【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、手段1として、ゴルフ場のグリーン上に載置するためのベースプレートと、前記ベースプレート上に載置されるマーカー本体とを備え、前記ベースプレート内には磁石が埋設されるとともに前記マーカー本体は強磁性体からなる被吸着部を有し、前記マーカー本体は前記被吸着部を介して前記磁石に吸着されて前記ベースプレート上面に当接して起立状態でベースプレートに保持されるようにした。
このように機構的に連結させずに磁力によって吸着させるようにしたため、ユーザー(プレーヤー)はベースプレート上にマーカー本体を起立させることができ、例えばグリーン上でいわゆるライン取りをする際に比較的マーカー本体までの距離があったり、あるいはグリーンに起伏があったとしてもグリーン上のマーカー本体を目視しやすくなり、また、連結するために磁力を使っておりヒンジのような機構的な連結部分がないためシンプルに構成でき、そのため外力を受けても破損しにくい。
ここにベースプレートは板状、つまり扁平な外形形状を有する部材であり、必ずしも円板形状でなくとも楕円形、方形等様々な外形で構成することができる。素材は、後述するように砂鉄を拾わないために強磁性体の金属から構成することがよいが、強磁性体以外の金属やプラスチックやレジンや陶器のような焼結体から構成するようにしてもよい。そしてこれらの中に磁石が埋設されていればよいため、例えば磁石は当初からレジン材料に充填しておいてその後レジンを硬化させるようにしてもよく、材料を削って穴を空けてそこに磁石を埋設するようにしてもよい。また、磁石はベースプレートのどの位置にあってもよいが、なるべく上側であってベースプレートの中央位置にあることがよい。
ここに強磁性体とは、例えば鉄・コバルト・ニッケル及びそれらを主成分とする合金が挙げられる。
マーカー本体はその全体又は一部に強磁性体からなる被吸着部を有し、その被吸着部を介して磁石によって吸着されてベースプレート側に起立させることができるのであれば、形状は特に限定されない。例えば、以下手段3のようにコイン形状としてもよく、強磁性体ではない素材に例えばボルトのような強磁性体部材を連結してもよい。更に、強磁性体部材に他のユーザーの目標となるような目印を固定してもよい。
【0006】
また、手段2として、前記マーカー本体は板状に構成され、前記ベースプレート上面に対して面同士で接して倒伏状態で前記被吸着部が前記磁石によって吸着されるとともに、前記ベースプレート上面に対して外周端面で接して前記被吸着部が前記磁石によって吸着され起立可能とされるようにした。
つまり、マーカー本体はそれ自体が倒れることでベースプレートと重ねられて寝た状態のマーカーとして機能し、起立することでより見やすい状態といずれの態様でも使用できるためユーザーは距離に応じていずれかの態様を選択することができる。マーカー本体をベースプレートから磁力に抗して切り離して単独で従来の地面(グリーン)上に寝かせるタイプのマーカーとして使用することができる。
また、手段3として、前記マーカー本体の前記被吸着部は円板形状であり、その外周端面の周方向と直交する方向は直線状に構成され、かつ前記マーカー本体の面方向に対して直交しているようにした。
つまり、マーカー本体をいわゆるコイン形状としたものである。このような形状であれば、どの位相位置でもベースプレート側の磁石に同じように吸着させることができる。また、当接部分が直線状で周方向においてどの位置でも均等である。このような構成であれば、起立させることにおいて周方向のどの位置でも起立させやすさは同じであるため、ユーザーが起立させる動作をする際に立てやすい方向を定めるなどの手間がいらず速やかに使用することができる。更に手段2と同様にマーカー本体をベースプレートから磁力に抗して切り離して単独で従来の地面(グリーン)上に寝かせるタイプのマーカーとして使用することができる。
【0007】
また、手段4として、前記マーカー本体の表裏少なくとも一方は装飾面とするようにした。
これによって板状又は円板状のマーカー本体を起立させた場合に、ユーザーは装飾面を目視することができ、よりマーカー本体が視認しやすくなる。
【0008】
また、手段5として、前記ベースプレートは強磁性体からなる収容部を有し、前記磁石は前記収容部上面に開口された凹部内に収容されているようにした。
このように構成すれば、磁石の磁力は強磁性体から構成された収容部によって磁束が遮蔽され、底面よりも下方には磁力が及びにくくなる。一方、収容部上面はそのような積極的な遮蔽を施しておらずマーカー本体側の強磁性体からなる被吸着部(マーカー本体自体を強磁性体から構成した場合も含む)が磁力によって吸着されることとなる。そのため、グリーン上に載置したベースプレートがグリーン上の砂鉄成分を磁力で拾ってしまうことが防止される。
ここに、収容部に収容される磁石は被吸着部との吸着性を向上させるためになるべく扁平で吸着面積が広いほうがよく、底面より下への漏れ磁束を少なくするために薄く構成し、かつ表面磁束密度の小さなフェライト磁石を使うことがよい。しかし、ネオジム磁石であってもフェライト磁石よりも相対的に小さなものを使用するのであればネオジム磁石を使用することもよい。
また、手段6として、前記ベースプレート自体を前記収容部とした。
これによって収容部の周囲を包囲するような加工が不要となり、ベースプレートの加工コストが下がり、ベースプレート全体を強磁性体からなる金属で構成することから強度も向上する。
【0009】
また、手段7として、前記ベースプレートの上面は強磁性体ではないカバー部材によって覆われるようにした。
これによってベースプレートの上面に磁石がむき出しになることなく、ベースプレートの上面にマーカー本体側の被吸着部が磁石の磁力によって吸着される際にその吸着力が減衰されにくくなる。また、カバー部材が強磁性体ではないので磁力が減衰することもない。また、磁石がむき出しになると磁石の脱落や埋設位置からのズレが生じる可能性があるが、カバー部材によって覆われることでそのような不具合もなくなる。また、見た目もよくなる。カバー部材としては素材は強磁性体でなければ例えば金属であっても、あるいは例えば紙、ガラス、プラスチック、レジン(透明樹脂)等でもよい。カバー部材の厚みは厚くしすぎると磁力による吸着力が弱くなってしまうが、被吸着部が吸着されてマーカー本体が起立状態で保持可能な厚みであればその範囲で厚くすることはよい。
また、手段8として、前記カバー部材に装飾が施されているようにした。
ベースプレートの上面も目視され、また、このような目立つ形態とすることで単独でマーカーとしても使用可能となるからである。また、マーカー本体と組み合わせて使用する際にもマーカー本体の装飾と併せてよりマーカーとしてユーザーが視認しやすいという機能を発揮することができる。
【0010】
また、手段9として、前記ベースプレートと前記マーカー本体の両方を磁力によって吸着して保持するための台座となる部材を有するようにした。
これによってベースプレートとマーカー本体は台座となる部材に磁力によって吸着して携行することができる。台座となる部材は例えばクリップを有して帽子やポケットの上縁などに取り付けられ、容易にベースプレート及びマーカー本体の着脱が可能であることがよい。