特許第6640907号(P6640907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6640907トリガ力を低減した針支援式ジェット注射装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6640907
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】トリガ力を低減した針支援式ジェット注射装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20200127BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20200127BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   A61M5/20 510
   A61M5/20 500
   A61M5/20 570
   A61M5/32 500
   A61M5/31 520
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2018-83680(P2018-83680)
(22)【出願日】2018年4月25日
(62)【分割の表示】特願2015-557208(P2015-557208)の分割
【原出願日】2014年2月11日
(65)【公開番号】特開2018-153647(P2018-153647A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2018年5月10日
(31)【優先権主張番号】61/763,395
(32)【優先日】2013年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/776,283
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502142703
【氏名又は名称】アンタレス・ファーマ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】トラヴァンティ,マイケル
【審査官】 鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/012745(WO,A1)
【文献】 特表2012−521224(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0302989(US,A1)
【文献】 特表2011−513035(JP,A)
【文献】 特表2008−521482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/31
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸(170)の周りに配置され、開口(1408)および突出部(1406)を有するトリガ部材(1400)、および
薬剤容器(110)から薬剤を発射するために前記薬剤容器(110)を加圧するように構成されたラム(1232)を有するラム組立体(122)であって、前記トリガ部材(1400)が発射前状態にあるときに前記トリガ部材(1400)の前記開口(1408)に係合するように構成されたトリガ係合部材(1230)をさらに有するラム組立体(122)
を含むトリガ機構と、
前記薬剤を発射するために前記ラム(1232)に力を加えるように、前記ラム(1232)を有する前記ラム組立体(122)を付勢するエネルギー源(120)と、
ユーザ操作可能な発射開始部材(1504)であって、前記トリガ係合部材(1230)に係合される開口(1408)を有し、前記発射前状態から発射状態へ近位方向に前記トリガ係合部材(1230)の軸方向移動を引き起こすように操作可能であり、前記発射状態では前記トリガ係合部材(1230)が保持部(306)から解放されることで前記エネルギー源(120)が前記ラム(1232)に力を加えることが可能になる発射開始部材(1504)と
を備え、
ラム組立体(122)のトリガ係合部材(1230)の膨張部(1230a)とハウジング端部/端部キャップのラム保持部材(1042)との係合する面の角度が、ラッチ保持角度(172)を規定し、
前記ラッチ保持角度(172)は、35°と45°との間である、注射器(100)。
【請求項2】
軸(170)の周りに配置され、開口(1408)および突出部(1406)を有するトリガ部材(1400)、および
薬剤容器(110)から薬剤を発射するために前記薬剤容器(110)を加圧するように構成されたラム(1232)を有するラム組立体(122)であって、前記トリガ部材(1400)が発射前状態にあるときに前記トリガ部材(1400)の前記開口(1408)に係合するように構成されたトリガ係合部材(1230)をさらに有するラム組立体(122)
を含むトリガ機構と、
前記薬剤を発射するために前記ラム(1232)に力を加えるように、前記ラム(1232)を有する前記ラム組立体(122)を付勢するエネルギー源(120)と、
ユーザ操作可能な発射開始部材(1504)であって、前記トリガ係合部材(1230)に係合される開口(1408)を有し、前記発射前状態から発射状態へ近位方向に前記トリガ係合部材(1230)の軸方向移動を引き起こすように操作可能であり、前記発射状態では前記トリガ係合部材(1230)が保持部(306)から解放されることで前記エネルギー源(120)が前記ラム(1232)に力を加えることが可能になる発射開始部材(1504)と
を備え、
ラム組立体(122)のトリガ係合部材(1230)の膨張部(1230a)とハウジング端部/端部キャップのラム保持部材(1042)との係合する面の角度が、ラッチ保持角度(172)を規定し、
前記ラッチ保持角度(172)は、75°と85°との間である、注射器(100)。
【請求項3】
注射器ハウジングをさらに備え、
前記発射開始部材は、前記注射器の遠位端に配置された皮膚接触部材を含み、前記皮膚接触部材は前記注射器の前記遠位端において前記皮膚接触部材に力が加えられたときに前記ハウジングに対して近位方向に移動可能であり、
前記発射開始部材は、前記トリガ係合部材に関連付けられ、前記皮膚接触部材の前記ハウジングに対する近位方向の移動の際に、前記発射前状態から前記発射状態へ近位方向に前記トリガ係合部材の軸方向移動を引き起こすように構成される、請求項1または請求項2に記載の注射器。
【請求項4】
前記皮膚接触部材は、針ガードを含み、前記針ガードは引込み可能であり、かつ前記皮膚接触部材の近位方向の移動の際に前記薬剤容器に接続された針を露出するように構成される、請求項3に記載の注射器。
【請求項5】
前記針は、発射中に前記薬剤容器から発射される薬剤を注射するために前記薬剤容器に流体連通する、請求項4に記載の注射器。
【請求項6】
前記エネルギー源は、0.62MPa4.14MPaとの間に前記薬剤を加圧するように構成される、請求項4に記載の注射器。
【請求項7】
前記エネルギー源および前記針は、前記針内で少なくとも約1,000cm/secの平均速度で前記薬剤を注射するように構成される、請求項4に記載の注射器。
【請求項8】
端部キャップをさらに備え、前記端部キャップは、発射前位置において前記エネルギー源の動作に対抗して前記ラム組立体を軸方向について近位位置に保持するラム保持部材を備える、請求項1または請求項2に記載の注射器。
【請求項9】
前記ラム保持部材は、前記トリガ係合部材を係合させることで、前記発射前位置において前記エネルギー源の動作に対抗して前記ラム組立体を軸方向について近位位置に保持する、請求項8に記載の注射器。
【請求項10】
前記発射状態において、前記ラムが前記開口から解放され、前記エネルギー源が前記トリガ係合部材と前記ラム保持部材との間の係合を解除する、請求項9に記載の注射器。
【請求項11】
前記ラム保持部材は突出部を含み、前記突出部は前記トリガ係合部材に係合される膨張部および溝を含み、
前記トリガ部材の前記開口は、前記発射前状態において、前記膨張部および前記溝を含む前記トリガ係合部材との係合を保持する、請求項9に記載の注射器。
【請求項12】
注射中に前記薬剤容器を保持するように構成された容器支持体をさらに備え、
前記ラム組立体は、注射後に前記注射器を再使用不能にするために前記容器支持体に係合するように構成される、請求項1または請求項2に記載の注射器。
【請求項13】
前記注射器が再使用不能にされたときに、前記ユーザ操作可能な発射開始部材の近位方向の移動が、前記ラム組立体によって阻止される、請求項12に記載の注射器。
【請求項14】
前記薬剤はアンドロゲンを含む、請求項1または請求項2に記載の注射器。
【請求項15】
前記アンドロゲンは、テストステロンまたはその誘導体もしくはエステルを含む、請求項14に記載の注射器。
【請求項16】
前記アンドロゲンはエナント酸テストステロンを含む、請求項15に記載の注射器。
【請求項17】
前記エネルギー源および前記針は、前記針を通して前記薬剤をジェット注射するように構成される、請求項6に記載の注射器。
【請求項18】
前記エネルギー源および前記針は、前記針を通して前記薬剤をジェット注射するように構成される、請求項7に記載の注射器。
【請求項19】
前記エネルギー源および前記針は、前記薬剤を前記針内で100cm/secと1,000cm/secとの間の平均速度で注射するように構成される、請求項4に記載の注射器。
【請求項20】
前記エネルギー源および前記針は、前記針を通して前記薬剤をジェット注射するように構成される、請求項19に記載の注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]この出願は、2013年2月11日に出願された係属中の米国仮出願第61/763,395号、および2013年3月11日に出願された係属中の米国仮出願第61/776,283号の利益および優先権を主張する。
【0002】
[0002]本開示は、注射装置に関し、いくつかの実施形態では、テストステロンまたはミダゾラムなど特別な薬剤のための針支援式ジェット注射器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]患者へ液体薬剤の注射を作動させるために自動化機構を使用する様々な注射装置が存在する。そのような装置の例は、(無針式および針支援式の両方の)ジェット注射器、ならびに(たとえば、従来の指で駆動する皮下シリンジ注射の機械式送達を提供する)従来の低圧力自動注射器を含む。注射を完了するのに使用される詳細な機構は様々であり得るが、ほとんどは、使用中に注射機構を駆動するのに使用できる運動エネルギーを蓄積する特徴を含む。さらに、多くの注射器は、注射が望まれるまで運動エネルギーが蓄積されたままであることを保証するように構成されたトリガ機構を含み、それにより、トリガの作動が注射機構を解放し、蓄積された運動エネルギーが注射機構を駆動して注射を行うことを可能にする。
【0004】
[0004]無針ジェット注射器の例は、たとえば、米国特許第5,599,302号および第4,790,824号に説明されている。これらの強力注射器は、ボタン作動式であり、ジェットが皮膚を通過できる十分な圧力の下で送達される精密な高速のジェットとして薬剤を投与する。そのような無針ジェット注射器における注射機構は、薬剤を注射するために必要な圧力がチャンバ内に発生するように、装置内の薬剤貯蔵チャンバに力を加えるものでありうる。
【0005】
[0005]たとえば、米国特許第4,553,962号および第4,378,015号、ならびに国際公開第97/14455号に説明されるような従来の自己注射器または自動注射器は、手動操作の皮下シリンジと同様の速度および手法で薬剤を注射する。説明された自己注射器または自動注射器は、薬剤容器および関連する針の移動によって薬剤を送達するために、ユーザの皮膚を貫通するように作動時に延びる針を有する。したがって、従来の低圧力の自己注射器および自動注射器において薬剤を送達する力を提供する機構は、針を延ばし、薬剤容器を変位させて、ユーザの皮膚への針の挿入を行い、薬剤容器内に移動可能に配置されたプランジャに力を加えて、薬剤が針を通して容器から発射されるようにするためにも用いられる。したがって、たとえばオーウェン・マムフォードにより製造される自動注射器は、薬剤を注射するために非常に低い圧力を使用し、この場合、典型的には薬剤が比較的低速の流れで針を通して注射される。他の自己注射器は、シンポニー注射器を含む。これは、ハウジングに窓を含み、注射器が使用されると、窓を通して黄色いラムが透明な薬剤容器の内側で視認可能である。
【0006】
[0006]さらに、より強い射出力を有し、最初に皮膚を貫通するために針を利用する針支援式ジェット注射器も開発されており、これは、従来の皮下注射器または低圧力自動注射器よりも浅い針挿入深さの範囲を可能にする。皮膚が針で突き通されると、ジェット機構が作動され、注射器内の薬剤を含む液体が加圧されて針を通して皮膚内に発射される。針支援式ジェット注射器内の注射機構は、薬物容器および針を前方に移動させて、皮膚を突き通し、容器内に移動可能に配置されたプランジャに必要な射出力を加えるように構成さ
れ得る。代替的に、針および薬物容器は、針および薬物容器を静止位置に維持しながら皮膚を貫通するように位置決めしてもよく、注射機構は、容器を加圧するような構造としてもよい。皮膚の外層が針により既に貫通されているため、注射器内の薬剤に加えられる圧力は、従来のジェット注射器の圧力よりも小さくすることができる。同様に、薬剤に加えられる圧力は、好ましくは、従来の自動注射器などの圧力より高くし、薬剤が皮膚を通るようにし、薬剤が実質的に身体内に留まるのに十分な深さで皮膚下の組織に分散または注射されるようにする。より高い圧力のさらなる利点は、より速い注射時間を含み、これは、患者の心的外傷を低減させ、また、注射部位から注射器を除去することでユーザが不注意で時期尚早に注射を中断する可能性を低減させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]輸送中の突然の動きに起因して、またはトリガ機構の偶発的な作動を含むユーザによる装置の誤った取扱いに起因して、トリガおよび注射機構に関連付けられる蓄積されたエネルギーによる偶発的な発射が発生し得る。注射機構の偶発的な発射は、装置から薬剤を発射させる可能性があり、これは注射装置のタイプによっては危険な高圧力で生じ得る。さらに、偶発的な発射は、皮膚を貫通するのに十分な力で注射針を装置に対して前方に移動させる可能性がある。
【0008】
[0008]また、注射器に組み込まれる多くの部品の寸法が、一般的に多くの注射器の設計を制限する。たとえば、多くの注射器は前方発射開始機構を利用しており、これは一般的に軸方向移動および注射器の後方に位置するトリガ構造との係合を必要とする。しかしながら、この構成では、たとえば注射装置のサイズを縮小することや装置内の薬物容器を見ることができるなどの利点があり得るが、たとえば摺動可能な連結における部品間の摩擦、および部品の歪みによって、連結されたトリガ部品の固着が助長される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本発明の一実施形態において、発明は注射器に関する。一実施形態において、発明は注射器である。注射器は、軸の周りに配置され開口および突起部を有するトリガ部材と、薬剤容器から薬剤を発射するために薬剤容器を加圧するように構成されたラムを有するラム組立体であって、トリガ部材が発射前状態にあるときにトリガ部材の開口に係合するように構成されたトリガ係合部材をさらに有するラム組立体と、薬剤を発射するためにラムに力を加えるようにラムに関連付けられるエネルギー源と、ユーザ操作可能な発射開始部材であって、トリガ部材の突起部に摺動可能にまたは直接的に係合される開口を有し、発射前状態から発射状態へ近位方向にトリガ部材の軸方向移動を引き起こすように操作可能であり、発射状態ではトリガ係合部材が保持部から解放されることでエネルギー源がラムに作用することが可能になる発射開始部材とを含む。
【0010】
[0010]一実施形態では、注射器は注射器ハウジングをさらに含み、発射開始部材は注射器の遠位端に配置された皮膚接触部材を含む。皮膚接触部材は、注射器の遠位端において皮膚接触部材に力が加えられたときにハウジングに対して近位方向に移動可能である。発射開始部材はトリガ部材に関連付けられ、皮膚接触部材のハウジングに対する近位方向の移動により発射前状態から発射状態へ近位方向にトリガ部材の軸方向移動を引き起こすように構成される。
【0011】
[0011]一実施形態では、皮膚接触部材は、針ガードを含み、針ガードは引込み可能であり、皮膚接触部材の近位方向の移動により薬剤容器に接続された針を露出するように構成される。
【0012】
[0012]一実施形態では、針は、発射中に薬剤容器から発射される薬剤を注射するために
薬剤容器に流体連通する。
【0013】
[0013]一実施形態では、エネルギー源および針は、針を通して薬剤をジェット注射するように構成される。
【0014】
[0014]一実施形態では、エネルギー源は、薬剤をジェット注射するために、約90psi(psi:重量ポンド毎平方インチ)と約600psiとの間に薬剤を加圧するように構成される。
【0015】
[0015]一実施形態では、エネルギー源および針は、針内で少なくとも約1,000cm/secの平均速度で薬剤を注射するように構成される。
【0016】
[0016]一実施形態では、注射器が端部キャップをさらに含み、この端部キャップは、発射前位置においてエネルギー源の動作に対抗してラム組立体を軸方向について近位位置に保持するラム保持部材を備える。
【0017】
[0017]一実施形態では、ラム保持部材は、発射前位置においてエネルギー源の動作に対抗してラム組立体を軸方向について近位位置に保持するためにトリガ係合部材に係合する。
【0018】
[0018]一実施形態では、注射器は、軸と、ラム保持部材およびトリガ係合部材との接触面とによって規定されるラッチ保持角度を含む。いくつかの実施形態では、ラッチ保持角度は、約35°と約45°との間である。他の実施形態では、ラッチ保持角度は、約75°と約85°との間である。
【0019】
[0019]一実施形態では、発射状態において、ラムは開口から解放され、エネルギー源がトリガ係合部材とラム保持部材との間の係合を克服する。
【0020】
[0020]一実施形態では、ラム保持部材は突出部を含み、突出部はトリガ係合部材に係合される膨張部および溝を含み、トリガ部材の開口は、発射前状態において、膨張部および溝を含むトリガ係合部材との係合を保持する。
【0021】
[0021]一実施形態では、注射器は、注射中に薬剤容器を保持するように構成された容器支持体をさらに含み、ラム組立体は、注射後に注射器をロックアウトするために容器支持体に係合するように構成される。
【0022】
[0022]一実施形態では、注射器がロックアウトされたときに、ユーザ操作可能な発射開始部材の近位方向の移動が、ラム組立体によってブロックされる。
【0023】
[0023]一実施形態では、発射前状態において注射器の外側から発射前色域が視認可能である。注射器は、窓を含むハウジングと、インジケータであって、発射前色域には存在しない指示色を有し、発射前状態では指示色がハウジング内で見えないように隠され、発射状態では指示色が発射状態であることを表示するために注射器の外側から窓を通して視認可能であるインジケータとをさらに含む。いくつかの実施形態では、ラム組立体がインジケータを含む。いくつかの実施形態では、ラム組立体は、発射状態において窓を完全に塞ぐ。
【0024】
[0024]一実施形態では、薬剤はアンドロゲンを含む。他の実施形態では、アンドロゲンは、テストステロンまたはその誘導体もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、アンドロゲンはシピオン酸テストステロンを含む。一実施形態では、アンドロゲンはエ
ナント酸テストステロンを含む。一実施形態では、薬剤はミダゾラムを含む。
【0025】
[0025]一実施形態では、発射開始部材の開口は、トリガ部材の突起部に摺動可能に係合される。
【0026】
[0026]一実施形態では、ラム組立体は一体構造である。
【0027】
[0027]本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、図面と併せて考慮される以下の非限定的な詳細な説明を検討することから明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】[0028]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の断面図である。
図2】[0029]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のキャップの断面図である。
図3A】[0030]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の浮動トリガ部材の斜視図である。
図3B】[0031]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の、ラム保持位置における(図1に示す)3B,3C断面での断面図である。
図3C】[0032]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の、発射位置における(図1に示す)3B,3C断面での断面図である。
図4】[0033]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の部分断面図である。
図5A】[0034]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部の斜視図である。
図5B】[0035]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部の斜視図である。
図6A】[0036]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部および浮動トリガ部材の、保持位置における(図4に示す)6A,6B断面での断面図である。
図6B】[0037]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部および浮動トリガ部材の、発射位置における(図4に示す)6A,6B断面での断面図である。
図7A】[0038]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のスリーブの側面図である。
図7B】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のスリーブの斜視図である。
図8】[0039]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の針ガードの側面および斜視図である。
図9A】[0040]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、浮動トリガ部材、スリーブの、未発射位置における側面図である。
図9B】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、浮動トリガ部材、スリーブの、発射済位置における側面図である。
図10A】[0041]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体の側面図である。
図10B】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体の斜視図である。
図11】[0042]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ係合部材とラム保持部材との係合の近接図である。
図12】[0043]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体の上面図である。
図13】[0044]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の分解図である。
図14A】[0045]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ部材の斜視図である。
図14B】[0046]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の断面図である。
図14C】[0047]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ部材の斜視図である。
図15A】[0048]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15B】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15C】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15D】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15E】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15F】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15G】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図15H】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラム組立体、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の様々な側面図である。
図16A】[0049]トリガ前の位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の側面図である。
図16B】トリガ中の位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の側面図である。
図16C】トリガ後の位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の側面図である。
図17A】[0050]図16Aに示される端部キャップ、ラム組立体、およびトリガの一部分の断面図である。
図17B】[0051]図17Aに示される端部キャップ、ラム組立体、およびトリガの一部分の拡大断面図である。
図17C】[0052]図1に示される注射装置の端部キャップ、ラム組立体、およびトリガの断面図である。
図17D】[0053]図17Cに示される注射装置の端部キャップ、ラム組立体、およびトリガの拡大断面図である。
図18】[0054]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ係合部材とラム保持部材との係合の近接図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[0055]図面を通して、同じ参照番号および文字は、別段の記載がない限り、図示された実施形態の同様の特徴、要素、部品、または部分を示すために使用される。さらに、本開示は、ここで図を参照して詳細に説明されるが、例示的な実施形態に関連してそのようにされるのであって、図に示される特定の実施形態によって限定されるものではない。
【0030】
[0056]添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態が、より完全に以下に説明される。すべてではないがいくつかの本発明の実施形態が示される。実際に、本発明の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化することが可能であり、明示的に説明される実施
形態に限定されると解釈されるべきではない。同様の番号は、全体を通して同様の要素を参照する。単数形(「a」、「an」、および「the」)は、文脈が別段に明示しない限り、単数形および複数形を含む。
【0031】
[0057]図1は、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置100を示す。なお、本開示の文脈において、用語「遠位」および「近位」は、ユーザに保持されたときのユーザに対する注射装置の位置を参照して使用される。したがって、別の点より遠位に位置する点はユーザからさらに遠く(すなわち注射装置の注射端に向かう)、また逆も同様である。図面に示されるように、例示的な注射装置100は針支援式ジェット注射装置であるが、本明細書のいくつかの特徴を使用する代替的な実施形態が、無針ジェット注射器として、または低圧力自動注射器もしくは他の機械式注射器として構成され得ることは、当業者には理解されよう。いくつかの実施形態によれば、注射装置100は、使い捨ての針支援式ジェット注射器である。いくつかの実施形態では、注射装置100は、反復される注射に際して、複数のおよび/または変動する投薬を提供するように修正され得る。いくつかの実施形態によれば、注射装置100は、ロックアウト機能を有する使い捨ての針支援式ジェット注射器である。たとえば、注射装置100は、注射装置100内に貯蔵された薬剤のジェット注入を促進することができ、また、いったん薬剤が排出されるとユーザが注射装置100を使用しようとするのを防止するロック機能を含むことができる。一実施形態では、ロック機能は、注射装置100の使用ではなく薬剤の排出が行われると作動される。たとえば、ロック機能が作動されると、注射装置が注射のためにユーザにより実際に使用されたわけではないが、(たとえば、装置の輸送や取扱いなどの際に)発射機構が偶発的に作動されて薬剤が排出された場合でも、注射装置100がユーザによりその後に使用を試みられることを防止することができる。ロック機能を含む注射装置100の動作はさらに詳細に後述される。
【0032】
[0058]いくつかの例示的な実施形態によれば、注射装置100は、任意の適切な液体薬物または薬剤を送達することができる。さらに、注射装置100は、公式な訓練を受けていない個人による注射の投与(たとえば、自己投与、または子に薬物を投与する親など、他の個々の家族の一員、もしくは公式に訓練された医療提供者ではない可能性がある他の介護者による投与)を可能にすることができる。したがって、注射装置100は、自己注射/介護者が投与する注射が有益となる状況で役に立つ可能性がある。そのような状況としては、以下に限定されないが、炎症性疾患、低Tとしても知られている低テストステロン、性腺機能低下症、糖尿病、不妊症治療、性的機能不全、心血管疾患、腫瘍、腫瘍支持療法、アレルギー反応、多発性硬化症、関節リウマチ乾癬、クローン病および全身性エリテマトーデス(SLE)を含む他の自己免疫疾患、慢性疼痛、偏頭痛、急性発作、てんかん発作、腎臓病などが含まれる。さらに、注射装置100は幅広い薬物を注射するために使用することができる。たとえば、注射装置100は、薬物、水溶性薬剤、ペプチド、タンパク質、デポー製剤、および油溶性薬剤を注射するために使用することができる。一実施形態では、薬剤は、ミダゾラムを含むベンゾジアゼピンを含む。別の実施形態では、薬剤は、水溶液の代わりに油に溶け、男性および女性に使用されるホルモン剤(たとえばテストステロンまたはその誘導体もしくはエステル)、メトトレキサートのような低分子の注射可能薬物(たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開2010/108116号を参照)、ならびに/または高粘度を有するものを含む生物学的製剤を含むことができる。さらに、上述したように、注射装置100は、テストステロン製剤(たとえば、シピオン酸テストステロンおよびエナント酸テストステロン)を含むアンドロゲンを注射するために使用することができる。いくつかの実施形態では、注射装置は、これらに限定されないがテストステロン、生物製剤、または後発生物製剤のような、注射するのが複雑で難しい粘性の薬に関して、投与および性能を強化するように設計される。一実施形態では、注射装置は、生物製剤を含むがこれに限定されない粘性製剤について必要とされ得る薬剤の強力かつ円滑な放出を生じるように設計される。
【0033】
[0059]テストステロンは、アンドロゲングループのステロイドホルモンである。一般に、アンドロゲンは、アンドロゲン受容体とともにタンパク質合成およびその組織の成長を促進する。テストステロンは、同化作用があり、それは骨および筋肉量を増大させることを意味する。テストステロンは、以下の構造式を有する。
【0034】
【化1】
【0035】
[0060]テストステロンの本来の、および主要な使用は、テストステロンの自然な体内での産生が非常に少ない、またはない男性(低Tまたは性腺機能低下症を有する男性)の治療のためである。Massachusetts Male Aging Studyによれば、40歳から60歳の約6%から12%の男性は、症候性低テストステロン欠乏症である。しかしながら、年月とともに、テストステロンは、他の多くの状態、たとえば、不妊症の軽減、性欲欠如もしくは勃起不全の是正、骨粗しょう症の是正、陰茎増大の促進、身長成長の促進、骨髄刺激の促進、貧血効果の反転、および食欲刺激のために与えられている。
【0036】
[0061]いくつかの実施形態では、注射装置100は、エピネフリン、アトロピン、ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、抗生物質、抗うつ剤、血液凝固阻止剤、グルカゴン、ジアゼパム、ハロペリドール、アポモルヒネ、ラブノックス、およびトラドールのうちの1つまたは複数を注射するために使用することができる。他の実施形態では、注射装置100は、Enbrel、Humira、Lantus、Epogen(Procrit)、Neulasta、Aranesp、Avonex、PEGasys、Rebif、Neupogen、Betaseron、Avastin、Remicade、Herceptin、Erbitux、Recombinate、Cerezyme、NovoSeven、Tysabri、Synagis、Copaxone、およびKogenate FSを含むがこれらに限定されない、バイオ後続品、生物学的製剤、および/またはペプチド薬を注射するために使用することができる。
【0037】
[0062]他の実施形態では、注射装置100は、副甲状腺ホルモン(「PTH」)、およびエキセナチドなど様々な他の薬剤を注射するために使用することができる。また、注射装置100は、(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)Physicians’ Desk Reference(PDR(登録商標))、67版(2013)に列挙されている薬剤、以下に限定されないが、アレルゲン、抗アメーバ薬および抗トリコモナス剤、アミノ酸製剤、蘇生薬、鎮痛薬、鎮痛剤/制酸剤、麻酔薬、食欲抑制薬、制酸薬、抗蠕虫薬、抗アルコール製剤、抗関節炎薬、抗ぜんそく薬、抗菌剤および防腐剤、抗ウイルス性抗生物質、抗がん製剤、抗コリン作用薬阻害剤、血液凝固阻止剤、抗けいれん薬、抗糖尿病薬、下痢止め薬、抗利尿薬、抗遺尿症剤、抗線維素溶解剤、抗線維症薬(全身性)、整腸剤、抗真菌剤、抗ゴナドトロピン薬、抗ヒスタミン剤、抗高アンモニア剤、抗炎
症剤、抗マラリア剤、代謝拮抗物質、抗偏頭痛製剤、制吐薬、抗新生物薬、抗肥満製剤、駆虫剤、抗パーキンソン薬、止痒剤、解熱剤、抗けいれん薬および抗コリン作用薬、抗トキソプラズマ剤、鎮咳薬、抗めまい剤、抗ウィルス剤、生物学的製剤、バイオ後続品、ビスマス製剤、骨代謝調節薬、腸瀉下薬、気管支拡張薬、カルシウム製剤、循環器官用薬、中枢神経刺激薬、耳垢水、キレート剤、利胆薬、コレステロール低下薬および抗高脂血症薬、結腸内容物酸性化剤、感冒薬、うっ血除去薬、ジアゼパム、エピネフリン去痰薬および配合剤、利尿薬、催吐薬、酵素および消化剤、妊娠促進薬、フッ素製剤、ガラクトキネティック剤(galactokinetic agent)、全身麻酔剤、老人病薬(geriatrics)、殺菌剤
、造血剤、痔疾薬、ヒスタミンH受容体拮抗剤、ホルモン、利胆剤、高血糖薬(hyperglycemic agents)、催眠薬、免疫抑制薬、緩下剤、粘液溶解薬、筋弛緩薬、麻薬拮抗剤、麻薬解毒剤、眼科用浸透脱水剤、耳製剤、分娩促進薬、副交感神経遮断薬、副甲状腺製剤、シラミ駆除剤、リン製剤、月経前治療薬、精神刺激薬、キニジン、放射性医薬品、呼吸刺激薬、塩代用品、殺疥癬虫薬、硬化剤、鎮静剤、交感神経遮断薬、交感神経作動薬、血栓溶解薬、甲状腺製剤、精神安定剤、結核製剤、尿酸排泄剤、尿酸性化剤、尿アルカリ化剤、尿路鎮痛剤、泌尿器洗浄液、子宮収縮剤、膣治療薬、ビタミン、ならびにPDR(登録商標)における上記のカテゴリーのそれぞれの下に列挙された各具体的な化合物および組成物を注射するために使用することができる。注射装置100とともに使用され得る他のいくつかの他の薬剤には、エルゴカルシフェロール(カルシフェロール)、ジエチルスチルベストロール、ディプリバン(プロポフォール)、吉草酸エストラジオール、デカン酸フルフェナジン、フルベストラント、イントラリピッド、リポシン、デカン酸ナンドロロン、ネビド、ニュートラリピッド(nutralipid)、パクリタキセル、プロゲステロン、プログラフ、シピオン酸テストステロン、ズクロペンチキソール、およびハロペリドールドデカン酸エステルが含まれる。いくつかの実施形態では、薬剤は、大豆油、オレイン酸エチル、ヒマシ油、ゴマ油、サフラワー油、ラッカセイ油、ポリオキシエチル化されたヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL)、ポリオキシル60水添ヒマシ油(HCO−60)、綿実油、またはココナツ油に由来の薄い油に溶かされる。
【0038】
[0063]いくつかの実施形態では、薬剤は、有害薬剤であり得る。本明細書で使用される「有害薬剤」は、毒物、細胞毒性薬剤、および/または、対象と接触すると重篤な影響を生じ得る他の危険な薬剤、さらに、高力価薬剤、低用量で強い生理的効果を有する薬剤である任意の1つまたは複数の薬剤を意味する。例示的な有害薬剤には、鎮痛薬、免疫調整剤、IL−1受容体拮抗剤、IL−2アルファ受容体拮抗剤、拒絶反応防止化合物、ホルモン剤、プロスタグランジン類、鎮静剤、抗コリン剤、パーキンソン病薬、高額薬剤、神経弛緩剤、組織壊死因子(TNF)遮断剤、および他の危険な薬剤が含まれるがこれらに限定されない。本発明に従って注射装置100とともに使用するのに適した有害薬剤の例には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Hazardous Agent
Injection System」という名称の(2012年6月21日に公開されたPaul Wottonらの)米国特許出願公開第2012/0157965号に開示されたものが含まれるがこれらに限定されない。特定の細胞毒性薬剤の例には、6−メルカプトプリン、6−チオイノシン酸、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、サイトホスファン、シタラビン、フルオロウラシル、メルファラン、メトトレキサート、ウラムスチン、抗サイトカイン生物製剤、細胞受容体拮抗剤、細胞受容体類縁体、およびそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。高力価薬剤の例には、デキサメタゾン、プロゲステロン、ソマトスタチン、およびそれらの類縁体のようなステロイド類、テリパラチドのような生物活性ペプチド類、およびスコポラミンのような抗コリン薬が含まれるがこれらに限定されない。低用量で強い生理学的効果を有する薬剤の例には、抗高血圧薬および/または血圧降下調整薬が含まれるがこれらに限定されない。鎮痛薬の例には、フェンタニル、クエン酸フェンタニル、モルヒネ、メペリジン、および他のオピオイド類が含まれるがこれらに限定されない。免疫調整剤の例には、アダリムマブ(抗組織壊死因子モノクローナル抗体または抗TNF)が含まれるがこれらに限定されない。I
L−1受容体拮抗剤の例には、アナキンラが含まれるがこれに限定されない。IL−2アルファ受容体拮抗剤の例には、ダクリズマブおよびバシリキシマブが含まれるがこれらに限定されない。拒絶反応防止化合物の例には、アザチオプリン、シクロスポリン、およびタクロリムスが含まれるがこれらに限定されない。ホルモン剤の例には、テストステロン、エストロゲン、成長ホルモン、インスリン、甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エピネフリン/アドレナリン、プロゲステロン、副甲状腺ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GHRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、反対の性別の人が接触すると副作用を引き起こす可能性があるホルモンなど他のホルモン類、およびそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。プロスタグランジン類の例には、ガンマ−リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、およびエイコサペンタエン酸が含まれるがこれらに限定されない。鎮静剤の例には、アモバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、およびフェノバルビタールのようなバルビツール酸系、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、およびアルプラゾラムのようなベンゾジアゼピン系、アシュワガンダ、ピチュリ、ストライプドミントブッシュ(prostanthera striatiflora)、カバ(カワカワ)、マンドレイク、カノコソウ、およびマリファナのようなハーブ系鎮静剤、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロンのような非ベンゾジアゼピン系鎮静剤(別名「Z薬」)、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキシラミン、およびプロメタジンのような抗ヒスタミン薬、ならびに抱水クロラールのような他の鎮静剤が含まれるがこれらに限定されない。抗コリン剤の例には、ジサイクロミン、アトロピン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、およびチオトロピウムが含まれるがこれらに限定されない。パーキンソン病薬の例には、レボドパ、ドーパミン、カルビドパ、ベンセラジド、コ−セラルドパ(co-ceraldopa)、コ−ベネルドパ(co-beneldopa)、トルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィン、およびリスリドが含まれるがこれらに限定されない。高額薬剤の例には、ヒト成長ホルモンおよびエリスロポエチンが含まれるがこれらに限定されない。神経弛緩剤の例には、抗精神病薬類、ハロペリドールおよびドロペリドールのようなブチロフェノン類、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、ペリシアジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、およびピモジドのようなフェノチアジン類、クロルプロチキセン、クロペンチキソール、フルペンチキソール、チオチキセン、およびズクロペンチキソールのようなチオキサンテン類、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルプリド、アセナピン、パリペリドン、イロペリドン、ゾテピン、およびセルチンドールのような非定型抗精神病薬類、ならびにアリピプラゾールおよびビフェプルノックスのような第三世代の抗精神病薬類が含まれるがこれらに限定されない。TNF遮断剤の例には、エタネルセプトが含まれるがこれに限定されない。
【0039】
[0064]いくつかの実施形態では、有害薬剤は、ボツリヌス毒素、注射可能な金、6−メルカプトプリン、6−チオイノシン酸、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、サイトホスファン、シタラビン、フルオロウラシル、メルファラン、メトトレキサート、ウラムスチン、抗サイトカイン生物製剤、細胞受容体拮抗剤、細胞受容体類縁体、デキサメタゾン、プロゲステロン、ソマトスタチン、デキサメタゾンの類縁体、プロゲステロンの類縁体、ソマトスタチンの類縁体、テリパラチド、スコポラミン、抗高血圧薬、血圧降下調整薬、フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、モルヒネ、メペリジン、他のオピオイド類、アダリムマブ(抗組織壊死因子モノクローナル抗体または抗TNF)、アナキンラ、ダクリズマブ、バシリキシマブ、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス、テストステロン、エストロゲン、成長ホルモン、インスリン、甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エピネフリン/アドレナリン、ガンマ−リノレン酸、ドコ
サヘキサエン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、アモバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、フェノバルビタール、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、アシュワガンダ、ピチュリ、ストライプドミントブッシュ、カバ(カワカワ)、マンドレイク、カノコソウ、マリファナ、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキシラミン、プロメタジン、抱水クロラール、ジサイクロミン、アトロピン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム、レボドパ、ドーパミン、カルビドパ、ベンセラジド、コ−セラルドパ、コ−ベレルドパ、トルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィン、リスリド、ヒト成長ホルモン、エリスロポエチン、ハロペリドール、ドロペリドール、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、ペリシアジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、ピモジド、クロルプロチキセン、クロペンチキソール、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルプリド、アセナピン、パリペリドン、イロペリドン、ゾテピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ビフェプルノックス、エタネルセプト、上記のいずれかの誘導体、ならびに上記のいずれかの組合せから選択することができる。
【0040】
[0065]注射装置100は、注射毎に約3mLまでの注射を提供することができるが、代替的な実施形態では、他の体積分が注射され得る。いくつかの実施形態では、注射装置100は、注射毎に1mLより多い注射を提供することができる。他の実施形態では、注射装置100は、約0.2mLから約0.3mLの範囲の注射を提供することができる。
【0041】
[0066]一実施形態では、注射装置100は、水溶液に溶解された0.5mlの薬剤を、約0.1秒、約0.2秒、約0.3秒、約0.4秒、約0.5秒、約0.6秒、約0.7秒、約0.8秒、約0.9秒、約1.0秒、または上記の時間から決定可能な任意の範囲(たとえば、約0.5秒から約1.0秒もしくは約0.4秒から約0.6秒)で注射することができる。別の実施形態では、注射装置100は、油に溶解された0.5mlの薬剤を、約5秒、約6秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約11秒、約12秒、約13秒、約14秒、約15秒、または上記の時間から決定可能な任意の範囲(たとえば、約6秒から約7秒もしくは約5秒から約15秒)で注射することができる。代替的な実施形態では、注射装置100は、粘着性物質を、およそ表1および表2に示されるような駆出時間で注射することができる。他の体積および時間は、上述の情報ならびに表1および表2から決定可能である。
【0042】
[0067]表1および表2は、注射装置100の一実施形態に関して、粘性油の薬剤の観測された注射時間を示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
[0068]例示的な実施形態によれば、注射装置100は、予め充填されたシリンジ内に貯蔵された薬剤を注射するように構成することができる。吹込みガラスプロセスにより製造された予め充填されたシリンジは、有意な寸法公差およびむらを有する可能性がある。したがって、注射装置100の特徴が、形状の不規則性に対応し、また、予め充填されたシリンジを注射装置100内に適切に位置決めおよび配置する役割を担うことができる。ポリマーで形成された予め充填されたシリンジなど他の薬剤容器も収容され得る。さらに、一実施形態では、注射装置100は、針支援式ジェット注射器として構成することができ、これは、約1000psiより小さい注射中のピーク圧力を提供し、一実施形態では500psiより小さく、別の実施形態では約400psiより小さい。一実施形態では、注射装置100は、約300psi、約325psi、約350psi、約375psi、約400psi、約425psi、約450psi、約475psi、約500psi、約525psi、約550psi、約575psi、約600psi、約625psi、約650psi、約675psi、約700psi、約725psi、約750psi、約775psi、約800psi、約825psi、約850psi、約875psi、約900psi、約925psi、約950psi、約975psi、約1000psi、約1025psi、またはピーク圧力から決定可能な任意の範囲(たとえば、約500psiから約650psi、もしくは約1000psiから約1025psi)の注射中のピーク圧力を提供することができる。注射の終わりに薬剤に加えられる圧力は、一実施形態では、少なくとも約80psiであり、別の実施形態では、少なくとも約90psiであり、別の実施形態では、少なくとも約100psiである。一実施形態では、注射の終わりに薬剤に加えられる圧力は、約50psi、約60psi、約70psi、約80psi、約90psi、約100psi、約110psi、約120psi、約130
psi、または圧力から決定可能な任意の範囲(たとえば、約50psiから約60psi、もしくは約100psiから約110psi)である。一実施形態では、初期圧力は約330psiとすることができ、最終圧力は約180psiとすることができ、他の実施形態では、初期圧力は約400psiとし、注射の終わりで約300psiに低下させることができる。これらの例示的な圧力は、たとえば、約0.2mL/secから約1.20mL/secの流量をもたらし、一実施形態では約1.0mL/secの流量をもたらす。一実施形態では、流量は約0.2mL/secより大きい。一実施形態では、注射装置100は、射出が難しい薬剤の迅速な射出のために必要とされるような、エネルギー源120、たとえば高力ばね(high force spring)を含むことができる。一実施形態
では、エネルギー源120は、約18lb(lb:ポンド)の荷重容量、約18.5lbの荷重容量、約19lbの荷重容量、約19.5lbの荷重容量、約20lbの荷重容量、約20.5lbの荷重容量、約21lbの荷重容量、約21.5lbの荷重容量、約22lbの荷重容量、約22.5lbの荷重容量、約23lbの荷重容量、または上記の荷重容量から決定可能な任意の範囲(たとえば、約18lbの荷重容量から約23lbの荷重容量、もしくは約18lbの荷重容量から約19lbの荷重容量)の高力ばねである。高力ばねは、薬物の迅速な送達が全用量の注射を保証するために重要な状況で所望されることがあり、これは、ユーザが時期尚早に注射器を注射部位から除去するのを防止することになる。薬剤は、高い粘度のため、または、それらの粘度と、29ゲージの予め充填されたシリンジのような微細な穴の針を使用して薬剤を送達する治療上の必要性との組合せのため、射出が難しい可能性がある。注射が難しい薬剤のためのこれらの例示的な高ばね力の結果として、約0.03mL/secから約1.0mL/secの流量が生じ得る。
【0046】
[0069]一実施形態では、使用される針は、22ゲージと29ゲージとの間とすることができる。いくつかの実施形態では、使用される針は25ゲージと28ゲージとの間であり他の実施形態では、およそ27ゲージであるが、他の要素が協働的に所望の注射をもたらすように構成される場合、代替的に他の針ゲージを使用することができる。いくつかの実施形態では、注射装置100が注射前に手動の針挿入で動作するように構成されているとき、折り曲がる危険なしに薄壁の針が使用され得る。水性薬剤を発射する特定のジェット注射器の実施形態では、発射機構、薬剤容器、針、およびエネルギー源は、針内の平均流速度が、少なくとも約1,000cm/sec、いくつかの実施形態では、少なくとも約1,300cm/secから最大約3,000cm/sec、他の実施形態では、最大約8,000cm/secで生じるように構成される。一実施形態では、注射中の平均流速度は、約1,300cm/secと約3,000cm/secとの間、または約2,000cm/secに到達するか、またはその前後の値になる。一実施形態では、注射中の平均流速度は、約500cm/sec、約1,000cm/sec、約1,500cm/sec、約2,000cm/sec、約2,500cm/sec、約3,000cm/sec、約3,500cm/sec、約4,000cm/sec、約4,500cm/sec、約5,000cm/sec、約5,500cm/sec、約6,000cm/sec、約6,500cm/sec、約7,000cm/sec、約7,500cm/sec、約8,000cm/sec、または平均流速度から決定可能な任意の範囲(たとえば、約1,000cm/secから約1,500cm/sec、もしくは約1,500cm/secから約2,000cm/sec)に到達するか、またはその前後の値になる。一実施形態では、注射中の平均流速度は約750cm/secより大きい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約1250cm/secより大きい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約5,000cm/secより小さい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約3,000cm/secより小さい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約2,000cm/secより小さい。ジェット注射を生じるのに使用される速度は、他のタイプの薬剤に応じて、たとえばそれらの粘度に基づいて変わる。いくつかの粘性薬剤の場合、例示的な高ばね力が使用されて、約100cm/secから最大約1000cm/secまでの流速度を生じ得る。より弱いエネルギー源および/またはより大きい針が、たとえば
、従来の低圧力自動注射器の実施形態において、より遅い速度、ならびにより低い圧力および/または流量を得るために使用され得る。そのような実施形態は、ハウジングに対する皮膚接触部材の近位方向の移動のときに発射前状態から発射状態へ移動する際のトリガ係合部材と保持部との間の軸方向の回転から利点を得ることもできる。その例は、回転運動に関わらないトリガ設計に適用され得るばね装荷部品の間の摩擦の低減であるが、これに限定されない。
【0047】
[0070]一実施形態では、図1に示されるように、例示的な注射装置100は、外側ハウジング102およびハウジング端部/端部キャップ104を含むことができる。図1に示されるように、一実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104は、ハウジング102の近位端に結合される。注射装置100はさらに、外側ハウジング102内に収容される様々な部品および/または組立体を含むことができる。図1に示されるように、これらの部品は、ガード106、たとえばスリーブ116のような容器支持体、発射機構108、薬剤チャンバ110、針112、およびばね114を含むことができる。図1に示されるように、外側ハウジング102は単一部品とすることができ、あるいは代替的に、外側ハウジング102は、たとえばスナップフィット接続、プレスフィット接続、ねじ係合、接着、または溶接などを介して互いに結合できる複数部品の組立体とすることができる。
【0048】
[0071]図1に示されるように、一実施形態では、スリーブ116は、たとえばスナップフィット接続、プレスフィット接続、ねじ係合、接着、または溶接などを介して、少なくとも部分的に外側ハウジング102内に収容され、外側ハウジング102に装着される。図7Aおよび図7Bに示されるように、スリーブ116は、ハウジング102の開口部に係合するように構成された突出部1168を含むことができる。スリーブ116は薬剤チャンバ110を保持するように構成される。薬剤チャンバ110は、その遠位端において針112を含みうる。いくつかの例示的な実施形態では、薬剤チャンバ110は、たとえば、分離されたガラスアンプルおよび針、または予め充填されたシリンジを含んでもよく、スリーブ116それ自体が一体的な薬剤チャンバを含んでもよい。一実施形態では、薬剤チャンバ110にプランジャ118が設けられる。プランジャ118は、発射機構108のラム1232に関連付けられる。注射中、ラム組立体122は、発射機構108のエネルギー源120により付勢されて、プランジャ118を遠位に、薬剤チャンバ110内により深く変位させ、針112を通して薬剤を排出する。一実施形態では、針112は、ユーザの皮膚を貫通するように構成された注射端112a、および薬剤チャンバ110と流体連通した中空ボア112bを含むことで、注射中に薬剤チャンバ110からユーザへの薬剤の送達を促進する。図1は、発射前状態の注射装置100を示す。注射装置100の動作については、その様々な段階および位置を含めて、さらに詳細に後述される。
【0049】
[0072]また、図1に示されるように、注射装置100は、いくつかの実施形態では発射機構108も含む。一実施形態では、発射機構108は、ハウジング102内に摺動可能に装着されたラム組立体122、およびエネルギー源120を含む。例示的な実施形態では、エネルギー源120は、圧縮ばね120を含むが、エラストマもしくは圧縮ガスばね、ガス発生器、または他の適切なエネルギー蓄積部材のような他の適切なエネルギー源を使用することもできる。図1では、ラム組立体122は発射前の最も近位の位置にある。注射中、ラム組立体122は、エネルギー源120により解放されたエネルギーによって遠位方向に付勢される。注射が完了すると、発射ラム組立体122は最も遠位の位置に配置される。この遠位位置では、ユーザがそれ以降注射を試みることができないように、ガード106がロックアウトされて針先端部を越えて延び、それゆえ針ガード106は鋭端の保護として機能することができる。ラム組立体122は、単一部品として示されているが、たとえばスナップフィット接続、プレスフィット接続、ねじ係合、接着、溶接、または他の適切な結合を介して互いに結合できる複数部品の組立体とすることができる。ラム
組立体122は、好ましくは、薬剤チャンバ110内に貯蔵された薬剤を排出するために、注射装置100の発射を促進するように構成され得る様々な特徴を含む。本開示のいくつかの例示的な実施形態によれば、注射装置100のトリガ機構は、ラム組立体122と、保持部306を含むことができる浮動トリガ部材300と、ラム保持部材1042とを含むことができる。
【0050】
[0073]一実施形態では、図2に示されるように、注射装置100はキャップ200を含む。キャップ200は、外側ハウジング102の遠位端に取外し可能に取り付けることができる。一実施形態では、キャップ200は、スリーブ116の遠位端に取外し可能に取り付けることができる。キャップ200は、たとえば、ねじ係合を介してハウジング102の遠位端に取外し可能に取り付けることができる。ハウジング端部/端部キャップ104は、ハウジング102の近位端の一部(たとえば開口部)に係合して、ハウジング端部/端部キャップ104をハウジング102に結合するように構成された機能部(たとえば突出部)を含むことができる。キャップ200は、注射装置100に取り付けられたときに、ガード106に不注意に力が加えられることでは注射が引き起こされないことを保証することができる。一実施形態では、キャップ200は、2つの係合機能部を含む。図2に示されるように、キャップ200は、係合機能部202および204を含むことができる。係合機能部202および204は、注射装置100の他の機能部とねじ係合するように構成されたスレッド(ねじ山)とすることができる。たとえば、係合機能部202は、ハウジング102の遠位端にキャップ200を固定するように構成されてもよく、スリーブ116の遠位部分にねじ係合するように構成されてもよい。一実施形態では、係合機能部204は、ガード106の近位方向への変位を防止するために、ガード106の機能部(たとえばスレッド)にねじ係合するように構成されてもよい。
【0051】
[0074]図2に示されるように、キャップ200は、各種の規則的または不規則な形状を有し、その軸に沿って見て非円形の断面であってもよい。その初期の閉位置は、隣接するハウジングの部分の形状に整合するか、または実質的に一致する。一実施形態では、機能部202および204は、複数のスレッド開始点を有する複数のスレッドを含み、スレッド開始点の1つだけが、初期の閉位置でキャップをハウジングに揃えることができる。したがって、キャップが取り外され交換されると、ユーザにより間違った開始点が選択される可能性が生じ、その結果、キャップはもはや注射器ハウジングに整合せず、不正変更が示される。一実施形態では、3つのスレッドが使用されるため、取り外されて交換されたキャップが正しく嵌合しないことに基づいて即座に明らかになる3分の2の可能性がある。
【0052】
[0075]図1に示されるように、一実施形態では、ハウジング102は、スリーブ116をハウジング102に結合し固定するためにスリーブ116に係合するように構成された開口部を含み、また、注射装置100が発射されたかどうかについて視覚的に示すことができる少なくとも1つの窓を含む。たとえば、発射前の状態において、窓はユーザが薬剤チャンバ110を貯蔵された薬剤とともに視認できるようにし、発射後の状態において、窓は発射機構108の一部のような1つまたは複数の内部部品が視認されるようにしてもよい。そのような内部部品は、注射装置100が発射されたことをユーザに警告するように特に選択された色とすることができる。この色は、一実施形態では、存在するまたは有意に存在する他の色とははっきりと異なるまたは対比されるように、ユーザ(一実施形態では通常の視覚を有する)が発射の前に注射器において視認可能な他の色と十分に異なる色である。たとえば、一実施形態では、この色は、目立つように、発射前のまたはユーザの発射前により視認可能な注射装置100の他のすべての部品と異なる(たとえば完全に新しい色系統を導入する)。一実施形態では、発射の後に現れる新しい色は、色相環の非類似の部分からの色であり、または注射装置100において視認可能な色に対する反対色もしくは補色とすることができる。一実施形態では、新しい色は、赤または橙色などのよ
うに注意を表す。一実施形態における発射前状態での注射器における視認可能な色、さらに一実施形態においてはキャップ200が注射器上にあるとき、および/または、ないときを含むそのような色は、たとえば灰色または青である。一実施形態では、注射器が発射されると赤色が導入される。一実施形態では、この新しい色は、発射後であるが伸張位置においてガード106がロックアウトされる前に導入することができる。
【0053】
[0076]一実施形態では、注射装置100は、図3A図3B、および図3Cに示されるように、浮動トリガ部材300を含む。浮動トリガ部材300は、近位部分314および遠位部分316を有することができる。一実施形態では、浮動トリガ部材300は、開口部302を含むことができる。さらに、浮動トリガ部材300は、遠位部分316に開口部302を含むことができる。開口部302は、注射装置100の発射を促進する際にラム組立体122のトリガ係合部材1230を受容して係合するように構成された保持部306を含むことができる。開口部302は、一実施形態では、ラム組立体122のトリガ係合部材1230に係合して、それらが2つの位置のうちの1つに合わせられるように構成される。たとえば、第1の位置302a(たとえば保持位置)では、ラム組立体122のトリガ係合部材1230の位置を保持部306によって制止されるように合わせ、それにより発射機構108が薬剤を発射し排出するのを防止する。第2の位置302b(たとえば発射位置)では、開口部302が発射部304を含み、ラム組立体122のトリガ係合部材1230が、トリガ係合部材1230の位置を広がることができるように合わせ、それにより、発射機構108による発射が可能になる。図3Bは、第1の位置(302a)に合わせられたトリガ係合部材1230を示し、図3Cは、第2の位置(302b)に合わせられたトリガ係合部材1230を示す。さらに、開口部302(たとえば第1の位置302a)の保持部306は、一実施形態では、第1および第2の位置から浮動トリガ部材300の回転を促進するように湾曲する。浮動トリガ部材300の遠位部分316の外表面は、カム面308を含むことができる。一実施形態では、トリガ係合部材1230の一部が任意選択で残部320に係合し、浮動トリガ部材300が回転するとトリガ係合部材1230が残部320を解放して発射機構108による発射を可能にする。
【0054】
[0077]浮動トリガ部材の近位部分314は、図6を参照して後でさらに説明されるリップ312を有するフランジ310を含むことができる。
【0055】
[0078]一実施形態では、図1に示されるように、エネルギー源120(たとえば、ばね)がガード106から分離される。一実施形態では、近位端エネルギー源120がハウジング102に結合される。エネルギー源120がガード106から分離されることにより、浮動トリガ部材300の回転の見かけの摩擦が著しく低減される。次いで、これが、図9Aおよび図9Bを参照して後で説明されるように、伸張位置から発射位置へガード106を移動するために必要な力の大きさを実質的に低減させる。詳細には、エネルギー源120によって引き起こされる部品の圧縮が実質的に取り除かれ、それにより、注射装置100の使用中のガード106の移動に対する見かけの摩擦および抵抗の大きさを著しく低減させる。
【0056】
[0079]図1に示されるように、一実施形態では、注射装置100はまた、ハウジング端部/端部キャップ104を含む。ハウジング端部/端部キャップ104の一実施形態が図5Aに示される。図5Aに示されるように、一実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104は、本体部1040およびラム保持部材1042を含む。一実施形態では、ラム保持部材1042は突出部であり、発射機構108のトリガ係合部材に係合するように構成される。たとえば、図4に示されるように、一実施形態では、ラム保持部材1042は、ベル形の突出部であり、発射機構108の相補的な形状の機能部(たとえば突出部)1230aに係合される。図4に示されるように、例示的な実施形態では、ラム保持部材1042は、溝1042aおよび膨張部1042bを含むことができ、発射機構108の
機能部1230aは、注射装置100の発射を防止するために、膨張部1042bを保持するように溝1042aに整合するように構成することができる。一実施形態では、ラム保持部材1042、およびラム保持部材1042に係合する発射機構108の機能部1230aは、円形断面を含むことで、注射装置100の発射中にラム保持部材1042に対する発射機構108の機能の回転を可能にする。さらに、図5Aに示されるように、本体部1040は、ハウジング端部/端部キャップ104をハウジング102に結合するために、外側ハウジング102の開口部に係合するように構成された突出部1040aを含むことができる。図5Bは、ハウジング端部/端部キャップ104の別の実施形態を示す。
【0057】
[0080]例示的な実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104は、図5Aに示されるように、任意選択で係合部材1044を含む。図6Aおよび図6Bでさらに説明されるように、浮動トリガ部材300が第1の位置から第2の位置に回転すると、係合部材1044は浮動トリガ部材300のリップ312に係合する。係合部材1044およびリップ312を有するいくつかの実施形態では、浮動トリガ部材300が少なくとも部分的に第1の位置から第2の位置に移動するとき、係合部1044によって引き起こされる浮動トリガ部材300上の抵抗を克服するために閾値離脱力が必要とされる。いくつかの実施形態では、この離脱機能部は、浮動トリガ部材300の意図しない回転を防止するための安全装置として機能する。
【0058】
[0081]図7Aおよび図7Bに示されるように、一実施形態では、スリーブ116は、環状構造1160、カップリング構造1162、および本体部1164を含む。カップリング構造1162は、スリーブ116の遠位部分に配置することができ、また、キャップ200に解放可能に係合するように構成することができる。たとえば、図1および図2に見られるように、カップリング構造1162は、スリーブ116とキャップ200との間のねじ係合を提供するように構成されたスレッドを含むことができる。さらに、スリーブ116は、薬剤チャンバ110を固定するように構成された本体部1164を含むことができる。本体部1164は、溝1164aのようなガイドを含むことができ、ガイドは、ガード106の機能に係合して、ガード106の軸方向変位の位置を合わせてそれをガイドするように構成される。図13に示されるように、スリーブ116の近位端は、薬剤チャンバ110の近位部分を支持および固定するように構成された薬剤チャンバ支持体1166を含むことができる。たとえば、支持体1166は、シリンジの近位端を保持するように構成されたシリンジ支持体(たとえば、予め充填されたシリンジのフランジ)として構成し、発射中に力が加えられた際に薬剤チャンバ110を支持することができる。さらに、支持体1166は、エラストマまたはラバーを含むことができ、また注射中に薬剤チャンバ110の面に加えられた力を分散し、輸送中の衝撃または使用中の不注意の破損から薬剤容器を保護するように構成することができる。加えて、図7Aおよび図13に示されるように、スリーブ116は、突出部1168のような様々な機能部を含むことができ、これは、スリーブ116を外側ハウジング102に結合させるように構成される。たとえば、突出部1168は、軸対称にされ、外側ハウジング102の開口部102bに係合して、スリーブ116を外側ハウジング102に固定するように構成することができる。例示的な実施形態では、突出部1168は、脚部1170に配置することができ、脚部1170は、軸対称にされ、外側ハウジング102の機能部に係合するように構成することができる。加えて、スリーブ116は、脚部1174に配置されたロッキング突出部1172のようなロック機能を含んでもよい。これは軸対称であってもよく、発射機構108のガード106の機能部に係合するように構成されてもよい。その結果として、注射装置100をロックアウトして、既に発射した注射装置100をユーザが使用しようとするのを阻止することができる。
【0059】
[0082]一実施形態では、環状構造1160は、スリーブ116を、薬剤チャンバ110(たとえばガラス薬剤チャンバ110)、発射機構108、およびガード106に係合す
るように構成された、いくつかの機能部を含む。たとえば、環状構造1160は、針112が受容される開口部を含むことができる。さらに、環状構造1160は、ガード106の脚部を受容するように構成されうる軸対称の開口部1178を含むことができる。加えて、環状構造1160は、薬剤チャンバ110の遠位部分を支持し、また発射機構108に係合して薬剤の排出中に発射機構108のさらなる軸方向変位を防止するように構成されてもよい。これらの部品の動作はさらに詳細に後述される。
【0060】
[0083]図1に示されるように、一実施形態では、注射装置100は、少なくとも部分的に外側ハウジング102内に摺動可能に装着されたガード106を含み、ガード106は、注射装置100の発射を作動させるためにトリガ部材300に係合するように構成される。図9Aおよび図9Bに示されるように、一実施形態では、ガード106は、伸張(たとえば、遠位、保護)位置および引込み(たとえば、近位)位置のそれぞれの間で、外側ハウジング102に対して摺動可能かつ移動可能である。一実施形態では、伸張位置においてガード106は針112を覆い、引込み位置において針112はガード106に覆われずに露出される。たとえば、図9Aは、ガード106を伸張位置で示し、図9Bは、ガード106を引込み位置で示す。図1に示されるように、一実施形態では、ガード106は、ばね114を介して伸張位置に向かって弾性的に付勢される。ばね114は、たとえば、スリーブ116の環状構造1160の遠位面とガード106の遠位端の内側面との間に配置されてもよい。
【0061】
[0084]例示的な実施形態では、ガード106は、遠位部分1060および脚部1062を含む。例示的な実施形態では、ガード106の遠位端は皮膚接触部材を含む。遠位部分1060は、針112が通過できる開口部、および突出部1060aを含む。例示的な実施形態では、ガード106がキャップ200の係合機能部204に係合されたときに近位方向に変位できないように、突出部1060aがキャップ200の係合機能部204に係合するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、ガード106は停止面1070を含む。例示的な実施形態では、停止面1070は、ガード106の近位方向変位を制限するように、スリーブ116の環状構造1160の内側面に当接するように構成することができる。たとえば、ガード106が注射中にユーザにより加えられる力のもとで近位方向に変位するとき、停止面1070はスリーブ116の環状構造1160の内側面に接触し、それによってガード106はさらに近位方向へ変位することができなくなる。
【0062】
[0085]一実施形態では、ガード106の脚部1062は、環状構造1160の開口部1178に受容されるように構成される。さらに、脚部1062は、ガード106が軸方向に変位するときに脚部1062の位置を合わせ、またガイドするのを容易にするために、スリーブ116の溝1164aに係合するように構成されたリッジ(尾根部)1062aを含むことができる。図8の例示的な実施形態に示されるように、脚部1062はまた、脚部1062の近位端におけるカム面1064のような発射開始部材を含む。例示的な実施形態では、脚部1062およびカム面1064は軸対称とすることができる。カム面1064は、注射装置100の発射を開始して薬剤チャンバ110に貯蔵された薬剤の注射を実行する際に、トリガ部材300に係合するように構成される。また、ガード106が伸張位置から引込み位置へ変位するときに脚部1062が発射機構108内に受容されやすいように、脚部1062の近位端は傾斜させられてもよい。図9Aおよび図9Bに示されるように、例示的な実施形態では、カム面1064は、浮動トリガ部材300のカム面308に係合するように構成される。一実施形態では、脚部1062は、傾斜面1068aをさらに含むばね1068の上に配置された突出部1066を含む。図13に示されるように、突出部1066は、伸張位置でガード106を付勢するばね114により加えられた力に対抗するように、スリーブ116の脚部1170の近位面に係合するように構成することができる。さらに、ガード106の脚部1062の傾斜面1068aは、スリーブ116の脚部1170の内側面に係合するように構成されてもよい。その結果、ガード
106が伸張位置から引込み位置に変位するとき、ガード106の脚部1062の傾斜面1068aがスリーブ116の脚部1170の内側面に係合し、注射装置100の内側に向かってガード106の脚部1062のばね1068を付勢する。
【0063】
[0086]図9Aは、発射前の「使用準備完了(ready-to-use)」状態におけるガードのカム面1064と、浮動トリガ部材300のカム面308との係合を示す。図9Bは、トリガされた、または「ちょうど発射された(just-fired)」状態におけるガードのカム面1064と浮動トリガ部材300のカム面308との係合を示す。ガード106が近位方向に移動すると、ガード106の軸方向運動が、カム面1064および308の係合を介して浮動トリガ部材300の回転運動に変換される。
【0064】
[0087]図10Aおよび図10Bに示されるような例示的な実施形態では、ラム1232を含むラム組立体122が、遠位部分1220および近位部分1222を含むことができる。これらは、エネルギー源120の座部として機能するように構成され得るリップ、棚のような機能部1224によって分離される。図13に示されるように、例示的な実施形態では、エネルギー源120としての圧縮ばねを、ハウジング102の近位端と機能部1224との間に配置することができる。図4に示されるように、例示的な実施形態では、ハウジング102は、エネルギー源120の座部として機能するように構成されたリップのような機能部102aを含む。機能部102aは、エネルギー源120がハウジング102内の機能部102aと接触したときに圧縮ばねの回転による摩擦を低減する要素として設計されるか、それらの要素を含むことができる。遠位部分1220を含むラム組立体122は、実質的に円筒形にされてもよく、スリーブ116およびガード106の少なくとも一部を同軸に受容するように構成されてもよい。また、遠位部分1220は、スリーブ116の脚部1170、およびガード106の突出部1066を受容するように構成された開口部1226を含むことができる。
【0065】
[0088]一実施形態では、近位部分1222は、脚部1228、ラム1232、およびトリガ係合部材1230を含む。トリガ係合部材1230は突出部として示されているが、代替的な実装形態も考えられる。トリガ係合部材1230は、発射前状態でラム保持部材に保持され、リガ係合部材の回転の際に解放され得る任意の機能部(たとえば、細長いタブ、薄いタブ、凹部、突起部、膨張部、スレッドなど)を含むことができる。
【0066】
[0089]図9Aおよび図9Bに示されるように、一実施形態では、ガード106のカム面1064、および浮動トリガ部材300のカム面308は、装置の発射のためにガード106を伸張位置から引込み位置に押圧するために必要な、選択された力および移動距離を達成するために、装置の長手方向軸に対して所定の角度に向けられる。いくつかの実施形態では、カム面は、軸に対して15°と75°との間の角度とされ、一実施形態では、約20°と45°との間の角度である。一実施形態では、カム面は軸に対して約30°の角度である。
【0067】
[0090]図10Aおよび図10Bに示されるように、脚部1228は、スリーブ116のロッキング突出部1172に係合するように構成された開口部1234を含む。これ以外の特定の送達体積を収容する開口部1234が、スリーブ116のロッキング突出部1172に係合するように遠位部分1220に構成されてもよいことが理解されるであろう。図10に示されるように、たとえば、スリーブ116のロッキング突出部1172は、注射装置100が発射された後にラム組立体122の開口部1234に係合され、注射装置100をロックアウトして、それ以降は針112を露出するガード106の引込みをユーザが開始できないようにする。ラム1232は、プランジャ118に関連付けられ、注射中に薬剤チャンバ110に含まれる薬剤を排出するためにエネルギー源120の力のもとでプランジャ118を遠位方向に変位させるように構成される。加えて、トリガ係合部材
1230は、近位部分1222の近位端に配置され、浮動トリガ部材300の開口部302、およびハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042に係合するように構成することができる。トリガ係合部材1230と、開口部302およびラム保持部材1042との係合は、開口部302のトリガ係合部材1230の整合と同様に、注射装置100の発射を制御し、実行可能にすることができる。たとえば、トリガ係合部材1230は、ラム保持部材1042の溝1042aに係合するように構成された膨張部1230a、およびラム保持部材1042の膨張部1042bに係合するように構成された形状1230bを含むことができる。上述したように、トリガ係合部材1230およびラム保持部材1042は、好ましくは、注射装置100の発射中に浮動トリガ部材300の回転を可能にするために、円形断面を含む。図11は、トリガ係合部材1230(たとえば突出部)とラム保持部材1042の一実施形態との係合の実施形態の近接図である。
【0068】
[0091]いくつかの実施形態では、図17A、17B、17C、および17Dに示されるように、ラム組立体122のトリガ係合部材1230の膨張部1230aとハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042との係合が、ラッチ保持角度172を形成する。一実施形態では、ラッチ保持角度172は、軸170、およびラム保持部材1042の溝1042aの遠位部分とラム組立体122の膨張部1230aとの接触面によって規定される。いくつかの実施形態では、突出部1230およびラム保持部材1042は、係合されたとき、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、約15°、約16°、約17°、約18°、約19°、約20°、約21°、約22°、約23°、約24°、約25°、約26°、約27°、約28°、約29°、約30°、約31°、約32°、約33°、約34°、約35°、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、約42°、約43°、約44°、約45°、約46°、約47°、約48°、約49°、約50°、約51°、約52°、約53°、約54°、約55°、約56°、約57°、約58°、約59°、約60°、約61°、約62°、約63°、約64°、約65°、約66°、約67°、約68°、約69°、約70°、約71°、約72°、約73°、約74°、約75°、約76°、約77°、約78°、約79°、約80°、約81°、約82°、約83°、約84°、約85°、約86°、約87°、約88°、約89°、または上記の角度から決定可能な任意の範囲(たとえば、約39°から約41°もしくは約79°から約81°)のラッチ保持角度172を形成するような寸法および形状とされる。
【0069】
[0092]いくつかの実施形態では、発射前状態において、トリガ係合部材1230が、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302またはトリガ部材1400の開口部1408(後でより詳細に説明される))の壁に係合され、ラム組立体122の膨張部1230aとハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042とが係合され、エネルギー源120がラム組立体122に作用する。一実施形態では、膨張部1230aとラム保持部材1042との係合が、エネルギー源120によってラム組立体122に加えられる遠位方向の力に対抗してラム組立体122を所定の位置に保持する。一実施形態では、発射前状態において、エネルギー源120が軸方向の力をラム組立体122に加え、その力がラム組立体122の突出部1230の膨張部1230aをラム保持部材1042の膨張部1042bに係合させる。一実施形態では、ラム組立体122のトリガ係合部材1230とラム保持部材1042との係合が、エネルギー源120からラム保持部材1042まで力を伝達する。一実施形態では、膨張部1230aは、膨張部1230aがラム保持部材1042に対して力を加えることがトリガ係合部材1230を広げ、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に対して半径方向の力を加えるように構成される。一実施形態では、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に対してトリガ係合部材1230が半径方向の力を与えることによって、トリガ部材(たとえば、浮動トリガ部材300
またはトリガ部材1400)の任意の移動が摩擦力を受けるようになる。一実施形態では、トリガ部材とトリガ係合部材1230との間の摩擦力の大きさに影響する因子は、トリガ係合部材1230によってトリガ部材の開口部の壁に加えられる半径方向の力、およびトリガ係合部材1230とトリガ部材の開口部の壁との接触面間の相互作用の大きさを含む。一実施形態では、一般に、他のすべての変数を一定に保つ場合、トリガ係合部材1230によってトリガ部材の開口部の壁に加えられる半径方向の力の大きさが大きいほど、トリガ部材の移動によって発生する摩擦力が大きくなる。一実施形態では、一般に、他のすべての変数を一定に保つ場合、トリガ係合部材1230によるトリガ部材の開口部の壁に加えられる半径方向の力の大きさが小さいほど、トリガ部材の移動によって発生する摩擦力が小さくなる。一実施形態では、注射装置100を作動させるために、ユーザは、ガード106の遠位端に力を加えなければならず、その力がガード106をトリガ部材(たとえば、浮動トリガ部材300またはトリガ部材1400)に係合させ、注射装置100を作動させる。一実施形態では、ガード106の遠位端に加えられる力は、トリガ部材とトリガ係合部材1230との間の接触によって発生する摩擦力を克服するのに十分でなければならない。
【0070】
[0093]主ばね力が、その圧縮された発射前状態において、圧縮された主ばねの力が径方向よりも軸方向の方が大きいように抑止部品に対して作用する設計の実施形態では、その結果、潜在的により低いトリガ力が生じることになる。これは、前述のように主ばね力の圧縮された力が高ばね力である場合に、特に重要である。一実施形態では、発射前状態において、トリガ係合部材1230の膨張部1230aは、ラム保持部材1042に係合されたとき、ラム保持部材1042に対して軸方向の力と半径方向の力の両方を分散して加える。しかしながら、一実施形態では、膨張部1230aは、トリガ係合部材1230によってラム保持部材1042に向けられる半径方向の力に向かう力を付勢して、トリガ係合部材1230を外方に広げ、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に係合させるように構成される。一実施形態では、ラッチ保持角度172は、ラム保持部材1042に加えられる軸方向の力および半径方向の力の大きさを決定する。一実施形態では、ラッチ保持角度172が増大すると、トリガ係合部材1230によってラム保持部材1042に加えられる半径方向の力が小さくなり、したがってトリガ係合部材1230が広がることで生じる摩擦力が減少する。一実施形態では、トリガ係合部材1230を広げるように作用する力が減少すると、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に加えられる力が小さくなり、したがって、より大きなラッチ保持角度172を有する実施形態よりも、注射装置100を作動させるために必要とされる力が小さくなる。エネルギー源120が約19lbの荷重容量の高力ばねであり、ラッチ保持角度172が40°である一実施形態において、ユーザは、注射装置100を作動させるために、約2.5lb、約2.6lb、約2.7lb、約2.8lb、約2.9lb、約3.0lb、約3.1lb、約3.2lb、約3.3lb、約3.4lb、約3.5lb、約3.6lb、約3.7lb、約3.8lb、約3.9lb、約4.0lb、約4.1lb、約4.2lb、約4.3lb、約4.4lb、約4.5lb、約4.6lb、約4.7lb、約4.8lb、約4.9lb、約5.0lb、約5.1lb、約5.2lb、約5.3lb、約5.4lb、約5.5lb、約5.6lb、約5.7lb、約5.8lb、約5.9lb、約6.0lb、約6.1lb、約6.2lb、約6.3lb、約6.4lb、約6.5lb、約6.6lb、約6.7lb、約6.8lb、約6.9lb、約7.0lb、約7.1lb、約7.2lb、約7.3lb、約7.4lb、約7.5lb、約7.6lb、約7.7lb、約7.8lb、約7.9lb、約8.0lb、約8.1lb、約8.2lb、約8.3lb、約8.4lb、約8.5lb、約8.6lb、約8.7lb、約8.8lb、約8.9lb、約9.0lb、約9.1lb、約9.2lb、約9.3lb、約9.4lb、約9.5lb、約9.6lb、約9.7lb、約9.8lb、約9.9lb、約10.0lb、または上記のポンド
質量から決定可能な任意の範囲(たとえば、約2.5lbから約3.5lbもしくは約3.4lbから約8.7lb)の摩擦力を克服する必要がある。エネルギー源120が約18lbの荷重容量を有する高力ばねであり、ラッチ保持角度172が80°である、別の実施形態では、ユーザは、注射装置100を作動させるために、約0.25lb、約0.30lb、約0.35lb、約0.40lb、約0.45lb、約0.50lb、約0.55lb、約0.60lb、約0.65lb、約0.70lb、約0.75lb、約0.80lb、約0.85lb、約0.90lb、約0.95lb、約1.00lb、約1.05lb、約1.10lb、約1.15lb、約1.20lb、約1.25lb、約1.30lb、約1.35lb、約1.40lb、約1.45lb、約1.50lb、約1.55lb、約1.60lb、約1.65lb、約1.70lb、約1.75lb、約1.80lb、約1.85lb、約1.90lb、約1.95lb、約2.00lb、約2.05lb、約2.10lb、約2.15lb、約2.20lb、約2.25lb、約2.30lb、約2.35lb、約2.40lb、約2.45lb、約2.50lb、約2.55lb、約2.60lb、約2.65lb、約2.70lb、約2.75lb、約2.80lb、約2.85lb、約2.90lb、約2.95lb、約3.00lb、約3.05lb、約3.10lb、約3.15lb、約3.20lb、約3.25lb、約3.30lb、約3.35lb、約3.40lb、約3.45lb、約3.50lb、約3.55lb、約3.60lb、約3.65lb、約3.70lb、約3.75lb、約3.80lb、約3.85lb、約3.90lb、約3.95lb、約4.00lb、約4.05lb、約4.10lb、約4.15lb、約4.20lb、約4.25lb、約4.30lb、約4.35lb、約4.40lb、約4.45lb、約4.50lb、約4.55lb、約4.60lb、約4.65lb、約4.70lb、約4.75lb、約4.80lb、約4.85lb、約4.90lb、約4.95lb、約5.00lb、または上記のポンド質量から決定可能な任意の範囲(たとえば、約0.25lbから約1.15lb、もしくは約2.10lb、から約3.80lb)の摩擦力に打ち勝てればよい。
【0071】
[0094]表3は、エネルギー源120が約18lbの荷重容量を有する高力ばねであり、ラッチ保持角度172が80°(設計A)および40°(設計B)である場合の、注射装置100を作動させるために摩擦力を克服するのに必要とされる例示的な力の値を示す。
【0072】
【表3】
【0073】
[0095]いくつかの実施形態では、ユーザは、注射装置100を作動させるために、摩擦力と、ばね114を介して伸張位置に向かってガード106を弾性的に付勢する力との両方を克服する必要がある。
【0074】
[0096]いくつかの実施形態では、エネルギー源120は、トリガ係合部材1230がト
リガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁にもはや係合されないときに、膨張部1230aとトリガ係合部材1230との係合を解除するために十分な力を発生させるように構成される。一実施形態では、トリガ係合部材1230がトリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁にもはや係合されないときに、膨張部1230aとトリガ係合部材1230との係合を解除するために必要とされる最小の軸方向の力は、約0.5lb、約1.0lb、約1.5lb、約2.0lb、約2.5lb、約3.0lb、約3.5lb、約4.0lb、約4.5lb、約5.0lb、約5.5lb、約6.0lb、約6.5lb、約7.0lb、約7.5lb、約8.0lb、約8.5lb、約9.0lb、約9.5lb、約10.0lb、約10.5lb、約11.0lb、約11.5lb、約12.0lb、約12.5lb、約13.0lb、約13.5lb、約14.0lb、約14.5lb、約15.0lb、約15.5lb、約16.0lb、約16.5lb、約17.0lb、約17.5lb、約18.0lb、または上記の負荷から決定可能な任意の範囲(たとえば、約2.5lbから約3.5lbもしくは約8.5lbから約9.5lb)である。他の実施形態では、部材1230がトリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁にもはや係合されないときに、膨張部1230aとトリガ係合部材1230との係合を解除するために必要とされる最小の軸方向の力は、ラム組立体122に作用するエネルギー源120によって発生する力の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または上記のパーセンテージから決定可能な任意の範囲(たとえば、約15%から約20%もしくは約45%から約55%)である。
【0075】
[0097]一実施形態では、注射装置100は、ラム組立体122がハウジング端部/端部キャップ104に対して回転するのを防止する回転防止機構を含む。一実施形態では、回転防止機構は、ハウジング端部/端部キャップ104とラム組立体122の位置合わせを制御する。いくつかの実施形態では、ハウジング端部/端部キャップとラム組立体の位置合わせが不適切であることにより、ラム組立体122のハウジング端部/端部キャップ104からの解放が妨げられるか、または薬剤送達が完了しない。一実施形態では、図18に示されるように、ハウジング端部/端部キャップ104が1つまたは複数の回転防止リブ1046を含む。他の実施形態では、ラム組立体122が1つまたは複数の回転防止リブ1236を有する。一実施形態では、トリガされる前に、ハウジング端部/端部キャップ104の回転防止リブ1046の位置がトリガ部材1400の溝1412内でラム組立体122の回転防止リブ1236に合わせられることで、ラム組立体122がハウジング端部/端部キャップ104に対して回転することが防止される。
【0076】
[0098]例示的な実施形態では、注射装置100は、発射前に「安全装置オン(safeties-on)」設定にあることが可能である。たとえば、発射前の「安全装置オン」設定におい
て、注射装置100は発射前状態であり、キャップ200は注射装置100に取り付けられている。この構成において、ガード106は、ばね114の力のもとで針112を覆う伸張位置にあり、ラム組立体122は近位位置にあり、エネルギー源120はそのエネルギーを解放していない。さらに、この状態では、ラム組立体122のトリガ係合部材1230は、浮動トリガ部材300の開口部302に係合され、位置を開口部302の第1の位置302a(たとえば発射前状態)に合わせられる。さらに、トリガ係合部材1230は、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042に係合される。この位置において、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042を伴うトリガ係合部材1230は、エネルギー源120の力に対抗する。さらに、トリガ係合部材1230の位置が開口部302の第1の位置302aに合わせられることにより、開口部302の保持部306は、トリガ係合部材1230が広がって開いてエネルギー源120の力
のもとでラム保持部材1042を解放するのを防止する。
【0077】
[0099]例示的な実施形態では、注射装置100は、発射前に「使用準備完了」状態にあることが可能である。たとえば、発射前の「使用準備完了」構成では、キャップ200が既に取り除かれているが、その一方でユーザは注射を開始していない。したがって、この状態では、薬剤はまだ薬剤チャンバ110内にあり、ガード106は針112を覆う伸張状態のままである。エネルギー源120は蓄積したエネルギーを解放しておらず、ラム組立体122のトリガ係合部材1230はラム保持部材1042に係合され、位置を浮動トリガ部材の開口部302の第1の位置(302a)に合わせられたままである。
【0078】
[00100]例示的な実施形態では、注射装置100は、トリガされた、または「ちょうど
発射された」状態にあることが可能である。たとえば、トリガされた、または「ちょうど発射された」状態では、ガード106は、(たとえば、ガード106の遠位端に力を加えることにより)伸張位置から引込み位置に、近位方向に摺動可能に変位されており、それによって針112が露出する。エネルギー源120は、その蓄積されたエネルギーをちょうど解放し始めており(たとえば、例示的な圧縮ばねは圧縮されたままであり)、ラム組立体122は最も近位の位置のままである。注射装置100は、たとえば、ユーザによる使用の最初の段階でこの状態になりうる。たとえば、これは、注射を実行するために、ユーザが注射部位に対して注射装置100のガード106を押したときに観察することができる。したがって、注射部位に対して注射装置100のガード106を押す際にユーザにより加えられる力は、ばね114の力に抗してガード106を近位方向へ変位させることがによってガード106を引込み位置に変位させ、針112を露出させて、注射部位でユーザの皮膚を貫通することができる。
【0079】
[00101]一実施形態では、このトリガされた状態において、ガード106は引込み位置
に変位されており、ガード106のカム面1064が浮動トリガ部材300のカム面308に係合することによって浮動トリガ部材300をカム動作させる。このカム動作は、浮動トリガ部材300を回転させて、トリガ係合部材1230を開口部302の第1の位置から離脱させ、開口部302の第2の位置に合わせる。この位置では、トリガ係合部材1230は、開口部302の保持部306によって広がって開くことをもはや阻止されない。したがって、トリガ係合部材1230は、エネルギー源120の力のもとで広がって開き、膨張部1230aをハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042から解放させる。膨張部1230aのラム保持部材1042からの解放は、ラム組立体122がエネルギー源120により発生した力のもとでハウジング102に対して遠位方向に摺動可能に変位することを可能にする。一実施形態では、ラム組立体120の遠位方向変位は、スリーブ116の環状構造1160の近位面に当接するラム組立体120により阻止される。
【0080】
[00102]例示的な実施形態では、注射装置100は、「ちょうど注射された(just-injected)」状態にあることが可能である。この状態は、上述の膨張部1230aのラム保持部材1042からの解放、およびラム組立体122の遠位方向変位の後に続く。この状態において、エネルギー源120(たとえば圧縮ばね)はそのエネルギーを解放しており、それによりラム組立体122を遠位方向に変位させている。さらに、ガード106は引込み位置に押し込まれたままである。この状態は、注射装置100の使用中に観察することができ、トリガされた、または「ちょうど使用された(just-used)」状態の直後である
。上述したように、浮動トリガ部材300のカム動作は、突出部1230を開口部302により規定される第2の位置に合わせ、トリガ係合部材1230が広がって開いて、エネルギー源120により解放される力のもとでラム保持部材1042を解放することを可能にする。したがって、エネルギー源120は、蓄積されたエネルギーの全部でないとしても少なくとも一部を解放しており(たとえば、圧縮ばねの圧縮が低減する)、ラム組立体
122はラム1232と同様に遠位位置まで遠位方向に変位されている。ラム1232の遠位方向変位は、プランジャ118を遠位方向に付勢し、薬剤チャンバ110内の薬剤を針112を通してユーザに投与することで、薬剤をユーザに注射する。いくつかの実施形態ではこの状態において注射が完了するが、ガード106が針112を露出する引込み位置のままであるので、注射装置100は依然として注射部位に対して押される可能性がある。さらに、いくつかの実施形態では、ラム組立体122のこの遠位方向変位により、ラム組立体122がハウジング102の窓に表示される位置に配置される。例示的な実施形態では、ラム組立体122の遠位方向変位の後、ラム組立体122は、窓を完全に塞ぐように薬剤容器110とハウジング102との間に配置される。ラム組立体122だけが窓を通して視認可能になり、薬剤容器110はもはや視認されなくなる(たとえば、ラム組立体は薬剤容器110と窓との間に配置される)。さらに、ラム組立体122は、注射装置100が使用されたことをユーザに示す明確なインジケータとなる(上述のような)色を有することができ、この色は、発射の前に注射器の外側から視認可能な他の色と異なる。
【0081】
[00103]例示的な実施形態では、注射装置は、「ロックアウト(locked-out)」状態に
あることが可能である。たとえば、「ロックアウト」状態は、ユーザが注射装置100を注射部位から除去した後に観察することができる。この状態において、ばね114の力に対して引込み位置にガード106を拘束するものがない。したがって、ガード106は、ばね114の力のもとで引込み位置から伸張位置に遠位方向に変位され、それによって針112を覆う。ガード106がばね114の力のもとで引込み位置から伸張位置へ遠位方向に移動すると、外側方向に付勢されたばね1068上に配置された突出部1066はスリーブ116の脚部1170の近位面と開口部1226の近位壁との間に形成された開口部に係合する。したがって、突出部1066と開口部1226の近位壁との関連付けは、ガード106が近位方向に変位するのを防止し、突出部1066と脚部1170の近位面との関連付けは、ガード106が遠位方向に変位するのを防止する。したがって、ガード106はロック位置にあり、それにより注射装置100をロックアウトして、針112が覆われ、ユーザが以降の注射を試みることができないように所定の位置にガード106がロックされるようにする。その後、ユーザは、注射装置100の遠位端上にキャップ200を戻して取り付けることができる。
【0082】
[00104]有利には、一実施形態では、この「ロックアウト」状態は、ガード106の変
位には依存せず、むしろ、薬剤チャンバ110に貯蔵された薬剤の排出、および/またはラム組立体122の移動に依存する。たとえば、注射装置100は、ガード106が変位していなくても、薬剤が不注意に排出される状況でロックアウト状態になる。注射装置100は、エネルギー源120が作動され、ラム組立体122が遠位方向に変位し、ラム1232がプランジャ118を変位させ、それにより薬剤チャンバ110内の薬剤を排出させる場合に、ロックアウト状態になってもよい。
【0083】
[00105]例示的な実施形態では、注射装置100の部品の多くが、弾性のあるプラスチ
ックもしくはポリマー、または金属で形成される。一実施形態では、ラム組立体122の突出部1230は、ラム組立体122を単一のモールドを使用して成形できるように配向される。たとえば、図10に示されるように、突出部1230(いくつかの実施形態では互いに軸対称である)は、脚部1228(いくつかの実施形態では互いに軸対称である)のようなラム組立体122の他の機能の配置に対して所定の角度で配置されてもよい。たとえば、図12に示されるように、単一のモールドがAで示されるラム組立体120の部分(すべての機能、部品、開口部など、1228Aを含む)を成形してもよく、単一のモールドがBで示されるラム組立体の部分(すべての機能、部品、開口部など、1228Bを含む)を成形してもよい。それゆえ、いくつかの実施形態では、突出部1230の各面が2つのモールドを分割する方向に沿ってアクセス可能であり、2つのモールドはそれら
の分割および取外しを邪魔する分離方向に対して直交して面する突出部1230の凹部をもたずに、直線的に分割することができる。
【0084】
[00106]さらに、キャップ200は、穴/開口部なしに成形できるように、らせん状に
構成することができる。たとえば、キャップ200は、キャップ200がモールドからねじ式に取り外されることを可能にするスレッド206を含むことができる。さらに、外側ハウジング102は、(たとえば、図1に示されるように)ユーザが注射装置100の内側の動作を視認できるように、また不具合がないかどうか確認できるように、半透明の材料を含むことができる。加えて、注射装置100は、注射装置100をより人間工学的に使用しやすくするため、およびユーザにとって快適にするために、リッジ、パッド、またはコンターなどの様々な把持要素を含むことができる。さらに、注射装置100は、注射を行うのに必要な工程を指示するためのステッカー、ブランドマーク、薬剤情報、数値、または矢印などのマーキング、およびブランドやロゴデザインのような広告マークの領域を含むことができる。
【0085】
[00107]本発明の例示的な実施形態が本明細書に開示されたが、多数の修正形態および
他の実施形態が当業者によって考案され得ることが理解されよう。たとえば、様々な実施形態の特徴が他の実施形態で使用され得る。他の実施形態は、トリガ係合部材1230およびトリガ部材に対する作用によりラム組立体122を解放させるために異なる機構を含むことができる。たとえば、一実施形態では、注射装置100は、図14Aおよび図14Bに示されるように、トリガ部材1400を含む。一実施形態では、トリガ部材1400は、本体1402、および本体1402から延びる脚部1404を有する。一実施形態では、本体1402はリップ1410を含む。一実施形態では、リップ1410は、(より詳細に後述され図15Dで見られるように)ガード1500の面1504に係合するように構成される。いくつかの実施形態では、脚部1402は、脚部1404の遠位端から延びる突出部1406を有する。一実施形態では、突出部1406は、ガード1500に摺動可能に係合するような形状および寸法にされる。さらに、一実施形態では、トリガ部材1400は、本体1402を貫通して配置される開口部1408を含む。一実施形態では、開口部1408は、発射機構108のトリガ係合部材1230に係合するように構成される。一実施形態では、トリガ係合部材1230の膨張部1230aの係合により、注射装置が発射するのが防止される。一実施形態では、トリガ部材1400は、近位方向の軸方向運動により、開口部1408と突出部1230との係合を解除する。図14Cは、トリガ部材1400の別の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、トリガ部材1400は、回転防止機構の一部として溝1412を含む。
【0086】
[00108]図15Aから図15Hに示されるように、一実施形態では、注射装置100は
ガード1500を含む。一実施形態では、ガード1500は脚部1502を含む。別の実施形態では、脚部1502は、脚部1502の近位端における面1504のような発射開始部材を有する。一実施形態では、面1504は、トリガ部材1400のリップ1410に係合するように構成される。一実施形態では、脚部1502は、環状構造1160の開口部1178に受容されるように構成される。一実施形態では、脚部1502はリッジ1506を含み、リッジ1506は、ガード1500が軸方向に変位されるときに、脚部1502の位置を合わせてガイドするのを容易にするために、スリーブ116の溝1164aに係合するように構成される。例示的な実施形態では、脚部1502および面1504は軸対称である。一実施形態では、面1504は、注射装置100の発射を開始して薬剤チャンバ110に貯蔵された薬剤の注射を実行する際に、発射機構108に係合するように構成される。一実施形態では、面1504は、ガード1500が伸張位置から引込み位置へ変位するときにトリガ部材1400のリップ1410に係合するような形状にされる。一実施形態では、脚部1502は開口1508を含む。一実施形態では、開口1508は、トリガ部材1400の突出部1406に係合するような寸法および形状にされる。一実施形態では、開口1508は、突出部1406が開口1508に摺動可能に係合することができる寸法および形状にされる。一実施形態では、図16Aおよび図16Bに示されるように、開口1508と突出部1406とが摺動可能かつ係合可能な構成であるとき、ガード1500は、トリガ部材1400の移動なしに所定の距離だけ軸方向に移動することができる。別の実施形態では、図16A図16B、および図16Cに示されるように、開口1508と突出部1406とが摺動可能かつ係合可能な構成であるとき、ガード1500がトリガ部材1400を移動させることなく所定の距離を軸方向に移動した後、所定の距離を越えたガード1500の軸方向移動はトリガ部材1400の軸方向移動を引き起こす。
【0087】
[00109]一実施形態では、開口1508は、開口1508内への突出部1406のスナップフィットを可能にする寸法および形状にされる。一実施形態では、開口1508および突出部1406がスナップフィット構成であるとき、ガード1500の軸方向移動が、トリガ部材1400の直接的な軸方向移動を引き起こし、トリガ部材1400も移動させなければガード1500が軸方向移動できなくなる。一実施形態では、近位方向でのトリガ部材1400の直接的な軸方向移動が、トリガ部材1400の開口部1408と発射機構のトリガ係合部材1230との係合を解除し、それが膨張部1230aとラム保持部材1042との係合を解除する。一実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042とトリガ係合部材1230との係合の解除が、注射装置100に発射を実行させる。
【0088】
[00110]図示されないが、トリガ部材1400に配置された開口とタブとが摺動可能に
、または直接的に連通できるように、タブまたは突起部がガード1500の脚部1502に配置され得ることも考えられる。
【0089】
[00111]他の実施形態は、ハウジングの外側でアクセス可能なスライドその他の要素を
介するなどしてユーザが浮動トリガ部材300を直接的に回転させることによるもの、または指で押すボタンなど浮動トリガ部材を回転させる他の変換機構によるもののような、トリガ係合部材1230をトリガ部材から解放するための異なる機構を含むことができる。このように、添付の請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲に含まれるすべてのそのような修正形態および実施形態を包含することを意図することが理解されよう。
【0090】
[00112]本明細書のすべての引用文献のそれぞれは、その全体が参照により組み込まれ
る。米国特許第8,496,619号、第8,021,335号、第7,776,015号、および第6,391,003号、米国特許出願公開第2013/0303985号、第2013/0331788号、第2013/0317431号、米国特許出願第13/184,229号、ならびに米国仮特許出願第61/621,298号および第61/643,845号の開示全体は、本明細書に完全に説明されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される「約」という語は、一般に、対応する数および数の範囲の両方を指すものと理解されたい。さらに、本明細書におけるすべての数値範囲は、範囲内の各整数全部を含むものと理解されたい。
【0091】
[00113]明確化のために当業者が認識するであろう他の要素を排除することも本発明の
一部分を構成し得るが、本発明の図および説明の少なくとも一部が本発明の明確な理解に関連する要素に焦点を合わせるために簡略化されていることが理解されよう。しかしながら、そのような要素は当技術分野で周知であるので、またそれらは必ずしも本発明のより良い理解を促進しないので、そのような要素の説明は本明細書では提供されていない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図18