(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6640285
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】フィルム延伸装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 55/20 20060101AFI20200127BHJP
B29C 55/04 20060101ALI20200127BHJP
B29L 7/00 20060101ALN20200127BHJP
【FI】
B29C55/20
B29C55/04
B29L7:00
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-124549(P2018-124549)
(22)【出願日】2018年6月29日
(65)【公開番号】特開2019-98740(P2019-98740A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2018年6月29日
(31)【優先権主張番号】201711230737.2
(32)【優先日】2017年11月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518231172
【氏名又は名称】東泰高科装備科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGTAI HI−TECH EQUIPMENT TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ・ジンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ミン
(72)【発明者】
【氏名】シェン・ビンビン
【審査官】
関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0202821(US,A1)
【文献】
特表2012−522662(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01147876(EP,A1)
【文献】
米国特許第06487902(US,B1)
【文献】
米国特許第05468138(US,A)
【文献】
米国特許第08641408(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 55/00−55/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材機及び移動部材を含み、前記固定部材は第1の固定板及び第2の固定板を含み、前記第1の固定板と前記第2の固定板は対向して設置されると共に、それぞれフィルムの両端を固定するために用いられ、前記移動部材は前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板に接続されて、前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板を移動させるように駆動することにより、前記フィルムを延伸し、
前記第1の固定板と前記第2の固定板にいずれも真空吸着孔が設置されることを特徴とするフィルム延伸装置。
【請求項2】
前記固定部材は、第1の押付板及び第2の押付板をさらに含み、前記第1の押付板と前記第2の押付板は、それぞれ前記第1の固定板と前記第2の固定板に対応して設置されて、前記フィルムの両端をそれぞれ前記第1の固定板と前記第2の固定板の上面に押し付けることを特徴とする請求項1に記載のフィルム延伸装置。
【請求項3】
前記固定部材は、駆動素子をさらに含み、前記駆動素子は前記第1の押付板と前記第2の押付板に接続されて、前記第1の押付板と前記第2の押付板が前記フィルムの両端をそれぞれ前記第1の固定板と前記第2の固定板の上面に押し付けるように制御することを特徴とする請求項2に記載のフィルム延伸装置。
【請求項4】
前記駆動素子は、第1の回転軸ドライバ及び第2の回転軸ドライバを含み、前記第1の回転軸ドライバは前記第1の押付板の回転軸に接続されて、前記第1の押付板を前記第1の固定板に向かって回転させるように制御し、前記第2の回転軸ドライバは前記第2の押付板の回転軸に接続されて、前記第2の押付板を前記第2の固定板に向かって回転させるように制御することを特徴とする請求項3に記載のフィルム延伸装置。
【請求項5】
真空発生装置をさらに含み、前記真空発生装置は前記真空吸着孔により前記フィルムを前記第1の固定板と前記第2の固定板に固定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム延伸装置。
【請求項6】
前記移動部材は押動素子及びガイドレールを含み、前記ガイドレールは前記フィルムの延伸方向に沿って設置され、前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板は前記ガイドレールに設置され、前記押動素子は前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板に接続されて、前記第2の固定板と前記第1の固定板を前記ガイドレールに沿って反対方向に移動させるように押動することを特徴とする請求項1に記載のフィルム延伸装置。
【請求項7】
前記押動素子はサーボモータ及びねじナット部材を含み、前記サーボモータの出力軸は軸継手により前記ねじナット部材に接続され、前記ねじナット部材はプッシュブロックにより前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板に接続されることを特徴とする請求項6に記載のフィルム延伸装置。
【請求項8】
固定板をさらに含み、前記サーボモータはモータホルダにより前記固定板に固定され、前記ねじナット部材はねじサポートにより前記固定板に固定され、前記ガイドレールは前記固定板に固定されることを特徴とする請求項7に記載のフィルム延伸装置。
【請求項9】
制御素子をさらに含み、前記制御素子はセンサ及びコントローラを含み、前記センサは、前記フィルムの延伸程度を検出すると共に、検出信号を前記コントローラに伝送するために用いられ、前記コントローラは、前記移動部材に接続されて、前記検出信号に基づいて、前記移動部材によって駆動された前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板の移動距離を制御することを特徴とする請求項8に記載のフィルム延伸装置。
【請求項10】
フィルムの両端をそれぞれ対向して設置された第1の固定板と第2の固定板に固定するステップS1と、
移動部材を起動して、第1の固定板と第2の固定板を反対方向に移動させるように駆動し、或いは第2の固定板を第1の固定板から離れる方向に沿って移動させるように駆動するステップS2とを含み、
ステップS1は、具体的には、
マニピュレーターによりフィルムを第1の固定板と第2の固定板に送るステップS11と、
第1の固定板と第2の固定板に対応すると共に、対向して設置された第1の押付板と第2の押付板を起動して、フィルムの両端を第1の固定板と第2の固定板の上面に押し付けるステップS12とを含み、
ステップS1の後に、
第1の固定板と第2の固定板がフィルムの両端を吸着するステップS13をさらに含むことを特徴とするフィルム延伸方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の技術分野に関し、特にフィルム延伸装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造プロセス過程において、フィルムをある程度の硬度のフレームに貼り付けて輸送及び後続の処理を行う必要があり、フィルムが柔らかいため、延伸によりフィルムの全面を平坦化してこそ正確に位置決めすることができ、その後にフレームに貼り付ける。現在、該分野のフィルムは、フレームに貼り付ける前に延伸されず、貼り付けられた後にフィルムにしわが付き、かつフィルムの延伸前に正確に位置決めすることができないという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(一)解決しょうとする技術的問題
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来のフィルムがフレームに貼り付けられた後にしわが出るという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(二)技術手段
上記技術的問題を解決するために、本発明は、固定部材及び移動部材を含み、前記固定部材は第1の固定板及び第2の固定板を含み、前記第1の固定板と前記第2の固定板は対向して設置されると共に、それぞれフィルムの両端を固定するために用いられ、前記移動部材は前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板に接続されて、前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板を移動させるように駆動することにより、前記フィルムを延伸するフィルム延伸装置を提供する。
【0005】
前記固定部材は、第1の押付板及び第2の押付板をさらに含み、前記第1の押付板と前記第2の押付板は、それぞれ前記第1の固定板と前記第2の固定板に対応して設置されて、前記フィルムの両端をそれぞれ前記第1の固定板と前記第2の固定板の上面に押し付ける。
【0006】
前記固定部材は、駆動素子をさらに含み、前記駆動素子は前記第1の押付板と前記第2の押付板に接続されて、前記第1の押付板と前記第2の押付板が前記フィルムの両端をそれぞれ前記第1の固定板と前記第2の固定板の上面に押し付けるように制御する。
【0007】
前記駆動素子は、第1の回転軸ドライバ及び第2の回転軸ドライバを含み、前記第1の回転軸ドライバは前記第1の押付板の回転軸に接続されて、前記第1の押付板を前記第1の固定板に向かって回転させるように制御し、前記第2の回転軸ドライバは前記第2の押付板の回転軸に接続されて、前記第2の押付板を前記第2の固定板に向かって回転させるように制御する。
【0008】
前記第1の固定板と前記第2の固定板にいずれも真空吸着孔が設置される。
真空発生装置をさらに含み、前記真空発生装置は前記真空吸着孔により前記フィルムを前記第1の固定板と前記第2の固定板に固定する。
【0009】
前記移動部材は押動素子及びガイドレールを含み、前記ガイドレールは前記フィルムの延伸方向に沿って設置され、前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板は前記ガイドレールに設置され、前記押動素子は前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板に接続されて、前記第2の固定板と前記第1の固定板を前記ガイドレールに沿って反対方向に移動させるように押動する。
【0010】
前記押動素子はサーボモータ及びねじナット部材を含み、前記サーボモータの出力軸は軸継手により前記ねじナット部材に接続され、前記ねじナット部材はプッシュブロックにより前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板に接続される。
【0011】
固定板をさらに含み、前記サーボモータはモータホルダにより前記固定板に固定され、前記ねじナット部材はねじサポートにより前記固定板に固定され、前記ガイドレールは前記固定板に固定される。
【0012】
制御素子をさらに含み、前記制御素子はセンサ及びコントローラを含み、前記センサは、前記フィルムの延伸程度を検出すると共に、検出信号を前記コントローラに伝送するために用いられ、前記コントローラは、前記移動部材に接続されて、前記検出信号に基づいて、前記移動部材によって駆動された前記第1の固定板及び/又は前記第2の固定板の移動距離を制御する。
【0013】
本発明は、フィルムの両端をそれぞれ対向して設置された第1の固定板と第2の固定板に固定するステップS1と、
移動部材を起動して、第1の固定板と第2の固定板を反対方向に移動させるように駆動し、或いは第2の固定板を第1の固定板から離れる方向に沿って移動させるように駆動するステップS2とを含むフィルム延伸方法をさらに提供する。
【0014】
ステップS1は、具体的には、
マニピュレーターによりフィルムを第1の固定板と第2の固定板に送るステップS11と、
第1の固定板と第2の固定板に対応すると共に、対向して設置された第1の押付板と第2の押付板を起動して、フィルムの両端を第1の固定板と第2の固定板の上面に押し付けるステップS12とを含む。
【0015】
ステップS12の後に、
第1の固定板と第2の固定板がフィルムの両端を吸着するステップS13をさらに含む。
【0016】
ステップS1は、具体的には、
マニピュレーターによりフィルムを第1の固定板と第2の固定板に送るステップS11と、
第1の固定板と第2の固定板がフィルムの両端を吸着するステップS12とを含む。
【発明の効果】
【0017】
(三)有益な効果
本発明の上記技術手段は、以下の利点を有する。本発明のフィルム延伸装置及び方法は、固定部材の第1の固定板及び第2の固定板によりフィルムの両端を固定した後、移動部材により第1の固定板と第2の固定板を同時に移動させるように駆動するか、又は第1の固定板又は第2の固定板を単独に移動させるように駆動することにより、第1の固定板と第2の固定板は互いに離れて移動して、フィルムの延伸を実現し、最終的にフィルムの全面をしわが付かないように平坦化し、その正確な位置決めに便利となり、貼付後にしわが出るという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施例のフィルム延伸装置の構造概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例のフィルム延伸装置のフィルム延伸前の構造概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例のフィルム延伸装置のフィルム延伸後の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上述した本発明の解決しようとする技術的問題、技術手段を構成した技術的特徴、及びこれらの技術手段の技術的特徴の利点以外、本発明の他の技術的特徴及びこれらの技術的特徴の利点は、図面を参照しながらさらに説明する。
【0020】
本発明の実施例の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例の技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で取得した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0021】
本発明の説明において、説明すべきことは、別に明確な規定及び限定を有しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」を広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であっても、着脱可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的接続であっても、電気的接続であってもよく、直接接続であっても、中間媒体による間接的接続であっても、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0022】
また、本発明の説明において、別に記載されない限り、「複数」、「複数本」、「複数グループ」の意味は2つ又は2つ以上であり、「いくつか」、「いくつの本」「いくつのグループ」の意味は1つ又は1つ以上である。
【0023】
図1、
図2及び
図3に示すように、本発明の実施例に係るフィルム延伸装置は、固定部材1及び移動部材2を含み、固定部材1は第1の固定板11及び第2の固定板12を含み、第1の固定板11と第2の固定板12は対向して設置されると共に、それぞれフィルム5の両端を固定するために用いられ、移動部材2は第1の固定板11及び/又は第2の固定板12に接続されて、第1の固定板11及び/又は第2の固定板12を移動させるように駆動することにより、フィルム5を延伸する。
【0024】
本発明のフィルム延伸装置は、固定部材の第1の固定板11及び第2の固定板12によりフィルム5の両端を固定した後、移動部材2により第1の固定板11と第2の固定板12を同時に移動させるように駆動するか、又は第1の固定板11又は第2の固定板12を単独に移動させるように駆動することにより、第1の固定板11と第2の固定板12は互いに離れて移動して、フィルム5の延伸を実現し、最終的にフィルム5の全面をしわが付かないように平坦化し、その正確な位置決めに便利となり、貼付後にしわが出るという問題を解決する。
【0025】
フィルム5の両端は、貼付、押付、吸着等の方式で第1の固定板11と第2の固定板12に固定され、本実施例では、押付と吸着の組み合わせ方式を用いるため、固定部材1は、第1の押付板13及び第2の押付板14をさらに含み、第1の押付板13と第2の押付板14は、それぞれ第1の固定板11と第2の固定板12に対応して設置されて、フィルム5の両端をそれぞれ第1の固定板11と前記第2の固定板12の上面に押し付ける。第1の押付板13と第2の押付板14は、まずフィルム5を第1の固定板11と第2の固定板12に予め押し付けた後、第1の固定板11、第2の固定板12は吸着し固定することにより、吸着の成功率を保証し、フィルムの固定程度を効果的に向上させることができる。固定部材1は、駆動素子15をさらに含み、駆動素子15は第1の押付板13と第2の押付板14に接続されて、第1の押付板13と第2の押付板14がフィルム5の両端をそれぞれ第1の固定板11と第2の固定板12の上面に押し付けるように制御する。駆動素子15は、伸縮シリンダ等のような装置で線形駆動して、第1の押付板13と第2の押付板14の昇降を制御してフィルム5を押し付けてもよく、揺動シリンダ、モータ等のような装置で回転駆動して、第1の押付板13と第2の押付板14を反転して合わせるように制御してフィルム5を押し付けてもよい。かつ、第1の押付板13と第2の押付板14にそれぞれドライバが設置されてもよいし、両者に共通に一つのドライバが設置されてもよい。
【0026】
具体的には、本実施例は、2つの押付板をそれぞれ反転して合わせるための駆動素子15が設置され、駆動素子15は第1の回転軸ドライバ151及び第2の回転軸ドライバ152を含み、第1の回転軸ドライバ151は第1の押付板13の回転軸に接続されて、第1の押付板13を第1の固定板11に向かって回転させるように制御し、第2の回転軸ドライバ152は第2の押付板14の回転軸に接続されて、第2の押付板14を第2の固定板12に向かって回転させるように制御する。第1の回転軸ドライバ151は、第1の押付板13を第1の固定板11に向かって90°往復回転させるように制御することができ、第2の回転軸ドライバ152は、第2の押付板14を第2の固定板12に向かって90°往復回転させるように制御することができ、延伸前にフィルム5の押付板による押付と延伸終了後にフィルム5から押付板の離れを実現する。本実施例において、第1の回転軸ドライバ151は、ボルトにより第1の固定板11に接続され、第2の回転軸ドライバ152は、ボルトにより第2の固定板12に接続される。
【0027】
第1の固定板11と第2の固定板12にいずれも真空吸着孔3が設置される。第1の固定板11と第2の固定板12の頂面に一定数量の真空吸着孔3を有し、垂直方向に真空吸着力を提供してフィルム5を吸着するために用いられ、真空吸着力は、一定の吸着力を保証すると共に、フィルム5に与える破壊力が小さいため、フィルム5を吸着延伸の過程において破損しない。第1の押付板13と第2の押付板14は、フィルム5を押し付けた後、第1の固定板11と第2の固定板12はそれを吸着し固定することにより、吸着固定の効果を確保することに役立つ。
【0028】
本発明のフィルム延伸装置は、真空発生装置をさらに含み、真空発生装置は真空吸着孔3によりフィルム5を第1の固定板11と第2の固定板12に固定する。第1の固定板11と第2の固定板12が真空吸着力を発生することは、いずれも真空発生装置によって実現される。本発明の他の実施例において、操作を容易にするために、押付板を使用せず、固定板に吸着孔又は帯状吸着溝のみを設置してフィルムの固定を実現することができる。
【0029】
さらに、移動部材2は押動素子21及びガイドレール22を含み、ガイドレール22はフィルム5の延伸方向に沿って設置され、第2の固定板12はガイドレール22に設置され、押動素子21は第2の固定板12に接続されて、第2の固定板12をガイドレール11に沿って第1の固定板11から離れる方向に移動させるように押動する。第2の固定板12の底部はボルトによりスライドブロックに接続され、スライドブロックはガイドレール22に設置されると共に、ガイドレール22に沿って直線摺動する。押動素子21は、シリンダ押動又はねじナット等のような直線往復を実現できる駆動素子を選択してもよい。本発明の他の実施例において、第1の固定板と第2の固定板にいずれもガイドレールが取付けられてもよく、押動素子は別個又は同時に第1の固定板及び第2の固定板を制御して、第1の固定板と第2の固定板を反対方向に移動させるように押動する。
【0030】
さらに、押動素子21はサーボモータ211及びねじナット部材212を含み、サーボモータ211の出力軸は軸継手213によりねじナット部材212に接続され、ねじナット部材212はプッシュブロック214により第2の固定板12に接続される。本実施例は、モータ駆動ねじを押動素子21として選択し、被駆動素子の進退距離を容易かつ正確に制御することができる。サーボモータ211が動作するとき、ねじナット部材212のねじを回転させるように駆動することができ、ねじの回転によりねじナット部材212のナットをねじで直線移動させるように駆動し、ナットが移動すると、ナットに接続されたプッシュブロック214を移動させるように駆動することにより、第2の固定板12をガイドレール22で直線往復移動させるように駆動して、フィルム5の延伸を実現する。
【0031】
本発明のフィルム延伸装置は、固定板4をさらに含み、第1の固定板11が固定板4に固定され、サーボモータ211がモータホルダ41により固定板4に固定され、ねじナット部材212がねじサポート42により固定板4に固定され、ガイドレール22がいずれも固定板4に固定される。ガイドレール22はボルトにより固定板に固定される。モータホルダ41は、一端がボルトによりサーボモータ211に接続され、他端が固定板4に固定される。ねじナット部材212は、ねじサポート42により固定板4に固定され、ねじサポート42は支持側ねじサポート、固定側ねじサポートを含み、支持側ねじサポート、固定側ねじサポートはボルトにより固定板4に固定され、ボルト構造は容易に着脱される。
【0032】
本発明のフィルム延伸装置は、制御素子をさらに含み、制御素子はセンサ及びコントローラを含み、センサは、フィルム5の延伸程度を検出すると共に、検出信号をコントローラに伝送するために用いられ、コントローラは、移動部材2に接続され、検出信号に基づいて、移動部材2によって駆動された第1の固定板11及び/又は第2の固定板12の移動距離を制御する。コントローラはセンサによって検出されたフィルム5の延伸情報を取得することにより、押動素子21の起動停止の動作を制御し、フィルム5の延伸程度を一致させることを保証し、フィルム5が過度の延伸により破裂して破損することを防止する。
【0033】
本発明の実施例は、フィルム5の両端をそれぞれ対向して設置された第1の固定板11と第2の固定板12に固定するステップS1と、
移動部材2を起動して、第1の固定板11と第2の固定板12を反対方向に移動させるように駆動し、或いは第2の固定板12を第1の固定板11から離れる方向に沿って移動させるように駆動するステップS2とを含むことを特徴とするフィルム延伸方法をさらに提供する。
【0034】
ステップS1は、具体的には、
マニピュレーターによりフィルム5を第1の固定板11と第2の固定板12に送るステップS11と、
第1の固定板11と第2の固定板12に対応すると共に、対向して設置された第1の押付板13と第2の押付板14を起動して、フィルム5の両端を第1の固定板11と第2の固定板12の上面に押し付けるステップS12とを含む。
【0035】
本発明のフィルム延伸装置は、まず第1の押付板13と第2の押付板14によりフィルム5の両端をそれぞれ第1の固定板11と第2の固定板12に押し付け、移動部材2により第1の固定板11と第2の固定板12を同時に移動させるように駆動するか、又は第1の固定板11又は第2の固定板12を単独に移動させるように駆動することにより、第2の固定板12と第1の固定板11は互いに離れて移動して、フィルム5の延伸を実現し、最終的にフィルム5の全面をしわが付かないように平坦化し、その正確な位置決めに便利となり、貼付後にしわが出るという問題を解決する。
【0036】
ステップS12の後に、
第1の固定板11と第2の固定板12がフィルム5の両端を吸着するステップS13を含む。
【0037】
本発明のフィルム延伸方法において、第1の固定板11と第2の固定板12にフィルム5を固定する方式は押付固定に限定されず、本実施例において、第1の固定板11と第2の固定板12は吸着機能をさらに備え、第1の押付板13と第2の押付板14が押し付けた後、第1の固定板11と第2の固定板12はフィルム5をさらに吸着し固定する。理解すべきことは、本発明は吸着の方式でフィルムを固定することができる。
【0038】
要約すると、本発明のフィルム延伸装置及び方法は、固定部材の第1の固定板及び第2の固定板によりフィルムの両端を吸着し固定した後、移動部材により第1の固定板と第2の固定板を同時に移動させるように駆動するか、又は第1の固定板又は第2の固定板を単独に移動させるように駆動することにより、第1の固定板と第2の固定板は互いに離れて移動して、フィルムの延伸を実現し、最終的にフィルムの全面をしわが付かないように平坦化し、その正確な位置決めに便利となり、貼付後にしわが出るという問題を解決する。
【0039】
最後に、説明すべきことは、以上の実施例は本発明の技術手段を説明するものに過ぎず、それを限定するものではなく、前述の実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、依然として前述の各実施例に記載の技術手段を修正するか、又はその中の一部の技術的特徴に同等置換を行うことができると共に、これらの修正又は置換は、対応する技術手段の本質を本発明の各実施例の技術手段の主旨及び範囲から逸脱させることができないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 固定部材、2 移動部材、3 真空吸着孔、4 固定板、5 フィルム、11 第1の固定板、12 第2の固定板、13 第1の押付板、14 第2の押付板、15 駆動素子、21 押動素子、22 ガイドレール、41 モータホルダ、42 ねじサポート、151 第1の回転軸ドライバ、152 第2の回転軸ドライバ、211 サーボモータ、212 ねじナット部材、213 軸継手、214 プッシュブロック。