特許第6641091号(P6641091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641091
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】生体電極
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0478 20060101AFI20200127BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20200127BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20200127BHJP
   A61B 5/0402 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   A61B5/04 300F
   A61B5/04 300J
   A61B5/04 300Q
   A61B5/04 300N
   A61B5/04 310A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-41998(P2015-41998)
(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-158964(P2016-158964A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】595151501
【氏名又は名称】株式会社メッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】福田 充宏
【審査官】 ▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭59−035202(JP,Y2)
【文献】 実開平02−001102(JP,U)
【文献】 実開昭56−006405(JP,U)
【文献】 特表平10−502280(JP,A)
【文献】 特開昭63−049136(JP,A)
【文献】 特開平08−131557(JP,A)
【文献】 実開平07−027506(JP,U)
【文献】 実開平06−044507(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3004517(JP,U)
【文献】 米国特許第04469105(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/04−5/0496
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に貼り付ける導電部材と、
リード線を介して生体信号測定器と電気接続する電極部とを備える生体電極において、
袋状のゴム状弾性体でなり、押圧により圧縮変形したり、押圧を止めて復元したりすることで、前記導電部材を前記電極部に対して着脱可能とする吸引操作部を備え、
前記導電部材は、粘着ゲルであり、
前記電極部は、
前記粘着ゲルが接触できるよう凹状の曲面でなる保持面と、
前記吸引操作部と前記保持面とを連通する通気孔とを有しており、
前記吸引操作部を操作して前記粘着ゲルを吸い上げて前記保持面に貼り付けて保持した状態で前記被験者に前記粘着ゲルを貼り付けることを特徴とする生体電極。
【請求項2】
前記リード線を保持しており前記電極部に装着したリード線保持部を備え、
前記リード線保持部は、前記保持面の外周を包囲する請求項1記載の生体電極。
【請求項3】
前記電極部は、
前記保持面を有する粘着ゲル保持部と、
前記吸引操作部が着脱可能として凹凸係合する装着部とを有する
請求項1又は請求項2記載の生体電極。
【請求項4】
前記導電部材は、前記電極部に対して貼り付けられる粘着部と、該粘着部よりも粘着力が弱い非粘着部とを有する
請求項1〜請求項3何れか1項記載の生体電極。
【請求項5】
前記吸引操作部が、
前記電極部の側から伸長する円筒状の筒状部と、前記筒状部の端から、伸長してラッパ状に広がる拡径部とを有する軸部と、
前記拡径部の端部を閉塞する笠状操作部とを有しており、
該笠状操作部が、弾性変形により圧縮変形し、
前記導電部材と前記拡径部との間は、作業者の指が入る長さを有する
請求項1〜請求項4何れか1項記載の生体電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者に貼り付けて生体信号を取り出す生体電極に関する。この技術は特に心電計用電極、脳波測定用電極に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
心電計用電極や脳波測定用電極等の生体信号を取得する生体電極の中には、使い捨てを前提とせず、複数の被験者に使いまわすものがある。しかし、生体電極は被験者の皮膚に直接接触して生体信号を取得することから、被験者間での交差感染が生じる場合があり、衛生面で課題がある。
【0003】
そこで、最近では皮膚に貼り付けることができ、電気装置に繋がるリード線と接続可能なゲル部を備える電極が提案されている(例として特許文献1)。この電極は、被験者に貼り付けた導電性のゲル部に固定することでリード線を皮膚に対して保持し、生体信号の測定を行うことができる。測定終了後にはゲル部からリード線を取り外し、被験者ごとに新しいゲル部を使用することができる。よって、上記のような交差感染の発生を抑制できるため、衛生面で大きなメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−207984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ゲル部は強い粘着力と柔軟性を有しているために、作業者の手に貼り付きやすい場合がある。一度ゲル部が手に貼り付くと容易には剥がすことができず、取扱性の面で課題がある。また、こうした事態によって測定作業を効率的に行えなくなることは、作業者にとっても被験者にとっても大きなストレスになる、という課題もある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、取扱性がよく、作業者や被験者にとって測定時のストレスが小さい生体電極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明は以下のように構成される。
本発明は、被験者に貼り付ける導電部材と、リード線を介して生体信号測定器と電気接続する電極部とを備える生体電極について、袋状のゴム状弾性体でなり、押圧により圧縮変形したり、押圧を止めて復元したりすることで、前記導電部材を電極部に対して着脱可能とする吸引操作部を備えることを特徴とする生体電極を提供する。
【0008】
本発明の導電部材は、電極部と被験者の皮膚との間に導電部材を介在させることで、電極部と被験者の皮膚とが直接接触しないようにすることができる。そして、この導電部材を電極部に対して着脱可能とすることで、直接被験者に触れる導電部材のみを使い捨てとすることができる。よって、被験者ごとに導電部材を交換することで、交差感染の発生等を抑制することができる。
【0009】
また本発明では、吸引操作部によって電極部が導電部材を吸引することができる。即ち、まず押圧により吸引操作部の内部の空気を排出して圧縮変形させ、押圧を止めて吸引操作部に空気を吸引させながら形状を復元させる。そして、この際に吸引操作部の内部に生じる陰圧による吸引力で電極部に対して導電部材を吸い付けたり、さらに導電部材を介して被験者の皮膚を吸い付けたりすることができる。電極部から導電部材を剥がす場合には、再度、吸引操作部を押圧して圧縮変形させることで、吸引操作部の内部の空気を噴出する。これにより、陰圧による吸引力を解除して導電部材を電極部から剥離することができる。
【0010】
前記導電部材はシート状の導電部材として構成できる。こうすることで、被験者からの生体信号を電極部で取得することができる。
【0011】
前記導電部材は厚み方向で通気性が無いものを利用できる。これによれば、吸引操作部による吸引力によって電極部に対して導電部材を吸着して保持することができる。そのため、例えば電極部に対して導電部材を保持した状態で、作業者が導電部材に触れることなく被験者に導電部材を付けたり剥がしたりすることができる。よって、作業者にとっての取扱性を高め、作業効率を上げることができる。効率よく作業を行うことで、作業者や被験者にとっての測定時のストレスを軽減することができる。また、直接被験者の皮膚を吸引することなく、導電部材を被験者に貼り付けることで電極部を被験者に対して保持することができるため、被験者にとってのストレスを軽減することができる。さらに、吸引操作部の内部と被験者の皮膚を通気性が無い導電部材で遮断することができるため、被験者の皮膚に付着しているバクテリアや真菌、被験者の皮膚片や皮脂等が吸引操作部の内部に入り込み難くすることができる。よって、吸引操作部の内部にバクテリア等が繁殖したり、皮膚片等が付着したりするといった事態の発生を抑制できる。
【0012】
前記導電部材は厚み方向で通気性を有するものを利用できる。これによれば、吸引操作部による吸引力によって、通気性の導電部材を介して電極部に被験者の皮膚を吸着して保持することができる。したがって、例えば被験者に導電部材を付けた状態で、電極部を導電部材を介して被験者に付けたり剥がしたりすることができる。よって、作業者が導電部材に触れることなく電極部を被験者に対して付けたり剥がしたりできるため、作業者にとっての取扱性を高めることができる。効率よく作業を行うことで、作業者や被験者にとっての測定時のストレスを軽減することもできる。またこの方法によれば、電極部が被験者の皮膚に直接接触しないため、被験者の皮膚に例えば痕が残るほど強く吸着することを抑えることができ、被験者のストレスを軽減することができる。こうした通気性を有する導電部材の例としては、例えば導電性のウレタンなどの発泡体を素材とすることができる。また他の例としては、貫通孔を有する粘着性のシートとすることもできる。
【0013】
前記本発明の導電部材は、粘着ゲルであるものとすることができる。
【0014】
こうすることで、安価であり、容易に電極部に対して貼り付け可能な導電部材とすることができる。また、粘着ゲルを被験者の皮膚や電極部に対して密着させることで、間に間隙が生じないように確実に取り付けることができる。
【0015】
前記本発明の電極部は、導電部材の保持面と、前記保持面に開口部を有し、該開口部と前記吸引操作部の内部とを連通する通気孔とを有するものとすることができる。
【0016】
電極部に導電部材の保持面を設けることで、導電部材を面で保持することができる。よって、点や線で保持するよりも、より安定した状態で導電部材を電極部に対して保持することができる。また、吸引操作部の内部の空気が出入りする開口部を保持面に設けることで、より確実に導電部材を保持面に吸着させて保持することができる。導電部材において保持面と接触する部分の面積は、保持面の面積と同じか、または、保持面の面積よりも大きいことが好ましい。しかし、電極部が被験者に接触しなければ、前記導電部材において保持面と接触する部分の面積は保持面の面積よりも小さくても良い。
【0017】
前記本発明の導電部材は、前記電極部に対して貼り付けられる粘着部と、該粘着部よりも粘着力が弱い非粘着部とを有するものとすることができる。
【0018】
このように非粘着部を設けることで、作業者が触れても手に貼り付かない箇所とすることができる。よって、作業者にとっての取扱性を向上させることができる。また、導電部材を保管する際には、電極部や被験者と接触する箇所に保護フィルムを貼り付けておく場合がある。こうすることで、導電部材にごみやほこりなどの異物が付着したり、意図せず導電部材に接触したりすることを防ぐことができる。この保護フィルムは、導電部材を使用する際に導電部材から剥がす場合がある。そこで本発明のように、導電部材が粘着部よりも粘着力が低い非粘着部を設けることで、この非粘着部から保護フィルムを剥がしやすくすることができる。
【0019】
前記本発明の吸引操作部が、前記電極部の側から伸長してラッパ状に広がる拡径部を有する軸部と、前記拡径部の端部を閉塞する笠状操作部とを有しており、該笠状操作部が、弾性変形により圧縮変形するものとすることができる。
【0020】
吸引操作部が大型化すると、リード線が吸引操作部に引っ掛かったり、互いに近接する複数の測定位置に複数の生体電極を取り付ける場合に吸引操作部が邪魔になったりしやすいため、測定作業が効率的に行えなくなる場合がある。また、吸引操作部が大型化すると吸引力が大きくなり過ぎて導電部材に損傷を与えたり、重量が増えて自重で生体電極自体が被験者の皮膚から剥がれたりしやすくなる場合もある。したがって、これらを考慮すると、吸引操作部の大きさとしては、高さ方向の長さが短く、全体としても小型化する方が都合が良いことがある。しかし、吸引操作部を小型化し過ぎると今度は作業者が押圧操作し難くなるなど、取扱性が低下してしまう。また、内部空間の容積が減るため、導電部材を保持するための吸引力が弱くなってしまう場合もある。そのため、吸引操作部としては、導電部材を保持するための吸引力を確保しつつ、作業者が押圧操作しやすい大きさや形状を有する必要がある。
【0021】
そこで、前記本発明では吸引操作部が、前記電極部の側から伸長してラッパ状に広がる拡径部を有する軸部と、前記拡径部の端部を閉塞する笠状操作部とを有しており、該笠状操作部が、弾性変形により圧縮変形するものとすることができる。こうすることで、吸引操作部を高さ方向で小型化しつつ容積を大きくすることができるため、導電部材に対する十分な吸引力を発揮することができる。
【0022】
押圧操作の方法としては、吸引操作部の高さ方向や幅方向で圧縮変形させることができる。特に、作業者は通常、台の上に寝かされた状態の被験者に生体電極を取り付ける。その際、作業者の目の高さは取付位置よりも上にあり、その取付け位置よりも上側から生体電極を皮膚に載せるように取り付ける。よって、作業者にとっては吸引操作部を上側から下側に向けて押圧し、高さ方向で圧縮変形させる作業を行いやすいため、導電部材や被験者に対して電極部を取り付ける作業を楽に行うことができる。このように吸引操作部を高さ方向で圧縮変形させる場合には、例えば導電部材と拡径部との間に人差し指と中指を挿入してそれら2本の指で軸部を挟み、さらに親指を笠状操作部の頂部側に当てて、親指と人差し指の間や、親指と中指の間で吸引操作部を押圧することができる。この方法により、より楽な姿勢で、強い力を指先に加えることなく吸引操作部を圧縮変形させることができる。
これらにより、吸引操作部を単に球状にする場合と比較してより高さ方向で小型化しつつ、導電部材の吸引力と取扱い性を確保することが可能となる。
【0023】
前記本発明の電極部と前記吸引操作部が相互に着脱可能に凹凸係合する装着部を有するものとすることができる。
【0024】
こうすることで、吸引操作部を電極部から脱離してそれぞれを別々に洗浄したり、汚れや損傷が生じた吸引操作部だけを取り換えたりすることが容易に可能となる。従って、より衛生面で有利な生体電極とすることができる。また、電極部と前記吸引操作部が相互に着脱可能に凹凸係合する装着部を有することで、吸引操作部を電極部に確実に装着することができる。さらに、このように凹凸係合することで、電極部と吸引操作部の接触部分の気密性を高めて吸引操作部からの空気を装着部で漏らすことなく排出することができる。
【0025】
前記本発明の電極部は、前記リード線を着脱可能に保持するリード線保持部を備えるものとすることができる。
【0026】
こうすることで、リード線を電極部に対して確実に保持することができる。また、リード線保持部を弾性体でなるものとし、電極部に対して着脱可能に保持されるものとすることで、リード線保持部に汚れや損傷が生じた場合にリード線保持部のみを電極部から取り外して洗浄したり交換したりすることができる。
【0027】
前記本発明の電極部は、導電部材の保持面を有し、当該保持面が凹状の曲面であるものとすることができる。
【0028】
電極部が導電部材の保持面を有し、この保持面を凹状とすることで、電極部を導電部材に軽く接触させた状態で、保持面と導電部材との間に空間を生じさせることができる。よって、その状態から吸引操作部を操作して導電部材を保持面側に吸い上げて浮かせ、保持面に対して貼り付けやすくすることができる。また、保持面を曲面とすることで、保持面が段部を有する場合と比較して導電部材を貼り付けやすくすることができるし、導電部材に段部の角部が接触して損傷が生じるといった事態を起こし難くすることもできる。さらに、単に平坦面でなる場合よりも保持面の面積が増えるため、導電部材が貼り付く面積も増やすことができる。よって、導電部材をより保持しやすい保持面とすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、作業者にとって取扱い性が良く、作業者や被験者の双方にとって測定時のストレスが小さい生体電極とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態の生体電極を示す斜視図。
図2図1の電極本体を示す正面図。
図3図1の電極本体を示す平面図。
図4図1の電極本体を示す右側面図。
図5図1の電極本体を示す左側面図。
図6図3の電極本体を示す矢示SA−SA線断面図。
図7】第1実施形態の粘着ゲルシートを示す平面図。
図8】第1実施形態の粘着ゲルシートから第2の保護フィルムを剥離する様子を示す説明図。
図9】第2実施形態の粘着ゲルを示す平面図。
図10】変形例の電極本体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明のコネクタの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各実施形態では、「生体電極」として心電計用電極を例示して説明する。また以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0032】
第1実施形態〔図1図8〕:
生体電極1は、リード線10を介して「生体信号測定器」としての心電計(図示略)と電気接続する。また、生体電極1は、図1図5で示すように「導電部材」としての粘着ゲル2と、電極本体1Aとを備える。電極本体1Aは、電極部3と、吸引操作部4とを備えている。本明細書中では、電極本体1Aについて、高さ方向における吸引操作部4側を上側、電極部3側を下側として記載する。
【0033】
〔電極部〕
電極部3は導電性金属でなり、図1図6で示すように、粘着ゲル保持部5と、リード線接続部6と、装着部7と、通気孔8とを有する。また、電極部3は、絶縁性樹脂でなるリード線保持部9を備える。
【0034】
粘着ゲル保持部5は、電極部3における下側に設けられ、略円盤状でなる。電極本体1Aの幅方向における粘着ゲル保持部5の長さは、電極部3の中で最も大きく、前記幅方向における吸引操作部4の長さと略同じかわずかに小さい。よって、電極本体1Aを水平位置に設置した状態では、電極本体1Aは倒れることなく粘着ゲル保持部5によって支持される。また、粘着ゲル保持部5の下面には、粘着ゲル保持部5の縁側から中心に向けて徐々にへこむ凹状の曲面でなる保持面5aが設けられる。
【0035】
保持面5aを凹状とすることで、粘着ゲル保持部5を粘着ゲルに軽く接触させた状態で保持面5aと粘着ゲル2との間に空間を生じさせることで、保持面5aを粘着ゲル2に対して部分的に非接触の状態とすることができる。よって、その状態から、吸引操作部4を操作して粘着ゲル2を保持面5a側に吸い上げて、保持面5aに対して貼り付けやすくすることができる。また、保持面5aを曲面とすることで、保持面5aが例えば段部を有する場合と比較して粘着ゲル2を貼り付けやすくすることができる。この段部が有する角部が粘着ゲル2に接触して損傷が生じるといった事態を起こし難くすることもできる。さらに、保持面5aを曲面とすることで、単に平坦面でなる場合よりも保持面5aの面積が増えるため、粘着ゲル2が貼り付く面積を増やすこともできる。よって、粘着ゲル2をより保持しやすい保持面5aとすることができる。
【0036】
リード線接続部6は、略円筒状でなり、粘着ゲル保持部5の上側に設けられる。リード線10はリード線接続部6の外周面に接続する。
【0037】
装着部7は、リード線接続部6の上側に繋がり、装着部7の上部には、環状突出部7aが設けられる。環状突出部7aの外周面には先細り形状でなる挿入部7bが形成されており、環状突出部7aにおいて最も外側に突出している部分の外径は、後述する吸引操作部4の連通孔4aの内径よりも大きい。よって、連通孔4aに装着部7を圧入することで、装着部7の環状突出部7aが空間部4bの内壁4b1に食い込んで、吸引操作部4が装着部7に固定される。装着部7の先端側に上記の挿入部7bが設けられることで、装着部7を連通孔4aに挿入する作業をスムーズに行うことができる。
【0038】
通気孔8は粘着ゲル保持部5と、リード線接続部6と、装着部7とを高さ方向に沿って貫通して設けられる。通気孔8の上側の開口部8aは装着部7の上端に設けられ、下側の開口部8bは保持面5aの略中央に設けられる。
【0039】
リード線保持部9は、弾性のある絶縁性樹脂でなり、電極部3の粘着ゲル保持部5と、リード線接続部6とを外側から覆う。そして、このリード線保持部9によってリード線10を電極部3に対して確実に保持することができる。リード線保持部9の柔軟性を高めることで、リード線保持部9に汚れや損傷が生じた場合に洗浄したり交換したりすることができる。なお、装着部7はリード線保持部9には覆われておらず外部に露出するが、吸引操作部4を電極部3に取付けた状態では装着部7は吸引操作部4によって覆われるため、外部には露出しない。
【0040】
〔吸引操作部〕
吸引操作部4は、内部に空間部4bを有する袋状でなり、図1図6で示すように、電極部3の側に設けられる軸部4cと、軸部4cの上側に形成される笠状操作部4dとを有する。吸引操作部4の素材としては天然ゴムやシリコーンゴムなど、弾性があり気密性があるものから選択することができる。
【0041】
軸部4cは、吸引操作部4における下側に設けられる筒状部4c1と、筒状部4c1の上側に繋がる拡径部4c2とを有する。
【0042】
筒状部4c1は略円筒状でなり、その内部には空間部4bと外部とを連通する連通孔4aが設けられる。また、筒状部4c1の下端には連通孔4aの開口部4a1が形成される。開口部4a1から連通孔4aに電極部3の装着部7が挿入されることで、装着部7の環状突出部7aが筒状部4c1の空間部4bの内壁4b1に凹凸係合する。吸引操作部4は弾性を有するため、内壁4b1が環状突出部7aの形状に合わせて変形することで、吸引操作部4が電極部3に対して装着される。このように吸引操作部4と装着部7とが凹凸係合することで、それらの間に隙間ができ難く、気密性が保たれる。よって、吸引操作部4を圧縮変形させて空間部4bの空気を押し出しても、吸引操作部4と電極部3の装着部分から空気が漏れることなく、確実に保持面5a側の開口部8bから噴出される。
吸引操作部4を電極部3から脱離することができるため、それぞれを別々に洗浄したり、汚れや損傷が生じた吸引操作部4だけを取り換えたりすることが容易に可能となる。
【0043】
拡径部4c2は、筒状部4c1の上端から、上側に向けて伸長しつつラッパ状に広がる。拡径部4c2と電極部3の粘着ゲル保持部5との高さ方向における間隙の長さは、大人の人差し指や中指が入る程度であることが好ましい。
【0044】
笠状操作部4dは、拡径部4c2の上端に繋がって、拡径部4c2全体を覆う。笠状操作部4dは上下方向や上下方向に対する交差方向で押圧されることで圧縮変形したり、押圧を止めることで元の形状に復元したりすることができる。笠状操作部4dは高さ方向の長さが幅方向の長さに対してより短い形状であるため、前記上下方向の方がその交差方向よりも圧縮変形しやすくされている。また、この操作によって、空間部4bに収容されている空気が連通孔4aを介して外部に押し出される。そして、この押圧を止めると、笠状操作部4dは素材自体の弾性力によって元の笠状の形状に復元し、その際に空間部4bには連通孔4aを介して空気が吸い込まれる。
【0045】
仮に吸引操作部4が大型化すると、リード線10が吸引操作部4に引っ掛かったり、互いに近接する複数の測定位置に複数の生体電極を取り付ける場合には吸引操作部4が邪魔になったりしやすいため、測定作業が効率的に行えなくなる場合がある。また、吸引操作部4が大型化すると吸引力が大きすぎて粘着ゲル2に損傷を与えたり、重量が増えることで、自重で粘着ゲル2と一緒に電極本体1Aが被験者の皮膚(図示略)から剥がれやすくなったりする場合もある。したがって、吸引操作部4の大きさとしては高さ方向の長さが短く、全体としても小型化する方が都合が良い場合がある。しかし、吸引操作部4を小型化しすぎると今度は作業者(図示略)が押圧操作し難くなるなど、取扱性が低下してしまう。また、空間部4bの容積が減るため、粘着ゲル2を保持するための吸引力が弱くなってしまう場合もある。そのため、吸引操作部4は粘着ゲル2を保持するための吸引力を確保しつつ、作業者が押圧操作しやすい大きさや形状を確保する必要がある。
【0046】
そこで、本実施形態の吸引操作部4は、前記電極部3の側から伸長してラッパ状に広がる拡径部4c2を有する軸部4cと、前記拡径部4c2の端部を閉塞する笠状操作部4dとを有しており、笠状操作部4dが、弾性変形により圧縮変形する。こうすることで、吸引操作部4を高さ方向で小型化しつつ容積を拡げることができるため、粘着ゲル2に対する十分な吸引力を発揮することができる。
【0047】
押圧操作の方法としては、吸引操作部4の高さ方向や幅方向で圧縮変形させることができる。特に、作業者は通常、台の上に寝かされた状態の被験者に、生体電極1を取り付ける。その際、作業者の目の高さは取付位置よりも上にあり、その取付け位置よりも上側から生体電極1を皮膚に載せるように取り付ける。よって、作業者にとっては吸引操作部4を上側から下側に向けて押圧し、高さ方向で圧縮変形させる作業を行いやすく、粘着ゲル2や被験者に対して電極部3を取り付ける作業を楽に行うことができる。このように吸引操作部4を高さ方向で圧縮変形させる場合には、例えば粘着ゲル2と拡径部4c2との間に人差し指と中指を挿入してそれら2本の指で軸部4cを挟み、さらに親指を笠状操作部4dの頂部側に当てて、親指と人差し指の間や、親指と中指の間で吸引操作部4を押圧することができる。この方法により、吸引操作部4をより楽な姿勢で、強い力を指先に加えることなく圧縮変形させることができる。
これらにより、吸引操作部4を単に球状にする場合と比較してより高さ方向で小型化しつつ、粘着ゲル2の吸引力と操作性を確保することが可能となる。
【0048】
〔粘着ゲル〕
粘着ゲル2は、通気性が無く、粘着性を有する略楕円形状の薄片でなる。粘着ゲル2の一方面2dは全面が粘着力を有するが、他方面2cには粘着部2aと非粘着部2bが設けられる。
【0049】
非粘着部2bは、粘着ゲル2の長手方向における一端側に設けられ、非粘着部2bを除いた部分には素材となるゲルが露出する粘着部2aが設けられる。本実施形態では、非粘着部2bは、ゲルに不織布片を貼り付けられることで設けられており、粘着力が粘着部2aよりも弱い。なお、非粘着部2bを設ける方法としては、ゲルよりも粘着力が弱くて柔軟な他の素材を貼り付ける方法でも良く、そうした素材としては、例えば樹脂フィルム等でも良い。また、粘着ゲル2に非粘着質の粉状物や粒状物を貼り付けたりすることで粘着性を低くしても良い。
【0050】
また、この非粘着部2bが粘着ゲル2の他方面2cにおいて大きな割合を占めるとすると、電極部3の保持面5aに貼り付けられる面積が狭くなるため、保持面5aによる保持力が弱くなってしまう。この場合、開口部4a1が粘着ゲル2を吸着しきれずに、保持面5aから粘着ゲル2が脱離することがある。また、開口部4a1が粘着ゲル2を吸着できたとしても、粘着ゲル2の非粘着部2bが自重で垂れ下がり、被験者の皮膚への貼り付け作業を効率的に行えなくなる場合もある。よって、非粘着部2bの面積は粘着部2aの面積に対して狭くなりすぎないようにすることが好ましい。よって、少なくとも非粘着部2bの面積が粘着部2aと同じか、またはそれよりも小さい方がより好ましい。
【0051】
さらに、粘着部2aの面積としては、仮に電極部3の保持面5aよりも狭いものとすると、保持面5aに粘着ゲル2を貼り付けた状態で保持面5aが粘着部2aからはみ出してしまう。このまま被験者に粘着ゲル2と貼り付けると、保持面5aが被験者の皮膚に接触し、保持面5aに汚染が生じるおそれがある。このまま同じ生体電極1を他の被験者に使用することで交差感染が生じる可能性もある。この観点からは、粘着部2aの面積としては、保持面5aの面積と略同じか、わずかに大きく形成することがより好ましい。しかし、仮に粘着部2aの面積を保持面5aよりも小さくした場合であっても、例えば粘着ゲル2の厚みを増やして保持面5aを被験者の皮膚から離間したり、形状を変更したりすることで保持面5aを被験者に接触させないようにすることもできる。
【0052】
本実施形態の粘着ゲル2は略楕円形でなり、角部が設けられていない。仮に粘着ゲル2が角部を有していると、被験者に貼り付けた状態において角部が被験者の皮膚から剥がれやすくなったり、角部が皮膚に当たって被験者が不快な思いをしたりしやすくなる。これらの事態の発生を抑えるためにも、本実施形態の粘着ゲル2を略楕円形とし、角部を設けない構成としている。
【0053】
粘着ゲル2が保管される際には、図7図8で示すように、前記一方面2d側に第1の保護フィルム11aが貼り付けられ、前記他方面2c側には第2の保護フィルム11bが貼り付けられることで、粘着ゲルシート11が形成される。これらの保護フィルム11a,11bを有することで、粘着ゲル2にホコリなどの異物が付着したり、誤って作業者が触れることによる損傷の発生を抑えることができる。こうした使用方法であるため、上記のように粘着ゲル2が略楕円形でなり、角部を設けていない点が有利に働く。即ち、角部が設けられていると、その角部では粘着ゲル2と第1の保護フィルム11aとの接着力が弱まり、粘着ゲル2が第1の保護フィルム11aから剥がれやすくなってしまう。これに対し、本実施形態のように粘着ゲル2を略楕円形とすることで、粘着ゲル2と第2の保護フィルム11bとの接触力が弱い部分が形成されないため、確実に貼り付け状態を維持することができる。
【0054】
〔粘着ゲルから保護フィルムを剥離する方法の説明〕
作業者は使用時に、図8で示すように、まず第2の保護フィルム11bを粘着ゲル2から剥離する。その際、作業者は非粘着部2bの側から第2の保護フィルム11bを徐々に剥がす。非粘着部2bは第2の保護フィルム11bに貼り付く力が弱いため、容易に第2の保護フィルム11bを非粘着部2bから剥離することができる。そして、そのまま続けて粘着部2aからも容易に剥離することができる。よって、粘着ゲル2の一方面2dを第1の保護フィルム11aに貼り付けたまま、他方面2cから第2の保護フィルム11bのみを剥がすことができる。なお、特に第2の保護フィルム11bを第1の保護フィルム11aよりも薄く柔らかい素材とすることで、第1の保護フィルム11aよりも第2の保護フィルム11bを粘着ゲル2から剥がしやすくすることができる。
【0055】
作業者は第2の保護フィルム11bを粘着ゲル2から剥離した後、電極部3の笠状操作部4dを指先で押圧して圧縮変形させることで、空間部4bの空気を開口部4a1から排出し、保持面5aを粘着ゲル2の粘着部2aに接触させる。保持面5aには、粘着部2aの粘着力によって粘着ゲル2が貼り付く。さらにその後、笠状操作部4dへの押圧を止めたり弱めたりすると、笠状操作部4dは元の形状に復元しようとし、空間部4bに陰圧が生じる。この陰圧によって粘着ゲル2が保持面5aに吸い付けられて、通気孔8の下側の開口部8bは粘着ゲル2によって封鎖されるため、空間部4bが密閉される。この状態で電極部3を第1の保護フィルム11aから離間するように持ち上げると、電極部3に密着している粘着ゲル2から第1の保護フィルム11aを剥離することができる。
【0056】
〔生体電極の使用方法の説明〕
電極部3の保持面5aに保持された状態の粘着ゲル2を被験者の皮膚に貼り付ける。作業者が吸引操作部4から手を離すことで、電極部3が粘着ゲル2の他方面2cに貼り付いた状態で、粘着ゲル2がその粘着力によって皮膚に対して保持される。そして、この状態で測定を行うことができる。本実施形態では吸引操作部4の内部と被験者の皮膚を通気性が無い粘着ゲル2で遮断することができるため、被験者の皮膚に付着しているバクテリアや真菌、被験者の皮膚片や皮脂等が吸引操作部4の内部に入り込むことを抑えることもできる。よって、吸引操作部4の内部にバクテリア等が繁殖したり、皮膚片等が付着したりし難くすることができる。また、直接、被験者の皮膚を吸引することなく、粘着ゲル2の粘着力によって電極部3を被験者の皮膚に対して保持することで、被験者にとってのストレスを軽減することができる。
【0057】
測定終了後は、吸引操作部4を押圧せずに電極本体1Aを被験者の皮膚から離間する。これにより、粘着ゲル2の他方面2cが電極部3の保持面5aに貼り付いた状態で、一方面2dが被験者の皮膚から剥がれる。その後、作業者が再度、笠状操作部4dを押圧して圧縮変形させることで、空間部4bの空気を開口部4a1、及び電極部3に設けられる通気孔8の下側の開口部8bから噴出させる。そして、この空気による圧力で粘着ゲル2を電極部3の保持面5aから剥離することができる。
【0058】
また、被験者から粘着ゲル2を剥離する方法として、別の方法を採ることもできる。即ち、吸引操作部4の内部は粘着ゲル2によって密閉されているため、粘着ゲル2は電極部3に対して確実に保持される。よって、測定終了後、電極部3が粘着ゲル2に貼り付けられ、かつ粘着ゲル2が被験者の皮膚に貼り付いた状態で、作業者が再度、笠状操作部4dを押圧し、空間部4bの空気を開口部4a1から押し出してもいい。こうすることで、粘着ゲル2の一方面2dを被験者の皮膚に貼り付けたまま、噴出された空気による圧力で他方面2cを電極部3の保持面5aから剥離することもできる。この状態で、粘着ゲル2が貼り付きやすい、例えば紙や布などの剥離材を、被験者の皮膚に貼り付いている粘着ゲル2の粘着部2aに貼り付ける。そして、この剥離材を被験者の皮膚から離間することで、粘着ゲル2を剥離材に貼り付けたまま被験者の皮膚から剥がすことができる。こうすることで、粘着ゲル2を被験者の皮膚から剥がす際にも作業者が粘着ゲル2に触れる必要が無いため、より効率的に作業を行うことができる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、吸引操作部4を押圧により圧縮変形したり、押圧を止めて復元したりすることで、作業者が触れることなく粘着ゲル2を電極部3に対して着脱することができる。よって、作業時に粘着ゲル2が作業者の手に貼り付いて取れなくなるといった煩わしさを解消することができる。また、効率よく測定が行われることで、被験者にとっても測定時のストレスを軽減することができる。
【0060】
第2実施形態〔図9〕:
第1実施形態では、「導電部材」として通気性がなく、吸引操作部4の空間部4bを密閉する粘着ゲル2を例示した。これに対し、図9で示すように、粘着ゲル2には電極本体1Aに取付けられた状態で吸引操作部4の内外を連通する貫通孔2eを設けることで、粘着ゲル2に通気性を持たせることができる。これにより、吸引操作部4によって、電極部3が粘着ゲル2の貫通孔2eを介して被験者の皮膚を吸引することができる。即ち、まず押圧により吸引操作部4の空間部4bの空気を開口部4a1から排出して圧縮変形させ、押圧を止めて吸引操作部4に空気を吸引させながら形状を復元させる。そして、この際に吸引操作部4の空間部4bに生じる陰圧で電極部3に対して粘着ゲル2を吸い付かせ、さらに粘着ゲル2の貫通孔2eを介して被験者の皮膚に保持面5aを吸い付けることができる。吸引操作部4の空間部4bは、電極本体1Aと、粘着ゲル2と、被験者の皮膚とによって密閉されるため、生体電極1を確実に被験者の皮膚に対して保持することができる。この方法によれば、保持面5aが被験者の皮膚に直接接触しないため、被験者の皮膚に痕が残るほど強く吸い付くことを抑えることができ、被験者のストレスを軽減することができる。電極部3から粘着ゲル2を剥離する場合には、再度、吸引操作部4を押圧して圧縮変形させることで、吸引操作部4の空間部4bの空気を貫通孔2eを介して皮膚側に向けて排出する。その空気による圧力で粘着ゲル2を電極部3から剥離することができる。
【0061】
第3実施形態:
前記各実施形態では、「導電部材」として気密性がある粘着ゲル2を例示した。
これに対して、「通電部材」として通気性のある、例えば導電性のウレタンなどの発泡体を用いても良い。吸引操作部4を押圧することにより導電性のウレタンを電極部3に吸い付かせ、さらにこのウレタンを介して被験者の皮膚に電極本体1Aを吸い付けることができる。吸引操作部4による、ウレタンや被験者の皮膚に対する保持力は前記各実施形態の粘着ゲル2よりも弱まるが、被験者の皮膚に生じる蒸れなどを軽減することができる。
【0062】
各実施形態の変形例〔図10〕:
前記各実施形態では、電極部3が粘着ゲル保持部5を有しており、粘着ゲル保持部5が粘着ゲル2を保持する凹状の曲面を有する保持面5aを有する例を示した。これに対し、図10で示すように、粘着ゲル保持部5が逆椀状でなり、その縁部で粘着ゲル2を保持するものとすることができる。
【0063】
前記本実施形態では、粘着ゲル保持部5が笠状操作部4dを有する例を示した。これに対し、吸引操作部4が球状であっても良い。球状の吸引操作部4の高さや大きさを変更することで、吸引力を調整したり取扱性を高めたりすることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1 生体電極
1A 電極本体
2 粘着ゲル
2a 粘着部
2b 非粘着部
2c 他方面
2d 一方面
2e 貫通孔
3 電極部
4 吸引操作部
4a 連通孔
4a1 開口部
4b 空間部
4b1 内壁
4c 軸部
4c1 筒状部
4c2 拡径部
4d 笠状操作部
5 粘着ゲル保持部
5a 保持面
6 リード線接続部
7 装着部
7a 環状突出部
7b 挿入部
8 通気孔
8a 上側の開口部
8b 下側の開口部
9 リード線保持部
10 リード線
11 粘着ゲルシート
11a 第1の保護フィルム
11b 第2の保護フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10