特許第6641143号(P6641143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641143
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200127BHJP
【FI】
   A63F7/02 310A
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-193215(P2015-193215)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-64044(P2017-64044A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】長澤 恭兵
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲也
【審査官】 小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−095385(JP,A)
【文献】 特開2012−147999(JP,A)
【文献】 特開平11−333110(JP,A)
【文献】 特開2002−224369(JP,A)
【文献】 特開2002−210193(JP,A)
【文献】 特開2004−358074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置される枠体に、導電性を有し遊技球を案内するガイドレールを備えた遊技盤部材を収容して成る遊技機であって、
前記枠体は、前記遊技盤部材に向かって付勢力を有し、前記遊技盤部材が収容されると前記付勢力に反して弾性変形する板状の押圧部によって前記遊技盤部材を押圧する押さえ部材を備え、
前記遊技盤部材には、前記ガイドレールと電気的に接続され、前記遊技盤部材の背面に沿って配された板状の接触部を有する導電性部材が取り付けられ、
前記押さえ部材は、遊技機のアースに電気的に接続され、前記遊技盤部材が前記枠体に収容されると、前記遊技盤部材を押圧するとともに前記押圧部の弾性変形により前記押圧部と前記接触部とが密着した状態となることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機において使用される遊技球は金属製のものであり、遊技中に静電気を帯びやすいため、遊技機内部の電気回路や、遊技者に悪影響を及ぼさないように、適宜除電を行う必要がある。従来の遊技機では、この除電のための装置を、遊技盤の正面部に設けていた。
例えば、特許文献1に記載の遊技機は、金属製の外レールおよび内レールとを電気的に接続する接続部材と、一端が遊技機のアース手段に接続され他端が接続部材、外レールおよび内レールの少なくともいずれか一つに接続される導電部材とを備えている。また、特許文献2に記載の遊技機は、遊技盤のガイドレールと、遊技盤を保持する遊技盤保持枠とを電気的に接続する接続手段とを備え、接続手段は、遊技盤側に設けられ、ガイドレールに弾接して電気的に接続される第1接続部材と、遊技盤保持枠側に設けられ、第1接続部材に弾接するとともに遊技盤保持枠に電気的に接続される第2接続部材とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−253764号公報
【特許文献1】特開2014−83067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、遊技盤の正面側に除電装置を設けると、遊技盤の設計領域が制限されるという問題点があった。
そこで、本願発明は、遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤の設計領域が除電のための装置によって制限されないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
本発明に係る遊技機(パチンコ機P)は、遊技場に設置される枠体(機枠F1)に、導電性を有し遊技球を案内するガイドレールRを備えた遊技盤部材(遊技盤ユニット1)を収容して成る遊技機であって、前記枠体は、前記遊技盤部材に向かって付勢力を有し、前記遊技盤部材が収容されると前記付勢力に反して弾性変形する板状の押圧部によって前記遊技盤部材を押圧する押さえ部材を備え、前記遊技盤部材には、前記ガイドレールと電気的に接続され、前記遊技盤部材の背面に沿って配された板状の接触部を有する導電性部材が取り付けられ、前記押さえ部材は、遊技機のアースに電気的に接続され、前記遊技盤部材が前記枠体に収容されると、前記遊技盤部材を押圧するとともに前記押圧部の弾性変形により前記押圧部と前記接触部とが密着した状態となることを特徴とする。
【0006】
本発明における遊技盤部材には、例えば金属製のガイドレールRを備え遊技領域120を構成する遊技盤110だけでなく、遊技盤110の背面側に設けられ遊技機の制御装置等を取り付けるための後方板(セット板100)も含まれる。また、本発明における導電性部材は、複数の部材から構成されていてもよい。また、導電性部材は、例えば、遊技盤部材に形成された貫通孔を通して遊技盤部材の背面に至るように形成することができる。
本発明では、ガイドレールRに接続された導電性部材を遊技盤部材の背面側に回し、遊技盤部材の背面に位置する前記導電性部材と、遊技盤部材の背面部を押さえるための押さえ部材とを接触させることにより、背面側からアースを取るようにしている。
【0007】
本発明によれば、押さえ部材を、アースを取るための部材と兼用にしているので、部品点数の削減を図ることができるとともに、遊技領域120を構成する遊技盤部材の正面にアースを取るための装置を配置しなくてよいので、遊技盤110の設計領域を拡大することができる。
ここで、前記導電性部材は、前記遊技盤部材の正面から底面を経て前記遊技盤部材の背面に連続したものとすることができる。このように形成することにより、導電性部材の装着を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤の設計領域が除電のための装置によって制限されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】パチンコ機の外観正面図である。
図2】遊技盤ユニット及び機枠の斜視図である。
図3】パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
図4】遊技盤ユニットの背面図である。
図5図4のV−V線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書において、パチンコ機Pに設けられた各構成部品についての、前後(正面背面)、左右(側面)、上下(平面底面)の方向は、各構成部品をパチンコ機Pに固定した状態でパチンコ機Pを正面視したときの方向を示すものとする。
【0011】
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、一般的に、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置(特に図示しておらず)が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置に接続されている。
遊技球貸出装置は、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置に紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0012】
本形態に係るパチンコ機Pは、図1及び図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって中空部を有する機枠F1と、この機枠F1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部を有する本体枠F2と、この本体枠F2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉Dと、を備えている。
【0013】
本体枠F2の中空部には、図2に示すように、遊技領域120を形成する遊技盤110と、遊技盤110の後方に配置されるセット板100とから構成される遊技盤ユニット1が収容されている。なお、図2においては、遊技盤110の盤面の構成を省略している。セット板100は、パチンコ機Pの作動を制御する制御装置800(図4参照)や、画像を表示するための液晶表示装置210(図3図4参照)などを取り付けるためのものである。また、機枠F1の左側には、図2に示すように、平面視V字型の本体押圧板40が上下に並んで2個取り付けられている。そして、機枠F1に対して本体枠F2を閉じたときに、本体押圧板40がセット板100の背面部を押圧するようになっている。なお、遊技盤ユニット1の左下部には、放電用のアース板金20が取り付けられているが、これについては後述する。
【0014】
また、図1に示すように、前扉Dには、開口部を覆う透明板400と、透明板400の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿600及び受皿700と、受皿700の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル500と、左下部に位置するスピーカSPと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠F1に対して本体枠F2を閉じ、さらに、前扉Dを閉じると、遊技盤110の前方に透明板400が位置することとなる。これにより、透明板400を介して、後方に位置する遊技盤110を視認することができるようになっている。
【0015】
前記上皿600には、図示しない球貸機から貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿600が遊技球で満杯になった場合には、パチンコ機Pから払い出される賞球は下皿700に導かれる。下皿700には図示しない開閉レバーが設けられており、開閉レバーを操作することにより下皿700の底部に設けられた排出口を開いて、下皿700に溜まった遊技球を下皿700の外に排出できるようになっている。
前記操作ハンドル500は、遊技球を打ち出すためのものであり、遊技者が回転操作可能に形成されている。ここで、上皿600は、図示しない遊技球の発射装置に遊技球を供給する供給通路(図示せず)を備えており、上皿600の遊技球が供給通路から発射装置に供給された状態で遊技者が操作ハンドル500を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル500の回転角度に応じた強度で、図示しない発射機構によって遊技球が発射される。
【0016】
遊技盤110は、透明なアクリル板であり、遊技盤110の盤面には、図2及び図3に示すように、金属製の外レールR1及び内レールR2からなるガイドレールRが設けられている。そしてこのガイドレールRによって略円形状に仕切られた領域が、遊技領域120を形成する。また、遊技領域120の左側方の領域において、外レールR1と内レールR2との間には、遊技球の発射通路が形成されており、発射機構から発射された遊技球は、発射強度が十分な場合に発射通路内を外レールR1に沿って上り、遊技領域120の左上部から遊技領域120内に放出される。
【0017】
遊技領域120は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域121と、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域122とから構成されている。これら2つの遊技領域120は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域120の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域121に進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域120の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域121に進入する。
【0018】
また、この遊技領域120内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口140と、始動領域としての第1始動入賞口150及び第2始動入賞口160と、遊技球が通過可能なゲート200と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置170と、遊技球を遊技領域120外へ導くアウト口190と、が設けられている。
遊技領域120の中央部には、セット板100に固定された液晶表示装置210の表示画面211が位置しており、透明な遊技盤110を透して表示画面211を視認可能となっている。
【0019】
本実施の形態では、第2始動入賞口160として、第1始動入賞口150の右側に並んで配置される第2始動入賞口160Aと、第2始動入賞口160Aの右方であってゲート200の下方に配置される第2始動入賞口160Bとの2つが設けられている。そして、第1始動入賞口150と第2始動入賞口160Aへは、第1遊技領域121を流下する遊技球を受け入れ可能であるとともに、受け入れた遊技球を左右に振り分ける振分装置250によって、交互に遊技球を入球させることができるように形成されている。振分装置250は、第1遊技領域122を流下する遊技球は受け入れ不能であるため、第1始動入賞口150及び第2始動入賞口160Aへは、第2遊技領域122を流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0020】
また、第2始動入賞口160Bには、図3に示すように、左右に開閉可能な可動片161が一対設けられており、可動片161が閉じているときには第2始動入賞口160Bは遊技球を受け入れることができないようになっている。一方、可動片161が開くと、開いた状態の可動片161が第1遊技領域121又は第2遊技領域122を流下する遊技球を第2始動入賞口160Bへ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口160Bへの遊技球の入球が容易となる。
【0021】
なお、可動片161の構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤110に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口160を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口160を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口160を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
【0022】
第1始動入賞口150又は第2始動入賞口160へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大入賞口180が開放される特別遊技を実行するか否かの大当たりの抽選が行われる。また、特別遊技には、大入賞口180の開放回数や開放時間、特別遊技終了後に移行する遊技状態の違いなどがそれぞれ異なる複数種類が設けられており、いずれの特別遊技を実行させるかは、各特別遊技に対応付けられた複数種類の特別図柄の中から一の特別図柄を決定する特別図柄の抽選により決定される。
【0023】
ここで、図3に示すように、遊技盤110の右下部であって、かつ、遊技領域120の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置300、第2特別図柄表示装置310、普通図柄表示装置320、第1特図保留表示装置330、第2特図保留表示装置340、及び普通図柄保留表示装置350が設けられている。
そして、第1始動入賞口150へ遊技球が入球すると、第1特別図柄表示装置300において、所定時間にわたり特別図柄の変動表示が行われ、第2始動入賞口160(第2始動入賞口160A及び第2始動入賞口160B)へ遊技球が入球すると、第2特別図柄表示装置310において、所定時間にわたり特別図柄の変動表示が行われる。また、この間、液晶表示装置210では変動演出が行われる。そして、所定時間の経過後、第1特別図柄表示装置300又は第2特別図柄表示装置310の変動表示が停止し、大当たり抽選の結果を示す特別図柄が停止表示される。所定の特別遊技が当選している場合には当該特別遊技に対応付けられた特別図柄が停止表示され、ハズレの場合にはハズレに対応付けられた所定の図柄が停止表示される。液晶表示装置210においても図柄変動を停止させて、抽選結果に応じた図柄を停止表示させる。特別遊技に対応付けられた特別図柄が停止表示された場合には、特別遊技が開始される。
【0024】
またここで、第1特別図柄表示装置300又は第2特別図柄表示装置310において特別図柄の変動表示が行われている最中、又は特別遊技の実行中に、第1始動入賞口150又は第2始動入賞口160に遊技球が入球した場合には、その旨が記憶(保留)され、第1始動入賞口150への遊技球の入球に基づく記憶数(保留数)は第1特図保留表示装置330に、第2始動入賞口160への遊技球の入球に基づく保留数は第2特図保留表示装置340に、それぞれ表示される。例えば点灯するランプの数により、保留数が報知される。そして、特別図柄の変動表示が終了し又は特別遊技が終了した場合には、保留に基づいて大当たりの抽選及び特別図柄の抽選が行われる。保留は最大4個まですることができ、保留に基づいて大当たりの抽選及び特別図柄の抽選が行われると保留数が減じられ、それに伴い第1特図保留表示装置330、第2特図保留表示装置340の表示も減じられる。
【0025】
ゲート200は、図3に示すように、振分装置250の右斜め上方に設けられている。このゲート200を遊技球が通過すると、上述の第2始動入賞口160Bに設けられた可動片161を開状態にさせて第2始動入賞口160Bを開放させるか否かの抽選が行われる。この抽選は、第2始動入賞口160Bの開放(当たり)、非開放(ハズレ)にそれぞれ対応付けられた複数種類の普通図柄の中から一の普通図柄を決定する普通図柄の抽選として行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、可動片161が所定時間、開状態となり、第2始動入賞口160Bが開放されるようになっている。
【0026】
また、ゲート200を遊技球が通過すると、図3に示す普通図柄表示装置320において、所定時間にわたり、普通図柄の変動表示が行われる。そして、変動時間の経過後、普通図柄表示装置320の変動表示が停止し、普通図柄の抽選の結果を示す普通図柄が停止表示される。すなわち、当たりの場合には当該当たりに対応付けられた普通図柄が停止表示され、ハズレの場合にはハズレに対応付けられた所定の図柄が停止表示される。当たりに対応付けられた普通図柄が停止表示されると、第2始動入賞口160Bが開放される。第2始動入賞口160Bが開放されている場合には、より多くの遊技球を第2始動入賞口160へ入球させることができ、大当たりの抽選を受ける機会が増え、第2始動入賞口160Bが開放されていない場合よりも有利な状態とすることができる。
【0027】
ここで、普通図柄表示装置320において普通図柄の変動表示が行われている最中に、ゲート200を遊技球が通過した場合には、上記と同様に最大4個まで保留され、普通図柄保留表示装置350に保留数が表示される。そして、普通図柄の変動表示が終了した場合には、保留に基づいて普通図柄の抽選が行われ、保留数が減じられるとともに普通図柄保留表示装置350の表示が減じられる。
【0028】
アタッカー装置170は、図3に示すように、ゲート200の右斜め上方に設けられている。このアタッカー装置170は、遊技球が入球可能な大入賞口180と、この大入賞口180を開閉する開閉扉181と、を備えている。常態においては、開閉扉181が閉じられ大入賞口180は閉鎖されているため、当該大入賞口180への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉181が開き大入賞口180が開放されるとともに、開閉扉181が遊技球を大入賞口180へ導く案内部材として機能することにより、大入賞口180への遊技球の入球が可能となる。また、当該大入賞口180へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0029】
アウト口190は、図3に示すように、遊技領域120の最下部に設けられており、一般入賞口140、振分装置250(第1始動入賞口150及び第2始動入賞口160)、及び大入賞口180のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口190に受け入れられた遊技球は、遊技盤110の背面側に導かれ回収される。
なお、一般入賞口140、第1始動入賞口150、第2始動入賞口160及び大入賞口180に入球した遊技球も、遊技盤110の背面側に導かれ回収される。
【0030】
液晶表示装置210の表示画面211には、背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、演出図柄(ダミー図柄)が変動表示されるようになっている。そして、各演出図柄の停止表示態様により、特別図柄の抽選や普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
なお、遊技盤110に設けられる演出を行う装置としては、上記した液晶表示装置210の他に、可動体を備えた演出役物装置や、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う遊技盤演出ランプ等を備えていてもよい。
【0031】
アース板金20は、遊技球やガイドレールR等に生じる静電気を除電するためのものであり、図2に示すように、水平板20Aと、水平板20Aの前端部から立ち上がる前方板20Bと、水平板20Aの後端部から立ち上がる後方板20Cと、を備えている。そして、アース板金20は、図3及び図4に示すように、遊技盤ユニット1の左下方に取り付けられ、遊技盤ユニット1に取り付けた遊技盤ユニット1に取り付けた状態で、水平板20Aが遊技盤ユニット1の底面に位置し、前方板20Bが遊技盤ユニット1の正面側に位置し、後方板20Cが遊技盤ユニット1の背面側に位置するようになっている。
【0032】
具体的には、アース板金20は、セット板100と遊技盤110を一体化した状態で、セット板100及び遊技盤110の下端面に設けられた切り欠き101、111(図2参照)に水平板20Aを嵌め込んで取り付けられ、図5に示すように、前方板20Bと後方板20Cとによりセット板100及び遊技盤110を挟み込むものである。遊技盤110の正面に当接する前方板20Bは、図3に示すように、金属箔や金属板などの導電性を有する接続部材21を介して外レールR1と接続されている。また、セット板100の背面に当接する後方板20Cは、図4に示すように、着座板金30によって背面側から覆われている。そして、着座板金30を固定ネジ31によってセット板100に固定することにより、アース板金20が遊技盤ユニット1に固定されるものとなっている。
【0033】
そして、アース板金20を取り付けた遊技盤ユニット1を本体枠F2に固定した状態で本体枠F2を閉じると、図5に示すように、着座板金30が機枠F1に設けられた本体押圧板40に当接する。本体枠F2を完全に閉じた状態にすると、本体押圧板40の弾力性により着座板金30と本体押圧板40とは密着した状態となる。本体押圧板40は、図示していないが、パチンコ機Pのアースに接続されており、接続部材21及びアース板金20を介して着座板金30に集結される静電気が、本体押圧板40からアースに放電されるものとなる。
【0034】
以上のように、本実施の形態では、ガイドレールRに接続されたアース板金20を遊技盤ユニット1の底面を経て背面側に回し、このアース板金20を、着座板金30を介して間接的に、遊技盤ユニット1を押さえるための本体押圧板40と接触させることでアーシングを行うようにしている。すなわち、遊技盤ユニット1の背面側に位置する本体押圧板40を、アースを取るための部材と兼用にしている。このように形成することにより、部品点数の節約ができ、製造コストを抑えることができる。
【0035】
また、アース板金20は、遊技盤ユニット1に下側から嵌め込んでネジ止めするだけでよいので、複雑な配線作業を行う必要がない。また、アースを集結する着座板金30を遊技盤ユニット1の背面に配置してあるので、遊技盤110の正面側からアースをとる場合と比べ、遊技盤の設計領域を拡大することができる。さらに、セット板100と遊技盤110とをアース板金20により挟持し、かつセット板100に着座板金30を固定してアース板金20を背面側から覆うようにしているので、セット板100と遊技盤110との固定を強化できるとともに、セット板100の強度を向上させることができる。
【0036】
なお、着座板金30は、遊技球とガイドレールRに生じた静電気の除電を行うのみならず、着座板金30に設けられたアース用ビス32(図4参照)に、パチンコ機Pの他の構成部品(例えば演出用役物)を電気的に接続することにより、他の構成部品のアースを取るようにすることもできる。
また、接続部材21は、ハーネスであってもよく、接続部材21は、外レールR1と内レールR2の双方に接続されていてもよい。さらに、接続部材21とアース板金20を一体化して形成してもよく、アース板金20の後方板20Cと着座板金30とを一体化して形成してもよい。
【0037】
また、上述の実施の形態では、アース板金20は、遊技盤ユニット1の正面から底面を経て背面に至る、断面略U字型に形成してあったが、アース板金20を、遊技盤ユニット1の正面側から背面側に貫通する貫通孔に通して、ガイドレールRのアースを遊技盤ユニット1の背面側で取るようにしてもよい。
ここで、上述の実施の形態における機枠F1は本発明の枠体に相当し、上述の実施の形態における本体押圧板40は本発明の押さえ部材に相当する。また、上述の実施の形態における遊技盤ユニットは本発明の遊技盤部材に相当し、上述の実施の形態におけるアース板金20及び接続部材21及び着座板金30は本発明の導電性部材に相当する。
【符号の説明】
【0038】
P パチンコ機(遊技機) 1 遊技盤ユニット(遊技盤部材)
20 アース板金(導電性部材) 20A 水平板
20B 前方板 20C 後方板
21 接続部材(導電性部材) 30 着座板金(導電性部材)
40 本体押圧板(押さえ部材) 50 扉枠
100 セット板 110 遊技盤
F1 機枠(枠体) R ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5