【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、これらの問題の内の1つまたは複数が、1つ又は追加の構成部品を使用中のケーブルに通すことができるように中空であるケーブルを提供することによって対処され得ると理解している。ケーブルの内部に追加の構成部品の内の1つまたは複数を位置決めすることによって、ケーブルのサイズ(直径)は最大化でき、このことは、追加構造のためにケーブルの回りで必要とされる空間がより少ないため、ケーブルで発生する電力損失を削減してよい。さらに、ケーブルの内部にプルワイヤ等の追加の構成部品を位置決めすることによって、ケーブルの中心の下方の(または中心により近い)電気手術器具に作動を送達することが可能となることがあり、このことは電気手術器具の作動を改善することがある。
【0009】
また、本発明者は、マイクロ波周波数エネルギーを伝達するときの表皮深さ効果のため、係る中空ケーブルは実際に達成可能であり、このことはマイクロ波周波数エネルギーが導体の浅い表面領域でしか移動しないことを意味することも理解している。また、本発明者は、無線周波数エネルギーは、より厚い導体の使用に比較してケーブル内の抵抗、損失、及び加熱を増加させる係るケーブルでの薄い導体の使用にも関わらず、係る中空ケーブルに沿って適切に伝達できることも理解している。
【0010】
さらに、本発明者は、ケーブルに接続される電気手術器具をケーブルに対して回転することを可能にする係るケーブルを提供することが望ましいと理解している。電気手術器具とケーブルとの間の相対的回転を可能にすることは、例えば電気手術器具の部分またはすべてのより正確なまたは適切な位置決めまたは配向を可能にすることで電気手術器具の操作中の電気手術器具のより適切な制御を可能にしてよい。
【0011】
したがって、その最も一般原則で、本発明は電気手術器具に無線周波数エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギーを伝達するための中空ケーブルを提供し、電気手術器具に対する二極の電気的接続は、電気手術器具がケーブルに対して回転されるときに二極の電気的接続が維持されるように構成される。
【0012】
本発明の第1の態様によると、ケーブルの第1の端部で無線周波数エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギーを電気手術器具に伝達するためのケーブルが提供され、ケーブルは、
伝送回線を形成するために誘電材料によって分離された導電性の内側層及び外側層を含んだ中空管と、
内側導電層に対する電気的接続を形成するためのケーブルの第1の端部での第1の端子と、
外側導電層に対する電気的接続を形成するためのケーブルの第1の端部での第2の端子と、
ケーブルの第1の端部での回転可能な構成部品であって、回転可能な構成部品は中空管と連続する長手方向通路を含み、回転可能な構成部品は伝送回線に対して回転可能であり、
第1の端子に電気的に接続された第1の部分であって、第1の部分及び第1の端子は互いに対して回転可能であり、互いに対して回転するときに電気的接続を維持するように構成される、第1の部分と、
第2の端子に電気的に接続された第2の部分であって、第2の部分及び第2の端子は互いに対して回転可能であり、互いに対して回転するときに電気的接続を維持するように構成される、第2の部分と、
を含む、回転可能な構成部品と、
を含む。
【0013】
したがって、ケーブルは電気手術器具への二極の電気的接続を形成するために(例えば、直接的にもしくは間接的に電気手術器具に接続されてよい、または電気手術器具と一体化してよい)回転可能な構成部品を通して電気手術器具に接続できる。さらに、第1の及び第2の部分と第1の及び第2の端子との間の電気的接続は回転可能な構成部品の回転中に維持されるため、この二極の電気的接続は回転可能な構成部品(及びしたがって電気手術器具)が回転するときに維持される。
【0014】
回転可能な構成部品の長手方向通路は、開放チャネル、つまり中でチャネルの周囲の少なくとも一部が覆われていない開放チャネル、または例えばボアもしくは管腔等の閉鎖チャネルを含んでよい。長手方向通路は、中空管を通して及び中空管の第1の端部の中から送られる構成部品も長手方向通路を通って送られるように中空管の第1の端部で位置決めされることによって中空管と連続してよい。長手方向通路は中空管の中心通路と位置合わせされてよい。代わりに、長手方向通路のいくつかまたはすべては、例えば中空管の回りまたは内部に位置決めされる回転可能な構成部品のいくらかまたはすべてによって中空管の中心通路と重なる、長手方向通路のいくらかまたはすべてによって中空管と連続してよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、ケーブルは電気手術器具に無線周波数エネルギーだけを伝達するためであってよい。他の実施形態では、ケーブルは電気手術器具にマイクロ波周波数エネルギーだけを伝達するためであってよい。追加の実施形態では、ケーブルは電気手術器具に無線周波数エネルギーとマイクロ波周波数エネルギーの両方を伝達するためであってよい。
【0016】
用語内側のは中空管の中心により近いことを意味する。用語外側のは中空管の中心からより遠いことを意味する。
【0017】
管は、内側導電層及び外側導電層が同心(同軸)層である円柱管であってよい。この場合、用語内側のは半径方向に内側を意味し、用語外側のは半径方向に外側を意味する。
【0018】
用語中空は、管が、例えば管の中心を中心としてその長さに沿って延在するボア又は管腔を有することを意味する。
【0019】
用語伝導性のあるは、文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合は除いて、本発明では電気的に導電性であることを意味するために使用される。
【0020】
電気手術器具は、手術中に使用され、無線周波数エネルギーまたはマイクロ波周波数エネルギーを活用する任意の器具またはツールであってよい。本明細書では、無線周波数(RF)は10kHz〜300MHzの範囲の安定した固定周波数を意味することがあり、マイクロ波エネルギーは範囲300MHz〜100GHzの安定した固定周波数を有する電磁エネルギーを意味することがある。RFエネルギーはエネルギーが神経刺激を引き起こすのを防ぐほど十分に高く、エネルギーが組織白化または組織構造に対して不必要な熱的余裕もしくは損傷を引き起こすのを防ぐほど十分に低い周波数を有する必要がある。RFエネルギーのための好ましいスポット周波数は、100kHz、250kHz、400kHz、500kHz、1MHz、5MHzの内の任意の1つまたは複数を含む。マイクロ波エネルギーの好ましいスポット周波数は、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、14.5GHz、24GHzを含む。
【0021】
ケーブルの中空性質は、気体送り装置もしくは液体送り装置、またはプルワイヤもしくは他の制御手段等の電気手術器具の使用で必要とされる他の構成部品をケーブルの内部を通し送ることができることを意味する。つまり、ケーブルの外径は、他の構成部品をケーブルの外部の回りに位置決めする必要がある配置構成に対して最大化できる。ケーブルの直径を最大化すると、より小さい直径のケーブルに比してケーブルの電力損失は削減される。したがって、ケーブルは従来のケーブルに比してより多くの電力を電気手術器具に送達できてよい。さらに、プルワイヤ等の作動構成部品はケーブルの中心の近くに位置決めされてよく、このことは電気手術器具の作動を改善してよい。
【0022】
ケーブルの中空管を通される作動制御装置または気体送り装置もしくは液体送り装置等の追加の構成部品は、ケーブルの中空管の同心の配置構成で配置されてよい。これはケーブルの中空管の中の空間の使用を最適化してよい。また、これは、それが回転中にケーブルの中空管の中での追加の構成部品の絡まりを削減するまたは防ぐため、ケーブルの第1の端部での回転可能な構成部品及び電気手術器具の回転を促進してもよい。
【0023】
伝送回線は、内側導電層及び外側導電層が同軸である同軸伝送回線であってよい。
ケーブルの第1の端部は、電気手術器具に(直接的にまたは別の構成部品もしくはパーツを通して間接的に)接続するためであるケーブルの端部である。言い換えると、ケーブルの第1の端部はケーブルの遠心端部である。
【0024】
ケーブルの反対の第2の端部は、ケーブルに無線周波数エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギー供給するための発電機にケーブルを接続するためである。言い換えると、ケーブルの第2の端部はケーブルの近位端部である。ケーブルの第2の端部は、発電機にケーブルの第2の端部を接続するための端子またはコネクタを有してよい。したがって、ケーブルは、ケーブルの第2の(近位)端部に接続された発電機からケーブルの第1の(遠心)端部に接続された電気手術器具に無線周波数エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギーを伝達するためであってよい。
【0025】
第1の端子は、例えばケーブルの第1の端部でのケーブルの面、または内側導電層の端部での内側導電層の円周面で露呈される内側導電層の端部等、内側導電層の端部を含んでよい。
【0026】
第2の端子は、例えばケーブルの第1の端部でのケーブルの面、または外側導電層の端部での外側導電層の円周面に露呈される外側導電層の端部等、外側導電層の端部を含んでよい。
【0027】
端子と対応する部分との間の電気的接続は、その最も一般原則で、電気信号を端子から対応する部分に渡すことができる、端子と対応する部分との間の境界面を意味する。例えば、電流が端子と対応する部分との間を直接的に流れるように端子と対応する部分との間の直接的な接触があることもあれば、例えば導電接着剤または結合剤等、中間導電体または中間導電媒質を通る間接的なガルバニック接続があることもある。代わりに、電気信号は、例えば誘電結合もしくは容量結合等のなんらかの他のタイプの電気結合、または例えばトランス等の他のタイプの磁気結合及び/もしくは電気結合を通して端子から対応する部分に渡されてよい。
【0028】
本発明の第1の態様に係るケーブルは、以下の任意選択の特徴の内の任意の1つ、またはそれらが互換性がある範囲まで以下の任意選択の特徴の任意の組合せを有してよい。
【0029】
第1の部分または第2の部分は、相対的回転中にそれぞれの端子と直接的に物理的に接触したままとなるように構成されることによって相対的回転中にそれぞれの端子に対する電気的接続を維持するように構成されてよい。
【0030】
第1の端子は、内側導電層の露呈部分の表面を含んでよい。用語露呈は、例えばケーブルの円周面で覆われていない、つまりアクセス可能を意味することがある。内側導電層の露呈部分の表面は内側導電層の露呈部分の円周面であってよい。
【0031】
内側導電層の露呈部分は、内側導電層の露呈管状部分を含んでよい。言い換えると、管状の内側導電層の短い長さが、例えば内側導電層の端部で露呈されてよい。これは、例えばこの領域の内側導電層の表面でカバリング層、例えば管状層を提供しないことによって達成されてよい。
【0032】
第1の端子はケーブルの外側円周面にあってよく、第1の部分はケーブルの外側円周面の回りに位置決めされてよい。したがって、第1の部分の表面(例えば、内面または外面)は、第1の端子に隣接して(反対で)よく、これによりそれらの間で電気的接続を容易に行うことができる。
【0033】
代わりに、第1の端子はケーブルの内側円周面にあってよく、第1の部分はケーブルの内側円周面の内部に位置決めされてよい。
【0034】
第1の部分は、第1の部分の内面または外面に導電体を含んでよく、導電体は第1の端子と接触している。したがって、第1の端子に物理的に接触する第1の部分で導電体によって第1の部分と第1の端子との間で電気的接続が形成される。第1の部分が、第1の端子が位置する円周面の内部に位置決めされる場合、導電体は第1の部分の外面上にある。
【0035】
代わりに、第1の部分が、第1の端子が位置する円周面の回りに位置決めされる場合、導電体は第1の表面の内側部分にある。
【0036】
導電体は導電体の円周バンドを含んでよい。これは、第1の部分が回転するにつれ、第1の端子に対する電気的接続を維持することを容易にしてよい。
【0037】
さらにまたは代わりに、第1の部分は偏向されて第1の端子と接触する1つまたは複数の導電素子を含んでよい。
【0038】
1つまたは複数の導電素子はばね付き羽根、ばね付きフラップ、ばね付きパッド、またはばね付き突出部を含んでよい。
【0039】
1つまたは複数の導電素子は、導電体で導電素子を被覆することによって導電性にされてよい。
【0040】
1つまたは複数の導電素子は、第1の部分の内面または外面に位置決めされてよい。
したがって、相対的回転中に維持される、確実なばね付き電気的接続が第1の部分と第1の端子との間に提供されてよい。
【0041】
第1の部分は中空管を含んでよい。これは、ケーブルに第1の部分を回転で取り付けることを容易にしてよい。
【0042】
第1の端子がケーブルの外側円周面にあり、第1の部分がケーブルの外側円周面の回りに位置決めされる場合、第1の部分は第1のばね付き羽根と第2のばね付き羽根の間でケーブルの外側円周面を把持する第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根を含んでよい。したがって、第1の端子と第1の部分の相対的回転中に維持される安全なばね付き電気的接続が第1の部分と第1の端子との間で行われてよい。
【0043】
第1の端子がケーブルの内側円周面にあり、第1の部分がケーブルの内側円周面の内部に位置決めされる場合、第1の部分はケーブルの内側円周面に対して外向きに押す第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根を含んでよい。したがって、第1の端子及び第1の部分の相対的回転中に維持される安全なばね付き接続が第1の部分と第1の端子との間で行われてよい。
【0044】
第1の部分は、その円周から軸方向の片が取り除かれて第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根を形成する自然にばね付き材料の中空管を含んでよい。第1の部分がケーブルの外側円周面の回りに位置決めされる場合、第1の部分が作られる中空管は、外側円周面の直径よりも小さい初期の直径を有してよい。したがって、ばね付き羽根は、第1の部分が外側円周面の回りに位置決めされるとき外向きに曲げられ、結果として生じるばね力がばね付き羽根に羽根の間にケーブルを把持させる。代わりに、第1の部分がケーブルの内側円周面の内部に位置決めされる場合、第1の部分が作られる中空管は内側円周面の直径よりも大きい初期の直径を有してよい。したがって、ばね付き羽根は、第1の部分が内側円周面の内部に位置決めされるときに内向きに曲げられ、結果として生じるばね力は、ばね付き羽根に内側円周面に対して外向きに押させる。
【0045】
第2の端子の以下の特徴の優位点は、対応する第1の端子の上記優位点と同じであってよい。
【0046】
第2の端子は、外側導電層の露呈部分の表面を含んでよい。
外側導電層の露呈部分は、外側導電層の露呈管状部分を含んでよい。
【0047】
第2の端子はケーブルの外側円周面にあることがあり、第2の部分はケーブルの外側円周面の回りに位置決めされてよい。
【0048】
代わりに、第2の端子はケーブルの内側円周面にあってよく、第2の部分はケーブルの内側円周面の内部に位置決めされてよい。
【0049】
第2の部分は第2の部分の内面または外面に導電体を含んでよく、導電体は第2の端子と接触している。
【0050】
導電体は、導電体の円周バンドを含んでよい。
第2の部分は、偏向されて第2の端子と接触する1つまたは複数の導電素子を含んでよい。
【0051】
1つまたは複数の導電素子はばね付き羽根、ばね付きフラップ、ばね付きパッド、またはばね付き突出部を含んでよい。
【0052】
第2の部分は中空管を含んでよい。
第2の端子がケーブルの外側円周面にあり、第2の部分がケーブルの外側円周面の回りに位置決めされるとき、第2の部分は第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根の間にケーブルの外側円周面を把持する第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根を含んでよい。
【0053】
第2の端子がケーブルの内側円周面にあり、第2の部分がケーブルの内側円周面の内部に位置決めされるとき、第2の部分はケーブルの内側円周面に対して外向きに押す第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根を含んでよい。
【0054】
第2の部分は、軸方向の片がその円周から取り除かれて第1のばね付き羽根及び第2のばね付き羽根を形成する自然にばね付き材料の中空管を含んでよい。
【0055】
第1の部分は、第2の部分に接続されてよい、または第2の部分と一体化してよい。例えば、第1の部分及び第2の部分は、例えば次いで導電体で選択的に被覆されるプラスチック等の絶縁材料からともに成形されてよい。代わりに、第1の部分及び第2の部分は、例えばレーザー切断によって同じパイプから形成されてよい。代わりに、第1の部分及び第2の部分は別々に作られ、次いで例えば摩擦嵌め等によってまたは第1の部分及び第2の部分を互いに固定するもしくは結合することによって、互いに接続されてよい。
【0056】
また、本発明者は、ケーブルに対する電気手術器具の回転を達成する代替の方法が、内側導電層と外側導電層との間に相対的回転があるように、ケーブルの内側導電層を電気手術器具とともに回転させることであると理解している。
【0057】
したがって、本発明の第2の態様によると、電気手術器具に無線周波数エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギーを伝達するためのケーブルが提供され、ケーブルは、
誘電材料の中空管の外側に設けられた外側導電層を含む第1の部分と、
内側導電層を含んだ第2の部分と、
を含み、
第2の部分は、内側導電層及び外側導電層が伝送回線を形成するように第1の部分の内部に位置決めされ、
第2の部分は第1の部分に対して回転可能であり、
第2の部分は、外側導電層が露呈される領域内で外側導電層に電気的に接続される追加の導電層を含み、追加の導電層は内側導電層から電気的に絶縁され、追加の導電層及び外側導電層は互いに対して回転可能であり、互いに対して回転するときに電気的接続を維持するように構成される。
【0058】
したがって、内側導電層は第2の部分に対する固定された接続を有するため、及び第2の部分と第1の部分との間の電気的接続は第2の部分と第1の部分との間の相対的回転中に維持されるため、第2の部分に接続された電気手術器具に対して二極の電気的接続を行い、電気手術器具(及び第2の部分)の回転中に持続することができる。
【0059】
また、第2の部分は材料の内側中空管も含んでよく、内側導電層は、例えば材料の内側中空管の外面で被覆されることによって材料の内側中空管の外側に設けられてよい。いくつかの実施形態では、内側導電層は固体導電性チューブであってよい。
【0060】
この配置構成は、第1の部分に対して回転可能であることに加えて、第2の部分を第1の部分に対して軸方向に移動できるという優位点を有する。したがって、第2の部分(およびしたがって電気手術器具)をより正確に位置決めするまたは配向することが可能である場合がある。
【0061】
本発明の第1の及び/または第2の態様は、以下の任意選択の特徴の内の任意の1つ、またはそれらが互換性がある範囲まで以下の任意選択の特徴の任意の組合せを有してよい。
【0062】
ケーブルは、伝送回線に対して回転可能な構成部品を回転させるため、つまり第1の部分に対して第2の部分を回転させるためにケーブルの中空管を通して送られる作動手段を含んでよい。
【0063】
作動手段は、ロッド、ワイヤ、ケーブルまたは中空管等のアクチュエータ要素を含んでよい。代わりに、作動手段は、例えば油圧作動システムにおいて、例えば液体または気体等、流体を含んでよい。
【0064】
一実施形態では、電気手術器具は電気手術器具にアクチュエータ要素を接続する(固定する)ことによって、または電気手術器具を直接的に回転させるためにアクチュエータを回転させることによって回転してよい。これは、状況によっては電気手術器具の許容できる回転制御を提供してよい。
【0065】
しかしながら、本発明者は、いくつかの場合、この種の制御が、多くの用途では望ましくないことがある一連のジャンプ(もしくは振動)または間欠的な突然の変化で発生する電気手術器具の回転につながることがあると理解している。これは、アクチュエータの回転中に摩擦圧力及びトルク圧力を引き起こすアクチュエータの曲げのためであると考えられる。
【0066】
本発明者は、この問題が、電気手術器具に対してアクチュエータ要素を軸方向に移動するために、ロッド、ワイヤ、ケーブル、管、またはパイプ等のアクチュエータ要素を押すまたは引くことによって電気手術器具の回転を生じさせることで、及びこの軸方向の運動を電気手術器具の回転運動に変換する境界面をアクチュエータと電気手術器具との間に提供することによって克服され得ると理解している。本発明者は、ケーブルが曲げられている場合も、アクチュエータの軸方向に引く運動及び押す運動がケーブルに沿って円滑に伝達され、これにより電気手術器具の円滑な回転が達成できると理解している。
【0067】
したがって、作動手段はケーブルの中空管に沿って軸方向に動くように構成されてよく、ケーブルは作動手段の軸方向の運動を回転可能な構成部品または第2の部分の(ひいては電気手術器具の)回転運動に変換するためにケーブルの中空管に設けられる境界面を含んでよい。言い換えると、作動手段はケーブルに沿って押されてよいまたは引かれて(格納されて)よい。流体では、同じ効果は流体にかけられる圧力または押す力の変化によって達成されてよい。
【0068】
アクチュエータ要素がケーブルに対して回転するのを防ぐために、追加の境界面が設けられてよく、これによりアクチュエータ要素はケーブルに沿って軸方向にだけ移動できる。
【0069】
アクチュエータ要素は、アクチュエータ要素の外面に設けられた螺旋形の経路を有してよく、ケーブルは、アクチュエータ要素が軸方向に移動するときに螺旋形の経路をたどり、それによって回転子を回転させるフォロワを有する回転子を含んでよい。したがって、アクチュエータ要素の軸方向の運動は回転子の回転運動に変換される。
【0070】
代わりに、アクチュエータ要素は、アクチュエータ要素の外面にフォロワを含んでよく、ケーブルは、アクチュエータ要素が軸方向に移動するときにフォロワがそれに沿って移動し、それによって回転子を回転させる、回転子の内面に設けられた螺旋形の経路を有する回転子を含んでよい。したがって、アクチュエータ要素の軸方向の運動は回転子の回転運動に変換される。
【0071】
回転子は中空の円筒形の本体または管状の本体であってよい。
螺旋形の経路は隆起した螺旋形の経路を含んでよい。
【0072】
代わりに、螺旋形の経路は螺旋形のチャネル、螺旋形の溝、または螺旋形の長穴を含んでよい。
【0073】
フォロワは、突出部、ピン、フィン、凹部、溝、チャネル、または長穴を含んでよい。
回転子は、(直接的にまたは別のパーツもしくは構成部品を通して間接的にのどちらかで)電気手術器具に接続されてよい、または電気手術器具と一体であってよく、これにより回転子の回転が電気手術器具の回転を生じさせる。
【0074】
ケーブルが回転可能な構成部品を含むとき、回転子は(直接的にまたは別のパーツもしくは構成部品を通して間接的にのどちらかで)回転可能な構成部品に接続されてよい、または回転可能な構成部品と一体であってよく、これにより回転子の回転が回転可能な構成部品の回転を生じさせる。
【0075】
一実施形態では、アクチュエータがケーブルに対して回転するのを防ぐための境界面は、ケーブルのまたはケーブルのハンドルの壁に線形の軸方向経路(例えば溝または長穴)をたどる、アクチュエータ上のフォロワ(例えばピンまたはフィン)を含んでよい。代わりに、境界面は、アクチュエータの表面に線形の軸方向経路(例えば溝または長穴)をたどるケーブルまたはケーブルのハンドル上のフォロワ(例えばピンまたはフィン)を含んでよい。どちらの場合も、アクチュエータはケーブルに対して軸方向に移動できるが、ケーブルに対して回転するのを防がれる。
【0076】
ケーブルは、伝送回線及び中空管に位置決めされ、中空管に沿って伸長する追加の導体を用いて電気手術器具に無線周波数エネルギーを伝達するように構成されてよく、追加の導体はケーブルの中空管の中で伝送回線から電気的に絶縁されてよい。
【0077】
ケーブルの同じ伝送回線で無線周波数エネルギーとマイクロ波周波数エネルギーの両方を伝送することで考えられる問題は、高圧無線周波数エネルギーが誘電材料の、特にマイクロ波周波数を伝達する際に使用するのに適している多孔性の低損失材料で故障を引き起こす可能性がある点である。したがって、いくつかの実施形態では、無線周波数信号は代わりに伝送回線及び中空管に位置決めされ、中空管に沿って伸長する導体を使用し、伝達されてよい。これは誘電材料の故障のリスクを大幅に削減してよい。
【0078】
ケーブルは、追加の導体及び伝送回線に無線周波数エネルギーを供給するために発電機に接続するためのその第2の(近位)端部に端子またはコネクタを有することによってこのように無線周波数エネルギーを伝達するように構成されてよい。
【0079】
中空ケーブルの中の伝送回線から追加の導体を電気的に絶縁することは、それ以外の場合ケーブルに損傷を与えるまたはケーブルの電力損失を増加させるだろう、追加の導体と伝送回線との間の空気の電気絶縁破壊を防いでよい。これは、(例えば、追加の導体の表面に設けられる)追加の導体の回りの絶縁層または例えばケーブルの最も内側の表面上に設けられる絶縁層を用いて達成されてよい。
【0080】
ケーブルは、内側導電層及び追加の導体(だけ)を用いて、または外側導電層及び追加の導体(だけ)を用いて、または内側導電層、外側導電層、及び追加の導体を用いて無線周波数エネルギーを電気手術器具に伝達するように構成されてよく、内側導電層及び外側導電層はケーブルの第2の(近位)端部で電気的に接続される。
【0081】
中空管に位置決めされた導体は、特にこの目的に使用される導電性のロッドまたは管であってよい。代わりに、追加の導体は、例えばケーブルの最も内側の管状層等、ケーブルの追加の管状の導電層を含んでよい。代わりに、中空管を通過する追加の構成部品は中心導体として機能してよい。例えば、電気手術器具に液体もしくは気体を供給するために使用される管、またはガイドワイヤもしくはプルワイヤのためのハウジングは、導電性材料から形成されるまたは導電性材料で被覆されてよく、中心導体の機能を果たしてよい。発電機は、次いで、伝送回線の内側導電層及び外側導電層だけに入力されるマイクロ波周波数信号とは別個に無線周波数信号を、伝送回線及び追加の導体を使用しケーブルに入力するために使用されてよい。
【0082】
このような配置構成では、より高圧の無線周波数信号が内側導体及び外側導体に沿って移動して戻るのを防ぐために、及び/またはマイクロ波信号が追加の導体に沿って移動して戻るのを防ぐために、ケーブルの第1の端部でダイプレクサ等の構成を提供することが必要な場合がある。代わりに、追加の導体は、マイクロ波エネルギーだけを伝達するためにケーブルを使用するときに追加の導体が物理的に切断できるように構成されてよい。例えば、これは、追加の導体が電気手術器具の対応する端子ともはや接触しなくなるように電気手術器具から離れて軸方向に追加の導体を引くことによって達成されてよい。
【0083】
ケーブルは、中空管に位置決めされ、伝送回線を用いて電気手術器具に無線周波数エネルギーを伝達するための中空管に沿って伸長する導体を含んでよい。
【0084】
誘電材料は誘電材料の固体チューブ、つまり多孔質構造を有する誘電材料の管を含んでよい。誘電材料の固体チューブであることは、誘電材料が実質的には均質であることを意味することがある。多孔質構造を有することは、誘電材料が、かなりの数または量のエアポケットまたは隙間を有する、実質的に非均質であることを意味することがある。
【0085】
例えば、多孔質構造はハニカム構造、メッシュ構造、または泡構造を意味することがある。
【0086】
誘電材料はPTFE,つまり別の低損失マイクロ波誘電体を含んでよい。
誘電材料は、例えば0.3mmまたは0.4mmの厚さの管等、0.2mmよりも大きい厚さの管を含んでよい。一実施形態では、誘電材料は、例えば1.6mmの内径及び2.4mmの外径を有するPTFEの管であってよい。
【0087】
内側導電層及び/または外側導電層は、材料の管の内部または外部の導電塗料、材料の管の内部または外部に対して位置決めされた導電体の固体チューブ、または材料の管上に形成されたまたは材料の管の中に埋め込まれた編組導電体の層を含んでよい。
【0088】
導電塗料または導電体は、銀、金、または銅等の金属であってよい。代わりに、導電塗料または導電体は、グラフェン等の異なるタイプの導電体を含んでよい。導電塗料及び導電体は好ましくは良導体、つまり例えば鋼ではなく、マイクロ波周波数または無線周波数での低損失導体である。
【0089】
内側導電層及び/または外側導電層は銀メッキを含んでよい。
内側導電層及び/または外側導電層は約0.01mmの厚さを有してよい。
【0090】
ケーブルが電気手術器具にマイクロ波周波数エネルギーではなく無線周波数エネルギーだけを伝達するためである場合、誘電材料が優れたマイクロ波誘電体である必要はない。代わりに、これらの実施形態では、誘電材料は、例えば無線周波数信号の電圧よりも十分に大きいスタンドオフ電圧または絶縁破壊電圧を提供する材料、つまり十分に高い絶縁耐力を有する材料等、優れた無線周波数誘電材料であってよい。また、誘電材料は、その硬度、強度、またはめっきの容易さ等の誘電材料の機械的性質に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。適切な材料は、例えば約3000KV/mmの破壊強さを有するカプトンポリイミド膜等、カプトンであってよい。したがって、ケーブルが電気手術器具に無線周波数エネルギーだけを伝達するために使用されるとき、以下では、PTFEはカプトンもしくはカプトンポリイミドまたは別の適切な無線周波数誘電体で置換されてよい。
【0091】
無線周波数エネルギーだけが伝達されているとき、ケーブルが電気手術器具に接続される領域でのインピーダンス不整合に起因するエネルギーの反射は、マイクロ波周波数エネルギーを伝達するときよりもより著しくない。したがって、電気手術器具にケーブルを接続する方がより簡略であることがあり、これは(以下に説明される接続配置構成に加えて)例えば2つの適切な接続ワイヤを用いて達成できるだろう。
【0092】
いくつかの実施形態では、単一導体単極ツールがケーブルに導入され、内側導電層だけに接続されてよい。
【0093】
保護カバリングまたはライナーは、例えば中空ケーブルを通される構成部品またはツールによって引き起こされる損傷から内側金属層を保護するために内側金属層の内側に設けられてよい。一実施形態では、保護ライナーは内側管状層を含んでよく、内側金属層は内側管状層の外面で被覆されてよい。内側管状層は絶縁材料または誘電材料を含んでよい。
【0094】
一実施形態では、ケーブルの第1の端部は、例えば第1の端子及び第2の端子の異なる構成を有する異なる第1の端部が、ケーブルに端子を取り付けることによって同じケーブルと使用され得るようにケーブルの残りから取外し可能またはそれ以外の場合分離可能であってよい。別の実施形態では、ケーブルの第1の端部は一体であってよい、またはケーブルに固定されてよい。
【0095】
保護外側シースまたは外側コーティング(例えば、スプレーコーティング)はケーブルの外面を保護するためにケーブルの外面に存在してよい。これは、例えば絶縁材料及び/または強度及び/もしくは硬度等その機械的性質のために選ばれる材料を含んでよい。
【0096】
1つの構成では、ケーブルは中空の内側管状層、中空の内側管状層の外面上の内側導電層の管、内側導電層の管の外面上の誘電材料の管、及び誘電材料の管の外面上の外側導電層の管を含んでよい。構造は、これらの層のいくつかまたはすべての間でエアギャップを含むこともあれば、含まないこともある。エアギャップを回避することの優位点は、ケーブルでの損失が最小限に抑えられる点である。一例では、この構造は先行する(内側)層の上にそれぞれの後続の層を順次被覆することによって製造できるだろう。代わりに、この構造は第1の部分として層の内の1つまたは複数を、及び第2の部分として層の内の1つまたは複数を形成し、次いで一方の部分を他方の内側に摺動することによって作ることができるだろう。中空の内側管状層はPTFEまたはポリイミドを含んでもよい。中空の内側管状層は0.1mmの厚さを有してよい。
【0097】
内側導電層は管状誘電材料の端縁を越えて突出することがあり、これにより内側導電層はケーブルの第1の端部で露呈される。これはケーブルの第1の端部での電気手術器具の接続を容易にしてよい。
【0098】
代替構成では、ケーブルは内側導電層の中空管、内側導電層の中空管の外面上の誘電材料の管、及び誘電材料の管の外面上の外側導電層の管を含んでよい。再び、エアギャップが層の内の1つまたは複数の間に存在することもあれば、存在しないこともある。一例では、係る構成はそれぞれ誘電材料の内面及び外面で内側導電層及び外側導電層を被覆することによって製造されてよい。
【0099】
このケーブルは外側導電層の管の外面上に保護外側管状層をさらに含んでよい。外側管状層はPTFEまたはポリイミドを含んでよい。保護外側管状層は絶縁層であってよい。
【0100】
外側導電層は、誘電材料の管の端縁を越えて突出することがあり、これにより外側導電層はケーブルの第1の端部で露呈される。これは電気手術器具の接続を容易にしてよい。
【0101】
ケーブルの外径は、ケーブルの第1の端部に隣接するその長さの一部分(セクションまたはパーツ)でより小さいことがある。言い換えると、ケーブルは第1の端部でより狭いことがある。これは、電気手術器具へのケーブルの接続を容易にしてよい。
【0102】
ケーブルの外径は、ケーブルの内径を削減することによって部分でより小さくされてよい。言い換えると、ケーブルの壁は、壁が第1の端部でケーブルのセクションのためのケーブルの中心軸により近くなるように内向きにゆさぶられてよい、または移動されてよい。
【0103】
代わりに、または加えて、ケーブルの外径は誘電材料、つまりケーブルの別の構成部品の厚さを削減することによって部分でより小さくされてよい。この場合、ケーブルの内径は未変更でよいが、外径は削減される。誘電材料、つまり他の構成部品の厚さはより小さい厚さまで領域を機械加工することによって、または例えば熱収縮材料を使用することによって削減されてよい。
【0104】
無線周波数エネルギー及び/またはマイクロ波周波数エネルギーは、ケーブルの第2の(近位)端部でまたはケーブルの第2の(近位)端部に隣接して位置決めされたサイドフィードを使用し、ケーブルに入力されてよい。これは、多様な他の構成部品及び計器制御装置のためにケーブルを通る明確なチャネルを可能にしてよい。RFエネルギーが短絡されないために、内側導電層及び外側導電層は、中空チャネルがケーブルを出る誘電材料を横切って接続されないことがある。マイクロ波エネルギーは、同軸フィルタまたはチョーキングによってケーブルの開放端部から漏れるのを防がれてよい。チョーキングまたはフィルタのサイドフィードからの距離は、中空のケーブル及びサイドフィードのインピーダンスに発電機設備のインピーダンスを一致させるために選ばれてよい。
【0105】
本発明の実施形態は、添付の図を参照して、ほんの一例としてここに説明される。