【文献】
Huawei, HiSilicon, China Telecom,Uplink frame structure design,3GPP TSG RAN WG1 NB-IoT Ad-Hoc Meeting R1-160183,2016年 1月13日
【文献】
Samsung,Remaining Issues on NB-PUSCH Design,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #84 R1-160554,2016年 2月 5日,pp.1-3
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Coverage enhancement for PUSCH,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #76 R1-140157,2014年 1月31日
【文献】
LG Electronics,Discussions on PUSCH design for NB-IoT,3GPP TSG RAN WG1 Meeting NB-IoT Ad-hoc R1-160122,2016年 1月12日,pp.1-6
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,(E)PDCCH coverage extension for MTC devices,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #72bis R1-130941,2013年 4月 6日
【文献】
北川 幸一郎 他,LTE−AdvancedシステムにおけるMTCカバレッジ拡張機能の既存通信に対する影響に関する一検討,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.115 No.233 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Ele,2015年 9月24日,第115巻 第233号,pp.51-55
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記割当情報は、複数のサブキャリア数候補から選択された1つのサブキャリア数を通知し、前記複数のサブキャリア数候補の各々に対して異なるシンボル数が対応付けられている、
請求項1に記載の通信装置。
前記リソースにデータが配置され、前記データはSounding Reference Signal(SRS)が配置されるシンボル候補を考慮せずに生成され、送信前にパンクチャリングされる、
請求項1に記載の通信装置。
前記割当情報は、複数のサブキャリア数候補から選択された1つのサブキャリア数を通知し、前記複数のサブキャリア数候補の各々に対して異なるシンボル数が対応付けられている、
請求項10に記載の通信方法。
前記リソースにデータが配置され、前記データはSounding Reference Signal(SRS)が配置されるシンボル候補を考慮せずに生成され、送信前にパンクチャリングされる、
請求項10に記載の通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[LTEにおけるSRSリソース候補]
まず、LTEにおけるリソース候補について説明する。
【0022】
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)では、基地局(eNBと呼ぶこともある)から端末(UE(User Equipment)と呼ぶこともある)への下りリンクの通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用され、端末から基地局への上りリンクの通信方式としてSC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)が採用されている(例えば、非特許文献1−3を参照)。
【0023】
LTEでは、基地局は、システム帯域内のリソースブロック(RB:Resource Block)をサブフレームと呼ばれる時間単位毎に端末に対して割り当てることにより通信を行う。
図1は、LTEの上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)におけるサブフレーム構成例を示す。
図1に示すように、1サブフレームは2つの時間スロットから構成される。各スロットには、複数のSC-FDMAデータシンボルと復調用参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)とが時間多重される。基地局は、PUSCHを受信すると、DMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、基地局は、チャネル推定結果を用いて、SC-FDMAデータシンボルの復調・復号を行う。
【0024】
また、LTEの上りリンクでは、基地局と端末との間の受信品質を測定するために、SRS(Sounding Reference Signal)が用いられる(例えば、非特許文献1、3を参照)。SRSは、SRSリソースにマッピングされ、端末から基地局に送信される。ここで、基地局は、セル固有の上位レイヤ通知によって、対象セル内に存在する全端末に共通するSRSリソース候補を含むSRSリソース候補グループを設定する。その後、端末単位の上位レイヤ通知によって、SRSリソース候補グループのサブセットとなるSRSリソースが、当該SRSリソースが割り当てられる対象である端末に対して、それぞれ割り当てられる。端末は、割り当てられたSRSリソースにSRSをマッピングし、基地局へ送信する。なお、各SRSリソース候補は、SRSの送信候補となるサブフレーム(SRS送信候補サブフレーム)における最終シンボルである。また、SRSリソース候補となるシンボルでは、SRSリソース候補グループが設定されたセル内の全端末がデータ送信を行わないことにより、SRSとデータ信号(PUSCH信号)との衝突が防止される。
【0025】
LTEにおいて、SRSリソース候補グループを設定するセル固有の上位レイヤ通知として、srs-SubframeConfig等が定義されている(例えば、非特許文献1を参照)。
図2は、srs-SubframeConfigの定義の一例を示す。
図2に示すsrs-SubframeConfig番号(0〜15)のいずれかが基地局から端末へ送信される。これにより、SRSを送信する送信間隔(T
SFC)及びSRSの送信を開始するサブフレームを指示するためのオフセット量(Δ
SFC)が、基地局から端末に対して指示される。例えば、
図2において、srs-SubframeConfig番号が4(Binary=0100)である場合、送信間隔T
SFC=5、オフセット量Δ
SFC=1である。この場合、2(=1+Δ
SFC)番目、7(=1+Δ
SFC+(T
SFC×1))番目、12(=1+Δ
SFC+(T
SFC×2))番目、...、(1+Δ
SFC+(T
SFC×n))番目のサブフレームが、SRS送信候補サブフレームとなる(例えば、
図3を参照)。
【0026】
[本開示に至る経緯]
次に、本開示に至る経緯について説明する。
【0027】
上述したように、NB-IoTでは、端末は、12サブキャリア未満のサブキャリア数及び1サブフレームより多いサブフレーム数を1つのリソース割当単位(リソースユニット)として送信する。さらに、カバッレジを改善するために、同一の信号を複数回に渡って繰り返し送信するレピティションが適用される。つまり、時間領域では、リソースユニットあたりのサブフレーム数をXとし、レピティション回数をRとすると、(X×R)サブフレームが送信に用いられる。
【0028】
リソースユニットを複数回レピティションする方法として、以下に示す3つの方法が考えられる。
【0029】
1つ目は、リソースユニット単位のレピティションである。
図5は、リソースユニット単位でのレピティションの例(X=8及びR=4の場合)を示す。
【0030】
2つ目は、サブフレーム単位のレピティションである。サブフレーム単位のレピティションでは、端末は、リソースユニット内の同一の信号を含むサブフレームの信号を連続するサブフレームで送信する。
図6は、サブフレーム単位のレピティションの例(X=8及びR=4の場合)を示す。サブフレーム単位のレピティションでは、同一の信号を含むサブフレームの信号が連続したサブフレームで送信されるので、リソースユニット単位のレピティションと比較して、周波数誤差による影響を受けにくく、上述したシンボルレベル合成を適用しやすい。
【0031】
3つ目は、シンボル単位のレピティションである。シンボル単位のレピティションでは、端末は、リソースユニット内の同一の信号を含むSC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボルを連続するシンボルで送信する。
図7は、シンボル単位のレピティションの例(X=1及びR=4の場合)を示す。なお、
図7及び以下の説明では、説明を簡略にするため、1リソースユニットあたりのサブフレーム数X=1の場合を一例として示す。シンボル単位のレピティションでは、同一の信号を含むシンボルが連続して送信されるので、サブフレーム単位のレピティションと比較して、さらに周波数誤差による影響を受けにくく、シンボルレベル合成によるカバレッジ改善効果が大きくなる。
【0032】
ところで、NB-IoTには、3つの動作モードが規定されており、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)の周波数帯を用いる「Standaloneモード」、LTEにおいて隣接周波数帯域を利用する別システムとの干渉を防ぐために設けられる未使用の周波数帯域を用いる「Guard-bandモード」、及び、既存のLTEの周波数帯域の一部を用いる「In-bandモード」がある。
【0033】
In-bandモードでは、NB-IoT端末をサポートするセルでは、既存のLTE端末とNB-IoT端末とを共存させることが必要であり、既存のLTEシステムへの影響を最小限に抑えるようにNB-IoT端末をサポートすることが望ましい。そのため、NB-IoT端末の上りリンク送信において、既存のLTE端末がシステム帯域全体に渡って送信する可能性のあるSRSとの衝突を防止する必要がある。
【0034】
LTEシステムのPUSCH送信では、LTE端末がSRS送信候補サブフレームでデータを送信するフォーマットとして、以下の2つの方法がある。1つ目の方法は、
図1に示すように他のサブフレームと同様に、DMRSを除いた12SC-FDMAシンボルにデータをマッピングした後、最終シンボルをパンクチャする方法である(例えば、非特許文献6を参照)。2つ目の方法は、SRS送信候補サブフレームでデータを送信するフォーマットとして、他のサブフレームとはデータに対する符号化率を変えて、最終シンボルを除いた11SC-FDMAシンボルにデータをマッピングする方法(Rate matching)である(例えば、非特許文献7を参照)。
【0035】
上述した2つの方法は、何れも
図1に示すような既存LTEのPUSCHサブフレーム構成、つまり、14シンボルからなる1サブフレームの最終シンボルが必ずデータシンボルになることを前提としている。
【0036】
上述したレピティション方法のうち、リソースユニット単位のレピティション(
図5参照)及びサブフレーム単位のレピティション(
図6参照)については、既存のLTEのPUSCHサブフレーム構成を維持することができるため、1サブフレームの最終シンボルのパンクチャリング又はRate matchingにより、既存のLTEのSRSとの衝突を避けることができる。しかしながら、リソースユニット単位のレピティション及びサブフレーム単位のレピティションでは、シンボルレベル合成の効果を十分に得られない。
【0037】
一方、シンボルレベル合成の効果を十分に得られるシンボル単位のレピティション(
図7参照)については、14シンボルからなる1サブフレームの最終シンボルが必ずしもデータシンボルになるとは限らない。例えば、
図7に示す例では、第1番目及び第3番目のサブフレームの最終シンボルはDMRSとなる。よって、これらのサブフレームがSRS送信候補サブフレームである場合には、NB-IoT端末は、既存LTEと同様に最終シンボルにマッピングされたDMRSをパンクチャリングしなければならない。なお、DMRSは、データのように符号化されていないため、DMRSに対してRate matchingの適用はできない。
【0038】
しかし、特に、カバッレジ拡張が必要な環境では、チャネル推定精度の向上が必要不可欠であり、DMRSをパンクチャすることは避けることが望ましい。一方で、基地局側においてNB-IoT端末が最終シンボルでDMRSを送信するサブフレームを避けるようにSRSサブフレームを設定することも考えられるが、この設定は既存LTEの動作を制限してしまう。
【0039】
そこで、本開示の一態様では、LTE端末とNB-IoT端末とが共存する環境において、シンボル単位のレピティション送信を行うNB-IoT端末の上りリンク送信と、既存のLTE端末のSRS送信との衝突の影響(SRS送信候補サブフレームでDMRSがパンクチャリングされること)を最小限にする。これにより、基地局が、NB-IoT端末からの信号の復調において、十分な数のDMRSシンボルを用いてチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うことにより、チャネル推定精度及び受信品質を向上させることができる。
【0040】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、基地局100及び端末200を備える。端末200は、例えば、NB-IoT端末である。また、通信システムでは、NB-IoT端末(端末200)と既存のLTE端末とが共存している環境を想定する。
【0042】
図8は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図8に示す端末200において、レピティション部212は、データ信号及び復調用参照信号(DMRS)を複数のサブフレームに渡ってシンボル単位でレピティションし、信号割当部213は、複数のサブフレームにおいて、レピティションされたDMRSを、上りリンクの受信品質の測定に用いられるサウンディング参照信号(SRS)がマッピングされるリソースの候補であるSRSリソース候補に対応するシンボル以外のシンボルにマッピングし、送信部216は、複数のサブフレームで、DMRS及びデータ信号を含む上りリンク信号(PUSCH)を送信する。
【0043】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図9は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図9において、基地局100は、制御部101と、制御信号生成部102と、符号化部103と、変調部104と、信号割当部105と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部106と、CP(Cyclic Prefix)付加部107と、送信部108と、アンテナ109と、受信部110と、CP除去部111と、FFT(Fast Fourier Transform)部112と、合成部113と、デマッピング部114と、チャネル推定部115と、等化部116と、復調部117と、復号部118と、判定部119と、を有する。
【0044】
制御部101は、基地局100がカバーするセルに存在する複数の端末(既存のLTE端末)の各々に必要なSRSリソースの量を考慮して、セルにおけるSRSリソース候補グループを決定し、決定したSRSリソース候補グループを示す情報を制御信号生成部102及び合成部113へ出力する。SRSリソース候補グループは、例えば、
図2に示すテーブルから選択される。
【0045】
また、制御部101は、NB-IoT端末(端末200)がレピティション送信する際のDMRS及びデータのSC-FDMAシンボルへのマッピングに関する情報を合成部113およびデマッピング部114へ出力する。
【0046】
また、制御部101は、NB-IoT端末に対してPUSCHの割当を決定する。このとき、制御部101は、NB-IoT端末に対して指示する周波数割当リソース及び変調・符号化方法などを決定し、決定したパラメータに関する情報を制御信号生成部102に出力する。
【0047】
また、制御部101は、制御信号に対する符号化レベルを決定し、決定した符号化レベルを符号化部103に出力する。また、制御部101は、制御信号をマッピングする無線リソース(下りリソース)を決定し、決定した無線リソースに関する情報を信号割当部105に出力する。
【0048】
また、制御部101は、NB-IoT端末のカバレッジ拡張レベルを決定し、決定したカバレッジ拡張レベルに関する情報、又は、決定したカバレッジ拡張レベルでのPUSCH送信に必要なレピティション回数を、制御信号生成部102に出力する。また、制御部101は、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いるサブキャリア数に関する情報を生成し、生成した情報を制御信号生成部102に出力する。
【0049】
制御信号生成部102は、NB-IoT端末向けの制御信号を生成する。制御信号には、セル固有の上位レイヤの信号、端末固有の上位レイヤの信号、又は、PUSCHの割当を指示する上りリンクグラントが含まれる。
【0050】
上りリンクグラントは、複数のビットから構成されており、周波数割当リソース、変調・符号化方式などを指示する情報を含む。また、上りリンクグラントには、カバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数、及び、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いるサブキャリア数に関する情報が含まれてもよい。
【0051】
制御信号生成部102は、制御部101から入力される制御情報を用いて、制御情報ビット列を生成し、生成した制御情報ビット列(制御信号)を符号化部103へ出力する。なお、制御情報が複数のNB-IoT端末向けに送信されることもあるため、制御信号生成部102は、各NB-IoT端末向けの制御情報に、各NB-IoT端末の端末IDを含めてビット列を生成する。例えば、制御情報には、宛先端末の端末IDによってマスキングされたCRC(Cyclic Redundancy Check)ビットが付加される。
【0052】
また、SRSリソース候補グループの情報は、セル固有の上位レイヤ信号により、NB-IoT端末(後述する制御部206)へ通知される。周波数割当リソース、変調・符号化方式を指示する情報、カバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数、及び、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いるサブキャリア数に関する情報は、端末固有の上位レイヤのシグナリングによりNB-IoT端末へ通知されてもよく、上述したようにPUSCHの割当を指示する上りリンクグラントを用いて通知されてもよい。
【0053】
符号化部103は、制御部101から指示された符号化レベルに従って、制御信号生成部102から受け取る制御信号(制御情報ビット列)を符号化し、符号化後の制御信号を変調部104へ出力する。
【0054】
変調部104は、符号化部103から受け取る制御信号を変調し、変調後の制御信号(シンボル列)を信号割当部105へ出力する。
【0055】
信号割当部105は、変調部104から受け取る制御信号(シンボル列)を、制御部101から指示される無線リソースにマッピングする。なお、制御信号がマッピングされる対象となる制御チャネルは、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルである。信号割当部105は、制御信号がマッピングされたNB-IoT用の下りリンク制御チャネルを含む下りリンクサブフレームの信号をIFFT部106に出力する。
【0056】
IFFT部106は、信号割当部105から受け取る信号に対してIFFT処理を行うことにより、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。IFFT部106は、時間領域信号をCP付加部107へ出力する。
【0057】
CP付加部107は、IFFT部106から受け取る信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号(OFDM信号)を送信部108へ出力する。
【0058】
送信部108は、CP付加部107から受け取るOFDM信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ109を介してNB-IoT端末(端末200)に無線信号を送信する。
【0059】
受信部110は、アンテナ109を介して受信された端末200からの上りリンク信号(PUSCH)に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号をCP除去部111に出力する。端末200から送信される上りリンク信号(PUSCH)には、複数のサブフレームに渡るレピティション処理された信号が含まれる。
【0060】
CP除去部111は、受信部110から受け取る受信信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部112へ出力する。
【0061】
FFT部112は、CP除去部111から受け取る信号に対してFFT処理を適用し、周波数領域の信号系列に分解して、PUSCHのサブフレームに対応する信号を抽出し、抽出したPUSCH信号を合成部113へ出力する。
【0062】
合成部113は、制御部101から入力される、SRSリソース候補グループに関する情報、及び、NB-IoT端末のPUSCHレピティション送信に関する情報(レピティション回数およびNB-IoT端末がレピティション送信する際のDMRS及びデータのSC-FDMAシンボルへのマッピングに関する情報)を用いて、レピティション送信された複数サブフレームに渡るPUSCHに対して、シンボルレベル合成を用いて、データ信号及びDMRSに相当する部分の信号を同相合成する。合成部113は、合成後の信号をデマッピング部114へ出力する。
【0063】
デマッピング部114は、合成部113から受け取る信号から、PUSCHのサブフレーム部分の信号を抽出する。そして、デマッピング部114は、制御部101から入力される、NB-IoT端末のPUSCHレピティション送信に関する情報を用いて、抽出したPUSCHのサブフレーム部分の信号を、SC-FDMAデータシンボルとDMRSとに分解し、DMRSをチャネル推定部115に出力し、SC-FDMAデータシンボルを等化部116に出力する。
【0064】
チャネル推定部115は、デマッピング部114から入力されるDMRSを用いてチャネル推定を行う。チャネル推定部115は、得られたチャネル推定値を等化部116に出力する。
【0065】
等化部116は、チャネル推定部115から入力されるチャネル推定値を用いて、デマッピング部114から入力されるSC-FDMAデータシンボルの等化を行う。等化部116は、等化後のSC-FDMAデータシンボルを復調部117へ出力する。
【0066】
復調部117は、等化部116から入力される周波数領域のSC-FDMAデータシンボルに対してIDFT(Inverse Descrete Fourier Transform)を適用し、時間領域信号へ変換した後、データ復調を行う。具体的には、復調部117は、NB-IoT端末に指示した変調方式に基づいてシンボル系列をビット系列へ変換し、得られたビット系列を復号部118へ出力する。
【0067】
復号部118は、復調部117から入力されるビット系列に対して誤り訂正復号を行い、復号後のビット系列を判定部119へ出力する。
【0068】
判定部119は、復号部118から入力されるビット系列に対して誤り検出を行う。判定部119は、ビット系列に付加されたCRCビットを用いて誤り検出を行う。判定部119は、CRCビットの判定結果が誤り無しであれば、受信データを取り出し、制御部101にACKを通知する。一方、判定部119は、CRCビットの判定結果が誤り有りであれば、制御部101にNACKを通知する。
【0069】
[端末の構成]
図10は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図10において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、CP除去部203と、FFT部204と、制御信号抽出部205と、制御部206と、符号化部207と、変調部208と、DMRS生成部209と、多重部210と、DFT部211と、レピティション部212と、信号割当部213と、IFFT部214と、CP付加部215と、送信部216と、を有する。
【0070】
受信部202は、基地局100から送信された制御信号(NB-IoT用の下りリンク制御チャネル)をアンテナ201を介して受信し、無線受信信号に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのOFDM信号を得る。受信部202は、OFDM信号をCP除去部203へ出力する。
【0071】
CP除去部203は、受信部202から受け取るOFDM信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部204へ出力する。
【0072】
FFT部204は、CP除去部203から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、時間領域信号を周波数領域信号に変換する。FFT部204は、周波数領域信号を制御信号抽出部205へ出力する。
【0073】
制御信号抽出部205は、FFT部204から受け取る周波数領域信号(NB-IoT用の下りリンク制御チャネル)に対してブラインド復号を行い、自機宛ての制御信号の復号を試みる。端末200宛ての制御信号には、NB-IoT端末の端末IDによってマスキングされたCRCが付加されている。したがって、制御信号抽出部205は、ブラインド復号した結果、CRC判定がOKであればその制御情報を抽出して制御部206へ出力する。
【0074】
制御部206は、制御信号抽出部205から入力される制御信号に基づいて、PUSCH送信の制御を行う。
【0075】
具体的には、制御部206は、制御信号に含まれるPUSCHのリソース割当情報に基づいて、PUSCH送信時のリソース割当を信号割当部213に指示する。
【0076】
また、制御部206は、制御信号に含まれる符号化方式及び変調方式の情報に基づいて、PUSCH送信時の符号化方式及び変調方式を符号化部207及び変調部208にそれぞれ指示する。また、制御部206は、カバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数に関する情報が制御信号に含まれる場合、その情報に基づいて、PUSCHレピティション送信時のレピティション回数を決定し、決定したレピティション回数を示す情報を、レピティション部212に指示する。また、制御部206は、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いるサブキャリア数に関する情報が制御信号に含まれる場合、その情報に基づいて、PUSCH送信時のサブキャリア数及び1リソースユニットあたりのサブフレーム数Xを信号割当部213に指示する。
【0077】
また、制御部206は、カバレッジ拡張レベルに関する情報、PUSCH送信に必要なレピティション回数に関する情報、又は、符号化方式及び変調方式に関する情報が上位レイヤで基地局100から通知される場合、通知された情報に基づいてPUSCHレピティション送信時のレピティション回数、又は符号化方式及び変調方式を決定し、決定した情報をレピティション部212、又は符号化部207及び変調部208に指示する。同様に、制御部206は、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いるサブキャリア数に関する情報が上位レイヤで基地局100から通知される場合、通知された情報に基づいて、PUSCH送信時のサブキャリア数及び1リソースユニットあたりのサブフレーム数Xを信号割当部213に指示する。
【0078】
また、制御部206は、セル固有の上位レイヤで基地局100から通知されたSRSリソース候補グループに関する情報を信号割当部213へ出力する。
【0079】
また、制御部206は、NB-IoT端末がレピティション送信する際のDMRS及びデータのSC-FDMAシンボルへのマッピングに関する情報を、多重部210、レピティション部212及び及び信号割当部213へ出力する。
【0080】
符号化部207は、入力された送信データに対して、端末IDでマスキングされたCRCビットを付加し、制御部206から指示される符号化方式で誤り訂正符号化を行い、符号化後のビット系列を変調部208へ出力する。
【0081】
変調部208は、制御部206から指示される変調方式に基づいて、符号化部207から受け取るビット系列を変調して、変調後のデータシンボル系列を多重部210へ出力する。
【0082】
DMRS生成部209は、DMRSを生成し、生成したDMRSを多重部210へ出力する。
【0083】
多重部210は、制御部206から入力される、DMRS及びデータのSC-FDMAシンボルへのマッピングに関する情報に基づいて、変調部208から受け取るデータシンボル系列とDMRS生成部209から受け取るDMRSとを多重し、多重後の信号をDFT部211へ出力する。
【0084】
DFT部211は、多重部210から入力される信号に対してDFTを適用して周波数領域信号を生成し、レピティション部212へ出力する。
【0085】
レピティション部212は、自端末がカバレッジ拡張モードの場合、制御部206から指示されたレピティション回数に基づいて、DFT部211から入力される信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、レピティション信号を生成する。レピティション部212は、レピティション信号を信号割当部213へ出力する。
【0086】
信号割当部213は、レピティション部212から受け取る信号を、制御部206からの指示に従って割り当てられたPUSCHの時間・周波数リソースにマッピングする。また、信号割当部213は、制御部206から受け取るSRSリソース候補グループに関する情報に基づいて、SRS送信候補サブフレームのSRSリソース候補に対応するシンボルにマッピングされた信号をパンクチャする。信号割当部213は、信号がマッピングされたPUSCHの信号をIFFT部214に出力する。
【0087】
IFFT部214は、信号割当部213から入力される周波数領域のPUSCH信号に対してIFFT処理を行うことにより時間領域信号を生成する。IFFT部214は、生成した信号をCP付加部215へ出力する。
【0088】
CP付加部215は、IFFT部214から受け取る時間領域信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号を送信部216へ出力する。
【0089】
送信部216は、CP付加部215から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
【0090】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
【0091】
基地局100は、SRSリソース候補グループを設定するセル固有の上位レイヤ通知として、srs-SubframeConfigを端末200に通知する。また、基地局100は、NB-IoT用の帯域内のリソースユニットをNB-IoT端末である端末200に対して割り当てることにより通信を行う。
【0092】
また、基地局100は、NB-IoT端末に対するPUSCHの割当を決定する。PUSCHの割当情報には、NB-IoT端末に指示する周波数割当リソース情報、符号化方式及び変調方式に関する情報などが含まれる。PUSCHの割当情報は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0093】
また、基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、レピティション回数(R)をNB-IoT端末に予め通知する。レピティション回数(R)は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0094】
また、基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いる送信サブキャリア数(例えば、1,3,6,12サブキャリア)をNB-IoT端末に予め通知する。送信サブキャリア数は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0095】
端末200は、通知されるサブキャリア数に基づいて、リソースユニットあたりのサブフレーム数Xを決定する。例えば、送信サブキャリア数が1,3,6,12の場合、端末200は、リソースユニットあたりのサブフレーム数X=8,4,2,1にそれぞれ決定する。
【0096】
また、端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数(R)分だけ、PUSCHをレピティション送信する。したがって、端末200は、(X×R)サブフレームに渡ってPUSCHを送信する。例えば、1サブフレームあたりのSC-FDMAシンボル数を既存のLTEシステムと同一の14シンボルとすると、(X×R)サブフレーム中には、(14×X×R)個のSC-FDMAシンボルが含まれる。
【0097】
また、端末200は、シンボル単位のレピティションを用いてPUSCHを送信する。この際、端末200は、レピティション信号(PUSCH信号)に含まれる全てのDMRSを、PUSCHレピティションを行う複数のサブフレームの先頭シンボルから連続してマッピングする。具体的には、端末200は、PUSCHレピティションを行うサブフレームの先頭から2Rシンボルに渡って連続してDMRSをマッピングする。
【0098】
図11は、X=1サブフレーム、及び、R=4サブフレームの場合のPUSCHレピティションの様子を示す。
【0099】
図11に示すように、1サブフレームには2つのDMRSが含まれ、端末200がレピティション送信を行う4(=X×R)サブフレームには、8個(=2R)のDMRSが含まれる。そこで、
図11では、端末200は、PUSCHレピティション(4シンボルレピティション)を行うサブフレームの先頭から8SC-FDMAシンボル(=2R)に渡って連続してDMRSをマッピングする(以下、DMRSレピティションと呼ぶこともある)。
【0100】
なお、端末200は、X>1の場合(図示せず)には、2RシンボルのDMRSレピティションを、Rサブフレーム周期で行えばよい。
【0101】
ここで、2R<14(1サブフレームあたりのSC-FDMAシンボル数)未満の場合、つまり、レピティション回数Rが(14/2)=7回未満の場合、端末200においてDMRSが1サブフレームの最終シンボル(先頭から14シンボル目)にマッピングされることはない。すなわち、端末200は、既存のLTE端末がSRSを送信する可能性のある1サブフレーム(SRS送信候補サブフレーム)の最終シンボル以外のSC-FDMAシンボルにDMRSをマッピングする。
【0102】
また、端末200は、基地局100から通知されたsrs-SubframeConfigに基づいて、SRS送信候補サブフレームを特定する。そして、端末200は、SRS送信候補サブフレームでは、14SC-FDMAシンボルの最終シンボルをパンクチャする。上述したように、1サブフレームの最終シンボルには、DMRSはマッピングされない。すなわち、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルには、必ずデータシンボルがマッピングされる。よって、端末200において、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルでは、DMRSではなく、データシンボルがパンクチャされる。
【0103】
このようにして、NB-IoT端末である端末200は、シンボル単位のPUSCHレピティションを行う場合に、LTE端末がSRSを送信する可能性があるSRSリソース候補に対応するSC-FDMAシンボル(SRS送信候補サブフレームの最終シンボル)以外のSC-FDMAシンボルにDMRSをマッピングする。
【0104】
一方、基地局100は、端末200から送信されるPUSCHに含まれるDMRSを用いてデータ信号を復調する。上述したように、NB-IoT端末によるPUSCHレピティションが行われるサブフレームの中にSRS送信候補サブフレームが含まれる場合でも、NB-IoT端末においてDMRSはパンクチャされない。よって、基地局100は、受信したPUSCHについて十分な数のDMRSシンボルを用いてチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うことができる。
【0105】
また、
図11では、全てのDMRSシンボルはPUSCHレピティションが行われる複数のサブフレームの先頭シンボルから連続してマッピングされるので、既存LTEシステムのデータ信号及びDMRSのマッピングを単純に拡張した場合(
図7)と比較して、基地局100は、2倍のDMRSを用いてシンボルレベル合成を行うことができる。よって、本実施の形態によれば、基地局100はチャネル推定精度を向上することができる。
【0106】
また、PUSCHレピティションが行われたサブフレームの先頭に、既知信号であるDMRSが連続してマッピングされているので、基地局100は、周波数誤差推定又はタイミング検出を精度良く行うことができる。
【0107】
また、上述したように、NB-IoT端末においてDMRSのマッピングを制御することにより、DMRSをパンクチャすることを回避している。すなわち、本実施の形態によれば、基地局100において、既存のLTEシステムに対してSRSサブフレームの設定を変更する必要はない。
【0108】
以上により、本実施の形態では、既存のLTEシステムへの影響を最小限に抑えつつ、NB-IoT端末に対する伝送品質を改善することができる。
【0109】
(実施の形態2)
実施の形態1では、レピティション回数R<7回の場合に既存LTE端末のSRS送信とNB-IoT端末のDMRS送信との衝突を回避する方法について説明した。これに対して、本実施の形態では、レピティション回数R≧7回の場合でも既存LTE端末のSRS送信とNB-IoT端末のDMRS送信との衝突を回避する方法について説明する。すなわち、本実施の形態では、レピティション回数Rが何れの値であってもDMRSが1サブフレームの最終シンボルにマッピングされないようにする方法について説明する。
【0110】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図9及び
図10を援用して説明する。
【0111】
基地局100は、SRSリソース候補グループを設定するセル固有の上位レイヤ通知として、srs-SubframeConfigを端末200に通知する。また、基地局100は、NB-IoT用の帯域内のリソースユニットをNB-IoT端末である端末200に対して割り当てることにより通信を行う。
【0112】
また、基地局100は、NB-IoT端末に対するPUSCHの割当を決定する。PUSCHの割当情報には、NB-IoT端末に指示する周波数割当リソース情報、符号化方式及び変調方式に関する情報などが含まれる。PUSCHの割当情報は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0113】
また、基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、レピティション回数(R)をNB-IoT端末に予め通知する。レピティション回数(R)は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0114】
また、基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いる送信サブキャリア数(例えば、1,3,6,12サブキャリア)をNB-IoT端末に予め通知する。送信サブキャリア数は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0115】
また、基地局100は、NB-IoT端末に対するDMRSの分割数(N)又は連続して送信するDMRSシンボル数を表すシンボルレピティション数(R')を決定する。DMRSの分割数(N)又はシンボルレピティション数(R')は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。また、DMRSの分割数(N)又はシンボルレピティション数(R')は、規格上でpredefinedに決まったパラメータであってもよい。
【0116】
端末200は、通知されるサブキャリア数に基づいて、リソースユニットあたりのサブフレーム数Xを決定する。例えば、送信サブキャリア数が1,3,6,12の場合、端末200は、リソースユニットあたりのサブフレーム数X=8,4,2,1にそれぞれ決定する。
【0117】
また、端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数(R)分だけ、PUSCHをレピティション送信する。したがって、端末200は、(X×R)サブフレームに渡ってPUSCHを送信する。例えば、1サブフレームあたりのSC-FDMAシンボル数を既存のLTEシステムと同一の14シンボルとすると、(X×R)サブフレーム中には、(14×X×R)個のSC-FDMAシンボルが含まれる。
【0118】
また、端末200は、シンボル単位のレピティションを用いてPUSCHを送信する。この際、端末200は、レピティション信号(PUSCH信号)に含まれる複数のDMRSを、所定数(R')の連続するシンボル毎に分散して(N個のグループに分けて)マッピングする。具体的には、端末200は、(2R/N)シンボルの連続したDMRSのマッピング(DMRSレピティション)を、PUSCHレピティションを行う複数のサブフレームの先頭からR/Nサブフレーム周期で行う。
【0119】
例えば、端末200は、PUSCHレピティションを行う複数のサブフレームの先頭シンボルから(2R/N)シンボルに渡って連続してDMRSをマッピングし、以降、(R/N)サブフレーム周期で(2R/N)シンボルに渡るDMRSのマッピングを行う。換言すると、端末200は、PUSCHレピティションのサブフレーム先頭のR'シンボルに渡って連続してDMRSをマッピングし、以降、(R'/2)サブフレーム周期で、R'シンボルに渡るDMRSのマッピングを行う。
【0120】
図12は、X=1サブフレーム、R=4サブフレーム、N=2(又はR'=4)の場合のPUSCHレピティションの様子を示す。
【0121】
図12に示すように、1サブフレームには2つのDMRSが含まれ、端末200がレピティション送信を行う4(=X×R)サブフレームには、8個(=2R)のDMRSが含まれる。
【0122】
図12では、端末200は、PUSCHレピティション(4シンボルレピティション)を行うサブフレームの先頭から4シンボル(=2R/N又は=R')に渡って連続してDMRSをマッピングする。更に、端末200は、PUSCHレピティションを行う先頭のサブフレームから2サブフレーム後(=R/N又はR'/2)の3番目のサブフレームの先頭から4シンボルに渡って連続してDMRSをマッピングする。
【0123】
ここで、N>R/7又はR'<14の場合、端末200においてDMRSが1サブフレームの最終シンボルにマッピングされることはない。すなわち、端末200は、既存のLTE端末がSRSを送信する可能性のある1サブフレーム(SRS送信候補サブフレーム)の最終シンボル以外のSC-FDMAシンボルにDMRSをマッピングする。
【0124】
また、端末200は、基地局100から通知されたsrs-SubframeConfigに基づいて、SRS送信候補サブフレームを特定する。そして、端末200は、SRS送信候補サブフレームでは、14SC-FDMAシンボルの最終シンボルをパンクチャする。上述したように、1サブフレームの最終シンボルには、DMRSはマッピングされない。すなわち、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルには、必ずデータシンボルがマッピングされる。よって、端末200において、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルでは、DMRSではなく、データシンボルがパンクチャされる。
【0125】
このようにして、NB-IoT端末である端末200は、シンボル単位のPUSCHレピティションを行う場合に、実施の形態1と同様、LTE端末がSRSを送信する可能性があるSRSリソース候補に対応するSC-FDMAシンボル(SRS送信候補サブフレームの最終シンボル)以外のSC-FDMAシンボルにDMRSをマッピングする。
【0126】
一方、基地局100は、端末200から送信されるPUSCHに含まれるDMRSを用いてデータ信号を復調する。上述したように、NB-IoT端末によるPUSCHレピティションが行われるサブフレームの中にSRS送信候補サブフレームが含まれる場合でも、NB-IoT端末においてDMRSはパンクチャされない。よって、基地局100は、受信したPUSCHについて十分な数のDMRSシンボルを用いてチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うことができる。
【0127】
また、
図12では、所定数(R'個)のDMRSシンボルは連続してマッピングされるので、分割数N又はレピティション数R'を適切に設定することで、シンボルレベル合成によるDMRSの受信信号電力の改善効果が得られる。
【0128】
また、本実施の形態では、
図12に示すように、DMRSが時間領域において分散的に配置されるので、チャネル変動への追従及び周波数誤差の補償が可能となる。よって、本実施の形態によれば、チャネル推定精度を向上することができる。
【0129】
また、
図12では、PUSCHレピティションが行われた信号の先頭に、既知信号であるDMRSが連続してマッピングされているので、基地局100は、周波数誤差推定又はタイミング検出を精度良く行うことができる。
【0130】
また、上述したように、NB-IoT端末においてDMRSのマッピングを制御することにより、DMRSをパンクチャすることを回避している。すなわち、本実施の形態によれば、基地局100において、既存のLTEシステムに対してSRSサブフレームの設定を変更する必要はない。
【0131】
以上により、本実施の形態では、既存のLTEシステムへの影響を最小限に抑えつつ、NB-IoT端末に対する伝送品質を改善することができる。
【0132】
なお、本実施の形態では、一例として、DMRSレピティションをPUSCHレピティションの先頭から開始する場合について説明したが、DMRSレピティションの開始位置はPUSCHレピティションの先頭に限定されない。例えば、端末200は、DMRSレピティションの開始位置に、サブフレーム単位又はスロット単位のオフセットを加えてもよい。
【0133】
DMRSレピティションの開始位置にサブフレーム単位のオフセットを加える場合でも、N>R/7又はR'<14の場合には、
図12と同様、DMRSが1サブフレームの最終シンボルにマッピングされることはない。
【0134】
また、DMRSレピティションの開始位置にスロット単位のオフセット(オフセット値をΔとする)を加える場合には、N>2R/(14-Δ)又はR'<14-Δの場合には、DMRSが1サブフレームの最終シンボルにマッピングされることはない。
【0135】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、NB-IoT端末がSRS送信候補サブフレームにおいて、14SC-FDMAシンボルの最終シンボルをパンクチャする場合を想定した。この場合、1リソースユニットあたりのサブフレーム数X及びレピティション回数Rとすると、NB-IoT端末は、PUSCHの送信区間中のSRS送信候補サブフレームの有無又はSRS送信候補サブフレームの数に依らず、(X×R)サブフレームに渡ってPUSCHを送信する。
【0136】
つまり、PUSCHレピティションに必要な送信時間は一定である。しかし、実施の形態1及び2では、DMRSシンボルのパンクチャは回避されるものの、データシンボルはパンクチャされる。よって、特にレピティション回数が少ない場合にはデータシンボルの欠落による特性の劣化が発生する可能性がある。
【0137】
そこで、本実施の形態では、PUSCHの送信区間中のSRS送信候補サブフレームの有無又はSRS送信候補サブフレームの数に依って、PUSCHレピティションに必要な送信時間が異なることを許容することにより、SRS送信候補サブフレームにおいて、DMRSシンボル及びデータシンボルがパンクチャされることを防ぐ方法について説明する。
【0138】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図9及び
図10を援用して説明する。
【0139】
基地局100は、SRSリソース候補グループを設定するセル固有の上位レイヤ通知として、srs-SubframeConfigを端末200に通知する。また、基地局100は、NB-IoT用の帯域内のリソースユニットをNB-IoT端末である端末200に対して割り当てることにより通信を行う。
【0140】
また、基地局100は、NB-IoT端末に対するPUSCHの割当を決定する。PUSCHの割当情報には、NB-IoT端末に指示する周波数割当リソース情報、符号化方式及び変調方式に関する情報などが含まれる。PUSCHの割当情報は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0141】
また、基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、レピティション回数(R)をNB-IoT端末に予め通知する。レピティション回数(R)は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0142】
また、基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、NB-IoT端末がPUSCH送信に用いる送信サブキャリア数(例えば、1,3,6,12サブキャリア)をNB-IoT端末に予め通知する。送信サブキャリア数は、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、NB-IoT用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。
【0143】
端末200は、通知されるサブキャリア数に基づいて、リソースユニットあたりのサブフレーム数Xを決定する。例えば、送信サブキャリア数が1,3,6,12の場合、端末200は、リソースユニットあたりのサブフレーム数X=8,4,2,1にそれぞれ決定する。
【0144】
また、端末200は、基地局100から通知されたsrs-SubframeConfigに基づいて、SRS送信候補サブフレームを特定する。
【0145】
また、端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数(R)分だけ、PUSCHをレピティション送信する。この際、端末200は、シンボル単位のレピティションを用いてPUSCHを送信する。PUSCHレピティション送信の際、端末200は、SRS送信候補サブフレーム内の14SC-FDMAシンボルのうち、SRSリソース候補に対応する最終シンボルにDMRS及びデータシンボルをマッピングしない。つまり、端末200は、SRS送信候補サブフレーム内の14SC-FDMAシンボルの最終シンボル以外のシンボルにDMRS及びデータシンボルをマッピングする。
【0146】
換言すると、端末200は、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルの分(PUSCH信号がマッピングされない分)、当該最終シンボル以降のPUSCH信号の送信を遅延させる。
【0147】
このように、端末200は、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルでは信号(DMRS及びデータ)の送信を行わない。換言すると、端末200は、DMRSシンボル及びデータシンボルの何れもパンクチャしない。
【0148】
図13は、X=1サブフレーム、R=4サブフレームの場合のPUSCHレピティションの様子を示す。また、
図13では、srs-SubframeConfig=0、つまり、SRS送信候補サブフレームが1ms周期で存在する(
図2を参照)。
【0149】
図13に示すように、端末200は、1リソースユニット(X=1)に含まれる各SC-FDMAシンボル単位でレピティションする。つまり、端末200は、
図7と同様、同一の信号(DMRSシンボル又はデータシンボル)を含むSC-FDMAシンボルを連続してマッピングする。
【0150】
ただし、端末200は、SRS送信候補サブフレーム内の最終シンボル(SRSリソース候補に対応するシンボル)では信号の送信を行わずに、当該SC-FDMAシンボル以降に送信されるSC-FDMAシンボルを1シンボル分遅延させる。
【0151】
これにより、
図13に示すように、端末200においてDMRS及びデータシンボルが1サブフレームの最終シンボルにマッピングされることはない。すなわち、端末200は、既存のLTE端末がSRSを送信する可能性のある1サブフレーム(SRS送信候補サブフレーム)の最終シンボルでDMRS及びデータシンボルを送信しない。換言すると、端末200は、SRS送信候補サブフレームでDMRS及びデータシンボルをパンクチャすることがない。
【0152】
なお、PUSCHレピティション中のSRS送信候補サブフレームの数をN
SRSとすると、端末200は、(14×X×R+N
SRS個)のSC-FDMAシンボルを用いてPUSCHレピティション送信を行う。つまり、端末200は、ceiling((14×X×R+N
SRS)/14)サブフレームを用いてPUSCHレピティション送信を行う。ここで、関数ceiling(x)はxに対してx以上の最小の整数を返す天井関数を表す。例えば、
図13では、X=1、R=4、N
SRS=4であるので、PUSCHレピティション送信において、4SC-FDMAシンボル分の遅延が発生し、5サブフレームが用いられる。
【0153】
このようにして、NB-IoT端末である端末200は、シンボル単位のPUSCHレピティションを行う場合に、実施の形態1と同様、LTE端末がSRSを送信する可能性があるSRSリソース候補に対応するSC-FDMAシンボル(SRS送信候補サブフレームの最終シンボル)以外のSC-FDMAシンボルにDMRS及びデータ信号をマッピングする。
【0154】
一方、基地局100は、端末200から送信されるPUSCHに含まれるDMRSを用いてデータ信号を復調する。上述したように、NB-IoT端末によるPUSCHレピティションが行われるサブフレームの中にSRS送信候補サブフレームが含まれる場合、基地局100は、SRS送信候補サブフレームの最終シンボルにはNB-IoT端末からの信号がマッピングされず、1シンボル遅延して送信されていると判断する。
【0155】
これにより、DMRSのみでなく、データシンボルについても、端末200でのパンクチャによる欠落を回避することができる。よって、本実施の形態では、基地局100は、受信したPUSCHについてチャネル推定及び受信品質を向上することができる。よって、本実施の形態では、既存のLTEシステムへの影響を最小限に抑えつつ、NB-IoT端末に対する伝送品質を改善することができる。
【0156】
なお、本実施の形態では、データ及びDMRSのSC-FDMAシンボルへのマッピング方法は任意である。また、本実施の形態では、実施の形態1又は2と異なり、データシンボルについてもパンクチャされないので、基地局100での受信品質がSRS送信候補サブフレームの数に依存しない。
【0157】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0158】
なお、上記実施の形態において用いた、レピティション回数、パラメータXの値、分割数(N)、シンボルレピティション数(R')、srs-SubframeConfigで定義されるパラメータの値は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0159】
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0160】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0161】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0162】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0163】
本開示の端末は、データ信号及び復調用参照信号(DMRS)に対し、複数のサブフレームに渡ってシンボル単位で繰り返しマッピングするためのレピティションを行うレピティション部と、複数のサブフレームにおいて、レピティションされたDMRSを、上りリンクの受信品質の測定に用いられるサウンディング参照信号(SRS)がマッピングされるリソースの候補であるSRSリソース候補に対応するシンボル以外のシンボルにマッピングする信号割当部と、複数のサブフレームで、DMRS及びデータ信号を含む上りリンク信号を送信する送信部と、を具備する構成を採る。
【0164】
本開示の端末において、信号割当部は、上りリンク信号に含まれる全てのDMRSを、複数のサブフレームの先頭シンボルから連続してマッピングし、SRSリソース候補に対応するシンボルにマッピングしたデータ信号をパンクチャする。
【0165】
本開示の端末において信号割当部は、上りリンク信号に含まれる複数のDMRSを、所定数の連続するシンボル毎に分散してマッピングし、SRSリソース候補に対応するシンボルにマッピングしたデータ信号をパンクチャする。
【0166】
本開示の端末において、信号割当部は、複数のサブフレームのうち、SRSリソース候補に対応するシンボル以外のシンボルにDMRS及びデータ信号をマッピングし、SRSリソース候補に対応するシンボルに上りリンク信号をマッピングしない。
【0167】
本開示の送信方法は、データ信号及び復調用参照信号(DMRS)に対し、複数のサブフレームに渡ってシンボル単位で繰り返しマッピングするためのレピティションを行い、複数のサブフレームにおいて、レピティションされたDMRSを、上りリンクの受信品質の測定に用いられるサウンディング参照信号(SRS)がマッピングされるリソースの候補であるSRSリソース候補に対応するシンボル以外のシンボルにマッピングし、複数のサブフレームで、DMRS及びデータ信号を含む上りリンク信号を送信する。
【0168】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。