(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6640668
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】回転装置の軸受潤滑構造
(51)【国際特許分類】
F16C 33/66 20060101AFI20200127BHJP
F16C 19/26 20060101ALN20200127BHJP
F16C 33/76 20060101ALN20200127BHJP
F16C 33/80 20060101ALN20200127BHJP
【FI】
F16C33/66 Z
!F16C19/26
!F16C33/76 Z
!F16C33/80
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-131699(P2016-131699)
(22)【出願日】2016年7月1日
(65)【公開番号】特開2018-3963(P2018-3963A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】森村 章一
【審査官】
横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭47−039843(JP,A)
【文献】
実公昭39−005204(JP,Y1)
【文献】
実開昭52−106748(JP,U)
【文献】
実開昭56−125530(JP,U)
【文献】
特開2004−346972(JP,A)
【文献】
特開2006−090432(JP,A)
【文献】
特開2015−113885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00 − 19/56
F16C 33/00 − 33/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の軸受によって回転可能に支持された回転軸を有する回転装置において、前記軸受の潤滑にグリースを用いる軸受潤滑構造であって、
前記軸受の両側にシール構造が設けられるとともに、前記軸受と各シール構造との間の固定側に、遮蔽板が設けられており、前記遮蔽板の少なくとも一方は、その径方向内側部分の内周の回転軸の軸心からの距離が内周上で同一ではなく、一側の遮蔽板と他側の遮蔽板とは、面対称とされていないことを特徴とする回転装置の軸受潤滑構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の軸受によって回転可能に支持された主軸を有する工作機械などでの使用に適した回転装置の軸受潤滑構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械の主軸装置など一部の回転装置では、軸受直径が大きく剛性の高い軸受を高速に回転させる要求があり、軸受にとって非常に過酷な使われ方がなされる。このため、軸受の潤滑技術は非常に重要である。このような中で、近年、環境への配慮からエアや油を供給する必要がなくローコストなグリース潤滑が見直されてきている。封入されたグリースの大半は、転走面の両脇に付着しており、運転中にグリースから染み出した基油が転走面に供給され潤滑がなされる。主軸装置としてグリース潤滑を行う場合、上記のような過酷な使われ方をするため、グリースの攪拌抵抗が問題となってくる。そのため、他の軸受の用途と比較し、封入するグリースを少量にし、発熱を小さくする必要がある。
【0003】
グリースを少量とした場合、グリースやその基油が軸受外部へ漏出したり、外部から軸受内部のグリースに異物が混入したりすることによるグリース劣化の影響が大きく、軸受の寿命が極端に短くなってしまうおそれがある。それを避けるために、例えば、特許文献1に示されているように、軸受の両側にシール構造を設けた軸受潤滑構造が多く用いられている。
【0004】
図6は、工作機械の主軸装置などで使用されている従来の回転装置の軸受潤滑構造を示しており、複数の軸受(3)(図示したものの他に、回転軸(2)の図示省略した部分を受けるものを含む)によって回転可能に支持された回転軸(2)を有する回転装置(1)に、軸受(3)の潤滑にグリース(9)を用いる軸受潤滑構造が設けられている。
【0005】
軸受(3)は、回転輪である内輪(5)と、固定輪である外輪(6)と、保持器(8)に保持された複数の転動体(7)とを備えており、潤滑剤としてのグリース(9)がその内部に封入されている。
【0006】
軸受潤滑構造は、グリース(9)の軸受(3)外部への流出および外部からの異物混入防止のためのシール構造(21)を有している。
【0007】
内輪(5)は、回転軸(2)に固定されており、外輪(6)はハウジング(4)に固定されている。内輪(5)の両側には、間座(20)が設けられている。
【0008】
ハウジング(4)には、外輪(6)の外周面が嵌め入れられている部分の左側にあって、外輪(6)の左面を支持して、内輪(5)の外周面の左端までのびる左の固定側シール部(22)が一体に設けられている。
【0009】
ハウジング(4)には、また、ハウジング(4)とは別体でハウジング(4)に固定されており、外輪(6)の右面を支持して、内輪(5)の外周面の右端までのびる右の固定側シール部(23)が設けられている。
【0010】
左の固定側シール部(22)および右の固定側シール部(23)がシール構造(21)を形成している。
【0011】
左の固定側シール部(22)の断面形状は、
図7に示すように、回転軸(2)の軸心を中心とする所定の半径の内周を有する円形とされている。右の固定側シール部(23)の断面形状は、図示省略するが、回転軸(2)の軸心を中心とする左の固定側シール部(22)と同じ半径を有する円形とされており、左の固定側シール部(22)と右の固定側シール部(23)とは、面対称形状とされている。
【0012】
グリース(9)の量が多いと、撹拌抵抗が大きくなって、発熱が大きくなることから、グリース(9)の少量化が求められており、上記従来の回転装置の軸受潤滑構造によると、グリース(9)を少量化した場合に問題となるグリース(9)の漏出や異物混入がシール構造(21)によって防止されている。
【0013】
図8は、従来の回転装置の軸受潤滑構造において、軸受(3)内部の空間を展開したときの内部の風の流れを説明する図であり、この図から、固定側シール部(22)(23)が軸受(3)の両側に設けられていることで、軸受(3)内部での風の動きが抑えられ、軸受(3)内部の左側および右側で、それぞれ狭い範囲で風が動くだけで、軸受(3)の左側または右側にある空気(基油)が軸受(3)の反対側の右側または左側まで動くことはないことが分かる。適正な潤滑は、転動体(7)に接している転走面(3a)に基油が供給されることで可能となることから、上記従来の回転装置の軸受潤滑構造には、潤滑性能が低下するという問題があることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−208662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1のように、軸受の両側にシール構造を設けると、回転時の遠心力によって局所的な風の流れは生じるものの、軸受全体にわたっての風の流れは無くなる。これは言い換えれば、転動体や転走面の中央部まで基油を供給する能力がないことを意味している。したがって、シール構造を設けることでグリースの劣化は抑えることができるが、代償として肝心の潤滑に問題が生じてくる。この問題を解決するには、軸受内外部の風の流れを無くすとともに、軸受転走面中央に風を流し、基油を転走面に供給できる構造が必要とされる。
【0016】
この発明の目的は、軸受の両側にシール構造を設けたグリース潤滑タイプの軸受を有する回転装置におけるグリース潤滑性能を向上させた回転装置の軸受潤滑構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明の回転装置の軸受潤滑構造は、複数の軸受によって回転可能に支持された回転軸を有する回転装置において、前記軸受の潤滑にグリースを用いる軸受潤滑構造であって、前記軸受の両側にシール構造が設けられるとともに、前記軸受と各シール構造との間の固定側に、遮蔽板が設けられており、前記遮蔽板の少なくとも一方は、その径方向内側部分の内周の回転軸の軸心からの距離が内周上で同一ではなく、一側の遮蔽板と他側の遮蔽板とは、面対称とされていないことを特徴とするものである。
【0018】
遮蔽板は、固定側に設けられるのであれば、ハウジング、シール構造の固定側シール部および軸受の固定輪のいずれに設けられてもよく、また、固定側の部材と一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0019】
径方向内側部分の内周の軸心からの距離が内周上で同一ではないようにするには、例えば、径方向内側部分の内周の断面形状を回転軸の軸心を中心とする円に対して偏心した円とすればよい。一側の遮蔽板と他側の遮蔽板とは、形状が同一であってもよく、異なっていてもよい。一側および他側の遮蔽板の形状が同一の場合、その位相が一側および他側で同じとなるように(面対称となるように)配置されると、下記の効果が発揮されないので、一側の遮蔽板と他側の遮蔽板とが面対称とされていないものとされる。
【0020】
回転装置が回転する際、軸受空間の内部には大きな遠心力が作用し外径側へ流れようとする力が生じる。シール構造が軸受の両側に設けられることで、生じる遠心力が低減される。
【0021】
そして、遮蔽板の径方向内側部分の内周の回転軸の軸心からの距離が内周上で同一ではないことにより、遠心力が周方向の各部分で一定ではなく、さらに、一側の遮蔽板と他側の遮蔽板とが面対称ではないため、軸受の一側と他側とで作用する遠心力に差が生じ、軸受空間内で転走面を横切るように風の流れが生じる。この風の流れで基油が転走面に供給される。転走面に供給された基油は、転動体の公転によって転走面全体に塗り広げられ、全体を潤滑する。こうして、シール構造が軸受の両側に設けられることで生じる潤滑性能の低下という問題が解消されるとともに、グリースや基油の軸受外への漏出や軸受内部への異物の混入を防ぐことができる。
【0022】
シール構造は、固定側シール部およびこれに対向する回転側シール部からなり、遮蔽板は、固定側シール部の径方向内側に一体に設けられており、各回転側シール部に、軸受側に開口して対向する遮蔽板の径方向内側部分を収める凹所が形成されていることがある。
【0023】
このようにすると、遮蔽板を別部材とする必要がないので、部品数を低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によると、グリースの基油を軸受空間内で転走面を横切るように循環させて利用することができるため、グリース潤滑を適切に行うことができる。さらに、軸受空間内で転走面を横切るように風の流れを生じさせる構造は、シール構造の内側に配置できるため、異物混入防止、グリースや基油の漏出防止も同時に実現できる。この構造は、軸受の両側に遮蔽板を追加するだけでよく、回転装置のコストをほとんど上げることなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、この発明の回転装置の軸受潤滑構造の1実施形態を示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、この発明の回転装置の軸受潤滑構造における風や基油の流れを示した説明図である。
【
図5】
図5は、この発明の回転装置の軸受潤滑構造のシール部の形状の他の実施形態を示す縦断面図である。
【
図6】
図6は、従来の回転装置の軸受潤滑構造を示す縦断面図である。
【
図8】
図8は、従来の回転装置の軸受潤滑構造における風や基油の流れを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、
図1から
図8までを参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、
図1の左右を左右というものとする。
【0027】
図1から
図4までは、この発明の回転装置の軸受潤滑構造の1実施形態を示している。軸受(3)の潤滑にグリース(9)を用いる点と、回転軸(2)および軸受(3)を含んだ回転装置(1)とは、従来と同様のもので、シール構造(11)が
図6に示した従来のものと相違している。以下では、相違点であるシール構造(11)について説明する。
【0028】
この実施形態のシール構造(11)は、
図1に示すように、左の固定側シール部(12)およびこれに対向する左の回転側シール部(13)と、右の固定側シール部(14)およびこれに対向する右の回転側シール部(15)とからなる。
【0029】
左の固定側シール部(12)は、ハウジング(4)に一体に設けられており、ハウジング(4)の外輪(6)の外周面が嵌め入れられている部分の左側にあって、外輪(6)の左面を支持している。左の固定側シール部(12)は、外輪(6)の内径よりも若干大きい内径を有する基準径から、径方向内方に突出する径方向内側部分(以下「第1遮蔽板」と称す)(12a)を有している。
【0030】
右の固定側シール部(14)は、ハウジング(4)と別体とされており、断面L字状で外輪(6)の内径よりも若干大きい内径を有し、外輪(6)に接しかつハウジング(4)の角部に嵌め入れられた径方向外側部分(14a)と、外輪(6)の内径よりも若干大きい内径を有する基準径から、径方向内方に突出する径方向内側部分(以下「第2遮蔽板」と称す)(14b)とを有している。
【0031】
左右の回転側シール部(13)(15)は、回転軸(2)および内輪(5)とは別体とされ、内輪(5)に接するように回転軸(2)に嵌め入れられている。左右の回転側シール部(13)(15)の各部分は、断面が円形で点対称形状であり、これにより、左の回転側シール部(13)と右の回転側シール部(15)とは、面対称形状となっている。
【0032】
各回転側シール部(13)(15)は、内輪(5)に非接触となるように回転軸(2)に嵌められた小径部(13a)(15a)と、小径部(13a)(15a)の軸方向外方に一体に設けられて小径部(13a)(15a)と内径が同じで外径が大きい大径部(13b)(15b)とからなる断面L字状とされている。これにより、左の回転側シール部(13)に、軸受(3)側に開口して対向する第1遮蔽板(12a)を収める凹所(13c)が形成され、右の回転側シール部(15)に、軸受(3)側に開口して対向する第2遮蔽板(14b)を収める凹所(15c)が形成されている。
【0033】
第1遮蔽板(12a)の断面形状は、
図2に示すように、回転軸(2)の軸心から上方にずれた点を中心とする円形とされており、これにより、第1遮蔽板(12a)は、その内周(12c)の回転軸(2)の軸心からの距離が内周(12c)上で同一ではなく、
図1では、内周(12c)の下側の内径が最小(
図2の下側の第1遮蔽板(12a)と回転側シール部(13)の小径部(13a)とが最接近している部分に対応)、内周(12c)の上側の内径が最大(
図2の上側の第1遮蔽板(12a)と回転側シール部(13)の小径部(13a)とが最離隔している部分に対応)になされている。
【0034】
第2遮蔽板(14b)の断面形状は、
図3に示すように、回転軸(2)の軸心から下方にずれた点を中心とする円形とされており、これにより、第1遮蔽板(12a)と第2遮蔽板(14b)とは、面対称とならないように設けられているとともに、第2遮蔽板(14b)も、その内周(14c)の回転軸(2)の軸心からの距離が内周(14c)上で同一ではないものとされ、
図1では、第2遮蔽板(14b)の内周(14c)の下側の内径が最大(
図3の下側の第2遮蔽板(14b)と回転側シール部(15)の小径部(15a)とが最離隔している部分に対応)、内周(14c)の上側の内径が最小(
図3の上側の第2遮蔽板(14b)と回転側シール部(15)の小径部(15a)とが最接近している部分に対応)になされている。
【0035】
上記実施形態の回転装置(1)の軸受潤滑構造によると、軸受(3)は、内部に封入されたグリース(9)から染み出した基油によって潤滑される。軸受(3)の両側にはシール構造(11)が設けられているため、軸受(3)外へのグリース(9)や基油の漏出を防ぐとともに、外部からの異物混入を防いでいる。
【0036】
シール構造(11)の内側には、回転軸(2)の軸心からの距離が一定ではない遮蔽板(12a)(14b)が軸受(3)の両側に設けられている。この2つの遮蔽板(12a)(14b)同士は、一方を他方に対して180度回転させた場合に面対称形状となるように配置されており、非面対称形状の配置となっている。
【0037】
回転軸(2)が回転する際、内部に生じる遠心力で風の流れが生じる。このとき、遮蔽板(12a)(14b)の影響で生じる風の強さに場所ごとの差が生じる。
図1の例で言えば、上断面左側と下断面右側には大きな遠心力が、上断面右側と下断面左側には比較的小さな遠心力が生じる。2つの遮蔽板(12a)(14b)が面対称でないため、軸受(3)の両側に生じる圧力差によって軸受(3)の転走面(3a)を横切る軸方向流れが生じる。遮蔽板(12a)(14b)の内周(12c)(14c)の回転軸(2)の軸心からの距離が円周上で異なるため、軸受(3)の両側に生じる圧力差は軸受(3)の位相ごとに異なることから、風の流れは、
図4に示すように、転走面(3a)を横切る往復経路となる。すなわち、従来のものでは、
図8に示したように、転走面(3a)を横切ることがなかった風の流れが、遮蔽板(12a)(14b)を設けたことによって、転走面(3a)を横切るものとなる。
【0038】
グリース(9)から染み出した基油は、この風の流れに乗って転走面(3a)に供給される。転走面(3a)に供給された基油は、転動体(7)の公転運動によって転走面(3a)全体に塗り広げられ、軸受(3)全体を潤滑する。
【0039】
遮蔽板(12a)(14b)の具体的な形状は、遮蔽板(12a)(14b)の内周(12c)(14c)を一周する間で回転軸(2)の軸心からの距離が異なる形状であればどのようなものでもよい。例えば、
図2および
図3に示したものに代えて、
図5に示すものとしてもよい。
【0040】
図5において、遮蔽板(16)は、断面が楕円の内周(16c)を有しており、この遮蔽板(16)を使用する場合、2つの遮蔽板(16)は、一方を他方に対して90度回転させた場合に面対称形状となるように配置することで、適切な非面対称形状の配置となる。
【0041】
図5の遮蔽板(16)を2つ使用した場合の風の流れは、1回転で2往復する形状となる。
【0042】
なお、上記において、遮蔽板(12a)(14b)は、固定側シール部(12)(14)に一体に設けられているとしたが、遮蔽板(12a)(14b)は、シール機能に寄与しているものではないので、固定側に設けられるのであれば、固定側シール部(12)(14)と別体でもよいし、他の固定部材、例えば、固定輪に一体に設けるようにしてもよい。
【0043】
また、
図1において、2つの遮蔽板(12a)(14b)のうち、一方は、その断面形状が点対称形状であってもよい。2つの遮蔽板(12a)(14b)の両方が、その断面形状が点対称形状でない場合に、これを面対称となるように配置すると、左右の各遮蔽板(12a)(14b)において、周上で遠心力の差が生じるが、左右では遠心力の差が生じないので、非面対称配置が必要となる。
【0044】
また、いずれか一方の遮蔽板(12a)(14b)の内周(12c)(14c)の回転軸(2)の軸心からの距離が内周(12c)(14c)上で同一ではないことと、左右の遮蔽板(12a)(14b)が面対称とされていないこととを満たしていれば、シール構造自体は種々のものが使用でき、軸受内外部での風の出入りがなければ、エアシールを利用するなどのシール構造としてもよい。
【0045】
さらにまた、各回転側シール部(13)(15)は、内輪(5)に対して非接触(微小隙間の非接触シール)とされているが、回転側シール部(13)(15)とは別体の接触シール部を介して内輪(5)に当接しているようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
(1):回転装置
(2):回転軸
(3):軸受
(11):シール構造
(12a):左側の固定側シール部の径方向内側部分(第1遮蔽板)
(12c):第1遮蔽板の内周
(14b):右側の固定側シール部の径方向内側部分(第2遮蔽板)
(14c):第2遮蔽板の内周