(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作装置は、前記送信機での操作に対応する前記駆動ユニットの動作特性を変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の重機の遠隔操作装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記特許文献1、2及び非特許文献1に記載の装置は、人間の操縦と同様に、三次元空間内を自由に移動可能なアームを用いることで操作ハンドルを実際の有人操縦と同様に移動させることとなるが、遠隔操作では実際に運転席におらず重機のブームなどの動きを視認確認することができないため、細かな動作制御は困難であった。
【0012】
また、特許文献2や非特許文献1の装置は、人間の腕と同様の動作をアームに行わせる必要があるため、装置が大型化し、装置の取り付け及び取り外しの手間が大きくなるという問題もあった。
【0013】
一方、特許文献3及び4の装置では、支点を中心として傾動するように移動する操作ハンドルを直線的に移動するガイドで操作すると、ガイドの移動量と操作ハンドルとの操作ずれが大きくなるという問題があった。この操作ずれは、操作ハンドルの傾斜角度に対応する重機のブームの動きのずれとなるため、遠隔操作を煩雑にする原因となっていた。
【0014】
また、操作ハンドルの操作杆の傾斜角度が大きくなると、角度に応じて操作杆の水平方向の幅が変わるため、ガイドの隙間を操作杆の外径寸法に較べて予め大きく取る必要があった。このため、操作ハンドルが鉛直に近い状態では、余分に設定された当該ガイドの隙間が余分な遊びとなり、最も使用頻度が多い微調整の部分での繊細な操作が困難であるという問題があった。
【0015】
さらに、操作杆がガイドで挟まれているため、有人操作にて操作杆を操作するためには、装置を取り外しする必要があり、無人遠隔操作と有人搭乗操作の切り替えの手間が大きかった。
【0016】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、重機の操作杆の動作制御を容易にすることができ、また、高精度な遠隔操作を可能とする重機の遠隔操作装置を提供することである。
【0017】
また、本発明は、無人遠隔操作と有人搭乗操作の切り替えを容易に行える機能を有することで、無人遠隔操作の運転開始までの段取時間を大幅に低減し、無人遠隔操作の実用性を高める遠隔操作装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の遠隔操作装置を提供する。
【0019】
本発明は、操作信号を発信する送信機と、
動作支点を中心として傾動可能な重機の操作杆の周囲に取り付けられ、前記操作信号によって前記操作杆を動作させる操作装置と、
を備えた重機の遠隔操作装置であって、
前記操作装置は、
前記動作支点の近傍位置を回転軸として揺動するリンクと、前記リンクに接続しその長さ方向に沿って前記操作杆を案内する棒状のガイド部材とを備えた2組の駆動ユニットを有し、
前記2組の駆動ユニットは、前記回転軸が互いに直交し、双方の前記ガイド部材の交差位置で前記操作杆と接続し、
前記ガイド部材は円弧状に構成されて、一方のガイド部材が他方のガイド部材に沿って移動することを特徴とする。
【0020】
前記ガイド部材は、前記操作杆との接触位置と前記動作支点までの距離を半径とする円弧に構成することができる。
【0021】
また前記ガイド部材は、好ましくは前記操作杆を挟むように間隔をおいて互いに平行配置された2本の棒状部材で構成されている。
【0022】
上記構成において、前記リンクは、前記2本の棒状部材間の間隔を変更可能に構成されていることが好ましい。
【0023】
さらに、前記リンクは、その揺動方向に2つに分割され、前記ガイド部材のそれぞれを支持する分割リンクで構成され、前記分割リンクが、前記ガイド部材により前記操作杆が挟持される挟持位置と、前記操作杆の傾動範囲よりも広く離間した開放位置との間で開閉可能に構成することができる。
【0024】
また、複数の操作杆が設けられている重機を遠隔操作する場合は、操作装置は、前記重機の操作杆に対応して複数備えることができる。
【0025】
前記操作装置は、前記送信機での操作に対応する前記駆動ユニットの動作特性を変更可能に構成することで、送信機の操作と駆動ユニットのリンクの揺動とを用途や重機に応じて適宜調整し、より緻密な遠隔操作を行うことができる。なお、本構成において、動作特性とは、送信機の操作レバーなどの操作変化量に対する駆動ユニットの動作変化量であり、例えば、操作レバーの所定範囲内で、操作変化量に対する駆動ユニットの操作変化量を異ならせる場合などが例示できる。
【0026】
さらに、本発明は、操作信号を発信する送信機と、
動作支点を中心として傾動可能な重機の操作杆の周囲に取り付けられ、前記操作信号によって前記操作杆を動作させる操作装置と、
を備えた重機の遠隔操作装置であって、
前記操作装置は、
前記動作支点の近傍位置を回転軸として揺動するリンクと、間に前記操作杆を挟持可能な2本の平行な棒状のガイド部材とを備えた駆動ユニットを有し、
前記リンクは、前記回転軸を同じに揺動し、前記ガイド部材をそれぞれ支持する2つの分割リンクで構成され、
前記分割リンクが、前記ガイド部材により前記操作杆が挟持される挟持位置と、前記操作杆の傾動範囲よりも広く離間した開放位置との間で開閉可能であることを特徴とする、重機の遠隔操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、操作杆の傾動をガイドするガイド部材を操作杆の動作軌跡に沿った円弧状に構成することにより、一方の操作ガイド部材が他方に沿って移動することとなる。このため、操作杆の傾斜角度に関係なく、操作杆を移動させる駆動機構の移動量と操作杆の操作ずれを少なくすることができる。また、受信機は、重機の操作杆周りに取りつける構成であり、小型に構成することが可能となる。
【0028】
また、ガイド部材を2つの棒状部材で挟んだ構成とした場合において、操作杆の傾斜角度によるガイド間に位置する操作杆の幅寸法が変わらないため、操作杆の傾斜角度に関係なく、ガイド対の距離を小さくして遊びを少なくすることができ、高精度に操作することができる。
【0029】
さらに、リンクを分割して、操作杆が狭持された挟持位置と広く離間した開放位置との間で移動可能とすることにより、操作杆の手動運転への切り替えが容易となり、装置を装着した状態で、遠隔操作と有人操縦との切り替え作業の煩雑性を解消することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態に係る重機の遠隔操作装置について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態にかかる重機の遠隔操作装置を搭載する油圧ショベルの概略構成を示す図である。油圧ショベル1は、土砂の掘削作業等に用いられる重機であり、クローラーユニット2の上に旋回装置3を介して設けられ、クローラーユニット2に対して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置5とにより大略構成されている。
【0033】
作業装置5は、ブーム5a、アーム5b、バケット5c、ブームシリンダ5d、アームシリンダ5e、バケットシリンダ5f等を備えている。
【0034】
上部旋回体4は、旋回装置3を介してクローラーユニット2上に取付けられている。上部旋回体4の左前側にはキャブ6が設けられている。キャブ6は、運転者が搭乗する運転室を構成する。キャブ6の内部には、
図2に示すように運転席7、左右の操作ハンドル装置8,9、走行レバー・ペダル10,11等が配設されている。
【0035】
運転席7は、油圧ショベル1を操縦する運転者が着座する。また、運転席7の左,右両側には、旋回装置3と作業装置5を操作する作業系の操作ハンドル装置8,9が配設されている。
【0036】
左側の操作ハンドル装置8及び右側の操作ハンドル装置9は、それぞれ操作杆8a,9aを有している。操作杆8a,9aは、動作支点を中心として前後左右に傾動可能であり、操作杆8a,9aを傾動させることで、旋回装置3と作業装置5がそれぞれの傾き方向に応じて割り当てられた動作を行う。なお、操作杆8a,9aは、その傾動角度を調整することで、旋回装置3と作業装置5の移動加速度を調整することができ、大きく傾けると速い動作を行うようになっている。
【0037】
左右の走行レバー・ペダル10,11は、運転席7の前側に位置してキャブ6のフロア6c上に設けられており、該左,右の走行レバー・ペダル10,11は、運転席7に着座した運転者が両足で踏込み操作したり、又は手でレバー10a,11aを手動操作したりすることにより前後方向に傾転され、それぞれクローラーユニット2の左右クローラーの前後走行操作を行う。左右の走行レバー・ペダル10,11は、前後方向に傾動可能であり、傾動角度を調整することで、走行速度を調整することができ、大きく傾けると高速で走行する。
【0038】
図3は、実施形態に係る重機の遠隔操作装置の装置構成を模式的に示すブロック図である。本実施形態にかかる遠隔操作装置20は、油圧ショベル1に搭載される受信機21と、受信機21と無線通信可能で受信機21を遠隔操作する送信機22とで構成される。なお、本実施形態では、受信機21と送信機22間の通信は無線通信としているが、有線通信などで構成されていてもよい。
【0039】
受信機21は、送信機22からの制御信号を受信して油圧ショベル1の左右の操作ハンドル装置8,9及び左右の走行レバー・ペダル10,11に外力を与えて駆動させることで、油圧ショベル1を操作する。
【0040】
受信機21は、送信機22との通信や動作制御を行う制御装置23と、制御装置23からの動作制御により駆動する右操作ハンドル操作装置24、左操作ハンドル操作装置25、右走行レバー・ペダル操作装置26、左走行レバー・ペダル操作装置27とを備えている。各装置は、制御部と有線で接続されており、送信機22からの信号を受信した制御装置23からの制御信号により作動する。
【0041】
右操作ハンドル操作装置24、左操作ハンドル操作装置25は、運転席7の左,右両側に配置された操作ハンドル装置8,9の周りに取り付けられ、左右の操作ハンドル装置8,9の操作杆8a,9aを前後左右に傾動させるユニットである。右走行レバー・ペダル操作装置26、左走行レバー・ペダル操作装置27は、キャブ6のフロア6c上に固定され、左右の走行レバー・ペダル10,11を前後に傾動させるユニットである。
【0042】
送信機22は、受信機21と無線通信可能なリモートコントローラであり、受信機21の各操作装置24,25,26,27を作動させる。送信機22は、
図16に示すように例えば各操作装置24,25,26,27に対応した4つの操作レバー81,82,83,84を有する構成とすることができる。また、送信機22及び受信機21は、送信機22の操作レバー81,82,83,84の傾動角度に応じて各操作装置24,25,26,27の駆動量を調整することができるように構成されている。
【0043】
次に、操作ハンドル操作装置24,25具体的な構成について説明する。
図4は、受信機に含まれる左操作ハンドル操作装置の構成を示す平面図である。
図5は、左操作ハンドル操作装置の構成を示す左側面図である。
図6は、左操作ハンドル操作装置の構成を示す正面図である。以下、本実施形態では、左操作ハンドル操作装置25の構成を例にとって説明するが、右操作ハンドル操作装置24も左右対称で同じ構成となる。
【0044】
左操作ハンドル操作装置25は、運転席7の座面7aに対し左側に位置する左操作ハンドルユニット8の周りに取り付けられる。左操作ハンドル操作装置25は、取り付けフレーム30と前後駆動ユニット31と左右駆動ユニット32とを備え、互いの交差箇所で操作杆8aを支持する。前後駆動ユニット31と左右駆動ユニット32は、互いのガイド対40,48に沿って操作杆8a操作ハンドル装置8の操作杆8aの移動を許容するとともに、短手方向に移動することによって操作杆8aを特定の方向に操作する。
【0045】
取り付けフレーム30は、
図5に示すように、略コの字型の主フレーム33を備える。主フレーム33は、左操作ハンドルユニット8に座面7a前方側から取り付け、支持脚34によりキャブ6のフロア6c上に支持される。主フレーム33は、左操作ハンドルユニット8の上方に位置する上フレーム33aを備える。
【0046】
上フレーム33aは、矩形枠状のフレームであり、左操作ハンドルユニット8の操作杆8aを囲うように配置される。上フレーム33aには、前方側に設けられた前フレーム33bと両側方側に設けられた側方フレーム33cが接続されている。前フレーム33bには支持脚34が設けられフロア6cに支持される。前フレーム33bには、左右駆動ユニット32のアクチュエータ45のシリンダ45aが固定される。
【0047】
側方フレーム33cは、シリンダ36aを取り付けるためのものであり、運転席に固定又は載置させてもよい。また、外側のフレームには後述する前後駆動ユニット31のアクチュエータ36のシリンダ36aが固定される。
【0048】
本実施形態にかかる左操作ハンドル操作装置25は、上記のフレーム構成とすることにより、運転席7の座席スペースを確保した機器配置構成とすることができ、重機への挿着状態で運転者の乗降・搭乗操作が可能となる。これにより作業現場での煩雑性を解消することができ、作業時間を短縮することができる。
【0049】
次に、前後駆動ユニット31について説明する。前後駆動ユニット31は、上フレーム33aの両側方壁を跨ぐように設けられ、上フレーム33aの両側方壁に設けられた支持軸37を中心として揺動可能に取り付けられた前後ガイド35と、前後ガイド35を前後方向に揺動させるアクチュエータ36とを備える。
【0050】
アクチュエータ36は、制御装置23からの制御信号を受けて所定の回転方向及び回転量で駆動するモータ36cがシリンダ36aに設けられており、当該モータ36cの動きに伴い、ピストン36bが伸縮する。
【0051】
前後ガイド35は、アクチュエータ36のピストン36bに接続され、支持軸周りに揺動可能な第1リンク38と、第1リンク38と係脱自在に構成され、上フレーム33aの両側方壁に設けられた左右一対の第2リンク39と、左右一対の第2リンク39間を跨ぐように配置される一対のガイド対40とを備える。
【0052】
第1リンク38と第2リンク39は同じ支持軸37に配置され、
図5の矢印90に示すように、アクチュエータ36の伸縮に伴い、支持軸37を中心として揺動する。
【0053】
一対のガイド対40は、第2リンク39の間に渡された、所定の間隔をおいて互いに平行に配置された丸棒で構成されている。ガイド対40の間には、操作ハンドル装置8の操作杆8aが配置され、ガイド対40によって操作杆8aが前後方向に挟持される。一方、一対のガイド対40は互いに平行であるため、操作杆8aは、ガイド対40に沿って左右方向に自由に移動することが可能である。
【0054】
ガイド対40は、第2リンク39への接続箇所である両端部分を除いて操作杆8aの動作軌跡に沿った円弧状に構成されている。円弧は、操作杆8aへの挟持位置と操作杆8aの動作支点8bまでの距離を半径とすることが好ましい。
【0055】
前後ガイド35は、アクチュエータ36の伸縮に伴い、第1リンク38及びこれに接続された第2リンク39が傾倒する。上記のように、ガイド対40の間に操作ハンドル装置8の操作杆8aが設けられているため、
図5の実線で示した操作杆8aのニュートラル位置に対し、矢印91に示すように、アクチュエータ36が縮小すると後側に、伸張すると前側に、操作杆8aがそれぞれ傾倒する。
【0056】
このとき、支持軸37は、操作杆8aの動作支点8bに近い位置に設けられており、前後ガイド35は操作杆8aの動作軌跡と近い円弧を描いて傾倒する。このためその並び方向は、傾倒する操作杆8aに対して、略同じ方向となる。このため、ガイド対40に挟まれる操作杆8aの幅寸法は操作杆8aの傾斜角度に関係なくほぼ一定を維持することとなる。よって、ニュートラル位置にある操作杆8aの径寸法に応じてガイド対40の離間距離を決定すればよく、傾斜角度を考慮した余分な遊びを設ける必要がない。
【0057】
また、操作ハンドルの操作杆8aは傾倒動作するため、ガイド対40を同様に傾倒動作とすることで、ガイド対40を直線的に移動させる場合と較べて、操作杆8aの傾倒角度に応じたズレ量を少なくすることができる。このため、送信機22の操作量とほぼ対応して動作するガイド対40の変動幅に操作杆8aの傾倒角度を一致させることができ、動作精度を向上させることができる。
【0058】
第2リンク39は、離間距離の調整を可能な状態でガイド対40を取り付けることができる。
図8に示すように第2リンク39の上端とガイド対40の下端に設けられた取り付け壁39a,40aは、ガイド対40の並列方向に対向するように構成されており、両者をビス41で固定する。このとき、取り付け壁39a,40aの間に所定枚数のスペーサ42を挟むことにより、ガイド対40の第2リンク39への取り付け位置を調整することができる。なお、
図8においては左右駆動ユニット32のガイド対48の記載は省略している。
【0059】
次に左右駆動ユニット32について説明する。左右駆動ユニット32は、上フレーム33aの前後側壁を跨ぐように設けられ、上フレーム33aの前後側壁に設けられた支持軸43を中心として揺動可能に取り付けられた左右ガイド44と、左右ガイド44を左右方向に揺動させるアクチュエータ45とを備える。アクチュエータ45は、前後駆動ユニットに用いられているアクチュエータ36と同様に制御装置23からの制御信号によりピストン45bが伸縮する。
【0060】
左右ガイド44は、アクチュエータ45のピストン45bに接続され、支持軸43周りに揺動可能な第1リンク46と、第1リンク46と係脱自在に構成され、上フレーム33aの前後側壁に設けられた前後一対の第2リンク47と、前後一対の第2リンク47間を跨ぐように配置される一対のガイド対48とを備える。
【0061】
第1リンク46と第2リンク47は同じ支持軸43に配置され、
図6の矢印93に示すように、アクチュエータ45の伸縮に伴い、支持軸43を中心として揺動する。
【0062】
一対のガイド対48は、第2リンク47の間に渡された、所定の間隔をおいて互いに平行に配置された丸棒で構成されている。ガイド対48の間には、操作ハンドル装置8の操作杆8aが配置され、ガイド対48によって操作杆8aが左右方向に挟持される。一方、一対のガイド対48は互いに平行であるため、操作杆8aは、ガイド対48に沿って前後方向に自由に移動することが可能である。
【0063】
ガイド対48は、第2リンク47への接続箇所である両端部分を除いて操作杆8aの動作軌跡に沿った円弧状に構成されている。円弧は、操作杆8aへの挟持位置と操作杆8aの動作支点8bまでの距離を半径とすることが好ましい。
【0064】
左右ガイド44は、アクチュエータ45の伸縮に伴い、第1リンク46及びこれに接続された第2リンク47が傾倒する。上記のように、ガイド対48の間に操作ハンドル装置8の操作杆8aが設けられているため、
図6の実線で示した操作杆8aのニュートラル位置に対し、アクチュエータ45が縮小すると右側に、伸張すると左側に、操作杆8aがそれぞれ傾倒する。
【0065】
このとき、支持軸43は、操作杆8aの動作支点8bに近い位置に設けられており、左右ガイド44は操作杆8aの動作軌跡と近い円弧を描いて傾倒する。このため、その並び方向は、傾倒する操作杆8aに対して、略同じ方向となる。このため、ガイド対48に挟まれる操作杆8aの幅寸法は操作杆8aの傾斜角度に関係なくほぼ一定を維持することとなる。よって、ニュートラル位置にある操作杆8aの径寸法に応じてガイド対48の離間距離を決定すればよく、傾斜角度を考慮した余分な遊びを設ける必要がない。
【0066】
また、操作ハンドルの操作杆8aは傾倒動作するため、ガイド対48を同様に傾倒動作とすることで、ガイド対48を直線的に移動させる場合と較べて、操作杆8aの傾倒角度に応じたズレ量を少なくすることができる。このため、送信機22の操作量とほぼ対応して動作するガイド対48の変動幅に操作杆8aの傾倒角度を一致させることができ、動作精度を向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、ガイド対40,48は、
図7及び
図9に示すように、お互いのガイド対と交差する範囲においては、円弧状に構成されているため、一方のガイド対が移動する場合は、他方のガイド対に沿って移動することとなる。このため、ガイド対40,48間の上下方向の距離が揺動角度に応じて変化が少なく、操作杆8aの移動とガイドとを高精度に行うことができる。
【0068】
また、
図10に示すように、左右ガイド44の第2リンク47も、第2リンク47の上端とガイド対48の下端に設けられた取り付け壁47a,48aは、ガイド対48の並列方向に対向するように構成されており、両者をビス49で固定する。このとき、取り付け壁47a,48aの間に所定枚数のスペーサ50を挟むことにより、ガイド対48の第2リンク47への取り付け位置を調整することができる。
【0069】
前後駆動ユニット31と左右駆動ユニット32は、それぞれ独立したアクチュエータ36,45により独立駆動するように構成されている。また、前後ガイド35と左右ガイド44は、操作杆8aの動作支点8b近傍に位置する支持軸37,43を中心に揺動可能に構成されているため、円弧状の軌跡で操作杆8aを移動させる。
【0070】
前後ガイド35と左右ガイド44に設けられるガイド対40,48は所定の間隔をおいて互いに平行に配置され、互いに直行して配置される。このため、当該隙間に挟持される操作杆8aの動作において、操作杆8aの隙間内でのガイド対40,48の長手方向への移動を許容するため、一方の揺動による操作杆8aの移動が、他方のガイド対によって干渉されることがない。
【0071】
さらに、ガイド対40,48はそれぞれ円弧状に設けられ、互いの移動時に干渉することがない。また、上記のようにガイド対を円弧状とし、揺動可能に構成することにより、ガイド対40,48による操作杆8a挟持の遊びを小さくすることができる。これにより、精細な動作が可能となり動作精度が向上する。
【0072】
また、ガイド対40,48の間隔を最適に調整することで、作業中に発生する操作杆8aの振動による入力ノイズを防止することができる。
【0073】
また、本実施形態の前後ガイド35と左右ガイド44は、重機への装着時において有人操作を行う場合に操作ハンドルの動作抵抗を少なくするため、操作ハンドル装置を装着したままで操作杆8aの開放ができるように構成されている。
【0074】
具体的には、
図11に示すように、前後ガイド35と左右ガイド44の第2リンク39,47がそれぞれの揺動方向に2つにそれぞれ分割できるように構成され、ガイド対40,48が操作杆8aを開放できるように構成されている。これにより、有人操作において抵抗なく操作杆8aを操作することができる。
【0075】
図12は、前後ガイドを開放した状態を示す図であり、
図4のXII-XII線における断面図である。
図13は、左右ガイドを開放した状態を示す図であり、
図4のXIII-XIII線における断面図である。
【0076】
前後ガイド35と左右ガイド44はアクチュエータ36,45にそれぞれ連結する第1リンク38,46とガイド対40,48が設けられている第2リンク39,47との係合を脱着可能とし、さらに、第2リンク39,47を分割可能に構成することによって、開放することができる。
【0077】
図12,
図13に示すように、前後ガイド35と左右ガイド44の第1リンク38,46は、それぞれ貫通孔38a,46aを備えている。
【0078】
また、第2リンク39,47は、
図12,13に示すように、それぞれの揺動方向に2つに分割された構成であり、2つの分割リンク39b,39c,47b,47cは、支持軸37,43に軸支されている。分割リンク39b,39c,47b,47cには、それぞれにガイド対40,48が取り付けられている。
【0079】
前後ガイド35の分割リンク39b,39c及び左右ガイド44の分割リンク47b,47cは、両者がそれぞれ支持軸37,43を中心として傾倒することで離接可能である。分割リンク39b,39c及び分割リンク47b,47cが近接した挟持位置にあるときは、ガイド対40,48によって操作杆8aを支持することができる。一方、分割リンク39b,39c及び分割リンク47b,47cが上フレーム33aの側壁側に広がった開放位置にあるときは、操作杆8aがガイド対40,48から開放され、操作杆8aの可動範囲内において前後ガイド35と左右ガイド44との接触はなく、操作杆8aを抵抗なく操作することができる。
【0080】
第2リンク39,47の分割リンク39b,39c,47b,47cには、係合ピン53,54を挿入する貫通孔51b,51c,52b,52cが設けられており、分割リンク39b,39c及び分割リンク47b,47cを連結するときは、貫通孔51b,51cの双方に係合ピン53を、貫通孔52b,52cの双方に係合ピン54をそれぞれ挿入することで、分割リンク39b,39c及び分割リンク47b,47cが連結される。
【0081】
なお、本実施形態では、挟持位置にある分割リンク39b,39c及び分割リンク47b,47cに設けられている貫通孔51b,51c及び貫通孔52b,52cが重なるように、分割リンク39c、47cは、それぞれ連結片55,56を備え、当該連結片55,56に貫通孔51c,52cが設けられている。
【0082】
また、連結片55,56には、第1リンク38,46に設けられている貫通孔38a,46aと重なり可能な位置に貫通孔57,58が設けられており、両者が重なった位置において、係合ピン59,60を挿通させることで、第1リンク38,46と第2リンク39,47が係合する。
【0083】
次に左右の走行レバー・ペダル操作装置の構成について説明する。
図14は、左右の左走行レバー・ペダル操作装置の構成を示す平面図である。
図15は、左走行レバー・ペダル操作装置の構成を示す側面図である。
【0084】
本実施形態にかかる左右の走行レバー・ペダル操作装置26,27は、キャブ6のフロア6c上に固定され、左右の走行レバー・ペダル10,11の傾斜角度を遠隔操作する装置である。以下、左走行レバー・ペダル操作装置27を例にとって説明するが、右走行レバー・ペダル操作装置26も左右対称で同様の構成となる。
【0085】
走行レバー・ペダル操作装置26,27は、フロア6cの左右の走行レバー・ペダル10,11の外側側方位置に固定される。フロア6cへの固定は、取り付けベース61を固定ビス62を用いてビス止めする。
【0086】
取り付けベース61の上面には、カバー63内に収納されたアクチュエータ64とリンクユニット65が設けられる。
【0087】
アクチュエータ64は、制御装置23からの制御信号を受けて所定の回転方向及び回転量で駆動する電気モータである。
【0088】
アクチュエータ64の回転軸にはロータ66が接続され、駆動ベルト67によりリンクユニット65を駆動させる。
【0089】
駆動ベルト67は、リンクユニット65の駆動軸68を駆動させる。駆動軸68が左右の走行レバー・ペダル10,11の回転軸の側方位置に位置するように配置されている。
【0090】
駆動軸68には、リンク69が接続されている。リンク69の端部には、左右の走行レバー・ペダル10,11の後端部分を上下方向から挟持する連結部材70a,70bが設けられている。
【0091】
走行レバー・ペダル操作装置26,27は、アクチュエータ64の動作に連動してリンク69が矢印95に示すように、駆動軸68を中心として回転する。これにより、リンクに連結された走行レバー・ペダル10,11を操作することができる。
【0092】
上記の構成を有する受信機21は、送信機22の操作レバー81,82,83,84の動作に対応して、各操作装置24,25,26,27が駆動する。すなわち、右操作ハンドル操作装置24、左操作ハンドル操作装置25に対応する操作レバー81,82は、2軸方向に自由度を有し、操作レバー81,82の前後の動きで前後駆動ユニット31のアクチュエータ36を、左右の動きで左右駆動ユニット32のアクチュエータ45を動作させる。
【0093】
一方、右走行レバー・ペダル操作装置26,左走行レバー・ペダル操作装置27に対応する操作レバー83,84は、前後方向のみに自由度を有し、操作レバー83,84の前後の動きがアクチュエータ64を動作させる。
【0094】
また、操作レバー81,82,83,84の操作量と、各操作装置のアクチュエータの動作量の対応付けは、変更可能に構成されていることが好ましい。例えば、
図17に示すように、符号85で示す特性カーブでは、両者の関係は比例の関係となっており、操作レバーの操作量はそのままアクチュエータの動作量に対応する。
【0095】
なお、この特性カーブは、例えば、全体又は部分的に傾きを変化させたり、切片の位置を変化させて、送信機での操作に対応する駆動ユニットの動作特定を任意に変更することができる。
【0096】
このように、操作レバー81,82,83,84の操作量と、各操作装置のアクチュエータの動作量の対応付けを変更可能にすることにより、より緻密な遠隔操作を可能とし、また、重機ごとに異なる操作ハンドル装置8の操作杆8aの動作特性に応じた調整が可能となる。
【0097】
特性カーブは、例えば、受信機21の制御部23に操作パネルなどを設けて調整することができる。また、特性カーブは、操作装置24,25,26,27のアクチュエータごとに独立して設定することができるようにすることが好ましい。
【0098】
以上のように、この発明の遠隔操作装置は、運転席周りに設けられた左右の操作ハンドル装置8,9と、フロア6cに設けられた左右の走行レバー・ペダル10,11の周りにそれぞれを独立駆動させる操作装置を取り付けることで、重機の改修などを行う必要がなく、遠隔操作することができる。
【0099】
また、各操作装置は操作ハンドルの周囲にコンパクトに取り付けることができるため、取り付け作業が簡単あり、また、取り付けたままで有人操作を行うことも可能である。
【0100】
さらに、操作ハンドルの傾動をガイドするガイド部材を操作ハンドルの動作軌跡に沿った円弧状に構成することにより、操作ハンドルの傾斜角度に関係なく、操作ハンドルを移動させる駆動機構の移動量と操作ハンドルの操作ずれを少なくすることができ、高精度な操作を可能とすることができる。
【0101】
さらに、操作杆を狭持する挟持位置からガイド対が広く離間した開放位置へガイド対を移動可能とすることにより、操作杆が開放される。このため、操作ハンドルを手動で自由に動かすことが可能であり、装置の装着を維持したまま遠隔操作と有人操縦との切り替えを容易に行なうことができる。
【0102】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。たとえば、受信機は、左右の操作ハンドル装置8,9及び左右の走行レバー・ペダル10,11を操作する4つの操作装置を備えているが、他の操作ハンドル又は操作レバーを備えた重機であれば、これらの操作ハンドルなどに対応する操作装置を設けることもできる。