特許第6640366号(P6640366)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6640366二次シールを備えるプロセス変数測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6640366
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】二次シールを備えるプロセス変数測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01K 13/02 20060101AFI20200127BHJP
   G01K 1/14 20060101ALI20200127BHJP
   G01L 19/00 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   G01K13/02
   G01K1/14 B
   G01L19/00 101
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-543014(P2018-543014)
(86)(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公表番号】特表2018-533025(P2018-533025A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】US2016059983
(87)【国際公開番号】WO2017079194
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2018年6月29日
(31)【優先権主張番号】14/934,998
(32)【優先日】2015年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ティース,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】リャガス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ティール,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】バウシュケ,ディルク
【審査官】 平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−138044(JP,U)
【文献】 実開昭57−006035(JP,U)
【文献】 特開平02−044662(JP,A)
【文献】 特表平04−505662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00−19/00
G01L 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス変数を感知するための装置であって、:
筐体と;
プロセス変数によって変化する電気的特性を有するプロセス変数センサと;
プロセス変数センサが第一のシールド部分に対して取り付けられ、プロセス流体に曝されるように構成される第一のシールド部分と;
第一のシールド部分を筐体から流動的に隔離する少なくとも一つのセラミック粉末シールを有する第二のシールド部分であって、第一のシールド部分を筐体に連結させる第二のシールド部分と、
第一のシールド部分の侵害後にプロセス流体を受けいれ、応答を生成する圧力応答システムであって、第二のシールド部分に結合されたマニホールドを有する圧力応答システムと、を含む装置。
【請求項2】
筐体内に配置された端子台をさらに含み、端子台がプロセス変数センサに連結された複数の端子を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
プロセス変数センサが少なくとも部分的にグラスファイバーケーブルによって端子台に連結される、請求項2記載の装置。
【請求項4】
第一のシールド部分がサーモウェルを含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
第二のシールド部分が第二のシールド部分の内側に連結された圧力ポートを包含する、請求項1記載の装置。
【請求項6】
圧力ポートに連結された圧力スイッチをさらに含む、請求項5記載の装置。
【請求項7】
圧力ポートに連結された弁をさらに含む、請求項5記載の装置。
【請求項8】
圧力ポートに連結された圧力表示装置をさらに含む、請求項5記載の装置。
【請求項9】
第二のシールド部分がそこを通る電気的導体を有する請求項1記載の装置。
【請求項10】
電気的導体が裸である、請求項9記載の装置。
【請求項11】
電気的導体がニッケルから形成される、請求項10記載の装置。
【請求項12】
電気的導体が銅から形成される、請求項10記載の装置。
【請求項13】
筐体内に配置されプロセス変数センサに連結されたプロセス変数測定電子機器をさらに含み、
プロセス変数測定電子機器がプロセス変数センサの電気的特性を測定し、測定された電気的特性に基づいてプロセス変数出力を決定し、プロセス変数出力を通信するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項14】
プロセス変数電子機器が第二のシールされた空間に連結された圧力スイッチに連結され、プロセス変数測定電子機器がプロセス変数出力のみならず第一のシールド部分の侵害の表示も提供するように構成される、請求項13記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
【0002】
工業プロセス制御システムは、流体または同種のものを作製または輸送する工業プロセスを監視および制御するために使用される。そのようなシステムでは、通常、「プロセス変数」、例えば、温度、圧力、流速、レベルなどを測定することは、重要である。プロセス制御センサおよびトランスミッタは、プロセス変数を測定し、測定されたプロセス変数に関する情報を中央の場所、例えば、中央制御室まで伝送する。また、一部のプロセス変数トランスミッタは、情報を他のプロセス装置にも伝送することができる。
【0003】
プロセス変数測定の例は、プロセス流体圧力測定、プロセス流体流量測定、プロセス流体温度測定、プロセス流体レベル測定などを包含する。そのような装置のセンサは、通常、プロセス流体(液体または気体)に曝され、プロセス制御をもたらすために、関連パラメータが測定され、監視および/または制御システムに伝送されることができる。プロセス変数の正確かつ詳細な測定を提供することが効果的なプロセス制御のために重要である一方で、より基本的な要求は、プロセス流体自体が漏れてはならないことである。したがって、プロセス変数測定ポイントは、プロセス設備にいかなる漏れも発生させてはならない。加えて、そのようなプロセス装置を維持することを課せられた保守要員がその保守活動を実施するに際し危険に曝されないようにすることも重要である。
【0004】
多くの工業プロセス測定用途において、シールは、プロセス流体漏れを防ぐために必要である。シールまたは圧力バリアは、工場要員の安全を確保するためにプロセス流体を封じ込める機械的な構造である。このため、一次シールまたは圧力バリアは、プロセス流体測定システムにとって非常に重要である。安全かつロバストなシステムを提供するために、一部の用途は、一次シールの故障の場合に工場要員の安全を確保するために、冗長シールまたは圧力バリアを要する。したがって、一次シール(例えば、サーモウェル)が故障の場合、プロセス流体は、なおも二次シールまたは圧力バリアによって封じ込められる。
【0005】
発明の概要
【0006】
プロセス変数を感知するための装置は、筐体と、プロセス変数によって変化する電気的特性を有するプロセス変数センサとを包含する。第一のシールド部分は、プロセス流体に曝されるように構成される。プロセス変数センサは、第一のシールド部分に対して取り付けられる。第二のシールド部分は、第一のシールド部分を筐体に連結させる。第二のシールド部分は、第一のシールド部分を筐体から流動的に隔離する少なくとも一つのシールを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施態様が特に適用可能である、サーモウェル(102)、温度センサ(サーモウェル102内)、トランスミッタ筐体(104)および温度トランスミッタ電子機器(108)からなるプロセス温度測定ポイント(100)の模式図である。
図2】サーモウェルが侵害された、さもなければその中にプロセス流体圧力(114)を許容するときにサーモウェル(102)から温度センサモジュール(110)を取り外した結果を示す模式図である。
図3A】本発明の実施態様に従う、少なくとも一つの二次シールを採用するプロセス流体温度感知システムの模式図である。
図3B】サーモウェルと無機絶縁(MI)ケーブルの両方が侵害されたときの図3Aに示す装置の部分の拡大図である。
図3C】本発明の一つの実施態様に従う、付属部品ポートに連結された一部の異なるタイプの圧力検知、表示および/または逃し付属部品の模式図である。
図3D】本発明のもう一つの実施態様に従う、プロセス流体測定システムの模式図である。
図4A】本発明のもう一つの実施態様に従う、デュアルシールを備えるプロセス変数測定システムの模式図である。
図4B】本発明の実施態様に従う、サーモウェル(194)に動作可能に連結可能な図4Aに示すプロセス変数温度測定システムを図示する模式図である。
図5】本発明の実施態様に従う、「バンストン」型サーモウェルの模式断面図である。
図6】本発明の実施態様に従う、プロセス温度測定アセンブリの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明を実施するための形態
【0009】
プロセス工場に対する安全を強化するために、追加的なシール選択肢を提供することは、ますます重要になっている。先に説明したように、一次シールが故障した場合、それは、保守技術者が無意識のうちに加圧されたプロセス流体に直接曝される危険な状態を生み出し得る可能性がある。本明細書に記載された実施態様に従って、追加的な二次シール/圧力バリアは、プロセス流体圧力を封じ込めるのみならず、ユーザーまたは保守技術者に一次シールの侵害を潜在的に警告するためにも提供される。本明細書に記載された実施態様が一般的に特定のタイプのプロセス変数測定アセンブリ(プロセス流体温度測定アセンブリ)に重点を置く一方で、本発明の実施態様が任意の好適なプロセス変数を感知する任意の好適なタイプのプロセス変数センサによって具体化され得ることは、明白に考えられる。それゆえに、当業者は、本発明の実施態様がプロセス流体圧力測定、プロセス流体流量測定、プロセス流体レベル測定およびその他によって具体化され得ることがわかる。
【0010】
図1は、それによって本発明の実施態様が特に適用可能であるプロセス流体温度測定ポイントの模式図である。プロセス流体温度測定アセンブリ100は、一般的に、管継手106を介してもう一つの装置または制御室にプロセス流体温度情報を伝えるために、好適な電子トランスミッタを含有することができる筐体104に連結されたサーモウェル102を包含する。また、筐体104は、プロセス流体温度を示唆する情報を提供するために、ローカルディスプレイ、例えば、ディスプレイ108を包含することもできる。サーモウェル102は、一般的に、少なくとも一つの温度センサ、例えば、温度によって変化する電気的パラメータ(抵抗)を有する測温抵抗体(RTD)を含有する。抵抗は、ローカルディスプレイ108を介してまたは管継手106を介して他の装置に伝えられることができるプロセス変数出力を提供するために、筐体104内の回路によって測定され、電子機器、例えば、マイクロプロセッサによって動作する。
【0011】
サーモウェル102は、一般的に、プロセス流体と直接接触するように構成される。このため、サーモウェル102は、プロセス流体との接触に起因するエロージョンまたは疲労を経験し得る。エロージョンまたは疲労がサーモウェル102を侵害する場合には、プロセス流体は、サーモウェル102に入り、センサ110/124を通り、筐体104を加圧し、管継手106に連結された管さえも加圧する可能性がある。加圧された流体は、マーシャリングパネルに戻り、場合によっては制御室に戻り、管システム全体さえも加圧し得る。これは、極めて望ましくない。
【0012】
図2は、サーモウェル102が侵害された、さもなければプロセス流体圧力をその中に許容するときに技術者がサーモウェル102から温度センサモジュール110を取り外した結果を示す模式図である。先に説明したように、これは、サーモウェル102のコロージョンによってまたはサーモウェル102の亀裂(疲労に起因する可能性がある)もしくは他の機械的な問題によって引き起こされ得る。いずれにしても、サーモウェル102が侵害されたとき、温度センサモジュール110のMIケーブルが圧力を維持することが可能であると仮定すると、プロセス流体は、サーモウェルに流れ、温度センサモジュール110を加圧し得る。無機絶縁ケーブルが圧力を封じ込めることが可能でない場合、圧力は、筐体、例えば、筐体104(図1に示す)に流れ、これは望ましくない。MIケーブルがプロセス圧力を保持する場合、プロセス圧力は、保守技術者がサーモウェル102から温度センサモジュール110を切り離し始めるまで、温度センサモジュール110に作用する。ねじが切り離されると、引火性、有毒または非常に熱いプロセス流体が漏れ得て、温度センサモジュール110が矢印114の方向への有意な力によって吹き飛ばされ、プロセス流体圧力がサーモウェル102から表に流れ得る、激しい切り離しが起こり得る。これは、保守技術者または工場内の他の要員に対する安全上のリスクおよび環境被害を生み出し得る。それゆえに、一次圧力シール/バリアの侵害が安全にかつ効果的に対処されることは、重要である。
【0013】
図3Aは、本発明の実施態様に従う、少なくとも一つの二次シールを採用するプロセス流体温度感知システムの模式図である。温度センサアセンブリ120は、端子台121、頭部取り付け型温度電子機器モジュールまたは任意の他の好適な電子機器アセンブリを収容することができる筐体122を包含する。図3Aに示す実施態様では、筐体122は、プローブ124に提供された温度センサになされる電気的相互接続を可能にする、その中に取り付けられた端子台121を有する。プローブ124は、任意の好適な数の温度センサを含有することができる。さらに、温度センサのタイプは、異ならせることができ、熱電対、RTD、サーミスタまたは他の好適な装置を非限定的に包含する。プローブ124は、一般的に、プロセス流体に直接連結するサーモウェル(図3Aには図示せず)内に取り付けられる。温度センサプローブ124は、本体126に取り付けられ、一つの実施態様では、ばね仕掛けにされ、温度センサプローブ124が矢印128の方向に移動可能であるようにする。このプローブ124の移動は、温度センサプローブ124が直接サーモウェルの内部端で静止し、それによってサーモウェルとの効果的な熱的接触を確保することを確実にすることに役立つ。本体126は、一般的に、ユニオン134を介して合わせて連結される一対の圧縮フィッティング130、132から形成される。フィッティング130、132およびユニオン134は、一般的に、最大プロセス流体圧力に耐えるように設計される。これは、サーモウェルシールが故障した場合には、プロセス流体圧力がフィッティング130、132および134内を進むためである。一つの実施態様では、フィッティング130および132は、ステンレス鋼から形成され、最高で270バールまで耐えるように設計される圧縮フィッティングである。圧縮フィッティング132内では、端子台または他の好適な電気的相互接続は、プローブ124内の温度センサのリード線との相互接続を容易にするために提供されることができる。設置後、圧縮フィッティング132は、正常保守中の交換のために内部端子台からセンサリード線を外すことを可能にするために、必要に応じて緩めたり、締め直したりすることができる。
【0014】
少なくとも一部の状況では、一次シール/圧力バリアの侵害が起こったとき、プロセス変数測定アセンブリが感知および/または潜在的に表示することは望ましい。一つの実施態様に従って、圧縮フィッティング132は、一つまたは複数のポート138、140を有するマニホールド136に連結される。図3Aに示す実施態様では、ポート138、140の各々は、プラグで塞がれる。しかし、ポート138、140は、一次シールが故障したときに状態が感知されることができるおよび/または改善措置を取ることができるように、他の装置がプロセス流体温度センサアセンブリ120の内部空間に連結されることを可能にする。以下により詳細に記載されるそのような装置の例は、プロセス流体温度測定アセンブリが加圧されるときに、圧力を感知さもなければ表示するまたは圧力が安全に放出さもなければ取り除かれることを制御可能に許容することが可能である、弁、圧力スイッチ、プロセス流体圧力測定システムまたは任意の他の装置を包含する。
【0015】
この実施態様では、マニホールド136は、その中にカプラ144がねじ込まれる、内部をねじ切りされた部分142を有する。カプラ144は、二次破砕セラミック粉末シール146にも連結される。一つの実施態様では、シール146は、破砕セラミック粉末シーリング方法を使用する1/4インチNPTフィッティングである。破砕セラミック粉末シール146を通る配線は、一般的に、裸であり、導体それら自体が破砕セラミック粉末と直接インターフェースする。一つの実施態様では、各導体は、固体ニッケルから形成され、約0.5mmの直径を有する。破砕セラミック粉末シール146は、その後、筐体122に付着される1/2インチNPTフィッティング148に連結される。1/2インチNPTフィッティング148は、一つの実施態様では、主に配線への張力緩和のために設計されたスタイキャスト(Stycast)ポッティング(コネチカット州ロッキーヒルのHenkel Corporationから市販されている)も充填される。
【0016】
図3Bは、サーモウェルとMIケーブルの両方が侵害されたときの、図3Aに示す装置の部分の拡大図である。これが起こるとき、プロセス流体は、開口150を通じてアセンブリに入る。加圧され得るプロセス流体は、圧縮フィッティング130および132を通じて進む。それゆえに、図3Bに示すように、プロセス流体圧力は、フィッティング132を通じてマニホールド136内に進む。先に記載したように、好適な圧力検知、表示および/または逃し付属部品は、ポート138、140に付着されることができる。図3Bに見てとれるように、加圧された流体がマニホールド136内に存在する場合には、それは、ポート138、140およびそこに付着されることができる各種付属部品に流れる。プロセス流体は、それが封じ込められるセラミック粉末シールフィッティング146までずっと流れる。セラミック粉末シールフィッティング146は、一部の実施態様では、最高で680バールまでのシールを提供するように設計される。一つの例では、フィッティング146は、303ステンレス鋼から形成されるが、しかし、他の好適な材料を使用することができる。図3Bに示すように、侵害されたプロセス流体圧力が安全に封じ込められる一方で、それは、装置の修理または交換を課せられ得る技術者にとってなおも危険である場合がある。したがって、圧力検知、表示および/または逃し付属部品は、技術者が安全にプロセス変数測定アセンブリ120と関わることを可能にするという点において特に重要である。
【0017】
一部の状況では、電子感知または他の好適な技術によって一次プロセスシール侵害の告知を発生させることは、有益または必要である場合さえある。先に説明したように、本発明の一部の実施態様は、圧力告知および/または改善を提供するために各種装置がシステムに連結されることを許容するマニホールド136の提供を包含する。さらに、告知のやり方および改善のタイプは、エンドユーザーの要求に基づいて異なる場合がある。それゆえに、マニホールド136および複数のポートの提供は、とりわけ重要である。一部のユーザーは、例として、一般的に非破壊試験できない圧力スイッチが信頼性に欠けるものと思う場合がある。他の状況では、電子告知が通信されることが可能でない場合がある(すなわち、特定のプロセス設備が装置から利用可能であるタイプの電子通信を使用しない場合がある)または特定の作業命令が次の計画的シャットダウンを待っている場合があるため、エンドユーザーは、計器にローカル視覚表示を要する場合がある。これが起こるとき、現場の保守技術者は、作業命令に関する情報を有しない場合がある。なおも他の場合においては、ユーザーは、技術者による安全な整備点検のために装置を減圧するための通気口を要する場合があり、圧力逃し弁を提供することが有効な場合がある。この異なるモジュラリティを提供するために、マニホールド136は、導管および/または追加的な計装、例えば、ダイヤル圧力計、圧力測定システム、圧力スイッチ、圧力逃し弁または他の好適な装置がエンドユーザーの要求に依存してシステムに連結されることができる、アクセスポート138、140を提供する。また、各種圧力検知/告知/改善付属部品は、その要求に基づいてエンドユーザーに提供されることができる。
【0018】
図3Cは、本発明の実施態様に従う、付属部品ポート138および140に連結されることができる一部の異なるタイプの圧力検知、表示および/または逃し付属部品の模式図である。図3Cは、技術者がプロセス流体圧力を手動で解放するために弁152を動作させることができるように付属部品ポート138に連結された圧力逃し弁152を示す。また、付属部品ポート140に連結された多数の装置が示される。とりわけ、圧力スイッチ154は、付属部品ポート140のみならずダイヤル圧力計156および圧力測定システム158にも連結される。図3Cに示す機器構成では、ダイヤル圧力計156および圧力測定システム158は、圧力スイッチ154と直列に示される。しかし、任意の好適な数の圧力感知装置が所望の通り直列もしくは並列にまたは両方を組み合わせて付属部品ポート140に連結されることができることは明白に考えられる。圧力スイッチ154は、一般的に、圧力が規定の閾値に達したとき、信号を提供する。この信号は、一般的に、(圧力スイッチのタイプに依存して)開または閉のいずれかの接点の形態であり、その状態は、その後、比較的単純な電気的回路によって検知可能である。一つの実施態様では、これは、筐体122内の回路によって検知可能であり、温度測定システムは、プロセス流体温度(プロセス変数)を通信するのみならず、一次シール侵害の表示をローカルに、プロセス通信ループを通じて、またはその両方を提供することもできる。
【0019】
ダイヤル圧力計156は、それが曝される圧力を示す。それゆえに、一次圧力シールが侵害されていないときの正常状態では、ダイヤル圧力計156は、ゼロ圧力を示す。侵害が起こるとき、ダイヤル圧力計156上の非ゼロ表示は、加圧されたプロセス装置を示唆する。同じように、圧力測定システム158は、公知の技術に従って、プロセス流体圧力を測定し、その電気的表示を提供するように構成される。この電気的表示は、プロセス制御ループ、恐らくは、プロセス流体温度測定システムが連結されるのと同じプロセス制御ループさえも通じて提供されることができる。また、圧力測定システム158は、無線で、例えば、IEC 62591に従って、通信するように構成されることができる。いずれにしても、圧力測定システム158は、プロセス流体圧力測定システム内の圧力を感知し、感知された圧力に関連する情報を制御室または他の好適な装置に伝えることができる。
【0020】
図3Dは、本発明のもう一つの実施態様に従う、プロセス流体測定システムの模式図である。システム170は、システム120(図3Aに示す)との多くの類似点をもち、同じ構成要素は、同じように番号付けされる。図3Dに示すように、システム170は、多数のフィッティングを介して筐体122内の端子台に動作可能に連結された温度感知プローブ124を包含する。とりわけ、システム170は、裸配線がシール146を通る際にその周囲に圧縮された粉末状セラミックを採用するセラミック粉末充填シール146も包含する。図3Dに示す実施態様では、これらの配線は、ニッケル配線であり、各々が約0.5mmの直径を有する。図3Dに示す実施態様と図3Aに示すそれとの間の違いは、システム170が圧力付着ポートを備えるフィッティング/マニホールド136を包含しないことである。それゆえに、図3Dは、マニホールド136なしで具体化されることができる本発明の実施態様を図示する。
【0021】
図4Aは、本発明のもう一つの実施態様に従う、デュアルシールを備えるプロセス変数測定アセンブリの模式図である。システム180は、図4Aに示す実施態様ではプロセス変数センサの導体との電気的相互接続を容易にするための好適なコネクタを備える端子台を包含する、頭部エンクロージャ122を包含する。端子台182は、一部の実施態様では、頭部取り付け型電子機器、例えば、プロセス変数センサの導体に連結し、プロセス変数を計算さもなければ決定し、公知の技術に従うプロセス通信ループまたはセグメントを通じてプロセス変数を伝える頭部取り付け型温度トランスミッタモジュールと交換されることができる。
【0022】
先に記載した温度測定システムのように、システム180は、金属配管、例えば、ステンレス鋼配管内に配置された一つまたは複数の個別の温度センサ、例えば、RTD、熱電対、サーミスタなどからなることができる少なくとも一つの温度センサプローブ124を包含する。センサプローブ124の導体は、図4Aに示す実施態様では、グラスファイバーケーブル184に連結される。グラスファイバーケーブルは、動作温度範囲、一部の実施態様では、最高で摂氏600度までを提供する。図4Aに示すように、グラスファイバーケーブル184とフィッティング186との間の移行は、ろう付けされた部分188を介して提供される。ろう付けされた部分188は、好適な収縮ホース、例えば、ポリテトラフルオロエチレンホースで絶縁されることができる。フィッティング186は、粉末状セラミック裸配線圧力シール、例えば、シール146に関して記載されたものを包含することができる二次フィッティング190に連結される。他方で、フィッティング186は、図4Bに示すサーモウェルに連結される。先細りは、力で合わせられ、圧力シールを形成する。これまでの実施態様と違って、シール190を通る導体は、一般的に、約0.5mmの直径を備える銅配線を採用し、一部の実施態様では、ポリイミド、例えば、デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont de Nemours and Companyから市販されているKaptonによって絶縁されることができる。図4Aに示すように、フィッティング192は、好適な充填材料、例えば、スタイキャスト(Stycast)で充填されることができる。さらに、フィッティング192を通る導体と、端子台182で終端するフライングリード線に連結するそれらとの間の電気的相互接続は、ろう付けまたは他の好適な技術を介することができる。システム180のさらなる変形は、システム120(図3Aに示す)で使用されるマニホールド136を組み入れることができる。
【0023】
図4Bは、本発明の実施態様に従う、サーモウェルに連結可能な、図4Aに示すプロセス変数温度測定システムを図示する模式図である。センサプローブ124は、サーモウェル194の孔196内に配置されるように構成され、コネクタ186の1 1/8−12UNFおねじは、サーモウェル194の対応するめねじ198と係合するように構成される。サーモウェル194は、本発明の実施態様に従う追加的なフィーチャも示す。とりわけ、サーモウェル194は、サーモウェル194の一次シールが侵害された場合、プロセス流体を漏出さもなければ放出する水抜き穴200を包含する。このようにして、圧力は、それが筐体122および/または管継手ポート202に連結された追加的な構造を加圧し得る前に放出される。したがって、図4Bに示す実施態様は、(水抜き穴200から出るプロセス流体を介して)一次シール侵害の視覚表示を提供する。
【0024】
図4Bは、サーモウェル194のシールが侵害され、水抜き穴200がプラグで塞がれ、および/または、さもなければ流体圧力を十分に迅速に放出することができないときに加圧されるようになる斜線領域を示す。斜線領域は、プロセス流体がフィッティング186を通って流れ、フィッティング190を通って、一般的にスタイキャスト(Stycast)ポッティング204によって取り囲まれたポリイミドホイル絶縁を備える銅配線を有するフィッティング192で最終的に封じ込められることを表示する。
【0025】
図5は、本発明の実施態様に従う、「バンストン」型サーモウェルの模式断面図である。サーモウェル210は、プロセス流体係合部分212と、取り付け部分214と、プロセス計器接続部分216とを包含する。図5に示す実施態様では、プロセス係合部分212は、わずかな先細りを有する。また、サーモウェル210は、温度プローブ、例えば、センサプローブ124を受けるようにサイズ指定されたプローブ開口218を包含する。開口218内のプローブは、プロセス流体から遮断されるが、一般的に、部分212の金属壁を通る流れに起因することによりプロセス流体の温度と事実上同じ温度を有する。一般的に、部分212は、円筒形を有するが、しかし、他の好適な形を使用することができる。取り付け部分214は、ASME、APIまたはDINフランジ220に溶接され、二つのフランジ間に圧縮され、さもなければそこに固定されることができる。一つの実施態様では、取り付け部分214と嵌合フランジ220との間のガスケットの圧縮は、最高で15,000psi(を包含する)までのプロセス流体圧力に好適なシールを発生させる。ASME、APIまたはDINフランジ220は、プロセスに取り付けるための一つまたは複数の取り付け穴222を包含する。計器係合部分216は、一般的に、プロセス計装のフィッティング、例えば、フィッティング186(図4Bに示す)を受けるように構成される、内部をねじ切りされた開口224を有する。また、一つの実施態様に従って、計器係合部分216は、複数の補助圧力ポート238および240を包含する。これらの圧力ポートは、任意の好適な圧力表示および/または改善装置、例えば、圧力スイッチ154、ダイヤル圧力計156および/または圧力測定システム158(図3Cに示す)の連結を可能にする。それゆえに、計器180(図4Bに示す)と併せてサーモウェル212を採用することは、(図3A〜3Cに示す実施態様のように)圧力を表示および/または解放するための同じ能力をなおも提供する。なおもさらに、計器連結部分216上へのポート238および240の包含は、よりコンパクトな設計を可能にすることができる。
【0026】
本発明の少なくとも一部の実施態様が既存のプロセス設備に対する改良として具体化されることができることは明白に考えられる。図6は、本発明の実施態様に従うプロセス変数測定アセンブリの模式図である。プロセス変数測定アセンブリ500は、コントローラ504、通信回路506、測定回路508および電力モジュール510を含有する筐体502を包含する。通信回路506は、一つの実施態様では、管継手ポート512を介して有線プロセス制御ループまたはセグメントに連結することができる。
【0027】
コントローラ504は、それが連結される測定回路508からの信号に基づいてプロセス変数情報を発生させることが可能である、任意の好適な電子装置または機器構成であることができる。それゆえに、コントローラ504は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能なゲートアレイなどであることができる。一つの実施態様では、コントローラ504は、プロセス変数センサ514に関連する測定を示唆する測定回路508からのデジタル情報を受けた。このデジタル情報は、プロセス変数情報(例えば、プロセス流体温度)を発生させるためにコントローラ504によって処理され、その後、遠隔装置への伝送のために通信回路506に伝えられることができる。
【0028】
通信回路506は、プロセス産業標準プロトコルに従ってプロセス変数測定アセンブリ500が通信することを可能にする。そのような通信は、有線媒体(管継手ポート512を介して通信回路506に物理的に連結された導体)、無線(例えば、ラジオ周波数通信を使用して)またはその両方を介することができる。好適な有線プロセス通信プロトコルの例は、Highway Addressable Remote Transducer(HART(登録商標))プロトコル、FOUNDATION(商標)Fieldbusプロトコル、Profibus DPおよびその他を非限定的に包含する。無線プロセス通信プロトコルの例は、IEC 62591を包含する。
【0029】
電力モジュール510は、一つの実施態様では、プロセス制御ループまたはセグメントの配線に連結し、「全てへ」と標識された矢印によって表示されたように、プロセス変数測定アセンブリ500の構成要素に好適に調整された電力を提供する。そのような実施態様では、プロセス変数測定アセンブリ500は、全面的に、プロセス制御ループまたはセグメントを介して電力供給されることができる。プロセス変数測定アセンブリ500が無線で通信する実施態様では、電力モジュール510は、プロセス変数トランスミッタ500の他の構成要素に電力を提供するために、好適なバッテリー・調整回路を包含することができる。
【0030】
測定回路508は、プロセス変数センサ514の電気的特性の測定を実施することが可能である任意の好適な回路を包含する。測定回路508は、アナログ・デジタル変換器、増幅回路、スイッチング回路またはプロセス変数センサ514からの測定を入手するのに有効な任意の他の回路もしくはロジックを包含することができる。例として、プロセス変数センサが、例として、プロセス温度によって異なる抵抗を有する場合、測定回路508は、公知の量の電流をセンサに通し、センサの抵抗を示唆する、センサにわたる電圧を測定するための回路を包含することができる。
【0031】
プロセス変数センサ514は、対象となるプロセス変数を測定するための任意の好適なタイプのセンサであることができる。プロセス変数センサ514は、プロセス516に動作可能に連結されるが、一次シールされた空間518内でそれから分離される。一次シールされた空間518の例は、サーモウェルである。二次シールされた空間520は、一次シールされた空間518を筐体502に連結させる。プロセス流体が一次シールされた空間518を侵害する場合には、プロセス流体は、二次シールされた空間520に入る。図6に示す実施態様では、圧力スイッチ522は、二次シールされた空間520に流動的に連結され、コントローラ504に電気的に連結される。二次シールされた空間内のプロセス流体がトリップする、さもなければ圧力スイッチ522を起動するレベルに達した場合には、コントローラ504は、状態の変化を検知し、一次シールされた空間518の侵害を表示するためのロジックまたはプログラムステップを実行する。例として、コントローラ504は、ローカルオペレータインターフェース(図6には図示せず)に侵害を示唆する出力を提供させることができる。また、またはあるいは、コントローラ504は、一つまたは複数の遠隔装置または関係者に侵害を警告するために、通信回路506を使用して好適な通信を発生させることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6