【文献】
旅客運輸業研究会,”海運業における取引フローと留意事項”,業種別会計実務ガイドブック,税務研究会出版局,2011年 3月15日,第1版,p.935-942
【文献】
照屋 行雄,”第4節 営業外債権・債務”,現代簿記の原理,(株)中央経済社,2014年 3月30日,第1版,p.174-180
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1は、入力された検索条件に対応する輸出台帳(S/I)データ又は輸入通関台帳データを検索して送信するので、輸出入業務スケジュール照会を容易に行うことができる。また、立替金データから請求明細データを作成又は更新し、入金引当金額データに基づいて請求明細データを更新するので、立替金の管理を容易に行うことができるとともに、入金引当をも容易に行うことができる。しかしながら、港湾業界では、関税、消費税、海上運賃、コンテナヤードでの作業料などを荷主に代わって立替える立替金として扱われることが多く、支払いを先行して、請求を締単位で行うため、立替金の管理が煩雑になるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、立替金の管理を明確にすることにより、立替金の請求もれを防ぐと共に、月末時の立替差額の確認作業を軽減することができる立替金管理装置、立替金管理方法、および、立替金管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る立替金管理装置は、制御部を備えた立替金管理装置において、前記制御部は、港湾業に係わる作業の請求料金および支払料金の料金データを受注番号単位で取得する料金データ取得手段と、前記請求料金が、売掛金または立替未収金であるか否かを判定し、前記支払料金が、買掛金または立替未払金であるか否かを判定する料金判定手段と、前記料金判定手段による判定結果に基づいて、前記立替未収金および/または前記立替未払金の前記料金データを前記受注番号ごとに表示させる料金データ表示手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る立替金管理装置は、前記料金判定手段は、前記料金データに規定された科目の内容に基づいて、前記請求料金が、前記売掛金または前記立替未収金であるか否かを判定し、前記支払料金が、前記買掛金または前記立替未払金であるか否かを判定すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る立替金管理装置は、前記料金判定手段は、前記料金データに規定された前記科目が立替科目である場合、前記請求料金を前記立替未収金であると判定し、前記支払料金を前記立替未払金であると判定すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る立替金管理装置は、前記料金判定手段は、前記料金データに規定された前記科目が関税、消費税またはコンテナ取扱料金である場合、前記請求料金を前記立替未収金であると判定し、前記支払料金を前記立替未払金であると判定すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る立替金管理装置は、前記料金判定手段は、前記料金データに規定された前記科目が収入科目である場合、前記請求料金を前記売掛金であると判定すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る立替金管理装置は、前記料金判定手段は、前記料金データに規定された前記科目が費用科目である場合、前記請求料金を前記買掛金であると判定すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る立替金管理装置は、前記料金データ表示手段は、更に、前記料金判定手段による前記判定結果に基づいて、前記立替未収金と前記立替未払金との立替差額の料金データを前記受注番号ごとに表示させること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る立替金管理方法は、制御部を備えた立替金管理装置で実行される立替金管理方法であって、前記制御部で実行される、港湾業に係わる作業の請求料金および支払料金の料金データを受注番号単位で取得する料金データ取得ステップと、前記請求料金が、売掛金または立替未収金であるか否かを判定し、前記支払料金が、買掛金または立替未払金であるか否かを判定する料金判定ステップと、前記料金判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記立替未収金および/または前記立替未払金の前記料金データを前記受注番号ごとに表示させる料金データ表示ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る立替金管理プログラムは、制御部を備えた立替金管理装置において実行させるための立替金管理プログラムであって、前記制御部において実行させるための、港湾業に係わる作業の請求料金および支払料金の料金データを受注番号単位で取得する料金データ取得ステップと、前記請求料金が、売掛金または立替未収金であるか否かを判定し、前記支払料金が、買掛金または立替未払金であるか否かを判定する料金判定ステップと、前記料金判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記立替未収金および/または前記立替未払金の前記料金データを前記受注番号ごとに表示させる料金データ表示ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立替金の管理を明確にすることにより、立替金の請求もれを防ぐと共に、月末時の立替差額の確認作業を軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
これまでの港湾業界においては、関税や輸入消費税を荷主に代わって立替えることが多く、この他にも、海上運賃、コンテナターミナルでの作業などを立替金として扱うことが一般的に行われていた。例えば、輸出入貨物の場合は、コンテナターミナル(保税地域)において作業や移動を行う際に、作業費もしくは関税や輸入消費税を都度支払う必要があり、作業を進めるためにも海運貨物取扱業者(乙仲)が立替えて支払っていた。このように、支払は都度払いで先行させる必要があるが、請求は締単位で行っているため、立替金の管理が非常に煩雑になっていた。特に、海運貨物取扱業者は、都度払いを行っているため、システム上では未払金の残高として管理しておらず、立替金の未収と未払としての会計仕訳を考慮した会計システムは無かった。また、立替金を請求書に含めて請求するかどうかについては、人的に判断していたため、請求漏れになることも多かった。
【0019】
そこで、本実施形態においては、港湾業界や通関業界などに特有な立替金処理を含めた未収および未払の残高管理が行えるようにすると共に、それらを会計仕訳へと繋がる機能を持たせたシステムを提供している。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る立替金管理装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、立替金管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
立替金管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、立替金管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
立替金管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。立替金管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、立替金管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、立替金管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、請求項目マスタ、原価項目マスタ、および、管理マスタ等を記憶していてもよい。記憶部106は、料金データファイル106aを備えている。
【0025】
料金データファイル106aは、料金データを記憶するファイルである。ここで、料金データは、港湾業に係わる作業の請求料金、支払料金、売掛金(営業未収金)、立替未収金、買掛金(営業未払金)、立替未払金、および/または、立替差額等の料金データであってもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
制御部102は、立替金管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、料金データ取得部102aと料金判定部102bと料金データ表示部102cとを備えている。
【0028】
料金データ取得部102aは、港湾業に係わる作業の請求料金および支払料金の料金データを受注番号単位で取得する。ここで、料金データ取得部102aは、請求項目マスタに基づいて、港湾業に係わる作業の請求料金の料金データを受注番号単位で取得してもよい。また、料金データ取得部102aは、原価項目マスタに基づいて、港湾業に係わる作業の支払料金の料金データを受注番号単位で取得してもよい。
【0029】
料金判定部102bは、請求料金が、売掛金または立替未収金であるか否かを判定し、支払料金が、買掛金または立替未払金であるか否かを判定する。ここで、料金判定部102bは、料金データに規定された科目の内容に基づいて、請求料金が、売掛金または立替未収金であるか否かを判定し、支払料金が、買掛金または立替未払金であるか否かを判定してもよい。また、料金判定部102bは、料金データに規定された科目が立替科目である場合、請求料金を立替未収金であると判定し、支払料金を立替未払金であると判定してもよい。また、料金判定部102bは、料金データに規定された科目が関税、消費税またはコンテナ取扱料金(CYチャージ)である場合、請求料金を立替未収金であると判定し、支払料金を立替未払金であると判定してもよい。また、料金判定部102bは、料金データに規定された科目が収入科目である場合、請求料金を売掛金であると判定してもよい。また、料金判定部102bは、料金データに規定された科目が費用科目である場合、請求料金を買掛金であると判定してもよい。
【0030】
料金データ表示部102cは、料金データ表示部102cは、料金データを表示させる。ここで、料金データ表示部102cは、料金判定部102bによる判定結果に基づいて、立替未収金および/または立替未払金の料金データを受注番号ごとに表示させてもよい。また、料金データ表示部102cは、更に、料金判定部102bによる判定結果に基づいて、立替未収金と立替未払金との立替差額の料金データを受注番号ごとに表示させてもよい。また、料金データ表示部102cは、料金データを出力装置114に表示させてもよい。
【0031】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図12を参照して説明する。
【0032】
まず、
図2から
図6を用いて、本実施形態に係る立替金管理装置100の立替金管理方法を説明する。
図2は、立替金管理装置の入力と管理状況の一例を示すフロー図であり、
図3は、請求書入力画面と入金入力画面で発生する仕訳の一例を示す図であり、
図4は、立替金請求書入力画面と入金入力画面と支払入力画面で発生する仕訳の一例を示す図であり、
図5は、下払入力画面と支払入力画面で発生する仕訳の一例を示す図である。
図6は、立替金管理装置におけるデータの相関関係の一例を示す図である。
【0033】
ここで、立替金の管理方法について、
図2、
図3および
図4に示すように、料金データ取得部102aは、請求項目マスタに基づいて、ユーザにより入力装置112を介して入力された港湾業に係わる作業の請求料金(請求書および立替金請求書)の料金データを受注番号(受注No.)単位で取得し、料金判定部102bは、請求項目単位に、請求料金が収入科目または立替科目の判断を行うことで、請求料金が、営業未収金(売掛金)または立替未収金であるか否かを判定する(ステップSA−1)。
【0034】
ここで、請求項目マスタは、立替か売上かの判断(項目)を保持している。ここで、請求項目マスタは、入力画面に表示する立替区分を保持していてもよい。また、入力画面に表示する立替区分は、変更を行うことが可能であってもよい。なお、請求項目マスタは、請求または立替の区分を変更不可にする機能を、標準で保持していてもよい。また、請求項目マスタは、仕訳時に使用する科目を、請求項目コードごとに、保持していてもよい。例えば、請求項目マスタは、請求項目として、請求項目コード、請求項目名、単位、請求/立替(コード10:請求/コード11:立替)、税区分(コード1:課税/コード2:免税/コード3:非課税/コード4:対象外)、収入総勘定科目コードおよび収入補助科目コード(なお、請求の場合に、仕訳として計上される際、ここで設定した収入科目が使用される)、ならびに、立替総勘定科目コードおよび立替補助科目コード(なお、立替の場合に、仕訳として計上される際、ここで設定した立替科目が使用される)を保持していてもよい。
【0035】
また、
図2、
図4および
図5に示すように、料金データ取得部102aは、原価項目マスタに基づいて、ユーザにより入力装置112を介して入力された港湾業に係わる作業の支払料金(立替金請求書および下払)の料金データを受注番号(受注No.)単位で取得し、料金判定部102bは、原価項目単位に、支払料金が費用科目または立替科目の判断を行うことで、支払料金が、営業未払金(買掛金)または立替未払金であるか否かを判定する(ステップSA−2)。
【0036】
ここで、原価項目マスタは、立替か原価かの判断(項目)を保持している。ここで、原価項目マスタは、入力画面に表示する立替区分を保持していてもよい。また、原価項目マスタは、入力画面に表示する立替区分は、変更を行うことが可能であってもよい。また、原価項目マスタは、仕訳時に使用する科目を、原価項目コードごとに、保持していてもよい。例えば、原価項目マスタは、原価項目として、原価項目コード、原価項目名、単位、原価/立替(コード10:原価/コード11:立替)、税区分(コード1:課税/コード2:免税/コード3:非課税/コード4:対象外)、費用総勘定科目コードおよび費用補助科目コード(なお、原価の場合に、仕訳として計上される際、ここで設定した費用科目が使用される)、ならびに、立替総勘定科目コードおよび立替補助科目コード(なお、立替の場合に、仕訳として計上される際、ここで設定した立替科目が使用される)を保持していてもよい。
【0037】
ここで、本実施形態において、立替金に関しては、支払を行った後に出来る限り速やかに回収する必要がある(金利を請求していないため)。そこで、
図2に示すように、本実施形態において、立替金請求書入力したものを支払し、同時に立替金の請求書を発行してもよい。
【0038】
また、本実施形態において、請求書に立替金を含める場合は、下払入力にて同じく立替金を入力し、支払を行う必要がある。そこで、本実施形態において、請求書に立替金を含める場合は、請求書を売上伝票の原票として使用しなくてもよい(なお、立替金分を明確にすることで売上伝票の原票として使用してもよい)。
【0039】
また、営業未収金および立替金の管理方法について、
図2に示すように、営業未収金(=売掛金)は、請求書入力(≒売上入力)単位で、請求書項目別に計上され、立替金(立替未収金)は、立替金請求書入力単位で計上される(ステップSA−3)。ここで、請求書に含める立替金は、請求書入力時に、請求項目の一つとして計上され、同時に、下払入力時に、原価項目の一つとして計上されてもよい。また、また、入金に関しては、収入科目(=売上)分と立替科目分とを分けて引当を行う。
【0040】
また、営業未払金および立替金の管理方法について、
図2に示すように、営業未払金(=買掛金)は、下払入力(=仕入入力)単位で原価項目別に計上され、立替金(立替未払金)は、立替金請求書入力単位で計上される(ステップSA−4)。ここで、支払に関しては、費用科目(=原価)分と立替科目分とを分けて引当を行う。
【0041】
また、請求書入力について、
図6に示すように、料金データ取得部102aは、受注No.単位に請求書の料金データを取得(作成)し、料金判定部102bは、ヘッダ単位に、受注No.を保持し、および、明細単位に、売上または立替を判断してもよい。
【0042】
また、立替金請求書入力について、
図6に示すように、料金データ取得部102aは、受注No.単位に請求書の料金データを取得(作成)し、料金判定部102bは、ヘッダ単位に、受注No.を保持し、および、明細を、全て立替の項目としてもよい。
【0043】
また、下払入力について、
図6に示すように、料金データ取得部102aは、支払先単位に入力された原価の料金データを取得し、料金判定部102bは、明細単位に、受注No.を保持し、および、明細単位に、原価または立替を判断してもよい。
【0044】
また、出金許可入力について、
図6に示すように、制御部102は、支払先、または、支払方法単位に許可を与えてもよい。また、入金入力について、
図6に示すように、制御部102は、売上および/または立替の内訳の引当を行い、請求書No.単位に売上および/または立替額の消し込みを行ってもよい。また、支払入力について、
図6に示すように、制御部102は、原価および/または立替の内訳の支払ってもよい。
【0045】
ここで、
図7および
図8を参照して、立替金管理装置100における制御動作の一例について説明する。ここで、
図7および
図8は、立替金管理装置100における制御動作の一例を示す図である。
【0046】
図7に示すように、立替金管理装置100は、立替か売上(原価)かを判断する仕組みを備えており、入力時における立替制御を行うことができる。ここで、
図7に示すように、立替金管理装置100は、立替の場合、税区分を対象外として(変更不可)、消費税を算出しなくてもよい。また、
図7に示すように、立替金管理装置100は、請求立替の区分を変更不可にした場合、税区分を対象外として固定してもよい(入力者に判断させないために、固定にしてもよい)。
【0047】
また、
図8に示すように、立替金管理装置100は、立替か売上(原価)かを判断する仕組みを備えており、仕訳(売上または立替の仕訳)の判断を行うことができる。ここで、
図8に示す科目の相手科目は、管理マスタの設定に基づいてもよい。
【0048】
ここで、
図9を参照して、請求書入力画面の一例を説明する。
図9は、請求書入力画面の一例を示す図であり、上下の画面ショットに分かれている。
図9の上の請求書例では、受注番号(受注No.)単位で入力が行われる。このように、受注番号(受注No.)を指定することで、受注時における情報が画面に表示される。また、
図9の下の請求書例では、明細に受注時の情報が表示されている。明細毎に、請求項目、数量、単価、金額を入力すると、請求項目単位で請求(売上用)/立替(立替用)が表示される。この請求と立替の表示を変更することも可能である。
【0049】
また、
図10を参照して、下払入力画面の一例を説明する。
図10は、下払入力画面の一例を示す図である。
図10の下払入力画面で、下払は支払先単位で入力され、明細書単位で受注番号(受注No.)が指定される。明細毎に、原価項目、数量、単価、金額を入力すると、原価項目単位で原価(原価用)/立替(立替用)が表示される。この原価と立替の表示を変更することも可能である。
【0050】
また、
図11を参照して、立替金請求書入力画面の一例を説明する。
図11は、立替金請求書入力画面の一例を示す図であり、上下の画面ショットに分かれている。
図11の上の立替金請求書例では、受注番号(受注No.)単位で入力が行われる。このように、受注番号(受注No.)を指定することで、受注時における情報が画面に表示される。また、
図11の下の立替金請求書例では、明細に受注時の情報が表示されている。明細毎に、支払先を指定すると共に、支払項目、数量、単価、金額を入力する。この支払項目は、立替専用である。
【0051】
また、
図12を参照して、営業未収金/営業未払金管理表の一例を説明する。
図12は、営業未収金/営業未払金管理表の一例を示す図であり、上中下の画面ショットに分かれている。
図12の上の営業未収金管理表の画面例では、選択区分において売上か立替を選択し、範囲指定画面において印刷する内容を指定する。立替を選択し、
図12の中の営業未収金管理表の画面が表示された場合は、立替の未収分が表示され、これを印刷することができる。立替の場合は当月発生エリアが立替となる。売上の場合は、売上と表示される。また、立替を選択し、
図12の下の営業未払金管理表の画面が表示された場合は、立替の未払分が表示され、これを印刷することができる。立替の場合は当月発生エリアが立替となる。原価の場合は、下払と表示される。
【0052】
このように、本実施形態に係る立替金管理装置100は、請求及び支払いの料金ごとに、立替か売上原価科目かの判断を行い、補助簿として立替未収額、あるいは立替未払額を受注番号単位で確認できるようにすることで、立替金の管理が明確にできるようになり、立替の請求漏れを防ぐと同時に、月末時の立替差額の確認作業を軽減することが可能にしている。
【0053】
また、本実施形態に係る立替金管理装置100は、港湾業界特有の請求書に立替分が含まれる場合の処理について、入金引当時に通常売上と立替分を受注番号単位で別々に消込管理が行えるようにすることで、立替未払いと立替未収の会計仕訳(立替科目)の相殺までをシステム上でトータルに管理できるようにしている。また、本実施形態に係る立替金管理装置100は、受注番号単位にて、売掛・買掛の残高だけではなく、立替未払いと立替未収の残高管理がシステム上で行えるようにしている。そして、本実施形態に係る立替金管理装置100は、立替未払いと立替未収の管理が行えるようになったため、先に支払った立替分の請求漏れが無いかどうかをシステム上でチェックできるようにしている。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る立替金管理装置100は、請求及び支払いの料金ごとに、立替か売上原価科目かの判断を行い、補助簿として立替未収額、あるいは立替未払額を受注番号ごとに確認することを可能としている。
【0055】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、立替金管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、立替金管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて立替金管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0060】
また、このコンピュータプログラムは、立替金管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、立替金管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、立替金管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。