(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
【0013】
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態の半導体装置(整流素子)200を、
図1、
図2を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置200の縦構造の断面を模式的に示す図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置200の平面構造を模式的に示す図である。なお、
図2では理解を容易にするため、半導体装置200の上部に配置されるリード(第2の外部電極)22とリードヘッダ(第2の電極面部)25と第2の樹脂26は省略して示している。
なお、整流素子(半導体装置)の構成(構造)には、「正座」と「逆座」と称される二つの構成(構造)がある。この「正座」と「逆座」の相違は、電気的な極性の相違と、それにともなう構成(構造)の相違によって区別される。
第1実施形態の半導体装置200は、正座の構造を有しており、以下に詳しく説明する。また、逆座の半導体装置300(第7図)については、第2実施形態として、後記する。
【0014】
《半導体装置:その1》
図1および
図2において、半導体装置200は、台座(第1の電極面部)24を上部(
図1の紙面の上方)に有するベース(第1の外部電極、第1の外部端子)21と、リードヘッダ(第2の電極面部)25を下部(
図1の紙面の下方)に有するリード(第2の外部電極、第2の外部端子)22と、電子回路体100とを備えて構成されている。
台座24は、後記する電子回路体100のドレインフレーム(第1の内部電極)14と、第2の導電性接合材(半導体装置の接合材)29を介して接続されている。
【0015】
また、リードヘッダ25は、後記する電子回路体100のソースフレーム(第2の内部電極)15と、第2の導電性接合材29を介して接続されている。
また、台座24およびベース21の上部に位置する一部と、リードヘッダ25およびリード22の下部に位置する一部と、電子回路体100とは、第2の樹脂(半導体装置の樹脂、モールド材)26に覆われて封止されている。
なお、ベース(第1の外部電極、第1の外部端子)21とリード(第2の外部電極、第2の外部端子)22が、外部の回路と電気的に接続する際の端子(外部端子)となる。
以上が、半導体装置200の構成の概要である。
【0016】
《電子回路体》
次に、半導体装置200に備えられた電子回路体100の詳細な構成を
図1と
図2を参照して説明する。なお、
図1および
図2において、電子回路体100を破線で示しているのは、電子回路体100が占める領域を表記するためである。また、
図2においては、電子回路体100を、内部の構成を見やすくするために、
図1で表記した電子回路体100よりも大きく表記している。
図1および
図2に示す電子回路体100は、トランジスタ回路チップ11と、制御回路チップ12と、コンデンサ13とを備えている。また、併せて、電子回路体100は、ドレインフレーム(第1の内部電極)14と、ソースフレーム(第2の内部電極)15と、リードフレーム(支持体)17とを備えている。
【0017】
トランジスタ回路チップ11は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)で構成されている。そしてMOSFETのドレイン電極(第1の主端子)11dとソース電極(第2の主端子)11sとは、トランジスタ回路チップ11の別々の主面に設けられている。
トランジスタ回路チップ11のドレイン電極11dが設けられた側の面を、トランジスタ回路チップ11の第一の主面とし、ソース電極11sが設けられた側の面を、トランジスタ回路チップ11の第二の主面と表記するものとする。
ドレイン電極11dは、第1の内部電極であるドレインフレーム14の一端の面(第1面)に第1の導電性接合材(電子回路体の接合材)19を介して接続されている。
ソース電極11sは、第2の内部電極であるソースフレーム15の一端の面(第1面)に第1の導電性接合材19を介して接続されている。
【0018】
制御回路チップ12は、支持体であるリードフレーム17の上に第1の導電性接合材19を介して接続されている。
また、制御回路チップ12に電源を供給するコンデンサ13も、リードフレーム17の上に第1の導電性接合材19を介して接続されている。
ドレインフレーム14の他端の面(第2面)は、後記するように、電子回路体100の第1の面から露出していて、第2の導電性接合材(半導体装置の接合材)29を介して、台座24に接触している。
ソースフレーム15の他端の面(第2面)は、後記するように、電子回路体100の第2の面から露出していて、第2の導電性接合材(半導体装置の接合材)29を介して、リードヘッダ25に接触している。
なお、リードフレーム17は、ベース21、すなわち台座24とは電気的に絶縁されるように配置される。
【0019】
制御回路チップ12は、トランジスタ回路チップ11とワイヤ18を介して電気的に接続されている。例えばトランジスタ回路チップ11がパワーMOSFETの場合は、トランジスタ回路チップ11に形成されたゲート電極11gと制御回路チップ12とをワイヤ18で接続し、制御回路チップ12がパワーMOSFETのゲート電圧を制御する。これによって、スイッチング機能を有するトランジスタ回路チップ11に大電流を流すことができる。
また、コンデンサ13は、リードフレーム17やワイヤ18によって、トランジスタ回路チップ11や制御回路チップ12と電気的に接続される。なお、
図2に示す二つのコンデンサ端子13tがコンデンサ13の両端子である。コンデンサ13は、例えばセラミックコンデンサを用いることができる。
【0020】
トランジスタ回路チップ11は、大電流をスイッチングする機能を有している。
例えばスイッチングする機能を有するトランジスタ回路チップ(スイッチング回路チップ)11としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSFETを備えた半導体素子である。また、サイリスタ等の大電流をオン・オフ制御する半導体素子が形成されたSi、SiC、SiNおよびGaAs等からなる半導体素子とすることができる。
【0021】
また、制御回路チップ12は、大電流をスイッチングするトランジスタ回路チップ11を制御する半導体素子である。制御回路チップ12自体は、大電流をスイッチングする半導体素子を含まない半導体素子である。
すなわち、制御回路チップ12は、例えば論理回路、アナログ回路、ドライバ回路等が複数、形成され、必要に応じてマイクロプロセッサ等が形成された半導体素子である。また、トランジスタ回路チップ11に流れる大電流を制御する機能を、併せて持つことができる。
なお、トランジスタ回路チップ11と制御回路チップ12の回路構成例は、
図5、
図6を参照して後記する。
【0022】
また、トランジスタ回路チップ11、制御回路チップ12、コンデンサ13、ドレインフレーム14、ソースフレーム15、および第1の導電性接合材19は、一体的に第1の樹脂(電子回路体の樹脂、モールド材)16に覆われ、封止されて、一体化した電子回路体100が構成される。
なお、電子回路体100のドレインフレーム14やリードフレーム17が配置されている側を第1の面と表記し、その反対側、すなわちソースフレーム15の一部が露出している側の面を第2の面と表記する。
【0023】
《半導体装置:その2》
再び、半導体装置200の構成について詳しく説明する。
前記したように、台座(第1の電極面部)24およびベース(第1の外部電極)21の上部(
図1の紙面の上方)に位置する一部と、リードヘッダ(第2の電極面部)25およびリード(第2の外部端子)22の下部(
図1の紙面の下方)に位置する一部と、第2の導電性接合材29と、電子回路体100は、第2の樹脂(半導体装置の樹脂)26に覆われて封止されて、半導体装置200を構成する。
なお、電子回路体100のソースフレーム15の上面と、リードヘッダ25との接続部、および電子回路体100のドレインフレーム14の下面と、台座24との接続部について、
図3、
図4を参照して説明する。
【0024】
図3は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電子回路体の上面(
図1の紙面の上方)を模式的に示す図である。
図3において、電子回路体100のソースフレーム15の上面は、電子回路体100の第1の樹脂16に覆われていることなく、電子回路体100の表面に露出している。
したがって、電子回路体100のソースフレーム15の上面は、第2の導電性接合材29(
図1)を介して、リードヘッダ25(
図1)と電気的に接続することができる。
【0025】
図4は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電子回路体の下面(
図1の紙面の下方)を模式的に示す図である。
図4において、電子回路体100のドレインフレーム14の下面は、電子回路体100の第1の樹脂16に覆われていることなく、電子回路体100の表面に露出している。
したがって、電子回路体100のドレインフレーム14の下面は、第2の導電性接合材29(
図1)を介して、台座24(
図1)と電気的に接続することができる。
【0026】
以上から、
図1において、ドレインフレーム14は、第2の導電性接合材29を介して、台座24に接続されている。
また、ソースフレーム15は、第2の導電性接合材29を介して、リードヘッダ25に接続されている。
【0027】
以上のように、電子回路体100は、第1の樹脂16で封止されて、一体的に構成されており、ドレインフレーム14、およびソースフレーム15の一面は、
図3および
図4に示したように、それぞれ電子回路体100の表面に露出する構造となる。
この露出したドレインフレーム14の一面は、ベース21の台座24に、ソースフレーム15の一面は、リード22のリードヘッダ25にと、それぞれ第2の導電性接合材29によって電気的に接続され,半導体装置200を構成する。
【0028】
この構成において、トランジスタ回路チップ11のソース電極11sと接続されるソースフレーム15を、ドレインフレーム14よりも厚くする。ここで厚くするとは、台座24からリードヘッダ25に向う方向において、長くすることを意味する。
このように厚くすることで、ソース電極11sを電流が流れる際の損失に伴う発熱をソースフレーム15側に効率よく放熱させることができ、半導体装置200の冷却性の向上が可能となる。
すなわち、トランジスタ回路チップ11は、ソース電極11sが形成される側の面に、主として、トランジスタ素子が形成されるので、トランジスタ素子の発熱は、主にソース電極11sが形成される側で起こる。そのため、ソースフレーム15によって放熱させた方が効果的である。このソースフレーム15によって放熱させるためには、ソースフレーム15の熱容量を大きくし、熱伝導をよくすることが有効であって、そのため前記したように、ソースフレーム15を、ドレインフレーム14よりも厚くする方法をとる。
【0029】
また、ソースフレーム15を厚くすることによって、ソースフレーム15が電子回路体100のリードヘッダ25側に導電体を露出させることが可能となり、リードヘッダ25、すなわちリード22と電気的に接続できる構造となっている。
【0030】
《正座の半導体装置の回路構成例》
次に、半導体装置(正座)200を用いた回路構成の例について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置200を用いた整流回路の回路構成の一例を示す図である。
図5において、半導体装置200は、電子回路体100、すなわち、スイッチング機能を有するトランジスタ回路チップ11と、制御回路チップ12と、コンデンサ13とを備えて構成されている。また、H(21)端子が
図1におけるベース21であり、L(22)端子が
図1におけるリード22である。
例えば、自動車の発電に使用されるオルタネータの整流回路の整流素子の場合は、H端子がバッテリーに繋がり、L端子が発電用のコイルに繋がる。
図1から
図4を用いて説明した電子回路体100が備えるトランジスタ回路チップ11、制御回路チップ12、およびコンデンサ13は、
図5に示すように配線され、電気的に接続される。
【0031】
具体的には、オルタネータ(不図示)のコイル(不図示)から来た電流は、L端子(リード22)を通じてスイッチング機能を有するトランジスタ回路チップ11のソース電極11sに入る。
また、併せて前記の電流は、制御回路チップ12に入り、制御回路チップ12は、ゲート電圧を制御して、トランジスタ回路チップ11のゲート電極11gの電圧を上げて、トランジスタ回路チップ11のドレイン電極11dからH端子(ベース21)を通じてバッテリー(不図示)へと電流を流す。
また、制御回路チップ12は、L端子(リード22)から入ってきた電流から、コンデンサ13によって蓄えわれた電荷によって電源(電力、電圧)が供給されて駆動される。
【0032】
《電子回路体の具体的な回路構成例》
次に、電子回路体100の具体的な回路構成例を示す。
図6は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置200、および電子回路体100のより詳しい回路構成の一例を示す図である。
図6において、H端子とL端子との間に、
図5を参照して説明したトランジスタ回路チップ11、制御回路チップ12、コンデンサ13が、前記したように配線され、電気的に接続される。
【0033】
トランジスタ回路チップ11は、MOSFET111を備えて構成されている。
MOSFET111は、n型チャネル(n型)であり、逆並列にダイオード112を寄生ダイオードとして有している。
制御回路チップ12は、L端子の電圧とH端子の電圧とを比較するコンパレータ122と、MOSFET111のゲート電極11gに電圧を付与するゲートドライバ121と、逆流防止用のダイオード123と、を有して構成される。
【0034】
コンパレータ122の反転入力端子(−)は、H端子に、非反転入力端子(+)は、L端子にそれぞれ接続される。
コンパレータ122の出力端子は、ゲートドライバ121の入力端子に接続される。
ゲートドライバ121の出力端子は、MOSFET111のゲート電極11gに接続される。
【0035】
また、コンデンサ13の高電圧側端子は、コンパレータ122の電源端子とゲートドライバ121の電源端子に接続される。また、コンデンサ13の低電圧側端子は、L端子に接続される。
逆流防止用のダイオード123のアノードは、H端子に接続される。ダイオード123のカソードは、前記したようにゲートドライバ121の電源端子とコンパレータ122の電源端子とコンデンサ13の高電圧側端子に接続される。
【0036】
《半導体装置200の回路の動作》
図6に示す半導体装置200、および電子回路体100の回路の動作を次に説明する。
H端子の電圧がL端子の電圧より低くなると、コンパレータ122は高電圧の信号をゲートドライバ121に出力する。
高電圧の信号が入力されたゲートドライバ121は、MOSFET111のゲート電極11gの電圧を上げてMOSFET111(トランジスタ回路チップ11)をオン状態にする。
【0037】
逆に、H端子の電圧がL端子の電圧より高くなると、コンパレータ122は、低電圧の信号をゲートドライバ121に出力する。
低電圧の信号が入力されたゲートドライバ121は、MOSFET111(トランジスタ回路チップ11)のゲート電極11gの電圧を下げてMOSFET111(トランジスタ回路チップ11)をオフ状態にする。
【0038】
すなわち、コンパレータ122がH端子とL端子の電圧の大小関係を比較し、ゲートドライバ121によって、MOSFET111(トランジスタ回路チップ11)をオン/オフする。つまり整流素子としての動作を行う。
なお、
図6におけるコンデンサ13は、蓄えられる電荷によって、コンパレータ122とゲートドライバ121とに電源電圧(電力)を供給する役目をしている。
【0039】
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態の半導体装置200は、前記したように、一体化した電子回路体100を、台座24を有するベース21と、リードヘッダ25を有するリード22との間に挟む構造である。したがって、一体化した電子回路体100の段階でテストができるので、テストおよび選別性の向上、歩留向上、歩留コストの低減ができる。
また前記の簡便な構造であるので、半導体装置の製造コストの低減、組立工程の簡素化、小型化が可能となる効果がある。
なお、第1実施形態の半導体装置200は、前記したように、正座の構造であり、後記する第2実施形態の半導体装置300は、逆座の構造であって、これらの正座と逆座の半導体装置において、電子回路体100が共用できることに真の本発明の特徴と効果がある。ゆえに、第2実施形態の半導体装置300、および応用例(3相全波整流回路装置800:
図9)を説明した後に、再度、効果について説明する。
【0040】
≪第2実施形態≫
本発明の第2実施形態の半導体装置300を、
図7を参照して説明する。なお、第2実施形態の半導体装置300は、逆座の構造を有している。
図7は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置300の縦構造の断面を模式的に示す図である。
図7において、半導体装置300が
図1の半導体装置200と異なるのは、台座24を上部に有するベース21、およびリードヘッダ25を下部に有するリード22と、電子回路体100が設けられた上下の方向と接続関係である。その他については、第1実施形態と共通する要素と構成であるので、重複する説明は、適宜、省略する。
以下においては、第2の実施形態(逆座)の半導体装置300が、第1の実施形態(正座)の半導体装置200と相違する事項を中心に説明する。
【0041】
《正座の半導体装置》
図1から
図5を参照して説明した第1の実施形態に係る半導体装置200は、前記したように、正座と呼ばれるオルタネータの整流回路における上アームに用いられる整流素子である。
図1に示すように、トランジスタ回路チップ11のドレイン電極11dは、ベース21、すなわち台座24に接続され、トランジスタ回路チップ11のソース電極11sは、リード22、すなわちリードヘッダ25に接続されている。
【0042】
《逆座の半導体装置》
これに対し、
図7を参照して説明する本発明の第2の実施形態に係る半導体装置300は、逆座と呼ばれるオルタネータの整流回路における下アームに用いられる整流素子である。
図7に示すように、トランジスタ回路チップ11のドレイン電極11dは、リード22、すなわちリードヘッダ25に接続され、トランジスタ回路チップ11のソース電極11sは、ベース21、すなわち台座24に接続されている。これらの構成により、逆座の整流素子である半導体装置300を実現できる。
前記したように、
図7で示した半導体装置300の構成要素は、
図1から
図5に示す第1の実施形態に係る半導体装置200と基本的に同じである。
【0043】
図7に示すように、半導体装置300は、
図1に示す第1の実施形態に係る半導体装置200の電子回路体100を、上下反転して構成されている。
すなわち、電子回路体100を上下反転して用いることで、正座と逆座を使い分けることが可能となる。
つまり、第1の実施形態に係る半導体装置200と、第2の実施形態に係る半導体装置300とは、同じ部品、同じ回路構成のため、設計コスト、開発コストを低減できる。
また、電子回路体100は、一つの製造工程で作ることができるため、製造設備や検査設備のコストを大きく低減することが可能である。
さらには、電子回路体100の状態でテストや選別が可能なため、歩留コストも大きく低減することが可能である。
【0044】
《逆座の半導体装置の回路構成例》
図8は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置300を用いた整流回路の回路構成の一例を示す図である。半導体装置300は、前記したように、逆座の半導体装置である。
図8において、逆座の半導体装置300は、スイッチング機能を有するトランジスタ回路チップ11と、制御回路チップ12とコンデンサ13を備えて構成されている。
これら、トランジスタ回路チップ11、制御回路チップ12、コンデンサ13は、電子回路体100に備えられている。
図8における電子回路体100は、
図1、
図5の正座の半導体装置200における電子回路体100と同一の構成である。
したがって、半導体装置300においては、トランジスタ回路チップ11のソース電極11sに接続されている外部端子H(21)は、ベース21であり、ドレイン電極11dに接続されている外部端子L(22)は、リード22である。
このように、スイッチング機能を有するトランジスタ回路チップ11のソース電極11sとドレイン電極11dは、ベース21とリード22との接続が、半導体装置300と半導体装置200とは、逆になるため、整流器(整流素子)としての特性が逆になる。
【0045】
<第2実施形態の効果>
本発明の第2実施形態の半導体装置300は、第1実施形態の半導体装置200と同様に、一体化した電子回路体100を、台座24を有するベース21とリードヘッダ25を有するリード22との間に挟む構造である。したがって、一体化した電子回路体100の段階でテストができるので、テストおよび選別性の向上、歩留向上、歩留コストの低減ができる。また前記の簡便な構造であるので、半導体装置の製造コストの低減、組立工程の簡素化、小型化が可能となる効果がある。
なお、第2実施形態の半導体装置300は、逆座の構造であって、正座の第1実施形態の半導体装置200と、電子回路体100が共用できることに真の本発明の特徴と効果がある。ゆえに、正座の半導体装置200と逆座の半導体装置300の応用例(3相全波整流回路装置800:
図9)を説明した後に、再度、効果について説明する。
【0046】
≪3相全波整流回路装置の回路構成≫
図9は、正座の半導体装置200と逆座の半導体装置300を用いた3相全波整流回路装置800の回路構成の一例を示す図である。
図9において、正座の半導体装置200が3個と、逆座の半導体装置300が3個と、コンデンサ81が、備えられている。なお、紙面の左側から順に、第1、第2、第3の半導体装置200、あるいは半導体装置300と呼ぶものとする。
第1の正座の半導体装置200と第1の逆座の半導体装置300が直列に接続され、コンデンサ81の両端の端子(81p、81m)に接続されている。具体的には、正座の半導体装置200のL端子と逆座の半導体装置300のH端子とが接続され、半導体装置200のH端子がコンデンサ81の端子81pに接続され、半導体装置300のL端子がコンデンサ81の端子81mに接続されている。
第2の正座の半導体装置200と第2の逆座の半導体装置300が直列に接続され、コンデンサ81の両端の端子(81p、81m)に接続されている。
第3の正座の半導体装置200と第3の逆座の半導体装置300が直列に接続され、コンデンサ81の両端の端子(81p、81m)に接続されている。
【0047】
また、第1の正座の半導体装置200と第1の逆座の逆座の半導体装置300との接続点、第2の正座の半導体装置200と第2の逆座の逆座の半導体装置300との接続点、第3の正座の半導体装置200と第3の逆座の逆座の半導体装置300との接続点には、それぞれ3相交流電力(電圧)のU相(Vu)、V相(Vv)、W相(Vw)が入力している。
この回路構成において、3相全波整流回路装置800は、U相(Vu)、V相(Vv)、W相(Vw)からなる3相交流電力(電圧)を全波整流して、直流電力(電圧)をコンデンサ81に供給する。
図9の3相全波整流回路装置800には、前記したように、それぞれ3個ずつの正座の半導体装置200と、逆座の半導体装置300が使用されており、かつ、正座の半導体装置200と、逆座の半導体装置300には、同じ電子回路体が用いられているので、電気特性のばらつきが少ないとともに、製造上、低コストとなる。
以上から、
図9の3相全波整流回路装置800は、前記したように、例えば、自動車の発電に使用されるオルタネータの整流回路の整流素子として、製造コストや特性面、あるいは小型化や放熱などの観点から、非常に適している。
【0048】
<第1実施形態(正座)と第2実施形態(逆座)の半導体装置の効果>
以上において、第1実施形態の正座の半導体装置200と第2実施形態の半導体装置300について別々に説明したが、あらためて、正座と逆座の半導体装置において、電子回路体100を共用化することの効果を説明する。また、第1実施形態と第2実施形態に共通する効果について、あらためて説明する。
前記したように、第1実施形態の正座の半導体装置200、および第2実施形態の半導体装置300は、同一の電子回路体100を備えている。
電子回路体100は、トランジスタ回路チップ11、制御回路チップ12、コンデンサ13、ドレインフレーム14、ソースフレーム15、および第1の導電性接合材19が備えられ、一体的化された構成であって、かつ、ドレインフレーム14、ソースフレーム15を電子回路体100の上下の両方向からそれぞれ別々に電極を取り出していることに大きな特徴がある。
【0049】
この構成、構造のために、一つの電子回路体100を正座用にも逆座用にも、共に使用できる。
したがって、正座および逆座の半導体装置に用いられる電子回路体100を区別する必要がないので、同一の製造工程で作れる。すなわち、製造設備が共用化され、組立工程が簡素化され、量的にも多く製造できるので、コストの面で有利となる。
また、電子回路体100の状態で、例えば一般的なソケットを用いて選別やテストが可能になるので、テストコストが低減できる。
また、半導体装置(200、300)を組み立てる前の段階の電子回路体100の状態でテストができるので、電子回路体100が不良であった場合に、その後の工程のコストが追加されることを避けられるので、歩留コストも大きく低減できる、また歩留そのものも向上する。
【0050】
また、電子回路体100の表面に露出しているドレインフレーム14、およびソースフレーム15の内部電極と、それぞれ、ベース21すなわち台座24、およびリード22すなわちリードヘッダ25とが、第2の導電性接合材29で接続される。このため、電気抵抗を大きく低減できる。
また、前記したように、トランジスタ回路チップ11のソース電極11sと接続されるソースフレーム15を、ドレインフレーム14よりも厚くすることで、ソース電極11sを電流が流れる際の損失に伴う発熱をソースフレーム15側に効率よく放熱させることができて、半導体装置(200、300)の冷却性向上が可能となる。
【0051】
すなわち、本発明において開示される実施の形態によれば、半導体装置の(特に自動車の発電に使用されるオルタネータに用いる)外部電極が2端子の整流回路等の場合に、半導体装置の製造コストの低減、テストおよび選別性の向上、歩留向上、組立工程の簡素化、小型化および高放熱化を実現することができ、特に正座と逆座に対して複雑な製造工程を必要とせず、極めて簡便に実現することが可能となる。
【0052】
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を加えることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
【0053】
《モールド材の材料、材質》
第1実施形態の半導体装置200において、第1の樹脂16と第2の樹脂26を共にモールドと表記した。さらに補足すれば、第1の樹脂16と第2の樹脂26とは、同じ材料であってもよく、または違う材料、材質でもよい。
ただし、例えばエポキシ樹脂、ビフェニール樹脂および不飽和ポリエステル等の一般的なモールド材を用いることで、製造コストを抑えることができる。
【0054】
《金型を用いたトランスファーモールド工法》
第1実施形態においては、電子回路体は、樹脂で封止するとして説明したが、この方法には限定されない。
例えば金型を用いたトランスファーモールド工法等によって形成されることで、安価にかつ大量生産が可能になる。
また、必ずしも樹脂で封止する必要はなく、電子回路体100は、金属等によって一体形成されても良い。
このとき、一つのモールド金型キャビティ内で複数の電子回路体100をモールドして、切断成型して個片化するMAP(Molded Array Process)方式を採用することで、さらに大量生産やコストの面で有利となる。
【0055】
さらには、ドレインフレーム14とリードフレーム17とは、一体形成しておき、モールド後の切断成型の際に電気的に分離することで、より安価で大量生産が可能である。
このとき、リードフレーム17の部分は、ハーフエッチングか折り曲げ加工を施すことで、電子回路体100の表面には露出することがなく、ベース21と絶縁することが可能である。
したがって、電子回路体100の表面には、リードフレーム17は露出しない構成となるが、切断成型時にはリードフレーム17の一部を切断するため、切断面にはリードフレーム17の一部が露出する。
この切断面に露出したリードフレーム17の一部を用いて、例えばソケット等を使用することで、電子回路体100の状態で、制御回路チップ12、およびコンデンサ13を検査することが可能であり、テストと選別が容易になって、歩留向上やコスト低減が実現できる。
【0056】
《第1の導電性接合材と第2の導電性接合材》
第1実施形態においては、第1、第2の導電性接合材として説明したが、この導電性接合材の材質は、特定の材質に限定されない。
第1の導電性接合材19と第2の導電性接合材29とは、同じ材料であってもよく、または違う材料でもよい。ただし、例えば一般的な導電性の接合材である半田、Au、Ag、もしくはCuを含む金属、または導電性接着材等により構成される。
なお、半田としては、一般的な共晶半田や鉛フリー半田等が用いられる。また、導電性接着材としては,Ag、Cu、およびNiなどの金属フィラーが樹脂に含有、もしくは金属のみで構成されたものが用いられる。
【0057】
《ベース、リード、フレームの材質》
第1実施形態および第2実施形態において、ベース21、リード22やフレームの材質については略したが、次にあらためて説明する。
ベース21、リード22、ドレインフレーム14、ソースフレーム15、およびリードフレーム17は、加工しやすく熱伝導性や導電性に優れるCuやAl等の一般的な金属を用いる。このとき、導電性接合材との接続部分には、接続安定性を向上させるため、Au、Pd、Ag、およびNi等のメッキを施しておくのが望ましい。
【0058】
《制御回路チップの構成》
第1実施形態で説明した
図6に示す回路は、本発明の半導体装置(整流素子)200を実現する制御回路チップ12とトランジスタ回路チップ11の回路構成の一例であり、これに限らない。
コンパレータ122の代わりに、入力信号の差を検出して増幅する差動増幅器を用いてもよいし、MOSFET111に流れる電流の向きで、オン/オフを制御してもよい。
また、
図5あるいは
図6に示すコンデンサ13に代えて、外部から電源を供給することとしてもよい。
【0059】
《トランジスタ回路チップと制御回路チップ》
図1および
図2において、トランジスタ回路チップ11と制御回路チップ12は、別のチップであるとして説明したが、トランジスタ回路チップ11と制御回路チップ12とを一つのチップとしてもよい。
また、トランジスタ回路チップ11と制御回路チップ12が別のチップである場合には、
図6において、トランジスタ回路チップ11をMOSFETで表記したが、前記したように、IGBTで構成してもよい。なお、トランジスタ回路チップ11がIGBTからなる場合は、第1の主端子(11d)がコレクタ端子となり、第2の主端子(11s)がエミッタ端子となる。
【0060】
《コンデンサ》
第1実施形態において、
図1、
図5、
図6に示したコンデンサ13を、セラミックコンデンサとして例示したが、これに限定されない。ポリエステルコンデンサ(マイラコンデンサ)、ポリスチレンコンデンサ(スチコン)、マイカコンデンサ、タンタルコンデンサ等を用いてもよい。また、電解コンデンサを併用してもよい。
【0061】
《半導体装置(整流素子)の応用》
図9においては、本発明の半導体装置200、300を用いた回路構成例として、3相全波整流回路装置800を例示したが、これに限定されない。単相や4相以上の全波整流回路に適用してもよい。
また、3相全波整流回路装置800を、自動車の発電に使用されるオルタネータの整流回路の整流素子として、用いる例を示したがオルタネータに限定されない。産業用途の電流変換装置を含めて、各種用途の整流素子として応用できる。