(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記係止用要素がロック部分とカムインタフェース部分とを含み、このカムインタフェース部分が前記カムシャフトと選択的に係合可能である、請求項1に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記シャフト部分により担持される付勢用要素を含み、前記付勢用要素が前記係止用要素を、前記本体部分と機械的に係合する位置まで付勢する、請求項1に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記カムシャフトが、前記シャフト部分の軸に対して実質的に平行な軸を中心として回転可能であり、前記カムシャフトが、前記係止用要素を半径方向に変位させるために前記付勢用要素により加えられる力に対抗して前記係止用要素と相互作用する、請求項3に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記シャフト部分は内部に形成された溝を含み、前記本体部分は回転停止用要素を担持し、この回転停止用要素は、前記本体部分との関係における前記シャフト部分の回転範囲を制限するために前記溝の一部分と機械的に干渉している、請求項1に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記本体部分は、半径方向に延在する開口部を内部に伴う内部表面を含み、前記係止用要素は、この係止用要素が前記半径方向に延在する開口部と整列したときに、内部の前記半径方向に延在する開口部の中に自動的に進入するように構成されている、請求項5に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記カムシャフトは内部に形成された溝を含み、前記シャフト部分は回転停止用要素を担持し、この回転停止用要素は、前記シャフト部分との関係における前記カムシャフトの回転範囲を制限するために前記溝の一部分と機械的に干渉している、請求項1に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記カムシャフトは、前記カムシャフトが回転限界に達した後に初めて、加えられたトルク負荷を前記シャフト部分に伝達する、請求項7に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記カムシャフトの前記溝は端部部分を有する部分的に円周方向の溝であり、前記回転停止用要素は前記シャフト部分との関係において所定の場所に固定され、前記回転範囲を超えた場合に前記シャフト部分との関係における前記カムシャフトの回転を防止するために前記端部部分と選択的に係合可能である、請求項7に記載の係止用ピンアセンブリ。
少なくとも1つの側方開口部を有する地面係合要素を前記少なくとも1つの側方開口部と整列可能な通路を有する支持構造にしっかり固定するための係止用ピンアセンブリにおいて、
前記支持構造の通路内に導入されるようにサイズ決定及び整形され、内部に形成された第1の開口部を有する本体部分と、
係止位置と非係止位置との間で回転可能である、前記本体部分内の前記第1の開口部の中に配置されたシャフト部分であって、第1の制限された可動域内で前記本体部分の内部で回転可能であり、前記本体部分との関係において第1の回転限界を有するシャフト部分と、
前記シャフト部分及び前記本体部分のうちの一方により担持されかつ、第1の方向の回転及び反対の第2の方向の回転の両方を防止するように前記シャフト部分及び前記本体部分のうちの他方の中に突出する、半径方向に延在する係止用要素とを含む係止用ピンアセンブリ。
前記シャフト部分は、内部に形成された第2の開口部を有し、前記係止用ピンアセンブリは、前記シャフト部分の前記第2の開口部内に回転可能な形で配置されたカムシャフトであって、第2の制限された可動域の内部で回転可能であり前記シャフト部分との関係における第2の回転限界を有し、このカムシャフトが前記第2の回転限界に達した場合に前記シャフト部分を回転させるように設定されているカムシャフトを有する、請求項10に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記係止用要素がロック部分とカムインタフェース部分とを含み、このカムインタフェース部分が前記カムシャフトと選択的に係合可能である、請求項11に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記シャフト部分により担持される付勢用要素を含み、前記付勢用要素が前記係止用要素を、前記本体部分と機械的に係合する位置まで付勢する、請求項11に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記カムシャフトが、前記シャフト部分の軸に対して実質的に平行な軸を中心として回転可能であり、前記カムシャフトが、前記係止用要素を半径方向に変位させるために前記付勢用要素により加えられる力に対抗して前記係止用要素と相互作用する、請求項13に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記シャフト部分は内部に形成された溝を含み、前記本体部分は回転停止用要素を担持し、この回転停止用要素は、前記本体部分との関係における前記シャフト部分の回転範囲を制限するために前記溝の一部分と機械的に干渉している、請求項11に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記カムシャフトは、内部に形成された溝を含み、前記シャフト部分は回転停止用要素を担持し、この回転停止用要素は前記シャフト部分との関係における前記カムシャフトの回転範囲を制限するために前記溝の一部分と機械的に干渉している、請求項11に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記シャフト部分を第1の可動域を通して回転させるステップの前において、カムシャフトがシャフト部分上のストッパ要素と係合するまで、第2の可動域を通って第1の方向に前記シャフト部分との関係においてカムシャフトを回転させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
前記係止用要素が前記第2の方向での前記本体部分との関係における回転をもはや防止しなくなるように前記カムシャフトが前記係止用要素を変位させるまで、前記第2の方向に前記シャフト部分との関係において前記カムシャフトを回転させるステップと、
前記シャフト部分が前記アダプタからの前記摩耗部材の取外しを可能にするように位置づけされるまで前記カムシャフトの回転を継続することによって前記第2の方向に前記本体部分との関係において前記シャフト部分を回転させるステップとを含む、請求項18に記載の方法。
前記係止用要素がロック部分とカムインタフェース部分とを含み、係止用ピンアセンブリがカムを含み、前記カムインタフェース部分が前記係止用要素を後退させるために前記カムと選択的に係合可能である、請求項21に記載の係止用ピンアセンブリ。
前記第1のシャフト部分と前記第2のシャフト部分のうちの一方により担持される付勢用要素を含み、前記付勢用要素が前記係止用要素を、前記第1のシャフト部分及び前記第2のシャフト部分のうちの一方の前記地面係合要素との関係における回転を機械的に防止する位置まで付勢する、請求項21に記載の係止用ピンアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の原理を具現化する掘削歯アセンブリの分解斜視図である。
【
図2】本開示の原理を具現化する例示的係止用ピンアセンブリの分解斜視図である。
【
図3】
図2の係止用ピンアセンブリの例示的シャフト部分の斜視図である。
【
図4A】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリの斜視図である。
【
図4B】係止位置にある係止用ピンアセンブリの斜視図である。
【
図5A】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリの部分的に透視の平面図である。
【
図5B】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリの係止用要素を通る、
図5Aのライン5B−5Bに沿って切り取った断面図である。
【
図5C】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリのシャフト回転ストッパ要素を通る、
図5Aのライン5C−5Cに沿って切り取った断面図である。
【
図5D】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリのカム回転ストッパ要素を通る、
図5Aのライン5D−5Dに沿って切り取った断面図である。
【
図5E】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリの部分断面平面図である。
【
図6A】係止位置にある係止用ピンアセンブリの部分的な透視平面図である。
【
図6B】係止位置にある係止用ピンアセンブリの係止用要素を通る、
図6Aのライン6B−6Bに沿って切り取った断面図である。
【
図6C】係止位置にある係止用ピンアセンブリのシャフト回転ストッパ要素を通る、
図6Aのライン6C−6Cに沿って切り取った断面図である。
【
図6D】係止位置にある係止用ピンアセンブリのカム回転ストッパ要素を通る、
図6Aのライン6D−6Dに沿って切り取った断面図である。
【
図6E】係止位置にある係止用ピンアセンブリの部分断面平面図である。
【
図7A】係止用ピンアセンブリが摩耗部材を収容するために係止解除位置でアダプタ内に配置されている状態の、掘削歯アセンブリの斜視図である。
【
図7B】係止用ピンアセンブリが係止解除位置にある状態でアダプタ上に組立てられた摩耗部材を示し、係止用ピンアセンブリを係止解除位置から係止位置に変更するために必要とされる運動を示す。
【
図7C】係止用ピンアセンブリが係止位置にある状態でアダプタ上に組立てられた摩耗部材を示す。
【
図7D】係止用ピンアセンブリが係止位置にある状態でアダプタ上に組立てられた摩耗部材及び、係止用ピンアセンブリを係止位置から係止解除位置に変更するために必要とされる運動を示す。
【
図7E】係止用ピンアセンブリが係止解除位置にある状態でアダプタ上に組立てられた摩耗部材を示す。
【
図8A】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリの斜視図である。
【
図8B】係止位置にある係止用ピンアセンブリの斜視図である。
【
図9A】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリの係止用要素を通る、
図5Bに示された図に類似する断面図である。
【
図9B】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリのシャフト回転ストッパ要素を通る、
図5Cに示された図に類似する断面図。
【
図9C】係止解除位置にある係止用ピンアセンブリのカム回転ストッパ要素を通る、
図5Dに示された図に類似する断面図。
【
図10A】係止位置にある係止用ピンアセンブリの係止用要素を通る、
図6Bに示された図に類似する断面図。
【
図10B】係止位置にある係止用ピンアセンブリのシャフト回転ストッパ要素を通る、
図6Cに示された図に類似する断面図。
【
図10C】係止位置にある係止用ピンアセンブリのカム回転ストッパ要素を通る、
図6Dに示された図に類似する断面図。
【
図11A】係止用ピンアセンブリが摩耗部材を収容するために係止解除位置でアダプタ内に配置されている状態の、掘削歯アセンブリの斜視図である。
【
図11B】係止用ピンアセンブリが係止解除位置にある状態でアダプタ上に組立てられた摩耗部材を示し、係止用ピンアセンブリを係止解除位置から係止位置に変更するために必要とされる運動を示す。
【
図11C】係止用ピンアセンブリが係止位置にある状態でアダプタ上に組立てられた摩耗部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の原理の理解を促す目的で、ここで図面中において例示されている実装への参照が指示され、これらを説明するために特定の専門用語が使用される。しかしながら、本開示の範囲に対するいかなる限定も意図されていないということが理解されるものとする。説明されたデバイス、計器、方法及び本開示の原理のいずれかのさらなる応用に対するあらゆる改変及びさらなる修正が、本開示の関連技術の当業者ならば通常着想することが考えらえるものとして、全面的に企図されている。さらに、本開示は、1つ以上の実装又は図に関連していくつかの要素又は特徴を詳細に説明しているが、その一方でこれらの同じ要素又は特徴は後続する図の中では同様に高いレベルの詳細無く示されている。1つ以上の実装又は図に関連して説明される特徴、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実装又は図に関連して説明される特徴、構成要素及び/又はステップと組合わされてよいということが充分に企図されている。簡略化のために、いくつかの事例において、同様の部分に言及するために図面全体を通して同じ又は類似の参照番号が使用される。
【0017】
本開示は、掘削用歯などの摩耗部材に対してアダプタを静的にかつ取外し可能な形でしっかり固定するように設定された係止用ピンアセンブリを含む掘削歯アセンブリに向けられている。係止用ピンアセンブリは、係止用ピンアセンブリが係止位置から係止解除位置まで偶発的に移動するのを機械的に防止する半径方向に移動可能な係止用要素を含む。係止用ピンアセンブリは、カム部材を用いて、半径方向に移動可能な係止用要素を前進又は後退させることができる。さらに、係止用ピンアセンブリは、2段階回転プロセスを用いて、係止位置と係止解除位置の間を移動させられてよい。2段階プロセスは、半径方向に移動可能な係止用要素に影響を及ぼすカムシャフトなどの第1の要素を回転させるステップを含んでいてよく、第1の要素が回転限界に達した時点で、シャフト部分などの第2の要素を係合させ回転させるステップを含んでいてよい。
【0018】
係止用ピンアセンブリは、係止用ピンアセンブリの構成要素の偶発的な回転を防止するために機械的干渉を利用することから、係止用ピンアセンブリは、偶発的に係止解除された状態になる確率を最小限に抑える一方で、振動、強い衝撃及び周期的負荷に耐えることができるものであってよい。さらに、係止用ピンアセンブリのいくつかの実施形態は、係止用ピンアセンブリが係止条件を達成した時点でクリック音などの可聴ノイズを発するように設定されていてよい。このため、機械オペレータなどのユーザーは、従来のコネクタピンで行なうことができるものよりも容易な時間を、新しい摩耗部材の設置及び古い摩耗部材の交換に際し送ることができる。
【0019】
図1は、代表的にアダプタ102の形をした支持構造、代表的に交換可能な歯先104の形をした摩耗部材、及び係止用ピンアセンブリ106を含む掘削歯アセンブリを示す。掘削歯アセンブリ100は、土壌移動用機器上で特に有用であり得る。例えば、掘削歯アセンブリ100は、建設、採鉱、削孔及び他の業界において使用可能である。アダプタ102は、後部ベース部分110を有し、ここからノーズ部分112が前向きに突出しており、このノーズ部分112は、その長さに沿って水平方向に細長い楕円形断面を有し、ノーズ部分112の相対する垂直方向側面間を貫通して水平方向に延在する非円形横断方向コネクタ開口部114を有する。ここでコネクタ開口部114は、比較的大きい方の半径を有する円弧で形成された後部部分116を伴い、比較的小さい方の半径を有する円弧で形成された前縁部分118を伴って整形された涙状の卵形である。卵形をしたものとして示されているものの、他の非円形形状を使用してもよい。
【0020】
交換可能な歯先104は、前端部120、ノーズ収容ソケット126が前向きに延在しているときに通る後端部124、及び、肥厚した外部ボス部分130を通ってソケット126の内部へと内向きに延在している水平方向に細長い楕円形のコネクタ開口部128の水平方向に相対する対を有する。ソケット126の内部表面は、アダプタのノーズ部分112の外部表面と実質的に相補的である構成を有する。水平方向に相対する全体として矩形の陥凹132の対が歯先104の内部垂直側壁表面部分内に形成され、歯先104の後端部124を通って前向きに延在している。以下の説明において明らかになるように、これらの陥凹132の各々は、コネクタ開口部128の高さよりも低い高さを有し、図示された例示的実施形態においては、このようなコネクタ開口部128の1つの底面部分で前向きに終結する。こうして、各陥凹132は、結び付けられたコネクタ開口部128の側方表面により画定される前端部又は内側端部部分を有していてよい。各々の陥凹132のこの前端部又は内側端部部分は、陥凹が内部に形成されている歯先側壁の内側側方表面に対し平行な方向で陥凹132の後端部又は外側端部との関係において拡幅されていてよい。
【0021】
係止用ピンアセンブリ106は、アダプタ102のコネクタ開口部114内に収容されるようにサイズ決定され整形される。本明細書中に記載の通り、係止用ピンアセンブリ106は、アダプタ102上の所定の場所に歯先104を取外し可能な形でしっかり固定することができる。さらに、係止用ピンアセンブリ106は、係止解除位置と係止位置の間で操作され得る。係止解除位置において、歯先104は、コネクタピンアセンブリ及びアダプタ102のノーズ部分112の上に導入されてよい。歯先104がアダプタ102上で適切に位置づけされた時点で、係止用ピンアセンブリ106は、係止解除位置から係止位置まで操作されてよい。係止位置にある場合、係止用ピンアセンブリ106は、歯先104を機械的に阻害することにより、アダプタ102からの歯先104の取外しを防止することができる。所望される場合、オペレータなどのユーザーは、係止位置から係止解除位置まで係止用ピンアセンブリ106を操作することができる。これにより、ユーザーは、アダプタ102から歯先104を取外すことができる可能性がある。
【0022】
係止用ピンアセンブリ106は、他の構成要素の中でも、本体部分140及びシャフト部分142を含む。本体部分140は、この例示的実施形態においてはアダプタ102内のコネクタ開口部114の形状と対応する非円形外部表面構成を有する。したがって、本体部分140は、より大きな半径を有する後部部分160とより小さい半径を有する前縁部分162とを含む涙状の長円形状で形成される。この例示的実施形態において、本体部分140は、コネクタ開口部114内部に隙間嵌めを有する一方でアダプタ102との関係における本体部分140の回転を同時に防止するようにサイズ決定され整形される。シャフト部分142は、本体部分140の相対する端部内に配置され、これらの端部から延在していてよい。シャフト部分142は、係止解除位置から係止位置へ、そして再び戻るように係止用ピンアセンブリ106を変更するように回転されてよい。
【0023】
係止用ピンアセンブリ106の本体部分140、シャフト部分142及び他の構成要素は、
図2の分解組立図を見れば最も良く分かる。係止用ピンアセンブリ106は、本体部分140、シャフト部分142、シャフト回転ストッパ要素144、係止用要素146、付勢用要素148、バックストップ150、カムシャフト152、カム回転ストッパ要素154及びプラグ156を含んでいてよい。
【0024】
本体部分140は、
図1に関連して標示されているように、アダプタ102のコネクタ開口部114と機械的にインタフェースするようにサイズ決定され設定される。したがって、上述のように、本体部分140は、アダプタ102との関係における本体部分140の回転を防止する非円形の周囲断面形状又は輪郭を有する。この例示的な長円形の実施形態において、本体部分140は、後部部分160及び前縁部分162の半径によって画定される中心点を通って延在する主軸161を有する。本体部分140は、一方の端部からもう一方の端部まで延在する主中ぐり164、ストッパ要素中ぐり166及び係止用中ぐり168を含む。この実施形態において、主中ぐり164は、長手方向軸165を有する貫通中ぐりである。ストッパ要素中ぐり166及び係止用中ぐり168は各々、主中ぐり164と交差する。ストッパ要素中ぐり166は、シャフト回転ストッパ要素144を収容するようにサイズ決定され整形されてよい。ストッパ要素中ぐり166は、いくつかの実施形態において、貫通中ぐりであってよい。他の実施形態においては、ストッパ要素中ぐり166は、本体部分140を通って部分的にのみ延在する。
【0025】
係止用中ぐり168は同様に、本体部分140を通って延在してもしていなくてもよい。
図2の実施例では、係止用中ぐり168は、主軸161に対して実質的に平行に形成される。しかしながら、他の実施形態において、係止用中ぐり168は、主軸161との関係において任意の角度で形成されてよい。係止用中ぐり168の断面図は、
図5B及び6Bに見ることができる。係止用中ぐり168は、シャフト部分142の回転を防止するために係止用要素146を保持する本体部分140の構造を通って延在する。この実施形態において、主軸161は、主中ぐり164の周りで最大の壁厚及び構造的無欠性を有する本体部分140の部分の中を貫通する。本明細書中で記載されるように、係止用中ぐり168は、係止用ピンアセンブリ106が係止条件にある場合にシャフト部分142の回転を防止するため、係止用要素146と機械的に干渉してよい。図示された例示的実施形態において、本体部分140は、Oリング174を収容するために各端部に隣接して内部に形成された溝172を含む。Oリング174は、シャフト部分142が回転可能な形で内部に収容されるときに本体部分140の主中ぐり164内に望ましくない物質が進入することを阻止できる。
【0026】
シャフト部分142は、本体部分140の主中ぐり164内に嵌合するようにサイズ決定され設定される。この実施形態において、シャフト部分142は、主中ぐり164の長手方向軸165の周りを回転し得るように、隙間嵌めで嵌合される。シャフト部分142は、円筒形をした外側表面180、エンドタブ182及びシャフト主中ぐり184を有する。外側表面180は、この実施形態において、実質的に円筒形の形状をしており、こうして、シャフト部分142は、本体部分140の主中ぐり164内を回転することができるようになっている。
【0027】
外側表面180は、シャフト部分142の長手方向中央部分上で内部に形成された円周方向に延在するロック溝186を含む。ここで、ロック溝186は、シャフト部分142の周囲に部分的に延在しているにすぎない。この実施形態において、ロック溝186は、120°及び340°の範囲内の円弧を通って延在してよい。ロック溝186の断面図を
図5Cに見ることができる。いくつかの実施形態において、ロック溝186は、180度超延在する円弧を通って延在してよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、ロック溝186は、200°及び340°の範囲内の円弧を通って延在してよい。いくつかの実施例において、円弧は約240°延在するものとする。ロック溝186は、本体部分140との関係において発生し得る回転の量を制限するために、シャフト回転ストッパ要素144と協働することができる。ロック溝186は、シャフト回転ストッパ要素144を収容するのに充分なサイズの幅を有していてよい。詳細には、ロック溝186の端部187(
図5Cを見ると最も良く分かる)を回転ストッパとして用いて、本体部分140及びシャフト回転ストッパ要素144との関係におけるシャフト部分142の回転を制限することができる。
【0028】
エンドタブ182は、シャフト部分142の相対する端部に配置されこれらの端部から延在する突出部である。各エンドタブ182は、円筒形の外側表面180の湾曲した側方表面部分の延長である弓形の横方向に外側の側方表面188、及び概してシャフト部分142の弦方向に延在する反対側の概して平面的な横方向に内側の側方表面190を有する。各タブ182は、長手方向に、シャフト部分142の平担な端部表面192において終結し、シャフト主中ぐり184は、各々の平担な端部表面192の一部分を通して内向きに延在している。この例示的実施形態において、シャフト主中ぐり184は、この実施形態において長手方向軸165と同軸として示されているシャフト部分142の長手方向軸からわずかに横方向にオフセットされている。しかしながら、他の実施形態において、シャフト主中ぐり184は、シャフト部分142の長手方向軸165と整列している。
【0029】
シャフト部分142は同様に、シャフト主中ぐり184と交差する横方向ロックピン中ぐり194も含んでいてよい。ロックピン中ぐり194は、
図5Bに断面図で示されている。ロックピン中ぐり194は、係止用要素146、付勢用要素148及びバックストップ150を収容しこれらと協働するようにサイズ決定され整形される。ロックピン中ぐりは、完全にシャフト部分142を通って延在することができる。
図5Bにおいて、ロックピン中ぐり194は、異なる直径を有する2つの部分を含み、これらの部分の両方共が中ぐり184と交差する。
図5Bで194a及び194bの参照番号が付された部分は各々、係止用要素146の異なる部分と嵌合するようそれぞれにサイズ決定される。いくつかの実施形態において、ロックピン中ぐり部分194aは、係止用中ぐり168と実質的に同じ幅又は直径を有する。ロックピン中ぐり194に対する開口部により、係止用要素146は、半径方向に係止用中ぐり194から外へ、シャフト部分142の外側表面180を超えて、本体部分140内に形成された係止用中ぐり168内へと選択的に突出することができる。このように延在させられている場合、係止用要素146は、本体部分140との関係におけるシャフト部分142の回転を防止する。
【0030】
ストッパ要素中ぐり143は、シャフト主中ぐり184と交差する。ストッパ要素中ぐり143は、カム回転ストッパ要素154を収容するようにサイズ決定され整形されてよい。ストッパ要素中ぐり143は、いくつかの実施形態において、貫通中ぐりであってよい。他の実施形態において、ストッパ要素中ぐり143は、シャフト部分142を通って部分的に延在しているにすぎない。
【0031】
シャフト回転ストッパ要素144は、ストッパ要素中ぐり166を通って嵌合するようにサイズ決定され整形されてよい。シャフト部分142が本体部分140の主中ぐり164の内部に配置されている場合、シャフト回転ストッパ要素144は、ロック溝186の内部に嵌合し、限定的な回転変位を可能にしながら本体部分140との関係におけるシャフト部分142の軸方向変位を防止するように整列させられてよい。したがって、シャフト回転ストッパ要素144は、軸方向運動を防止するためと同様、部分的に円周方向のロック溝186の端部によって許容される限界を超えるシャフト部分142の回転を防止するように機能することができる。
【0032】
係止用要素146は、カムフランジ202及び付勢用要素インタフェース部分204を有する長手方向に延在するシリンダ部分200を含む。シリンダ部分200は、シリンダ部分200がロックピン中ぐり194から延在できるようにサイズ決定された、この実施形態では直径である幅を有していてよい。他の実施形態において、シリンダ部分200はシリンダとして整形されておらず、あらゆるタイプのロック部分であり得、断面を正方形又は他の何らかの多角形として整形されてよい。カムフランジ202は、
図5Bに示されているようにロックピン中ぐり194の第1の部分194aの直径よりも大きい幅又はサイズを有していてよい。本明細書中に記載の通り、カムフランジ202は、カムシャフト152と協働して、シャフト部分142との関係において半径方向に係止用要素146を変位させることができる。したがって、カムフランジ202は、シャフト主中ぐり184及びロックピン中ぐりの内部に配置されてよい。フランジとして説明されているものの、カムフランジ202は、別のタイプのカムインタフェース部分であってよい。例えば、それはショルダー、ボス、突出部又は他の本体部分であり得る。付勢用要素インタフェース部分204は、付勢用要素148とインタフェースすることができる。
【0033】
付勢用要素148は、係止用要素146をロック位置まで付勢することができ、ここでシリンダ部分200はロックピン中ぐり194から外へ、本体部分140の係止用中ぐり168内へと突出する。この例示的実施形態において、付勢用要素148は、コイルばねである。しかしながら、他のタイプのバネ又は他の付勢用要素が企図される。バックストップ150は、中実表面を提供し、付勢用要素148はこの表面から付勢用負荷を加えることができる。この実施形態において、バックストップ150は、ロックピン中ぐり194内に螺入され得る止めネジである。
【0034】
カムシャフト152は、
図2及び3に示されている。カムシャフトは、シャフト主中ぐり184内に嵌合するようにサイズ決定され設定される。カムシャフト152は、シャフト部分142との関係において回転され得、ユーザーにより回転させられて係止用ピンアセンブリ106をロック条件から係止解除条件に、又はその逆に変更することができる。カムシャフト152は、外部表面210、一方の端部に配置された工具インタフェース212(
図2)、及び反対側の端部に配置されたカム214を含む。スナップリング153又は他のタイプのリングが外部表面210内の溝の中に嵌合して、シャフト主中ぐり184内にカムシャフトをしっかり固定することができる。この実施形態において、工具インタフェースは、六角箱スパナなどの六角形の工具を収容するように構成された六角形の工具インタフェースである。当業者にとっては明らかであるように、他の工具インタフェース及び工具を使用することができると考えられる。
【0035】
カムシャフト152の外部表面210は、カムシャフト152を中心にして円周方向に延在するロック溝216を含む。シャフト部分142上のロック溝186と同様、ロック溝216は、カムシャフト152の周囲を中心にして部分的に延在しているにすぎない。この実施形態において、ロック溝216は、90°及び340°の範囲内の円弧を通って延在してよい。いくつかの実施形態において、ロック溝216は90°〜180°の範囲内の円弧を通って延在してよい。いくつかの実施例において、円弧は約120°延在するものとする。ロック溝216は、シャフト部分142との関係において発生し得る回転の量を制限するために、カム回転ストッパ要素154と協働することができる。ロック溝216は、カム回転ストッパ要素154を収容するための半径を有し得るか、又はそのためにサイズ決定されてよい。詳細には、ロック溝216の端部218を回転ストッパとして用いて、シャフト部分142及びカム回転ストッパ要素154との関係におけるカムシャフト152の回転を制限することができる。
【0036】
工具インタフェース212は、ユーザーが取扱うことのできる作業工具(図示せず)を収容するようにサイズ決定され設定される。作業工具は、六角形の工具インタフェース212内に挿入され、係止用ピンアセンブリ106を係止位置から係止解除位置まで及びその逆に操作するためにカムシャフト152を回転させるべく旋回されてよい。
【0037】
カム214は、カムシャフト152の一端部から延在する突出部又はボスである。カム214は、カムシャフト152の中心線との関係において横方向にオフセットされている。以下で説明する通り、カム214は、係止用要素146を係止位置から係止解除位置まで半径方向に変位させるためカムフランジ202とインタフェースするように配置され設定される。さらに、カム214は、付勢用要素が係止用要素146を係止解除位置から係止位置まで移動させることができるようにするために回転させられてよい。
【0038】
カム回転ストッパ要素154は、ストッパ要素中ぐり143を通って嵌合するようにサイズ決定され整形されてよい。カムシャフト152がシャフト部分142のシャフト主中ぐり184の内部に配置されている場合、カム回転ストッパ要素154は、ロック溝216の内部に嵌合し、限定的な回転変位を可能にしながらシャフト部分142との関係におけるカムシャフト154の軸方向変位を防止するように、整列させられてよい。したがって、カム回転ストッパ要素154は、軸方向運動を防止するためと同様、部分的に円周方向のロック溝216の端部によって許容される限界を超えるカムシャフト152の回転を防止するために機能することができる。
【0039】
プラグ156は、係止用中ぐり168の開口部をカバーするように設定される。プラグは、係止用中ぐり168の一方の端部内に螺入する止めネジ、又は他のタイプのプラグであり得る。一実施形態において、このプラグは、接着剤を用いて係止用中ぐり168に対し開口部上で接着される。他の取付け方法も使用することができ企図されている。
【0040】
図4A及び4Bは、それぞれ係止解除位置及び係止位置にある係止用ピンアセンブリ106を示す。これを見れば分かるように、シャフト部分142は、本体部分140との関係において係止条件にあるときに回転させられる。この回転により、エンドタブ182は、タブが最小垂直厚みT1を有する位置からエンドタブがはるかに大きい垂直厚みT2を有する位置まで変位させられる。
図1を参照すると、係止解除位置にあるとき、エンドタブ182は、コネクタ開口部128と整列するまで歯先104の陥凹132の中を通るように設定されている。係止位置まで回転した後、垂直タブは、歯先104上の構造と機械的に干渉し、アダプタ102からのその取外しを防止する。図示された実施形態において、本体部分140及びシャフト部分142の端部の両方に、基準インジケータ185が形成、マーキング、縁取り又は他の方法で提供される。
図4Bに示されているように基準インジケータ185が整列した場合、係止用ピンアセンブリ106は係止位置にあり得る。
図4Aに示されているように基準インジケータ185が正しく整列していない場合、係止用ピンアセンブリ106は係止位置にない可能性がある。こうして、ユーザーには、係止用ピンアセンブリ106が適切に係止位置にあるときの視覚的標示が提供され得る。
【0041】
図5A〜5Eは、係止解除条件に設定された場合の係止用ピンアセンブリ106を示す。
図6A〜6Eは、係止条件に設定された場合の係止用ピンアセンブリ106を示す。
図5Aは、係止解除位置にある係止用ピンアセンブリ106の平面図であり、本体部分とシャフト部分は、他の構成要素をより明確に示すために透視したものとして示されている。
図5B〜5Eは、実線を用いて異なる断面図で係止用ピンアセンブリを示す。
図5Bは、係止用ピンアセンブリ146を通って
図5A中のライン5B−5Bに沿って切り取った断面を示す。
図5Cは、シャフト回転ストッパ要素144及びロック溝186を通って
図5A中のライン5C−5Cに沿って切り取った断面を示す。
図5Dは、カム回転ストッパ要素154及びロック溝216を通って
図5A中のライン5C−5Cに沿って切り取った断面を示す。
図5Eは、係止用ピンアセンブリ106の本体部分140及びシャフト部分142のみを通って軸方向に切り取った部分断面を示す。
【0042】
図5A〜5Eを参照すると、係止解除位置にあるとき、シャフト部分142を一方向にストッパ限界まで回転させることができるが、もう一方の方向に回転させることもできる。このことは、
図5Cを見れば最も良く分かる。
図5Cは、シャフト部分142及びシャフト回転ストッパ要素144を通って切り取った断面を示す。図示された例示的実施形態において、ロック溝186は、シャフト部分142の周囲に部分的に延在しているにすぎない。したがって、シャフト回転ストッパ要素144がロック溝186内にある状態で、シャフト部分142の回転量は制限されている。ここで、溝186の端部187はシャフト回転ストッパ要素144に当接し、さらなる回転を防止する。
【0043】
図5Bにおいて、係止用要素146は、ロックピン中ぐり194の内部に完全に配置されている。ここで分かるように、ロックピン中ぐり194は、本体部分140の主中ぐり164の内側壁に面するように配置された開口部を有する、より小さい直径の部分194aを含む。いくつかの実施形態において、内側壁はくぼみを含み、係止用要素146はこのくぼみの中に突出してユーザーにとっての戻り止め様の触覚的感触を形成することができる。カムシャフト152のカム214は、シャフト主中ぐり184内に配置され、カムフランジ202と接触状態にある。係止解除条件では、係止用要素146は、付勢用要素148の力に対抗してカムによって後退させられる。ここで、付勢用要素148は、バックストップ150と付勢用要素インタフェース部分204との間で圧縮されたコイルバネである。
【0044】
図5Dを見れば分かるように、シャフト部分142との関係におけるカムシャフト152の回転は、ロック溝186及びシャフト回転ストッパ要素144との関係において説明されたものと類似の方法で制限される。カムシャフト152はロック溝216を含み、カム回転ストッパ要素154は係止用中ぐり143を通り、ロック溝216内へと延在する。したがって、カムシャフト152は、ロック溝216がカムシャフト152の周囲で完全よりも少ない程度に延在するために、360°未満にその回転を制限され得る。ロック溝216の端部218は、可動域を制限するため、カム回転ストッパ要素154と接触する。
【0045】
図5Eは、係止用ピンアセンブリ106の部分断面図を示す。この例示的実施形態において、本体部分140及びシャフト部分142は断面で示されている。したがって、ロック溝186とシャフト回転ストッパ要素144の間及びカムロック溝216とカム回転ストッパ要素154の間の関係は、より詳細に示されている。さらに、カムフランジ202との関係におけるカム214の配置も同様に示されている。
【0046】
以上で記したように、
図6A〜6Eは、係止条件に設定された場合の係止用ピンアセンブリ106を示す。
図6Aは、係止位置にある係止用ピンアセンブリ106の平面図を示しており、ここで本体部分及びシャフト部分は他の構成要素をより明確に示すため、透明なものとして示されている。
図6B〜6Eは、異なる断面図で係止用ピンアセンブリを示す。
図6Bは、係止用要素146を通って
図6A中のライン6B−6Bに沿って切り取った断面図を示す。
図6Cは、シャフト回転ストッパ要素144及びロック溝186を通って
図6A中のライン6C−6Cに沿って切り取った断面図を示す。
図6Dは、カム回転ストッパ要素154及びロック溝216を通って
図6A中のライン6D−6Dに沿って切り取った断面図を示す。
図6Eは、係止用ピンアセンブリ106の本体部分140及びシャフト部分142のみを通って軸方向に切り取った部分断面図を示す。
【0047】
図6A〜6Eを参照すると、係止位置にあるとき、シャフト部分142は、係止用要素146が本体部分140の係止用中ぐり168内に突出し、いずれの反対方向におけるさらなる回転も防止するまで、回転させられている。
【0048】
図6Bにおいて、シャフト部分142は、係止用要素146が本体部分140内の係止用中ぐり168と整列するまで、
図5Bに示された位置から回転させられている。ロックピン中ぐり194の内部に実質的に完全に配置されるのではなくむしろ、この整列状態で、カム214は、カムフランジ202から離れるように変位させられ、付勢用要素は係止用要素146に作用してシリンダ部分200をロックピン中ぐり194から外へ、係止用中ぐり168内へと変位させる。
【0049】
係止用要素146が同様に、カムシャフト152のカム214との関係において異なる位置を有するという点も指摘しておくべきである。この位置において、カム214は係止用要素146をロックピン中ぐり194内に維持するように作用していない。その代り、カム214はカムフランジ202との係合から外れるように回転させられる。したがって、付勢用要素148は、係止用要素146をロックピン中ぐり194から外へ、そして本体部分140の係止用中ぐり168の中へと付勢するように動作する。係止用要素が係止用中ぐり168内に突出している状態で、シャフト部分142のいずれの回転方向への偶発的な運動又は回転も阻止することが可能である。いくつかの実施形態において、カムフランジ202は、係止用要素が半径方向外向きに係止位置までとび出した時点で再係合し得る。
【0050】
図6Dを見れば分かるように、シャフト部分142との関係におけるカムシャフト152の回転角度は、ロック溝186及びシャフト回転ストッパ要素144に関連して説明したものと類似の方法で制限される。カムシャフト152はロック溝216を含み、カム回転ストッパ要素154はロック溝216内に配置される。したがってカムシャフト152は、ロック溝216がカムシャフト152の周囲に全周より少ない程度で延在するために、360°未満にその回転を制限され得る。
図6Eは、係止用ピンアセンブリ106の部分断面図を示す。
図6Eは、係止用中ぐり168内に突出する係止用要素146を示す。
【0051】
歯先104をアダプタ102に設置するための例示的プロセスについて、
図7A〜7Eを参照しかつ本明細書中ですでに説明した他の図を参照しながら以下で説明する。まず
図7Aを参照すると、完全に組立てられた状態にある係止用ピンアセンブリ106は、アダプタ102のコネクタ開口部114の内部に配置されている。本明細書中に記載のように、係止用ピンアセンブリ106は、その非円形形状によってコネクタ開口部114内を回転しないよう防止されている。係止用ピンアセンブリ106は、エンドタブ182が最小限の垂直高さ又は垂直厚みT1を有するように配置されていることから、係止解除位置に配向されている。
【0052】
係止用ピンアセンブリ106がアダプタ102内の所定の場所にある状態で、歯先104はアダプタ102上に導入される。エンドタブ182は、歯先がアダプタ102上に据え付けられるまで及び/又は係止用ピンアセンブリ106がコネクタ開口部128と整列するまで、歯先104の内部に形成された陥凹132(
図1)内に進入する。
【0053】
係止用ピンアセンブリ106がコネクタ開口部128と整列した状態で、ユーザーは、カムシャフト152の六角形工具インタフェース212にアクセスすることができる。適切な工具を用いて、ユーザーは、まずカムシャフト152を回転させ、次にシャフト部分142を回転させることができる。
図7Bを参照すると、図示された例示的実装において、カムシャフト152は120°回転させられ、次にシャフト部分142が240°回転されて係止用ピンアセンブリを係止解除条件から係止条件まで変更させる。これらは、溝186、216の長さ又は回転ストッパの厚みに応じて変化し得る。いくつかの実施形態において、ユーザーは、1〜180度の範囲内の可動域を通してカムシャフトを回転させることができ、90〜300度の範囲内の可動域を通してシャフト部分を回転させることができる。
【0054】
以上で指摘したように、
図5B、5C及び5Dは、係止解除条件にある係止用ピンアセンブリ106の断面図を示す。
図5Aを参照すると、ユーザーが工具でカムシャフト152を回転させた場合、カム214はまず120°まで回転し、これによりカム214は係止用要素146のカムフランジ202から離れるように移動させられる。この運動の間、カムシャフト152はシャフト部分140及びカム回転ストッパ154との関係において回転する。しかしながら、この状態で、本体部分140の内側壁は、係止用要素146がロックピン中ぐり194から最小量を超えて延在しないように防止する。しかしながら、カム214はカムフランジ202から取外されることから、本体部分140の内側壁のみが、係止用要素146が実質的にロックピン中ぐり194から外へ延在するのを防止する。カムシャフト152は、ロック溝216がカム回転ストッパ要素154により許容されるかぎり回転する。ロック溝216の端部218がカム回転ストッパ要素154に当接すると、係止方向におけるシャフト部分142へのカムシャフト152の全ての相対的運動が防止される。したがって、カムシャフト152を回転させるためにユーザーが加えるさらなる回転負荷は全てカム回転ストッパ要素154によってシャフト部分142に伝達される。こうして、この実施形態においては、カムシャフト152がその回転限界に達した時点で、カムシャフト152上のねじり力がシャフト部分142に伝達され、シャフト部分142は回転し始める。
【0055】
この実施例において、シャフト部分142は
図5Cに示された位置から
図6Cに示された位置まで240°回転する。そうするにつれて、係止用要素146は、係止用中ぐり168と整列するまで主中ぐり164の内側壁に沿って摺動する。係止用要素146が
図6Bに示されている係止用中ぐり168と整列した時点で、係止用要素146は、付勢用要素148のバネ力の下で係止用中ぐり168の中にとび出すか又はカチッと収まる。こうして、係止用ピンアセンブリが適切に据付られ所定の場所に入ったことの可聴標示をユーザーに提供することができる。
【0056】
図7Cは、係止位置にある係止用ピンアセンブリを示す。ここで、シャフト部分142のエンドタブ182は、垂直厚みT2を有するように回転させられる。垂直厚みT1及びT2を有するものとして説明されてはいるものの、本明細書中に記載の全ての厚みは、アダプタ102上への歯先104の挿入方向との関係において、又は挿入陥凹132の高さ又は位置との関係において測定されてよいということを指摘しておくべきである。係止用ピンアセンブリ106が係止位置にある状態で、エンドタブ182はもはや歯先104内の陥凹132(
図1)と整列していない。整列不正のため、エンドタブ182はコネクタ開口部114の内側表面に当接し、アダプタ102からの歯先104の取外しを防止する。
【0057】
歯104が摩耗した場合、ユーザーは、それをアダプタ102から取外すことを望む場合がある。この実施形態において、これを行なうためには、エンドタブ182が歯104の中の陥凹132と整列するようにシャフト部分142を回転させなければならない。係止用ピンアセンブリ106は、まず第1の可動域を通してカムシャフト152を回転させて係止用要素146を半径方向に引き抜き、次に第2にシャフト部分142を回転させることによって、これを行なう。
【0058】
図7Dに目を向けると、ユーザーは、工具を挿入しこの工具でカムシャフト152を回転させることができる。カムシャフト152が回転するにつれて、カム214は、付勢用部材148の力に対抗してカムフランジ202に作用する。カム214が係止用要素146のカムフランジ202上に後退負荷を加えることによって、シリンダ部分200は本体部分140内の係止用中ぐり168から後退し始める。同時に、カムシャフト152はカム回転ストッパ154との関係において回転する。係止用要素146が係止用中ぐり168から離れた時点で、カムシャフト152内のロック溝216の端部218はカム回転ストッパ154と係合する。
図7Dを見れば分かるように、これは、カムシャフト152が約120°回転した後に発生し得る。したがって、カムシャフト152に対して加えられるさらなる回転力は全て、シャフト部分142上の回転力を結果としてもたらす。この実施形態において、240°の追加の回転によって、シャフト部分142は
図7Dに示された位置から
図7Eに示された係止解除位置まで回転させられる。この位置で、シャフト部分140のエンドタブ182は、歯104の中に形成された陥凹132(
図1)を通って嵌合し得る最小の厚みを有するように整列させられる。
【0059】
図8A、8B、9A、9B、9C、10A、10B、10C、11A、11B及び11Cは、係止用ピンアセンブリの別の実施形態を示し、ここでは係止用ピンアセンブリに参照番号406が付されている。係止用ピンアセンブリ406は、上述の係止用ピンアセンブリ106と同じ特徴部を多く含んでいる。したがって、係止用ピンアセンブリ106の説明は係止用ピンアセンブリ406の要素にも適用可能であり得る。理解を容易にするため、係止用ピンアセンブリ106の構成要素については、当業者による理解のためには上述の説明で充分であることから、全てここで再度説明することはしない。さらに、理解を容易にし、かつ反復を避けるため、係止用ピンアセンブリ406のいくつかの特徴部は、係止用ピンアセンブリ106上の類似の特徴部と同じ参照番号によって識別される。係止用ピンアセンブリ406は、反対側からアクセスされる点及び係止用ピンアセンブリを係止位置から係止解除位置にそしてその逆に移動させるために異なる回転範囲を有する点において、係止用ピンアセンブリ106と異なっている。
【0060】
図8A及び8Bは、それぞれ係止解除位置及び係止位置にある係止用ピンアセンブリ406を示す。係止用ピンアセンブリ406は、本体部分140、シャフト部分442及びカムシャフト452を含む。本体部分140の前縁部分162は、この例示的実装においては、なおもアダプタ102の前縁ノーズ及び歯104に面していてよい。したがって、係止用ピンアセンブリ406は、係止用ピンアセンブリ106の場合のように、アダプタ及び歯先の右側ではなく左側からアクセスされるように設定されていてよい。しかしながら、本明細書に記載の係止用ピンアセンブリをいずれかの側又は両方の側からアクセスするように製造することもできる、ということを理解すべきである。上述のように、シャフト部分442の回転により、エンドタブ482は、このタブが最小垂直厚みを有する位置から、エンドタブ上への歯先104の設置及びアダプタ102に対する歯先104の固定を容易にする目的でタブがはるかに大きい垂直厚みを有する位置まで変位させられる。
【0061】
図9A、9B及び9Cは、係止解除条件に設定された場合の係止用ピンアセンブリ406を示す。
図10A、10B及び10Cは、係止条件に設定された場合の係止用ピンアセンブリ406を示す。
図9Aは、シャフト部分442及び係止用中ぐり168と回転可能な形で協働するように配置された係止用要素146を示す。
【0062】
図9Bを参照すると、この実施形態において、係止用ピンアセンブリ406は、シャフト部分442の外側表面内に形成された円周方向に延在するロック溝486を含む。ここでロック溝486は、シャフト回転ストッパ要素144と協働するとき約120度の回転を可能にする円弧を通って延在していてよい。したがって、シャフト回転ストッパ要素144の幅を収容するために、ロック溝486は、約125〜145度延在していてよい。しかしながら、他の実装は、角度のより大きい又はより小さい円弧を通って延在するロック溝486を有する。いくつかの実施形態において、ロック溝486は120度未満の回転しか許容せず、一方他の実装は120°超の回転を許容することができる。いくつかの実施形態において、ロック溝486は約90°の回転を許容するように設定されてよい。他の実装は、80°〜190°の範囲内の回転を許容することができる。さらに他の範囲が企図される。ロック溝486は、本体部分140との関係において発生し得る回転量を制限するためにシャフト回転ストッパ要素144と協働することができる。ロック溝486は、本体部分140及びシャフト回転ストッパ要素144との関係におけるシャフト部分442の回転を制限するための回転ストッパとして使用可能な端部187を含む。
【0063】
図9Cは、シャフト部分442の内部に回転可能な形で配置されたカムシャフト452を示す。カムシャフト452の外部表面は、カムシャフト452を中心にして円周方向に延在するロック溝516を含む。この実施形態において、ロック溝516は90°と340°の範囲内、又は
図5D中のロック溝216に関連して以上で説明した他の範囲内の円弧を通って延在していてよい。
【0064】
図10A、10B及び10Cは、係止条件に設定された係止用ピンアセンブリ406を示す。
図10Aを見れば分かるように、係止条件下で係止用要素146は、本体140の係止用中ぐり168内に突出するように回転させられている。
図10Bに図示され係止用ピンアセンブリ106に関連して本明細書中に説明されているように、シャフト部分442は、シャフト回転ストッパ要素144がロック溝486の端部187に接して係合するまで、シャフト回転ストッパ要素144との関係において回転させられる。
図10Cは、シャフト部分442との関係において及びカム回転ストッパ要素154との関係において回転させられたカムシャフト452を示す。ここでカム回転ストッパ要素154は、一方の端部218からもう一方の端部までロック溝516を通過している。
【0065】
図11A、11B及び11Cは、アダプタ102に対して歯先104を設置するための例示的プロセスを示す。このプロセスは
図7A〜7Eを参照して説明したプロセスと多くの点で類似していることから、ここでは差異のみを説明する。
図7A〜7Eは、係止用ピンアセンブリ106が係止位置と係止解除位置の間で調整されている場合、カムシャフト152が120度回転し、シャフト部分142が240°回転する一実施形態を示しているが、他の実施形態も企図されている。
図11A、11B及び11Cは、係止用ピンアセンブリ406が係止位置と係止解除位置の間で調整されている場合、カムシャフト452が120°回転できシャフト部分142も120°回転できることを示しているが、他の実施形態も企図されている。回転範囲は、シャフト部分及びカムシャフト内のロック溝の円弧の長さを制御又は調整することによって制御及び調整されてよい。したがって、
図9B中のシャフト部分442内のロック溝486は
図5C中のシャフト部分142内のロック溝186よりも短いか又はより小さい角度範囲を有することから、係止用ピンアセンブリ406は、係止用ピンアセンブリ106よりも短い又はより小さい角度の範囲を通って移動する。
【0066】
本明細書中に記載の係止用ピンアセンブリは、従来のデバイスには見られない利点及び利益を提供することができる。例えば、係止用ピンアセンブリを係止又は係止解除するための2段階回転プロセスにより、いくつかの従来のピンアセンブリに比べて偶発的な係止解除に対する耐性が高いものであり得る。例えば、この係止用ピンアセンブリは、地面係合工具の使用中に発生し得る振動、高い衝撃及び周期的負荷により良く耐えることができる。歯先及びアダプタに関連して説明されているものの、係止用ピンアセンブリは他の利用分野でも使用可能であるということを理解すべきである。例えば、非限定的に、係止用ピンアセンブリは、地面係合工具業界においてバケット又は他の構造にアダプタを取付けるために使用することができる。
【0067】
当業者であれば、本開示により包含されている実装が、以上で説明された特定の例示的実装に限定されないということを認識するものである。この点において、例示的実装が図示され説明されてきたが、以上の開示には、広範囲の修正、変更、組合せ及び置換が企図されている。このような変形形態を本開示の範囲から逸脱することなく以上の説明に加えることができるということが理解される。したがって、添付のクレームを本開示と一貫性ある形で広義に解釈することが適切である。