【実施例】
【0032】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例と比較例における諸物性は、以下の測定方法により測定した。
【0033】
[評価方法]
1.目付重量(g/m
2)
JIS L1096.8.3(単位面積当たりの質量)に準じて測定を行った。
2.厚さ(mm)
JIS L1096.8.4(厚さ)に準じて測定を行った。
3.密度(本/25.4mm)
JIS L1096.8.6(密度)に準じて測定を行った。
4.カバーファクター
各カバー材において次の式1で定義(算出)を行った。
[式1]
カバーファクター= A × D
A1/2 + B × D
B1/2
A : 織布の経糸密度(本/2.54cm)
B : 織布の緯糸密度(本/2.54cm)
D
A : 経糸の総繊度(dtex)
D
B : 緯糸の総繊度(dtex)
5.飽和保水量(g/m
2)
JIS L1096.8.10(含水率)に準じて、試料を水槽に1分間浸漬し、その後水槽から2つのピンセット用いてカバー材の1辺に係る2つ隅を摘み上げ、取り出し30秒吊り下げのまま静置させたカバー材にて、測定を行った。
6.通気度(cc/cm
2・秒)
JIS L1096 A法(フラジール法)に準じて測定した。
7.剛軟度(cm)
経方向、緯方向のそれぞれに対し、JIS L 1096.8.21(カンチレバー法)に準じて測定した。
8.引裂強度(N)
経方向、緯方向のそれぞれに対し、JIS L1096 A法(シングルタング法)に準じて測定した。
9.保水性(乾き難さ)
20cm×20cmの各カバー材と、これが平置きで入るバットを用意し、共に乾燥した状態で、バット1枚にカバー材1枚を平置きし、この乾燥重量を測定した。なお、この時用いたバットとカバー材は試験終了まで各々セットとして扱った。
次に、カバー材の保水処理として、水の入った水槽に各カバー材を12時間浸漬した後、2つのピンセット用いてカバー材の1辺に係る2つ隅を摘み上げ、取り出し1分間吊り下げのまま静置し、水切りを行った。
次に、保水処理後の各カバー材をもとのバットに平置きで戻し、保水処理後の各カバー材とバットの保水重量を測定した。
そして、30℃×60%RHの環境下で静置させ、保水重量と乾燥重量の差の保水量を算出し、ほぼ濡れ感がなくなる、保水量10g/m
2以下となるまでの保水時間を計測し、下記の様な基準にて保水性を評価した。
○:保水時間が2時間以上
△:保水時間が30分以上、2時間未満
×:保水時間が30分未満
10.保温性
直径18cm、高さ20cmのスチール缶に80℃の熱湯を4L入れ、これをスチール缶に合わせた袋状にした各カバー材で包装し、5℃×40%RHの環境下で静置した。
このとき、水温が20℃に達するまでの時間を測定し、下記基準にて保温性を判断した。
○:10時間以上
△:6時間以上10時間未満
×:6時間未満
11.ブロック状コンクリート構造体に対する施工性
25tシェーク型消波ブロックに対して、直径6m、高さ5mの円錐状に縫製したカバー材を施工し、その施工性を評価した。
○:角部に対する追従性、及び、カバー材のハリコシが良好であり、ブロック状コンクリート構造体を容易に被うことができる。
△:角部に対する追従性、及び、カバー材のハリコシがやや良好であり、ブロック状コンクリート構造体を被うことはできる。
×:角部に対する追従性、及び、カバー材のハリコシが不良であり、ブロック状コンクリート構造体を被うことは困難である。
【0034】
以下に、実施例、比較例を示す。
【0035】
[実施例1]
経糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA PLASTICS CORPORATION製(以下、NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経54本/インチ,緯53本/インチ)、カバーファクターが2320、総単糸本数が15408本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸470dtex/144fの経緯糸はZ方向に150T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0036】
[実施例2]
経糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸470dtex/144f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経46本/インチ,緯42本/インチ)、カバーファクターが1908、総単糸本数が12672本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸470dtex/144fの経緯糸はZ方向に150T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0037】
[実施例3]
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経65本/インチ,緯61本/インチ)、カバーファクターが2289、総単糸本数が6048本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に250T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0038】
[実施例4]
経糸にポリエステル糸550dtex/288f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸550dtex/288f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経65本/インチ,緯65本/インチ)、カバーファクターが3049、総単糸本数が37440本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸550dtex/288fの経緯糸はポリエステル糸225dtex/144fの2本をZ方向に50T/mの撚りで合撚し双使いで用いた。
【0039】
[実施例5]
経糸にナイロン66糸470dtex/144f(NAN YA製)を、緯糸にナイロン66糸470dtex/144f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経46本/インチ,緯42本/インチ)、カバーファクターが1908、総単糸本数が12672本の織物を作成した。なお、ここでナイロン66糸470dtex/144fの経緯糸はZ方向に200T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0040】
[実施例6]
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、綾織(密度:経83本/インチ,緯51本/インチ)、カバーファクターが2434、総単糸本数が6432本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に450T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0041】
[実施例7]
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、二重綾織(密度:経98本/インチ,緯72本/インチ)、カバーファクターが3088、総単糸本数が8160本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に450T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0042】
[実施例8]
経糸にポリエステル糸167dtex/36f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸275dtex/24f(NAN YA製)を用いて、朱子織(密度:経122本/インチ,緯76本/インチ)、カバーファクターが2837、総単糸本数が6216本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸167dtex/36fの経糸およびポリエステル糸275dtex/24fの緯糸はZ方向に350T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0043】
[実施例9]
経糸にポリエステル糸1100dtex/192f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸1100dtex/192f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経33本/インチ,緯24本/インチ)、カバーファクターが1890、総単糸本数が10944本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸1100dtex/192fの経緯糸はZ方向に80T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0044】
[比較例1]
経糸にポリエステル糸330dtex/96f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸470dtex/96f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経46本/インチ,緯42本/インチ)、カバーファクターが1599、総単糸本数が8448本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/96fの経緯糸はZ方向に250T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0045】
[比較例2]
経糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(NAN YA製)を用いて、平織(密度:経55本/インチ,緯50本/インチ)、カバーファクターが1907、総単糸本数が5040本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの経緯糸はZ方向に250T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0046】
[比較例3]
経糸にポリエステルモノフィラ糸330dtex(ユニプラス製)、緯糸にポリエステル糸330dtex/48f(ユニプラス製)を用いて、平織(密度:経62本/インチ,緯62本/インチ)、カバーファクターが2253、総単糸本数が3038本の織物を作成した。なお、ここでポリエステル糸330dtex/48fの緯糸はZ方向に150T/mの撚糸加工したものを用いた。
【0047】
【表1】