【課題を解決するための手段】
【0006】
課題の可能な解決は、ファン・インペラ尖頭部が、ベース本体に対する側面図に関して、ベース本体から突出していること、および/またはファン・インペラ羽根はその底部側がベース本体の外縁に対し間隔をなして終端し、これによりディフューザ領域を形成すること、および/または平面図においてファン・インペラ羽根の最大伸長半径がベース本体の最大伸長半径の1.5−0.6倍の間にあること、が意図されている、ファン・インペラにおける、本発明の第1の考え方により与えられている。提案された解決方法により、ファン・インペラの好ましい同一材料による一体の構造において、少なくともベース本体およびベース本体に配置されたファン・インペラ羽根の配置に関して、ファン・インペラの製造上有利な形態が与えられている。さらに、提案された解決方法は、ファン・インペラの運転中におけるその効率に関してもまた有利であることがわかる。特に、さらに好ましくは全てのファン・インペラ羽根の好ましくは半径方向内側の羽根入口端縁のファン・インペラ尖頭部は、ベース本体から回転軸線の方向に突出している。突出寸法、即ち、好ましくは回転軸線に対して平行に測定された、最上ベース本体面とファン・インペラ尖頭部との間の間隔は、この場合、同じ方向に見た、ファン・インペラ羽根のファン・インペラ尖頭部から羽根入口端縁のベース本体との結合領域までの間隔の0.5−1倍に対応することが好ましい。最上ベース本体面とファン・インペラ尖頭部との間の上記の間隔寸法は、回転軸線の方向に見た、最下ベース本体面と最上ベース本体面との間のベース本体の高さの約0.2−0.8倍に対応することがさらに好ましい。
【0007】
ファン・インペラ羽根の底部側は、さらに半径方向外側羽根出口端縁のベース本体との結合に関して、下部外縁ないしは下部ベース本体面に対して間隔をなして終端することが好ましい。回転軸線方向に見た、各ファン・インペラ羽根の端部から下部ベース本体面までの間隔寸法は、好ましい形態において、ファン・インペラ尖頭部のベース本体からの上記の突出寸法の0.2−1倍に対応し、回転軸線の方向に見た、最上ベース本体面および最下ベース本体面の間の間隔寸法の0.1−0.5倍に対応することがさらに好ましい。それに対応して羽根結合のないこの下部領域は、好ましい形態において、ディフューザ領域特にディフューザ部分領域を形成し、ディフューザ領域は、連続的に上昇する上記のベース本体の外側輪郭に基づいて、回転軸線に対して横方向に見て、ファン・インペラ羽根がベース本体において終端する面から、半径方向外方へ下部ベース本体面まで、回転軸線に関して連続的に拡大することが好ましい。
【0008】
側面図に関して、最上ベース本体面の上方に、好ましくはファン・インペラ羽根の全羽根面の20−50%に対応する、各ファン・インペラ羽根の羽根部分面が得られることがさらに好ましい。
【0009】
代替態様または組合せ態様として、平面図における回転軸線からのファン・インペラ羽根の最大伸長部の半径は、ベース本体の最大伸長部特に下部ベース本体面の領域内の最大伸長部の半径の0.6−1.5倍の値を有している。これに関して、平面図においてないしは最下ベース本体面への回転軸線方向の投影図において、ファン・インペラ羽根がベース本体の底部外周縁から外に出ないことがさらに好ましい。回転軸線からのファン・インペラ羽根の最大半径方向伸長寸法は、最大でも、特に下部ベース本体面の領域内のベース本体の最大半径方向伸長寸法に対応することがさらに好ましい。「最大でも」とは、特に、ベース本体の最大半径方向伸長寸法に関して、ファン・インペラ羽根の最大半径方向伸長寸法の、ベース本体の最大半径方向伸長寸法に対する1−5%の偏差を許容する範囲が含まれている。
【0010】
即ち、課題の他の可能な解決は、ファン・インペラ羽根が平面図において相互に重なり合うことなく形成されていることが意図されている、ファン・インペラにおける、本発明の他の考え方により与えられている。これは特に製造技術的利点を提供する。特に、さらに特にプラスチック射出成形法により製造された、同一材料で一体に形成されたベース本体およびそれに同時成形されたファン・インペラ羽根を備えたファン・インペラにおいて、即ち、射出成形過程後の離型に関して利点が得られる。このような離型は提案された解決方法によりスライダを用いることなく可能である。むしろ、好ましい形態において、射出成形過程の間に特にファン・インペラ羽根の間に存在する型要素はファン・インペラ尖頭部の方向にねじ山状に捩られる。それに対応して、これらの型要素は共通の上型に配置可能であり、離型の間にこの上型を介して捩り運動が達成される。ファン・インペラ羽根は、平面図において、ないしは直径が最大の最下ベース本体面への回転軸線方向の投影図において、好ましくはこのような投影図において1つのファン・インペラ羽根の部分領域が他のファン・インペラ羽根の部分領域を覆うことなく離れ離れに配置されている。
【0011】
上記の独立請求項1および2の特徴は、それぞれ独立に重要であるのみならず相互の各組み合わせにおいてもまた重要であり、この場合、さらに、1つの独立請求項1または2の特徴は他の独立請求項1または2の個々の特徴のみともまた組み合わせ可能である。
【0012】
本発明の他の特徴が、以下に、図面の説明においてもまた、しばしば先に既に説明された請求概念とのその好ましい関連において記載されている。しかしながら、これらは、ここに説明されているように、1つまたは複数の個々の特徴との関連においてもまた、特に上記の請求項との関連において、または独立に、あるいは他の全体概念において重要であろう。上記の請求項の手段を組み合わせることもまた可能である。
【0013】
即ち、好ましい一形態において、4−8枚のファン・インペラ羽根が設けられている。ファン・インペラが6枚のファン・インペラ羽根を有していることがさらに好ましく、この場合、いずれの場合も、ファン・インペラ羽根は回転軸線に関してファン・インペラの周方向に均等に分配配置されている。同様に、他の好ましい形態において、ファン・インペラ羽根が全て同じに形成され、並びにベース本体の外面上に全て同じに配置されている。
【0014】
他の好ましい形態において、回転軸線に関して半径方向内側の直線状に伸長する羽根入口端縁が回転軸線に対して35°−55°の角度を含む。即ち、特に、ファン・インペラ羽根に対する側面図に関して羽根の足線から好ましくは約45°半径方向外側に傾斜されて半径方向に向けられた羽根入口端縁が設けられている。
【0015】
ファン・インペラに対する側面図において、ベース本体の足側で羽根と結合されていないディフューザ領域は、特に外側輪郭に沿って、平面図における羽根長手端縁の伸長寸法の好ましくは0.5−0.9倍に対応する伸長寸法を有している。
【0016】
好ましい形態において、ファン・インペラのディフューザ領域は、羽根長手端縁の子午線長さの0.3−0.4倍に対応する子午線長さを有している。
【0017】
他の好ましい形態において、羽根出口端縁のベース本体内への移行部の半径寸法が羽根出口端縁の最大半径寸法の0.7−0.95倍に対応し、羽根出口端縁の最大半径寸法の0.8−0.9倍に対応することがさらに好ましい。これから、好ましい形態において、回転軸線に対して15°−35°、さらに好ましくは約25°の角度を含んで、ベース本体との結合部から半径方向外側に上昇する羽根出口端縁が得られる。
【0018】
羽根長手端縁の長さがベース本体との結合領域におけるファン・インペラ羽根の足線に関して0.5−0.9の比で与えられていることが好ましい。即ち、羽根長手端縁の子午線長さは足線の領域内の子午線羽根長さより小さいことがさらに好ましく、0.6−0.8の比で小さいことがさらに好ましい。
【0019】
好ましい形態において、ベース本体はほぼ円錐形の外側輪郭を有している。それに対応して、ファン・インペラを通る垂直断面図に関して、外側輪郭は、最下ベース本体面から出発して、半径方向外側から半径方向内側に連続的に且つ好ましくは均等に上昇するように形成され、この場合、半径方向外側から半径方向内側への輪郭線内において、輪郭伸長に対して横方向に、両側において円錐輪郭線に対して相対的に、最下ベース本体面および最上ベース本体面間の輪郭長さの20%以下、さらに好ましくは10%以下の偏差が与えられていてもよい。円錐外側輪郭内において、外側輪郭の回転軸線に対する相対的な傾斜角が、好ましくは30−60°さらに好ましくは45°の外側輪郭の回転軸線に対する傾斜角に対して、相対的に1−5°の偏差を有して、外側輪郭の長さにわたり異なっていてもよい。
【0020】
さらに、羽根出口端縁が断面において特に羽根長手端縁に平行に伸長する断面において丸みがつけられて形成されていることが好ましい。半径方向外側したがって好ましくは圧力側に付属されたこの丸み羽根出口端縁は、羽根厚さの0.4−0.9倍の半径を有することが好ましく、羽根厚さの0.5−0.8倍の半径を有することがさらに好ましい。この場合、羽根厚さは、特に羽根長手端縁の伸長方向に対して横方向に測定され、羽根出口端縁の半径寸法の10−30%だけ羽根出口端縁から離れた位置で測定されることがさらに好ましい。半径は羽根の圧力側に設けられていることが好ましい。
【0021】
他の好ましい形態において、羽根入口端縁が羽根インペラの平面図において羽根長手方向に対してほぼ横方向に伸長する平らな面を有するように設計されている。
【0022】
特に効率に関して、さらに、ファン・インペラ羽根が平面図において回転軸線から測定されて好ましくは35°−60°の円周角範囲(羽根巻付け角)内において伸長することがさらに好ましい。これに関して、特に平面図において好ましくは厳密に半径方向を向く羽根入口端縁から、羽根出口端縁のベース本体への移行部における足領域までの羽根巻付け角が40°−55°であることが好ましい。
【0023】
さらに、本発明は、ロータおよびステータと、並びに電動機を冷却するためにロータによって駆動されるファン・インペラと、を備えた電動機に関するものであり、この場合、ロータのロータ軸線がファン・インペラの回転軸線に対応し、さらに、空気の流動方向において、ロータに対して相対的に固定され且つステータを包囲する案内羽根装置がファン・インペラに後続し、さらに、電動機がモータ・ハウジング内に受け入れられている。
【0024】
即ち、さらに特に、装置さらに好ましくは手動操作装置内の軸等を駆動するための当該タイプの電動機が既知である。このような電動機によりファン・インペラを用いて空気流動もまた発生可能であり、これにより、例えば手動操作真空掃除機等において使用するために、このように形成されたモータ/ファン・ユニットが利用可能である。空気流動の少なくとも一部が電動機を冷却するために、特にロータおよびステータを冷却するために使用されることが好ましい。流動方向においてファン・インペラに後続する案内羽根装置は、空気流動を均等化するための、特にファン・インペラの領域内においてほぼ半径方向外側に排出された空気をファン・インペラないしはロータの少なくともほぼ回転軸線の方向に向けられた空気流動の方向に均等化するためのディフューザの形で使用されることが好ましい。
【0025】
既知の従来技術を考慮して、本発明の技術的課題は、当該タイプの電動機を、特に調節された空気流動を発生するためのファン・インペラとの協働に関してさらに改善することである。
【0026】
課題の可能な解決は、案内羽根が、電動機を包囲する二重壁の流動案内部分の半径方向中間空間内に、流動案内部分の壁と同一材料で、さらに好ましくは、同時に流動案内部分の壁と一体に構成されて形成されていることが意図されている、電動機における、本発明の第1の考え方により与えられている。それに対応して、案内羽根は半径方向内側のみならず半径方向外側もまた流動案内部分と結合されていることが好ましく、プラスチック射出成形法において同一材料による一体形態で流動案内部分を製造可能であることがさらに好ましい。これにより、有利な空気案内のほかに、さらに流動案内部分と案内羽根との一体の有利な製造もまた与えられる。好ましくはステータを包囲し、さらに好ましくはロータの回転軸線と同軸に形成された流動案内部分の内側壁およびさらに内側壁と好ましくは同軸に配置された流動案内部分の外側壁は、このように形成された壁の間のリング空間内に配置された案内羽根を介して相互に結合されている。この場合、流動案内部分は、ロータおよびロータ軸を含むステータさらに好ましくはファン・インペラ・カバーのような他の全ての構成要素がそれに固定されている、電動機のための中心構造要素を形成することがさらに好ましい。
【0027】
本発明の他の特徴が、以下に、図面の説明においてもまた、しばしば請求項10の対象または他の請求項の特徴とのその好ましい関連において記載されている。しかしながら、これらは、請求項10またはそれぞれ他の請求項の個々の特徴のみとの関連において、またはそれぞれ独立に重要であろう。
【0028】
即ち、好ましい一形態において、ファン・インペラが、縦断面内に与えられた、即ちその伸長内に回転軸線を含む面内に与えられた外側輪郭を設けたベース本体を有し、および流動案内部分の内側壁の外側輪郭がベース本体の外側輪郭に後続するように設計されている。電動機が、請求項1ないし9に記載の、または請求項1ないし9の1つまたは複数の特徴に記載のファン・インペラを備えていることが好ましい。流動案内部分の半径方向内側壁の外側輪郭は、それに対応して、特にファン・インペラへの移行領域内において、特にファン・インペラの流動案内部分側の端部領域の外側輪郭を受け取り、それに対応して、輪郭に関してファン・インペラの外側輪郭の延長を形成することがさらに好ましい。
【0029】
流動案内部分の内側壁の外側輪郭は連続的に湾曲されて伸長することがさらに好ましく、この場合、局部曲率半径は、特にファン・インペラへの輪郭移行領域内から流動方向に増大する。局部曲率半径は、子午線断面内の好ましくは円錐形のインペラ本体から、さらに好ましくは案内羽根もまた流動方向に見てそこで終端する、軸に平行な領域内まで続いていることが好ましい。
【0030】
案内羽根好ましくは全ての案内羽根は、ファン・インペラの回転軸線の方向に見たときに見えている案内羽根吸込側および案内羽根吸込側によって覆われている案内羽根圧力側を形成して、その流動方向伸長に対して横方向に湾曲されて縦断面内において伸長する。各案内羽根の曲率半径は、全伸長長さにわたり同じに選択されていることがさらに好ましく、平均半径に対して下方および/または上方に10−20%以下の偏差を有して少なくともほぼ同じに選択されていることがさらに好ましい。それに対応して、案内羽根は、案内羽根部分の内側壁および/または外側壁の周囲に関して、羽根圧力側が案内羽根から見て凸面におよび羽根吸込側が案内羽根から見て凹面に湾曲されて伸長するように湾曲されている。
【0031】
電動機の運転中にキャビテーションの危険性がある案内羽根の吸込側は、子午線断面内において断面を狭くし、それに対応して、流動案内部分の内側壁の外面と外側壁の内面との間を、案内羽根の圧力側に比較して狭くすることが好ましい。それに対応して、電動機の運転中に、各案内羽根の吸込側領域内に流動加速が発生する。これは、キャビテーションおよびそれによる効率低下および騒音を回避するために有利となる。
【0032】
羽根圧力側に、乱流境界層厚さの1−4倍に対応する深さを有する断面の急変が設けられていることが好ましい。これにより顕著な流動損失が発生せず、むしろ衝突渦流がステータ・パケットの良好な冷却を形成する。乱流境界層は実際に羽根圧力側の全面にわたり形成される。乱流境界層は、0.2−2.2mmの範囲内の厚さを有し、さらに好ましくは0.3−2mmの範囲内の厚さを有することがある。
【0033】
他の好ましい形態において、流動案内部分の内側壁の外側が縦断面内に周囲に分配されたオフセット領域を有し、オフセット領域は流動案内部分の内側壁の外面と外側壁の内面との間の間隔を半径方向に拡大させるように設計されている。
【0034】
この場合、オフセット領域内の子午線断面内の内側壁の外面の輪郭がロータ軸線に平行に伸長することが好ましい。代替態様として、オフセット領域内の内側壁は回転軸線に対して鋭角を有しているが、この角度は、他の好ましい形態において、さらに特に各案内羽根の吸込側の領域内において周方向に見たオフセット領域の外側に位置する内側壁の外面の輪郭より小さく選択されている。
【0035】
オフセット領域は平面図に関して案内羽根圧力側に付属されていることが好ましい。
特に空気流動による直接冷却のために、流動案内部分の内側壁がステータへの貫通部を有することが好ましい。それに対応して、ステータは、さらに好ましくは窓状に形成された貫通部の後側で、冷却空気がその周りを自由に流動するように位置している。即ち、内側壁の周囲に1−8個、さらに好ましくは2−4個のこのような貫通部が設けられていることがさらに好ましく、この場合、周方向に見て2つの案内羽根の間にそれぞれ1つの貫通部が設けられている。
【0036】
他の好ましい形態において、流動案内部分の内側壁はファン・インペラのための軸受領域と一体に且つ同一材料で結合され、この場合、軸受領域並びに流動案内部分の内側壁および外側壁は概して好ましくはモータ・ハウジングまたはその部分領域を形成することがさらに好ましい。
【0037】
これに関連して、縦断面に関して、モータ・ハウジングの固定領域内に形成されたファン・インペラの軸受領域がファン・インペラのベース本体に付属のカバー内、特に回転軸線の方向に見た垂直カバー内に存在するとき、それがさらに有利であることがわかる。それに対応して、特にそのベース本体を有するファン・インペラがモータ・ハウジングの軸受領域を包囲することが好ましい。
【0038】
他の好ましい形態において、モータ・ハウジングの軸受領域は、ファン・インペラの下部ベース本体面から、ないしは回転軸線に対して横方向に向く、ファン・インペラ・ベース本体の輪郭と内側壁の外側輪郭との間の分離面から、円錐形に、半径方向外側から半径方向内側におよびファン・インペラの方向に、直径を減少しながら伸長する。
【0039】
他の好ましい形態において、軸受領域は、回転軸線の方向に間隔をなしている2つの軸受特に転がり軸受により形成されていることがさらに好ましい。インペラおよび軸受領域からなる構造ユニットの重心は、軸方向において上記の転がり軸受の間に存在することが好ましい。インペラ側の上部転がり軸受に移動されることがさらに好ましい。
【0040】
転がり軸受は、それらが傾向として相互に引き離されるように圧縮ばねによって軸方向に付勢されていてもよいことがさらに好ましい。
【0041】
さらに、重心が回転軸線に対して横方向にモータ・ハウジングの軸受領域の円錐形状の領域内に存在することが好ましい。
【0042】
下部転がり軸受は回転軸線に対して横方向に電動機の巻線に重なっていることが好ましい。
【0043】
ファン・インペラの絶対寸法は、最大(下部)直径に関して25−35mm、さらに好ましくは約30mm、最大高さに関して15−25mm、さらに好ましくは約20mmの値を有している。
【0044】
さらに、上記の重心は、絶対寸法において、上部転がり軸受の下側約3−8mm、好ましくは5−6mmにあることが好ましい。
【0045】
ファン・インペラのベース本体は、特に縦断面内のその外側輪郭に関して、同様に少なくともほぼ円錐形に、さらに好ましくは内側輪郭に関しても円錐形に形成されていることが好ましく、これにより、ほぼ円錐台形状のベース本体が形成される。この場合、その内側輪郭は、子午線断面内において、ベース本体の外側輪郭に少なくともほぼ平行に伸長していることが好ましく、同時に軸受本体の外側輪郭に少なくともほぼ平行に伸長していることもまたさらに好ましい。
【0046】
即ち、カバー領域内において、軸受領域の外面とファン・インペラのベース本体の内面との間に半径方向外側から半径方向内側に上昇する隙間が形成されている。この場合、軸受領域の外面とベース本体の内面との間の、好ましくは面に対して直角に測定された隙間寸法として、好ましくは同じ方向に見たベース本体壁および/または軸受領域壁の厚さに対応する隙間寸法が選択されている。
【0047】
さらに、ファン・インペラ羽根より多い案内羽根が設けられているように設計されていることが好ましい。即ち、好ましい形態において、流動案内部分は12−20枚の案内羽根を有し、16枚の案内羽根を有していることがさらに好ましく、一方、インペラは4−8枚のファン・インペラ羽根を有していることが好ましく、6枚のファン・インペラ羽根を有していることがさらに好ましい。さらに、これに関して、案内羽根の数がファン・インペラ羽根の数の2−5倍に対応するように設計されていることが好ましい。
【0048】
ファン・インペラから流動案内部分の出口領域への直接騒音放射を阻止するために、ファン・インペラ羽根の最大半径寸法が流動案内部分の内側壁の外壁の領域内の半径寸法より小さいように設計されていることがさらに好ましい。これに関して、1:1.1−1:1.5の比が好ましい。好ましく設計されたファン・カバー壁における必要な音反射は騒音をさらに低減させる。
【0049】
好ましくは円錐形のインペラ内側と、同様に好ましくは円錐形に形成された軸受領域との間の、その高さ内における比較的一定の隙間は、液体および異物粒子が電動機の運転中に好ましくは軸受領域内に設けられた軸受から遠ざけられることを保証する。水平方向使用および電動機の停止時においてもまた、液体は形成された「水路」を介して下方に案内され且つ軸受から遠ざけられ、この場合、ベース本体は最下ベース本体面内のその外周端縁の領域内において水切り端縁を形成する。
【0050】
ファン・インペラ羽根の案内羽根に対する6:16の好ましい比は調性騒音成分を低減させる。
【0051】
さらに、本発明は、ロータおよびステータと、並びに電動機を冷却するためにロータによって駆動されるファン・インペラと、を備えた電動機に関するものであり、この場合、ロータのロータ軸線がファン・インペラの回転軸線に対応し、電動機がファン・インペラのロータ軸に対する軸受領域を備えたモータ・ハウジング内に受け入れられている。
【0052】
当該タイプの電動機は上記のように既知である。
既知の従来技術を考慮して、本発明の技術的課題は、特にロータのモータ・ハウジング内への有利な装着を可能にする当該タイプの電動機を提供することである。
【0053】
課題の可能な解決は、ロータ軸がスリーブ内に含められた1つまたは複数の転がり軸受を介して支持されること、および軸受領域内に、スリーブの周囲に分配配置された、ロータ軸の方向に伸長する複数のリブが形成され、リブは少なくともその一部が直接スリーブの外面に当接すること、が意図されている、電動機における、本発明の第1の考え方により与えられている。この場合、スリーブは軸受外輪の領域内に1つまたは複数の転がり軸受を含むことがさらに好ましく、スリーブは、外輪と、さらに好ましくは圧入結合により結合されていることがさらに好ましい。このスリーブにより、ロータ軸はモータ・ハウジング内ないしは軸受領域内に支持され、このために、軸受領域はスリーブのための対応受入部を有している。この軸受領域内に設けられたリブはロータ軸線に平行に伸長することが好ましい。リブを介して、軸受領域内のスリーブの少なくとも部分的に正確な装着ないしは直線状の装着が与えられる。さらに好ましい形態において、設けられたリブの一部のみがスリーブ外面に当接し、一方、場合により設けられた他のリブは、ロータ軸線に関して、スリーブに対して半径方向間隔をなして終端する。これにより、モータ・ハウジング内におけるロータ軸ないしはロータ軸スリーブの有利な位置決めが概して達成可能である。装着は概して簡単になる。
【0054】
本発明の他の特徴が、以下に、図面の説明内においてもまた、しばしば請求項17の対象または他の請求項とのその好ましい関連において記載されている。しかしながら、これらは、請求項17またはそれぞれ他の請求項の個々の特徴のみとの関連においてまたはそれぞれ独立に重要であろう。
【0055】
即ち、他の好ましい一形態において、スリーブの外面に関して隙間ばめを提供する1つまたは複数のリブが形成されているように設計されている。それに対応して、これらのリブは、半径方向内側へのこれらの伸長において、ロータ軸線の方向にロータ軸のスリーブの外面と間隔をなして終端する。好ましい形態において、間隔は0.1−1mmの値を有し、0.2−0.5mmの値を有することがさらに好ましい。この隙間ばめは軸受領域の内部におけるロータ軸スリーブの心出しをアシストするために使用されることが好ましい。さらに、隙間ばめを形成するために複数のリブが設けられていることが好ましく、これらのリブは周囲にわたり均等に分配配置されていることがさらに好ましい。即ち、隙間ばめを形成するために、2−6個特に3−4個のこのようなリブが設けられていることがさらに好ましい。
【0056】
さらに、スリーブの外面に関して圧入を提供する1つまたは複数のリブが形成されているように設計されていることが好ましい。この場合もまた、固定されるべきスリーブの周囲にわたり複数のリブ、即ち特に2−6個、さらに好ましくは3−4個のこのようなリブが配置されていることが好ましい。半径方向内側を向く自由な正面は、平面図ないしはロータ軸線に対する横方向断面図に関して円形線に沿って示され、これらの円形線はロータ軸線に対して同心に伸長することが好ましい。好ましい形態において、これらの円形線の直径は外壁の領域内のスリーブの外径に対応する。好ましい形態において、特にスリーブの外面に当接するリブは、ロータ軸スリーブを圧入させる。可能な一形態において、この圧入はモータ・ハウジング内にロータ軸を固定させるのみである。好ましい形態において、圧入は、はじめに、モータ・ハウジング内にロータ軸を予め位置決めするために使用され、その後に、他の手段によりロータ軸ないしはスリーブを最終的に固定させる。
【0057】
他の好ましい形態において、軸受領域内におけるロータ特にロータ軸のスリーブの最終的固定は接着により達成される。これに関連して、圧入は少なくとも接着剤が硬化するまでの間スリーブしたがってロータ軸を所定の位置に確実に保持するので、圧入を形成するために特に複数のリブが有利であることがわかる。この場合、接着剤は、圧入を形成するためのリブの領域内においてのみならず、隙間ばめを形成するためのリブの領域内においてもまた塗布されていてもよい。半径方向内側を向く、隙間ばめを形成するためのリブの自由な正面の領域内に、隙間を充填するための接着剤を塗布することが好ましい。
【0058】
隙間ばめまたは圧入を形成する正面に関して、リブの一方の部分がリブの他方の部分より大きい正面長さにわたって伸長するように設計されていることもまた好ましい。これに関して隙間ばめを形成するためのリブおよび圧入を形成するためのリブの好ましい交互配置において、特に、一方のグループのリブがロータ軸線の方向に見て他方のグループのリブより長く形成されている。
【0059】
即ち、隙間ばめリブが圧入リブより大きい長さにわたって伸長するように設計されていることが好ましい。隙間ばめリブは、まず第1に、希望の心出しにおいて、スリーブないしはロータ軸線の概略の心出しおよび安定化のために使用される。この場合、他の好ましい形態において、隙間ばめリブは、スリーブの少なくともほぼ軸方向長さにわたり、さらに好ましくは軸方向の全長にわたり伸長し、さらに、場合により、片側または両側においてスリーブを超えて伸長してもよい。スリーブの少なくとも一時的な固定に使用される圧入リブは、これに対してより短く形成され、この場合、隙間ばめリブの軸方向長さの0.3−0.9倍、さらに好ましくは0.4−0.7倍に対応する軸方向長さを有することが好ましい。
【0060】
他の好ましい形態において、軸方向に間隔をなして配置された、ロータ軸の2つの転がり軸受が設けられている。それらの軸受外輪は、スリーブにより包囲されていることが好ましく、スリーブと固定結合されていることがさらに好ましい。好ましい形態において、圧入リブはほぼ転がり軸受の間のスリーブ領域内において伸長し、それに対応して両方の転がり軸受間の軸方向間隔範囲内において伸長することがさらに好ましい。即ち、発生する締付力による転がり軸受の半径方向への影響が回避される。それに対応して、締付力は直接影響範囲外において作用することが好ましい。
【0061】
好ましい形態において、隙間ばめリブの正面が0.5−5mmの周方向伸長を有している。それに対応して、各隙間ばめリブの平らな正面が設けられ、この場合、他の好ましい形態において、この正面は、回転軸線に対する横方向断面に関して直線状に形成され、またはロータ軸線に対して同心に円弧状に形成されていることがさらに好ましい。圧入リブ好ましくは全ての圧入リブの正面は丸みがつけられていることが好ましく、ロータ軸線の方向を向く曲面により丸みがつけられていることが好ましい。即ち、スリーブの装着位置において、スリーブ表面の各圧入リブにおける線状当接が達成されていることが好ましい。
【0062】
開示に関して、上記および下記の与えられた範囲ないしは値範囲または倍数範囲は、一方で、与えられた範囲限界を下からおよび/または上から狭めるためにのみならず、その代わりにまたはそれに補足して、それぞれ与えられた範囲から1つまたは複数の特異値を開示するためにもまた、特にそれぞれの寸法の1/10ステップで、場合により無次元においては特に1.01倍等で、全ての中間値もまた含むものである。
【0063】
以下に、本発明が、実施例のみを示した添付図面により説明されている。したがって、実施例の1つに関してのみ説明された部分、および他の実施例においてそこで明らかになった特殊性に基づき、他の部分により(そのまま)置き換えられない部分は、この他の実施例に対してもまた、常に存在する可能な部分として説明されている。