(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記供給軸の前記軸方向からみて、前記載置台が、前記供給軸の外周面の上流側と前記上流側バーの外周面の上流側とに外接する接線よりも前記搬送方向の下流側に配置されている、
請求項4または5に記載のプリンタ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。また、本明細書において「プリンタ」とは、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、ドットインパクトプリンタ、感熱式プリンタ、熱転写プリンタ等を包含する用語である。
【0011】
図1は、カッティングヘッド付きのインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」ということがある。)10の正面図である。
図2は、
図1のII−II線断面図である。
図3は、プリンタ10を背面かつ上方から見た部分斜視図であり、ロールメディア5が載置される前の状態を表している。プリンタ10は、メディア5Aに対して印刷および切断(カッティング)が可能なカッティングヘッド付きのプリンタである。なお、以下の説明において、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいるユーザ(プリンタ10の使用者)から見た左、右、上、下をそれぞれ意味し、プリンタ10からユーザに近づく方を前方、遠ざかる方を後方とする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、それぞれ前後方向、左右方向、上下方向を表すものとする。ただし、これは説明の便宜上の方向に過ぎず、プリンタ10の設置形態を何ら限定するものではない。
【0012】
なお、本明細書において「インクジェットプリンタ」とは、従来公知のインクジェット技術による印刷方法、例えば、二値偏向方式あるいは連続偏向方式等の連続方式や、サーマル方式、あるいは圧電素子方式等の各種のオンデマンド方式を利用したプリンタ全般をいう。また、本明細書において「切断」、「カッティング」とは、メディア5Aの厚み方向の全体を切断する場合(例えば、シール材の台紙および剥離紙の両方を切断する場合)と、メディア5Aの厚み方向の一部を切断する場合(例えば、シール材の台紙は切断せず、剥離紙のみを切断する場合)とが含まれる。
【0013】
プリンタ10は、ロールメディア5から巻き解かれたメディア5Aに印刷を行う。
図2に示すように、ロールメディア5は、左右方向Yに延びる供給軸32と、供給軸32に巻きつけられたメディア5Aと、で構成されている。ロールメディア5は、供給軸32の周面に帯状のメディア5Aがロール状に巻きつけられて構成されている。メディア5Aは、供給軸32に巻きつけ可能な形状のものであればよく、特に限定されない。メディア5Aは、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類はもちろんのこと、例えば、ポリ塩化ビニルやポリエステル等の樹脂製のシートやフィルム、織布や不織布等の布帛、その他の媒体であってもよい。ロールメディア5は、台紙と台紙上に積層されかつ粘着剤が塗布されている剥離紙とを有するシール材であってもよい。なお、ここではメディア5Aの長手方向が前後方向Xであり、メディア5Aの幅方向(
図1参照)が左右方向Yである。また、供給軸32の軸方向は、左右方向Yである。
【0014】
図1に示すように、プリンタ10は、ケーシング12と、左サイドカバー13Lおよび右サイドカバー13Rと、プラテン20と、ガイドレール24と、キャリッジ26と、ベルト25と、インクヘッド27と、カッティングヘッド28と、ベース70と、制御装置80と、を備えている。また、
図2に示すように、プリンタ10は、グリットローラ22と、ピンチローラ23と、メディア供給装置30と、メディア巻き取り装置40と、メディア仮置き装置50と、を備えている。
【0015】
図1に示すように、ベース70は、ケーシング12およびプラテン20等を支持するものである。ベース70は、ケーシング12およびプラテン20よりも下方に配置されている。ベース70は、第1左脚部71Lおよび第2左脚部72Lと、第1右脚部71Rおよび第2右脚部72Rと、を備えている。
図2に示すように、第1左脚部71Lおよび第1右脚部71Rは、上下方向に延びている。第2左脚部72Lは、第1左脚部71Lの下端から前後方向Xに延びている。第2右脚部72Rは、第1右脚部71Rの下端から前後方向Xに延びている。
【0016】
図1に示すように、ケーシング12は、ベース70に支持されている。詳しくは、第1左脚部71Lおよび第1右脚部71Rに支持されている。ケーシング12は、左右方向Yに延びている。左サイドカバー13Lは、ケーシング12の左端に設けられている。右サイドカバー13Rは、ケーシング12の右端に設けられている。ケーシング12には上下方向に延びる中央壁14が設けられている。中央壁14は、左右方向Yに延びている。中央壁14は、左サイドカバー13Lと右サイドカバー13Rとを連結している。なお、
図2では中央壁14の図示は省略している。
【0017】
プラテン20は、メディア5Aへの印刷および切断を行う際、メディア5Aを下方から支持するものである。プラテン20の少なくとも一部は、ケーシング12の内部に設けられている。
図1に示すように、プラテン20は、左右方向Yに延びている。
図2に示すように、プラテン20は、メディア供給装置30に対して、メディア5Aの搬送方向の下流側に配置されている。プラテン20は、メディア巻き取り装置40に対して、メディア5Aの搬送方向の上流側に配置されている。プラテン20は、メディア供給装置30およびメディア仮置き装置50よりも前方Fに配置されている。プラテン20は、メディア供給装置30およびメディア仮置き装置50よりも上方Uに配置されている。プラテン20には、ロールメディア5から巻き解かれたメディア5Aが載置される。メディア5Aへの印刷および切断は、プラテン20の上で行われる。
【0018】
図2に示すように、プラテン20には、円筒状のグリットローラ22が設けられている。グリットローラ22は、その上面部を露出させた状態でプラテン20に埋設されている。グリットローラ22は、フィードモータ(図示せず)によって駆動される。グリットローラ22は、ロールメディア5から巻き解かれたメディア5Aを前後方向Xに移動させる。グリットローラ22は、搬送装置の一例である。グリットローラ22の上方Uには、ピンチローラ23が配置されている。ピンチローラ23は、グリットローラ22に対向している。ピンチローラ23は、上下に移動可能に構成されている。ピンチローラ23が下方Dに移動すると、グリットローラ22とピンチローラ23との間にメディア5Aが挟み込まれる。グリットローラ22とピンチローラ23との間にメディア5Aが挟み込まれた状態でグリットローラ22が回転することにより、メディア5Aが搬送方向の下流側(前後方向Xの前方F)あるいは搬送方向の上流側(前後方向Xの後方Rr)に搬送される。
【0019】
図1に示すように、ガイドレール24は、中央壁14に設けられている。ガイドレール24は、プラテン20の上方Uに配置されている。ガイドレール24は、左右方向Yに延びている。ガイドレール24は、プラテン20と平行に配置されている。ガイドレール24には、キャリッジ26が係合している(
図2参照)。キャリッジ26は、ガイドレール24に沿って左右方向Yに摺動自在に構成されている。キャリッジ26の後部には、無端状のベルト25が固定されている(
図2参照)。ベルト25は、左右方向Yに延びている。ベルト25は、プラテン20と平行に配置されている。ベルト25は、ガイドレール24の右端側に配置されている駆動プーリ16Aと、ガイドレール24の左端側に配置されている従動プーリ16Bと、に巻き掛けられている。駆動プーリ16Aは、キャリッジモータ17に接続されている。キャリッジモータ17によって駆動プーリ16Aが回転すると、ベルト25が左右方向Yに走行し、ベルト25に固定されているキャリッジ26が左右方向Yに移動する。
【0020】
図1に示すように、キャリッジ26には、インクジェット式のインクヘッド27およびカッティングヘッド28が搭載されている。インクヘッド27は、プラテン20の上方Uに配置されている。図示は省略するが、インクヘッド27は、下方Dに開いた複数のノズルを備えており、それらのノズルからメディア5Aに向かってインクを吐出する。なお、インクの種類は特に限定されない。インクは、例えば紫外線が照射されると硬化するインク(いわゆるUVインク)であってもよいし、エコソルベント系等の溶剤インクであってもよい。インクヘッド27は、キャリッジ26が左右方向Yに移動すると、左右方向Yに移動する。インクヘッド27は、左右方向Yに移動しながらプラテン20上のメディア5Aに向かってインクを吐出する。
【0021】
カッティングヘッド28は、プラテン20の上方Uに配置されている。図示は省略するが、カッティングヘッド28は、メディア5Aをカットするカッターを備えている。カッティングヘッド28は、キャリッジ26が左右方向Yに移動すると、左右方向Yに移動する。カッティングヘッド28は、左右方向Yに移動しながらプラテン20上のメディア5Aをカットする。なお、本実施形態では、インクヘッド27とカッティングヘッド28とが、同一のキャリッジ26に搭載されているが、インクヘッド27とカッティングヘッド28とはそれぞれ別個のキャリッジに搭載され、相互に独立して移動するように構成されていてもよい。また、カッティングヘッド28は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。また、キャリッジ26には、インクヘッド27とカッティングヘッド28とに加えて、光(例えば紫外線)を照射する照射装置等が搭載されていてもよい。
【0022】
メディア供給装置30は、印刷前のロールメディア5を軸支するとともに、メディア5Aを供給するものである。
図1に示すように、メディア供給装置30は、ベース70に固定された右ブラケット73Rと、右ブラケット73Rに支持されたホルダー33と、ホルダー33に設けられた軸支部33Sと、を備えている。また、メディア供給装置30は、ベース70に固定された左ブラケット73Lと、左ブラケット73Lに支持されたホルダー34と、ホルダー34に設けられた軸支部34Sと、を備えている(
図2も参照)。軸支部33S、34Sは、略同一の高さに設けられている。軸支部33S、34Sには、ロールメディア5の供給軸32が着脱自在に取り付けられ、供給軸32が回転可能に支持される。軸支部33S、34Sは、プラテン20に対してメディア5Aの搬送方向の上流側で、プラテン20よりも後方Rrかつ下方Dに配置されている(
図2も参照)。軸支部33S、34Sは、メディア仮置き装置50よりも上方Uに配置されている。軸支部33S、34Sは、メディア仮置き装置50の真上に配置されている。
【0023】
図1に示すように、ホルダー33は、ホルダー34よりも右方に配置されている。
図2、
図3に示すように、ホルダー33、34は、それぞれ三角形状に形成された板状の部材である。ホルダー33、34は、後述するスライドバー51、52を介して、右ブラケット73Rおよび左ブラケット73Lに支持されている。軸支部33S、34Sは、ホルダー33、34の三角形状の頂部分に設けられている。軸支部33Sは、ホルダー34の側に向かって突出している。軸支部34Sは、ホルダー33の側に向かって突出している。
図1〜3に示すように、ホルダー33、34の三角形状の底辺にある2つの角部分(すなわち、搬送方向の上流側の角部分および下流側の角部分)には、それぞれ、スライドバー51、52が挿通される2つの挿通孔33H、34Hが貫通形成されている。
【0024】
ホルダー33、34は、スライドバー51、52にスライド自在に設けられている。ホルダー33、34は、スライドバー51、52に沿って左右方向Yの位置を変更可能なように構成されている。ホルダー33、34は、例えばロールメディア5の左右方向Yの幅に応じて、スライドバー51、52に沿って互いに接近または離反するように移動させることができる。これにより、第1ホルダー33と第2ホルダー34との左右方向Yの間隔を調整することができる。本実施形態では、プリンタ10は供給軸32を回転させるモータを備えていない。そのため、グリットローラ22が搬送方向の下流側にメディア5Aを搬送することにより、メディア5Aが供給軸32から巻き解かれ、プラテン20に向かって送り出される。なお、本実施形態のメディア供給装置30は、供給軸32を回転させるモータを備えていないが、他の実施形態において、そのようなモータを備えていてもよい。
【0025】
メディア巻き取り装置40は、印刷後のメディア5Aをロール状に巻き取るものである。
図2に示すように、メディア巻き取り装置40は、巻き取り軸41と、テンションバー42と、右支持アーム43Rと、を備えている。また、
図1に示すように、メディア巻き取り装置40は、左支持アーム43Lと、巻き取りモータ44と、を備えている。メディア巻き取り装置40は、ベース70に固定されている。詳しくは、第2左脚部72Lおよび第2右脚部72Rの上に配置されている。
図2に示すように、巻き取り軸41は、プラテン20に対して、メディア5Aの搬送方向の下流側に配置されている。巻き取り軸41は、プラテン20よりも前方Fかつ下方Dに配置されている。
図1に示すように、巻き取り軸41は、ここでは左右方向Yに延びる円筒形状である。巻き取り軸41は、メディア巻き取り装置40に着脱自在に取り付けられる。巻き取り軸41の左端部は、第2左脚部72Lに設けられた第2左側壁49Lに回転可能に支持される。巻き取り軸41の右端部は、第2右脚部72Rに設けられた第2右側壁49Rに回転可能に支持される。
【0026】
図2に示すように、テンションバー42は、巻き取り軸41に平行に配置されている。テンションバー42は、ここでは左右方向Yに延びる円筒形状である。テンションバー42は、自重を利用してメディア5Aを前斜め下方に押すことにより、メディア5Aのうち、プラテン20と巻き取り軸41との間の部分に張力を与える。左支持アーム43Lおよび右支持アーム43Rは、テンションバー42を揺動可能に支持している。
図1に示すように、左支持アーム43Lは、第1左側壁48Lに揺動可能に設けられている。右支持アーム43Rは、第1右側壁48Rに揺動可能に設けられている。巻き取りモータ44は、巻き取り軸41に連結されている。巻き取りモータ44は、第1右側壁48Rと第2右側壁49Rとの間に配置されている。巻き取りモータ44は、巻き取り軸41を回転させる。巻き取りモータ44が駆動することによって、巻き取り軸41が回転すると、巻き取り軸41にメディア5Aが巻き取られる。
【0027】
メディア仮置き装置50は、メディア供給装置30に取り付ける前のロールメディア5を一時的に載置(仮置き)するものである。
図2、
図3に示すように、メディア仮置き装置50は、2本のスライドバー51、52と、2本のスライドバー51、52に付設された2つの載置台60と、を備えている。スライドバー51、52および載置台60は、プラテン20よりも後方Rrかつ下方Dに配置されている。スライドバー51、52および載置台60は、メディア供給装置30の軸支部33S、34Sよりも下方Dに配置されている。メディア仮置き装置50には、典型的には幅方向が略水平となるようにロールメディア5が載置される。
【0028】
図2、
図3に示すように、スライドバー51、52は、それぞれ左右方向Yに延びている。スライドバー51、52は、供給軸32と平行に延びている。スライドバー51、52の左側の端部は、第1左脚部71Lに設けられた左ブラケット73Lにそれぞれ固定されている。スライドバー51、52の右側の端部は、第1右脚部71Rに設けられた右ブラケット73Rにそれぞれ固定されている。スライドバー51、52は、前後方向Xの離間した位置に並設されている。スライドバー51、52は、上下方向Zにおいて同じ高さに配置されている。スライドバー51、52は、ホルダー33、34の挿通孔33H、34Hにそれぞれ挿通されている。スライドバー51、52は、例えば鉄やステンレス鋼等の金属製である。スライドバー51、52の形状は特に限定されないが、例えば棒状である。スライドバー51、52は、ここでは直径R(前後方向Xの長さ)が20mmの円筒形状である。ただし、スライドバー51、52は、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状、板形状等であってもよい。また、スライドバー51、52は、2本には限定されない。スライドバー51、52は、支持部材の一例である。
【0029】
なお、以降の説明では、搬送方向の上流側(前後方向Xの後方Rr)に位置する、言い換えれば、プラテン20から相対的に遠い側に位置するスライドバーを「上流側スライドバー51」ということがある。また、搬送方向の下流側(前後方向Xの前方F)に位置する、言い換えれば、プラテン20に相対的に近い側に位置するスライドバーを「下流側スライドバー52」ということがある。
図2に示すように、上流側スライドバー51は、供給軸32よりも後方Rrに配置されている。下流側スライドバー52は、供給軸32よりも前方Fに配置されている。下流側スライドバー52は、上流側スライドバー51よりも下流側に配置されている。
【0030】
載置台60は、ロールメディア5が仮置きされる台座である。
図3に示すように、載置台60は、スライドバー51、52に支持されている。載置台60は、前後方向Xに延びている。載置台60は、スライドバー51、52の間を架橋するように配置されている。載置台60は、スライドバー51、52に沿って左右方向Yにスライド自在に設けられている。載置台60は、例えば樹脂製である。本実施形態において、載置台60は、例えば成型用金型を用いた一体加工により、一体成型されている。ただし、載置台60は、複数の部材を組み立てることにより構成されていてもよい。
【0031】
図4Aは、載置台60の模式的な側面図である。
図4Bは、載置台60の上面図である。
図4Cは、載置台60の下面図である。
図4Aに示すように、載置台60は、ロールメディア5が載置される上流側載置面61Uおよび下流側載置面63Uと、上流側載置面61Uの上流側(前後方向Xの後方Rr)の端部に形成されている湾曲部61Cと、下流側載置面63Uの下流側(前後方向Xの前方F)の端部に形成されている角部63Cと、スライドバー51、52に支持されるR部61Dおよび貫通孔63Dと、を備えている。
【0032】
載置台60は、上流側スライドバー51に係合する上流側部分61と、下流側スライドバー52に係合する下流側部分63と、上流側部分61と下流側部分63とを連結する中間部分62と、に区画されている。本実施形態では、載置台60を前後方向Xに2分したときに、上流側部分61および中間部分62が、相対的に上流側に位置する第1部分であり、下流側部分63が、相対的に下流側に位置する第2部分である。載置台60は、前後方向Xに非対称な形状を有している。これにより、例えばプリンタ10の製造時に、前後方向Xを誤った状態で載置台60を組み付けることが抑えられる。載置台60は、プリンタ10に取り外しができないように組み付けられていてもよい。
【0033】
スライドバー51、52に支持されている状態で、載置台60の上流側部分61と下流側部分63とは、中間部分62に比べて、スライドバー51、52からの上下方向Zの位置が高い。これにより、載置台60の上面にロールメディア5を載置したときに、ロールメディア5の位置を安定させることができる。上下方向Zにおいて、上流側部分61の最も高い位置は、下流側部分63の最も高い位置よりも低い。載置台60のなかで最も高い位置は、下流側部分63にある。また、上下方向Zにおいて、上流側部分61の最も高い位置から上流側スライドバー51の上下方向Zの中心線への垂直長さL1Zは、下流側部分63の最も高い位置から下流側スライドバー52の中心線への垂直長さL3Zよりも短い。すなわち、L1Z<L3Zである。これにより、載置台60によってバックフィードされたメディア5Aの移動が一層妨害されにくくなる。特に限定されるものではないが、上記垂直長さL1Zおよび/またはL3Zは、スライドバー51、52の直径Rよりも長くてもよい。これにより、載置台60上でのロールメディア5のぐらつきを抑えて、ロールメディア5の位置をより安定させることができる。
【0034】
図4Aに示すように、上流側部分61と下流側部分63との上面には、それぞれ、上流側載置面61Uと下流側載置面63Uとが設けられている。上流側載置面61Uおよび下流側載置面63Uは、載置台60の上にロールメディア5が載置されたときに、ロールメディア5と接触する。本実施形態において、上流側載置面61Uおよび下流側載置面63Uは、ロールメディア5が載置される載置面の一例である。
【0035】
上流側載置面61Uには、スライドバー51、52に支持されている状態で、中間部分62の上流側の端部から後斜め上方に延びる傾斜面61Sと、傾斜面61Sの上流側の端部から延び、上方Uに向かって湾曲した湾曲部61Cと、が形成されている。傾斜面61Sでは、中間部分62の上流側の端部から湾曲部61Cに向かって、上下方向Zの位置が徐々に高くなっている。傾斜面61Sの前後方向Xの長さは、ロールメディア5の外形に基づいて設定されている。傾斜面61Sの前後方向Xの長さは、想定される最も大きなロールメディア5を安定的に保持するために必要な長さ(後述する傾斜面61Sの長さ)に加えて、ロールメディア5の転がり防止のために必要な長さが確保され、設定されている。これにより、ロールメディア5の位置をより安定させることができる。また、ロールメディア5に対する接触可能な面積が大きくなって、ロールメディア5を載置したときにロールメディア5のぐらつきを抑えることができる。
【0036】
湾曲部61Cは、後述する角部63Cに比べて緩やかに湾曲している。湾曲部61Cの曲率は、上流側スライドバー51の曲率と同じかそれよりも小さいとよい。湾曲部61Cは、上流側端面61Eに連結されている。上流側載置面61Uには、凸形状の部分(例えば、上面から鋭角に突出した部分)が形成されていない。
【0037】
下流側載置面63Uには、スライドバー51、52に支持されている状態で、中間部分62の下流側の端部から前斜め上方に延びる傾斜面63Sと、傾斜面63Sの下流側の端部から延び、上方Uに向かって突出した角部63Cと、が形成されている。角部63Cは、ロールメディア5の前方Fへの転がりを防止する堰として機能する。傾斜面63Sでは、中間部分62の下流側の端部から角部63Cに向かって、上下方向Zの位置が徐々に高くなっている。ここでは、傾斜面63Sの絶対傾斜角(水平からの傾き)が、傾斜面61Sの絶対傾斜角と同じである。傾斜面63Sの前後方向Xの長さは、ロールメディア5の外形に基づいて設定されている。傾斜面63Sの前後方向Xの長さは、想定される最も大きなロールメディア5を安定的に保持するために必要な長さを考慮して設定されている。これにより、ロールメディア5の位置をより安定させることができる。また、ロールメディア5に対する接触可能な面積が大きくなって、ロールメディア5を載置したときにロールメディア5のぐらつきを抑えることができる。
【0038】
角部63Cは、所定の屈曲角度θを有している。屈曲角度θは、傾斜面63Sと載置台60の下流側端面63Eとのなす角である。屈曲角度θは特に限定されないが、ここでは略直角(90°)である。ただし、屈曲角度θは、例えば鈍角(90°<θ<180°)であってもよい。角部63Cは、下流側端面63Eに連結されている。下流側端面63Eは、角部63Cから前斜め下方に傾斜している。下流側端面63Eは、載置台60を一体成型するための抜き勾配を有する。
【0039】
図4Bと
図4Cとの比較からわかるように、上流側載置面61Uは、上流側部分61の下面に比べて凹凸が少なく、平坦に形成されている。同様に、下流側載置面63Uは、下流側部分63の下面に比べて凹凸が少なく、平坦に形成されている。中間部分62の上面は、ロールメディア5と接触してもよいし接触しなくてもよい。中間部分62の上面は、ここでは平坦である。ただし、中間部分62の上面は、V字状やU字状の断面形状に形成されていてもよい。
【0040】
図4Aに示すように、上流側部分61には、上流側スライドバー51に倣う弧状のR部61Dが形成されている。R部61Dは、載置台60の上にロールメディア5が載置されたときに、上流側スライドバー51に接触する。R部61Dは、載置台60を上流側スライドバー51に係止する。R部61Dの曲率は、ここでは上流側スライドバー51の曲率と同じである。R部61Dは、上流側スライドバー51の最も高い位置51Tと接触する。平面視において、R部61Dは、上流側スライドバー51の最も高い位置に重なる。R部61Dは、上流側スライドバー51の外周面のうち、1/4以上を覆っているとよい。R部61Dは、ここでは上流側スライドバー51の外周面のうち、搬送方向の下流側(前後方向Xの前方F)かつ上下方向Zの上側にあたる1/4の外周面と接触している。R部61Dは、上流側スライドバー51の外周面のうち、搬送方向の上流側(前後方向Xの後方Rr)の外周面とは接触していない。このため、載置台60の上流側の端部は、上流側スライドバー51の上流側の端部よりも、下流側に位置している。載置台60は、上流側スライドバー51よりも後方Rrにはみ出していない。これにより、バックフィードされたメディア5Aが、上流側部分61に引っかかりにくくなる。
【0041】
R部61Dの長さ(R部61Dがスライドバーを覆う領域の前後方向Xの長さ)は、上流側スライドバー51の直径をRとしたときに、πR/4以上であるとよい。これにより、載置台60にロールメディア5を載置したときに、ロールメディア5の位置をより安定させることができる。一方で、R部61Dの長さが長くなればなるほど後方Rrへの上流側部分61の突出量が多くなり、メディア5Aをバックフィードさせた際のメディアの経路と干渉しやすくなる。R部61Dは、最大で上流側スライドバー51の外周の1/2未満を覆うことが可能であるが、上流側スライドバー51の外周の1/4を少し超える程度で覆うことが好ましい。これにより、バックフィードされたメディア5Aの経路をより適切に確保することができる。
【0042】
下流側部分63には、貫通孔63Dが形成されている。貫通孔63Dは、下流側スライドバー52の外径以上の直径を有し、左右方向Yに貫通している。貫通孔63Dは、下流側スライドバー52の全周を囲んでいる。貫通孔63Dの上半分は下流側スライドバー52に接触している。貫通孔63Dは、下流側スライドバー52の最も高い位置52Tと接触する。貫通孔63Dには、下流側スライドバー52がスライド自在に貫通している。載置台60は、下流側スライドバー52を軸にして前後方向Xに回転可能なように設けられている。なお、貫通孔63Dは、下流側スライドバー52の全周を囲むものでなくてもよく、例えば、下流側スライドバー52の上半分のみ、あるいは、上半分および下半分の一部分のみ、を囲むものであってもよい。
【0043】
図4Cに示すように、上流側部分61および下流側部分63の下面には、左右方向Yに沿った第1リブG1と、前後方向Xに沿った第2リブG2と、が形成されている。これにより、載置台60の剛性を確保することができ、例えばメディア径が大きなロールメディア5や重量のあるロールメディア5についても仮置きすることができる。
【0044】
図4Dは、載置台60の下流側部分63を上下方向Zに垂直に切断した側面図である。
図4Eは、
図4Dの切断面を表す断面図である。
図4D、
図4Eに示すように、下流側部分63の断面は、左右方向Yに対向配置されている一対の側面63R、63Lを有する。側面63R、63Lは、断面が台形状である。側面63R、63Lは、載置台60を一体成型するための抜き勾配を有する。側面63R、63Lは、それぞれ、底辺から上方に向かって傾斜する内壁63R1、63L1を有する。側面63R、63Lは左右方向Yに離間されており、側面63R、63Lの間にはスペース63Mが設けられている。スペース63Mの下方Dには、貫通孔63Dが位置している。スペース63Mは、離型時に成形型を抜くためのものである。左右方向Yにおいて、スペース63Mの最も狭い部分の長さLY1は、貫通孔63Dの長さL2Yよりも長い。載置台60は、例えば、成型上型と成型下型との2つの型枠からなる成形型に樹脂を充填して、当該樹脂を硬化させた後、成形型を上下方向Zに抜くことで、作製することができる。
【0045】
載置台60を使用して、メディア供給装置30にロールメディア5を取り付ける場合、ユーザは、まずロールメディア5を持ち上げて、メディア仮置き装置50の載置台60の上に仮置きする(
図5参照)。次に、スライドバー51、52の前後方向Xの間(スライドバー51、52と載置台60に仮置きされたロールメディア5との間に形成される隙間)に手を入れて、載置台60の上に仮置きしたロールメディア5の一端(右端部あるいは左端部)を上方Uに押し上げる。そして、ロールメディア5の供給軸32の一端をメディア供給装置30の第1ホルダー33または第2ホルダー34に取り付ける。次に、載置台60の上に仮置きしたロールメディア5の他端を上方Uに押し上げて、ロールメディア5の供給軸32の一端をメディア供給装置30の第1ホルダー33または第2ホルダー34に取り付ける。このようにして、ロールメディア5をメディア供給装置30に取り付けることができる。
【0046】
なお、メディア径が顕著に大きな(規格外の)特大ロールメディアを用いる場合、載置台60の上に特大ロールメディアを仮置きすると、特大ロールメディアの供給軸の高さがメディア供給装置30のホルダー33、34の高さよりも高くなることがある。このような場合は、特大ロールメディアをメディア仮置き装置50に仮置きする前に、
図6に示すように、下流側スライドバー52を軸にして載置台60を前方Fに回転させる。すると、載置台60は、上流側部分61を下にして下流側スライドバー52からぶら下がり、自重と釣り合う位置で静止する。載置台60は、上流側端面61Eが下流側端面63Eよりも下方に位置する状態、例えば、上流側端面61Eが貫通孔63Dよりも下方に位置する状態で静止する。これにより、載置台60をプリンタ10から完全に取り外すことなく、スライドバー51、52の上から退避させることができる。そして、この状態で、特大ロールメディアをメディア仮置き装置50のスライドバー51、52の上に直に仮置きし、スライドバー51、52の上に仮置きした特大ロールメディアの両端をメディア供給装置30のホルダー33、34に取り付けることができる。
【0047】
制御装置80は、プリンタ10の各部の動作を制御する。制御装置80は、キャリッジ26のキャリッジモータ17と、グリットローラ22のフィードモータと、インクヘッド27と、カッティングヘッド28と、メディア巻き取り装置40の巻き取りモータ44と、に電気的に接続され、それらを制御するように構成されている。
図1に示すように、制御装置80は、印刷制御部81と、カッティング制御部82と、バックフィード部83と、を備えている。
【0048】
印刷制御部81は、メディア5Aに対する印刷動作を制御するように構成されている。印刷制御部81は、キャリッジモータ17の駆動を制御して、インクヘッド27の左右方向Yへの移動を制御する。印刷制御部81は、フィードモータの駆動を制御して、メディア5Aの搬送方向(例えば前後方向Xの前方Fおよび後方Rr)への移動を制御する。印刷制御部81は、インクヘッド27がメディア5Aに対してインクを吐出するタイミングや、インクの吐出量を制御する。印刷制御部81は、巻き取りモータ44の駆動を制御することで、巻き取り軸41を回転させ、メディア5Aを巻き取り軸41に巻き取る。
【0049】
カッティング制御部82は、メディア5Aに対するカッティング動作を制御するように構成されている。カッティング制御部82は、キャリッジモータ17の駆動を制御して、カッティングヘッド28の左右方向Yへの移動を制御する。カッティング制御部82は、フィードモータの駆動を制御して、メディア5Aの搬送方向(前後方向Xの前方Fおよび後方Rr)への移動を制御する。カッティング制御部82は、カッティングヘッド28の上下方向Zの移動や、カッターの圧力を制御する。カッティング制御部82は、巻き取りモータ44の駆動を制御することで、巻き取り軸41を回転させ、メディア5Aを巻き取り軸41に巻き取る。
【0050】
バックフィード部83は、例えば、印刷制御部81の動作の前、印刷制御部81の動作の後、カッティング制御部82の動作の前、あるいは、カッティング制御部82の動作の後等のタイミングで、フィードモータの駆動を制御して、印刷制御部81の動作に伴って下流側に搬送されたメディア5Aを搬送方向の上流側(前後方向Xの後方Rr)に移動させるように構成されている。
【0051】
制御装置80の構成は特に限定されない。制御装置80は、典型的にはコンピュータである。制御装置80は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データやカッティングデータ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、各種データを格納するメモリ等の記憶媒体と、を備えている。
【0052】
図7は、バックフィード部83によってメディア5Aが上流側にバックフィードされたときの状態を表す断面図である。すなわち、プリンタ10の制御の一例では、印刷制御部81が、印刷時にメディア5Aをグリットローラ22で搬送方向の下流側(前後方向Xの前方F)に搬送する。印刷が終了すると、バックフィード部83が、印刷時とは逆方向にグリットローラ22を回転させる。このことで、メディア5Aが、搬送方向の上流側(前後方向Xの後方Rr)にバックフィードされる。本実施形態では、プリンタ10が供給軸32を回転させるモータを備えていない。そのため、バックフィードによってプラテン20から後方Rrへ戻されたメディア5Aは、供給軸32に巻かれず、
図7に示すように、プラテン20とロールメディア5との間に撓んだ状態になる。
【0053】
本実施形態のプリンタ10では、メディア仮置き装置50の載置台60が搬送方向に非対称の形状を有し、上流側載置面61Uの上流側の端部(湾曲部61C)が下流側載置面63Uの下流側の端部(角部63C)に比べて湾曲している。湾曲部61Cは、角部63Cと異なり、尖った部分がないので、メディア5Aが上流側部分61に引っかかりにくくなる。また、本実施形態のプリンタ10では、供給軸32の外周面の上流側と、上流側スライドバー51の外周面の上流側と、に外接する接線Tよりも搬送方向の上流側には、載置台60が張り出していない。このため、バックフィードされたメディア5Aは、載置台60の湾曲部61Cの湾曲に沿って、折れ曲がることなく下流側へ誘導される。また、湾曲部61Cが湾曲形成されているので、湾曲形成されていない場合に比べて、湾曲部61Cの搬送方向の上流側への突出量を小さくできる。よって、バックフィードされたメディア5Aの経路が載置台60で塞がれにくくなる。そのため、メディア5Aに折れや撚れが生じることを抑制することができる。
【0054】
なお、参考用として、
図8には、特許文献1に記載されるような従来の載置台160の断面図を表している。
図8の載置台160は、搬送方向(前後方向X)に対称の形状を有している。載置台160は、搬送方向の両端部(前方Fおよび後方Rr)に、上下方向Zに延びる側壁部分160F、160Rrを備える。これにより、載置台160では、上面160Uの面積を広く確保して、ロールメディア105との接地面積を広げ、ロールメディア105を安定的に載置するようにしている。しかし、このような構成では、メディアが上流側(前後方向Xの後方Rr)にバックフィードされたときに、ロールメディア105と載置台160とが干渉するだけなく、上下方向Zに延びる側壁部分160Rrの角部分によってロールメディア105に折れが発生する可能性が大きい。よって、載置台160を備えたプリンタでは、本実施形態のプリンタ10に比べて、相対的に載置台160とメディアとが干渉するリスクは高いと考えられる。
【0055】
また、本実施形態によれば、載置台60は、上流側(前後方向Xの後方Rr)と下流側(前後方向Xの前方F)とが異なる形状に形成されている。これにより、上流側と下流側とが同じ形状に形成されている場合に比べて、プリンタ10の製造時における誤組み付け(すなわち、前後方向Xを誤った状態で載置台60を組み付けてしまうこと)を抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、載置台60は、下流側載置面63Uの下流側(前後方向Xの前方F)の端部に、上流側(前後方向Xの後方Rr)に比べてスライドバー51、52からの高さが高く設定された角部63Cを備える。本実施形態では、上流側載置面61Uに湾曲部61Cを備えているため、湾曲部61Cを備えていない場合に比べて、上流側載置面61Uでロールメディア5の移動可能な範囲が狭くなっている。よって、ロールメディア5が下流側(前後方向Xの前方F)に転がり易くなっている。ロールメディア5の転がり方向である下流側(前後方向Xの前方F)に角部63Cを備えることで、ロールメディア5を載置台60に載置するときに、ロールメディア5が転がりにくくなる。これにより、ロールメディア5が勢い余って載置台60から落下するリスクを低減することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、供給軸32の軸方向からみて、載置台60の上流側(前後方向Xの後方Rr)の端部は、上流側スライドバー51の上流側(前後方向Xの後方Rr)の端部よりも、下流側(前後方向Xの前方F)に位置している。これにより、バックフィードされたメディア5Aが、より載置台60の上流側部分61に引っかかりにくくなり、バックフィードされたメディア5Aの経路をより適切に確保することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、支持部材は、それぞれ供給軸32と平行に延び、互いに並設されているスライドバー51、52である。スライドバー51、52は、最も上流側(前後方向Xの最も後方Rr)に配置されている上流側スライドバー51を含む。上流側スライドバー51は、外周面が円形状に形成されており、供給軸32の軸方向からみて、載置台60の湾曲部61Cの曲率が、上流側スライドバー51の曲率と同じである。これにより、バックフィードされたメディア5Aは、その折れ角度が緩やかになるように上流側へ案内される。したがって、メディア5Aをよりスムーズに上流側へ移動させることができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、供給軸32の軸方向からみて、載置台60が、供給軸32の外周面の上流側(前後方向Xの後方Rr)とスライドバー51の外周面の上流側(前後方向Xの後方Rr)とに外接する接線Tよりも下流側(前後方向Xの前方F)に配置されている。これにより、バックフィードされたメディア5Aの経路をより適切に確保することができるので、メディア5Aに折れや撚れが生じることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、支持部材は、スライドバー51よりも下流側(前後方向Xの前方F)に配置されている下流側スライドバー52を含む。載置台60の被支持部は、下流側スライドバー52の外径以上の直径を有して軸方向に貫通している貫通孔63Dを有する。下流側スライドバー52は、貫通孔63Dに挿通されている。これにより、載置台60が、ロールメディア5を載置台60に載置するときの勢いで、スライドバー51、52からずれたり落下したりすることを防止することができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、載置台60は、下流側スライドバー52に回転可能に支持されており、下流側スライドバー52を軸にして前方Fに回転させることにより、上流側端面61Eが貫通孔63Dよりも下方に位置する状態で、下流側スライドバー52にぶら下がる。これにより、載置台60を使用しない時、例えばメディア径の大きな特大ロールメディアを用いて印刷を行う場合には、載置台60をプリンタ10から完全に取り外すことなく、スライドバー51、52の上から退避させることができる。このため、取り外した載置台60の置き場所に困ったり、載置台60を紛失したりすることがない。また、再び載置台60を使用する時には、下流側スライドバー52を軸にして載置台60を後方Rrに回転させることで、載置台60を容易にスライドバー51、52の上へと戻すことができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、プリンタ10は、メディア供給装置30よりも下流側(前後方向Xの前方F)に配置され、印刷時にメディア5Aが載置されるプラテン20と、プラテン20に載置されたメディア5Aを切断するカッティングヘッド28と、をさらに備える。このような場合、例えば印刷動作の終了時に、メディア5Aが大きくバックフィードされることが考えられる。そのため、ここに開示される技術の効果がより良く発揮される。
【0063】
以上、本実施形態に係るプリンタ10について説明した。しかし、プリンタ10は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を、他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、上記した実施形態と以下の変形態様とを適宜組み合わせることもできる。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【解決手段】本発明に係るプリンタは、ロールメディア5の供給軸32を回転可能に支持する軸支部34Sを備えたメディア供給装置30と、軸支部34Sよりも下方に配置され、メディア供給装置30に取り付ける前のロールメディア5が一時的に載置されるメディア仮置き装置50と、供給軸32から巻き解かれたメディア5Aを、供給軸32の軸方向Yと直交する搬送方向Xに搬送する搬送装置と、を備える。メディア仮置き装置50は、軸方向Yに延びる支持部材51、52と、載置台60と、を備える。載置台60は、支持部材51、52に支持される被支持部61D、63Dと、ロールメディア5が載置される載置面61U、63Uと、載置面61Uの搬送方向Xにおける上流側の端部で上向きに湾曲する湾曲部61Cと、を備える。