硬化被膜の耐湿性が良く、現像時に膜減りが生じにくい。また、上記重量平均分子量の範囲であると、解像度が向上し、現像性が良好であり、貯蔵安定性が良くなる。より好ましくは5,000〜100,000である。
【0013】
(A)カルボキシル基含有樹脂の配合量は、光硬化性熱硬化性樹脂組成物中に、20〜80質量%が適当である。20質量%以上80質量%以下であると、皮膜強度が良好で、組成物の粘性を低くでき、塗布性などに優れる。より好ましくは30〜60質量%である。
【0014】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる(B)光重合開始剤としては、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤からなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を好適に使用することができる。
【0015】
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアー OXE01、イルガキュアー OXE02、アデカ社製N−1919、NCI−831などが挙げられる。また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができ、具体的には、カルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。
【0016】
アルキルフェノン系光重合開始剤の市販品としてはBASFジャパン社製イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー2959、イルガキュアー127などのα―ヒドロキシアルキルフェノンタイプが挙げられる。
【0017】
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などが挙げられる。
【0018】
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASF社製のルシリンTPO、BASFジャパン社製のイルガキュアー819などが挙げられる。
また、光重合開始剤としてはBASFジャパン製のイルガキュア389、イルガキュア784等のチタノセン系光重合開始剤も好適に用いることが出来る。
【0019】
光重合開始剤の配合量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.1〜25質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。0.1〜25質量部であることにより、光硬化性及び解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性などの耐薬品性にも優れる硬化膜を得ることができる。特に、25質量部以下であると、アウトガスの低減効果が得られ、さらに塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下することを抑えることができる。
【0020】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤の他に、光開始助剤、増感剤を用いることができる。光硬化性熱硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる光重合開始剤、光開始助剤及び増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、及びキサントン化合物などを挙げることができる。
【0021】
これらの光重合開始剤、光開始助剤及び増感剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。このような光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤の総量は、上記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部以下であると、これらの光吸収により深部硬化性が低下することを抑制できる。
【0022】
(C)感光性モノマーとしては、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物等が使用される。
分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド付加物若しくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物若しくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの多価アクリレート類;及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類等が挙げられる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、グリセリンジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類等が挙げられる。またグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAグリシジルエーテルジアクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリアクリレート等;その他、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類等が挙げられる。これらの感光性モノマーは、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
【0023】
(C)感光性モノマーの配合量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、より好ましくは10〜90質量部、さらにより好ましくは15質量部〜85質量部であることが好ましい。上記配合量の範囲とすることで、光硬化性が向上して、パターン形成が容易となり、硬化膜の強度も向上できる。
【0024】
(D)熱硬化性成分としては、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、メラミン誘導体などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。これらの中でも好ましい熱硬化成分は、1分子中に2個以上の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略称する)を有する熱硬化性成分である。これら環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、市販されている種類が多く、その構造によって多様な特性を付与することができる。
【0025】
このような分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、分子中に3、4又は5員環の環状エーテル基、又は環状チオエーテル基のいずれか一方又は2種類の基を2個以上有する化合物であり、例えば、分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物(D−1)、分子中に少なくとも2つ以上のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物(D−2)、分子中に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂(D−3)などが挙げられる。
【0026】
前記多官能エポキシ化合物(D−1)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、大日本インキ化学工業社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドDY250、アラルダイドDY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のjERYL903、大日本インキ化学工業社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のjER152、jER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製のエピクロン830、ジャパンエポキシレジン社製jER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のjER604、東都化成社製のエポトートYH−434、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、旭電化工業社製EPX−30、大日本インキ化学工業社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のjERYL−931、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドPT810、日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDDT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、大日本インキ化学工業社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にノボラック型エポキシ樹脂、変性ノボラック型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物が好ましい。
【0027】
前記多官能オキセタン化合物(D−2)としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
【0028】
前記分子中に2つ以上の環状チオエーテル基を有するエピスルフィド樹脂(D−3)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のYL7000(ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂)や、東都化成(株)製YSLV−120TEなどが挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
【0029】
(D)熱硬化性成分の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して10〜100質量部が好ましい。特に、前記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分の配合量は、環状(チオ)エーテル基が、前記(A)カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.6〜2.5当量、より好ましくは、0.8〜2.0当量となる範囲である。分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分の配合量が上記範囲であると、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性などが良好である。
【0030】
(E)熱塩基発生剤としては、下記式(1)、式(2)、式(3)、式(3−1)及び式(3−2)の化合物のうちのいずれか1種以上が挙げられる。
【0031】
式(1)
(式(1)中、R
1、R
2、R
3およびR
4は同じでも異なっても良く、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、Zはハメットの式で規定されたときに0以上のσ値を有する置換基であり、i+j=3かつiは1あるいは2を表す。)
【0032】
式(2)
(式(2)中、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10は同じでも異なっても良く、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、Zはハメットの式で規定されたときに0以上のσ値を有する置換基であり、i+j=3かつiは1あるいは2を表す。)
【0033】
一般式(1)または(2)で表される化合物において、Zはハメットの式で規定されたときに0以上のσ値を有する置換基である。好ましい置換基としては、例えば、芳香環を有する基、アルケニルカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシド基、アルケニルスルホキシド基、アラルキルスルホキシド基、アリールスルホキシド基、ハロゲン、ニトロ基、またはシアノ基などを挙げることができる。
【0034】
特に、芳香環を有する基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシド基、アルケニルスルホキシド基、アラルキルスルホキシド基、アリールスルホキシド基、ハロゲン、ニトロ基、またはシアノ基などの置換基はより好ましい。また、一般式(1)において、Zは、R
1又はR
2と結合して芳香環を含む環状構造を形成することが好ましく、一般式(2)においても、Zは、R
9又はR
10と結合して芳香環を含む環状構造を形成することが好ましい。
上記芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましい。
【0035】
一般式(1)または(2)で表される化合物において、R
1〜R
10は好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜14のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、またはフェニル基、ナフチル基、複素芳香環である。
【0036】
R
1〜R
10で表されるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、およびアリール基は置換基を有していても良く、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシアルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシド基、アルケニルスルホキシド基、アラルキルスルホキシド基、アリールスルホキシド基、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、またはシアノ基などの置換基で単置換あるいは多置換されていてもよい。
【0037】
式(3)
(式(3)中、R
11及びR
12は、それぞれ独立に、水素又は有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R
11及びR
12は、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。但し、R
11及びR
12の少なくとも1つは有機基である。ここで、有機基とは炭化水素基を意味する。R
13は、水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基である。R
14、R
15、R
16及びR
17は、水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R
14、R
15、R
16及びR
17は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していても良く、当該環状構造はヘテロ原子の結合を含んでいても良い。但し、R
13が水素である場合には、R
14、R
15、R
16及びR
17は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成しており、当該環状構造は酸素原子以外のヘテロ原子の結合を含んでいても良い。)
【0038】
式(3−1)中のnは1あるいは2である。式(3−1)及び式(3−2)中の、R
21、R
22、R
23、R
24、R
25及びR
26は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、及び複素環残基からなる群より選ばれる一価の基であり(各基は一個以上の置換基を有していても良い)、R
21とR
22、及び、R
23とR
24は互いに結合して、五員環または六員環の含窒素複素環を形成していても良い。なおR
25およびR
26は、水素原子、アルキル基及びアリール基が好ましく、水素原子が特に好ましい。なお、各基は一個以上の置換基を有していても良い。アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基の炭素原子数は、1乃至8のいずれかであることが好ましい。
Yはアルキル基、アリール基及び複素環残基からなる群より選ばれる一価の基である。これらのうちでは、アリール基及び複素環残基が好ましく、アリール基が特に好ましい。なお、各基は一個以上の置換基を有していても良い。アリール基を置換することができる置換基の例は、上記アリール基の置換基の例と同様である。
具体例としては、下記のような化合物が挙げられる。なお、式(3−7)における置換基Cxは、シクロヘキシル基を表す。また、式(3−3)〜(3−12)においてArは、アリール基又はアリーレン基を表す。
【0039】
(E)熱塩基発生剤は、塩基発生開始温度が40℃以上であることが好ましく、90℃以上であることが好ましく、110℃以上であることが特に好ましい。40℃以上の場合、保存安定性が向上する。また、90℃以上の場合、通常の光硬化性熱硬化性樹脂組成物の乾燥温度よりも高いので、乾燥管理幅の短縮を抑制することができる。一方、(E)熱塩基発生剤の塩基発生開始温度が150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることが特に好ましい。150℃以下の場合、熱硬化時の加熱温度が低い場合でも、塩基が発生し、はんだ耐熱性等に優れた硬化物を得ることができる。また、150℃以下の場合、熱硬化時の加熱温度を低くすることができるため、省エネルギー化やプリント配線板の製造コストを低減することができる。
ここで塩基発生開始温度とは、熱塩基発生剤1mgを、NMR管中で重ジメチルスルホキシド0.5μLに溶解させ2mg/mLのNMR測定用溶液とし、これを温めたオイルバスを用いて10分間加熱し、NMRを測定して10モル%の塩基が発生した温度である。
【0040】
(E)熱塩基発生剤の配合量は、通常の量的割合で充分であり、例えば(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
【0041】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、その塗膜の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラー(F)を配合することができる。このようなフィラー(F)としては、公知慣用の無機又は有機フィラーが使用できるが、特に硫酸バリウム、球状シリカ及びタルクが好ましく用いられる。さらに、白色の外観や難燃性を得るために酸化チタンなどの金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を体質顔料フィラーとしても使用することができる。これらフィラー(F)の配合量は、前記(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは0.1〜150質量部、特に好ましくは、1〜120質量部である。
フィラー(F)の配合量が、200質量部以下であると、印刷性が良好で、強度の高い硬化物が得られる。
【0042】
さらに本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、指触乾燥性の改善、ハンドリング性の改善などを目的にバインダーポリマーを使用することができる。例えばポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリエステルウレタン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリエステルアミド系ポリマー、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリ乳酸系ポリマー、フェノキシ系ポリマーなどを用いることができる。これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。
【0043】
さらに本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、柔軟性の付与、硬化物の脆さを改善することなどを目的に更に他のエラストマーを使用することができる。例えばポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステルウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステルアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマーを用いることができる。また、種々の骨格を有するエポキシ樹脂の一部又は全部のエポキシ基を両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリロニトリルゴムで変性した樹脂なども使用できる。さらにはエポキシ含有ポリブタジエン系エラストマー、アクリル含有ポリブタジエン系エラストマーなども使用することができる。これらのエラストマーは、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。
【0044】
さらに、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、上記(A)カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調整のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
【0045】
一般に、高分子材料の多くは、一度酸化が始まると、次々と連鎖的に酸化劣化が起き、高分子素材の機能低下をもたらすことから、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、酸化を防ぐために(1)発生したラジカルを無効化するようなラジカル捕捉剤(G−1)又は/及び(2)発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤(G−2)などの酸化防止剤(G)を添加することができる。
【0046】
ラジカル捕捉剤として働く酸化防止剤(G−1)としては、具体的な化合物としては、ヒドロキノン、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等のフェノール系、メトキノン、ベンゾキノン等のキノン系化合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、フェノチアジン等のアミン系化合物等などが挙げられる。
【0047】
ラジカル捕捉剤は市販のものであってもよく、例えば、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−20、アデカスタブLA−77、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−68、アデカスタブLA−87(以上、旭電化社製、商品名)、IRDANOX1010、IRDANOX1035、IRDANOX1076、IRDANOX1135、TINUVIN 111FDL、TINUVIN 123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)などが挙げられる。
【0048】
過酸化物分解剤として働く酸化防止剤(G−2)としては、具体的な化合物としてトリフェニルフォスファイト等のリン系化合物、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート等の硫黄系化合物などが挙げられる。
【0049】
過酸化物分解剤は市販のものであってもよく、例えば、アデカスタブTPP(旭電化社製、商品名)、マークAO−412S(アデカ・アーガス化学社製、商品名)、スミライザーTPS(住友化学社製、商品名)などが挙げられる。
上記の酸化防止剤(G)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
また一般に、高分子材料は光を吸収し、それにより分解・劣化を起こすことから、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、紫外線に対する安定化対策を行うために、上記酸化防止剤の他に、紫外線吸収剤(H)を使用することができる。
【0051】
紫外線吸収剤(H)としては、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、シンナメート誘導体、アントラニレート誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体などが挙げられる。ベンゾフェノン誘導体の具体的な例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾエート誘導体の具体的な例としては、2−エチルヘキシルサリチレート、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート及びヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール誘導体の具体的な例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)べンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。トリアジン誘導体の具体的な例としては、ヒドロキシフェニルトリアジン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンなどが挙げられる。
【0052】
紫外線吸収剤(H)としては市販のものであってもよく、例えば、TINUVIN PS、TINUVIN 99−2、TINUVIN 109、TINUVIN 384−2、TINUVIN 900、TINUVIN 928、TINUVIN 1130、TINUVIN 400、TINUVIN 405、TINUVIN 460、TINUVIN 479(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)などが挙げられる。
上記の紫外線吸収剤(H)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、前記酸化防止剤(G)と併用することで本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物より得られる成形物の安定化が図れる。
【0053】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、感度を向上するために連鎖移動剤として公知慣用のNフェニルグリシン類、フェノキシ酢酸類、チオフェノキシ酢酸類、メルカプトチアゾール等を用いることができる。連鎖移動剤の具体例を挙げると例えば、メルカプト琥珀酸、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メチオニン、システイン、チオサリチル酸及びその誘導体等のカルボキシル基を有する連鎖移動剤;メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトプロパンジオール、メルカプトブタンジオール、ヒドロキシベンゼンチオール及びその誘導体等の水酸基を有する連鎖移動剤;1−ブタンチオール、ブチル−3−メルカプトプロピオネート、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2,2−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4−メチルベンゼンチオール、ドデシルメルカプタン、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、1−オクタンチオール、シクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール、チオグリセロール、4,4−チオビスベンゼンチオール等である。
【0054】
また、多官能性メルカプタン系化合物を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン−1,6−ジチオール、デカン−1,10−ジチオール、ジメルカプトジエチルエーテル、ジメルカプトジエチルスルフィド等の脂肪族チオール類、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジメルカプトジフェニルスルフィド、1,4−ベンゼンジチオール等の芳香族チオール類;エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、ポリエチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、プロピレングリコールビス(メルカプトアセテート)、グリセリントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(メルカプトアセテート)等の多価アルコールのポリ(メルカプトアセテート)類;エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、グリセリントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等の多価アルコールのポリ(3−メルカプトプロピオネート)類;1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルタプトブチレート)等のポリ(メルカプトブチレート)類を用いることができる。
これらの市販品としては、例えばBMPA、MPM、EHMP、NOMP、MBMP、STMP、TMMP、PEMP、DPMP、及びTEMPIC(以上、堺化学工業(株)製)、カレンズMT−PE1、カレンズMT−BD1、及びカレンズ−NR1(以上、昭和電工(株)製)等を挙げることができる。
【0055】
さらに、連鎖移動剤として働くメルカプト基を有する複素環化合物として、例えば、メルカプト−4−ブチロラクトン(別名:2−メルカプト−4−ブタノリド)、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−メトキシ−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−エトキシ−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−メチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−(2−メトキシ)エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−(2−エトキシ)エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−メチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−(2−メトキシ)エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−(2−エトキシ)エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、2−メルカプト−6−ヘキサノラクタム、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットF)、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットDB)、及び2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットAF)等が挙げられる。
【0056】
特に、光硬化性熱硬化性樹脂組成物の現像性を損なうことがない連鎖移動剤であるメルカプト基を有する複素環化合物として、メルカプトベンゾチアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾールが好ましい。これらの連鎖移動剤は、単独又は2種以上を併用することができる。
【0057】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、層間の密着性、又は感光性樹脂層と基材との密着性を向上させるために密着促進剤を用いることができる。具体的に例を挙げると例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール(商品名:川口化学工業(株)製アクセルM)、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などがある。
【0058】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどのチキソ化剤を添加することができる。チキソ化剤としての経時安定性は有機ベントナイト、ハイドロタルサイトが好ましく、特にハイドロタルサイトは電気特性に優れている。また、熱重合禁止剤や、着色剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤、更にはビスフェノール系、トリアジンチオール系などの銅害防止剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0059】
前記熱重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために用いることができる。熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤との反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレートなどが挙げられる。
【0060】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、例えば前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。その後、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、もしくはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光し、未露光部をアルカリ水溶液(例えば0.3〜3%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジストパターンが形成される。さらに、熱硬化性成分例えば約130〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、前記(A)カルボキシル基含有樹脂と、熱硬化性成分が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性などの諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。
【0061】
上記基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・PPO・シアネート等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を用いることができる。
【0062】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法及びノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
【0063】
以下のように本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布し、揮発乾燥した後、得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行う。塗膜は、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)、メタルハライドランプを搭載した露光機、(超)高圧水銀ランプを搭載した露光機、水銀ショートアークランプを搭載した露光機、もしくは(超)高圧水銀ランプなどの紫外線ランプを使用した直接描画装置を用いることができる。
【0064】
前記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
【0065】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、液状で直接基材に塗布する方法以外にも、予めポリエチレンテレフタレート等のフィルムに光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布及び乾燥して形成した樹脂層を有するドライフィルムの形態で使用することもできる。本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物をドライフィルムとして使用する場合を以下に示す。
ドライフィルムは、キャリアフィルムと、樹脂層と、必要に応じて用いられる剥離可能なカバーフィルムとが、この順序に積層された構造を有するものである。樹脂層は、アルカリ現像性の光硬化性熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルム又はカバーフィルムに塗布・乾燥して得られる層である。キャリアフィルムに樹脂層を形成した後に、カバーフィルムをその上に積層するか、カバーフィルムに樹脂層を形成し、この積層体をキャリアフィルムに積層すればドライフィルムが得られる。
【0066】
キャリアフィルムとしては、2〜150μmの厚みのポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
樹脂層は、光硬化性熱硬化性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等でキャリアフィルム又はカバーフィルムに10〜150μmの厚さで均一に塗布し乾燥して形成される。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
ドライフィルムを用いてプリント配線板上に保護膜(永久保護膜)を作製するには、カバーフィルムを剥がし、樹脂層と回路形成された基材を重ね、ラミネーター等を用いて張り合わせ、回路形成された基材上に樹脂層を形成する。形成された樹脂層に対し、前記と同様に露光、現像、加熱硬化すれば、硬化塗膜を形成することができる。キャリアフィルムは、露光前又は露光後のいずれかに剥離すればよい。
【0067】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線板の硬化被膜の形成用途が好ましく、永久被膜の形成用途がより好ましく、特にソルダーレジストの形成用途が特に好適であるが、カバーレイ、層間絶縁材、ソルダーダムの形成用途においても使用することができる。
【実施例】
【0068】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではないことはもとよりである。尚、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0069】
合成例1(カルボキシル基含有樹脂A−1)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC社製EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6〕1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物534g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却後、固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%のクレゾールノボラック型カルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これをカルボキシル基含有樹脂A−1とする。
【0070】
合成例2(カルボキシル基含有樹脂A−4)
温度計、撹拌機及び環流冷却器を備えた5リットルのセパラブルフラスコに、ポリマーポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製PLACCEL208、分子量830)1,245g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸201g、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート777g及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート119g、さらにp−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々0.5gずつ投入した。攪拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート0.8gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2280cm
−1)が消失したことを確認して反応を終了し、粘稠液体のウレタンアクリレート化合物を得た。カルビトールアセテートを用いて不揮発分=50質量%に調整した。固形物の酸価47mgKOH/g、不揮発分50%のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の樹脂溶液を得た。以下、これをカルボキシル基含有樹脂A−4とする。
【0071】
合成例3(カルボキシル基含有樹脂A−5)
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置及び撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和高分子(株)製、商品名「ショーノールCRG951」、OH当量:119.4)119.4g、水酸化カリウム1.19g及びトルエン119.4gを仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8gを徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cm
2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56gを添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
次いで、得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0g、アクリル酸43.2g、メタンスルホン酸11.53g、メチルハイドロキノン0.18g及びトルエン252.9gを、撹拌機、温度計及び空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6gの水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35gで中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1gで置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5g及びトリフェニルホスフィン1.22gを、撹拌器、温度計及び空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8gを徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させた。固形物の酸価88mgKOH/g、不揮発分71%のカルボキシル基含有感光性樹脂の樹脂溶液を得た。以下、これをカルボキシル基含有樹脂A−5とする。
【0072】
合成例4(熱塩基発生剤E−1、式(4))
100mLフラスコ中、(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸エチル(東京化成工業(株)製)2.56(7.34mmol)、1’−ヒドロキシ−2’−アセトナフトン(東京化成工業(株)製)1.22g(7.34mmol、1.0eq)をトルエン20mLに溶解し、80℃で3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認したうえで、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した後、水、飽和塩化アンモニウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを用い乾燥した。濃縮後、シリカゲルカラムクロムトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル 2/1(体積比))により精製した。
続いて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を15mL加え終夜で撹拌した。反応終了後、沈殿物をろ過により除き、濃塩酸を滴下し反応液を酸性にしたのち、クロロホルムで抽出し濃縮し、桂皮酸誘導体Dを520mg得た。
続いて、窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中、桂皮酸誘導体D0.49g(2.80mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mLに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業(株)製)0.64g(3.4mmol、1.2eq)を加えた。30分後、ピペリジン(東京化成(株)製)0.33ml(3.4mmol、1.2eq)を加えたのち終夜で攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解した。クロロホルムで抽出した後、炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥を行ったのち、カラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(E−1)で表される熱塩基発生剤E−1を152mg得た。
【0073】
合成例5(熱塩基発生剤E−2、式(5))
100mLフラスコ中、炭酸カリウム2.00gをメタノール15mLに加えた。50mLフラスコ中、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウム ブロミド(東京化成工業(株)製)2.67g(6.2mmol)、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド1.07g(6.2 mmol)(東京化成工業(株)製)をメタノール10mLに溶解し、よく撹拌した炭酸カリウム溶液にゆっくり滴下した。3時間撹拌した後、TLCにより反応の終了を確認したうえでろ過を行い炭酸カリウムを除き、減圧濃縮した。濃縮後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を50mL加え1時間撹拌した。反応終了後、ろ過によりトリフェニルホスフィンオキシドを除いた後、濃塩酸を滴下し反応液を酸性にした。沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムにより洗浄することで3−(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)−アクリル酸を1.20g得た。続いて、100 mL三口フラスコ中、3−(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)−アクリル酸1.00g(4.67mmol)を脱水テトラヒドロフラン20mLに溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業(株)製) 1.07g(5.60mmol)を加えた。30分後、ピペリジン0.65ml(5.60mmol)(東京化成工業(株)製)を加え室温で一晩攪拌した。反応液を濃縮し、クロロホルムで抽出、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄し、ろ過することにより、下記化学式(E−2)で表される熱塩基発生剤E−2を480mg得た。
【0074】
合成例6(熱塩基発生剤E−3)
撹拌機を付けたフラスコ内に、ステアリルアミン3.5g、トリエチルアミン1.3g、クロロホルム50mlを仕込み、氷冷下に9−フルオレニルメチルサクシミジルカーボネート4.4gをクロロホルム20mlに溶解したものを滴下した。氷浴をはずして18時間攪拌を続けた後、反応液をクロロホルムにて希釈し、水洗、脱水後クロロホルムを減圧下に留去した。得られた無色の粉体をクロロホルムとn−ヘキサンの混合溶媒から再結晶し熱塩基発生剤E−3を4.0g得た。
【0075】
合成例7(熱塩基発生剤E−4)
撹拌機を付けたフラスコ内に、2−ヒドロキシインダン1.6g、ステアリルイソシアネート1.2g、トリエチルアミン1.0g、エーテル20mlを仕込み、室温で18時間攪拌を続けた後、生じた結晶を減圧下に濾取し、熱塩基発生剤E−4を2.0g得た。
【0076】
合成例8(塩基発生剤E−5)
4−フェニルスルホニルフェニルスルホニル酢酸408gを4Lのメタノールに加熱して溶解させた。この溶液に、50℃にて1,3−ジグアニジノプロパン炭酸塩132gを少量ずつ添加した。得られた溶液を冷却し、析出した結晶をろ過により採取し、下記化学式(E−5)で表される塩基発生剤E−5を478g得た。
【0077】
合成例9(塩基発生剤E−6)
500mLナスフラスコ中、セサモール(東京化成工業(株)製)10.0g(72.4mmol)、ヘキサメチレンテトラミン(東京化成工業(株)製)15.2g(109mmol、1.5eq)をトリフルオロ酢酸(関東化学(株)製)100mlに溶解し、95℃で10時間反応を行った。反応終了後、氷浴下で1規定塩酸200mlを添加し15分間撹拌した。撹拌終了後、クロロホルムで抽出し、塩酸・飽和食塩水で洗浄を行うことにより6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを2.38g(14.3mmol)得た。
続いて、200mLフラスコ中、炭酸カリウム2.00gをメタノール20mLに加えた。100mLフラスコ中、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(東京化成工業(株)製)6.15g(14.3mmol)、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを2.38g(14.3mmol)をメタノール25mLに溶解し、よく撹拌した炭酸カリウム溶液にゆっくり滴下した。3時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認したうえで、ろ過を行い炭酸カリウムを除き、減圧濃縮した。濃縮後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を30mL加え終夜で撹拌した。反応終了後、沈殿物をろ過により除き、濃塩酸を滴下し反応液を酸性にした。沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムにより洗浄することで2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸を2.90g(13.9mmol)得た。
続いて、窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸2.90g(13.9mmol)を脱水テトラヒドロフラン40mLに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業(株)製)3.20g(16.7mmol、1.2eq)を加えた。30分後、ピペリジン(東京化成工業(株)製)1.65ml(16.7mmol、1.2eq)を加えたのち終夜で攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解した。クロロホルムで抽出した後、炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥を行った。シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(E−6)で表される熱塩基発生剤(E−6)を485mg(1.76mmol)得た。
【0078】
下記表1、2に示す種々の成分と共に表1、2に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
A−1:カルボキシル基含有樹脂、クレゾールノボラック型、固形分65%、酸価80mgKOH/g、(7)カルボキシル基含有樹脂に該当
A−2:カルボキシル基含有樹脂、ZFR−1401H、日本化薬社製ビスフェノールF型、固形分60%、酸価100mgKOH/g、(8)カルボキシル基含有樹脂に該当
A−3:カルボキシル基含有樹脂、サイクロマーP(ACA)Z250、ダイセル・サイテック社製アクリル共重合型、固形分45%、酸価70mgKOH/g、(1)及び(10)カルボキシル基含有樹脂に該当
A−4:カルボキシル基含有ウレタン樹脂、固形分50%、酸価47mgKOH/g、(2)及び(5)カルボキシル基含有樹脂に該当
A−5:フェノール化合物を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、固形分71%、酸価88mgKOH/g(9)カルボキシル基含有樹脂に該当
B−1:光重合開始剤、BASF社製IRGACURE907、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
B−2:光重合開始剤、BASF社製IRGACURE369、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
C−1:感光性モノマー、新中村化学社工業製NKエステル A−DPH、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
C−2*9:感光性モノマー、新中村化学社工業製NKエステル A−TMPT、トリメチロールプロパントリアクリレート
D−1:熱硬化性成分、DIC社製エピクロンN−660、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量202−212g/eq
D−2:熱硬化性成分、ジャパンエポキシレジン社製jER828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184−194g/eq
E−1:熱塩基発生剤、塩基発生開始温度110℃
E−2:熱塩基発生剤、塩基発生開始温度150℃
E−3:熱塩基発生剤、塩基発生開始温度135℃
E−4:熱塩基発生剤、塩基発生開始温度145℃
E−5:熱塩基発生剤、塩基発生開始温度124℃
E−6:熱塩基発生剤、塩基発生開始温度160℃
メラミン:熱硬化触媒
F−1:フィラー、富士タルク工業社製LMP−100、タルク
F−2:フィラー、堺化学工業社製バリエースB−30、硫酸バリウム
G−1:酸化防止剤、BASF社製IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
X−1:着色剤、C.I.Pigment Blue 15:3
X−2:着色剤、C.I.Pigment Yellow147
X−3:消泡剤、共栄社化学社製フローレンAC−902、シリコーン系消泡剤
X−4:溶剤、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
【0082】
<保存安定性>
前記実施例及び比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、50℃の恒温槽に24時間保管し、保管前後の粘度変化から下記式(A)を用いて増粘率を算出し、保存安定性を評価した。
増粘率(%)={(保管後の粘度―保管前の粘度)/保管前の粘度}X100‥式(A)
○:増粘率が50%未満
△:増粘率が50%以上100%未満
×:増粘率が100%以上
【0083】
<現像ライフ>
前記実施例及び比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で乾燥し50分から80分まで10分おきに基板を取り出し、室温まで放冷した。この基板に30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、残渣の有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:残渣が全くない
△:わずかに残渣がある
×:非常に多くの残渣がある
【0084】
<はんだ耐熱性、耐酸性、耐塩基性評価用基板作製法>
前記実施例及び比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。この基板に高圧水銀灯を搭載した露光装置およびネガフィルムを用いて露光し、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行ってレジストパターンを得た。この基板を130℃で60分加熱・硬化させて評価用基板とした。
【0085】
<はんだ耐熱性>
ロジン系フラックスを塗布した上記評価基板を、予め260℃に設定したはんだ槽に浸漬し、変性アルコールでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト層の膨れ・剥がれについて評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:10秒間浸漬を3回以上繰り返しても剥がれが認められない
△:10秒間浸漬を3回以上繰り返すと少し剥がれる
×:10秒間浸漬を3回以内にレジスト層に膨れ、剥がれがある
【0086】
<耐酸性>
評価基板を10vol%H
2SO
4水溶液に室温で20分間浸漬し、染み込みや塗膜の溶け出しを目視にて確認し、さらにテープビールによる剥がれを確認した。
○:変化が認められない
△:ほんの僅か変化している
×:塗膜に膨れあるいは膨潤脱落がある
【0087】
<耐塩基性>
評価基板を10vol%NaOH水溶液に室温で20分間浸漬し、染み込みや塗膜の溶け出しを目視にて確認し、さらにテープビールによる剥がれを確認した。
○:変化が認められない
△:ほんの僅か変化している
×:塗膜に膨れあるいは膨潤脱落がある
【0088】
<耐溶剤性>
評価基板をプロピレングリコールモノメチルエーテルに室温で20分間浸漬し、染み込みや塗膜の溶け出しを目視にて確認し、さらにテープビールによる剥がれを確認した。
○:変化が認められない
△:ほんの僅か変化している
×:塗膜に膨れあるいは膨潤脱落がある
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
表3,4から明らかなように、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、乾燥管理幅を短縮することなく、低温での熱硬化反応でも優れた特性を有するソルダーレジスト用樹脂組成物として好適に使用できることが分かった。