特許第6641021号(P6641021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641021短距離光拡大モジュール、拡大方法及び拡大システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641021
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】短距離光拡大モジュール、拡大方法及び拡大システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20200127BHJP
   G02B 27/28 20060101ALI20200127BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   G02B27/28 Z
   G02B5/30
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-539330(P2018-539330)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公表番号】特表2019-506636(P2019-506636A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】CN2016072532
(87)【国際公開番号】WO2017128187
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】516332347
【氏名又は名称】深▲セン▼多▲デュオ▼新技▲術▼有限▲責▼任公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN DLODLO NEW TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲湯▼ ▲偉▼平
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−010465(JP,A)
【文献】 特開2000−249984(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/129630(WO,A1)
【文献】 米国特許第05715023(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第105093555(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00−27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に配置される反射型偏光片と、第1位相遅延片と、結像レンズと、第2位相遅延片と、吸収型偏光片と、を備え、
前記反射型偏光片は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有し、
前記第1位相遅延片は、前記反射型偏光片を透過する光学画像の伝送路に設置され、前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するために用いられ、
前記結像レンズは、楕円又は円偏光方向を有する前記光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延片に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を備え、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するために用いられ、
前記第2位相遅延片は、前記結像レンズの前記第1光学面の一側に設置され、前記光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するために用いられ、
前記吸収型偏光片は、前記第2位相遅延片の前記結像レンズから離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有し、
前記光学画像は、前記反射型偏光片、前記第1位相遅延片、前記結像レンズ、前記第2位相遅延片、前記吸収型偏光片を順に通過し、前記第1位相遅延片はさらに、前記結像レンズにより反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光片は前記第1位相遅延片により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズは前記反射型偏光片により反射した光学画像を拡大するために用いられ、前記第2位相遅延片はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記非第2直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光片を通過させることを特徴とする短距離光拡大モジュール。
【請求項2】
前記第1位相遅延片と前記第2位相遅延片はいずれも1/4波長片であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記結像レンズの前記第2光学面は前記第1位相遅延片と互いに張り合わされており、且つ、前記第2位相遅延片は前記吸収型偏光片と互いに張り合わされていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
前記結像レンズの前記第1光学面は前記第2位相遅延片と互いに張り合わされていることを特徴とする請求項3に記載のモジュール。
【請求項5】
前記反射型偏光片は前記第1位相遅延片と互いに張り合わされていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール。
【請求項6】
前記モジュールはさらに、第1直線偏光方向の光学画像を生成するために用いられ、前記反射型偏光片の前記第1位相遅延片から離れる方の一側に設置される光学表示画面を備えることを特徴とする請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
順に配置される反射型偏光片と、第1位相遅延片と、結像レンズと、第2位相遅延片と、吸収型偏光片とを備え、
前記反射型偏光片は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有し、
前記第1位相遅延片は、前記反射型偏光片を透過する光学画像の伝送路に設置され、前
記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するために用いられ、
前記結像レンズは、楕円又は円偏光方向を有する前記光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延片に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面とを備え、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大し、
前記第2位相遅延片は、前記結像レンズの前記第1光学面の一側に設置され、前記光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向に変換するために用いられ、
前記吸収型偏光片は、前記第2位相遅延片の前記結像レンズから離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向の透過方向を有し、
前記光学画像は、前記反射型偏光片、前記第1位相遅延片、前記結像レンズ、前記第2位相遅延片、前記吸収型偏光片を順に通過し、前記第1位相遅延片はさらに、前記結像レンズにより反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光片は前記第1位相遅延片により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズは前記反射型偏光片により反射した光学画像を拡大するために用いられ、前記第2位相遅延片はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第1直線偏光方向に変換するために用いられ、前記非第1直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光片を通過させることを特徴とする短距離光拡大モジュール。
【請求項8】
伝送路に沿って第1直線偏光方向を有する光学画像を出力し、第1直線偏光方向を有する前記光学画像に、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光片を通過させるステップと、
前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換し、前記光学画像を結像レンズによって反射させて拡大させるステップと、
結像レンズによって反射した前記光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するステップと、
反射型偏光片が第2直線偏光方向を有する前記光学画像を反射し、前記光学画像の偏光方向を第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するステップと、
反射型偏光片によって反射した光学画像を結像レンズで透過して拡大し、透過して拡大された光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から非第2直線偏光方向に変換し、前記非第2直線偏光方向を有する光学画像に吸収型偏光片を通過させるステップと、を含むことを特徴とする短距離光拡大方法。
【請求項9】
伝送路に沿って第1直線偏光方向を有する光学画像を出力し、第1直線偏光方向を有する前記光学画像に、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光片を通過させるステップと、
前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換し、前記光学画像を結像レンズによって反射させて拡大させるステップと、
結像レンズによって反射した前記光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するステップと、
反射型偏光片が第2直線偏光方向を有する前記光学画像を反射し、前記光学画像の偏光方向を第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するステップと、
反射型偏光片によって反射した光学画像を結像レンズで透過して拡大し、透過して拡大された光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から非第1直線偏光方向に変換し、前記非第1直線偏光方向を有する光学画像に吸収型偏光片を通過させるステップと、を含むことを特徴とする短距離光拡大方法。
【請求項10】
短距離光拡大モジュールと、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面と、を備え、前記短距離光拡大モジュールは、
第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する
透過方向を有する反射型偏光層と、
前記反射型偏光層を透過する光学画像の伝送路に設置され、前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するための第1位相遅延層と、
前記楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延層に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するための結像レンズ層と、
前記結像レンズ層の前記第1光学面の一側に設置され、前記光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するための第2位相遅延層と、
前記第2位相遅延層の前記結像レンズ層から離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する吸収型偏光層と、を備え、
前記光学画像は順に前記反射型偏光層、前記第1位相遅延層、前記結像レンズ層、前記第2位相遅延層、前記吸収型偏光層を通過し、前記第1位相遅延層はさらに、前記結像レンズ層により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光層は前記第1位相遅延層により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ層は前記反射型偏光層により反射した光学画像を反射させて拡大させるために用いられ、前記第2位相遅延層はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記非第2直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光層を通過させることを特徴とする短距離光拡大システム。
【請求項11】
短距離光拡大モジュールと、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面と、を備え、前記短距離光拡大モジュールは、
第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光層と、
前記反射型偏光層を透過する光学画像の伝送路に設置され、前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するための第1位相遅延層と、
前記楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延層に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するための結像レンズ層と、
前記結像レンズ層の前記第1光学面の一側に設置され、前記光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向に変換するための第2位相遅延層と、
前記第2位相遅延層の前記結像レンズ層から離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向の透過方向を有する吸収型偏光層と、を備え、
前記光学画像は順に前記反射型偏光層、前記第1位相遅延層、前記結像レンズ層、前記第2位相遅延層、前記吸収型偏光層を通過し、前記第1位相遅延層はさらに、前記結像レンズ層により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光層は前記第1位相遅延層により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ層は前記反射型偏光層により反射した光学画像を反射させて拡大させるために用いられ、前記第2位相遅延層はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第1直線偏光方向に変換するために用いられ、前記非第1直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光層を通過させることを特徴とする短距離光拡大システム。
【請求項12】
前記短距離光拡大システムは、位相遅延に影響を与えず、前記短距離光拡大モジュールと光学表示画面との間に設置される光学デバイスをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記短距離光拡大モジュールは、位相遅延に影響を与えず、前記反射型偏光層、前記第1位相遅延層、前記結像レンズ層、前記第2位相遅延層、前記吸収型偏光層のうちのいずれか2つの層の間に設置される光学デバイス層をさらに備えることを特徴とする請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
順に配置される反射型偏光片と、結像レンズと、吸収型偏光片と、を備え、前記反射型偏光片は、光線を透過させる第1側面と、前記第1側面に対向して光線を反射し、且つ前記結像レンズに近い第2側面と、を備え、前記結像レンズの2つの側面のうち一面は平面部であり、前記平面部に対向する他面は、一側が前記吸収型偏光片に近い曲面部であることを特徴とする短距離光拡大モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光モジュール設計の技術分野に関し、特に短距離光拡大モジュール、拡大方法及び拡大システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の短距離光拡大モジュールの構造は、図2に示すように、表示画面と、第1の位相遅延片と、一部透過一部反射型レンズと、第2位相遅延片と、反射型偏光片と、を備える。当該モジュールにおいて、光路を拡大するために、光線が第1の位相遅延片の一側から一部透過一部反射型曲面レンズを通過した後に、まず透過し、次に反射型偏光片により反射する。このように、光線が透過するときに分散することを引き起こし、当該分散光が光損失を引き起こし、さらに光反射結像の品質に影響を与え、高精細品質への要件を満たしにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施例は、従来の短距離光拡大モジュールでは、光の伝播の際に、分散により光学画像結像の品質へ影響を与えるという問題を解決する解決方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明の実施例は以下の解決方法を開示する。
【0005】
短距離光拡大モジュールであって、順に配置される反射型偏光片と、第1位相遅延片と、結像レンズと、第2位相遅延片と、吸収型偏光片と、を備え、反射型偏光片は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有し、第1位相遅延片は、反射型偏光片を透過する光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するために用いられ、結像レンズは、楕円又は円偏光方向を有する当該光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延片に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を備え、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するために用いられ、第2位相遅延片は、前記結像レンズの第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するために用いられ、吸収型偏光片は、前記第2位相遅延片の前記結像レンズから離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有し、前記光学画像は前記反射型偏光片、第1位相遅延片、結像レンズ、第2位相遅延片、吸収型偏光片を順に通過し、前記第1位相遅延片はさらに、結像レンズにより反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光片は前記第1位相遅延片により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズは反射型偏光片により反射した光学画像を拡大するた
めに用いられ、前記第2位相遅延片はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第2直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第2直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光片を通過させる。
【0006】
好ましくは、前記第1位相遅延片と第2位相遅延片はいずれも1/4波長片である。
【0007】
好ましくは、前記結像レンズの第2光学面は前記第1位相遅延片と互いに張り合わされており、且つ、前記第2位相遅延片は前記吸収型偏光片と互いに張り合わされている。
【0008】
好ましくは、前記結像レンズの第1光学面は前記第2位相遅延片と互いに張り合わされている。
【0009】
好ましくは、前記反射型偏光片は前記第1位相遅延片と互いに張り合わされている。
【0010】
好ましくは、前記モジュールはさらに、第1直線偏光方向の光学画像を生成するために用いられ、前記反射型偏光片の前記第1位相遅延片から離れる方の一側に設置される光学表示画面を備える。
【0011】
短距離光拡大モジュールであって、順に配置される反射型偏光片と、第1位相遅延片と、結像レンズと、第2位相遅延片と、吸収型偏光片と、を備え、反射型偏光片は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有し、第1位相遅延片は、反射型偏光片を透過する光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するために用いられ、結像レンズは、楕円又は円偏光方向を有する当該光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延片に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を備え、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するために用いられ、第2位相遅延片は、前記結像レンズの第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向に変換するために用いられ、吸収型偏光片は、前記第2位相遅延片の前記結像レンズから離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向の透過方向を有し、前記光学画像は前記反射型偏光片、第1位相遅延片、結像レンズ、第2位相遅延片、吸収型偏光片を順に通過し、前記第1位相遅延片はさらに、結像レンズにより反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光片は前記第1位相遅延片により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズは反射型偏光片により反射した光学画像を拡大するために用いられ、前記第2位相遅延片はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第1直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第1直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光片を通過させる。
【0012】
短距離光拡大方法であって、伝送路に沿って第1直線偏光方向を有する光学画像を出力し、第1直線偏光方向を有する前記光学画像に、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光片を通過させるステップと、前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換し、前記光学画像を結像レンズによって反射させて拡大させるステップと、結像レンズによって反射した前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するステップと、反射型偏光片が第2直線偏光方向を有する前記光学画像を反射し、当該光学画像の偏光方向を第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するステップと、反射型偏光片によって反射した光学画像を結像レンズで透過して拡大し、透過して拡大された光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から非第2直線偏光方向に変換し、前記非第2直線偏光方向を有する光学画像に吸収型偏光片を通過させるステップと、を含む。
【0013】
短距離光拡大方法であって、伝送路に沿って第1直線偏光方向を有する光学画像を出力し、第1直線偏光方向を有する前記光学画像に、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光片を通過させるステップと、前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換し、前記光学画像を結像レンズによって反射させて拡大させるステップと、結像レンズによって反射した前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するステップと、反射型偏光片が第2直線偏光方向を有する前記光学画像を反射し、当該光学画像の偏光方向を第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するステップと、反射型偏光片によって反射した光学画像を結像レンズで透過して拡大し、透過して拡大された光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から非第1直線偏光方向に変換し、前記非第1直線偏光方向を有する光学画像に吸収型偏光片を通過させるステップと、を含む。
【0014】
短距離光拡大システムであって、短距離光拡大モジュールと、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面と、を備え、前記短距離光拡大モジュールは、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光層と、反射型偏光層を透過する光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するための第1位相遅延層と、当該楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延層に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するための結像レンズ層と、
前記結像レンズ層の第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するための第2位相遅延層と、前記第2位相遅延層の結像レンズ層から離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する吸収型偏光層と、を備え、前記光学画像は順に反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層、吸収型偏光層を通過し、前記第1位相遅延層はさらに、結像レンズ層により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光層は前記第1位相遅延層により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ層は反射型偏光層により反射した光学画像を反射させて拡大させるために用いられ、前記第2位相遅延層はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第2直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第2直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光層を通過させる。
【0015】
短距離光拡大システムであって、短距離光拡大モジュールと、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面と、を備え、前記短距離光拡大モジュールは、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光層と、反射型偏光層を透過する光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するための第1位相遅延層と、
当該楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延層に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するための結像レンズ層と、
前記結像レンズ層の第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向に変換するための第2位相遅延層と、前記第2位相遅延層の結像レンズ層から離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向の透過方向を有する吸収型偏光層と、を備え、前記光学画像は順に反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層、吸収型偏光層を通過し、前記第1位
相遅延層はさらに、結像レンズ層により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光層は前記第1位相遅延層により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ層は反射型偏光層により反射した光学画像を反射させて拡大させるために用いられ、前記第2位相遅延層はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第1直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第1直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光層を通過させる。
【0016】
好ましくは、前記システムは、位相遅延に影響を与えず、前記短距離光拡大モジュールと光学表示画面との間に設置される光学デバイスをさらに備える。
【0017】
好ましくは、前記短距離光拡大モジュールは、位相遅延に影響を与えず、前記反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層、吸収型偏光層のうちのいずれか2つの層の間に設置される光学デバイス層をさらに備える。
【0018】
短距離光拡大モジュールであって、順に配置される反射型偏光片と、結像レンズと、吸収型偏光片と、を備え、前記反射型偏光片は、光線を透過させる第1側面と、前記第1側面に対向して光線を反射し、且つ前記結像レンズに近い第2側面と、を備え、前記結像レンズの2つの側面のうち一面は平面部であり、前記平面部に対向する他面は、一側が前記吸収型偏光片に近い曲面部である。
【発明の効果】
【0019】
以上解決方法から分かるように、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0020】
本解決方法による短距離光拡大モジュールでは、反射型偏光片を光源側に近くすることによって、偏光が第1位相遅延片を通過した後、結像レンズで1回目の反射を行い、反射した後の偏光が再び第1位相遅延片を通過して反射型偏光片で2回目の反射を行い、2回目の反射後の光線が結像レンズにより屈折され、屈折された偏光が第2位相遅延片を通過して観察者の視線に入る。本発明による短距離光拡大モジュールでは、光線をまず反射して最終的に屈折し、反射は光損失がないため、従来の短距離光拡大モジュールのように、まず屈折して次に反射することにより、屈折された光線が分散して光損失を引き起こし、さらに光結像の品質へ影響を与えるという問題を避ける。光線が光学表示画面に戻ることを防止し、光損失を低減させ、光利用率と結像品質を向上させる。
【0021】
本解決方法による短距離光拡大モジュールの結像レンズの一面を第2光学面にすることによって、当該結像レンズの第2光学面と第1位相遅延片との互いの張り合わせが容易になり、さらに光モジュールのサイズや体積を減少させる。また、当該結像レンズの第2光学面は、さらに曲面の分散程度を減少させ、光伝播の品質を確保することができ、また、第1光学面の加工に比べて、第2光学面の加工プロセスの難度が低く、加工コストが低い。
【0022】
また、第2位相遅延片と吸収型偏光片とを互いに張り合わせ、結像レンズと第2位相遅延片とを互いに張り合わせ、反射型偏光片と第1位相遅延片とを互いに張り合わせすることによって、3セットのユニットの空間距離を減少させ、さらに短距離光拡大モジュールのサイズと体積を減少させる。
【0023】
本解決方法による短距離光拡大モジュールは、光学表示画面をさらに備えており、当該光学表示画面によって当該短距離光拡大モジュールが光学結像を実現し、VR(バーチャルリアリティー)メガネに適用されると、当該VRメガネは従来のVRメガネに比べてサイズと体積がより小さくなり、より軽量化される。
【0024】
本解決方法による短距離光拡大モジュールは、位相遅延に影響を与えない光学デバイスをさらに備えており、当該光学デバイスは光拡大モジュールの実用性と柔軟性を向上させ、本発明による短距離光拡大モジュールが異なる光学装置と機器に適用できるようにする。また、当該光学デバイスは光路位相遅延に影響を与えない限り、任意の隣接する2つのユニットの間に設置できるため、本解決方法のモジュールの実用性と柔軟性をさらに向上させる。
【0025】
本解決方法による短距離光拡大方法は、短距離光拡大モジュールを用いることで、光学画像をまず反射して最終的に屈折することによって、従来の短距離光拡大モジュールのようにまず屈折して反射することにより、屈折された光線が分散して光損失を引き起こし、さらに光結像の品質へ影響を与えるという問題を避ける。
【0026】
本解決方法による短距離光拡大システムは、短距離光拡大モジュールと光学表示画面と、を備えており、当該短距離光拡大モジュールは反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層、吸収型偏光層で構成される多層光モジュールであるため、当該光モジュールは光学結像品質に影響を与えずに、光モジュールのサイズと体積を最大限に減少させ、重量を軽減させ、当該光拡大システムを使用するVRメガネの着用時の快適性を高める。
【0027】
本解決方法による他の短距離光拡大システムは、位相遅延に影響を与えず、位置が自由に設置される光学デバイスをさらに備えており、さらに短距離光拡大システムの実用性を向上させる。
【0028】
本発明の実施例又は従来技術における解決方法をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明における図面は単に本発明の一部の実施例であり、当業者にとっては、進歩性のある労働を必要とせずに、それらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例に係る短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
図2】従来の短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
図3】本発明の実施例に係る他の短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
図4】本発明の実施例に係る別の短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
図5】本発明の実施例に係る別の短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
図6】本発明の実施例に係る別の短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
図7】本発明の実施例に係る短距離光拡大方法のフローチャートである。
図8】本発明の実施例に係る他の短距離光拡大方法のフローチャートである。
図9】本発明の実施例に係る別の短距離光拡大システムの構造模式図である。
図10】本発明の実施例に係る別の短距離光拡大システムの構造模式図である。
図11】本発明の実施例に係る別の短距離光拡大モジュールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
当業者が本発明の解決方法を効果的に理解できるように、以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例の解決方法を明確且つ完全に説明する。無論、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに得られるほかの実施例は、いずれも本発明の技術的範囲に属する。
【0031】
以下、図1図11を参照して、本発明の実施例による短距離光拡大モジュール、拡大
方法及び拡大システムを具体的に説明する。
【0032】
図1は本発明の実施例に係る短距離光拡大モジュールの構造模式図を示しており、当該短距離光拡大モジュールは、順に配置される反射型偏光片1と、第1位相遅延片2と、結像レンズ3と、第2位相遅延片4と、吸収型偏光片5と、を備える。
【0033】
反射型偏光片1は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する。第1位相遅延片2は、透過反射型偏光片の光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するために用いられる。結像レンズ3は、当該楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延片に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するために用いられる。第2位相遅延片4は、前記結像レンズの第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換する。吸収型偏光片5は、前記第2位相遅延片4の前記結像レンズ3から離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する。
【0034】
前記光学画像は、順に前記反射型偏光片1、第1位相遅延片2、結像レンズ3、第2位相遅延片4、吸収型偏光片5を通過し、前記第1位相遅延片2はさらに、結像レンズ3により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光片1はさらに、前記第1位相遅延片2により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ3は反射型偏光片1により反射した光学画像を拡大するために用いられ、前記第2位相遅延片4はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第2直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第2直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光片5を通過させる。
【0035】
なお、本実施例における反射型偏光片1、第1位相遅延片2、第2位相遅延片4、吸収型偏光片5はすべて従来技術である。偏光が位相遅延片を通過するたびに、一定の角度の位相遅延を増加させ、反射型偏光片は偏光方向がその透過方向と一致する直線偏光を通過させ、偏光方向がその透過方向に直交する直線偏光を完全に反射し、一定の位相遅延を有する円偏光又は楕円偏光を部分的に透過して通過させる。一部透過一部反射型光学面は一定の割合の光を反射させて、残りの光を透過させる。
【0036】
本実施例では、前記第1光学面は曲面であり、前記第2光学面は平面であり、前記第1光学面の曲率中心、第2光学面は前記第1光学面の同一側に位置する。
【0037】
前記非第2直線偏光方向は、好ましくは第1直線偏光方向である。
【0038】
以下、本発明の短距離光拡大モジュールの作動原理を説明する。
【0039】
光源に近い一側において、第1直線偏光方向(本実施例において、紙の表面と平行である方向)を有する光学画像は、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光片1を透過し、次に、第1位相遅延片2を通過して、偏光方向が位相が遅延された楕円偏光方向又は円偏光方向に変換される。特に、第1位相遅延片2が1/4波長片である場合、第1位相遅延片2を通過した後、当該透過した光学画像の偏光方向が円偏光方向に変換され、次に、再度結像レンズ3の第1光学面を通過して、一定の割合エネルギーの光の反射による拡大が発生し、1回目の大倍数の拡大を完了する。第2位相遅延片4を通過した後、反射した光学画像の偏光方向が楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向(本実施例において、紙の表面と垂直である方向)に変換される。前記第2直線偏光方向が第1直線
偏光方向と直交するため、第2直線偏光方向を有する当該光学画像は再び反射型偏光片1に到着したときに全反射され、反射した後の光学画像は再び第1位相遅延片2を通過するときに、偏光方向が第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換される。特に、第1位相遅延片2が1/4波長片であるときに、第1位相遅延片2を通過した後、反射した光学画像の偏光方向が円偏光方向に変換される。
【0040】
続いて、反射型偏光片1により完全に反射した当該光学画像は、再び結像レンズ3を通過する場合に、結像レンズ3の第1光学面に透過して小倍数で拡大する。小倍数で拡大された光学画像は、第2位相遅延片4を通過し、偏光方向が非第2直線偏光方向(好ましくは第1直線偏光方向)に変換され、特に、第2位相遅延片4が1/4波長片である場合、第2位相遅延片4を再び通過した後、当該光学画像の偏光方向が第1直線偏光方向に変換され、前記吸収型偏光片5が第1直線偏光方向と一致する透過方向を有するため、当該第1直線偏光方向を有する光学画像が吸収型偏光片5を通過した後に観察者の視線に入り、それにより、短距離(5cmより小さい)内で光線の大倍数の拡大が実現される。本実施例では、前記第1位相遅延片2と第2位相遅延片4は偏光に対する回転方向が一致する(すなわち前記第1位相遅延片2と第2位相遅延片4はいずれも左回転又は右回転方向である)。
【0041】
本実施例による短距離光拡大モジュールでは、反射型偏光片を光源側に近くすることにより、偏光が第1位相遅延片を通過した後に結像レンズで1回目の反射を行い、反射した後の偏光が再び第1位相遅延片を通過後に反射型偏光片で2回目の反射を行い、2回目の反射後の光線が再び結像レンズを経て屈折され、屈折後の偏光が第2位相遅延片を通過した後にて観察者の視線に入る。本発明による短距離光拡大モジュールは、光線をまず反射させて最終的に屈折させるものであり、反射は光損失がないため、従来の短距離光拡大モジュールのようにまず屈折して次に反射することにより、屈折された光線が分散して光損失を引き起こし、さらに光結像の品質へ影響を与えるという問題を避ける。光線が光学表示画面に戻ることを防止し、光損失を低減させ、光利用率と結像品質を向上させる。
【0042】
本解決方法による短距離光拡大モジュールの結像レンズの一面を第2光学面にすることによって、当該結像レンズの第2光学面と第1位相遅延片との互いの張り合わせが容易になり、さらに光線モジュールのサイズと体積を減少させる。また、当該結像レンズの第2光学面は、さらに曲面の分散程度を減少させ、光伝播の品質を確保することができ、また、第1光学面の加工に比べて、第2光学面の加工プロセスの難度が低くなり、加工コストが低い。
【0043】
好ましい実施例では、前記第1位相遅延片2と第2位相遅延片4はいずれも1/4波長片であり、このように、光学画像が二回目に反射型偏光片1に到着したときに全反射され、すなわち、この際、光学画像の偏光方向が第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換されることを確保する。
【0044】
また、結像レンズの第1光学面から一回目に透過した偏光が吸収型偏光片5に到着したときに完全に吸収されることを確保するために、光学画像が前記第1位相遅延片2と第2位相遅延片4を通過する光路差は1/2、1、2…nであり、ここで、nが整数であり、前記1/2は整数として示される)である。加工又は生産プロセスの制限により、偏光線が前記第1位相遅延片2と第2位相遅延片4を通過する光路差は調整可能な範囲にあり、当該範囲の好ましい値は0.3−0.7である。
【0045】
本実施例では、前記吸収型偏光片5は外界からの光を吸収し、外界光の表示への干渉を防止し、さらに結像品質を向上させるために用いられる。
【0046】
上記実例の他の好ましい解決方法では、図3に示すように、光モジュールのサイズと体積をさらに減少させるために、前記結像レンズ3の第2光学面と前記第1位相遅延片2とを互いに張り合わせ、前記第2位相遅延片4と前記吸収型偏光片5とを互いに張り合わせる。上述の張り合わせは、貼り付け、又は2つの光学ユニットを移動して隙間を十分に小さくすることを含むが、前記張り合わせ手段はいずれも光路の短距離光モジュールでの伝播に影響を与えることがない。
【0047】
また、図4に示すように、光モジュールのサイズをさらに減少させるために、前記結像レンズ3の第1光学面と前記第2位相遅延片4とを互いに張り合わせ、前記反射型偏光片1と前記第1位相遅延片2とを互いに張り合わせるように設置する。
【0048】
他の実現可能な実施例では、上記実施例における短距離光拡大モジュールを目の近くでの表示用の光学装置(たとえばVRメガネ)に適用する場合に、図5に示すように、当該モジュールは、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面6をさらに備え、前記光学表示画面6は前記反射型偏光片1の前記第1位相遅延片2から離れる方の一側に設置される。
【0049】
本実施例では、光学表示画面の増設により当該短距離光拡大モジュールは光学結像を実現し、VR(バーチャルリアリティー)メガネに適用されると、当該VRメガネは従来のVRメガネよりもサイズと体積が小さくなり、より軽量化され、着用の快適さが向上する。
【0050】
本発明による短距離光拡大モジュールには、位相遅延に影響を与えず、反射型偏光片1、第1位相遅延片2、結像レンズ3、第2位相遅延片4、吸収型偏光片5のうちのいずれかの隣接する2つのユニットの間に設置される光学デバイス7がさらに設けられている。図5中、当該光学デバイス7は、第1位相遅延片2と結像レンズ3との間に設置され、また、前記反射型偏光片、第1位相遅延片、結像レンズ、第2位相遅延片、吸収型偏光片と同軸上に設置される。
【0051】
本実施例による短距離光拡大モジュールでは、光学デバイスを設置することにより、短距離光拡大モジュールの実用性と柔軟性を向上させることができ、本発明による短距離光拡大モジュールが各種光学装置や機器に適用できるようにする。
【0052】
他の好ましい実施例では、光損失を低減させ、光利用率を向上させるために、上記実施例における結像レンズ3の第1光学面の曲率半径は100mm又は−100mmである。また、偏光の投射効果を強化するために、前記結像レンズ3の透過率範囲は0.2〜0.8である。
【0053】
また、図6に示すように、本発明は、他の短距離光拡大モジュールをさらに提供しており、上記実施例に比べて、本実施例の短距離光拡大モジュールは以下の点で異なる。
【0054】
本実施例では、前記第1位相遅延片2と第2位相遅延片4は偏光に対する回転方向が反対である(すなわち前記第1位相遅延片2が左回転方向である場合に、前記第2位相遅延片4が右回転方向であり、又は、前記第1位相遅延片2が右回転方向である場合に、前記第2位相遅延片4が左回転方向である)。それに対応して、本実施例では、前記吸収型偏光片5は第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向の透過方向を有し、前記第2位相遅延片4は前記結像レンズ3の第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向又は第2直線偏光方向に変換するために用いられる。
【0055】
前記光学画像は、順に前記反射型偏光片1、第1位相遅延片2、結像レンズ3、第2位相遅延片4、吸収型偏光片5を通過し、前記第1位相遅延片2はさらに、結像レンズ3により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換するために用いられ、前記反射型偏光片1はさらに、前記第1位相遅延片2により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ3は反射型偏光片1により反射した光学画像を拡大するために用いられ、前記第2位相遅延片4はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第1直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第1直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光片5を通過させる。
【0056】
前記非第1直線偏光方向は、好ましくは第2直線偏光方向である。
【0057】
図7に示すように、本実施例による短距離光拡大方法は、上記短距離光拡大モジュールに対応し、当該方法は以下のステップを含む。
【0058】
ステップS110:伝送路に沿って第1直線偏光方向を有する光学画像を出力し、第1直線偏光方向を有する前記光学画像に、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光片を通過させる。
【0059】
ステップS120:前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換し、前記光学画像を結像レンズによって反射させて拡大させる。
【0060】
ステップS130:結像レンズにより反射した前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換する。
【0061】
ステップS140:反射型偏光片が第2直線偏光方向を有する前記光学画像を反射し、当該光学画像の偏光方向を第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換する。
【0062】
ステップS150:反射型偏光片によって反射した光学画像を結像レンズで透過して拡大し、透過して拡大された光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から非第2直線偏光方向に変換し、前記非第2直線偏光方向を有する光学画像に吸収型偏光片を通過させる。
【0063】
本発明による短距離光拡大方法は、上記短距離光拡大モジュールの拡大原理に基づき、反射機能を有する光モジュールの大きな角度(透過の小角度の変化に対する)調整特性を活用して、小さな全体的な光学チャネルで大きな拡大倍数を実現し、それにより小型画面でも大きな角度の視野が可能になるという効果を実現する。目の近くの光学的には全体の輝度損失に対する感度が低いため、本発明では、全体的な光学設計に結像レンズの一部のエネルギーを捨てる方式を用いているため、最終的な表示効果に影響を与えることがない。従って、本発明は、拡大倍数が大きく全体の厚さが小さく且つほとんど位相差がない目の近くでの表示用光モジュールである。
【0064】
本実施例による短距離光拡大方法は、短距離光拡大モジュールを用いて、光学画像をまず反射させて最終的に屈折させることによって、従来の短距離光拡大モジュールのように、まず屈折させて次に反射させることにより、屈折した光線が分散して光損失を引き起こし、さらに光結像の品質へ影響を与えるという問題を避ける。
【0065】
また、図8に示すように、図6の短距離光拡大モジュールに対応し、本発明は他の短距離光拡大方法をさらに提供し、当該方法は以下のステップを含む。
【0066】
ステップS210:伝送路に沿って第1直線偏光方向を有する光学画像を出力し、第1直線偏光方向を有する前記光学画像に、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反
射型偏光片を通過させる。
【0067】
ステップS220:前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換し、前記光学画像を結像レンズによって反射させて拡大させる。
【0068】
ステップS230:結像レンズによって反射した前記光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換する。
【0069】
ステップS240:反射型偏光片が第2直線偏光方向を有する前記光学画像を反射し、当該光学画像の偏光方向を第2直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換する。
【0070】
ステップS250:反射型偏光片によって反射した光学画像を結像レンズで透過して拡大し、透過して拡大された光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から非第1直線偏光方向に変換し、前記非第1直線偏光方向を有する光学画像に吸収型偏光片を通過させる。
【0071】
本発明による短距離光拡大システムは、図9に示すように、短距離光拡大モジュール10と、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面6と、を備えており、前記短距離光拡大モジュール10は、反射型偏光層1と、第1位相遅延層2と、結像レンズ層3と、第2位相遅延層4と、吸収型偏光層5と、を備える。
【0072】
反射型偏光層1は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する。第1位相遅延層2は、反射型偏光層を透過する光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するために用いられる。結像レンズ層3は、当該楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記結像レンズは、前記第1位相遅延層に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するために用いられる。第2位相遅延層4は、前記結像レンズ層の第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向に変換するために用いられる。吸収型偏光層5は、前記第2位相遅延層の結像レンズから離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する。
【0073】
前記光学画像は、順に反射型偏光層1、第1位相遅延層2、結像レンズ層3、第2位相遅延層4、吸収型偏光層5を通過し、前記反射型偏光層1は前記第1位相遅延層により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ層3は反射型偏光層1により反射した光学画像を反射させて拡大させるために用いられ、前記第2位相遅延層4はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第2直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第2直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光層を通過させる。
【0074】
前記光学表示画面6は、前記短距離光拡大モジュール10の前記反射型偏光層1に近い一側に設置される。
【0075】
本実施例による短距離光拡大システムにおける反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層はそれぞれ、上記実例に記載の反射型偏光片、第1位相遅延片、結像レンズ、第2位相遅延片の構造位置及び機能と同様であり、光学画像の短距離光拡大モジュール10における伝播過程も、上記短距離光拡大モジュールと同様である。両方の相違点については、本実施例における短距離光拡大モジュールは、反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層を組み合わせてなる多層光学構造体であり、光学結像の品質に影響を与えずに、光拡大モジュールのサイズと体積を大幅に減少させ、重
量を軽減させ、当該光拡大ユニットを使用するVRメガネの着用時の快適性を向上させる。
【0076】
上記実施例における短距離光拡大システムは、位相遅延に影響を与えず、前記短距離光拡大モジュールと光学表示画面との間に設置される光学デバイス7をさらに備えている。前記光学デバイス7は、近視レンズ、遠視レンズ、又は乱視レンズ等を含む。また、光学ユニットのサイズと体積をさらに減少させるために、光路に影響を与えずに、前記光学デバイス7は前記短距離光拡大モジュール10と互いに張り合わされている。
【0077】
他の好ましい実施例では、前記短距離光拡大システムの短距離光拡大モジュール10は、位相遅延に影響を与えず、前記反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層、吸収型偏光層のうちのいずれか2つの層の間に設置される光学デバイス層7をさらに備えている。好ましくは、図10に示すように、当該光学デバイス層7は、第1位相遅延層2と結像レンズ層3との間に設置される。
【0078】
本解決方法による短距離光拡大システムは、位相遅延に影響を与えない光学デバイスを増設しており、当該光学デバイスの位置が自由に設定できるため、光学画像の伝送に影響を与えずに、短距離光拡大システムの実用性をさらに向上させる。
【0079】
また、本発明はさらに、別の短距離光拡大システムを提供し、前記システムは、短距離光拡大モジュール10と、第1直線偏光方向の光学画像を生成するための光学表示画面6と、を備え、前記短距離光拡大モジュール10は、第1直線偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、第1直線偏光方向と一致する透過方向を有する反射型偏光層1と、反射型偏光層1を透過する光学画像の伝送路に設置され、当該光学画像の偏光方向を第1直線偏光方向から楕円又は円偏光方向に変換するための第1位相遅延層2と、当該楕円又は円偏光方向を有する光学画像の伝送路に設置され、前記第1位相遅延層2に近い第2光学面と、前記第2光学面に対向している一部透過一部反射型光学面である第1光学面と、を含み、前記第1光学面を透過する光学画像を拡大するための結像レンズ層3と、前記結像レンズ層3の第1光学面の一側に設置され、当該光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第1直線偏光方向に変換するための第2位相遅延層4と、前記第2位相遅延層4の結像レンズ層3から離れる方の一側に設置され、第1直線偏光方向と直交する第2直線偏光方向の透過方向を有する吸収型偏光層5と、を備え、前記光学画像は順に反射型偏光層、第1位相遅延層、結像レンズ層、第2位相遅延層、吸収型偏光層を通過し、前記第1位相遅延層はさらに、結像レンズ層により反射した光学画像の偏光方向を楕円又は円偏光方向から第2直線偏光方向に変換ために用いられ、前記反射型偏光層は前記第1位相遅延層により伝送されて第2直線偏光方向を有する光学画像を反射するために用いられ、前記結像レンズ層は反射型偏光層により反射した光学画像を反射させて拡大させるために用いられ、前記第2位相遅延層はさらに、拡大された光学画像の偏光方向を非第1直線偏光方向に変換するために用いられ、当該非第1直線偏光方向を有する光学画像に前記吸収型偏光層を通過させる。
【0080】
本解決方法はさらに、別の短距離光拡大モジュールを提供し、図11に示すように、当該モジュールは、順に配置される反射型偏光片8と、結像レンズ3および吸収型偏光片5と、を備える。前記反射型偏光片8が備える2つの側面は、第1側面と、前記第1側面に対向している第2の側面であり、第1側面は光線を反射し、前記第2側面は光線を反射し且つ前記結像レンズに近く、前記結像レンズ3の2つの側面のうちの一面は第2光学面であり、前記第2光学面に対向する他の面は第1光学面であり且つ前記第1光学面の一側が前記吸収型偏光片5に近い。
【0081】
なお、前記結像レンズ3と吸収型偏光片5は上記実施例と同様であり、これらの相違点
については、当該反射型偏光片8は一方向反射機能を有し、すなわち、ダイオードの一方向導通性のように、光線が一側から反射型偏光片に入射し、当該反射型偏光片8を透過するときに反射されず、当該反射型偏光片8の他の面に、光線が前記他面から入射される場合に、全反射する。説明の便宜上、前記反射型偏光片において透過のみが発生する側面を第1側面として、反射のみが発生する一面を第2側面として定義する。また、前記結像レンズ3の2つの側面のうち、一面は平面であり、他面は一側が前記吸収型偏光片5に近い曲面である。吸収型偏光片5の2つの側面はいずれも平面である。
【0082】
本実施形態において、このような反射型偏光片の一方向反射性を利用して、第1位相遅延片と第2位相遅延片の代わりとして、短距離光拡大モジュールを設計し、直交する偏光が反射型偏光片8を通過するとき、反射が発生せず、続いて、当該偏光が結像レンズ3の曲面の一側を通過するとき、1回目の反射を行い、反射した偏光が再び反射型偏光片8に到着したとき、二回目の全反射を行い、二回目の全反射を行った偏光が結像レンズ3の曲面を二回目に通過した後で、透過して観察者の視線に入る。本実施例による光拡大モジュールは、位相遅延片の空間を省略して、さらに光モジュールのサイズと体積を減少させる。
【0083】
好ましくは、当該実施例による短距離光拡大モジュールは、光学表示画面6と位相遅延に影響を与えない光学デバイス7と、をさらに備えている。前記光学表示画面6は前記反射型偏光片8の前記結像レンズ3から離れる方の一側に設置され、前記光学デバイス7は前記光学表示画面6、反射型偏光片8、結像レンズ3、吸収型偏光片5のいずれか2つの光学デバイスの間に設置されてもよく、必要に応じて、光学デバイスの位置を自動的に設置してもよく、このように、さらに光モジュールの実用性と柔軟性を向上させる。
【0084】
光モジュールのサイズと体積をさらに減少させるために、前記光学表示画面6は前記反射型偏光片8と互いに張り合わされており、前記反射型偏光片8は前記結像レンズ3と互いに張り合わされており、前記吸収型偏光片5は前記結像レンズ3と互いに張り合わされている。
【0085】
また、上記実施例に記載の結像レンズ3又は結像レンズ層は、50%の割合で透過させて、50%の割合で反射する曲面レンズである。
【0086】
なお、本明細書において、例えば「第1」と「第2」などの関係用語は、ただ1個の物体又は操作を別の物体又は操作と区別するために過ぎず、必ずこれら物体又は操作がこのような関係或いは順番を有すると要求したり示唆したりするとは限らない。用語「含む」、「備える」又はこれらの他のいかなる変形も非排他的な包含を網羅する。例えば、列挙した構成要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの構成要素だけに限定されず、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に対して明示的に列挙していない、或いは固有の他の構成要素も含むことができる。更に多くの制限がない場合、「1個の……を含む」語句で限定する構成要素は、前記構成要素を含むプロセス、方法、物品又は装置にまた別の同じ構成要素が存在することを排除しない。
【0087】
以上は、当業者が本発明を理解又は実現できるようにするための本発明の実施形態に過ぎない。それらの実施例に対する複数の修正は当業者にとっては自明なものであり、本明細書において定義された一般的な原理は本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに、他の実施例によっても実現できる。従って、本発明は本明細書に示されているそれらの実施例に制限されず、本明細書に開示されている原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲である。
【符号の説明】
【0088】
1 反射型偏光片
1 反射型偏光層
2 第1位相遅延片
2 第1位相遅延層
3 結像レンズ層
3 結像レンズ
3 再度結像レンズ
4 第2位相遅延片
4 第2位相遅延層
5 吸収型偏光片
5 吸収型偏光層
6 光学表示画面
7 光学デバイス層
7 光学デバイス
8 反射型偏光片
10 短距離光拡大モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11