特許第6640450号(P6640450)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6640450
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/28 20060101AFI20200127BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200127BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   H05B33/28
   H05B33/14 A
   H05B33/02
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-12803(P2015-12803)
(22)【出願日】2015年1月26日
(65)【公開番号】特開2016-139493(P2016-139493A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2017年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】岡田 健見
【審査官】 小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/155306(WO,A1)
【文献】 特開2004−363040(JP,A)
【文献】 特開2008−103305(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/126269(WO,A1)
【文献】 特開2009−054420(JP,A)
【文献】 特開2012−069507(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0065218(KR,A)
【文献】 国際公開第2005/041217(WO,A1)
【文献】 特開2014−002960(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/126267(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0146908(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/28
H01L 51/50 − 51/56
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に形成され、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層を有する発光部と、
前記第1電極に接しており、可視光を透過しない材料を含む複数の導電層と、
を備え、
前記第1電極は可視光を透過し、
前記導電層は、ドット状部及び第1の方向に延在しているストライ状部と、を有し、
前記導電層の前記ストライプ状部のうち、少なくとも一組の隣り合う前記ストライプ状部の間隔が、他の一組の隣り合う前記ストライプ状部の間隔とは異なり、
前記導電層と重なる領域は非発光領域である発光装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板に形成され、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層を有する発光部と、
前記第1電極に接しており、可視光を透過しない材料を含む複数の導電層と、
を備え、
前記第1電極は可視光を透過し、
前記導電層は、ドット状部及び第1の方向に延在しているストライプ状部と、を有し、
前記導電層の前記ストライプ状部のうち、少なくとも一組の隣り合う2つの前記ストライプ状部において、当該2つのストライプ状部の間隔が変化している部分を有し、
前記導電層と重なる領域は非発光領域である発光装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発光装置において、
前記ドット状部の直径は、200μm以上である発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光装置において、
少なくとも一つの前記導電層は、幅が変化している部分を有する発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光装置において、
前記基板は少なくとも1層以上のバリア膜を持つ樹脂基板で形成される発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、発光装置などの光源として、有機EL素子を用いることが増えている。有機EL素子は、第1電極と第2電極の間に有機層を挟んだ構成を有している。第1電極には、透光性の導電材料が用いられている。一般的に透光性の導電材料は金属と比較して抵抗が大きい。このため、第1電極には、金属材料からなる導電層(例えば補助電極)を部分的に設ける場合が多い。
【0003】
例えば特許文献1には、補助電極をフィボナッチ数列に相似または類似したパターンに配置することにより、外光反射時の色つきやモアレ縞を抑制できる、と記載されている。
【0004】
また特許文献2には、基板に薄膜を形成し、かつ薄膜に収縮等に起因したマイクロクラックを発生させたうえで、このマイクロクラックに導電性物質を充填することにより、網目状の導電層を形成することが記載されている。なお、特許文献2には、網目状の導電層をメッキ法により形成することもできる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−84535号公報
【特許文献2】特開2004−228057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有機EL素子を有する発光装置は、製造されてから時間がたつと、水分等に起因して、部分的に発光が弱くなる部分(非発光部)が発生することがある。特に樹脂基板を用いた場合は、バリア膜を用いてもピンホールの発生が避けられず、ピンホールからの水分侵入によってダークスポットと呼ばれる点状の非発光部が発生する。本発明が解決しようとする課題としては、この非発光部を目立たなくすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、基板と、
前記基板に形成され、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層を有する発光部と、
前記第1電極に接しており、可視光を透過しない材料を含む複数の導電層と、
を備え、
前記第1電極は可視光を透過し、
前記導電層は、第1の方向に延在しており、かつ、少なくとも一組の隣り合う前記導電層の間隔は、他の一組の隣り合う前記導電層の間隔とは異なる発光装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、基板と、
前記基板に形成され、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層を有する発光部と、
前記第1電極に接しており、可視光を透過しない材料を含む複数の導電層と、
を備え、
前記第1電極は可視光を透過し、
前記導電層は、第1の方向に延在しており、かつ、少なくとも一組の隣り合う2つの前記導電層は、当該2つの導電層の間隔が変化している部分を有する発光装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る発光装置の構成を示す平面図である。
図2図1から第2電極を取り除いた図である。
図3図2から有機層及び絶縁層を取り除いた図である。
図4図1のA−A断面図である。
図5図3の変形例を示す平面図である。
図6図3の変形例を示す平面図である。
図7】発光装置を基板の第2面側から見た図である。
図8】変形例に係る発光装置における導電層のレイアウトを示す平面図である。
図9図8の変形例を示す平面図である。
図10図8の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、第1の実施形態に係る発光装置10の構成を示す平面図である。図2は、図1から第2電極130を取り除いた図である。図3は、図2から有機層120及び絶縁層150を取り除いた図である。図4は、図1のA−A断面図である。
【0012】
実施形態に係る発光装置10は、基板100、発光部140、及び複数の導電層180を備えている。発光部140は基板100に形成されており、第1電極110、第2電極130、及び有機層120を有している。第1電極110は可視光を透過する。有機層120は第1電極110と第2電極130の間に位置している。導電層180は第1電極110に接しており、可視光を透過しない。そして、導電層180は、第1の方向(図3におけるy方向)に延在している。また、少なくとも一組の隣り合う導電層180の間隔(例えば図3のw)は、他の一組の隣り合う導電層180の間隔(例えば図3のw)とは異なる。以下、詳細に説明する。
【0013】
発光装置10がボトムエミッション型の発光装置である場合、基板100は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する基板である。一方、発光装置10がトップエミッション型の発光装置である場合、基板100は透光性を有していなくてもよい。また、基板100は可撓性を有していてもよい。この場合、基板100が湾曲した状態で発光装置10を使用することができる。可撓性を有している場合、基板100の厚さは、例えば10μm以上1000μm以下である。基板100は、例えば矩形などの多角形である。基板100が樹脂基板である場合、基板100は、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、又はポリイミドを用いて形成されている。また、基板100が樹脂基板である場合、水分が基板100を透過することを抑制するために、基板100の少なくとも一面(好ましくは両面)に、SiNやSiONなどの無機バリア膜が形成されている。なお、この無機バリア膜と基板100の間に、平坦化層(例えば有機層)が設けられていてもよい。
【0014】
基板100の第1面102には、発光部140が設けられている。発光部140は、第1電極110、有機層120、及び第2電極130をこの順に積層させた構成を有している。
【0015】
第1電極110は、光透過性を有する透明電極である。透明電極の材料は、金属を含む材料、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)等の金属酸化物である。第1電極110の厚さは、例えば10nm以上500nm以下である。第1電極110は、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される。なお、第1電極110は、カーボンナノチューブ、又はPEDOT/PSSなどの導電性有機材料であってもよい。
【0016】
有機層120は発光層を有している。有機層120は、例えば、正孔注入層、発光層、及び電子注入層をこの順に積層させた構成を有している。正孔注入層と発光層との間には正孔輸送層が形成されていてもよい。また、発光層と電子注入層との間には電子輸送層が形成されていてもよい。有機層120は蒸着法で形成されてもよい。また、有機層120のうち少なくとも一つの層、例えば第1電極110と接触する層は、インクジェット法、印刷法、又はスプレー法などの塗布法によって形成されてもよい。なお、この場合、有機層120の残りの層は、蒸着法によって形成されている。また、有機層120のすべての層が、塗布法を用いて形成されていてもよい。
【0017】
第2電極130は、可視光を透過しない材料、例えば、Al、Au、Ag、Pt、Mg、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。この場合、第2電極130は遮光性を有している。第2電極130の厚さは、例えば10nm以上500nm以下である。ただし、第2電極130は、第1電極110の材料として例示した材料を用いて形成されていてもよい。第2電極130は、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される。
【0018】
なお、上記した第1電極110及び第2電極130の材料は、発光装置10がボトムエミッション型の場合である。発光装置10がトップエミッション型の場合、第1電極110の材料と第2電極130の材料は逆になる。すなわち第1電極110の材料には上記した第2電極130の材料が用いられ、第2電極130の材料には上記した第1電極110の材料が用いられる。
【0019】
そして、図3に示すように、第1電極110と有機層120の間には、複数の導電層180が形成されている。導電層180は、補助電極として機能し、第1電極110よりも抵抗が低い材料、例えばAlなどの金属層を有している。導電層180を設けることにより、第1電極110の見かけ上の抵抗は低くなる。導体層180は多層構造を有していてもよい。この場合、導体層180は、例えば、Mo又はMo合金などの金属層である第1導電層、Al又はAl合金などの金属層である第2導電層、及び、Mo又はMo合金などの金属層である第3導電層をこの順に積層した構成を有している。
【0020】
導電層180の幅wは、例えば200μm以上である。このため、人がある程度発光装置10に近づく(例えば後述する非発光部142を認識できる程度の距離、具体的には100cm以内)と、その人は、導電層180を視認することができる。
【0021】
本図に示す例において、複数の導電層180は、いずれも第1の方向(図中y方向)に延在しており、かつ、第1の方向に交わる第2の方向(図中x方向)に並んでいる。そして、隣り合う導電層180の間隔は一定ではない。このため、上記したように、少なくとも一組の隣り合う導電層180の間隔(例えば図3のw)は、他の一組の隣り合う導電層180の間隔(例えば図3のw)とは異なる。言い換えると、発光装置10において、導電層180の間隔は複数存在する。上記した間隔は、3つ以上続けて互いに異なるのが好ましい。また、いずれの互いに隣り合う3つの導電層180を選択しても、上記したwとwは互いに異なるようにするのが好ましい。このようにすると、導電層180の間隔は不規則に見えるため、発光部140が発光しているときに生じる導電層180の影は、模様のようにみえる。
【0022】
また、図3に示す例では、一つの導電層180の幅は一定になっている。ただし、図5に示すように、少なくとも一つの導電層180は、幅が変化している部分を有してもよい。このようにすると、導電層180に起因して発光部140内に模様が浮かび上がる。従って、発光部140が発光しているときに生じる導電層180の影は、さらに模様のようにみえる。
【0023】
また、図6に示すように、発光装置10は、さらに少なくとも一つのドット状の導電層180を有していてもよい。これは後述する非発光部142が同じくドット状に形成される場合が多いからである。また、ドット上の導電層180の少なくとも一つは、ストライプ状の導電層180と重なっていてもよい。ドット状の導電層180が形成される場合は、この導電層180の直径は、例えば、200μm以上であるのが好ましい。非発光部142は大小様々な大きさで形成され人の目には視認できない大きさのものも存在するが、そのうち人の目に視認できる程度の大きさのものを目立たなくすればよいからである。
【0024】
なお、導電層180は、第1電極110と基板100の間に形成されていてもよい。この場合、導電層180は、第1電極110のうち基板100に対向する面に接している。
【0025】
第1電極110の縁は、絶縁層150によって覆われている。絶縁層150は、第1電極110のうち発光部140となる領域を画定している。言い換えると、絶縁層150は発光部140を囲んでいる。そして絶縁層150の一部は、発光部140と第1端子112の間に位置している。絶縁層150は例えばポリイミドなどの感光性の樹脂材料によって形成されており、第1電極110のうち発光部140の発光領域となる部分を囲んでいる。絶縁層150を設けることにより、第1電極110の縁において第1電極110と第2電極130が短絡することを抑制できる。絶縁層150は、絶縁層150となる塗布材料を塗布した後、この塗布材料を露光及び現像することにより、形成される。絶縁層150は導電層180の一部(例えばエッジ部分)を覆っていても良い。このようにすることで(通常用いる補助電極としての)導電層180のエッジ部分での短絡を防止する。
【0026】
また、発光装置10は、第1端子112及び第2端子132を有している。第1端子112は第1電極110に接続しており、第2端子132は第2電極130に接続している。第1端子112及び第2端子132は、例えば、第1電極110と同一の材料で形成された層を有している。また、第1端子112及び第2端子132の少なくとも一つの少なくとも一部は、この層の上に、第1電極110よりも低抵抗な金属を有していてもよい。第1端子112及び第2端子132のうち第1電極110と同一の材料で形成された層は、第1電極110と同一工程で形成されている。このため、第1電極110は、第1端子112の少なくとも一部の層と一体になっている。なお、第1端子112と第1電極110の間には引出配線が設けられていてもよい。また、第2端子132と第2電極130の間にも引出配線が設けられていてもよい。
【0027】
第1端子112には、ボンディングワイヤ又はリード端子などの導電部材を介して制御回路の正極端子が接続され、第2端子132には、ボンディングワイヤ又はリード端子などの導電部材を介して制御回路の負極端子が接続される。
【0028】
なお、図3図5、及び図6に示した複数の導電層180は、第1端子112上で互いに繋がっていてもよい。
【0029】
さらに、発光装置10は封止部材を有していてもよい。この封止部材は透光性を有しており、例えばガラス又は樹脂を用いて形成されている。封止部材は、基板100と同様の多角形や円形であり、中央に凹部を設けた形状を有している。そして封止部材の縁は接着材で基板100に固定されている。これにより、封止部材と基板100で囲まれた空間は封止される。そして発光部140は、封止された空間の中に位置している。なお、封止部材はALD法で形成された膜又はCVD法で形成された膜であってもよい。
【0030】
次に、発光装置10の製造方法について説明する。まず、基板100に第1電極110を、例えばスパッタリング法を用いて形成する。この時、マスクを用いたりウェットエッチングを用いるなどして、第1電極110を所定のパターンにする。この際、第1端子112及び第2端子132も形成される。
【0031】
次いで、第1電極110上に、導電層180を、例えばスパッタリング法を用いて形成する。この時、マスクを用いたりウェットエッチングを用いるなどして、導電層180を上記したパターンにする。
【0032】
次いで、第1電極110の縁の上に絶縁層150となる、塗布材料を塗布する。次いで、この塗布材料を硬化させる。これにより、絶縁層150は形成される。なお、絶縁層150が感光性の材料によって形成されている場合、絶縁層150となる塗布材料は、第1電極110の縁以外の領域にも塗布される。その後、露光工程及び現像工程が行われることにより、絶縁層150は、第1電極110の縁に形成される。
【0033】
次いで、有機層120を形成する。有機層120のうちインクジェット法などの塗布法で形成される層は、第1電極110のうち絶縁層150で囲まれた領域内に塗布材料を位置させることにより、形成される。次いで、第2電極130を形成する。第2電極130も、例えばマスクを用いるなどして所定のパターンに形成される。その後、封止部材を用いて発光部140を封止する。
【0034】
図7は、発光装置10を基板100の第2面104側から見た図である。発光装置10を発光させているとき、上記したように、第2面104のうち導電層180が形成されている部分からは光が放射されない。このため、発光装置10のうち導電層180が位置している部分には影が生じる。
【0035】
一方、有機層120は水分等に弱い。このため、発光装置10が製造されてから時間がたつと、その発光装置10の発光部140には、非発光部142が発生することがある。しかし本実施形態では、少なくとも一組の隣り合う導電層180の間隔(例えば図3のw)は、他の一組の隣り合う導電層180の間隔(例えば図3のw)とは異なる。このため、導電層180が等間隔で配置されている場合と比較して、非発光部142は、導電層180に起因した陰に紛れやすくなるため、目立たなくなる。
【0036】
特に、基板100が樹脂を含む材料で形成されている場合、防湿のためのバリア膜を基板100に設けても、このバリア膜にピンホールが生じることがあるため、発光部140への水分の侵入を完全に防ぐことは難しく、非発光部142の発生が顕著である。この場合においても、導電層180の幅を少なくとも200μm以上にすることによって、非発光部142を目立たなくすることが出来る。また、導電層180は発光領域において間隔をおいて作成されるので、基板100のフレキシブル性を損なうことがない。
【0037】
(変形例)
図8は、変形例に係る発光装置10における導電層180のレイアウトを示す平面図である。本変形例に係る発光装置10は、導電層180のレイアウトを除いて、実施形態に係る発光装置10と同様の構成である。
【0038】
本変形例において、導電層180は模様を描いている。このため、少なくとも一組の隣り合う2つの導電層180は、当該2つの導電層180の間隔が変化している部分を有している。本図に示す例において、導電層180の間隔は、全ての場所で変化している。
【0039】
なお、図8に示す例において、導電層180はスイカの皮に近い模様を有している。ただし、導電層180は、図9に示すようにシマウマのような模様を有していてもよいし、図10に示すように木目調の模様を有していてもよい。
【0040】
本変形例によっても、導電層180は模様を描いているため、実施形態と同様の理由により、非発光部142は目立たない。
【0041】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10 発光装置
100 基板
110 第1電極
120 有機層
130 第2電極
140 発光部
150 絶縁層
180 導電層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10