(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のゲームシステム1の全体の構成を説明する図である。
図2は、第1実施形態のカード10、店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30、サーバ50のブロック図である。
図3は、第1実施形態の現実世界の店舗の配置と、仮想地
図80上の店舗の配置を説明する図である。
図4は、第1実施形態の店舗対応付けテーブル63を示す図である。
【0010】
ゲームシステム1のゲームは、プレイヤが店舗ゲーム機20、又は携帯ゲーム機30でゲームをプレイするものである。なお、ゲームシステム1は、店舗ゲーム機20のみ備えていてもよい。
実施形態では、店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30を区別しない説明は、「ゲーム機10,20」という。また、これらの構成についても、同様である(例えば「制御部28,38」等)。
ゲームは、プレイヤがキャラクタである戦士C(
図7参照)を操作して、仮想空間内において、仮想の敵キャラクタと戦うことにより、敵キャラクタにダメージを与えるロールプレイングゲーム(RPG)である。プレイヤは、複数の戦士を所有しており、そのなかから各プレイで使用するものを選択する。プレイヤが選択できる戦士は、1つでもよく、又は1つ以上でもよい。1つ以上の場合は、グループ(以下「パーティ」という)を形成する。実施形態では、6つの戦士Cのパーティである例を説明する(
図7参照)。
【0011】
仮想空間は、現実世界とは異なるものであり、ゲームの観念上の世界に設けられた仮想の空間である。
このゲームでは、仮想空間として2つの種類を備える。
1つは、通常の仮想空間であり、通常のプレイ時において、各ゲーム機20,30のプレイヤが他のゲーム機20,30とは独立し、又は他のゲーム機20,30のプレイヤと協力プレイ(プレイヤ同士が協同したプレイ)するためのものである。通常の仮想空間には、各ゲーム機20,30で制御される通常の敵キャラクタE0(
図7(A)参照)が出現する。通常の仮想空間は、ゲーム機20,30によって管理される。
【0012】
もう1つは、通常のプレイ時とは異なるイベント(後述する強ボス対戦のプレイ)のために使用される空間である。仮想空間は、強ボスE(固有キャラクタ)が出現する空間である(
図7(B)参照)。強ボスEは、ゲームの設定上、敵キャラクタのうち最強であり、複数の敵キャラクタのボス格であり、プレイヤが最も倒すことが困難である。強ボスEは、ゲームシステム1全体で1つ用意されているため、仮想空間内において1体のみ存在し、サーバ50によって制御される。このため、強ボスEが出現する仮想空間は、システム全体で1つのみ用意され、また、サーバ50によって管理される。後述するように、強ボスEは、各店舗のゲーム機20,30等で実行されるプレイに、次々に登場するように制御されることにより、仮想空間内を行脚するように演出される。
なお、実施形態及び図面において、単に「仮想空間」と説明するものは、強ボスEが出現する空間をいう。また、強ボスEがこのように行脚するように演出される態様を、「移動」ともいい、さらに、強ボスEが各店舗に対応付けられたゲーム機20,30に登場することを、「強ボスEが店舗に登場(移動)」等ともいう。
【0013】
図2に示すように、ゲームシステム1は、カード10、店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30、サーバ50を備える。
カード10は、店舗ゲーム機20でプレイするプレイヤがそれぞれ所持する。カード10は、非接触式のICカード等である。
カード10に内蔵されたICチップは、プレイヤを識別するプレイヤ識別情報を記憶する。このプレイヤ識別情報は、プレイ開始時、終了時等に、ゲーム機20のカードリーダ21(後述する)が読み出す。
なお、ICチップを内蔵する媒体は、カードに限定されず、例えば、ゲームに登場するキャラクタの人形(フィギュア)等でもよい。
【0014】
店舗ゲーム機20及び携帯ゲーム機30と、サーバ50とは、インターネット等を利用した通信網2により接続されており、情報通信することができる。
店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30、サーバ50は、コンピュータである。
なお、実施形態ではコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいう。店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30、サーバ50は、記憶部27,37,60、制御部28,38,70等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
記憶部27,37,60は、ゲーム機20,30、サーバ50の動作に必要な情報、プログラム等を記憶するための記憶装置である。記憶部27,60は、ハードディスク、半導体メモリ素子等を備える。記憶部37は、半導体メモリ素子等を備える。
制御部28,38,70は、ゲーム機20,30、サーバ50の動作に必要な演算処理をしたり、これらを統括的に制御するための装置である。制御部28,38,70は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部28,38,70は、記憶部27,37,60に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0015】
店舗ゲーム機20は、アミューズメント施設、ショッピングセンタ等の店舗等に設置される大型の装置である。実施形態では、簡略して、店舗ゲーム機20は、日本国内の以下の地域の計6店舗に、それぞれ2つ配置されている例を説明する(
図3(A)参照)。
・北海道に2店舗:北見店、札幌店
・東京都に3店舗:池袋店、新宿店、渋谷店
・沖縄に1店舗:那覇店
なお、本実施形態では、地域とは、店舗そのものの設置位置をいう。例えば、北見店の設置されている地域は、北見店の店舗そのものの設置位置である。このため、1つの地域には、複数の店舗は含まれない。
【0016】
店舗ゲーム機20は、カードリーダ21、課金部22、操作部23、表示部24(伝達部)、音出力部25、通信部26、記憶部27、制御部28を備える。
カードリーダ21は、プレイ開始時等に、プレイヤの所有するカード10からプレイヤ識別情報を読み取る装置である。
課金部22は、プレイヤからプレイ料金を課金する装置である。課金部22は、例えば、プレイヤがコインを投入するコイン投入口、プレイヤがプリペイドカード10を読み取らせるリーダ等を備える。
プレイヤは、課金することにより、新たなプレイを開始したり、プレイ中等において戦士Cの体力値を増加させることができる。
【0017】
操作部23は、プレイヤが店舗ゲーム機20を操作するための操作装置である。操作部23は、押しボタン、レバー等を備える。
表示部24は、プレイ画面等を表示する表示装置である。表示部24は、液晶表示装置等である。
【0018】
表示部24は、プレイ画面(
図7参照)、進路図(
図5参照)、プレイ映像画面88(
図11(B)参照)等を表示する。
進路図は、例えば、プレイ中において、プレイ画面の一部に表示されたり、画面を切り替えたりすることにより、プレイヤが参照できる。また、店舗ゲーム機20でプレイしていない場合にデモストレーション中に表示されたりする。
【0019】
音出力部25は、効果音等を出力するスピーカ等である。
通信部26は、他の装置との間で情報を通信するための装置である。通信部26は、通信網2を介してサーバ50と通信したり、無線通信により携帯ゲーム機30と通信したりする。
【0020】
記憶部27は、ゲームプログラム記憶部27a、店舗ゲーム機識別情報記憶部27bを備える。
ゲームプログラム記憶部27aは、このゲームの店舗ゲーム機20用のゲームプログラムを記憶する記憶領域である。
店舗ゲーム機識別情報記憶部27bは、店舗ゲーム機識別情報を記憶する記憶領域である。店舗ゲーム機識別情報は、各店舗ゲーム機20を識別する識別情報である。各店舗ゲーム機20には、個別の識別情報が付与されている。
制御部28の処理は、後述する。
【0021】
携帯ゲーム機30は、プレイヤが携行可能な情報通信端末である。携帯ゲーム機30は、例えば、携帯電話機、多機能携帯電話機(スマートフォンともいう)、タブレットコンピュータ、ゲーム専用端末等である。携帯ゲーム機30は、携帯登録処理(後述する)によって、店舗に登録できる。実施形態では、簡略して、携帯ゲーム機30は、6店舗に、それぞれ2つ登録されている例を説明する。
携帯ゲーム機30は、操作部33、表示部34(伝達部)、音出力部35、通信部36、記憶部37、制御部38(位置取得部)を備える。
操作部33は、プレイヤが携帯ゲーム機30を操作するための操作装置である。操作部33は、押しボタン等を備える。
【0022】
表示部34は、プレイ画面等を表示する表示装置である。表示部34は、液晶表示装置等である。表示部34は、店舗ゲーム機20と同様な画面を表示する。
なお、携帯ゲーム機30は、操作部33、表示部34として、これらの機能を兼用するタッチパネルディスプレイ等を備えてもよい。
音出力部35は、効果音等を出力するスピーカ等である。
通信部36は、他の装置との間で情報を通信するための装置である。通信部36は、通信網2を介してサーバ50と通信したり、無線通信により店舗ゲーム機20と通信したりする。
【0023】
記憶部37は、ゲームプログラム記憶部37a、プレイヤ識別情報記憶部37bを備える。
ゲームプログラム記憶部37aは、このゲームの携帯ゲーム機30用のゲームプログラムを記憶する記憶領域である。ゲームプログラムは、例えば、配信サーバ(図示せず)からダウンロードすることができる。
プレイヤ識別情報記憶部37bは、プレイヤを識別するプレイヤ識別情報を記憶する記憶領域である。携帯ゲーム機30のプレイヤ識別情報は、携帯ゲーム機30を識別する情報を兼用する。プレイヤ識別情報は、プレイ開始時、終了時等に、制御部38が読み出す。
なお、サーバ50は、店舗ゲーム機20のプレイヤを、カード10のプレイヤ識別情報によって識別し、一方、携帯ゲーム機30のプレイヤを、携帯ゲーム機30のプレイヤ識別情報によって識別するようになっている。
制御部38の処理は、後述する。
【0024】
サーバ50は、このゲームシステム1を統括するコンピュータである。
サーバ50は、このゲームシステム1の管理会社、運営会社の施設等に設置される。
サーバ50は、操作部53、表示部54、通信部56、記憶部60、制御部70を備える。
操作部53は、管理会社、運営会社の作業者等(以下「管理者等」という)がサーバ50を操作するための装置である。操作部53は、キーボード、マウス等の入力装置を備える。
表示部54は、メンテナンス時等に管理画面等を表示する表示装置である。表示部54は、液晶表示装置等である。
通信部56は、他の装置との間で情報を通信するための装置である。通信部56は、通信網2を介して店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30と通信したりする。
【0025】
記憶部60は、プレイヤ情報記憶部61、仮想地図情報記憶部62(ゲーム機位置情報記憶部)、店舗対応付けテーブル63、ボス履歴記憶部64(固有キャラクタ履歴記憶部)を備える。
プレイヤ情報記憶部61は、プレイヤ情報を記憶する記憶領域である。プレイヤ情報は、プレイヤ識別情報と、プレイヤに関する情報とを対応付けたものである。
プレイヤに関する情報には、プレイヤの技量、プレイヤが所持する勇者、武器等の情報が含まれる。
仮想地図情報記憶部62は、仮想地
図80(
図3(B)参照)に関する情報を記憶する記憶領域である。仮想地
図80については、後述する。
【0026】
図4に示すように、店舗対応付けテーブル63は、店舗と、店舗ゲーム機識別情報及びプレイヤ識別情報とを対応付けて記憶する。
店舗対応付けテーブル63は、店舗−店舗ゲーム機識別情報テーブル63a(ゲーム機位置情報記憶部)と、店舗−プレイヤ識別情報テーブル63bとを、店舗をキーとして、1つにしたものである。
店舗−店舗ゲーム機識別情報テーブル63aは、店舗と店舗ゲーム機識別情報(A001,A002,…,A012)とを対応付けて記憶する。
【0027】
店舗−プレイヤ識別情報テーブル63bは、店舗とプレイヤ識別情報とを対応付けて記憶する。プレイヤ識別情報は、カード10に記憶された識別情報(B001,B002,…,B012)、携帯ゲーム機30に記憶された識別情報(C001,C002,…,C012)である。なお、携帯ゲーム機30は、プレイヤが所持するので、携帯ゲーム機30に記憶された識別情報は、携帯ゲーム機30の識別情報でもある。
カード10を利用して店舗ゲーム機20でプレイするプレイヤは、店舗ゲーム機20を利用して、プレイヤ識別情報を、店舗対応付けテーブル63(店舗−プレイヤ識別情報テーブル63b)に登録できる。
【0028】
携帯ゲーム機30を利用してプレイするプレイヤは、携帯登録処理(後述する)によって、プレイヤ識別情報を、店舗対応付けテーブル63に登録できる。
なお、携帯ゲーム機30のプレイヤ識別情報は、店舗ではなく、店舗ゲーム機識別情報に対応付けてもよい。この場合には、サーバ50は、店舗−店舗ゲーム機識別情報テーブル63aに基づいて、店舗と、携帯ゲーム機30のプレイヤ識別情報との対応付けを確認すればよい。
以下の説明では、適宜、店舗に対応付けられたゲーム機20,30を「店舗のゲーム機(例えば、札幌店のゲーム機20,30)」といい、また、店舗に対応付けられたプレイヤを「店舗のプレイヤ(例えば、札幌店のプレイヤ)」という。
さらに、「店舗に配置された店舗ゲーム機20」、「店舗に対応付けられた携帯ゲーム機30」を説明することを、「店舗」ともいう。例えば、「強ボスEが札幌店に登場」という説明は、「札幌店に配置された店舗ゲーム機20、札幌店に対応付けられた携帯ゲーム機30に、強ボスEが登場」という意味を含む。
【0029】
ボス履歴記憶部64は、各プレイヤが強ボスEと戦った履歴を記憶する記憶領域である。
ボス履歴記憶部64は、ダメージテーブル65、映像記憶部66を備える。
ダメージテーブル65は、各プレイヤ識別情報と、各プレイヤが強ボスEに与えたダメージとを対応付けて記憶する(
図8参照)。
映像記憶部66は、強ボス対戦の映像を記憶する。
【0030】
制御部70は、記憶部60の記憶情報を管理する処理、ゲーム機20,30への強ボスEの登場に関する処理、強ボスEとの対戦に関する履歴の記憶処理等を行う。また、制御部70は、必要に応じてゲーム機20,30の表示部24,34への表示に関する処理等を行う。
制御部70は、ボス制御部71(キャラクタ制御部)、携帯登録制御部72、プレイヤ関連付け制御部73を備える。
ボス制御部71は、仮想地
図80内における強ボスEの移動、強ボスE進路画面の作成等に関する処理等を行う。
携帯登録制御部72は、携帯登録処理(後述する)を行う。
プレイヤ関連付け制御部73は、プレイヤ関連付け処理(後述する)を行う。
制御部70の処理については、後述する。
【0031】
[仮想地
図80]
図3に示すように、仮想地
図80は、現実世界の地形とは異なる仮想空間を表す地図である。仮想地
図80には、店舗が現実世界の配置とは異なる形態で、再配置されている。仮想地
図80の店舗の配置は、右側から左側に向けて、「新宿店→那覇店→渋谷店→…→池袋店」が並べられており、現実世界の店舗の配置とは全く異なる。これにより、店舗ゲーム機20も、同様に、配置される。
また、店舗間の間隔は、仮想空間の方が現実世界よりも均一である。つまり、現実世界では、北海道、東京都、沖縄県の店舗密度は大きく異なるのに対して、仮想空間では、どの領域でも店舗密度が均一又はほぼ均一である。
仮想地
図80は、立体図形(例えば球体、立方体等)の表面を展開することにより、平面である長方形で表現したものである。このため、
図3の仮想地
図80は、左辺側及び右辺側が連続した情報である。また、展開の手法によっては、仮想地
図80の上辺側及び下辺側が連続していてもよい。
【0032】
これにより、ゲームシステム1は、仮想空間内に、店舗ゲーム機20を、現実世界とは異なるように再配置した仮想地
図80を備える。ゲームシステム1は、この仮想地
図80を利用して、後述する強ボスE移動処理においてプレイ進行する。これにより、ゲームシステム1は、店舗ゲーム機20の配置を利用して、現実世界とは全く異なるゲームの世界観を設けることができる。
【0033】
[強ボスEの進路図]
強ボスEの進路図について説明しながら、強ボスEが移動する態様について説明する。
図5は、第1実施形態の強ボスEの進路図の遷移を説明する図である。
図5の進路
図81〜83は、強ボスEが「那覇店(進路
図81)→札幌店(進路
図82)→新宿店(進路
図83)」に順次登場した場面の例である。
進路図は、以下の特徴を有する。
(1)進路図は、仮想地
図80に、強ボスEの進路に関する情報、強ボスEの移動態様を重ねて表示する。強ボスEの移動態様の表示手法は、現実世界の台風の進路図を模したものである。
強ボスEの現在位置は、「強」と示す。例えば、進路
図81は、強ボスEが那覇店に登場したときのものである。また、円80aは、60分後における、強ボスEの予測位置を示す。つまり、60分後には、円80a内のいずれかの位置に、強ボスEが移動している。円80aの中心に近い位置程、強ボスEが移動する可能性が高い。
このため、プレイヤは、進路
図81を参照することにより、強ボスEが「那覇店」に登場していることを確認できる。また、「那覇店」の次には、おそらく60分後に、円80aの中心に近い「札幌店」に登場すると予測できる。つまり、サーバ50のボス制御部71は、進路
図81をゲーム機20,30に表示することにより、強ボスEが移動する店舗として、「那覇店」の次に「札幌店」を選択する可能性が高いことをプレイヤに示す。
【0034】
また、進路
図81では、「渋谷店」は、「那覇店」から最も近い。つまり、「渋谷店」は、仮想地
図80上において、那覇店の店舗ゲーム機20(各地域の店舗ゲーム機)とは、渋谷店の店舗ゲーム機20(他地域の店舗ゲーム機)との近接度合が高い。かつ、「渋谷店」は、予測進路の中心線80bから十分に近い。すなわち、進路
図81は、「札幌店」だけでなく「渋谷店」も、強ボスEが登場する可能性が高いことを示す。このため、プレイヤは、強ボスEがおそらく60分後よりも早い時刻に、「渋谷店」に登場すると予測できる。
これにより、ゲームシステム1は、進路
図81を表示することより、札幌店、渋谷店のプレイヤに対して、次には自分の店舗に強ボスEが登場すると期待させ、ワクワク感を向上できる。
【0035】
この場合、サーバ50のボス制御部71は、強ボスEの実際の登場時刻を、例えば、「店舗間移動時間30分以上90分以内、かつ、店舗間平均移動時間60分」となるように決定してもよい。つまり、強ボスEの移動時間は、平均値が一定であるが、平均値の近くで変動させてもよい。
これを適用した場合、進路
図81では、札幌店での強ボスEの登場予測時刻は、16:00を中心として前後30分の幅、つまり揺らぎを持つ。これにより、ゲームシステム1は、札幌店のプレイヤを、札幌店に長く滞在するように促すことができる。
なお、ゲームに仕様によって、店舗間の移動は、時間をかけずに、瞬時に行ってもよい。つまり、ボス制御部71は、強ボスEを、「那覇店」から強ボスEを消去後に、「札幌店」、「渋谷店」等に瞬時に登場させてもよい。
【0036】
(2)進路
図81〜83の円80aは、確率を示すものである。
このため、ボス制御部71は、進路
図82を表示している状態において、強ボスEが登場する店舗として、「新宿店」ではなく、「新宿店」よりも円80aの中心から遠い「那覇店」を選択してもよい。
これにより、ゲームシステム1は、多くの店舗にプレイヤを集客できる。
【0037】
(3)進路
図81〜83に示すように、ボス制御部71は、強ボスEの進路を、これまでの進路を反映したものにする。つまり、強ボスEの進路は、大きく迂回したりすることがなく、これまでの移動経路をほぼ延長した態様である。
また、強ボスEの仮想空間内80の移動速度は、一定又はほぼ一定である。このため、プレイヤは、進路
図81〜83が表示された60分後の状態から、さらにその後の進路及び移動距離についても、ある程度予測することができる。
【0038】
例えば、プレイヤは、進路
図82を参照することより、「強ボスEは、17:00に新宿店又は那覇店に登場する」と予測できるだけでなく、「その約60分後(つまり、約18:00)には、渋谷店、札幌店辺りに登場する可能性がある」とも予測できる。つまり、プレイヤは、これまでの強ボスEの進路から、進路
図82の次には、進路
図83の状態になるであろうことを、先回りして予測できる。
このため、ゲームシステム1は、進路
図82をゲーム機20,30に表示することにより、新宿店、那覇店のプレイヤだけでなく、渋谷店、札幌店のプレイヤのワクワク感を向上できる。
【0039】
(1)から(3)の特徴によって、ゲームシステム1は、強ボスEが次に登場する店舗及び時刻を、プレイヤにとって予測可能な法則に従って伝達できる。
また、ゲームシステム1は、現実世界で通常利用される台風の進路図の表現を、現実世界とは異なる仮想地
図80に利用する。このため、ゲームシステム1は、強ボスEの移動進路を面白く、かつ、分かりやすく表現できる。さらに、プレイヤは、強ボスEの移動先を予測しやすい。
また、ゲームシステム1は、進路図を表示することにより、強ボスEが次に登場する店舗等を、例えば文字等で表示するよりも分かりやすく、一目瞭然に、かつ、感覚的に把握できるように伝えることができる。
【0040】
(4)仮想地
図80は、店舗間の間隔が均一又はほぼ均一であるので、強ボスEは、短時間のうちに複数の店舗を移動することがない。また、店舗は、現実世界とは異なる仮想地
図80に配置されているので、ゲームの世界観を向上できる。これにより、プレイヤを不満にさせることがなく、また、プレイヤのプレイ意欲を向上できる。
すなわち、実施形態とは異なり現実世界の地図等を利用して前述した処理をする形態では、強ボスEは、店舗が密集している東京都を移動する場合、複数の店舗を短時間のうちに集中して登場する態様になる。このため、この形態では、沖縄県、北海道のプレイヤは、東京都の店舗ばかりに強ボスEが登場すると不満が生じる可能性がある。また、プレイヤにとっては、現実世界を忘れてプレイを楽しみたいときもあるのに、この形態では、現実世界の地図情報を見せられたり、現実世界の店舗の配置を考えたりしながらプレイする必要がある。このため、この形態では、プレイヤのプレイ意欲が低下してしまう可能性がある。
【0041】
(5)前述したように、仮想地
図80は、左右方向において、連続している。
このため、進路
図82は、左端(一端側)から、これに連続する端部に対応する位置の右端側(他端側)に、連続して表示する。
具体的な図示は省略するが、ボス制御部71は、仮想地
図80の左端の池袋店を選択後、これに連続する端部に対応する右側の新宿店(又は北見店)を、連続して選択する。ボス制御部71は、端部に配置された池袋店と、他端に配置された新宿店(又は北見店)とが連設しているものとして、処理する。このため、ゲームシステム1は、強ボスEが地図の端部で迂回したりすることなく、連続して移動するように演出できる。
【0042】
なお、この処理によって、ボス制御部71は、強ボスEを、仮想空間内を、周回するように移動する。そのため、同一の店舗が、複数回選択されるような場合がある。この場合には、ボス制御部71は、前回の強ボス対戦時に強いプレイヤがいた店舗を選択する確率を、低くしてもよい。これにより、ゲームシステム1は、強ボスEが大きなダメージを嫌って、仮想空間内を移動するように演出できる。
【0043】
[強ボス登場処理]
図5から
図8等を参照して、強ボス登場処理を説明しながら、プレイヤのプレイ方法について説明する。
図6は、第1実施形態の強ボス登場処理のフローチャートである。
図7は、第1実施形態のプレイ画面を説明する図である。
図8は、第1実施形態のダメージテーブル65を説明する図である。
以下の説明では、
図5に従って、強ボスEが移動する場合の処理を説明する。また、主に、
図5の進路
図81を表示している状態において、次の店舗として札幌店に登場する場面からの処理を説明する。
【0044】
ステップS(以下「S」という)1において、サーバ50のボス制御部71は、進路
図81を表示している状態において、前述した処理を行うことにより、強ボスEが、那覇店から移動する店舗を選択し、また、その店舗での登場時刻を決定する。ここでは、予測通りに、「札幌店、17:00」である例を説明する。
【0045】
S2において、サーバ50のボス制御部71は、決定した時刻「17:00」になると、「札幌店」のゲーム機20,30に対して、強ボスEを登場させて、強ボス対戦に関する処理の開始を命令する。
この場合、ボス制御部71は、那覇店のゲーム機20,30(各地域のゲーム機)でのプレイ終了時の強ボスEの残体力値55(強ボスEが消去された時点の状態)を、札幌店のゲーム機20,30(他の店舗のゲーム機、複数のゲーム機のうち関連付けられた2以上のゲーム機)でのプレイに引き継ぐ(
図8参照)。説明は省略するが、ボス制御部71は、強ボスEの武器、防具等の損傷も、那覇店の状態を、札幌店に引き継ぐ。これによって、ボス制御部71は、那覇店での強ボス対戦終了後の強ボスEの状態を、札幌店で新たに開始する強ボス対戦に反映する。
【0046】
なお、サーバ50のボス制御部71は、那覇店での強ボス対戦終了時の残体力値を、札幌店に登場する場合にある程度増加させてもよい。この場合には、ゲームシステム1は、強ボスEが那覇店から札幌店に移動する途中で、体力が回復されるように演出できる。この場合でも、那覇店での体力値を基準に増加されるので、那覇店での体力値は、札幌店において反映されたことになる。
これにより、札幌店のプレイヤ(他のプレイヤが)は、那覇店のプレイヤ(各プレイヤ)の強ボス対戦終了後の状態を継続して、プレイできる。このため、ゲームシステム1は、強ボスEが、異なる店舗のゲーム機20,30間を跨いで移動したように演出できる。
【0047】
S3において、サーバ50のボス制御部71は、強ボスEが札幌店の次に移動する店舗を説明する進路
図82(
図5参照)を作成する。ボス制御部71は、進路
図82をゲーム機20,30に送信し、進路
図82を表示するようにゲーム機20,30に指示する。これにより、ゲーム機20,30での進路図の表示は、進路
図81から進路
図82へと更新される。
【0048】
S4において、札幌店のゲーム機20,30は、強ボスEが登場して、プレイヤと強ボスEとが対戦する強ボス対戦に関する処理を開始する。これにより、強ボスEが登場するゲーム機20,30が、那覇店から札幌店へと、変更される。
なお、札幌店に対応付けられた携帯ゲーム機30のプレイヤは、実際に、札幌店の店内に存在している必要はない。つまり、このプレイヤは、現実世界において札幌店の店外にいる場合でも、ゲームの世界では、札幌店の店内に存在しているものとして扱われる。
【0049】
図7(A)に示すように、店舗ゲーム機20において、プレイヤが通常プレイ中である場合には、店舗ゲーム機20は、強ボスEが札幌店に移動してきたことを報知するプレイ画面85を表示する。携帯ゲーム機30も同様である。この場合には、プレイヤは、操作部23,33を操作することにより、通常プレイから、強ボス対戦に移行できる。
店舗ゲーム機20において、プレイヤがプレイ中ではない場合には、強ボスEが店舗に移動してきたことを報知するデモストレーション(図示せず)を表示する。この場合には、プレイヤは、課金部22にコイン投入等をすることにより、強ボス対戦をすることができる。
【0050】
図7(B)のプレイ画面86に示すように、強ボス対戦は、専用の対戦ステージで行われる。この対戦ステージは、仮想空間内の札幌店に設定されたという概念である。つまり、ゲームの概念では、強ボス対戦は、強ボスEが仮想空間を移動して札幌店に登場し、その札幌店に設定されたステージで行われる。
強ボスEと戦う場合には、札幌店の複数のプレイヤが同じステージで同時にプレイする。強ボスEへの攻撃は、プレイヤから順次操作を受け付けて、順次行われる。
なお、プレイヤの数が多いために、プレイが交互に攻撃することが困難であるときには、各プレイヤから独立して操作を受け付けて、結果のみを表示してもよい。
また、強ボスEと戦うステージを各ゲーム機20,30に、同時に独立して設けて、プレイヤが独立してプレイできるようにしてもよい。この場合にも、強ボスEは、仮想空間内で1体のみという概念である。強ボスEが移動する仮想空間は、1つのみであり、また、強ボスEへの攻撃は、札幌店でプレイしているプレイヤ全ての攻撃を反映するからである。
【0051】
この場合、サーバ50は、進路
図82とともに、札幌店の強ボス対戦の映像を、札幌店以外のゲーム機20,30に配信等してもよい。これにより、サーバ50は、強ボスEの状態(例えば、強ボスEの残体力値、武器等の破損状況等)を、札幌店以外のプレイヤに伝えることができる。この場合には、例えば、札幌店以外のプレイヤは、強ボスが札幌店の次には自分の店舗に登場する予想をしたときに、強ボス対戦に適した戦士、武器等を選択する等の戦略を、立てることができる。
【0052】
S5において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、強ボス対戦において、強ボスEへ与えたダメージ値と、プレイヤ識別情報とを対応付けたダメージ情報を、サーバ50に送信する。制御部28,38は、この処理を、強ボス対戦が終了するまで続ける。
S6において、サーバ50のボス制御部71は、ゲーム機20,30からダメージ情報を受信する。ボス制御部71は、プレイヤ識別情報毎に、プレイヤが強ボスEに与えたダメージ値を加算し、その結果に基づいて、ダメージテーブル65を更新する(
図8参照)。
以上の処理により、サーバ50のボス制御部71は、札幌店のゲーム機20,30における強ボス対戦で対戦したゲーム機20,30のプレイヤのプレイ履歴(2以上のプレイヤの各プレイ情報)を、同時に取得して、ダメージテーブル65に記憶することができる。
これにより、ゲームシステム1は、札幌店に強ボスEが登場したことと、札幌店のゲーム機20,30プレイヤのプレイヤ情報と、を関連付けた情報を取得できる。また、ゲームシステム1は、各店舗に強ボスEを登場させることにより、大量のプレイ情報を取得できる。
【0053】
S7において、サーバ50のボス制御部71は、ダメージテーブル65を参照して、強ボスEの残体力値が有るか否かを判定する。サーバ50は、残体力値有りと判定した場合には(S7:YES)、S8に進み、一方、残体力値ゼロと判定した場合には(S7:NO)、S30に進む。
S30に進む場合は、強ボスEの残体力値がゼロになった状態、つまり、強ボスEがプレイヤに敗戦した状態である。サーバ50は、この場合には、強ボス登場処理を終了して、プレイヤ関連付け処理(後述する)を行う。
【0054】
S8において、サーバ50のボス制御部71は、強ボスEを、札幌店から移動すると判定した場合には(S8:YES)、S9に進み、一方、移動しないと判定した場合には(S8:NO)、S7からの処理を繰り返す。
この場合、ボス制御部71は、この判定を、例えば、以下の条件に基づいて行う。
【0055】
(1)予め設定された1店舗当たりのダメージを、減らされたか否か
1店舗当たりのダメージを設定する理由は、ダメージを無制限にしてしまうと、管理者等の思惑よりも、早い時間で、強ボスEの残体力値がゼロになってしまう場合があるからである。つまり、管理者等が思惑通りに、強ボスEが仮想空間内を行脚するように演出できるようにするためである。
(2)予め設定された1店舗当たりの滞在時間を、経過したか否か
滞在時間を設定する理由は、滞在時間を無制限にしてしまうと、強ボスEを待っている他の店舗のプレイヤの不満が大きくなるし、また、登場予測時間の誤差が大きくなるからである。
【0056】
S9において、サーバ50のボス制御部71は、札幌店に関連付けられたゲーム機20,30に対して、強ボス対戦を終了するように指示する。
S10において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、サーバ50の指示に従って、強ボス対戦を終了する。これにより、制御部28,38は、強ボスEの表示を、ゲーム機20,30(各地域の店舗ゲーム機20、携帯ゲーム機30)から消去する。
S11において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイヤ識別情報と、強ボス対戦内容とを対応付けた情報である強ボス対戦内容情報を、サーバ50に送信する。強ボス対戦内容は、強ボス対戦の対戦内容を示す情報であり、プレイ映像、音声等の情報を含む。
S12において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、強ボス対戦を終了すると、通常プレイを再開する。
【0057】
S13において、サーバ50のボス制御部71は、強ボス対戦内容情報を受信すると、ボス履歴記憶部64に記憶する。これにより、ボス履歴記憶部64に、プレイヤの強ボス対戦の映像等が記憶される。
その後、ボス制御部71は、S1からの処理を繰り返す。繰り返されるS1からの処理において、進路
図83の表示、新宿店のゲーム機20,30における、新たな強ボス対戦の処理等が行われる。
【0058】
このように、ゲームシステム1は、仮想空間の1体のみ存在する強ボスEを、個体として演出できるので、唯一無二のキャラクタ像を構築できる。また、この場合、各地域のゲーム機20,30に登場している強ボスEを、他地域のゲーム機20,30に同時に登場させないので、唯一無二の性質を向上できる。
さらに、ゲームシステム1は、強ボスEを、仮想空間内において、異なる地域の店舗間を行脚するように演出することにより、プレイの面白さを向上できる。
【0059】
[携帯位置登録処理]
図9は、第1実施形態の携帯ゲーム機30の位置登録処理のフローチャートである。
携帯位置登録処理は、携帯ゲーム機30が取得した店舗ゲーム機20の位置情報を、携帯ゲーム機30の位置情報として、サーバ50の店舗対応付けテーブル63(
図4参照)に登録する処理である。
携帯ゲーム機30のプレイヤは、携帯位置登録する場合には、店舗ゲーム機20が設置されている店舗に訪れる。
S20において、携帯ゲーム機30の制御部38は、プレイヤの操作に基づいて、店舗ゲーム機20に対して、店舗ゲーム機識別情報を要求する。
S21において、店舗ゲーム機20の制御部28は、携帯ゲーム機30から要求に応じて、店舗ゲーム機識別情報記憶部27bから店舗ゲーム機識別情報を読み出す。制御部28は、店舗ゲーム機識別情報を携帯ゲーム機30に送信する。
S22において、店舗ゲーム機20の制御部28は、処理を終了する。
【0060】
S23において、携帯ゲーム機30の制御部38は、店舗ゲーム機識別情報を受信すると、プレイヤ識別情報記憶部37bからプレイヤ識別情報を読み出す。制御部38は、店舗ゲーム機識別情報とプレイヤ識別情報とを対応付けて、サーバ50に送信する。
S24において、携帯ゲーム機30の制御部38は、処理を終了する。
【0061】
S25において、サーバ50の携帯登録制御部72は、これらの情報を受信すると、店舗対応付けテーブル63を参照して、店舗ゲーム機識別情報に対応付けられた店舗を確認する。
S26において、サーバ50の携帯登録制御部72は、確認した店舗と、受信したプレイヤ識別情報とを対応付けた情報を、店舗対応付けテーブル63に新たに記憶させることにより、店舗対応付けテーブル63の情報を更新する。
S27において、サーバ50の携帯登録制御部72は、処理を終了する。
【0062】
以上の処理によって、携帯ゲーム機30のプレイヤ、つまり携帯ゲーム機30は、店舗に対応付けられた態様で、店舗対応付けテーブル63に登録される。なお、仮想地図情報記憶部62の仮想地
図80には、店舗が配置されている。このため、記憶部60は、店舗と関連付いた店舗ゲーム機20に加えて、携帯ゲーム機30の位置情報を記憶できる。
【0063】
これにより、プレイヤは、一度、店舗に訪れることにより、前述したように、店外に存在している場合でも、その店内に存在しているものとして、店舗に存在するプレイヤと同じ強ボスEと、強ボス対戦をすることができる。このため、ゲームシステム1は、店舗から離れた地区に住んでいるプレイヤ等に対しても、プレイするように促すことができる。また、店舗にとっては、通常は訪れないプレイヤを、店舗に訪れるように促すきっかけになるので、利益がある。
【0064】
[プレイヤ関連付け処理]
プレイヤ関連付け処理は、上記処理によって強ボスEがプレイヤに敗戦した後(
図6のS7:NO)、つまり、強ボスEが複数のゲーム機20,30に登場後において強ボスEの体力値がゼロになった場合(固有キャラクタが規定の状態に変化した場合)に、ボス履歴記憶部64の情報に基づいて行われる処理である。
【0065】
ボス履歴記憶部64は、以下の特徴を有する。
・
図8に示すように、ダメージテーブル65には、強ボスEと対戦したプレイヤのプレイヤ識別情報と、強ボスEに与えたダメージとが対応付いた情報が記憶される。
・映像記憶部66には、強ボスEと対戦したプレイヤのプレイヤ識別情報と、強ボスEと対戦した強ボス対戦内容情報が記憶される。
また、ボス履歴記憶部64内では、全く異なる店舗のプレイヤ同士は、異なる時間に行われた強ボス対戦に参加したにも関わらず、固有の存在である強ボスEによって関連付けられている。
例えば、那覇店のプレイヤは、那覇店で行われた対戦プレイに参加し、また、札幌店のプレイヤは、札幌店で行われた対戦プレイに参加することより、両者は、強ボスEをキーとして、関連付けられている。
【0066】
図10は、第1実施形態のプレイヤ関連付け処理のフローチャートである。
図11は、第1実施形態のプレイヤ関連付け処理での画面を説明する図である。
プレイヤ関連付け処理では、上記特徴を利用する。
S31において、サーバ50の制御部70は、強ボスEと対戦したプレイヤに、特典として、得点及び称号を付与する。
制御部70は、強ボスEに与えたダメージが多いプレイヤ程、高い得点を付与する。これにより、制御部70は、特典の度合を、強ボスEを倒すことに対する寄与度(つまり、強ボスEに対するプレイの寄与度)に応じて、特典をプレイヤ間で公平に分配し、プレイヤ間で調整する。
【0067】
また、制御部70は、強ボスEと対戦した全てのプレイヤに、同一の称号を付与する。称号は、「勇者○○」等である。
制御部70は、これらの得点、称号に関する情報を、プレイヤ識別情報に対応付けて、プレイヤ情報記憶部61に記憶する。制御部70は、プレイヤが新たにプレイする場合等に、これらの情報を読み出して、ゲーム機20,30の表示部24,34に表示する。これにより、プレイヤは、自分が戦った強ボスEが、その後に、他の店舗のプレイヤによって倒すことができたこと、自分に付与された得点等を確認できる。
なお、実際のゲームの仕様は、プレイヤを表す表示として、プレイヤ識別情報の代わりに、プレイヤが自ら名付けたエントリネームを用いる。
【0068】
S32において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイヤから強ボス履歴画面87(
図11(A)参照)を表示するための操作を受け付けて、その要求をサーバ50に送信する。プレイヤは、操作部23,33を操作することより、この操作をすることができる。
S33において、制御部70は、ゲーム機20,30からこの要求を受信すると、強ボス履歴画面87を作成し、そのゲーム機20,30に送信する。
【0069】
図11(A)に示すように、強ボス履歴画面87は、ダメージテーブル65の情報87aと、映像表示ボタン87bとを表示したものである。映像表示ボタン87bは、ゲーム機20,30のプレイヤが、他のプレイヤの強ボス対戦のプレイ映像を表示するためのものである。
【0070】
S34において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、強ボス履歴画面87を受信すると、これを表示部24,34に表示する。
各プレイヤは、他のプレイヤのプレイ映像を確認したい場合は、他のプレイヤに対応した映像表示ボタン87bを選択すればよい。
例えば、プレイヤ識別番号が「B012」のプレイヤは、自分と同じ程度の技量のプレイヤのプレイ内容を確認したい場合には、プレイヤ識別番号が「C003」の映像表示ボタン87bを選択すればよい。強ボスEに与えたダメージは、両者とも同じ30Pだからである。
また、プレイヤ識別番号が「C011」のプレイヤは、自分よりも技量の高いプレイヤのプレイ内容を、勉強等のために参考にしたい場合には、プレイヤ識別番号が「C003」の映像表示ボタン87bを選択すればよい。強ボスEに与えたダメージは、前者が5Pであるの対して、後者がこれよりも高い30Pだからである。
【0071】
さらに、プレイヤは、1度対戦した強ボスEがその後どのように倒されていくかを、知りたいと思う場合がある。この場合には、プレイヤは、映像表示ボタン87bを、順次選択したり、一括して選択すればよい。これにより、ゲームシステム1は、各プレイヤの強ボス対戦後における他のゲーム機での強ボスEの状態を、プレイヤに伝達することができる。
【0072】
S35において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイヤから映像表示ボタン87bの操作を受け付けると、選択されたプレイヤのプレイ映像を、サーバ50に要求する。
S36において、サーバ50の制御部70は、ゲーム機からこの要求を受信すると、選択されたプレイヤのプレイ映像画面88(
図11(B)参照)を作成し、そのゲーム機に送信する。
図11(B)に示すように、プレイ映像画面88は、強ボス対戦映像88a、プレイヤ情報表示ボタン88b、フレンド申請ボタン88cを備える。
強ボス対戦映像88aは、選択したプレイヤの強ボス対戦の映像である。
プレイヤ情報表示ボタン88bは、選択したプレイヤのプレイヤ情報を、サーバ50に要求するボタンである。
フレンド申請ボタン88cは、選択したプレイヤに対して、フレンド申請するボタンである。フレンドについては、後述する。
【0073】
S37において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイ映像画面88を受信すると、これを表示部24,34に表示する。
S38において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイヤからプレイヤ情報表示ボタン88bの操作を受け付けると、選択されたプレイヤのプレイヤ情報を、サーバ50に要求する。
S39において、サーバ50の制御部70は、ゲーム機からこの要求を受信すると、選択されたプレイヤのプレイヤ情報88d(
図11(B)参照)を、プレイヤ情報記憶部61から読み出して、そのゲーム機に送信する。
S40において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイヤ情報88dを受信すると、これをプレイ映像画面88に追加表示する。プレイヤ情報88dには、選択したプレイヤの技量、所有する戦士、武器等の情報が含まれる。
これにより、プレイヤは、表示部24,34によって、これらの情報を確認することができる。
【0074】
S41において、ゲーム機20,30の制御部28,38は、プレイヤからフレンド申請ボタン88cの選択操作を受け付けると、その操作情報をサーバ50に送信する。
ここで、フレンドとは、ゲームで設定された、ゲーム上で協力関係を有するプレイヤ間の関連付けをいう。実施形態のゲームでは、フレンドで関連付けされた場合、各プレイヤは、例えば、他のプレイヤが所有する戦士を、自分のパーティを形成する戦士に選択できたり、他のプレイヤが所有する武器を使用できたりする。このため、フレンドで関連付けされることにより、プレイヤは、自分が所有していない属性の戦士を利用できたりするために、通常プレイ等を、有利に進めることができる等の利益がある。また、フレンドで関連付けられたプレイヤは、協力プレイをすることができるので、プレイ態様を広げることができる。協力プレイは、複数のプレイヤがそれぞれ戦士を持ち合わせることにより1つのパーティを形成し、複数のプレイヤがその1つのパーティによって協同して敵キャラクタE0と戦うものである。
【0075】
一方で、各プレイヤにとって、フレンドとして他のプレイヤを選択することは、難しい場合もある。
以下、適宜、フレンド申請するプレイヤ(各プレイヤ)を「申請プレイヤ」といい、フレンド申請されたプレイヤ(他のプレイヤ)を「被申請プレイヤ」という。
例えば、技量が大きく異なるプレイヤ同士では、技量の高いプレイヤは、技量の低いプレイヤとフレンドになる利益が少ない。さらに、対戦スタイルが異なっている等のように相性が合わないプレイヤ同士では、協力プレイが、スムーズに進行しない場合がある。
実施形態では、申請プレイヤは、選択した被申請プレイヤの強ボス対戦の映像を確認することにより、被申請プレイヤのプレイスタイル等を確認できる。
【0076】
S42において、サーバ50のプレイヤ関連付け制御部73は、ゲーム機からフレンド申請を受信すると、申請プレイヤと被申請プレイヤとの間に、フレンド関係を形成する。サーバ50のプレイヤ関連付け制御部73は、これらのプレイヤ同士がフレンド関係であることを、両プレイヤのプレイヤ情報記憶部61に記憶する。
【0077】
なお、サーバ50のプレイヤ関連付け制御部73は、フレンド申請されたことを被申請プレイヤに伝え、被申請プレイヤがフレンド申請を承認した場合に、両プレイヤ間のフレンド関係を成立させてもよい。この場合には、フレンド申請された情報を、被申請プレイヤがプレイするゲーム機20,20に表示すればよい。
【0078】
ゲームシステム1は、このように承認を要する形態であっても、以下の理由により、フレンドが成立しやすい。
・申請プレイヤと、被申請プレイヤとは、異なる店舗でのステージではあるものの、固有の強ボスEと戦い、かつ、共通の称号を与えられているので、強い一体感を有する。
・被申請プレイヤは、申請プレイヤと同様に、自分のゲーム機で、申請プレイヤのプレイヤ情報等を確認できる(S32〜S40)。このため、被申請プレイヤも、申請プレイヤとの相性を、予測できる。
【0079】
このように、ゲームシステム1は、異なる強ボス対戦であっても、一連の対戦で作成した特殊なダメージテーブル65を利用することにより、フレンドというプレイヤ間の新たな関連付け行うことができる。また、ゲームシステム1は、良好な関係のフレンドを成立しやすくする。
また、プレイヤは、強ボスEと対戦することにより、フレンド申請する権利を得られる。このため、ゲームシステム1は、プレイヤに、積極的に強ボス対戦に参加するように促すことができるので、ゲームの普及の向上、店舗の集客の向上等を期待できる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステム1は、固有のキャラクタである強ボスEを、仮想空間内に再配置した店舗に、順次登場させることにより、強ボスEを面白く演出できる。また、ゲームシステム1は、現実世界のゲーム機20,30を仮想空間に再配置することにより、ゲーム機20,30の配置を従来とは異なる方法でプレイに反映できる。
【0081】
なお、本実施形態では、店舗対応付けテーブルによって、プレイヤと店舗とは関連付いていた(
図4参照)。
しかし、ゲームの仕様は、プレイヤが自分のプレイカードを携行し、どの店舗でもプレイできる形態も採用できる。この仕様でも、ボス制御部は、強ボス登場処理(
図6参照)によって、プレイヤ識別情報と、強ボスのダメージとを関連付けたダメージテーブル(
図8参照)を作成することができる。
この仕様では、同一のプレイヤが複数の店舗に移動しながらプレイできる。例えば、池袋でプレイしていたプレイヤは、強ボスが池袋店から移動した場合に、次にプレイヤ自らが渋谷、新宿の店舗まで移動して、強ボスを待ち受けることができる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図12は、第2実施形態の店舗配列テーブル262A,262Bを説明する図である。
【0083】
図12(A)に示すように、サーバの記憶部(
図2の記憶部60参照)は、仮想地図の代わりに、店舗配列テーブル262Aを備える。
店舗配列テーブル262Aは、複数の店舗(つまり店舗ゲーム機)を、現実世界の配置とは異なる配列で、1列に配置したものである。
サーバの制御部(
図2の制御部70参照)は、強ボス登場処理(
図6参照)を、店舗配列テーブル262Aに基づいて行う。制御部は、店舗配列テーブル262Aの上側から下側に向けて、強ボスが登場する店舗を選択する(矢印262a参照)。
制御部は、店舗配列テーブル262Aの下端(一端側)の「池袋店」を選択した場合、その次には、上端(他端側)の「北見店」を選択する。
制御部は、店舗配列テーブル262Aの下端の店舗を選択した場合、その次には、上側から下側に向けて、強ボスが登場する店舗を選択する。
制御部は、ギミックとして、例えば、店舗を1つ飛ばして、その次の店舗を選択してもよい。つまり、各店舗に配列された店舗は、各店舗に近接している程、選択される可能性が高い。
【0084】
図12(B)に示すように、他の形態として、サーバの記憶部は、店舗配列テーブル262Bを備える。店舗配列テーブル262Bは、複数の店舗(つまり店舗ゲーム機)を、現実世界の配置とは異なる配列で、マトリクス上に配置したものである。
制御部は、店舗配列テーブル262B内において、一定の方向に向けて、強ボスが登場する店舗を選択する(矢印262b参照)。
【0085】
ゲームシステムは、店舗配列テーブル262A又は店舗配列テーブル262Bをゲーム機の表示部(
図2の表示部24,34参照)に表示する。これにより、ゲームシステムは、第1実施形態と同様に、プレイヤに予測可能な態様で、強ボスが登場する店舗を伝えることができる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムは、仮想地図の代わりに、店舗配列テーブル262A,262Bを備えることにより、第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0087】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図13は、第3実施形態の進路
図381を説明する図である。
本実施形態の進路図は、強ボスEの現在位置を中心に、ボス影響圏380c(固有キャラクタ影響域)を表示する。
ボス影響圏380cは、仮想空間内において、強ボスEの影響が大きい領域である。ゲームシステムは、強ボスEの影響域を、台風の暴風域のようなイメージで、プレイヤに伝えることができる。つまり、本実施形態では、「各地域」とは、店舗が設置されているその場所だけではなく、広がりを有する概念をいう。
【0088】
進路
図381の場面では、強ボスEが那覇店に登場しており、ボス影響圏380c内に新宿店が含まれている。那覇店のゲーム機は、強ボス対戦の処理を行っている。
この場合、サーバの制御部(
図2の制御部70参照)は、強ボス登場処理(
図6参照)において、例えば、以下の処理を行う。
【0089】
(1)強ボスEを、新宿店のゲーム機に登場している状態を維持しながら、新たに、那覇店のゲーム機に登場させ、那覇店のゲーム機に対しても、強ボス対戦の処理を開始させる。
この場合には、ゲームシステムは、強ボスEが強力であるために、那覇店の近隣の店舗に増殖、分身したように演出できる。
(2)那覇店で強ボス対戦を行うと同時に、新宿店でも強ボス対戦を行う。
この場合には、ゲームシステムは、強ボスEを複数の店舗に、同時に登場させることができる。なお、管理者等は、「那覇店、新宿店に強ボスEが同時に降臨」というような情報を、プレイヤに提供しておくことにより、集客してもよい。
【0090】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムは、ボス影響圏380cを設けることにより、複数の店舗に、強ボスEを登場させて、強ボス対戦を行うことができる。
【0091】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図14は、第4実施形態の強ボスE1、中ボスE2、弱ボスE3を説明する図である。
図15は、第4実施形態の強ボスE1、中ボスE2、弱ボスE3が仮想空間内を移動する態様を説明する仮想地
図480である。
図14に示すように、本実施形態のゲームでは、サーバのボス制御部(
図2のボス制御部71参照)で制御されるボス格の敵キャラクタとして、3種類(強ボスE1、中ボスE2、弱ボスE3)が用意されている。以下、これら3種類のボス格の敵キャラクタを、総称して「ボスキャラE」という。3種類のボスキャラEは、キャラクタ画像が異なる。ボスキャラEは、各ゲーム機で制御される敵キャラクタE0(
図7(A)参照)よりも、プレイヤが倒すことが困難なものである。
【0092】
強ボスE1、中ボスE2(E2−1,E2−2)、弱ボスE3(E3−1,E3−2,E3−3)の個体数は、1体、2体、3体であり、合計6体である。ボスキャラEは、強さが強くなる程個体数が減るので希少性が高くなる。このように、ボスキャラEの分類は、希少性のレベルに応じる。
強ボスE1、中ボスE2、弱ボスE3の体力値(ゲームに関するパラメータ)は、強ボスE1が一番大きく、この順で「100P→80P→60P」である。このため、ボスキャラEは、希少性のレベルが高い程、ダメージに対する耐性が高い。
【0093】
また、ボスキャラEのプレイヤへの攻撃力は、強ボスE1が最も大きく、中ボスE2、弱ボスE3の順に小さくなる。このため希少性のレベルが高いボスキャラE程、プレイヤが倒すことが困難であり、プレイへの影響度合いが大きい。
詳細な説明は省略するが、サーバの制御部(
図2に示す制御部70参照)は、ボスキャラEが倒された場合に、希少性のレベルが高い程、プレイヤに対して利益の大きい特典を与える。特典としては、例えば、得点、希少性の高い称号、ゲーム内での能力の高い戦士、敵キャラクタへの攻撃力が高い武器等である。
これにより、プレイヤは、希少性が高いボスキャラE程倒し甲斐があり、また、特典の利益が大きいので、希少性が高いボスキャラE程会いたいと思う期待感が向上する。
【0094】
サーバのボス履歴記憶部(
図2のボス履歴記憶部64参照)は、各ボスキャラEのダメージテーブル(
図8参照)を備える。
ボス制御部は、サーバのボス履歴記憶部の情報に基づいて、6体のボスキャラEの残体力値をそれぞれ個別に管理する。ボス制御部は、例えば、同じ種類の弱ボスE3であっても、弱ボスE3−1,E3−2,E3−3のそれぞれについて記憶し、また、これらの残体力値をそれぞれについて管理する。
【0095】
図15に示すように、ボス制御部は、前述した実施形態と同様に、ボスキャラEを、仮想空間内に配置した店舗間を移動するように演出する。この場合、ボス制御部は、各ボスキャラEを一体としてではなく、個体として制御する。
なお、ボス制御部は、表示部(
図2に示す表示部24,34参照)に、プレイヤの操作部の操作に応じて、各ボスキャラEの進路図を個別に表示してもよく、2以上のボスキャラEの進路図を重ねて同時に表示してもよい。
【0096】
このように、ボス制御部は、同じ種類に分類された複数のボスキャラEであっても、ダメージテーブルを各個体について管理し、また、移動についても各ボスキャラEについて管理することにより、各ボスキャラEを個体として制御する。
これにより、本実施形態のシステムは、6体をそれぞれ個体として扱うことができ、6体をそれぞれについて唯一無二のキャラクタ像を構築できる。
【0097】
但し、大きな概念としては、ボス制御部は、仮想空間内を、弱いボスキャラEを先行させて、その後を強いボスキャラEが移動するように制御する。つまり、強ボスE1、中ボスE2(各固有キャラクタ)を登場するゲーム機を、中ボスE2、弱ボスE3(他の種類の固有キャラクタ)が登場するゲーム機に応じて連動して変更する。
これにより、本実施形態のシステムは、中ボスE2を、弱ボスE3を先行させて移動し、その後、強ボスE1を、中ボスE2が後を追うように演出できる。
【0098】
このような処理によって、同じ店舗には、ボスキャラEが弱い順に、登場することになる。また、プレイヤは、弱ボスE3、中ボスE2、強ボスE1の順に対戦することになる。このため、プレイヤがより強いボスキャラEと対戦する状態では、プレイヤが操作するキャラクタCが消耗しキャラクタCの体力値が減っている態様にできる。これにより、プレイヤに対して、自分が操作するキャラクタCの体力値を増やすための課金を促すことができる。
【0099】
なお、ボス制御部は、より強いボスキャラEが登場する店舗として、強いプレイヤがいる店舗を避けるように選択してもよい。これにより、システムは、先に弱いボスキャラEを先行させてどのようなプレイヤがいるかの探りを入れて、より強いボスキャラEが高ダメージを受けることを嫌って移動するように演出できる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態のシステムは、複数のボスキャラEを登場させ、各ボスキャラEを個別に制御することにより、唯一無二のキャラクタ像を構築できるので、ボスキャラEを面白く演出できる。
【0101】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、前述した仮想地図に関する処理である仮想地図作成処理、仮想地図更新処理について説明する。
図16は、第5実施形態の仮想地図作成処理、仮想地図更新処理のフローチャートである。
仮想地図作成処理、仮想地図更新処理は、サーバの制御部(
図2の制御部70参照)が行う。
【0102】
(仮想地図作成処理)
仮想地図作成処理について説明する。
仮想地図作成処理は、店舗を仮想空間内に配置し、仮想地図を作成する処理である。
ここでは、
図3(B)の仮想地
図80を作成する例を説明する。
S501において、サーバの制御部は、店舗ゲーム機のゲーム機識別情報と、その設置店舗の位置情報(例えば店舗名、住所等)の入力を受け付ける。
これらの情報の入力は、これらの情報をサーバに入力できる態様であれば、限定されない。これらの情報の入力は、例えば、管理者等が操作部(
図2の操作部33参照)等を用いる方法、店舗ゲーム機を店舗に設置した場合に店舗ゲーム機が通信網を介してサーバに送信する方法等を用いることができる。
【0103】
S502において、制御部は、店舗の位置情報に基づいて、現実世界における店舗の位置、店舗間の近接度合等を判定する。
以下、店舗間の近接度合を、単位面積当たりの店舗数で表し、これを「店舗密度」という。
制御部は、店舗密度を、各領域(
図3の例では東京都、北海道、沖縄県)について算出し、領域間で比較する。
制御部は、東京都には、3つの店舗が近接し、つまり密集して配置されているので、「東京都は、他の領域よりも店舗密度が高い」と判定する。
一方、北海道の面積は、東京都よりも広いが、2つの店舗しか配置されていない。また、沖縄県には、1つの店舗しか配置されていない。このため、制御部は、「北海道、沖縄県は、店舗密度が低い」と判定する。
【0104】
S503において、制御部は、店舗を仮想空間内に配置して、仮想地図を作成する。
制御部は、以下のように、店舗を仮想空間内に配置する。
(1)店舗間が等間隔になるように、店舗を分散して配置する。これにより、仮想空間内における店舗間の間隔は、現実世界よりも均一になり、つまり、仮想空間内における店舗密度は、現実世界よりも均一になる。
(2)東京都の密集した店舗を分散する。これにより、東京都の3店舗が、仮想空間内において、隣合わないように配置される。
S504において、制御部は、仮想地図作成処理を終了する。
【0105】
以上の処理によって、ゲームシステムは、第1実施形態で説明した効果を奏するように、強ボスEを仮想空間内で移動することができる。
なお、東京都の店舗数が多過ぎる場合には、いずれかの店舗間を隣合って配置してもよい。その理由は、強ボス等が東京都の店舗を通過する場合において、東京都の店舗ばかりを連続して登場しなければ、例えば東京都の2店舗のみに連続して登場したとしても、北海道、沖縄県のプレイヤにとって、大きな不満にはならないからである。
【0106】
(仮想地図更新処理)
仮想地図更新処理について説明する。
図17は、第5実施形態の仮想地図更新処理における仮想地図を説明する図である。
ゲームシステムでは、仮想地図更新処理として、店舗削除処理、店舗追加処理の2つが用意されている。
店舗削除処理は、店舗が店舗ゲーム機を撤収したことより、仮想地図を更新する処理である。
店舗追加処理は、店舗が店舗ゲーム機を導入したことより、仮想地図を更新する処理である。
【0107】
(店舗削除処理)
店舗削除処理について説明する。
図16(B)、
図17(A)に示すように、那覇店から店舗ゲーム機を撤収する例を説明する。
S511において、サーバの制御部は、那覇店から店舗ゲーム機を撤収したことを受け付ける。制御部への那覇店から店舗ゲーム機を撤収したことの入力は、上記仮想地図作成処理と同様に行うことができる。
【0108】
S512において、制御部は、仮想地
図581上から那覇店を削除する(仮想地
図582参照)。また、制御部は、店舗対応付けテーブル(
図4参照)から、那覇店の2つの店舗ゲーム機に関する情報を削除する。
【0109】
S513において、制御部は、仮想地
図582の店舗間の間隔が均一になるように、残りの5店舗を再度、配置することにより、仮想地
図583を作成し仮想地図を更新する。
S514において、制御部は、店舗削除処理を終了する。
【0110】
(店舗削除処理)
店舗削除処理について説明する。
図16(B)、
図17(B)に示すように、大阪店に新たに店舗ゲーム機を導入する例を説明する。
S521において、サーバの制御部は、大阪店に新たに店舗ゲーム機を導入したことを受け付ける。制御部への大阪店に新たに店舗ゲーム機を導入したことの入力は、上記仮想地図作成処理と同様に行うことができる。
【0111】
S522において、制御部は、仮想地
図584に対して、大阪店を追加した仮想地
図585を作成する。また、制御部は、店舗対応付けテーブル(
図4参照)に、大阪店の2つの店舗ゲーム機に関する情報を追加する。
S523において、制御部は、仮想地
図582の店舗間の間隔が均一になるように、大阪店を含む7店舗を再度、配置することにより、仮想地
図586を作成し仮想地図を更新する。
S524において、制御部は、店舗追加処理を終了する。
【0112】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムは、店舗において店舗ゲーム機を撤収、削除した後、サーバが店舗間の間隔を均一にした仮想地
図583,586に更新する。これにより、店舗における店舗ゲーム機の導入、撤収に応じた管理者等の作業、処理が容易である。
なお、ゲームシステムは、店舗削除処理、店舗追加処理のうち1つのみを行ってもよい。
【0113】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図18は、第6実施形態の仮想地図作成処理のフローチャート、仮想地図を説明する図である。
仮想地図作成処理は、サーバの制御部(
図2の制御部70参照)が行う。
S601,S602,S604の処理は、第5実施形態のS501,S502,S504の処理と同様である。
S602aにおいて、制御部は、各領域の店舗密度を比較して、店舗密度の低い領域の店舗増加数を決定する。
管理者等は、この店舗増加数の算出方法を、適宜設定できる。
管理者等は、例えば、実際の店舗密度が同等になるように、店舗密度が低い領域の店舗数を増加する。但し、算出方法は、これに限定されず、プレイヤの人口等を勘案して、適宜設定することができる。
【0114】
S603において、
図18に示すように、制御部は、店舗を仮想空間内に配置して、仮想地
図680を作成する。この場合、制御部は、S602aで増加した店舗数を反映する。
これにより、店舗密度が低い領域の店舗の場合には、複数の店舗が、仮想地図上に配置される。
仮想地
図680は、2店舗の北見店A,B、2店舗の札幌店A,B、3店舗の那覇店A,B,Cが配置された例である。
なお、店舗の配置方法は、第5実施形態のS503と同様である。但し、本実施形態では、同じ領域の店舗が隣合わないように配置することに加えて、増加した同一の店舗が隣合わないように配置する。
【0115】
ここで、前述した第1実施形態で説明したように、ゲームの仕様は、どの店舗でもプレイできる形態も採用できる。
しかし、この仕様では、沖縄県のプレイヤは、他の領域(東京都、北海道)に自ら移動して強ボスを待ち受けるといったプレイをすることは、殆んど不可能である。北海道のプレイヤも同様である。このため、この仕様では、東京都のプレイヤは、他の領域(北海道、沖縄県)のプレイヤよりも、多くの強ボス対戦をする機会が与えられる。従って、この仕様では、強ボス対戦をする機会について、領域間の差が大きくなる。
【0116】
これに対して、本実施形態のゲームシステムは、店舗密度が低い領域の店舗を複数配置した仮想地
図680を、強ボス登場処理に用いる。このため、現実世界において、東京都の強ボス対戦の発生回数と、北海道、沖縄県の強ボス対戦の発生回数とを、均一にできる。これにより、店舗密度が低い北海道、沖縄県のプレイヤであっても、東京都のプレイヤと同様に、多くの強ボス対戦をする機会が与えられる。
【0117】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムは、プレイヤがどの店舗でプレイできる仕様でも、プレイヤに対して、強ボス対戦をする機会を公平に与えることができる。
なお、第2実施形態のように、仮想地図の代わりにテーブル等を用いる形態でも、店舗密度が低い領域の店舗を複数配列することにより、本実施形態と同様な効果を奏する。
【0118】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態では、前述した仮想地図に関する処理である仮想地図作成処理、仮想地図更新処理について説明する。
図19は、第7実施形態の仮想地
図780を示す図である。
仮想地
図780は、現実世界の地図に、店舗を重ねたものである。
サーバのボス制御部(
図2のボス制御部71参照)は、強ボス登場処理(
図6参照)を、仮想地
図780に基づいて行う。
このため、本実施形態のゲームシステムは、強ボスを、現実世界の店舗を順次移動するように演出できる。
また、第1で説明したように、プレイヤがどの店舗でもプレイできる仕様の場合、東京都のように店舗が密集した領域では、プレイヤは、現実世界において、強ボスを追いかけるようにして店舗を移動して、強ボス対戦をすることができる。
【0119】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0120】
(変形形態)
(1)実施形態において、携帯ゲーム機の位置情報は、1店舗のみに登録される例を示したが、これに限定されない。
例えば、ゲームシステムは、携帯ゲーム機が現実の位置情報を取得する機能(GPS機能等)を利用して、プレイヤが一番近い店舗を、店舗対応付けテーブル(ゲーム機位置情報記憶部)の仮想位置情報)に登録してもよい。この場合には、プレイヤは、携帯ゲーム機を登録するために、店舗を訪れる必要がないので、便利である。
【0121】
これに加えて、ゲームシステムは、店外を移動している状態で、その現在位置を、プレイに反映できるようにしてもよい。この形態では、プレイヤが店外を移動している状態で、その現在位置を、プレイに反映できるようにしてもよい。
この形態では、サーバは、携帯ゲーム機が取得した現在位置に最も近い店舗が、その前とは異なる店舗になった場合に、店舗対応付けテーブル(ゲーム機位置情報記憶部)の仮想位置情報)を、順次更新するようにすればよい。
この形態では、携帯ゲーム機を携行するプレイヤは、現実世界を短距離移動した場合でも、仮想空間内を長距離移動することができる。例えば、現実世界の東京都内において、池袋店舗近傍から新宿店舗近傍に移動することによって、
図3に示した仮想地図の例では、仮想空間内を左端近傍から右端近傍まで移動することになる。これにより、プレイヤの現実世界での移動を、仮想空間において面白く演出できる。
【0122】
(2)実施形態において、ゲームシステムは、強ボスの進路図、又は店舗配列テーブルを表示することにより、強ボスが登場する店舗を予測できる例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲームシステムは、強ボスが登場する店舗の確率を表す文字、グラフ等を表示してもよい。
【0123】
(3)実施形態において、ゲームは、敵キャラクタと対戦するものである例を示したが、これに限定されない。ゲームの種類は、キャラクタが仮想空間内を移動するものであれば、いずれの形態でもよい。
例えば、ゲームは、キャラクタとして、仮想空間内を移動する天使を設けて、プレイヤが天使から体力値を貰う仕様にしてもよい。また、ゲームは、キャラクタとして、仮想空間内を移動する犬を設けて、プレイヤがこの犬を育てる育成ゲームでもよい。