(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の光学フィルムについて詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学フィルム1を示す概略断面図である。光学フィルム1は、
図1に示すように、透明基材10の少なくとも一方の面上にハードコート層11が積層されたものである。ハードコート層11は、電離放射線硬化型樹脂と、黄色顔料とを少なくとも含有するハードコート層形成用組成物を、透明基材10に塗布して硬化させることによって形成される。ハードコート層11が黄色顔料を含有することによって、光学フィルム1の440nmの光の透過率が80%以下となっている。
【0014】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る光学フィルム1’を示す概略断面図である。光学フィルム1’は、
図1に示した構成のハードコート層11の上に、さらに中屈折率層12と、高屈折率層13と、低屈折率層14との3層をこの順に積層したものである。尚、高屈折率層13及び低屈折率層14の層数を任意の数に増やした多層膜の層構成とすることも可能である。しかしながら、コストや良品生産率などを考慮した場合、
図2のように、透明フィルム基材10の上の層構成は、ハードコート層11と、中屈折率層12と、高屈折率層13と、低屈折率層14とを積層した4層構成とすることが好適である。また、各層の屈折率の関係は、高屈折率層13>中屈折率層12>ハードコート層11、透明フィルム基材10>低屈折率層14となっている。
【0015】
以下、実施の形態1及び2に係る光学フィルムの各層の詳細を説明する。
【0016】
(透明基材)
まず、透明基材10について説明する。透明基材10としては、種々の有機高分子からなるフィルムを用いることができる。例えば、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される基材を用いることができる。透明基材10としては、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性等の諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系フィルム、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系フィルム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるフィルムを用いることができる。特に、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルムを好適に用いることができる。セルロース系フィルムは、複屈折が少なく、透明性、屈折率、分散等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性等の諸物性に優れている。さらに、セルロース系フィルムは、溶剤によって容易に溶解または膨潤するので、最も好ましく用いられる。
【0017】
透明基材10に、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加してもよい。また、透明基材10の厚さは特に限定されるものではない。しかしながら透明基材10の厚さは、20μm以上、200μm以下が好ましい。ただし、透明基材10として、トリアセチルセルロースフィルムを用いる場合には、透明基材10の厚さは、25μm以上、80μm以下が好ましい。
【0018】
(ハードコート層)
次に、透明基材10上に形成されるハードコート層11について説明する。ハードコート層11を形成するためには、まず、黄色顔料と、バインダマトリックス形成材料と、透明基材10を溶解または膨潤させる溶剤とを含むハードコート層形成用塗液を使用して、透明基材10上に塗膜を形成する。ハードコート層形成用塗液の塗工方法として、例えば、湿式成膜法を採用する。その後、ハードコート層形成用塗液の塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させることにより、ハードコート層11を形成することができる。
【0019】
[黄色顔料]
ハードコート層形成用塗液に含まれる黄色顔料は、ハードコート層11に硬度を付与すると共に、波長が440nm近傍の光(いわゆる、ブルーライト)を吸収させるための成分である。黄色顔料のBET法による比表面積は、90m
2/g以上であることが好ましく、120m
2/g以上であることがより好ましく、125m
2/g以上であることが更に好ましい。また、黄色顔料のBET法による比表面積は、150m
2/g以下であることが好ましい。黄色顔料の比表面積が90m
2/gより小さい場合には、顔料粒子自体による散乱の影響で光学フィルムのヘイズが高くなり、透過率が低くなる。また、黄色顔料の比表面積が上限値より大きい場合には、継時的に顔料粒子が凝集しやすくなるため、顔料分散が難しくなり、組成物としての安定性を保ち、流動性を確保することが困難になる。その結果、光学フィルムの透過率低下や面内均一性などの特性が悪化する。
【0020】
ハードコート層形成用組成物に含有される黄色顔料は、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を用いることができる。特に光学フィルムの耐性、透明性などの観点から、C.I. Pigment Yellow 138、139、150、185が好ましい。
【0021】
顔料の比表面積を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して比表面積を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の比表面積の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、及び合成時に所望の比表面積の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。
【0022】
以下にそれぞれの方法について説明するが、本発明に用いる着色組成物に含まれる顔料の比表面積の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
【0023】
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、塩化ナトリウム等の水溶性の無機塩などの磨砕剤及びそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料の50〜300重量%の量が用いられる。
【0024】
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の比表面積の顔料を得ることができる。
【0025】
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の比表面積の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより比表面積の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
【0026】
析出法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど比表面積は小さくなる傾向がある。
【0027】
顔料の比表面積の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
【0028】
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、比表面積制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す顔料誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、比表面積制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
【0029】
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の比表面積の大きな顔料を析出させることができる。
【0030】
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の比表面積の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
【0031】
さらに、顔料の比表面積を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の比表面積を大きくすると同時に分散することも可能である。
【0032】
[バインダマトリックス形成材料]
ハードコート層形成用塗液は、バインダマトリックス形成材料として、紫外線硬化型材料であるアクリル系材料を含んでいることが好ましい。アクリル系材料としては、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルのような単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及び(メタ)アクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。また、これらの他にも、紫外線硬化型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
【0033】
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート
、2−アダマンタン及びアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレート等のアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0034】
2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0035】
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0036】
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計することができ、形成されるハードコート層11の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
【0037】
[溶剤]
ハードコート層形成用塗液に含まれる溶剤としては、透明基材10を溶解または膨潤させる溶剤を用いる。透明基材10を溶解または膨潤させる溶剤を含むハードコート層形成用塗液を用いてハードコート層11を形成することにより、透明基材10とハードコート層11との密着性を向上させることができる。すなわち、透明基材10の成分とハードコート層11の成分とが混在したハードコート層11を形成することができ、得られる光学フィルム1において干渉ムラの発生を防ぐことができる。
【0038】
透明基材10としてセルロース系フィルムを用いた場合、セルロース系フィルム表面を溶解または膨潤させる溶剤としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−プチロラクトン等のエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられ、これらを単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン及びシクロヘキサノンの少なくとも1種類を用いることが好ましい。
【0039】
ハードコート形成用組成物は、バインダマトリックス形成用材料及び溶剤中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて、顔料を分散させることにより製造することができる。必要に応じて、2種類以上の顔料を用いても良い。2種以上の顔料を含むハードコート形成用組成物は、各顔料の分散液を混合して製造することもできる。
【0040】
[分散助剤]
ハードコート形成用組成物には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散性を向上させ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、透明性に優れたハードコート層が得られる。分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
【0041】
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、バインダマトリックス形成用材料と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料のバインダマトリックス形成用材料への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0042】
市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、アビシア社製のSOLSPERSE−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
【0043】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0044】
顔料誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、用いる顔料の色相に近いものが好ましいが、添加量が少なければ色相の異なるものを用いても良い。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。特に、塩基性基を有する顔料誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
【0045】
顔料誘導体が有する塩基性基として具体的には、下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される置換基が挙げられる。なかでも、下記一般式(4)で表されるトリアジン骨格を含む塩基性基を有する顔料誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。
【0050】
上記一般式(1)〜(4)において、Xは、−SO
2−、−CO−、−CH
2NHCOCH
2−、−CH
2−、または直接結合を表す。
【0051】
nは、1〜10の整数を表し、好ましくは1〜3の整数である。
【0052】
R
1及びR
2は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の非置換もしくは置換のアルキル基、炭素数2〜36の非置換もしくは置換のアルケニル基、または、非置換もしくは置換のフェニル基を表す。R
1とR
2とは、結合して更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む非置換もしくは置換の複素環を形成する。R
1及びR
2は、好ましくは、1〜5個の炭素原子を有する非置換もしくは置換のアルキル基である。
【0053】
R
3は、炭素数1〜36の非置換もしくは置換のアルキル基、炭素数2〜36の非置換もしくは置換のアルケニル基、または、非置換もしくは置換のフェニル基を表す。R
3は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する非置換もしくは置換のアルキル基である。
【0054】
R
4、R
5、R
6及びR
7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の非置換もしくは置換のアルキル基、炭素数2〜36の非置換もしくは置換のアルケニル基、または、非置換もしくは置換のフェニル基を表す。R
4、R
5、R
6及びR
7は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する非置換もしくは置換のアルキル基である。
【0055】
Yは、−NR
8−Z−NR
9−、または、直接結合を表す。ここで、R
8及びR
9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数2〜36のアルケニル基、または、非置換もしくは置換のフェニル基を表す。R
8及びR
9は、好ましくは、それぞれ、水素原子である。
【0056】
Zは、炭素数1〜36の非置換もしくは置換のアルキレン基、炭素数2〜36の非置換もしくは置換のアルケニレン基、または、非置換もしくは置換のフェニレン基を表す。Zは、好ましくは、非置換もしくは置換のフェニレン基である。
【0057】
Pは、下記一般式(5)で示される置換基または下記一般式(6)で示される置換基を表す。下記一般式(5)及び(6)中のR
1〜R
7及びnは、上に定義した通りである。
【0058】
Qは、水酸基、アルコキシル基、下記一般式(5)で示される置換基または下記一般式(6)で示される置換基を表す。Qは、好ましくは、下記一般式(5)で示される置換基である。
【0061】
塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素が挙げられる。また、先に例示した有機顔料でもよい。
【0062】
塩基性基を有する顔料誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素に、下記式(7)〜(10)で表される置換基を導入した後、該置換基と反応して一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
【0063】
−SO
2Cl (7)
−COCl (8)
−CH
2NHCOCH
2Cl (9)
−CH
2Cl (10)
【0064】
有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(1)〜(4)で表される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによって塩基性基を有するアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
【0065】
また、本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
【0066】
一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。顔料誘導体は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
【0067】
顔料誘導体は、顔料100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。0.1重量部よりも少ない場合、顔料の分散効果が得られないため好ましくなく、40重量部よりも多い場合、色相が変化する可能性があるため好ましくない。
【0068】
また、ハードコート層11に四級アンモニウムカチオンや導電性金属微粒子等を添加し、ハードコート層11に導電性を付与しても構わない。
【0069】
ハードコート形成用組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0070】
ハードコート層11の形成方法としては、ウェットコーティング法とされる、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等を採用することができ、透明基材10の少なくとも一方の面上にハードコート層形成用塗液を塗布することにより形成することができる。特に、ハードコート層11は、薄く、均一に層を形成する必要性があることから、マイクログラビアコーティング法を用いることが好ましい。また、ハードコート層11として、厚い層を構成する必要が生じた場合には、ダイコーティング法を用いることが好ましい。
【0071】
ハードコート層11を形成する際の塗膜の硬化方法としては、例えば、紫外線照射、加熱等を採用することができる。紫外線照射の場合、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、フュージョンランプ等を使用することができる。紫外線照射量は、通常100〜800mJ/cm
2であることが好ましい。
【0072】
ハードコート層11の膜厚は、3μm以上であれば十分な強度となるが、塗工精度、取扱いの点から、5μm以上、10μm以下の範囲であることが好ましい。ハードコート層11の膜厚が10μmを超えると、硬化収縮による透明基材10の反り、ゆがみ、折れが発生することがある。前記範囲の中で、求められるブルーライトカット機能を付与するため、黄色顔料濃度を調整する。
【0073】
(中屈折率層)
次に、ハードコート層11上に形成される中屈折率層12について説明する。中屈折率層12は、中屈折率層形成用塗液をハードコート層11上の表面に塗布し、塗膜を硬化させることによって形成することができる。中屈折率層形成塗液としては、バインダマトリックス形成材料に高屈折率微粒子を分散させたものを用いることができる。なお、このとき中屈折率層12単層の膜厚d
1は、膜厚d
1に、中屈折率層12の屈折率n
1を乗じた光学膜厚n
1d
1が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計されることが好ましい。
【0074】
本発明の中屈折率層の屈折率は1.47から1.70までの範囲内にあることが望ましく、1.50〜1.65であることがさらに望ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と、高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。
【0075】
高屈折率微粒子としては、例えば、ZrO
2、TiO
2、Nb
2O
5、ITO、ATO、SbO
2、Sb
2O
3、SnO
2、In
2O
3、ZnO等の微粒子を用いることができる。
【0076】
高屈折率微粒子には表面処理を施してもよい。表面処理とは、無機化合物及び/または有機化合物を用いて該粒子表面の改質を実施するもので、これにより無機微粒子表面の濡れ性が調整され有機溶媒中での微粒子化、高屈折率層形成用組成物中での分散性や分散安定性が向上し、好ましい。粒子表面に物理化学的に吸着させる無機化合物としては、例えば、ケイ素を含有する無機化合物(SiO
2等)、アルミニウムを含有する無機化合物(Al
2O
3、Al(OH)
3等]、コバルトを含有する無機化合物(CoO
2、Co
2O
3、Co
3O
4等)、ジルコニウムを含有する無機化合物(ZrO
2、Zr(OH)
4等)、鉄を含有する無機化合物(Fe
2O
3等)等が挙げられる。
【0077】
表面処理に用いる有機化合物の例には、従来公知の金属酸化物や無機顔料等の無機フィラー類の表面改質剤を用いることができる。例えば、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」第一章(技術情報協会、2001年刊行)等に記載されている。
【0078】
具体的には、無機微粒子表面と親和性を有する極性基を有する有機化合物、カップリング化合物があげられる。無機微粒子表面と親和性を有する極性基としては、カルボキシ基、ホスホノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、環状酸無水物基、アミノ基等があげられ、分子中に少なくとも1種を含有する化合物が好ましい。例えば、長鎖脂肪族カルボン酸(例えばステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等)、ポリオール類のポリ(メタ)アクリレート化合物(例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ECH(エピクロルヒドリン)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート等)、ホスホノ基含有化合物(例えばEO(エチレンオキサイド)変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等)、アルカノールアミン(エチレンジアミンEO付加体(5モル)等)が挙げられる。
【0079】
カップリング化合物としては、従来公知の有機金属化合物が挙げられ、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。具体的には、例えば特開2002−9908号公報、同2001−310423号公報明細書中の段落番号[0011]〜[0015]記載の化合物等が挙げられる。これらの表面処理は、2種類以上を併用することもできる。
【0080】
中屈折率層12に用いられる高屈折率微粒子は、これをコアとして他の無機化合物からなるシェルを形成したコア/シェル構造の微粒子であることも好ましい。シェルとしては、Al、Si、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素からなる酸化物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−166104号公報記載の内容が挙げられる。
【0081】
中屈折率層12に使用される高屈折率微粒子の形状は、特に限定されないが、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状または不定形状が好ましい。本発明における無機微粒子は単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。
【0082】
中屈折率層12に使用される高屈折率微粒子の平均粒子径は、1nm以上、100nm以下であることが好ましい。高屈折率微粒子の平均粒子径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、中屈折率層12のヘイズ値が高くなってしまい、光学フィルム1’の透明性が低下する恐れがある。一方、高屈折率微粒子の平均粒子径が1nm未満の場合、粒子の凝集により、中屈折率層12における粒子の不均一性等の問題が生じる恐れがある。
【0083】
本発明の中屈折率層12は、高屈折率微粒子を固形分中に10重量部以上80重量部以下含有することが望ましい。10重量部未満だと、十分に高い屈折率を得ることが困難となり、80重量部を超えると硬度不足等を引き起こし、粒子の脱落及び塗工中のフィルム表面への付着により、外観故障の原因となり好ましくない。
【0084】
中屈折率層12を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては、紫外線硬化型材料を含む。紫外線硬化型材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性モノマー、又は、単官能性モノマーを含有する紫外線硬化型樹脂が用いられる。紫外線硬化型材料としては、例えば、ハードコート層11に用いられる紫外線硬化型材料として例示した単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物であるアクリル系材料を用いることができる。
【0085】
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計することができ、形成される中屈折率層12の物性のバランスを容易にとることが可能である点から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
【0086】
なお、中屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒を加えることができる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン
、及びメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から、塗工適性等を考慮して適宜選択して用いることができる。
【0087】
また、バインダマトリックス形成材料として紫外線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより中屈折率層12を形成する場合には、中屈折率層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、具体例としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物、チオキサンソン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、4 − フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が例示できる。また、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4 ’−メチルジフェニルサルファイド等が例示できる。オキシムエステル系化合物としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等が例示できる。チオキサンソン系化合物としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が例示できる。トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス( トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−( ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4 ,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4 ’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が例示できる。ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。また、キノン系化合物としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等を例示できる。光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0088】
光重合開始剤の含有量は、固形分中に0.01〜20重量部、好ましくは0.01〜5重量部で用いることができる。
【0089】
また、中屈折率層形成用塗液にはその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤等が挙げられる。
【0090】
中屈折率層12を形成する方法としては、中屈折率層形成用塗液をハードコート層11の表面に塗布し、中屈折率層12を形成する湿式成膜法による方法と、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法といった真空中で中屈折率層12を形成する真空成膜法による方法とに分けられるが、特に限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、安価に光学フィルム1を製造することができるという点から、湿式成膜法を採用することが好ましい。
【0091】
(高屈折率層)
次に、中屈折率層12上に形成される高屈折率層13について説明する。高屈折率層13は、高屈折率層形成用塗液を中屈折率層12上の表面に塗布し、塗膜を硬化させることにより形成することができる。なお、このとき高屈折率層13単層の膜厚d
2は、膜厚d
2に高屈折率層13の屈折率n
2を乗じることによって得られる光学膜厚n
2d
2が可視光の波長の1/2と等しくなるように設計されることが好ましい。
【0092】
また、高屈折率層の膜厚は、光学干渉層としての特性から、5nm〜1μmの範囲内にあることが好ましく、10nm〜0.3μmの範囲内にあることがさらに好ましく、30nm〜0.2μmの範囲内にあることが最も好ましい。
【0093】
本発明の高屈折率層の屈折率は、光学フィルムの色付きを抑制する観点からは、1.65〜1.90の範囲内にあることが特に好ましい。高屈折率層の屈折率を調整する手段は、高屈折率微粒子の添加量が支配的である。高屈折率微粒子としては、中屈折率層形成用塗液に記載した高屈折率材料を用いることができる。また、高屈折率微粒子は、中屈折率層形成用塗液に記載した無機化合物及び/または有機化合物での表面処理を行うことが出来る。
【0094】
高屈折率層13を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては、紫外線効果型材料を含む。紫外線効果型材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性モノマー、又は、単官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂が用いられる。紫外線硬化型材料としては、中屈折率層12に用いられる紫外線硬化型材料として例示したアクリル系材料を用いることができる。
【0095】
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計することができ、形成される高屈折率層13の物性のバランスを容易にとることが可能である点から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
【0096】
なお、高屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、例えば、中屈折率層12の用いられる溶媒として例示したものを用いることができる。また、添加剤としては、添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤等が挙げられる。
【0097】
また、バインダマトリックス形成材料として紫外線効果型材料を用い、紫外線を照射することにより高屈折率層13を形成する場合には、高屈折率層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、中屈折率層12形成用塗液に加えられる光重合開始剤として例示したものを用いることができる。
【0098】
高屈折率層13を形成する方法としては、高屈折率層形成用塗液を中屈折率層12の表面に塗布し、中屈折率層12を形成する方法として例示した方法を採用することができる。
【0099】
(低屈折率層)
次に、高屈折率層13上に形成される低屈折率層14について説明する。低屈折率層14は、低屈折率層形成塗液を、高屈折率層13の表面に塗布し、塗膜を硬化させることにより形成することができる。なお、このとき反射防止層である低屈折率層14単層の膜厚d
3は、膜厚d
3に低屈折率層14の屈折率n
3を乗じることによって得られる光学膜厚n
3d
3が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計されることが好ましい。低屈折率層形成塗液としては、バインダマトリックス形成材料に低屈折率微粒子を分散させたものを用いることができる。
【0100】
本発明の低屈折率層の屈折率は1.25から1.45までの範囲内にあることが望ましく、1.25〜1.40であることがさらに望ましい。低屈折率層の屈折率は、できるだけ低い方が空気(屈折率=1)との屈折率と近づき、低反射率を実現しやすいものの、低屈折率材料を多量に添加する必要があるため、機械強度が低くなり傷がつきやすくなる。一方、低屈折率層の屈折率が1.40以上だと、空気との屈折率差がつき、反射率が上昇してしまう。
【0101】
また、低屈折率層の膜厚は、光学干渉層としての特性から、5nm〜1μmの範囲内にあることが好ましく、10nm〜0.3μmの範囲内にあることがさらに好ましく、30nm〜0.2μmの範囲内にあることが最も好ましい。
【0102】
低屈折率微粒子としては、例えば、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、もしくはNa
3AlF
6(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折率材料からなる微粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有するシリカ粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有するシリカ粒子は、空隙の部分を空気の屈折率(約1)とすることができるので、非常に低い屈折率を備える低屈折率微粒子とすることができる。具体的には、多孔質シリカ粒子、シェル(殻)構造のシリカ粒子を用いることができる。
【0103】
低屈折率微粒子の平均粒子径は、1nm以上、100nm以下であることが好ましい。低屈折率微粒子の平均粒子径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層14が白化して光学フィルム1の透明性が低下する恐れがある。一方、低屈折率微粒子の平均粒子径が1nm未満の場合、粒子の凝集により、低屈折率層14における粒子の不均一性等の問題が生じる恐れがある。
【0104】
低屈折率層14を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては、紫外線効果型材料を含む。紫外線効果型材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性モノマー、又は、単官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂が用いられる。紫外線効果型材料としては、中屈折率層12に用いられる紫外線効果型材料として例示したアクリル系材料を用いることができる。
【0105】
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計することができ、形成される低屈折率層14の物性のバランスを容易にとることが可能である点から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
【0106】
なお、低屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、例えば、中屈折率層12の用いられる溶媒として例示したものを用いることができる。また、添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤等が挙げられる。
【0107】
また、バインダマトリックス形成材料として紫外線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより低屈折率層14を形成する場合には、低屈折率層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、中屈折率層12形成用塗液に加えられる光重合開始剤として例示したものを用いることができる。
【0108】
低屈折率層14を形成する方法としては、低屈折率層形成用塗液を高屈折率層13の表面に塗布し、中屈折率層12を形成する方法として例示した方法を採用することができる。
【0109】
また、ハードコート層屈折率n
(Hard)と中屈折率層屈折率n
(Middle)と高屈折率層屈折率n
(High)と低屈折率層屈折率n
(Low)の高さは、n
(Low)<n
(Hard)<n
(Middle)<n
(High)であることが好ましい。これを満たさない場合、良好な反射防止機能を得られることができない。
【0110】
なお、光学フィルム1及び1’において、透明基材10とハードコート層11との間、またはハードコート層11と中屈折率層12との間、中屈折率層12と高屈折率層13との間、高屈折率層13と低屈折率層14との間に、他の機能層を設けてもかまわない。他の機能層としては、例えば、電磁波シールド性能を有する電磁波シールド層、赤外線吸収性能を有する赤外線吸収層、紫外線吸収性能を有する紫外線吸収層等を挙げることができる。
【0111】
図2に示した光学フィルム1’は、透明基材10上にハードコート層11を有し、その上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して複数の層が積層されている。低反射積層体は、最も単純な構成では、基材上に低屈折率層のみを塗設した構成であるが、さらに反射率を低下させるには、
図2のように、反射防止層を、基材よりも屈折率の高い高屈折率層と、基材よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。耐久性、光学特性、コストや生産性等から、
図2の例のように、ハードコート層11を有する透明基材10上に、中屈折率層12/高屈折率層13/低屈折率層14の順に塗布することが好ましい。
【0112】
上述した光学フィルム1及び1’は、ディスプレイ部材、画像装置の一部として好適に用いることができる。
【0113】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る光学フィルム付偏光板200を示す概略断面図である。
【0114】
図3に示すように、光学フィルム付偏光板200は、光学フィルム1’と偏光板2とを備えている。光学フィルム1’は、実施の形態2で説明したものである。より具体的に、透明基材10のハードコート層11が形成されていない側の面に、偏光層23及び透明基材21からなる偏光板2が設けられている。すなわち、透明基材10の一方の面(
図3では上面)に、透明基材10側にハードコート層あるいは透明基材10側から順に、ハードコート層11、中屈折率層12、高屈折率層13及び低屈折率層14が積層されており、透明基材10のもう一方の面(
図3では下面)に、透明基材10側から順に、偏光層23及び透明基材21が積層されている。なお、これら偏光層23及び透明基材21は、特に限定されるものではなく、通常、光学フィルム付偏光板に用いられるものを適宜用いることができる。
【0115】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る透過型液晶ディスプレイ300の一例を示す概略断面図である。
【0116】
透過型液晶ディスプレイ300は、反射防止フィルム付偏光板200’と、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とを備える。反射防止フィルム付偏光板200’は、実施の形態2に係る光学フィルム1’と、偏光板2’とを有する。反射防止フィルム付偏光板200’の偏光板2’側の面に、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とがこの順に配置されている。液晶セル3は、反射防止フィルム付偏光板200’において、透明基材10に対して、ハードコート層11が形成された側とは反対側に配置されている。偏光板2は、透明基材10側から順に、透明基材22と偏光層23と透明基材21とが積層されたものである。透過型液晶ディスプレイ300において、光学フィルム1’側が観察側、すなわち、ディスプレイ表面側となる。光学フィルム1’は、反射防止フィルムとして機能する。
【0117】
なお、透過型液晶ディスプレイ300においては、光学フィルム1’と偏光板2’とは、別々に設けられている。
【0118】
バックライトユニット5は、光源と光拡散板と(いずれも図示せず)を備える。液晶セル3は、図示しないが、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルタを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。偏光板4は、透明基材41と、透明基材42との間に偏光層43が挟持された構造となっている。
【0119】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る透過型液晶ディスプレイの他の一例を示す概略断面図である。
【0120】
図5に示す透過型液晶ディスプレイ400は、反射防止フィルム付偏光板200と、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とを備える。反射防止フィルム付偏光板200は、実施の形態3で説明したものである。反射防止フィルム付偏光板200の透明基材21側の面に、液晶セル3と、偏光板4と、バックライトユニット5とがこの順に配置されている。透過型液晶ディスプレイ400において、光学フィルム1’側が観察側、すなわち、ディスプレイ表面側となる。光学フィルム1’は、反射防止フィルムとして機能する。
【0121】
透過型液晶ディスプレイ300と同様に、バックライトユニット5は、光源と光拡散板と(いずれも図示せず)を備える。液晶セル3は、図示しないが、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルタを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。偏光板4においては、透明基材41と、透明基材42との間に偏光層43が挟持された構造となっている。
【0122】
なお、実施の形態4及び5で説明した透過型液晶ディスプレイ300及び400は、他の機能性部材を備えていてもよい。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0123】
また、実施の形態1及び2で説明した光学フィルムは、タッチセンサと貼り合わせてタッチパネルを構成してもよい。
【実施例】
【0124】
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。以下の説明では、ハードコート層形成用塗液、中屈折率層形成用塗液、高屈折率層形成用塗液及び低屈折率層形成用塗液の調製例、ならびに、これらを用いた光学フィルムの具体例を示すが、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下において、「部」とは「重量部」を意味する。
【0125】
(黄色顔料の調整)
以下の実施例及び比較例では、表1に示す黄色顔料1及びコロイダルシリカと、表1に示す黄色顔料1、4、6から調整した黄色顔料2、3、5、7を使用した。なお、実施例及び比較例で使用した黄色顔料及びコロイダルシリカについては、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いて、窒素吸着によるBET法の比表面積を測定した。結果を表2に示す。また、実施例で用いた分散剤を表3に示す。
【0126】
【表1】
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】
[黄色顔料2(Y−2)]
表1に示す黄色顔料1(Y−1)280部、表3に示す分散剤A−1 21部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール(東京化成社製)280部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、298部のソルトミリング処理顔料(黄色顔料2)を得た。
【0130】
[黄色顔料3(Y−3)]
表1に示す黄色顔料1(Y−1)280部、表3に示す分散剤A−1 21部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール(東京化成社製)280部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、298部のソルトミリング処理顔料(黄色顔料3)を得た。
【0131】
[黄色顔料5(Y−5)]
表1に示す黄色顔料4(Y−4)100部、塩化ナトリウム800部、及びジエチレングリコール(東京化成社製)180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を約3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、96部のソルトミリング処理顔料(黄色顔料5)を得た。
【0132】
[黄色顔料7(Y−7)]
表1に示す黄色顔料6(Y−6)200部、表3に示す分散剤A−1 10部、塩化ナトリウム1500部、及びジエチレングリコール(東京化成社製)200部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、207部のソルトミリング処理顔料(黄色顔料7)を得た。
【0133】
(アクリル樹脂溶液の調製)
次に、実施例及び比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0134】
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマー及び熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
n−ブチルメタクリレート 35.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート 20.0部
(東亜合成株式会社製「アロニックスM110」)
【0135】
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。得られた溶液を室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
【0136】
(黄色顔料分散体の調整)
表4に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し顔料分散体を調製した。
【0137】
【表4】
【0138】
(ハードコート層形成用塗液の調製)
表5に示す組成(質量比)の混合物を、均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、ハードコート層形成塗液、HC1〜8を調整した。
【0139】
【表5】
【0140】
表5中の各成分の詳細を以下に示す。
・黄色顔料分散体:表4に示す黄色顔料分散体
・光重合開始剤(TPO):チバ・ジャパン社製「LUCIRIN TPO」
・電離放射線硬化型樹脂1:共栄社化学社製「UA−306H(ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー)」
・電離放射線硬化型樹脂2:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・電離放射線硬化型樹脂3:PETA(ペンタエリスリトールトリアクリレート)
・溶剤1:MEK(メチルエチルケトン)
・溶剤2:酢酸メチル
【0141】
(中屈折率層形成用塗液の調製)
表6に示す組成(質量比)の混合物を、均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、MR1の中屈折率層形成用塗液を固形分10%に調整した。
【0142】
【表6】
【0143】
表6中の各成分の詳細を以下に示す。
・微粒子溶液(ATO(アンチモンドープ酸化スズ)分散液):固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン
・光重合開始剤(TPO):チバ・ジャパン社製「LUCIRIN TPO」
・電離放射線硬化型樹脂(PETA):ペンタエリスリトールトリアクリレート
・溶剤(MIBK):メチルイソブチルケトン
【0144】
(高屈折率層形成用塗液)
表7に示す組成(質量比)の混合物を、均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、HR1の高屈折率層形成用塗液を固形分10%に調整した。
【0145】
【表7】
【0146】
表7中の各成分の詳細を以下に示す。
・微粒子溶液(ZrO
2分散液):固形分50%、溶剤:メチルイソブチルケトン
・光重合開始剤(TPO):チバ・ジャパン社製「LUCIRIN TPO」
・電離放射線硬化型樹脂(PETA):ペンタエリスリトールトリアクリレート
・溶剤(MIBK):メチルイソブチルケトン
【0147】
(低屈折率層形成用塗液)
表8に示す組成(質量比)の混合物を、均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、LR1の低屈折率層形成用塗液を固形分5%に調整した。
【0148】
【表8】
【0149】
表8中の各成分の詳細を以下に示す。
・低屈折率微粒子溶液(多孔質シリカ微粒子分散液):固形分20.5%、溶剤:メチルイソブチルケトン)
・光重合開始剤(Irg184):チバ・ジャパン社製「イルガキュアー184」
・電離放射線硬化型樹脂(PETA):ペンタエリスリトールトリアクリレート
・溶剤(MIBK):メチルイソブチルケトン
【0150】
(光学フィルムの作製)
[実施例1]
実施例1に係る光学フィルムとして、
図1に示す構成のハードコートフィルムを作製した。透明基材として、膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム(株)製)を用いた。
【0151】
透明基材の一方の面上に、上記のハードコート層形成用塗液HC1を塗布し、80℃で60秒間オーブンにて乾燥した。乾燥後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用い、照射線量200mJ/m
2で紫外線照射を行い、乾燥膜厚5μmの透明なハードコート層を形成した。ハードコート層の膜厚は5μmであり、波長550nmでの屈折率は1.52であった。
【0152】
[実施例2]
実施例2に係る光学フィルムとして、
図2に示す構成の光学フィルムを作製した。透明基材として、膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム(株)製)を用いた。
【0153】
(1)ハードコート層の形成
透明基材の一方の面上に、上記のハードコート層形成用塗液HC1を塗布し、80℃で60秒間オーブンにて乾燥した。乾燥後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ)を用い、照射線量200mJ/m
2で紫外線照射を行い、乾燥膜厚5μmの透明なハードコート層を形成した。ハードコート層の膜厚は5μmであり、波長550nmでの屈折率は1.52であった。
【0154】
(2)中屈折率層の形成
形成したハードコート層上に中屈折率層形成用塗液MR1を塗布し、塗膜を形成した。紫外線照射装置を用い、照射線量200mJ/m
2で紫外線照射を行って塗膜を硬化させて、中屈折率層を形成した。中屈折率層の膜厚は75nmであり、波長550nmでの屈折率は1.58であった。
【0155】
(3)高屈折率層の形成
形成した中屈折率層上に、高屈折率層形成用塗液HR1を塗布し、塗膜を形成した。紫外線照射装置を用い、照射線量200mJ/m
2で紫外線照射を行って塗膜を硬化させて、高屈折率層を形成した。高屈折率層の膜厚は142nmであり、波長550nmでの屈折率は1.76であった。
【0156】
(4)低屈折率層の形成
形成した高屈折率層上に、低屈折率層形成用塗液LR1を塗布し、塗膜を形成した。紫外線照射装置を用い、照射線量200mJ/m
2で紫外線照射を行って塗膜を硬化させて、低屈折率層を形成し、光学フィルムを得た。低屈折率層の膜厚は100nmであり、波長550nmでの屈折率は1.34であった。
【0157】
[実施例3〜6、比較例1〜3]
実施例3〜6、比較例1〜3では、ハードコート層形成用塗液HC1をハードコート層形成用塗液HC2〜HC8に置き換えた以外は実施例2と同様にして、光学フィルムを作製した。各実施例、比較例で用いた塗液の種類を表9に示す。
【0158】
【表9】
【0159】
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた光学フィルムについて、以下の方法で評価を行った。
【0160】
(鉛筆硬度試験)
光学フィルムの表面に、クレメンス型引掻き硬度試験機(テスター産業株式会社製、HA‐301)を用いて、JIS‐K5400‐1990に準拠して、500gの荷重をかけた鉛筆(三菱鉛筆社製 UNI)を用いて、鉛筆硬度を代えて試験を行い、キズによる外観の変化を目視で評価し、キズが観察されない時の上限の鉛筆の硬度を測定値とした。
【0161】
(外観)
得られた光学フィルムの低屈折率層表面の外観を目視により以下の基準で評価した。
○:ムラ、塗工時の傷が、明るい照明下でじっくりと評価すると分かる程度
×:ムラ、塗工時の傷が、はっきりと分かる程度
【0162】
(ヘイズ)
得られた光学フィルムについて、日本電色製NDH−2000を用い、JIS−K7105に準じ測定を実施した。
【0163】
(平均視感反射率)
得られた光学フィルムの表面について、自動分光光度計((株)日立製作所製、U−4000)を用い、入射角5°における分光反射率を測定した。また、得られた分光反射率曲線から平均視感反射率を求めた。なお、測定の際には、透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち反射防止層が形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置を行った。
【0164】
(反射色相)
得られた光学フィルムの低屈折率層表面について、正面及び斜め45°の色相を目視により以下の基準で評価した。
○:正面から45°の色相変化が明るい照明下でじっくりと評価すると分かる程度
△:正面から45°の色相変化が分かる程度
×:正面から45°の色相変化がはっきりと分かる程度
なお、評価の際には透明フィルム基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置を行った。
【0165】
(ブルーライトカット性)
得られた光学フィルムの表面について、自動分光光度計((株)日立製作所製、U−4000)を用い、分光透過率を測定し、440nm透過率を得た。この440nm透過率をブルーライトカット性(吸収性)の指標とした。
【0166】
実施例1〜6及び比較例1〜3の上記で行った評価結果を、以下の表10に示す。
【0167】
【表10】
【0168】
表10に示す結果から、実施例1〜6で得られた光学フィルムは、黄色顔料を含有したハードコート層を設けることにより、440nmのブルーライトカット機能と、3H以上の鉛筆硬度(500g荷重、JIS K5400規定)とを有することが確認された。
【0169】
これに対して、比較例1〜2で得られた光学フィルムは、鉛筆硬度に劣る。また、比較例3においては、鉛筆硬度は良好であったものの、粒子の添加量が多いことが原因で塗膜外観を損ねる。更に比較例1〜3においては、ブルーライトカット性を備えることが出来なかった。
【0170】
[実施例7:光学フィルム付き偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。鹸化処理済みの本発明の実施例2の光学フィルムに、ポリビニルアルコール接着剤を用いて、光学フィルムの透明フィルム側(トリアセチルセルロース)が偏光膜側となるように偏光膜の片面を貼り付けた。光学補償層を有する視野角拡大フィルム(ワイビューフィルムSA12B、富士写真フイルム(株)製)を鹸化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜のもう一方の面に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。この偏光板状態で前記光学フィルム評価に準じる形で評価を行った結果、実施例2の光学フィルムを用いた偏光板は、外観不良もなく、高い硬度を備えており、更にブルーライ
ト遮蔽性を備えていることが分かった。
【0171】
[実施例8]
実施例2の光学フィルムを、有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせた。これらの表示装置に対して、上記の光学フィルム評価に準じる形で評価を行った結果、本発明の光学フィルムを搭載した表示装置は、比較例の光学フィルムを搭載した表示装置に比較して、外観不良もなく、高い硬度を備えており、更にブルーライト遮蔽性を備えていることが分かった。
【0172】
[実施例9]
実施例2の光学フィルムを、有機EL表示装置の表面、及びタッチパネル表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせ、更にそれらを粘着剤を介して試料の側を貼り合わせた。これらのタッチパネルに対して、上記の光学フィルム評価に準じる形で評価を行った結果、本発明の光学フィルムを搭載したタッチパネルは、比較例の光学フィルムを搭載したタッチパネルに比較して、外観不良もなく、高い硬度を備えており、更にブルーライト遮蔽性を備えていることが分かった。