(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患を予防または処置するための医薬組成物であって、請求項1〜12の何れか1項に記載の化合物を活性成分として含む医薬組成物。
前記STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患が、固形がん、血液学的がんまたは血液がん、放射線耐性または化学療法耐性がん、転移がん、炎症性疾患、免疫学的疾患、糖尿病、黄斑変性、ヒトパピローマウイルス感染および結核からなる群から選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
前記STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患が、乳がん、肺がん、胃がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん、腎がん、膵臓がん、肝がん、結腸がん、皮膚がん、頭頚部がん、甲状腺がん、骨肉腫、急性または慢性白血病、多発性骨髄腫、B−またはT細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、関節リウマチを含む自己免疫疾患、乾癬、肝炎、炎症性腸疾患、クローン病、糖尿病、黄斑変性、ヒトパピローマウイルス感染、および結核からなる群から選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、STAT3タンパク質の活性化の阻害のための新規なヘテロ環式誘導体を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患の予防または処置のための、ヘテロ環式誘導体の使用を提供することである。
【0009】
本発明の一側面によれば、式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物が提供される:
【0011】
[式中、
X
1およびX
2は、それぞれ独立して、−C(−Rx)(−Rx”)−、−C(−Rx’)(−Rx”)−、−C(−Rx”)(−Rx”)−、−C(=O)−、−N(Rx)−、−N(−Rx’)−、−N(−Rx”)−、または−O−であり;
Rxは、
【0013】
であり;
Xsは、=Oまたは=NHであり;
Rsは、C
1〜6アルキル、ハロC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ−C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキルカルボニル−C
1〜6アルキル、C
2〜7アルケニル、アミノ、またはアミノC
1〜6アルキルであり;
Rx’は、ハロC
1〜6アルキル、C
1〜4アルコキシカルボニル、シアノ、ニトロ、アジド、アミノ、または無置換であるかもしくはRx”で置換されている3員〜6員ヘテロシクリルであり;
Rx”は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルコキシ、カルバモイルC1〜6アルキル、C
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルキル、またはジC
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルキルであり;
YおよびZの一方は、−S−または−NH−であり、他方は、−CH=または−N=であり;
Lxは、飽和または不飽和C
1〜4炭化水素鎖(−O−、−NH−、−N=、−S−、−S(=O)−および−S(=O)
2−からなる群から選択される1〜3個のヘテロ基を鎖中に含まないか、または含み、ならびに無置換であるかまたは少なくとも1個のRx”部分で置換されている)であり;
AおよびBは、それぞれ独立して、単環式または二環式の飽和または不飽和C
3〜10炭素環または5員〜12員ヘテロ環であり;
Rcは、=O、=NH、=N(−C
1〜6アルキル)、または=N(−OH)であり;
R
Nは、水素またはC
1〜6アルキルであり;
L
Bは、−[C(−R
L)(−R
L’)]
m−、−[C(−R
L)(−R
L’)]
n−O−、−O−、−NH−、−N(C
1〜6アルキル)−、−S(=O)
2−、−C(=O)−、または−C(=CH
2)−であり、ここで、mは、0〜3の整数であり、nは、1〜3の整数であり、R
LおよびR
L’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲンもしくはC
1〜6アルキルであるか、またはR
LおよびR
L’は、一緒に連結されて、C
1〜6アルキレンを形成し;
R
Aは、水素、ハロゲン、シアノ、C
1〜6アルキル、ハロC
1〜6アルキル、シアノC
1〜6アルキル、C
1〜6アルキルカルボニル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルコキシ、シアノC
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルアミノ、ジC
1〜6アルキルアミノ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルアミノカルボニル、ジC
1〜6アルキルアミノカルボニル、C
2〜8アルキニル、C
1〜6アルコキシカルボニルアミノ−C
1〜6アルコキシ、アミノC
1〜6アルコキシ、または3員〜6員ヘテロシクリルであり;
R
Bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、アミノスルホニル、スルホニルアミド、C
1〜6アルキルアミノ、C
1〜6アルキル、ハロC
1〜6アルキル、シアノC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルコキシ、シアノC
1〜6アルコキシ、C
3〜8シクロアルキルオキシ、C
2〜8アルケニル、C
2〜8アルケニルオキシ、C
2〜8アルキニル、C
2〜8アルキニルオキシ、C
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルコキシ、ジC
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、カルバモイル−C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、5員〜10員ヘテロシクリル、5員〜10員ヘテロシクリル−C
1〜6アルキル、5員〜10員ヘテロシクリル−C
1〜6アルコキシ、または5員〜10員ヘテロシクリル−オキシであり;
pは、0〜4の整数であり、pが2以上である場合、R
A部分は、互いに同じまたは異なり;
qは、0〜4の整数であり、qが2以上である場合、R
B部分は、互いに同じまたは異なり;
前記ヘテロ環およびヘテロシクリル部分のそれぞれは、−O−、−NH=、−N=、−S−、−S(=O)−および−S(=O)
2−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ基を独立して含む]。
【0014】
本発明の別の側面によれば、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患を予防または処置するための薬剤の製造のための、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物の使用が提供される。
【0015】
本発明のさらなる側面によれば、活性成分として、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物を含む、STAT3タンパク質と関連する疾患を予防または処置するための医薬組成物が提供される。
【0016】
本発明のなおさらなる側面によれば、哺乳動物におけるSTAT3タンパク質の活性化と関連する疾患を予防または処置するための方法であって、哺乳動物に上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物を投与することを含む方法が提供される。
【0017】
上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体は、STAT3タンパク質の活性化に対して優れた阻害効果を有し、したがって、それは、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患の予防または処置のために使用することができる。
【0018】
本発明は、ここで以下に詳細にさらに説明される。
【0019】
本発明の明細書において、用語「ハロゲン」は、特に断りのない限り、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを指す。
【0020】
用語「アルキル」は、特に断りのない限り、直鎖状または分枝炭化水素部分を指す。
【0021】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロフェニル」などは、少なくとも1個のハロゲンで置換されているアルキル、アルコキシ、およびフェニルをそれぞれ指す。
【0022】
用語「炭素環」は、飽和または不飽和、および単環式または多環式ラジカルであってもよい、芳香族または非芳香族炭化水素環を指す。用語「カルボシクリル」は、「炭素環」のラジカルを指し、「シクロアルキル」および「アリール」を含む用語として使用される。用語「シクロアルキル」は、単環式または多環式であってもよい、飽和炭化水素ラジカルを指す。用語「アリール」は、単環式または多環式であってもよい、芳香族炭化水素環を指す。
【0023】
用語「炭素環」、「カルボシクリル」、「シクロアルキル」および「アリール」は、例えば、3〜20個の炭素原子を有する単環または多環を指してもよく、それぞれ、「C
3〜20炭素環」、「C
3〜20カルボシクリル」、「C
3〜20シクロアルキル」、および「C
3〜20アリール」として示される。
【0024】
用語「ヘテロ環」は、飽和または不飽和、および単環または多環であってもよい、少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族または非芳香族環を指す。用語「ヘテロシクリル」は、「ヘテロ環」のラジカルを指し、これは、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロアリール」を含む用語として使用される。用語「ヘテロシクロアルキル」は、単環式または多環式であってもよい、少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和環ラジカルを指す。用語「ヘテロアリール」は、単環式または多環式であってもよい、少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族環ラジカルを指す。
【0025】
用語「ヘテロ原子」は、N、OおよびSから選択されてもよい。
【0026】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロアリール」は、例えば、3〜20個のヘテロ原子および/または炭素原子を有する単環または多環を指してもよく、「3員〜20員ヘテロ環」、「3員〜20員ヘテロシクリル」、「3員〜20員ヘテロシクロアルキル」、および「3員〜20員ヘテロアリール」として示される。
【0027】
用語「鎖」は、特に断りのない限り、鎖中にまったくヘテロ原子を含まない飽和もしくは不飽和C
2〜10炭化水素鎖、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンおよび−CH
2−CH=CH−;または−O−、−NH−、−N=、−S−、−S(=O)−および−S(=O)
2−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ基を鎖中に含む飽和もしくは不飽和C
2〜10炭化水素鎖、例えば、−CH
2−O−CH
2−、−CH
2−O−CH
2−O−CH
2−、−CH
2−CH=CH−NH−および−CH
2−CH
2−S(=O)
2−CH
2−O−を指す。鎖は、ハロゲン、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6アルコキシからなる群から選択される少なくとも1個で置換されていてもよい。
【0028】
本発明の一側面によれば、式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびに薬学的に許容される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物が提供される:
【0030】
[式中、
X
1およびX
2は、それぞれ独立して、−C(−Rx)(−Rx”)−、−C(−Rx’)(−Rx”)−、−C(−Rx”)(−Rx”)−、−C(=O)−、−N(Rx)−、−N(−Rx’)−、−N(−Rx”)−、または−O−であり;
Rxは、
【0032】
であり;
Xsは、=Oまたは=NHであり;
Rsは、C
1〜6アルキル、ハロC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ−C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキルカルボニル−C
1〜6アルキル、C
2〜7アルケニル、アミノ、またはアミノC
1〜6アルキルであり;
Rx’は、ハロC
1〜6アルキル、C
1〜4アルコキシカルボニル、シアノ、ニトロ、アジド、アミノ、または無置換であるかもしくはRx”で置換されている3員〜6員ヘテロシクリルであり;
Rx”は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルコキシ、カルバモイルC
1〜6アルキル、C
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルキル、またはジC
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルキルであり;
YおよびZの一方は、−S−または−NH−であり、他方は、−CH=または−N=であり;
Lxは、飽和または不飽和C
1〜4炭化水素鎖(−O−、−NH−、−N=、−S−、−S(=O)−および−S(=O)
2−からなる群から選択される1〜3個のヘテロ基を鎖中に含まないか、または含み、ならびに無置換であるかまたは少なくとも1個のRx”部分で置換されている)であり;
AおよびBは、それぞれ独立して、単環式または二環式の飽和または不飽和C
3〜10炭素環または5員〜12員ヘテロ環であり;
Rcは、=O、=NH、=N(−C
1〜6アルキル)、または=N(−OH)であり;
R
Nは、水素またはC
1〜6アルキルであり;
L
Bは、−[C(−R
L)(−R
L’)]
m−、−[C(−R
L)(−R
L’)]
n−O−、−O−、−NH−、−N(C
1〜6アルキル)−、−S(=O)
2−、−C(=O)−、または−C(=CH
2)−であり、ここで、mは、0〜3の整数であり、nは、1〜3の整数であり、R
LおよびR
L’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲンもしくはC
1〜6アルキルであるか、またはR
LおよびR
L’は、一緒に連結されて、C
1〜6アルキレンを形成し;
R
Aは、水素、ハロゲン、シアノ、C
1〜6アルキル、ハロC
1〜6アルキル、シアノC
1〜6アルキル、C
1〜6アルキルカルボニル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルコキシ、シアノC
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルアミノ、ジC
1〜6アルキルアミノ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルアミノカルボニル、ジC
1〜6アルキルアミノカルボニル、C
2〜8アルキニル、C
1〜6アルコキシカルボニルアミノ−C
1〜6アルコキシ、アミノC
1〜6アルコキシ、または3員〜6員ヘテロシクリルであり;
R
Bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、オキソ、アミノスルホニル、スルホニルアミド、C
1〜6アルキルアミノ、C
1〜6アルキル、ハロC
1〜6アルキル、シアノC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルコキシ、シアノC
1〜6アルコキシ、C
3〜8シクロアルキルオキシ、C
2〜8アルケニル、C
2〜8アルケニルオキシ、C
2〜8アルキニル、C
2〜8アルキニルオキシ、C
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルコキシ、ジC
1〜6アルキルアミノ−C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、カルバモイル−C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、5員〜10員ヘテロシクリル、5員〜10員ヘテロシクリル−C
1〜6アルキル、5員〜10員ヘテロシクリル−C
1〜6アルコキシ、または5員〜10員ヘテロシクリル−オキシであり;
pは、0〜4の整数であり、pが2以上である場合、R
A部分は、互いに同じまたは異なり;
qは、0〜4の整数であり、qが2以上である場合、R
B部分は、互いに同じまたは異なり;
前記ヘテロ環およびヘテロシクリル部分のそれぞれは、−O−、−NH=、−N=、−S−、−S(=O)−および−S(=O)
2−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ基を独立して含む]。
【0033】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
YおよびZの一方は、−S−または−NH−であり、他方は、−CH=であり;
Lxは、飽和C
1〜3炭化水素鎖(O、NおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を鎖中に含まないか、または含み、ならびに無置換であるかまたはハロゲン、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6アルコキシからなる群から選択される少なくとも1個の置換基で置換されている)であり;
X
1およびX
2の一方は、−C(−Rx)(−Rx”)−、−C(−Rx’)(−Rx”)−、−C(=O)−、−N(Rx)−、または−N(−Rx’)−であり、他方は、−C(−Rx”)(−Rx”)−、−N(−Rx”)−または−O−であり;
Rxは、
【0035】
であり;
Xsは、=Oまたは=NHであり;
Rsは、C
1〜6アルキルまたはハロC
1〜6アルキルであり;
Rx’は、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロ、アジド、アミノ、または5員〜6員ヘテロシクリル(N、SおよびOからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、ならびに無置換であるかまたはオキソで置換されている)であり;
Rx”は、水素、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜4アルコキシカルボニルであり;
Rc、R
N、A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0036】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、飽和C
1〜3炭化水素鎖(酸素原子を鎖中に含まないか、または含み、ならびに無置換であるかまたはハロゲン、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6アルコキシからなる群から選択される少なくとも1個の置換基で置換されている)であり;
X
1は、−C(−Rx)(−Rx”)−、−C(−Rx’)(−Rx”)−、または−N(Rx)−であり;
X
2は、−C(−Rx”)(−Rx”)−、−C(=O)−、−N(−Rx”)−、または−O−であり;
Rxは、
【0038】
であり、
Xsは、=Oまたは=NHであり;
Rx’は、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、または5員〜6員ヘテロシクリル(NおよびOから選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、ならびに無置換であるかまたはオキソで置換されている)であり;
Rx”は、水素、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜4アルコキシカルボニルであり;
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0039】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、飽和C
1〜3炭化水素鎖(酸素原子を鎖中に含まないか、または含み、ならびに無置換であるかまたはハロゲン、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6アルコキシからなる群から選択される少なくとも1個の置換基で置換されている)であり;
X
1は、−C(−Rx)(−Rx”)−、−C(−Rx’)(−Rx”)−、または−N(Rx)−であり;
X
2は、−C(−Rx”)(−Rx”)−、−C(=O)−、−N(−Rx”)−または−O−であり;
Rxは、
【0041】
であり、
Xsは、=Oまたは=NHであり;
Rx’は、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、または5員〜6員ヘテロシクリル(NおよびOから選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、ならびに無置換であるかまたはオキソで置換されている)であり;
Rx”は、水素、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜4アルコキシカルボニルであり;
Aは、ベンゼン、または1〜3個の窒素原子を含む5員〜10員ヘテロアリールであり;
Bは、単環式または二環式の飽和または不飽和C
6〜10炭素環または5員〜10員ヘテロ環であり;
L
Bは、−[C(−R
L)(−R
L’)]
m−、−O−、−NH−、または−N(C
1〜6アルキル)−であり、ここで、mは、0または1であり、R
LおよびR
L’は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲンもしくはC
1〜6アルキルであるか、またはR
LおよびR
L’は、一緒に連結されて、C
2〜5アルキレンを形成し;
R
Aは、ハロゲン、C
1〜6アルコキシカルボニルアミノ−C
1〜6アルキル、アミノC
1〜6アルコキシ、または3員〜6員ヘテロシクリルであり;
R
Bは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキルオキシ、C
2〜6アルケニルオキシ、C
3〜10カルボシクリル−オキシ、または3員〜10員ヘテロシクリル−C
1〜3アルコキシであり;
前記ヘテロアリール、ヘテロ環およびヘテロシクリル部分のそれぞれは、O、NおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を独立して含む。
【0042】
式(I)の化合物の好ましい態様において
X
1は、−N(−Rx)−であり;
X
2は、−C(−Rx”)(−Rx”)−または−N(−Rx”)−であり;
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、1または2つのRx”部分で置換されているエチレンであり;
Rxは、
【0044】
であり;
Xsは、=Oであり;
Rsは、メチルであり;
Rx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり;
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0045】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
X
1は、−CH(−Rx)−であり;
X
2は、−N(−Rx”)−であり;
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、エチレンであり;
Rxは、
【0047】
であり;
Xsは、=Oであり;
Rsは、メチルであり;
Rx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり;
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0048】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
X
1は、−C(−Rx)(−Rx”)−であり;
X
2は、−O−であり;
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、エチレンであり;
Rxは、
【0050】
であり;
Xsは、=Oであり;
Rsは、メチルであり;
Rx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり、
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0051】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
X
1は、−C(−Rx’)(−Rx”)−であり;
X
2は、−O−であり;
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、エチレンであり;
Rx’およびRx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり;
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0052】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
X
1は、−CH(−Rx)−であり;
X
2は、−C(−Rx”)(−Rx”)−または−C(=O)−であり;
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、エチレンであり;
Rxは、
【0054】
であり;
Xsは、=Oであり;
Rsは、メチルであり;
Rx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり;
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0055】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
X
1は、−CH(−Rx)−であり;
X
2は、−C(−Rx”)(−Rx”)−であり;
Yは、−CH=であり;
Zは、−S−であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、−CH
2−O−であり;
Rxは、
【0057】
であり;
Xsは、=Oであり;
Rsは、メチルであり;
Rx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり、
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0058】
式(I)の化合物の好ましい態様において、
X
1は、−C(−Rx)(−Rx”)−または−N(Rx)−であり;
X
2は、−O−であり;
Yは、−NH−であり;
Zは、−CH=であり;
Rcは、=Oであり;
R
Nは、水素であり;
Lxは、プロピレンであり;
RxおよびRx”は、式(I)において上で定義されたのと同じであり;
A、B、L
B、R
A、R
B、pおよびqは、式(I)において上で定義されたのと同じである。
【0059】
本発明による化合物の好ましい例は、以下に列挙され、その薬学的に許容される塩および立体異性体も、本発明の範囲に含まれる:
1)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミド;
2)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミド;
3)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼピン−8−カルボキサミド;
4)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキサミド;
5)tert−ブチル7−((2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)カルバモイル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−4(1H)−カルボキシレート;
6)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキサミド;
7)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキサミド;
8)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
9)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b]オキセピン−8−カルボキサミド;
10)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキサミド;
11)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
12)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−5,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−g]イソクロメン−2−カルボキサミド;
13)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
14)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−8,8−ジフルオロ−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキサミド;
15)N−(2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
16)N−(2−クロロ−6−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
17)N−(2−クロロ−6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
18)N−(2−クロロ−6−(3,5−ジクロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
19)N−(2−クロロ−6−(4−クロロ−3−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
20)N−(2−クロロ−6−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
21)N−(2−クロロ−6−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
22)N−(2−クロロ−6−(4−メトキシフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
23)N−(2−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
24)N−(2−クロロ−6−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
25)N−(2−クロロ−6−(3−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
26)N−(2−クロロ−6−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
27)N−(2−クロロ−6−(3−クロロ−4−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
28)N−(2−クロロ−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
29)N−(2−クロロ−6−(3−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
30)N−(2−クロロ−6−(3−クロロ−5−メトキシフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
31)N−(2−クロロ−6−(3−クロロ−5−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
32)N−(2−クロロ−6−(3−フルオロ−5−メトキシフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
33)N−(2−クロロ−6−(m−トリルオキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
34)N−(2−クロロ−6−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
35)N−(2−クロロ−6−(5−クロロ−2−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
36)N−(2−クロロ−6−(3−クロロ−2−フルオロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
37)N−(2−クロロ−6−(5−クロロ−2−メチルフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
38)N−(2−クロロ−6−(3−クロロ−4−メチルフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
39)N−(2−クロロ−6−(2−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
40)N−(2−クロロ−6−(2−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
41)N−(2−クロロ−6−(2−フルオロ−3−メチルフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
42)N−(2−クロロ−6−(4−クロロ−2−メトキシフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
43)(S)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
44)(R)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
45)(S)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
46)(R)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
47)(S)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
48)(R)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
49)(S)−N−(2−クロロ−6−(3−クロロ−5−メトキシフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
50)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキサミド;
51)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキサミド;
52)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
53)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(2−オキソピロリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
54)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;
55)4−アジド−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド;および
56)N−(3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)フェニル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミド
上に列挙された化合物の名称は、PerkinElmerのChemBioDraw Ultraソフトウェア(バージョン13.0.0.3015)により提供される命名法に従って記載される。
【0060】
本発明は、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体の薬学的に許容される塩を提供する。薬学的に許容される塩は、ヒトに対して低い毒性を有すべきであり、親化合物の生物学的活性および物理化学的特性に対していかなる負の影響も有すべきでない。薬学的に許容される塩の例には、薬学的に使用可能な遊離酸と式(I)により表される塩基性化合物との間の酸付加塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩など)およびアルカリ土類金属塩(カリウム塩など)、有機塩基と式(I)により表されるカルボン酸との間の有機塩基付加塩、アミノ酸付加塩などが含まれてもよい。
【0061】
本発明による塩の好適な形態の例は、無機酸または有機酸との塩であってもよく、ここで、無機酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、臭素酸などであってもよく、有機酸は、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、サリチル酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、エンボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などであってもよい。有機塩基付加塩の調製に使用されてもよい有機塩基には、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどが含まれてもよい。アミノ酸付加塩の調製に使用されてもよいアミノ酸には、天然アミノ酸、例えば、アラニン、およびグリシンが含まれてもよい。
【0062】
塩は、従来方法を使用して調製されてもよい。例えば、塩は、式(I)により表される化合物を水混和性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、および1,4−ジオキサンに溶解させ、遊離酸または遊離塩基を添加し、次いで、その後に得られたものを結晶化させることによって調製されてもよい。
【0063】
追加的に、本発明の化合物は、キラル炭素中心を有してもよく、したがって、それらは、RまたはS異性体、ラセミ化合物、個別のエナンチオマーまたは混合物、個別のジアステオマーまたは混合物の形態で存在してもよく、これらの立体異性体およびその混合物はすべて、本発明の範囲に属してもよい。
【0064】
追加的に、本発明の化合物はまた、式(I)により表されるヘテロ環式誘導体の水和物または溶媒和物を含んでもよい。水和物または溶媒和物は、公知の方法を使用して調製されてもよく、それらは、非毒性および水溶性であることが好ましく、特に、それらは、好ましくは1〜5個のアルコール性溶媒(特にエタノールなど)分子がそれらに結合した水和物または溶媒和物である。
【0065】
本発明はまた、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患の予防または処置のための薬剤の製造のための、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0066】
さらに、本発明は、哺乳動物におけるSTAT3タンパク質の活性化と関連する疾患を予防または処置するための方法であって、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に挙用される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物を哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0067】
さらに、本発明は、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、ならびにその薬学的に挙用される塩および立体異性体からなる群から選択される化合物を活性成分として含む、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患を予防または処置するための医薬組成物を提供する。
【0068】
具体的には、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患は、固形がん、血液学的がん(hematological cancer)または血液がん、放射線耐性または化学療法耐性がん、転移がん、炎症性疾患、免疫学的疾患、糖尿病、黄斑変性、ヒトパピローマウイルス感染および結核からなる群から選択される。
【0069】
より具体的には、STAT3タンパク質の活性化と関連する疾患は、乳がん、肺がん、胃がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん、腎がん、膵臓がん、肝がん、結腸がん、皮膚がん、頭頚部がん、甲状腺がん、骨肉腫、急性または慢性白血病、多発性骨髄腫、B−またはT細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、関節リウマチを含む自己免疫疾患、乾癬、肝炎、炎症性腸疾患、クローン病、糖尿病、黄斑変性、ヒトパピローマウイルス感染、および結核からなる群から選択される。
【0070】
特に、上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体は、STAT3タンパク質の活性化に対して優れた阻害効果を有し、したがって、本発明はまた、STAT3タンパク質の阻害のための組成物であって、活性成分としてそれを含む組成物を提供する。
【0071】
上記式(I)により表されるヘテロ環式誘導体、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体に加えて、本発明の医薬組成物は、活性成分として、従来方法によって製剤中に製剤化される一般的なおよび非毒性の薬学的に許容される添加剤、例えば、担体、賦形剤、希釈剤、アジュバントなどをさらに含んでもよい。
【0072】
本発明の医薬組成物は、経口投与のための様々な形態、例えば、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、または乳濁液剤、または非経口投与のための製剤の様々な形態、例えば、筋内、静脈内もしくは皮下注射などに、好ましくは経口投与のための製剤の形態で、製剤化されてもよい。
【0073】
本発明の医薬組成物に使用される添加剤の例には、甘味料、結合剤、溶媒、可溶化助剤、湿潤剤、乳化剤、等張剤、吸収剤、崩壊剤、抗酸化剤、保存剤、滑沢剤、フィラー、香味剤などが含まれてもよい。例えば、それらには、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシン、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、デンプン、ゼラチン、ガムトラガカント、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、オレンジエッセンス、ストロベリーエッセンス、バニラフレーバーなどが含まれてもよい。
【0074】
本発明の医薬組成物は、活性成分に添加剤を添加することによって経口投与のための製剤に製剤化されてもよく、ここで、添加剤には、セルロース、ケイ酸カルシウム、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、デキストロース、リン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ゼラチン、タルク、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤などが含まれてもよい。
【0075】
本発明の医薬組成物は、活性成分に添加剤、例えば、水、食塩溶液、グルコース溶液、水性グルコース溶液アナログ、アルコール、グリコール、エーテル、油、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリセリド、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤などを添加することによって注射のための製剤に製剤化されてもよい。
【0076】
本発明の化合物は、好ましくは、70kg体重を有する成人対象に基づいて、0.1〜2,000mg/日の範囲の量で投与されてもよい。本発明の化合物は、1日1回または数回に分けた用量で投与されてもよい。本発明の化合物の投与量は、対象の健康状態、年齢、体重、性、投与経路、疾病の重症度などに依存して変わってもよく、本発明の範囲は、上に示唆された用量に限定されない。
【0077】
[実施例]
以下、本発明を以下の実施例によってより具体的に説明するが、これらは、例証の目的だけのために提供され、本発明は、それらに限定されない。
【0078】
以下の実施例で使用される略語の定義は、以下のとおりである:
【0081】
中間体1)1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸の合成
(a)2−フルオロ−4−メトキシ−5−ニトロベンズアルデヒドの合成
2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(1.0g、6.49ミリモル)を濃H
2SO
4(6.0mL)に溶解させ、70%HNO
3水溶液(0.8mL、6.49ミリモル)および濃H
2SO
4(0.8mL、14.92ミリモル)を−15℃でゆっくりと添加した。この反応混合物を−15℃で2時間攪拌し、氷水に注ぎ入れた。沈殿物を濾過し、CH
2Cl
2に溶解させ、飽和NaHCO
3水溶液で中和した。有機抽出物を無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:CH
2Cl
2=3:1)により精製して、白色の固体として2−フルオロ−4−メトキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(1.2g、91%)を得た。
【0082】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.21 (s, 1H), 8.46 (d, 1H, J=7.2Hz), 6.88 (d, 1H, J=11.6Hz), 4.06 (s, 3H)
(b)メチル6−メトキシ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
2−フルオロ−4−メトキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(1.2g、6.43ミリモル)を無水DMF(16.0mL)に溶解シ、メチル2−メルカプトアセテート(575.0μL、6.43ミリモル)およびK
2CO
3(1.8g、12.80モル)を添加した。この反応混合物を80℃で2時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、精製することなく黄色の固体としてメチル6−メトキシ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.5g)を得た。
【0083】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.34 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.96 (s, 3H)
(c)メチル5−アミノ−6−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル6−メトキシ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.3g、4.83ミリモル)をMeOH/H
2Oの混合物(44.0mL、10/1v/v)に溶解させ、Zn(3.1g、65.30ミリモル)およびNH
4Cl(2.6g、53.40ミリモル)を室温で添加した。この反応混合物を室温で15時間攪拌し、セライトに通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アミンシリカゲル、n−Hex:EtOAc=4:1)により精製して、黄色の固体としてメチル−5−アミノ−6−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.1g、93%)を得た。
【0084】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.84 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 3.94-3.96 (m, 5H), 3.91 (s, 3H)
(d)メチル5−アミノ−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル5−アミノ−6−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(500.0mg、4.83ミリモル)をCH
2Cl
2(40.0mL)に溶解させ、BBr
3のCH
2Cl
2中1M溶液(6.7mL、6.74ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を室温で30分間攪拌し、H
2Oを添加し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、灰色の固体としてメチル5−アミノ−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(398.0mg、85%)を得た。
【0085】
LC/MS ESI (+): 224 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 10.15 (brs, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 4.86 (brs, 2H) 3.82 (s, 3H)
(e)メチル2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレートの合成
メチル5−アミノ−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(85.0mg、0.38ミリモル)を無水DMF(3.8mL)に溶解させ、1,2−ジブロモエタン(215.0mg、1.14ミリモル)およびK
2CO
3(116.0mg、0.83ミリモル)を室温で添加した。この反応混合物を75℃で15時間攪拌し、H2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、灰色の固体としてメチル2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(45.2mg、47%)を得た。
【0086】
LC/MS ESI (+): 250 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 7.89 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 6.16 (s, 1H), 4.19 (t, 2H, J= 4.6Hz), 3.82 (s, 3H), 3.30-3.32 (m, 2H)
(f)メチル1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’;4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレートの合成
メチル2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’;4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(69.0mg、0.27ミリモル)をCH
2Cl
2(2.7mL)に溶解させ、CH
3SO
2Cl(28.0μL、0.36ミリモル)を0℃で滴下した。この反応混合物を室温で1時間攪拌し、H
2Oを添加し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてメチル1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’;4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(42.3mg、46%)を得た。
【0087】
LC/MS ESI (+): 328 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.21 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 4.35 (t, 2H, J= 4.3Hz), 3.86- 3.89 (m, 5H), 3.17 (s, 3H)
(g)1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸の合成
メチル1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’;4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(42.0mg、0.12ミリモル)を使用すること以外は、中間体1−gの合成手順を繰り返して、白色の固体として1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸(35.1mg、87%)を得た。
【0088】
LC/MS ESI (-): 312 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.32 (brs, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.36 (t, 2H, J= 4.7Hz), 3.89 (t, 2H, J=4.7Hz), 3.18 (s, 3H)
中間体2)3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸の合成
(a)メチル5−(2−ブロモ−2−メチルプロパンアミド)−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル5−アミノ−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(110.0mg、0.49ミリモル)をDMA(5.0mL)に溶解させ、2−ブロモ−2−メチルプロパノイルブロミド(73.0μL、0.59ミリモル)およびDIPEA(258.0μL、1.47ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で3時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてメチル5−(2−ブロモ−2−メチルプロパンアミド)−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(161.0mg、88%)を得た。
【0089】
LC/MS ESI (+): 372 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 11.15 (brs, 1H), 9.24 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.03 (s, 6H)
(b)メチル3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレートの合成
メチル5−(2−ブロモ−2−メチルプロパンアミド)−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(161.0mg、0.43ミリモル)をDMA(4.2mL)に溶解させ、K
2CO
3(132.0mg、0.95ミリモル)を添加した。この反応混合物を60℃で15時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、灰色の固体としてメチル3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(112.0mg、89%)を得た。
【0090】
LC/MS ESI (-): 290 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 10.95 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 1.44 (s, 6H)
(c)メチル3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレートの合成
メチル3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(112.0mg、0.38ミリモル)をTHF(4.0mL)に溶解させ、BH
3−THF錯体の1M溶液(1.9mL、1.92ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を室温で3時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、灰色の固体としてメチル3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(80.0mg、75%)を得た。
【0091】
LC/MS ESI (+): 278 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 7.90 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.26 (brs, 1H), 3.83 (s, 3H) 3.06 (d, 2H, J=2.3Hz), 1.29 (s, 6H)
(d)メチル3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレートの合成
メチル3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(65.0mg、0.88ミリモル)をピリジン(2.3mL)に溶解させ、CH
3SO
2Cl(95.0μL、1.06ミリモル)を0℃で滴下した。この反応混合物を室温で15時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてメチル3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(52.2mg、63%)を得た。
【0092】
LC/MS ESI (+): 356 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.20 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.67 (s, 2H), 3.37 (s, 3H), 1.36 (s, 6H)
(e)3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸の合成
出発原料としてメチル3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキシレート(52.2mg、0.14ミリモル)を使用すること以外は、中間体1−gの合成手順を繰り返して、3,3−ジメチル−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸(45.0mg、90%)を得た。
【0093】
LC/MS ESI (+): 342 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.30 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 3.66 (s, 2H), 3.34 (s, 3H), 1.36 (s, 6H)
中間体3)1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼフィン−8−カルボン酸の合成
(a)メチル6−ヒドロキシ−5−(メチルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル5−アミノ−6−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(126.0mg、0.56ミリモル)をピリジン(2.8mL)に溶解させ、CH
3SO
2Cl(50.6μL、0.64ミリモル)を滴下した。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてメチル6−ヒドロキシ−5−(メチルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(131.0mg、77%)を得た。
【0094】
LC/MS ESI (-): 300 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 9.92 (brs, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.99 (s, 3H)
(b)メチル1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼフィン−8−カルボキシレートの合成
出発原料としてのメチル6−ヒドロキシ−5−(メチルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(5.0mg、0.02ミリモル)をDMA(160.0μL)に溶解させ、1,3−ジブロモプロパン(16.7mg、0.08ミリモル)およびK
2CO
3(116.0mg、0.83ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で15時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=2:1)により精製して、白色の固体としてメチル1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼフィン−8−カルボキシレート(1.2mg、21%)を得た。
【0095】
LC/MS ESI (+): 342 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.20 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 4.13-4.15 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.72-3.75 (m, 2H), 3.09 (s, 3H), 2.04-2.07 (m, 2H)
(c)1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼフィン−8−カルボン酸の合成
出発原料としてメチル1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼフィン−8−カルボキシレート(42.0mg、0.12ミリモル)を使用すること以外は、中間体1−gの合成手順を繰り返して、1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサゼフィン−8−カルボン酸(22.3mg、55%)を得た。
【0096】
LC/MS ESI (+): 328 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.52 (brs, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 4.12-4.14 (m, 2H), 3.73-3.75 (m, 2H), 3.09 (s, 3H), 1.99-2.07 (m, 2H)
中間体4)8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボン酸の合成
(a)エチル−5−(3−メチルブタ−2−エナミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
エチル5−アミノベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.5g、6.78ミリモル)をピリジン(33.9mL)に溶解させ、3−メチルブタ−2−エノイルクロリド(755.0μL、6.78ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で1時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=9:1)により精製して、無色の液体としてエチル−5−(3−メチルブタ−2−エナミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.3g、63%)を得た。
【0097】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.29 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.77 (d, 1H, J=8.7Hz), 7.44 (d, 1H, J=8.6Hz), 7.17 (s, 1H), 5.74 (s, 1H), 4.40 (q, 2H, J=7.1Hz), 2.26 (s, 3H), 1.93 (s, 3H), 1.41 (t, 3H, J=7.1Hz)
(b)エチル8,8−ジメチル−6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレートの合成
エチル−5−(3−メチルブタ−2−エナミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.3g、4.29ミリモル)をCH
2Cl
2(42.9mL)に溶解させ、AlCl
3(1.7g、12.86ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、H
2Oを添加し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、黄色の固体としてエチル8,8−ジメチル−6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(250.0mg、19%)を得た。
【0098】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.44 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 4.42 (q, 2H, J=7.1Hz), 2.55 (s, 2H), 1.59 (s, 6H), 1.43 (t, 3H, J=7.1Hz)
(c)エチル8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレートの合成
出発原料としてエチル8,8−ジメチル−6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(217.0mg、0.72ミリモル)を使用すること以外は、中間体15−cの合成手順を繰り返して、エチル8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(56.0mg、27%)を得た。
【0099】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.78 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 4.37 (q, 2H, J=7.1Hz), 3.37 (t, 2H, J=5.8Hz), 1.78 (t, 2H, J=5.8Hz), 1.37-1.41 (m, 9H)
(d)エチル8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレートの合成
出発原料としてエチル8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(56.0mg、0.19ミリモル)を使用すること以外は、中間体16−fの合成手順を繰り返して、エチル8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(57.0mg、80%)を得た。
【0100】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.21 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 4.40 (q, 2H, J=7.1Hz), 3.90 (t, 2H, J=5.8Hz), 2.92 (s, 3H), 1.88 (t, 2H, J=5.8Hz), 1.39-1.43 (m, 9H)
(e)8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボン酸の合成
出発原料としてエチル8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(57.0mg、0.16ミリモル)を使用すること以外は、中間体1−gの合成手順を繰り返して、8,8−ジメチル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボン酸(52.0mg、80%)を得た。
【0101】
LC/MS ESI (+): 340 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.25 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 3.91 (t, 2H, J=5.8Hz), 2.94 (s, 3H), 1.89 (t, 2H, J=5.8Hz), 1.43 (s, 6H)
中間体5)4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボン酸の合成
(a)4−ブロモ−2−フルオロ−5−ニトロベンズアルデヒドの合成
4−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(2.0g、9.85ミリモル)を濃H
2SO
4(5.2mL、98.50ミリモル)に溶解させ、60%HNO
3(1.0mL、12,80ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を4時間攪拌し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、i−Pr
2Oを使用して再結晶化させて、白色の固体として4−ブロモ−2−フルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(900.0mg、37%)を得た。
【0102】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.31 (s, 1H), 8.42 (d, 1H, J=6.4Hz), 7.67 (d, 1H, J=9.0Hz).
(b)メチル6−ブロモ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
4−ブロモ−2−フルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(5.0g、20.10ミリモル)を無水DMF(50.0mL)に溶解させ、メチル2−メルカプトアセテート(2.1g、20.10ミリモル)およびK
2CO
3(5.6g、40.30mL)を添加し、続いて、80℃で2時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、黄色の固体として6−ブロモ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(3.4g、53%)を得た。
【0103】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.38 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 3.98 (s, 3H)
(c)メチル6−アミノ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
6−ブロモ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(3.0g、9.49ミリモル)をDMSO(10.0ml)に溶解させ、Cu
2O(830.0mg、10.40ミリモル)、アジ化ナトリウム(1.2g、18.90ミリモル)を室温で添加した。この混合物を100℃で1時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの固体としてメチル6−アミノ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(1.6g、66%)を得た。
【0104】
LC/MS ESI (+): 253 (M+1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 8.77 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.39 (s, 2H), 3.33 (s, 3H)
(d)メチル6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル6−アミノ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(800.0mg、3.17ミリモル)をDMA(10.0mL)に溶解させ、Boc
2(O)(831.0mg、3.81ミリモル)、DIPEA(1.6mL、9.51ミリモル)を室温で添加した。この混合物を100℃で2時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの固体としてメチル6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(663.0mg、59%)を得た。
【0105】
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 9.59 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 1.46 (s, 9H)
(e)メチル5−アミノ−6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(662.0mg、1.87ミリモル)をMeOH/H
2Oの混合溶媒(20.0mL,9/1v/v)に溶解させ、それにZn(18.7g、18.70ミリモル)およびNH
4Cl(1.0g、18.70ミリモル)を添加し、超音波反応を30℃で15時間行った。この反応混合物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの固体としてメチル5−アミノ−6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(633.0mg、104%)を得た。
【0106】
LC/MS ESI (+): 323 (M+1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 8.56 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 1.50 (s, 9H)
(f)メチル6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル5−アミノ−6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(633.0mg、1.96ミリモル)をピリジン(9.9mL)に溶解させ、それに塩化メタンスルホニル(168.0μL、2.16ミリモル)を0℃でゆっくりと添加した。この反応混合物を室温に加温し、続いて、3時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの固体としてメチル6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(694.0mg、88%)を得た。
【0107】
LC/MS ESI (-): 399 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 9.28 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.02 (s, 3H), 1.51 (s, 9H)
(g)4−(tert−ブチル)7−メチル1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−4,7(1H)−ジカルボキシレートの合成
メチル6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(684.0mg、1.70ミリモル)をDMA(17.1mL)に溶解させ、1,2−ジブロモエタン(963.0mg、5.12ミリモル)およびK
2CO
3(472.0mg、3.42mg)を室温でゆっくりと添加した。この混合物を1時間攪拌し、この反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの固体として4−(tert−ブチル)7−メチル1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−4,7(1H)−ジカルボキシレート(495.0mg、68%)を得た。
【0108】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.42 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 3.85-3.92 (m, 4H), 3.89 (s, 3H), 3.12 (s, 3H), 1.51 (s, 9H)
(h)4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボン酸の合成
4−(tert−ブチル)7−メチル1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−4,7(1H)−ジカルボキシレート(495.0mg、1.16ミリモル)をTHF/H
2O(10.0mL、3/1v/v)に溶解させ、LiOH・H
2O(146.0mg、3.48ミリモル)を添加した。室温で2時間攪拌後、この反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をH
2O(1.0mL)に希釈し、1N HClで酸性化した(pH1〜2)。沈殿物を濾過して、白色の固体として4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボン酸(422.0mg、88%)を得た。
【0109】
LC/MS ESI (-): 411 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.47 (brs, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), ,8.05 (s, 1H), 3.83 ~ 3.92 (m, 4H), 3.11 (s, 3H), 1.50 (s, 9H)
中間体6)5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボン酸の合成
(a)メチル(E)−6−(3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
メチル6−ブロモ−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(0.4g、1.26ミリモル)を無水DMF(12.6mL)に溶解させ、Pd(OAc)
2(28.0mg、0.13ミリモル)、PPh
3(66.0mg、0.25ミリモル)、TEA(0.4mL、2.53ミリモル)およびアクリル酸メチル(0.6ml、6.33ミリモル)を添加した。この反応混合物を130℃で30分間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテルで再結晶化させて、白色の固体としてメチル(E)−6−(3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレートを得た。
【0110】
LC/MS ESI (+): 322 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.62 (s, 1H), 8.16-8.22 (m, 2H), 8.09 (s, 1H), 6.43 (d, 1H, J=16.0Hz), 4.00 (s, 3H), 3.85 (s, 3H)
(b)メチル6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレートの合成
(E)−メチル−6−(3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−5−ニトロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート(0.2g、0.62ミリモル)を無水MeOH(15.6mL)に溶解させ、5%Pd−C(20.0mg、0.19ミリモル)を添加した。この反応混合物にH
2ガスを充填し、25℃で4日間攪拌した。残留物をセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮して、精製することなく白色の固体としてメチル6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(100.0mg、61%)を得た。
【0111】
LC/MS ESI (+): 262 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.95 (s, 1H), 7.80 (brs, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.11 (t, 2H, J=7.2Hz), 2.69 (t, 2H, J=7.2Hz)
(c)メチル5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレートの合成
メチル6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(100.0mg、0.38ミリモル)をTHF(4.0mL)に溶解させ、BH
3−THF錯体の1M溶液(1.9mL、1.91ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を室温で3時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、灰色の固体としてメチル5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(65.0mg、69%)を得た。
【0112】
LC/MS ESI (+): 248 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.80 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.35 (t, 2H, J=5.3Hz), 2.92 (t, 2H, J=6.3Hz), 1.96-1.99 (m, 2H)
(d)メチル5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレートの合成
メチル5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(50.0mg、0.20ミリモル)をCH
2Cl
2(2.0mL)に溶解させ、CH
3SO
2Cl(23.6μL、0.30ミリモル)およびDIPEA(70.6μL、0.40ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を3時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=2:1)により精製して、白色の固体としてメチル5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(57.0mg、87%)を得た。
【0113】
LC/MS ESI (+): 326 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.21 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.87 (t, 2H, J=6.0Hz), 2.99 (t, 2H, J=6.0Hz), 2.90 (s, 3H), 2.04-2.07 (m, 2H)
(e)5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボン酸の合成
メチル5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボキシレート(60.0mg、0.18ミリモル)を使用すること以外は、中間体5−hの合成手順を繰り返して、白色の固体として5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノリン−2−カルボン酸(450.0mg、87%)を得た。
【0114】
LC/MS ESI (+): 312 (M+1)
中間体7)4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボン酸の合成
(a)メチル1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキシレートの合成
未精製tert−ブチル7−(クロロカルボニル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−4(1H)−カルボキシレート(40.0mg、0.09ミリモル)をCH
2Cl
2/MeOH(1.6mL、1/1v/v)に溶解させ、TFA(0.3mL)をゆっくりと添加した。室温で2時間攪拌後、この反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてメチル1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキシレート(21.0mg、69%)を得た。
【0115】
LC/MS ESI (+): 327 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 7.97 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.67-3.69 (m, 2H), 3.43-3.45 (m, 2H), 3.00 (s, 3H)
(b)メチル4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキシレートの合成
メチル1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキシレート(63.0mg、0.19ミリモル)をMeOH(1.9mL)に溶解させ、それにホルムアルデヒド(76.0μL、0.96ミリモル)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(36.4mg、0.57ミリモル)およびAcOH(11.0μL、0.19ミリモル)を室温で添加した。この混合物を15時間攪拌し、この反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸=70:30)により逆相シリカ上で分離し、生成物を含む画分を合わせ、蒸発させて、白色の固体としてメチル4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキシレート(51.0mg、78%)を得た。
【0116】
LC/MS ESI (+): 341 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.00 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.76 (t, 2H, J=5.3Hz), 3.51 (t, 2H, J=5.3Hz), 3.02 (s, 3H), 3.01 (s, 3H)
(c)4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボン酸の合成
メチル4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキシレート(50.0mg、0.14ミリモル)をTHF/H
2O(1.5mL、3/1v/v)に溶解させ、それにLiOH・H
2O(18.4mg、0.44ミリモル)を添加した。室温で2時間攪拌後、この反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をH
2O(1.0mL)に希釈し、1N HClで酸性化した(pH1〜2)。沈殿物を濾過して、白色の固体として4−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボン酸(42.0mg、88%)を得た。
【0117】
LC/MS ESI (+): 327 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.02 (brs, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 3.76 (t, 2H, J=5.4Hz), 3.50 (t, 2H, J=5.4Hz), 3.01 (s, 3H), 3.00 (s, 3H)
中間体8)4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
(a)2−クロロ−4−(3,3−ジエトキシプロポキシ)−1−メチルベンゼンの合成
3−クロロ−4−メチルフェノール(3.0g、21.04ミリモル)を無水DMF(105.0mL)に溶解させ、3−クロロ−1,1−ジエトキシプロパン(4.2g、25.20ミリモル)およびK
2CO
3(8.7g、63.10ミリモル)を添加した。この反応混合物を80℃で15時間攪拌し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=95:5)により精製して、無色の液体として2−クロロ−4−(3,3−ジエトキシプロポキシ)−1−メチルベンゼン(4.0g、69%)を得た。
【0118】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.16 (d, 1H, J=8.4Hz), 6.91 (d, 1H, J=2.6Hz), 6.71 (dd, 1H, J=8.4Hz, 2.6Hz), 4.75 (t, 1H, J=5.7Hz), 4.1 (t, 2H, J=6.3Hz), 3.66-3.73 (m, 2H), 3.49-3.57 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.05-2.10 (m, 2H), 1.22 (t, 6H, J=7.1Hz).
(b)7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマンの合成
メタンスルフィン酸ナトリウム(4.5g、44.00ミリモル)をTFA(61.1mL)に溶解させ、0℃で10分間攪拌した。この反応混合物に、2−クロロ−4−(3,3−ジエトキシプロポキシ)−1−メチルベンゼン(4.0g、14.66ミリモル)のCH
2Cl
2(12.2mL)中溶液を1時間の期間添加し、室温で30分間攪拌した。この反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液で塩基性化し(pH=9〜10)、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=1:2)により精製して、オフホワイトの固体として7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマン(2.3g、60%)を得た。
【0119】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.36 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 4.40-4.46 (m, 1H), 4.17-4.25 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 2.55-2.62 (m, 1H), 2.32-2.42 (m, 1H), 2.31 (s, 3H).
(c)6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−(メチルスルホニル)クロマンの合成
7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマン(2.3g、8.63ミリモル)を無水1,2−ジクロロエタン(86.0mL)に溶解させ、N−ブロモスクシンイミド(1.5g、8.63ミリモル)およびAIBN(142.0mg、0.86ミリモル)を添加した。この反応混合物を100℃で15時間還流させ、室温に冷却し、H
2Oを添加し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=4:1)により精製して、黄色の固体として6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−(メチルスルホニル)クロマン(2.5g、85%)を得た。
【0120】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.59 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 4.47-4.62 (m, 3H), 4.25-4.31 (m, 1H), 4.19-4.22 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.56-2.62 (m, 1H), 2.34-2.43 (m, 1H).
(d)7−クロロ−4−(メチルスルホニル)クロマン−6−カルバルデヒドの合成
6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−(メチルスルホニル)クロマン(2.5g、7.36ミリモル)を無水CH
3CN(73.6mL)に溶解させ、4−メチルモルホリンN−オキシド(1.7g、14.72ミリモル)およびモレキュラーシーブ(3.0g)を添加した。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、反応混合物にH
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をEt
2Oで再結晶化させて、淡黄色の固体として7−クロロ−4−(メチルスルホニル)クロマン−6−カルバルデヒド(1.3g、64%)を得た。
【0121】
LC/MS ESI (+): 275 (M+1).
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.32 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 4.64-4.71 (m, 1H), 4.39-4.44 (m, 1H), 4.23 (m, 1H), 2.99 (s, 3H), 2.73-2.78 (m, 1H), 2.30-2.34 (m, 1H).
(e)メチル4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
7−クロロ−4−(メチルスルホニル)クロマン−6−カルバルデヒド(300.0mg、1.09ミリモル)を無水DMF(10.0mL)に溶解させ、メチル2−メルカプトアセテート(117.0μL、1.31ミリモル)およびCs
2CO
3(1.1g、3.28ミリモル)を添加した。この反応混合物を80℃で4時間攪拌し、室温に冷却し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をCH
2Cl
2およびEt
2Oで再結晶化させて、白色の固体としてメチル4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(200.0mg、56%)を得た。
【0122】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.17 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.82 (m, 1H), 4.45-4.50 (m, 1H), 4.31-4.35 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.59-2.69 (m, 1H), 2.26-2.37 (m, 1H).
LC/MS ESI (+): 327 (M+1).
(f)4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
メチル4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(200.0mg、0.61ミリモル)をTHF(4.0mL)/H
2O(2.0mL)に溶解させ、LiOH・H
2O(257.0mg、6.13ミリモル)を添加した。この反応混合物を60℃で15時間攪拌し、1N HCl(3.0mL)を添加し、CH
2Cl
2およびMeOHで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体として4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(140.0mg、73%)を得た。
【0123】
LC/MS ESI (-): 311 (M-1).
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.34 (bs, 1H), 8.06 (s, 2H), 7.54 (s, 1H), 4.82 (m, 1H), 4.45-4.54 (m, 1H), 4.30-4.34 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.60-2.74 (m, 1H), 2.28-2.39 (m, 1H).
中間体9)5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b]オキセピン−8−カルボン酸の合成
(a)2−クロロ−4−(4,4−ジエトキシブトキシ)−1−メチルベンゼンの合成
3−クロロ−4−メチルフェノール(1.0g、7.01ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−aの合成手順を繰り返して、無色の液体として2−クロロ−4−(4,4−ジエトキシブトキシ)−1−メチルベンゼン(1.8g、89%)を得た。
【0124】
LC/MS ESI (+): 287 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.09 (d, 1H, J=8.0Hz), 6.89 (d, 1H, J=2.8Hz), 6.69 (dd, 1H, J=8.6, 2.8Hz), 4.54 (t, 1H, J=1.6Hz), 3.93 (t, 2H, J=6.0Hz), 3.62-3.70 (m, 2H), 3.47-3.54 (m, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.74-1.87 (m, 4H), 1.21 (t, 6H, J=7.2Hz)
(b)8−クロロ−7−メチル−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピンの合成
2−クロロ−4−(4,4−ジエトキシブトキシ)−1−メチルベンゼン(1.8g、6.20ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−bの合成手順を繰り返して、白色の固体として8−クロロ−7−メチル−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン(421.0mg、23%)を得た。
【0125】
LC/MS ESI (+): 275 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.20 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 4.34-4.39 (m, 1H), 4.16 (t, 1H, J=1.6Hz), 3.71-3.77 (m, 1H), 2.78 (s, 3H), 2.64-2.70 (m, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.22-2.29 (m, 1H), 2.07-2.15 (m, 1H), 1.82-1.89 (m, 1H).
(c)7−(ブロモメチル)−8−クロロ−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピンの合成
8−クロロ−7−メチル−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン(421mg、1.53ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−cの合成手順を繰り返して、白色の固体として7−(ブロモメチル)−8−クロロ−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン(342.0mg、63%)を得た。
【0126】
LC/MS ESI (+): 353 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.42 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.44 (m, 2H), 4.39-4.44 (m, 1H), 4.20 (t, 1H, J=1.6Hz), 3.76-3.82 (m, 1H), 2.78 (s, 3H), 2.68-2.72 (m, 1H), 2.28-2.38 (m, 1H), 2.09-2.18 (m, 1H), 1.86-1.94 (m, 1H)
(d)8−クロロ−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン−7−カルバルデヒドの合成
7−(ブロモメチル)−8−クロロ−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン(342.0mg、0.97ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−dの合成手順を繰り返して、白色の固体として8−クロロ−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン−7−カルバルデヒド(164.0mg、57%)を得た。
【0127】
LC/MS ESI (+): 289 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.36 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 4.55-4.59 (m, 1H), 4.31 (t, 1H, J=1.6Hz), 3.78-3.84 (m, 1H), 2.79-2.84 (m, 4H), 2.42-2.53 (m, 1H), 2.02-2.11 (m, 1H), 1.91-1.96 (m, 1H).
(e)5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b]オキセピン−8−カルボン酸の合成
8−クロロ−5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン−7−カルバルデヒド(164.0mg、0.57ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−eの合成手順を繰り返して、白色の固体として5−(メチルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b]オキセピン−8−カルボン酸(116.0mg、62%)を得た。
【0128】
LC/MS ESI (+): 341 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.48 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 4.80 (t, 1H, J=1.2 Hz), 4.33-4.39 (m, 1H), 3.75-3.80 (m, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.50-2.53 (m, 1H) 2.18-2.27 (m, 1H), 2.06-2.14 (m, 1H), 1.75-1.88 (m, 1H)
中間体10)5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボン酸の合成
(a)2−エチルヘキシル3−((5−ブロモ−2−ホルミルフェニル)チオ)プロパノエートの合成
4−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(3.0g、14.78ミリモル)のDMF(73.9ml)中溶液に、2−エチルヘキシル3−メルカプトプロピオネート(3.7mL、16.26ミリモル)を添加した。この反応混合物を40℃で36時間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、薄茶色の油として2−エチルヘキシル3−((5−ブロモ−2−ホルミルフェニル)チオ)プロパノエート(4.2g、71%)を得た。
【0129】
LC/MS ESI (+): 401 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.28 (s, 1H), 7.70 (d, 1H, J=8.2Hz), 7.57 (d, 1H, J=1.7Hz), 7.46 (dd, 1H, J=8.2, 1.7Hz), 4.03-4.05 (m, 2H), 3.24 (t, 2H, J=7.4Hz), 2.72 (t, 2H, J=7.4Hz), 1.32-1.40 (m, 3H), 1.26-1.30 (m, 6H), 0.90 (t, 6H, J=7.4Hz)
(b)2−エチルヘキシル3−((5−(4,4−ジエトキシブチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)チオ)プロパノエートの合成
4,4−ジエトキシブタ−1−エン(503.0mg、3.49ミリモル)の9−ボラビシクロ(3.3.1)ノナン(7.7ml、3.84ミリモル)中溶液を1時間攪拌し、濃縮した。残留物をベンゼン(7.7ml)/EtOH(3.9ml)に溶解させた。2N Na
2CO
3水溶液(35.0ml、6.98ミリモル)およびPd(PPh
3)
4(202.0mg、0.17ミリモル)を添加し、この反応混合物を80℃で90分間。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を正相カラムクロマトグラフィー(EtOAc:n−Hex=1:15)により精製して、粗製物として2−エチルヘキシル3−((5−(4,4−ジエトキシブチル)−2−ホルミルフェニル)チオ)プロパノエート(695.0mg、85%)を得た。2−エチルヘキシル3−((5−(4,4−ジエトキシブチル)−2−ホルミルフェニル)チオ)プロパノエート(610.0mg、1.31ミリモル)のEtOH(6.5ml)中溶液に、NaBH
4(64.3mg、1.70ミリモル)を添加した。この反応混合物を30分攪拌した。NH
4Clを添加し、得られた混合物を15分間攪拌し、セライトに通して濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物を正相カラムクロマトグラフィー(EtOAc:n−Hex=1:3)により精製して、無色の油として2−エチルヘキシル3−((5−(4,4−ジエトキシブチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)チオ)プロパノエート(550.0mg、90%)を得た。
【0130】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.31 (d, 1H, J=7.7Hz), 7.24 (d, 1H, J=1.7Hz), 7.07 (d, 1H, J=7.7Hz), 4.74 (d, 2H, J=3.3Hz ), 4.49 (t, 1H, J=5.2Hz), 4.00-4.02 (m, 2H), 3.59-3.67 (m, 2H), 3.44-3.52 (m, 2H), 3.16 (t, 2H, J=7.2Hz), 2.61 (t, 4H, J=7.1Hz), 2.39 (brs, 1H), 1.65-1.68 (m, 4H), 1.51-1.57 (m, 2H), 1.26-1.37 (m, 2H), 1.26-1.31 (m, 4H), 1.20 (t, 6H, J=7.1Hz), 0.89 (t, 6H, J=7.1Hz)
(c)2−エチルヘキシル3−((5−(メチルフルホニル)−3−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)プロパノエートの合成
メタンスルフィン酸ナトリウム(359.0mg、3.52ミリモル)をTFA(9.8ml)に溶解させ、この反応混合物を10分間攪拌した。0℃に冷却後、2−エチルヘキシル3−((5−(4,4−ジエトキシブチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)チオ)プロパノエート(550.0mg、1.17ミリモル)のCH
2Cl
2(1956.0μL)中溶液を滴下し、この反応混合物を23℃で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで抽出し、有機抽出物を飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、無色の油として3−((5−(メチルスルホニル)−3−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)プロパノエート(217.0mg、34%)を得た。
【0131】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.63 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 5.45 (q, 2H, J=20.8Hz), 4.28 (t, 1H, J=5.1Hz), 4.01-4.04 (m, 2H), 3.20 (t, 2H, J=7.5Hz), 2.87-2.93 (m, 1H), 2.76-2.81 (m, 4H), 2.65 (t, 2H, J=7.6Hz), 2.47-2.52 (m, 1H), 2.19-2.23 (m, 2H), 1.75-1.86 (m, 1H), 1.56-1.58 (m, 1H), 1.29-1.39 (m, 8H), 0.89 (t, 6H, J=7.4Hz)
(d)tert−ブチル2−((3−(ヒドロキシメチル)−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)アセテートの合成
2−エチルヘキシル3−((5−(メチルフルホニル)−3−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)プロパノエート(150.0mg、0.27ミリモル)のDMF(2714.0μl)中溶液に、カリウム−t−ブトキシドのTHF中1M溶液(543.0μL、0.54ミリモル)を−60〜−50℃で添加した。この反応混合物を10分間攪拌した。tert−ブチル2−ブロモアセテート(42.1μl、0.29ミリモル)を−60〜−50℃で添加し、この反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質としてtert−ブチル2−((3−(ヒドロキシメチル)−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)アセテート(67.0mg、64%)を得た。
【0132】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.60 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 4.77 (q, 2H, J=32.7Hz), 4.27 (t, 1H, J=5.9Hz), 3.60 (s, 2H), 2.83-2.89 (m, 1H), 2.71-2.79 (m, 4H), 2.49-2.55 (m, 1H), 2.15-2.20 (m, 2H), 1.73-1.46 (m, 1H), 1.40 (s, 9H)
(e)tert−ブチル2−((3−ホルミル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)アセテートの合成
tert−ブチル2−((3−(ヒドロキシメチル)−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)アセテート(65.0mg、0.17ミリモル)のCH
2Cl
2(1682.0μL)中溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(107.0mg、0.25ミリモル)を添加した。この反応混合物を24℃で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、粗製物としてtert−ブチル2−((3−ホルミル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)アセテート(71.0mg、110%)を得た。この粗製物を精製することなく次の工程で使用した。
【0133】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.23 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 4.31-4.34 (m, 1H), 3.63 (s, 2H), 2.92-2.99 (m, 1H), 2.80-2.87 (m, 4H), 2.52-2.57 (m, 1H), 2.22-2.25 (m, 2H), 1.77-1.82 (m, 1H), 1.44 (s, 9H)
(f)tert−ブチル5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキシレートの合成
tert−ブチル2−((3−ホルミル−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)チオ)アセテート(67.0mg、0.17ミリモル)のDMF(1742.0μl)中溶液に、Cs
2CO
3(85.0mg、0.26ミリモル)を添加した。この反応混合物を80℃で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、粗製物としてtert−ブチル5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキシレート(65.0mg、102%)を得た。この粗製物を精製することなく次の工程で使用した。
【0134】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.11 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 4.43-4.46 (m, 1H), 3.00-3.08 (m, 1H), 2.90-2.98 (m, 4H), 2.53-2.59 (m, 1H), 2.31-2.35 (m, 1H), 2.17-2.19 (m, 1H), 1.71-1.83 (m, 1H), 1.61 (s, 9H)
(g)5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボン酸の合成
tert−ブチル5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキシレート(65.0mg、0.18ミリモル)のCH
2Cl
2(0.5ml)中溶液に、TFA(0.5ml、6.53ミリモル)を添加した。この反応混合物を24℃で30分間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質として5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボン酸(30.0mg、55%)を得た。
【0135】
LC/MS ESI (-): 309 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.13 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 4.80-4.82 (m, 1H), 3.05 (s, 3H), 2.91-3.02 (m, 2H), 2.48-2.51 (m, 1H), 2.19-2.23 (m, 2H), 1.67-1.72 (m, 1H)
中間体11)4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
(a)メチル4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(50.0mg、0.15ミリモル)のTHF(1.0ml)/CH
3CN(1.0ml)中懸濁液に、NaH(30.6mg、0.77ミリモル)を添加した。1時間後、CH
3I(0.1ml、1.53ミリモル)を添加し、この反応混合物を3日間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの非晶質としてメチル4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(29.0mg、56%)を得た。
【0136】
LC/MS ESI (+): 341 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.29 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.49-4.56 (m, 1H), 4.20-4.26 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.61-2.68 (m, 1H), 2.16-2.23 (m, 1H), 1.83 (s, 3H)
(b)4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
メチル4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(27.0mg、0.08ミリモル)のTHF(529.0μl)/H
2O(264.0μl)中懸濁液に、LiOHH
2O(33.3mg、0.79ミリモル)を添加した。この反応混合物を60℃で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質として4−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(20.0mg、77%)を得た。
【0137】
LC/MS ESI (-): 325 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.22 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 4.47-4.52 (m, 1H), 4.18-4.22 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 2.59-2.67 (m, 1H), 2.13-2.20 (m, 1H), 1.81 (s, 3H)
中間体12)5−(メチルスルホニル)−5,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−g]イソクロメン−2−カルボン酸の合成
(a)メチル2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾエートの合成
2−ブロモ−4−メチルベンゾエート(4.6g、20.08ミリモル)を無水1,2−ジクロロエタン(60.0ml)に溶解させ、N−ブロモスクシンイミド(4.3g、24.10ミリモル)およびAIBN(0.3g、2.01ミリモル)を室温で添加した。この混合物を90℃で1時間還流させ、続いて、室温に冷却し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、無色の液体としてメチル2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾエート(3.0g、48%)を得た。
【0138】
LC/MS ESI (+): 309 (M+1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 7.78 (d, 1H, J=8.0Hz), 7.69 (d, 1H, J=1.6Hz), 7.38 (dd, 1H, J=8.0, 1.6Hz), 4.42 (s, 2H), 3.94 (s, 3H)
(b)メチル2−ブロモ−4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)ベンゾエートの合成
グリコールアルデヒドジエチルアセタール(1.6ml、12.14ミリモル)を無水THF(50.0ml)に溶解させ、NaH(0.5g、13.25ミリモル)を0℃で添加した。この混合物を0℃で30分間攪拌した。THF(50.0ml)中メチル2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾエート(3.4g、11.04ミリモル)を0℃で添加した。この混合物を0℃で3時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=9:1)により精製して、無色の液体としてメチル2−ブロモ−4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)ベンゾエート(1.7g、42%)を得た。
【0139】
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 7.78 (d, 1H, J=8.0Hz), 7.66 (d, 1H, J=1.2Hz), 7.31-7.34 (m, 1H), 4.67 (t, 1H, J=10.4, 5.2Hz), 4.59 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.68-3.75 (m, 2H), 3.53-3.62 (m, 4H), 1.23 (t, 6H, J=14.0, 6.8Hz)
(c)4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)−2−(メチルチオ)安息香酸の合成
メチル2−ブロモ−4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)ベンゾエート(480.0mg、1.33ミリモル)をDMF(4.0ml)に溶解させ、ナトリウムメタンチオラート(466mg、6.64ミリモル)を室温で添加した。この混合物を80℃で15時間攪拌し、続いて、室温に冷却し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、無色の液体として4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)−2−(メチルチオ)安息香酸(380.0mg、91%)を得た。
【0140】
LC/MS ESI (-): 313 (M-1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 8.10 (d, 1H, J=8.0Hz), 7.30 (s, 1H), 7.14 (dd, 1H, J=8.0, 0.8Hz), 4.70 (t, 1H, J=10.4, 5.2Hz), 4.65 (s, 2H), 3.68-3.76 (m, 2H), 3.55-3.63 (m, 4H), 2.48 (s, 3H), 1.24 (t, 6H, J=14.0, 6.8Hz)
(d)(4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)−2−(メチルチオ)フェニル)メタノールの合成
4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)−2−(メチルチオ)安息香酸(380.0mg、1.21ミリモル)をTHF(12.0ml)に溶解させ、LiAlH
4のTHF中1.0M溶液(1.2ml、1.20ミリモル)を室温で添加した。この混合物を室温で1時間攪拌し、H
2Oを0℃で添加した。この反応混合物をセライトに通して濾過し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、無色の液体として(4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)−2−(メチルチオ)フェニル)メタノール(280.0mg、77%)を得た。
【0141】
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 7.34 (d, 1H, J=8.0Hz), 7.26 (m, 1H), 7.12-7.14 (m, 1H), 4.75 (brs, 2H), 4.66 (t, 1H, J=10.4, 5.2Hz), 4.58 (s, 2H), 3.66-3.74 (m, 2H), 3.51-3.61 (m, 4H), 2.50 (s, 3H), 2.08 (brs, 1H), 1.22 (t, 6H, J=14.0, 7.2Hz)
(e)(4−(メチルスルホニル)−7−(メチルチオ)イソクロマン−6−イル)メタノールの合成
メタンスルフィン酸ナトリウム(285.0mg、2.80ミリモル)をTFA(7.5ml)に溶解させ、室温で30分間攪拌した。CH
2Cl
2(1.5ml)中(4−((2,2−ジエトキシエトキシ)メチル)−2−(メチルチオ)フェニル)メタノール(280.0mg、0.93ミリモル)を室温でゆっくりと添加した。この混合物を室温で30分間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。この混合物をTHF(4.0ml)/MeOH(1.0ml)/H
2O(1.0ml)に溶解させ、LiOHH
2O(223.0mg、932.00ミリモル)を室温で添加した。この混合物を室温で30分間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の液体として(4−(メチルスルホニル)−7−(メチルチオ)イソクロマン−6−イル)メタノール(208.0mg、77%)を得た。
【0142】
LC/MS ESI (-): 287 (M-1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 7.66 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 4.86-4.91 (m, 2H), 4.70-4.80 (m, 3H), 3.97-4.01 (m, 1H), 3.87-3.88 (m, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.50 (s, 3H)
(f)4−(メチルスルホニル)−7−(メチルチオ)イソクロマン−6−カルバルデヒドの合成
(4−(メチルスルホニル)−7−(メチルチオ)イソクロマン−6−イル)メタノール(208.0mg、0.72ミリモル)をCH
2Cl
2(7.0ml)に溶解させ、Dess−Martinペルヨージナン(398.0mg、0.94ミリモル)を室温で添加した。この混合物を室温で30分間混合し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=1:1)により精製して、無色の液体として4−(メチルスルホニル)−7−(メチルチオ)イソクロマン−6−カルバルデヒド(150.0mg、72%)を得た。
【0143】
LC/MS ESI (+): 287 (M+1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 10.16 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 4.93-4.97 (m, 2H), 4.80-4.84 (m, 1H), 4.02-4.06 (m, 1H), 3.94-3.95 (m, 1H), 2.69 (s, 3H), 2.48 (s, 3H)
(g)5−(メチルスルホニル)−5,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−g]イソクロメン−2−カルボン酸の合成
4−(メチルスルホニル)−7−(メチルチオ)イソクロマン−6−カルバルデヒド(150.0mg、0.52ミリモル)、酸化マグネシウム(21.1mg、0.52ミリモル)および2−クロロ酢酸(990.0mg、10.48ミリモル)の混合物を110℃で16時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体として5−(メチルスルホニル)−5,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−g]イソクロメン−2−カルボン酸(50.0mg、30%)を得た。
【0144】
LC/MS ESI (-): 311 (M-1)
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): δ 8.26 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 4.91-5.08 (m, 3H), 4.07-4.11 (m, 2H), 2.66 (s, 3H)
中間体13)4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
(a)7−クロロ−4−フルオロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマンの合成
7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマン(850.0mg、3.26ミリモル)をTHF(30.0mL)に溶解させ、LDA(2.6mL、3.91ミリモル)を−78℃でゆっくりと添加し、0.5時間攪拌した。NFS(2.3g、7.17ミリモル)を添加し、続いて、−78℃で3時間攪拌した。反応をH
2Oでクエンチし、この反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=85:15)により精製して、白色の固体として7−クロロ−4−フルオロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマン(600.0mg、66%)を得た。
【0145】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 7.53 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 4.59-4.65 (m, 1H), 4.28-4.35 (m, 1H), 3.05 (s, 3H), 2.72-2.80 (m, 1H), 2.49-2.56 (m, 1H), 2.33 (s, 3H)
(b)6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)クロマンの合成
7−クロロ−4−フルオロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)クロマン(500.0mg、1.79ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−cの合成手順を繰り返して、6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)クロマン(520.0mg、81%)を得た。
【0146】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 7.75 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.67-4.68 (m, 1H), 4.56 (q, 2H, J=10.4, 21.1Hz), 4.35-4.41 (m, 1H), 3.06 (s, 3H), 2.74-2.82 (m, 1H), 2.49-2.60 (m, 1H)
(c)6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)クロマンの合成
6−(ブロモメチル)−7−クロロ−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)クロマン(400.0mg、1.11ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−dの合成手順を繰り返して、7−クロロ−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)クロマン−6−カルバルデヒド(225.0mg、68%)を得た。
【0147】
LC/MS ESI (+): 293 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 10.32 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 4.73-4.80 (m, 1H), 4.49-4.55 (m, 1H), 3.09 (s, 3H), 2.86-2.93 (m, 1H), 2.47-2.59 (m, 1H)
(d)4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
7−クロロ−4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)クロマン−6−カルバルデヒド(210.0mg、0.71ミリモル)を無水DMF(7.1mL)に溶解させ、メチル2−メルカプトアセテート(114.0mg、1.07ミリモル)およびCs
2CO
3(514.0mg、1.57ミリモル)を添加し、続いて、80℃で2時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、黄色の固体として4−フルオロ−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(72.0mg、30%)を得た。
【0148】
LC/MS ESI (-): 329 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.47 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 4.53-4.56 (m, 1H), 4.40-4.44 (m, 2H), 2.95-2.97 (m, 2H), 2.64-2.67 (m, 2H)
中間体14)8,8−ジフルオロ−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボン酸の合成
(a)7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オンの合成
6−クロロ−7−メチル−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(700.0mg、2.71ミリモル)の無水酢酸(5114.0μL、54.0ミリモル)中溶液に、酸化クロム(VI)(812.0mg、8.12ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を0℃で2時間攪拌した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質として7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(430.0mg、58%)を得た。
【0149】
LC/MS ESI (+): 273 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.12 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 4.31-4.33 (m, 1H), 3.16-3.26 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.86-2.91 (m, 1H), 2.64-2.71 (m, 1H), 2.51-2.60 (m, 1H), 2.47 (s, 3H)
(b)7−クロロ−1,1−ジフルオロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの合成
7−クロロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(430.0mg、1.58ミリモル)のDAST(2.0ml、15.14ミリモル)中懸濁液を65℃で一晩攪拌した。この反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質として7−クロロ−1,1−ジフルオロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(186.0mg、40%)を得た。
【0150】
LC/MS ESI (-): 293 (M-1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.77 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.22-4.26 (m, 1H), 2.77 (s, 3H), 2.65-2.73 (m, 1H), 2.51-2.62 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.23-2.35 (m, 1H)
(c)6−(ブロモメチル)−7−クロロ−1,1−ジフルオロ−4−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの合成
7−クロロ−1,1−ジフルオロ−6−メチル−4−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(150.0mg、0.51ミリモル)およびN−ブロモスクシンイミド(109.0mg、0.61ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(2545.0μl)中溶液に、AIBN(8.4mg、0.05ミリモル)を添加した。この反応混合物を80℃で1時間攪拌した。反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=5:1)により精製して、白色の非晶質として6−(ブロモメチル)−7−クロロ−1,1−ジフルオロ−4−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(105.0mg、55%)を得た。
【0151】
LC/MS ESI (-): 371 (M-1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.85 (s, 2H), 4.55-4.64 (m, 2H), 4.25-4.29 (m, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.68-2.73 (m, 1H), 2.56-2.59 (m, 2H), 2.27-2.34 (m, 1H)
(d)3−クロロ−5,5−ジフルオロ−8−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルバルデヒドの合成
6−(ブロモメチル)−7−クロロ−1,1−ジフルオロ−4−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(105.0mg、0.28ミリモル)、N−メチルモルホリン−N−オキシド(49.4mg、0.42ミリモル)およびモレキュラーシーブ(4Å)のCH
3CN(2.8ml)中懸濁液を25℃で1時間攪拌した。この反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、薄茶色の非晶質として3−クロロ−5,5−ジフルオロ−8−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド(60.0mg、69%)を得た。
【0152】
LC/MS ESI (-): 307 (M-1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.49 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 4.30-4.33 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.83-2.87 (m, 1H), 2.68-2.75 (m, 1H), 2.47-2.57 (m, 1H), 2.34-2.39 (m, 1H)
(e)8,8−ジフルオロ−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボン酸の合成
3−クロロ−5,5−ジフルオロ−8−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド(58.0mg、0.19ミリモル)およびCs
2CO
3(122.0mg、0.38ミリモル)のDMF(939.0μl)中溶液に、チオグリコール酸メチル(18.5μl、0.21ミリモル)を添加した。この反応混合物を80℃で1時間攪拌した。反応混合物を60℃に冷却し、LiOHH
2O(79.0mg、1.88ミリモル)を添加し、1時間攪拌した。この反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの非晶質として8,8−ジフルオロ−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボン酸(33.0mg、51%)を得た。
【0153】
LC/MS ESI (-): 345 (M-1)
1H-NMR (400MHz, DMS-d6): δ 8.48 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 4.89-4.90 (m, 1H), 3.17 (s, 3H), 2.66-2.73 (m, 2H), 2.32-2.42 (m, 2H)
中間体15)4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
(a)3−(3−クロロ−4−メチルフェノキシ)プロパン酸の合成
2−クロロ−4−(3,3−ジエトキシプロポキシ)−1−メチルベンゼン(3.0g、11.00ミリモル)のTHF(27.5ml)/H
2O(27.5ml)中溶液に、オキソン(Oxone)(10.1g、33.00ミリモル)を添加した。この反応混合物を25℃で一晩攪拌し、濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、白色の非晶質として3−(3−クロロ−4−メチルフェノキシ)プロパン酸(2.4g、100%)を得た。
【0154】
LC/MS ESI (-): 213 (M-1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.11 (d, 1H, J=8.4Hz), 6.92 (d, 1H, J=2.5Hz), 6.73 (dd, 1H, J=8.4, 2.4Hz), 4.21 (t, 2H, J=6.2Hz), 2.84 (t, 2H, J=6.2Hz), 2.29 (s, 3H)
(b)7−クロロ−6−メチルクロマン−4−オンの合成
3−(3−クロロ−4−メチルフェノキシ)プロパン酸(2.4g、10.95ミリモル)をトリフルオロメタンスルホン酸(4.8ml、54.70ミリモル)に溶解させ、この反応混合物を2.5時間攪拌した。氷片をゆっくりと添加し、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質として7−クロロ−6−メチルクロマン−4−オン(795.0mg、37%)を得た。
【0155】
LC/MS ESI (+): 197 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.74 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.52 (t, 2H, J=6.5Hz), 2.84 (t, 2H, J=6.5Hz), 2.32 (s, 3H)
(c)6−(ブロモメチル)−7−クロロクロマン−4−オンの合成
7−クロロ−6−メチルクロマン−4−オン(950.0mg、4.83ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−cの合成手順を繰り返して、アイボリーの固体として6−(ブロモメチル)−7−クロロクロマン−4−オン(1.4g、87%)を得た。
【0156】
LC/MS ESI (+): 275 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.97 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 4.54-4.58 (m, 4H), 2.82 (t, 2H, J=6.5Hz)
(d)7−クロロ−4−オキソクロマン−6−カルバルデヒドの合成
6−(ブロモメチル)−7−クロロクロマン−4−オン(1.3g、4.72ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−dの合成手順を繰り返して、白色の固体として7−クロロ−4−オキソクロマン−6−カルバルデヒド(660.0mg、66%)を得た。
【0157】
LC/MS ESI (+): 211 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.34 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 4.64 (t, 2H, J=6.5Hz), 2.87 (t, 2H, J=6.5Hz)
(e)メチル4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
7−クロロ−4−オキソクロマン−6−カルバルデヒド(660.0mg、3.13ミリモル)を使用すること以外は、中間体8−dの合成手順を繰り返して、オフホワイトの固体として4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(580.0mg、71%)を得た。
【0158】
LC/MS ESI (+): 263 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.49 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 4.59 (t, 2H, J=6.4Hz), 3.87 (s, 3H), 2.87 (t, 2H, J=6.4Hz)
(f)メチル4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(810.0mg、3.09ミリモル)のEtOH(15.0ml)中溶液に、NaBH
4(140.0mg、3.71ミリモル)を添加した。この反応混合物を26℃で2時間攪拌した。H2Oを添加し、不溶性の白色の固体を濾過して、白色の固体としてメチル4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(665.0mg、81%)を得た。
【0159】
LC/MS ESI (+): 265 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.11 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 5.55 (m, 1H), 4.75-4.79 (m, 1H), 4.23-4.33 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.02-2.09 (m, 1H), 1.88-1.94 (m, 1H)
(g)メチル4−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(200.0mg、0.76ミリモル)のトルエン(3784.0μl)中溶液に、SOCl
2(110.0μl、1.51ミリモル)を添加した。この反応混合物を60℃で2時間攪拌した。冷却後、反応混合物を濃縮して、精製することなく白色の非晶質としてメチル4−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(210.0mg、98%)を得た。
【0160】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.13 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 5.72 (t, 1H, J=3.4Hz), 4.36-4.46 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.42-2.48 (m, 1H), 2.26-2.31 (m, 1H)
(h)メチル4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(80.0mg、0.28ミリモル)、ピラゾール(57.8mg、0.85ミリモル)およびK
2CO
3(117.0mg、0.85ミリモル)のDMA(2829.0μl)中溶液を60℃で1時間、次いで、80℃で攪拌した。1時間後、この反応混合物を100℃で1時間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質としてメチル4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(26.0mg、29%)を得た。
【0161】
LC/MS ESI (+): 315 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.87 (s, 1H), 7.61 (d, 1H, J=1.5Hz), 7.51 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.22 (d, 1H, J=2.1Hz), 6.25-6.26 (m, 1H), 5.72 (t, 1H, J=5.1Hz), 4.31-4.37 (m, 1H), 4.15-4.21 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.56-2.64 (m, 1H), 2.40-2.48 (m, 1H)
(i)4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
メチル4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(25.0mg、0.08ミリモル)のTHF(530.0μL)/H
2O(265.0μl)中懸濁液に、LiOHH
2O(33.4mg、0.78ミリモル)を添加した。この反応混合物を60℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した。1N−HClを添加し、不溶性の白色の固体を濾過して、白色の固体として4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(17.0mg、71%)を得た。
【0162】
LC/MS ESI (-): 299 (M-1)
中間体16)4−(2−オキソピロリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
2−ピロリジノン(64.5μl、0.85ミリモル)のDMA(4.2ml)中溶液に、NaH(33.9mg、0.85ミリモル)を添加した。この反応混合物を100℃で30分間攪拌した。メチル4−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(120.0mg、0.42ミリモル)を添加し、1時間攪拌した。この反応混合物を80℃に冷却した。LiOHH
2O(53.4mg、1.27ミリモル)を添加し、1時間攪拌した。この反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質として4−(2−オキソピロリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(13.0mg、10%)を得た。
【0163】
LC/MS ESI (+): 318 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMS-d6): δ 7.93 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 5.41-5.45 (m, 1H), 4.27-4.40 (m, 2H), 3.23-3.32 (m, 1H), 2.95-3.01 (m, 1H), 2.36-2.43 (m, 2H), 2.10-2.19 (m, 1H), 1.90-2.01 (m, 3H)
中間体17)4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
(a)メチル4−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(210.0mg、0.79ミリモル)をCH
2Cl
2(3.9mL)に溶解させ、PBr
3(323.0mg、1.19ミリモル)を添加した。室温で2時間攪拌後、この反応混合物を減圧下で濃縮して、メチル4−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの粗製固体化合物(250.0mg、95%)を得た。
【0164】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.18 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 6.05-6.06 (m, 1H), 4.54-4.57 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 2.39-2.45 (m, 2H)
(b)メチル4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(300.0mg、0.91ミリモル)をDMA(9.1mL)に溶解させ、NaCN(90.0mg、1,83ミリモル)を室温で添加した。この混合物を60℃で2時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、オフホワイトの固体としてメチル4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(39.0mg、15%)を得た。
【0165】
LC/MS ESI (+): 274 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 8.17 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.68 (t, 1H, J=6.0Hz), 4.31 (t, 2H, J=5.2Hz), 3.87 (s, 3H), 2.29-2.39 (m, 2H)
(c)4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
メチル4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(39.0mg、0.14ミリモル)をTHF/H
2O(1.5mL、3/1v/v)に溶解させ、LiOH・H
2O(17.9mg、0.43ミリモル)を添加した。室温で15時間攪拌後、この反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてメチル4−シアノ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(17.0mg、46%)を得た。
【0166】
LC/MS ESI (+): 260 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 13.3 (br, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 4.60 (t, 1H, J=6.0Hz), 4.22 (t, 2H, J=5.2 Hz), 2.20-2.26 (m, 2H)
中間体18)4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
(a)メチル4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレートの合成
メチル4−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(95.0mg、0.29ミリモル)をDMA(2.9mL)に溶解させた。この混合物を60℃で3時間攪拌し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=6:1)により精製して、白色の固体としてメチル4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(50.0mg、60%)を得た。
【0167】
LC/MS ESI (+): 290 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.97 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 4.77 (t, 1H, J=4.1 Hz), 4.31-4.35 (m, 2H), 3.93 (s, 3H), 2.10-2.23 (m, 2H)
(b)4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸の合成
メチル4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキシレート(15.0mg、0.05ミリモル)をTHF/H
2O(0.5mL、3/1v/v)に溶解させ、LiOH・H
2O(21.7mg、0.52ミリモル)を添加した。この反応混合物を60℃15時間攪拌し、1N HCl(3.0mL)を添加し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体として4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(10.0mg、70%)を得た。
【0168】
LC/MS ESI (-): 274 (M-1)
例1)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミドの合成
(a)2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−アミンの合成
2,6−ジクロロピリジン−4−アミン(3.0g、18.40ミリモル)および4−クロロフェノール(4.7g、36,80ミリモル)をスルホラン(96.0mL)に溶解させ、K
2CO
3(5.1g、36.80ミリモル)を添加した。この反応混合物を160℃で24時間攪拌し、室温に冷却し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を1N NaOH水溶液およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体として2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−アミン(2.5g、53%)を得た。
【0169】
LC/MS ESI (+): 255 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 7.45 (d, 2H, J=8.8Hz), 7.12 (d, 2H, J=8.8Hz), 6.55 (brs, 2H), 6.31 (d, 1H, J=1.6Hz), 5.93 (d, 1H, J=1.6Hz)
(b)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミドの合成
1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボン酸(190.0mg、0.61ミリモル)をCH
2Cl
2(6.1mL)に溶解させ、DMF(1.2μL、0.01ミリモル)および(COCl)
2(51.6μL、0.61ミリモル)を添加した。この反応混合物を25℃で2時間攪拌し、減圧下で濃縮して、1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボニルクロリドを得た。この残留物に、2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−アミン(155.0mg、0.61ミリモル)および1,4−ジオキサン(2.0mL)を添加し、この反応混合物を80℃で15時間攪拌し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の固体としてN−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミド(166.0mg、50%)を得た。
【0170】
LC/MS ESI (+): 550 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6): δ 10.87 (brs, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.58 (s, 2H), 7.45 (dd, 2H, J=8.8, 2.1Hz), 7.22 (s, 1H), 7.18 (dd, 2H, J=8.8, 2.1Hz), 4.29 (t, 2H, J=4.9Hz), 3.82 (t, 2H, J=4.6Hz), 3.11 (s, 3H)
例2〜例14の化合物を、例1の合成経路によって合成し、これらの化合物のデータを以下のとおり列挙する。
【0174】
例15)N−(2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドの合成
(a)2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−アミンの合成
2,6−ジクロロピリジン−4−アミン(200.0mg、1.23ミリモル)のスルホラン(4090.0μl)中溶液に、p−クレゾール(265.0mg、2.45ミリモル)およびK
2CO
3(339.0mg、2.45ミリモル)を添加した。この反応混合物を160℃で30時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を1N−NaOHおよびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製し、ACN/エーテル/Hexで固化させて、薄茶色の非晶質として2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−アミン(160,0mg、56%)を得た。
【0175】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.17 (d, 2H, J=8.2Hz), 7.00 (d, 2H, J=8.5Hz), 6.30 (d, 1H, J=1.7Hz), 5.81 (d, 1H, J=1.7Hz), 4.22 (brs, 2H), 2.35 (s, 3H)
(b)N−(2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドの合成
2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−アミン(41.3mg、0.18ミリモル)を使用すること以外は、例1−bの合成手順を繰り返して、白色の非晶質としてN−(2−クロロ−6−(p−トリルオキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド(51.0mg、60%)を得た。
【0176】
LC/MS ESI (+): 529 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 10.89 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.64 (d, 1H, J=1.4Hz), 7.58 (s, 1H), 7.27 (d, 2H, J=8.3Hz), 7.21 (d, 1H, J=1.4Hz), 7.08 (d, 2H, J=8.4Hz), 4.81 (m, 1H), 4.44-4.51 (m, 1H), 4.29-4.34 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.59-2.67 (m, 1H), 2.32-2.34 (m, 4H)
例16〜例42の化合物を、例15の合成経路によって合成し、これらの化合物のデータを以下のとおり列挙する。
【0182】
例43および例44)rac−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドから(S)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドおよび(R)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドの分離
例8で得られたN−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドのラセミ化合物(100.0mg、0.18ミリモル)を、分取HPLC(Daicel Chiralpak IA、ジクロロメタン/エタノール=98/2、10.0mL/分、254nm、35℃)により(S)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド(45.0mg、45%)および(R)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド(44.0mg、44%)に分離した。
【0183】
例43)S)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド
LC/MS ESI (+): 549 (M+1).
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): 10.96 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.52 (d, 2H, J=8.80Hz), 7.31 (s, 1H), 7.27 (d, 2H, J=8.80Hz), 4.82 (m, 1H), 4.45-4.51 (m, 1H), 4.30-4.34 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.60-2.64 (m, 1H), 2.29-2.39 (m, 1H).
HPLC:Daicel Chiralpak IA、0.46cmI.D.×15cmL、ジクロロメタン/エタノール=98/2、1.0mL/分、254nm、35℃、t
R=3.08分。
【0184】
例44)(R)−N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド
LC/MS ESI (+): 549 (M+1).
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): 11.03 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.52 (d, 2H, J=8.79Hz), 7.31 (s, 1H), 7.26 (d, 2H, J=8.79Hz), 4.82 (m, 1H), 4.45-4.51 (m, 1H), 4.30-4.33 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.60-2.64 (m, 1H), 2.30-2.39 (m, 1H).
HPLC:Daicel Chiralpak IA、0.46cmI.D.×15cmL、ジクロロメタン/エタノール=98/2、1.0mL/分、254nm、35℃、t
R=3.95分。
【0185】
例45〜例49の化合物を、例43および44の合成経路によって合成し、これらの化合物のデータを以下のとおり列挙する。
【0187】
例50)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキサミドの合成
tert−ブチル7−((2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)カルバモイル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−4(1H)−カルボキシレート(7.0mg、10.78μモル)をCH
2Cl
2(108.0μl)に溶解させ、TFA(300μl、3.89ミリモル)を20℃で添加した。この反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質としてN−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−1−(メチルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロチエノ[2,3−g]キノキサリン−7−カルボキサミド(2.5mg、42%)を得た。
【0188】
例51)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキサミドの合成
N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキサミド(20.0mg、0.04ミリモル)の無水酢酸(1.0mL、10.58ミリモル)中溶液に、酸化クロム(VI)(11.0mg、0.11ミリモル)を0℃で添加した。この反応混合物を0℃で2時間攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質としてN−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−5−(メチルスルホニル)−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボキサミド(5.0mg、24%)を得た。
【0189】
LC/MS ESI (+): 561 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 11.14 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.68 (d, 1H, J=1.2Hz), 7.52 (d, 2H, J=8.8Hz), 7.33 (d, 1H, J=1.2Hz), 7.26 (d, 2H, J=8.8Hz), 4.99 (m, 1H), 3.17 (s, 3H), 3.02-3.09 (m, 1H), 2.79-2.83 (m, 1H), 2.61-2.67 (m, 2H)
例52)N−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミドの合成
4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボン酸(17.0mg、0.06ミリモル)のCH
2Cl
2(0.3mL)中溶液に、(COCl)
2(9.6μl、0.11ミリモル)およびDMF(0.4μl、5.66μモル)を添加した。この反応混合物を40℃で1時間攪拌し、減圧下で濃縮して、4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボニルクロリドを得た。残留物に、2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−アミン(28.9mg、0.11ミリモル)および1,4−ジオキサン(0.3ml)を添加した。この反応混合物を80℃で一晩攪拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、白色の非晶質としてN−(2−クロロ−6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル)−4−(1H−ピラゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,2−g]クロメン−7−カルボキサミド(21.0mg、69%)を得た。
【0190】
LC/MS ESI (+): 537 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 10.77 (brs, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J=2.0Hz), 7.55 (s, 1H), 7.43-7.48 (m, 4H), 7.33 (s, 1H), 7.16-7.20 (m, 3H), 6.23-6.25 (m, 1H), 5.80 (t, 1H, J=6.2Hz), 4.27-4.3 (m, 2H), 2.31-2.43 (m, 2H)
例53〜例55の化合物を例52の合成経路によって合成し、これらの化合物のデータを以下のとおり列挙する。
【0192】
例56)N−(3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)フェニル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミドの合成
(a)1−クロロ−3−ニトロ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンの合成
1−ブロモ−3−クロロ−5−ニトロベンゼン(7.2g、30.59ミリモル)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5.1g、30.59ミリモル)およびNa
2CO
3(9.7g、91.76ミリモル)のDME(120.0mL)/H
2O(30.0mL)中懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(1.8g、1.53ミリモル)を添加した。この反応混合物を一晩還流させた。Pd(PPh
3)
4(0.7g、0.61ミリモル)をさらに添加し、4時間攪拌した。室温に冷却後、この反応混合物をセライトに通して濾過した。濾液を濃縮し、残留物をEtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をNH−シリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみ)により精製して、粗製の黄色の油として1−クロロ−3−ニトロ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼン(6.3g)を得た。
【0193】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.19 (t, 1H, J=1.7Hz), 8.11 (t, 1H, J=1.8Hz), 7.74 (t, 1H, J=1.7Hz), 5.30 (s, 1H), 2.19 (s, 3H)
(b)1−(2−ブロモプロパン−2−イル)−3−クロロ−5−ニトロベンゼンの合成
1−クロロ−3−ニトロ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼン(6.3g、22.14ミリモル)のEt
2O(100.0mL)中溶液に、ACN中33重量%HBr(38.8mL、221.38ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で2日間攪拌した。飽和NaHCO
3水溶液を氷浴下で添加し、得られた混合物をEt
2Oで抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−Hex:EtOAc=19:1)により精製して、アイボリーの固体として1−(2−ブロモプロパン−2−イル)−3−クロロ−5−ニトロベンゼン(5.3g、2工程で62%)を得た。
【0194】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.34 (t, 1H, J=1.9Hz), 8.13 (t, 1H, J=1.9Hz), 7.26 (t, 1H, J=1.8Hz), 2.21 (s, 6H)
(c)1−クロロ−3−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−ニトロベンゼンの合成
1−(2−ブロモプロパン−2−イル)−3−クロロ−5−ニトロベンゼン(2.0g、7.18ミリモル)およびクロロベンゼン(10.9mL、0.11モル)を1,2−ジクロロエタン(70.0mL)に溶解させ、AlCl
3(2.9g、21.54ミリモル)を添加した。この反応混合物を0℃で2時間攪拌し、H
2Oを添加し、CH
2Cl
2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18−シリカゲル、CH
3CN中0.1%ギ酸:H
2O中0.1%ギ酸)により精製して、黄色の油として1−クロロ−3−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−ニトロベンゼン(1.95g、88%)を得た。
【0195】
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.06 (t, 1H, J=1.8Hz ), 7.99 (t, 1H, J=1.9Hz ), 7.47 (t, 1H, J=1.7Hz ), 7.29 (d, 2H, J=8.5Hz), 7.12 (d, 2H, J=8.5Hz), 1.70 (s, 6H)
(d)3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)アニリンの合成
1−クロロ−3−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−ニトロベンゼン(1.95g、6.28ミリモル)をMeOH/THF/H
2O(65.0mL、10/2/1v/v)に溶解させ、Zn(6.17mg、94.3ミリモル)およびNH
4Cl(1.68g、31.4ミリモル)を室温で添加した。この反応混合物を40℃で90分間超音波処理し、室温に冷却し、セライトに通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アミンシリカゲル、n−Hex:EtOAc=9:1)により精製して、黄色の油として3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)アニリン(1.49g、85%)を得た。
【0196】
LC/MS ESI (+): 280 (M+1)
1H-NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.22 (d, 2H, J=8.7Hz), 7.14 (d, 2H, J=8.7Hz), 6.60 (t, 1H, J=1.7 Hz ), 6.50 (t, 1H, J=1.9 Hz ), 6.32 (t, 1H, J=1.9 Hz ),3.64 (s, 2H), 1.59 (s, 6H)
(e)N−(3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)フェニル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミドの合成
3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)アニリン(12.1mg、0.04ミリモル)を使用すること以外は、例1−bの合成手順を繰り返して、白色の固体としてN−(3−クロロ−5−(2−(4−クロロフェニル)プロパン−2−イル)フェニル)−1−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3’,2’:4,5]ベンゾ[1,2−b][1,4]オキサジン−7−カルボキサミド(12.8mg、77%)を得た。
【0197】
LC/MS ESI (+): 575 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d
6): δ 10.47 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.50 (t, 1H, J=1.6Hz), 7.39 (d, 2H, J=8.6Hz), 7.28 (d, 2H, J=8.6Hz), 7.03 (m, 1H), 4.37 (t, 2H, J=4.2Hz), 3.91 (t, 2H, J=4.4Hz), 3.19 (s, 3H), 1.66 (s, 6H).
実験例
実験は、上記例で調製した化合物について以下に示すとおりに行った。
実験例1)レポーター遺伝子アッセイによるSTAT3およびSTAT1活性の阻害に関する実験
1−1)STAT3活性の阻害に関する実験
安定に作動するSTAT3プロモーターを含む、ヒト前立腺がん細胞株(LNCaP安定細胞株;プラスミドpSTAT3−TA−luc)を、10%ウシ胎児血清(FBS)(カタログ番号SH30396、Thermo Scientific)および150μg/mL G−418溶液(カタログ番号04727894001、Roche)を含有するRPMI1640培地(カタログ番号11875、Life Technologies)で培養した。LNCaP安定細胞株を使用するレポーター遺伝子アッセイを、G−418溶液なしで3%DCC−FBSを含有するRPMI1640培地で行った。LNCaP安定細胞を各ウェル中30,000個細胞/50μLで2つの白色96ウェルプレートに播種した。細胞を、5%CO
2下37℃で24時間培養し、次いで、様々な濃度に希釈した例に列挙した化合物で処理した。その後、IL−6を各ウェルに最終濃度10ng/mLで加えた。化合物およびIL−6による処理の完了後、細胞を5%CO
2下37℃で24時間培養した。プレートを顕微鏡下で観察し、薬物沈殿および特定の所見を調査および記録した。
【0198】
ルシフェラーゼアッセイおよび細胞生存率アッセイをそれぞれ2つのプレートの一方で行った。ルシフェラーゼアッセイについて、96ウェルプレート中液体培地を除去し、次いで、各ウェルに20μLの受動的細胞溶解緩衝液を添加した。プレートを30分間振とう後、各ウェルのルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼアッセイシステム(カタログ番号E1501、Promega)を使用してPHERAstar(商標)マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH)で測定した。細胞生存率アッセイについて、96ウェルプレートを室温で30分間置き、20μ/ウェルのCellTiter−Glo溶液(カタログ番号G7573、Promega)を添加し、10分振とうして、PHERAstar(商標)マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH)を用いて例に列挙した化合物により生じた細胞毒性を測定した。0.1%DMCOおよび刺激なしのウェルを陰性対照として使用し、0.1%DMSOおよび刺激有りのウェルを陽性対照として使用した。
【0199】
1−2)STAT1活性の阻害に関する実験
安定に作動するSTAT1プロモーターを含む、ヒト骨肉腫細胞株(U2OS安定細胞株;pGL4−STAT1−TA−luc)を、10%ウシ胎児血清(FBS)(カタログ番号SH30396、Thermo Scientific)および1000μg/mL G−418溶液(カタログ番号04727894001、Roche)を含有するMcCoy5’A培地(カタログ番号16600、Life Technologies)で培養した。U2OS安定細胞株を使用するレポーター遺伝子アッセイを、G−418溶液なしで10%FBSを含有するMcCoy 5’A培地で行った。U2OS安定細胞を、各ウェル中25,000個細胞/50μLで2つの白色96ウェルプレートに播種した。細胞を5%CO
2下37℃で24時間培養し、次いで、様々な濃度に希釈した例に列挙した化合物で処理した。その後、IFN−γを各ウェルに最終濃度50ng/mLで添加した。化合物およびIFN−γによる処理の完了後、細胞を5%CO
2下37℃で8時間培養した。プレートを顕微鏡下で観察し、薬物沈殿および特定の所見を調査および記録した。
【0200】
ルシフェラーゼアッセイおよび細胞生存率アッセイをそれぞれ2つのプレートの一方で行った。ルシフェラーゼアッセイについて、96ウェルプレート中液体培地を除去し、次いで、各ウェルに20μLの受動的細胞溶解緩衝液を添加した。プレートを30分間振とう後、各ウェルのルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼアッセイシステム(カタログ番号E1501、Promega)を使用してPHERAstar(商標)マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH)で測定した。細胞生存率アッセイに関して、96ウェルプレートを室温で30分間置き、20μ/ウェルのCellTiter−Glo溶液(カタログ番号G7573、Promega)を添加し、10分振とうして、PHERAstar(商標)マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH)を用いて例に列挙した化合物により生じた細胞毒性を測定した。0.1%DMCOおよび刺激なしのウェルを陰性対照として使用し、0.1%DMSOおよび刺激有りのウェルを陽性対照として使用した。
【0201】
STAT3およびSTAT1レポーター遺伝子アッセイによって得た、STAT3およびSTAT1の二量体化に対する例に列挙した化合物の阻害効果に関する評価の結果を、以下の表6に示す。
【0203】
表6に示すとおりに、本発明による化合物は、STAT3タンパク質の活性に対して優れた阻害効果を示したが、STAT1タンパク質の活性に対しては阻害効果をほとんど示さなかった。
【0204】
実験例2)細胞増殖阻害アッセイ
がん細胞の増殖に対する本発明の化合物の阻害効果を以下に示すとおりに評価した。胃がん細胞株(NCI−N87)および乳がん細胞株(MDA−MB−468)を含むがん細胞株を、各供給者により提供されたプロトコル下で培養した。Tali(商標)Image−based Cytometer(Life Technologies)を使用して細胞の正確な数を計数することによって、実験で使用される各型の細胞を96ウェルプレートで継代培養した。96ウェルプレート中、NCI−N87を5,000個細胞/ウェルで用い;ならびにMDA−MB−468を10,000個細胞/ウェルで用いた。様々な濃度に希釈した例に列挙した化合物で細胞を処理した。化合物処理の完了後、NCI−N87細胞を5%CO
2下37℃で96時間培養し、MDA−MB−468細胞を空気中37℃で96時間培養した。その後、細胞を顕微鏡下で観察し、薬物沈殿および特定の所見を調査および記録した。次いで、96ウェルプレートを室温で30分間置き、20μL/ウェルのCellTiter−Glo溶液(カタログ番号G7573、Promega)を添加し、10分間振とうし、続いて、供給者の一般ルミノメータプロトコルに従ってPHERAstar(商標)マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH)を使用して測定にかけた。細胞播種なしで培養液だけを添加したウェルを陰性対照として使用し、培養液が例に列挙した化合物の代わりに0.1%DMSOを含有するウェルを陽性対照として使用した。
【0205】
がん細胞の増殖に対する例で調製した化合物の阻害効果の結果を、以下の表7〜表8に示す。
【0208】
表7〜表8に示すように、本発明による化合物は、様々な種類のがん細胞の増殖に対して優れた阻害効果を示した。